JP4067623B2 - くり返しこう上可能な橋桁支承部の急速こう上施工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は橋梁の橋脚が沈下した場合の橋桁支承部こう上施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
橋梁の橋脚が沈下した場合の対処法として、場所打ちコンクリートを用いた橋梁支承部こう上施工法がある。この工法は、まず橋桁を仮受けするためにブラケット等を組み、油圧ジャッキ等により橋桁および支承部をこう上させ、配筋および型枠を組んでコンクリートを打設して支承部と一体化させる工法である。この工法について、図5、図6を参照して以下に説明する。
図5は従来工法により既に1回以上橋脚をこう上した状態を示している。
橋桁6は、橋脚1上に配筋および型枠を組んでコンクリート打設によって施工されたシュー座2に固定された支承部3で支持されている。矢印Aで示したところは既にこう上された部分を示しており、こう上前は、支承部3下部の突起4は橋脚1に直接ボルトで固定されていたものであるが、こう上によりコンクリート打設して造られたシュー座2にボルトで固定され、支承部の上部5は橋桁6の底面の突起7と嵌合し、ボルト等で固定して橋桁端部を支えている。シュー座2は、橋脚1が何らかの理由で沈下したために、図6に示すような従来工法でこう上したものである。
【0003】
図6は橋脚こう上の従来工法を説明する図である。なお、図5と同一参照数字は同一内容を示している。
何らかの理由で橋脚が沈下した場合、支承部3下部の突起4と橋脚または前回のこう上で施工されたシュー座とを固定していたボルトをあらかじめ外しておき、橋脚1の両側に鉄製の仮受用ブラケット8をボルト等で固定し、仮受けジャッキ9により橋桁6、支承部3をこう上する。次いで、前回こう上されている場合は、シュー座を撤去して型枠10を設置し、再度鉄筋を組み立ててコンクリートを打設して新しいシュー座11を施工して打継目をつくらないようにする。なお、シュー座11の黒く塗りつぶした部分は前回こう上された部分であり、その上の部分が今回こう上した部分(こう上量h)を示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
通常、こう上施工は、交通車両が通らない時間帯である夜間作業間合いで実施するが、この工法では、打継目を造らないため前回こう上した部分の撤去、配筋および型枠組立、コンクリート打設、打設後のコンクリートの養生に時間がかかり、1回の夜間作業で施工を終えることができない。このように、1回の施工に多大な時間と労力を要するため、断続的に続く沈下に対して、打ち継いでくり返しこう上することが困難であった。また、コンクリートが硬化するまで橋桁の仮受けを行う必要があり、その期間は交通車両の速度制限等の必要がある。
【0005】
本発明は、短時間での施工を可能とし、交通車両の速度制限の必要もなく、施工後短時間で走行安全性を確保できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のくり返しこう上可能な橋桁支承部の急速こう上施工法は、橋桁底面に固定したプレートの孔を通して上方へ突出する鋼棒からなるストッパーを橋脚に設置する工程、橋桁支承部を橋脚又はシュー座から外して橋桁を必要量こう上させる工程、前記シュー座、ストッパーを囲む形状に加工し、内面に縁切り材が形成されるとともに、高さ調整具が取付けられた鋼製型枠を設置する工程、鋼製型枠の中に超速硬性モルタルを注入して橋桁支承部と一体化する工程、注入後、養生する工程からなる施工法で設置された型枠を硬化モルタルから切り離して必要量こう上し、その下側にさらに他の鋼製型枠を設置して既設型枠に固定し、超速硬性モルタルを注入して橋桁支承部と一体化し、注入後、養生することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図1〜図4により説明する。
図1はストッパーを新設する事前作業を説明する図で、図1(a)は橋桁方向から見た正面図、図1(b)は平面図であり、図2は型枠セット、ジャッキアップ、超速硬性モルタル注入の本作業を説明する図で、図2(a)は橋桁直交方向からみた側面図、図2(b)は2回目以降のこう上方法を説明する側面図であり、図3は養生完了を示す側面図、図4は型枠を示す斜視図である。なお、図5、図6と同一参照数字は同一内容を示している。
本発明は、従来の場所打ちコンクリートによる施工法に代えて、超速硬性モルタル、継ぎ足し可能なストッパーおよび鋼製型枠を使用することにより、短時間での施工を可能にしたものである。以下に、施工順序について説明する。
【0008】
▲1▼事前施工として、数回のこう上が可能な余裕長を有し、継ぎ足しが可能なストッパーを新設する。なお、こう上の施工当日には、仮受けのジャッキをセットする。
図1を参照してより詳細に説明すると、ストッパー21は太い鋼棒からなり、橋脚の前面のコンクリートを壊して削孔し、補強鉄筋とともに差し込んでコンクリートを打って埋め戻して設置する。橋桁底面には溶接、ボルト等でストッパーより大径の孔22を開けた水平力受け部材(プレート)23を取り付けておき、ストッパー21はこの孔22を通して、再度のこう上に備えた余裕長L1だけ上方に突出させ、ストッパー21とプレート23とで水平力を分担させる。何回かのこう上により、余裕長がなくなってきた場合は、さらにストッパー頂部に長さL2だけ溶接等で継ぎ足しを行う。なお、図1の24は既設こう上部分を示している。
【0009】
▲2▼作業開始後、まずシュー座ボルト25を外し(こう上されていない場合は橋脚から外す)、図2(a)に示すようにターンバックル26等で吊っておき、橋脚1の両側にボルト等で固定した鉄製の仮受用ブラケット8に設置した仮受けジャッキ9等で橋桁を必要量こう上(こう上量h1 )させた後、前回こう上されている場合のシュー座およびストッパを囲むような形に加工した継ぎ足し可能でかつ、スライドこう上が可能な鋼製型枠27を設置する。鋼製型枠は、図4に示すように2つのコの字型鋼材を向き合わせて両側に設けたフランジ31同士を突き合わせてボルト32で固定するものであり、2つのコの字型部材でストッパーとシュー座を囲むようにして設置する。この型枠は差し筋および補強鉄筋の代わりをなすものであり、これを使用することによりチッピング等の打ち継ぎ前処理が不要となる。
【0010】
▲3▼次いで、型枠の中に超速硬性モルタルを注入して橋桁1の支承部3と一体化する。超速硬性モルタルとしては、超速硬性セメントモルタル、超速硬性樹脂モルタル等があり、樹脂系では、硬化性能が優れているアクリル系が望ましい。
▲4▼注入後、1時間程度養生する。
▲5▼仮受用のブラケット8、ジャッキ9を撤去する。このとき、型枠27は取り外さずに残すして完了する(図3)。
【0011】
以上のようにこう上した後、沈下が生じて再度こう上する場合について説明する。
図4に示すように、鋼製型枠27の内面にはフィルムシート、グリス等の縁切り材33が形成されていて硬化モルタルとの脱型が容易な構造としており、また、側面には取付けジグ28が設けられていてこれに高さ調整用ボルト孔29が開けられている。再度こう上が必要な場合は、型枠内面の縁切り材33により注入した超速硬性モルタルと型枠とを切り離し、図2(b)に示すように、高さ調整用ボルト30でこう上量を調整して既設の型枠27をこう上(こう上量h2 )させ、その下側に新たに同様の構造の型枠27′を設置して、再度超速硬性モルタルを注入する。このような工程を繰り返すことにより、繰り返しのこう上が可能である。
こう上量が大きくなった場合には、既にこう上された支承部およびストッパーを一体補強することにより、ストッパーの発生応力を小さくできるため、さらにこう上を続けることができる。
【0012】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、超速硬性モルタルを使用することにより養生時間を大幅に短縮し、事前施工で設置するストッパーおよび鋼製型枠(構造部材兼用)に水平力を分担させる構造としてシュー座付近の細かい配筋を不要とし、従来工法の鉄筋を組むのに要した時間をなくすることにより、夜間作業間合いが3時間程度しかないような現場においても、1回の夜間作業で支承部をこう上させることができる。
また、超速硬性モルタル、継ぎ足し可能なストッパーおよび鋼製型枠を使用することにより、従来施工法ではほとんど不可能であった2回、3回と打ち継いでのくり返しこう上を行うことが可能となる。
また、交通車両の速度制限を行う必要がなくなるため、施工後短時間での走行安全性の確保、および徐行費、労務費の軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ストッパーを新設する事前作業を説明する図である。
【図2】 型枠セット、ジャッキアップ、超速硬性モルタル注入の本作業を説明する図である。
【図3】 養生完了を示す側面図である。
【図4】 型枠を示す斜視図である。
【図5】 従来工法により橋脚をこう上した状態を示す図である。
【図6】 橋脚こう上の従来工法を説明する図である。
【符号の説明】
1…橋脚、2…シュー座、3…支承部、4…突起、6…橋桁、7…突起、8…仮受用ブラケット、9…仮受けジャッキ、21…ストッパー、23…プレート、25…シュー座ボルト、26…ターンバックル、27…鋼製型枠、28…取付けジグ、29…高さ調整用ボルト孔、30…高さ調整用ボルト、33…縁切り材。
Claims (1)
- 橋桁底面に固定したプレートの孔を通して上方へ突出する鋼棒からなるストッパーを橋脚に設置する工程、
橋桁支承部を橋脚又はシュー座から外して橋桁を必要量こう上させる工程、
前記シュー座、ストッパーを囲む形状に加工し、内面に縁切り材が形成されるとともに、高さ調整具が取付けられた鋼製型枠を設置する工程、
鋼製型枠の中に超速硬性モルタルを注入して橋桁支承部と一体化する工程、
注入後、養生する工程、
からなる施工法で設置された型枠を硬化モルタルから切り離して必要量こう上し、その下側にさらに他の鋼製型枠を設置して既設型枠に固定し、超速硬性モルタルを注入して橋桁支承部と一体化し、注入後、養生することを特徴とするくり返しこう上可能な橋桁支承部の急速こう上施工法。
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