JP3052736U

JP3052736U - プレキャストコンクリートブロックにプレストレスを与えて一体化させた大型暗渠

Info

Publication number: JP3052736U
Application number: JP1997012044U
Authority: JP
Inventors: 隆昭遠藤
Original assignee: 隆昭遠藤
Priority date: 1997-12-18
Filing date: 1997-12-18
Publication date: 1998-10-09
Anticipated expiration: 2003-12-18

Abstract

(57)【要約】【目的】本考案は、暗渠断面が概ね３０ｍ^２以上の大
型暗渠に関するもので、工場での厳しい品質管理のもと
で制作されたプレキャストコンクリート製品を、施工現
場でプレストレスを与えて組み立てることにより、従来
に比べて、大幅な構築時間の短縮、構築人員の削減等を
図ることを目的としたものである。【構成】プレキャスト又は現場打床版の所定の位置に
ＰＣ鋼棒を埋め込んで置き基礎底版コンクリートを形成
し、その底版上にプレキャストブロックを積み上げ、プ
レストレスを与えることにより一体化された、プレスト
レストコンクリートの側壁を構築し、プレキャスト頂版
を架設してなる図３の様なプレキャストコンクリートブ
ロックにプレストレスを与えて一体化させた大型暗渠。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は暗渠断面が概ね３０ｍ^２以上の大型暗渠に関するもので、大型暗渠の大幅な構築期間の短縮，構築人員の削減等により、構築費用の低減を図る。

【０００２】

【従来の技術】

従来は、暗渠断面が概ね３０ｍ^２以上の大型暗渠は、ほとんどが現場打鉄筋コンクリートによる構築方法をとっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

暗渠断面が概ね３０ｍ^２以上の大型暗渠は車両制限令により、プレキャストコンクリート製品では施工現場までの輸送手段に問題があり、ほとんどが現場打鉄筋コンクリートによる構築方法をとっていた。そこで本考案によって輸送に問題のないプレキャストコンクリート製品をプレハブ化して、プレストレスを与えることにより一体化させて大型暗渠を構築し、現場打鉄筋コンクリートによる構築方法に比べ、大幅な構築期間の短縮、構築人員の削減による構築費用の低減を図ろうとしている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

そこで前記課題を解決するために、

【図１】のごとくプレキャスト又は現場打床版（１）の所定の位置に定着プレート（２）を固定し、更に定着プレート（２）にＰＣ鋼棒（３）を取り付け、基礎底版用鉄筋（４）を組み立て、

【図２】のごとくプレキャスト又は現場打基礎コンクリート（５）を形成し所定の位置より突出させたＰＣ鋼棒（３）の先端は、更に上部に継ぎ足し出来る様にねじ加工を施しており、カップラー（６）で継ぎ足ししたＰＣ鋼棒（３）に、

【図３】のごとく前壁とその後側面に突設し、積み重ねて側壁を形成する為に中空とした控壁を有したＴ型プレキャストブロック（７）の控壁中空部（８）を挿入し、Ｔ型プレキャストブロック（７）を順次積み重ねて側壁を構築する。側壁最上部には、プレキャスト頂版（１３）の受け台を兼ね備えたＴ型プレキャスト受台ブロック（１４）を重設して、ＰＣ鋼棒（３）を緊張定着するためのアンカープレート（９）を、ＰＣ鋼棒（３）に挿入しナット（１０）で仮止し、ジャッキにより設計上必要なプレストレス規定値まで緊張した後にナット（１０）を締め付け、控壁中空部（８）と挿入されたＰＣ鋼棒（３）の空隙部にはモルタルを注入して保護する。この様に積み重ねたＴ型プレキャストブロック（７）と、Ｔ型プレキャスト受台ブロック（１４）にそれぞれプレストレスを一連で与えることにより、一体化させたプレストレストコンクリート側壁（１２）を構築し、プレキャスト頂版（１３）を架設して構築する。

【０００５】

【作用】

プレキャスト又は現場打基礎コンクリート（５）を形成し所定の位置より突出させたＰＣ鋼棒（３）の先端は、更に上部に継ぎ足し出来る様にねじ加工を施しており、カップラー（６）で継ぎ足ししたＰＣ鋼棒（３）に

【図３】のごとくＴ型プレキャストブロック（７）の控壁中空部（８）を挿入しＴ型プレキャストブロック（７）を順次積み重ねて側壁を構築し側壁最上部には、プレキャスト頂版（１３）の受け台を兼ね備えたＴ型プレキャスト受台ブロック（１４）を、重設してＰＣ鋼棒（３）を必要なプレストレス規定値まで緊張し、プレストレスを一連で与えることにより一体化させたプレストレストコンクリート側壁（１２）を構築し、プレキャスト頂版（１３）を架設して、大型暗渠を構築する。

【０００６】

【実施例】

本考案の実施例を図面によって説明すると、

【図２】のごとくプレキャスト又は現場打基礎コンクリート（５）を形成し所定
の位置より突出させたＰＣ鋼棒（３）の先端は、更に上部に継ぎ足し出来る様にねじ加工を施しており、カップラー（６）で継ぎ足ししたＰＣ鋼棒（３）に、

【図
３】のごとく前壁とその後側面に突設し、積み重ねて側壁を形成する為に中空とした控壁を有したＴ型プレキャストブロック（７）の控壁中空部（８）を挿入し、Ｔ型プレキャストブロック（７）を順次積み重ねて側壁を構築する。側壁最上部には、プレキャスト頂版（１３）の受け台を兼ね備えたＴ型プレキャスト受台ブロック（１４）を重設して、ＰＣ鋼棒（３）を緊張定着するためのアンカープレート（９）をＰＣ鋼棒（３）に挿入しナット（１０）で仮止し、ジャッキにより設計上必要なプレストレス規定値まで緊張した後にナット（１０）を締め付け、控壁中空部（８）と挿入されたＰＣ鋼棒（３）の空隙部にはモルタルを注入して保護する。この様に積み重ねたＴ型プレキャストブロック（７）と、Ｔ型プレキャスト受台ブロック（１４）にそれぞれプレストレスを一連で与えることにより一体化させたプレストレストコンクリート側壁（１２）を構築し、プレキャスト頂版（１３）を架設して構築する。尚、

【図４】の実施例は側壁部が深い場合の構築例を示したものであり、基礎部に近い下層ほど土圧等が増大する為、下層のＴ型プレキャストブロック（７）の控壁部（１１）を、上層のＴ型プレキャストブロック（７）の控壁部（１１）よりも、後方に延ばして断面耐力を大にし土圧等に十分対応させた構築例を示す。

【０００７】

【考案の効果】

本考案によれば、

【図３】に示すように大型暗渠の側壁背面側は、土圧等の外力が作用すれば、引張力を受け、同時に側壁前面側は圧縮力を受ける。側壁背面側と側壁前面側との間に、引張力も圧縮力も生じない境界面、つまり中立面があり、中立面より後部の引張力圏内にある断面は、ほとんどがコンクリートでなく、鉄筋による引張力に期待する為贅肉部であり、この部分の贅肉部を剃り落としたＴ型プレキャストブロック（７）及び、Ｔ型プレキャスト受台ブロック（１４）、更にプレキャスト頂版（１３）のように、スリムで無駄のない経済断面として供給することで、大幅にコンクリートの使用量を削減出来ることにより、構築コストの低減をはかる。この様に本考案の暗渠の構築は、工場で十分な品質管理の上生産されたプレキャスト製品を、施工現場でＰＣ鋼棒（３）を必要なプレストレス規定値まで緊張し、一体化させたプレストレストコンクリート側壁（１２）を構築し、プレキャスト頂版（１３）を架設して構築するこれらの施工は、ほとんどが機械作業である為、構築期間の大幅な短縮と大幅な人員削減となり、大きな効果が期待できる。

【提出日】平成１０年２月１７日

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００４

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００４】

【課題を解決するための手段】

そこで前記課題を解決するために、図１のごとくプレキャスト又は現場打床版（１）の所定の位置に定着プレート（２）を固定し、更に定着プレート（２）にＰＣ鋼棒（３）を取り付け、基礎底版用鉄筋（４）を組み立て、図２のごとくプレキャスト又は現場打基礎コンクリート（５）を形成し所定の位置より突出させたＰＣ鋼棒（３）の先端は、更に上部に継ぎ足し出来る様にねじ加工を施しており、カップラー（６）で継ぎ足ししたＰＣ鋼棒（３）に、図３のごとく前壁とその後側面に突設し、積み重ねて側壁を形成する為に中空とした控壁を有したＴ型プレキャストブロック（７）の控壁中空部（８）を挿入し、Ｔ型プレキャストブロック（７）を順次積み重ねて側壁を構築する。側壁最上部には、プレキャスト頂版（１３）の受け台を兼ね備えたＴ型プレキャスト受台ブロック（１４）を重設して、ＰＣ棒鋼（３）を緊張定着するためのアンカープレート（９）を、ＰＣ鋼棒（３）に挿入しナット（１０）で仮止し、ジャッキにより設計上必要なプレストレス規定値まで緊張した後にナット（１０）を締め付け、控壁中空部（８）と挿入されたＰＣ鋼棒（３）の空隙部にはモルタルを注入して保護する。この様に積み重ねたＴ型プレキャストブロック（７）と、Ｔ型プレキャスト受台ブロック（１４）にそれぞれプレストレスを一連で与えることにより、一体化させたプレストレストコンクリート側壁（１２）を構築し、プレキャスト頂版（１３）を架設して構築する。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００５

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００５】

【作用】

プレキャスト又は現場打基礎コンクリート（５）を形成し所定の位置より突出させたＰＣ鋼棒（３）の先端は、更に上部に継ぎ足し出来る様にねじ加工を施しており、カップラー（６）で継ぎ足ししたＰＣ鋼棒（３）に図３のごとくＴ型プレキャストブロック（７）の控壁中空部（８）を挿入しＴ型プレキャストブロック（７）を順次積み重ねて側壁を構築し側壁最上部には、プレキャスト頂版（１３）の受け台を兼ね備えたＴ型プレキャスト受台ブロック（１４）を、重設してＰＣ鋼棒（３）を必要なプレストレス規定値まで緊張し、プレストレスを一連で与えることにより一体化させたプレストレストコンクリート側壁（１２）を構築し、プレキャスト頂版（１３）を架設して、大型暗渠を構築する。

【手続補正４】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００６

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００６】

【実施例】

本考案の実施例を図面によって説明すると、図１のごとくプレキャスト又は現場打床版（１）の所定の位置に定着プレート（２）を固定し、更に定着プレート（２）にＰＣ鋼棒（３）を取り付け、基礎底版用鉄筋（４）を組み立て、図２のごとくプレキャスト又は現場打基礎コンクリート（５）を形成し所定の位置より突出させたＰＣ鋼棒（３）の先端は、更に上部に継ぎ足し出来る様にねじ加工を施しており、カップラー（６）で継ぎ足ししたＰＣ鋼棒（３）に、図３のごとく前壁とその後側面に突設し、積み重ねて側壁を形成する為に中空とした控壁を有したＴ型プレキャストブロック（７）の控壁中空部（８）を挿入し、Ｔ型プレキャストブロック（７）を順次積み重ねて側壁を構築する。側壁最上部には、プレキャスト頂版（１３）の受け台を兼ね備えたＴ型プレキャスト受台ブロック（１４）を重設して、ＰＣ鋼棒（３）を緊張定着するためのアンカープレート（９）をＰＣ鋼棒（３）に挿入しナット（１０）で仮止し、ジャッキにより設計上必要なプレストレス規定値まで緊張した後にナット（１０）を締め付け、控壁中空部（８）と挿入されたＰＣ鋼棒（３）の空隙部にはモルタルを注入して保護する。この様に積み重ねたＴ型プレキャストブロック（７）と、Ｔ型プレキャスト受台ブロック（１４）にそれぞれプレストレスを一連で与えることにより一体化させたプレストレストコンクリート側壁（１２）を構築し、プレキャスト頂版（１３）を架設して構築する。尚、図４の実施例は側壁部が深い場合の構築例を示したものであり、基礎部に近い下層ほど土圧等が増大する為、下層のＴ型プレキャストブロック（７）の控壁部（１１）を、上層のＴ型プレキャストブロック（７）の控壁部（１１）よりも、後方に延ばして断面耐力を大にし土圧等に十分対応させた構築例を示す。

【手続補正５】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００７

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００７】

【考案の効果】

本考案によれば、図３に示すように大型暗渠の側壁背面部は、土圧等の外力が作用すれば、引張力を受け、同時に側壁前面部は圧縮力を受ける。側壁背面側と側壁前側との間に、引張力も圧縮力も生じない境界面、つまり中立面があり、中立面より後部の引張力圏内にある断面は、ほとんどがコンクリートでなく、鉄筋による引張力に期待する為贅肉部であり、この部分の贅肉部を剃り落としたＴ型プレキャストブロック（７）及び、Ｔ型プレキャスト受台ブロック（１４）に、更にプレキャスト頂版（１３）のように、スリムで無駄のない経済断面として供給することで、大幅にコンクリートの使用量を削減出来ることにより、構築コストの低減をはかる。この様に本考案の暗渠の構築は、工場で十分な品質管理の上生産されたプレキャスト製品を、施工現場でＰＣ鋼棒（３）を必要なプレストレス規定値まで緊張し、一体化させたプレストレストコンクリート側壁（１２）を構築し、プレキャスト頂版（１３）を架設して構築するこれらの施工は、ほとんどが機械作業である為、構築期間の大幅な短縮と大幅な人員削減となり、大きな効果が期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】プレキャスト又は現場打床版（１）に定着プ
レート（２）を固定し、更にＰＣ鋼棒（３）を取り付け
基礎底版用鉄筋（４）を配列した状態を示す

【図２】

【図１】に於いて、基礎コンクリートを形成した状態を
示す

【図３】本考案のプレストレスを与えて一体化させた
プレストレストコンクリート側壁（１２）にプレキャス
ト頂版（１３）を架設して構築した実施例の斜視図を示
す

【図４】本考案の側壁部が深い場合の使用例であり、
Ｔ型プレキャストブロック（７）の控壁部（１１）を下
層部で後方に延ばして構築した実施例の斜視図を示す

【図５】本考案の土被りが多い場合の使用例で、プレ
キャスト頂版（１３）をアーチ型で、プレキャスト又は
現場打基礎コンクリート（５）を一体化した場合の実施
例の斜視図を示す

【図６】本考案のスノーシェルターとしての構築実施
例の斜視図を示す

【符号の説明】

１；プレキャスト又は現場打床版２；定着プレート３；ＰＣ鋼棒４；基礎底版用鉄筋５；プレキャスト又は現場打基礎コンクリート６；カップラー７；Ｔ型プレキャストブロック８；控壁中空部９；アンカープレート１０；ナット１１；控壁部１２；プレストレストコンクリート側壁１３；プレキャスト頂版１４；Ｔ型プレキャスト受台ブロック１５；鋼製シェルター１６；採光窓１７；道路

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成１０年２月１７日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

【手続補正６】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図２

【補正方法】変更

【補正内容】

【図２】図１に於いて、基礎コンクリートを形成した
状態を示す

【手続補正７】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】符号の説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【符号の説明】１プレキャスト又は現場打床版２定着プレート３ＰＣ鋼棒４基礎底版用鉄筋５プレキャスト又は現場打基礎コンクリート６カップラー７Ｔ型プレキャストブロック８控壁中空部９アンカープレート１０ナット１１控壁部１２プレストレストコンクリート側壁１３プレキャスト頂版１４Ｔ型プレキャスト受台ブロック１５鉄製シェルター１６採光窓１７道路

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】【図１】のごとくプレキャスト又は現場打床版（１）の
所定の位置に定着プレート（２）を固定し、更に定着プ
レート（２）にＰＣ鋼棒（３）を取り付け、基礎底版用
鉄筋（４）を組み立て、【図２】のごとくプレキャスト又は現場打基礎コンクリ
ート（５）を形成し所定の位置より突出させたＰＣ鋼棒
（３）の先端は、更に上部に継ぎ足し出来る様にねじ加
工を施しており、カップラー（６）で継ぎ足ししたＰＣ
鋼棒（３）に、【図３】のごとく前壁とその後側面に突設し、積み重ね
て側壁を形成する為に中空とした控壁を有したＴ型プレ
キャストブロック（７）の控壁中空部（８）を挿入し、
Ｔ型プレキャストブロック（７）を順次積み重ねて側壁
を構築する。側壁最上部には、プレキャスト頂版（１
３）の受け台を兼ね備えたＴ型プレキャスト受台ブロッ
ク（１４）を重設して、ＰＣ鋼棒（３）を緊張定着する
ためのアンカープレート（９）をＰＣ鋼棒（３）に挿入
しナット（１０）で仮止し、ジャッキにより設計上必要
なプレストレス規定値まで緊張した後にナット（１０）
を締め付け、控壁中空部（８）と挿入されたＰＣ鋼棒
（３）の空隙部にはモルタルを注入して保護する。この
様に積み重ねたＴ型プレキャストブロック（７）と、Ｔ
型プレキャスト受台ブロック（１４）にそれぞれプレス
トレスを一連で与えることにより一体化させたプレスト
レストコンクリート側壁（１２）を構築し、プレキャス
ト頂版（１３）を架設してなる【図３】の様な、プレキャストコンクリートブロックに
プレストレスを与えて一体化させた大型暗渠。