JP3051350U - プレキャストブロックの一体化による大型ボックスカルバート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 プレキャストコンクリートのプレハブ化に工
夫を加えることにより、大型ボックスカルバートを構築
する。 【解決手段】 現場打基礎底版コンクリート２とＴ型プ
レキャストブロック１６，７が完全に一体化させ更にＴ
型プレキャストブロック７を順次積み重ねて側壁を構築
し、側壁最上部にはプレキャスト頂版１３と側壁部のＴ
型プレキャストブロック７とを、完全に一体化するため
のプレキャスト受台ブロック１４を重設してプレキャス
ト頂版１３を架設し、プレキャスト頂版１３の端部から
突出させたアンカー鉄筋１５とＴ型プレキャストブロッ
ク７の控壁中空部８及びプレキャスト受台ブロック１４
の中空部の所定の位置に必要量配列し突出した、ポスト
鉄筋５を連結鉄筋１９で結合して、コンクリート１７を
打設して大型ボックスカルバートを構築する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は大断面のボックスカルバートに関するもので、プレキャストブロック のプレハブ化に、工夫を加えることによって運搬上の課題を解消し、経済性，施 工性の向上を図ることが目的である。

【０００２】

【従来の技術】

従来は、幅４．０Ｍ×高さ２．５Ｍ程度までのボックスカルバートについては 既に、プレキャストボックスカルバートとして実用化され、施工の合理化，省人 化，コスト縮減等に効果を発揮している。しかし大断面については運搬上の問題 がある為、ほとんどが現場打鉄筋コンクリートによる構築方法であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

大型プレキャストボックスカルバートは、プレキャストコンクリートのプレハ ブ化に工夫を加えることで運搬上の課題を解消し、経済性，施工性の向上を図る ことが出来る。本考案のプレキャストブロックの一体化による大型ボックスカル バートによれば施工中における一般交通への影響の軽減，必要労働力の低減，工 期短縮，品質の確保等において、現場打ボックスカルバートの問題点を解決しよ うとしている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

そこで前記課題を解決するために、プレキャスト又は現場打床版１上に、鉄筋 組み立て用の通し鉄筋孔３を有するベースブロック４、及びＴ型プレキャストブ ロック１６を載置し、基礎底版用鉄筋９、ポスト鉄筋５、ポスト鉄筋位置決め材 １０、及びスターラップ鉄筋１２、を配筋後コンクリートを打設して現場打基礎 底版コンクリート２を形成し、さらにＴ型プレキャストブロック７を、順次積み 重ねるとともに、前記Ｔ型プレキャストブロック１６の、控壁中空部８より突出 しているポスト鉄筋５を延長して、Ｔ型プレキャストブロック７の控壁部１１内 に配筋し、胴込コンクリート６の打設により側壁を形成するとともに、現場打基 礎底版コンクリート２と、Ｔ型プレキャストブロック１６，７とを完全に一体化 させ更に、側壁最上部にはプレキャスト頂版１３と、側壁部を形成するＴ型プレ キャストブロック７とを、完全に一体化する為のプレキャスト受台ブロック１４ を重設して、プレキャスト頂版１３を架設し、プレキャスト頂版１３の両端部か ら突出したアンカー鉄筋１５と、Ｔ型プレキャストブロック７の控壁中空部８、 及びプレキャスト受台ブロック１４の中空部１８の、所定の位置に配列し突出し た、ポスト鉄筋５とを連結鉄筋１９で結合した後、コンクリート１７を打設して 、側壁部と頂版部を完全に合成一体化して構築する。

【０００５】

【作用】

現場打基礎底版コンクリート２に、内蔵される基礎底版用鉄筋９と、Ｔ型プレ キャストブロック１６，７の控壁部１１に内蔵されるポスト鉄筋５、及び胴込コ ンクリート６の組み合わせにより、現場打基礎底版コンクリート２とＴ型プレキ ャストブロック１６，７は、強力に合成一体化された側壁となり、更にＴ型プレ キャストブロック１６，７の控壁中空部８、及びプレキャスト受台ブロック１４ の中空部１８の、所定の位置に配列して延長し突出した、ポスト鉄筋５とプレキ ャスト頂版１３の端部より突出したアンカー鉄筋１５を、プレキャスト受台ブロ ック１４が介在して、連結鉄筋１９で完全に結合し、コンクリート１７を打設し て側壁部と頂版部も、強力に合成一体化された大型ボックスカルバートを構築す る。

【０００６】

【実施例】

本考案の実施例を図面によって説明すると

【図６】は、プレキャスト又は現場 打床版１上に、鉄筋組み立て用の通し鉄筋孔３を有するベースブロック４及びＴ 型プレキャストブロック１６を載置し、基礎底版用鉄筋９、ポスト鉄筋５、ポス ト鉄筋位置決め材１０、及びスターラップ鉄筋１２、を配筋後コンクリートを打 設して現場打基礎底版コンクリート２を形成し、更にＴ型プレキャストブロック ７を順次積み重ねるとともに、前記Ｔ型プレキャストブロック１６の控壁中空部 ８より突出しているポスト鉄筋５を延長して、Ｔ型プレキャストブロック７の控 壁部１１内に配筋し、胴込コンクリート６の打設により側壁を形成するとともに 、現場打基礎底版コンクリート２と、Ｔ型プレキャストブロック１６，７とを完 全に一体化させ更に、側壁最上部には、プレキャスト頂版１３と側壁部を形成す るＴ型プレキャストブロック７とを完全に一体化する為の、プレキャスト受台ブ ロック１４を重設してプレキャスト頂版１３を架設し、プレキャスト頂版１３の 両端部から突出したアンカー鉄筋１５と、Ｔ型プレキャストブロック７の控壁中 空部８、及びプレキャスト受台ブロック１４の中空部１８の所定の位置に配列し 突出した、ポスト鉄筋５とを連結鉄筋１９で完全に結合した後、コンクリート１ ７を打設して側壁部と頂版部も強力に合成一体化された大型ボックスカルバート を構築する。尚、Ｔ型プレキャストブロック１６，７の控壁部１１は、側壁下部 ほど土圧力等の外力を強く受ける為に、相応の断面耐力を考慮し、側壁下部の控 壁部１１は、上層の控壁部１１よりも後方に延ばし、且つポスト鉄筋５及び胴込 コンクリート６を、多く使用する構造にしている。

【０００７】

【考案の効果】

本考案によれば、

【図５】に示すように大型ボックスカルバートの側壁背面側 は、土圧等の外力が作用すれば引張力を受け、同時に側壁前面側は圧縮力を受け る。側壁背面側と側壁前面側との間に、引張力も圧縮力も生じない境界面、つま り中立面があり中立面より後部の引張力圏内にある断面は、コンクリートの贅肉 部である為、Ｔ型プレキャストブロック１６，７のように贅肉部を剃り落とした 、スリムで無駄のない経済断面として供給し、又、プレキャスト頂版１３につい ても同様に、頂版上面に盛土や車両等の外力が作用すれば、プレキャスト頂版１ ３の上面側は主に圧縮力、下面側は主に引張力が働くので同様にＴ型断面とする ことで、頂版部に於いてもスリムで無駄のない経済断面として供給でき大型ボッ クスカルバート全体で、大幅にコンクリートの使用量を削減できる。又、

【図
６】は側壁部が深い場合の構築例を示したものであり、基礎部に近い下層ほど土
圧 力が増大する為、下層のＴ型プレキャストブロック１６，７の控壁部１１を、上 層のＴ型プレキャストブロック７の控壁部１１よりも、後方に延ばして相応の断 面耐力を考慮し、スリムで無駄のない経済断面として構成し構築費用の低減をは かったものである。この様に本考案のプレキャストブロックの一体化による大型 ボックスカルバートは、工場で十分品質管理の上生産されたプレキャスト製品を 、現場でほとんどを機械により組み立てて、プレキャスト部材を現場打ちコンク リートとの組み合わせにより、強固な構造物で経済性を大きく改善するとともに 、施工中における一般交通への影響の軽減，必要労働力の低減，工期短縮，等今 後の実用新案として大きな効果が期待できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 プレキャスト又は現場打床版１に、ベースブ
ロック４及びＴ型プレキャストブロック１６を載置し、
配列した状態を示す。

【図２】

【図１】に於いて基礎底版用鉄筋９及びポスト鉄筋位置
決め材１０を配筋し、ポスト鉄筋５をスターラップ鉄筋
１２で巻き立てした状態を示す。

【図３】

【図２】に於いて、現場打基礎底版コンクリート２と、
胴込コンクリート６を打設した状態を示す。

【図４】 本考案の側壁部であるＴ型プレキャストブロ
ック７と、プレキャスト受台ブロック１４にプレキャス
ト頂版１３を架設し、完全に合成一体化させた状態の詳
細図である。

【図５】 本考案の大型ボックスカルバートの組み立
て，施工状態を示す。

【図６】 本考案の大型ボックスカルバートに於いて、
側壁部が深い場合でＴ型プレキャストブロック１６，７
の控壁部１１が下層なほど、後方に延ばして構築した実
施例の斜視図を示す。

【図７】 本考案の大型ボックスカルバートに於いて、
門型ラーメン構造の組み立て施工実施例を示す。

【図８】 本考案の大型ボックスカルバートの応用で、
プレキャスト頂版１３の上部は、駐車場，公園等として
使用し、ボックスカルバート内を、雨水貯留槽としての
組み立て施工実施例を示す。

【符号の説明】

１；プレキャスト又は現場打床版 ２；現場打基礎底版コンクリート ３；鉄筋組み立て用の通し鉄筋孔 ４；ベースブロック ５；ポスト鉄筋 ６；胴込コンクリート ７；Ｔ型プレキャストブロック ８；控壁中空部 ９；基礎底版用鉄筋 １０；ポスト鉄筋位置決め材 １１；控壁部 １２；スターラップ鉄筋 １３；プレキャスト頂版 １４；プレキャスト受台ブロック １５；アンカー鉄筋 １６；通し鉄筋孔を設けたＴ型プレキャストブロック １７；コンクリート １８；プレキャスト受台ブロックの中空部 １９；連結鉄筋 ２０；プレキャスト中間支柱 ２１；プレキャスト中間支柱のポスト鉄筋

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プレキャスト又は現場打床版１上に、鉄筋
   組み立て用の通し鉄筋孔３を有するベースブロック４、
   及びＴ型プレキャストブロック１６を載置し、基礎底版
   用鉄筋９、ポスト鉄筋５、ポスト鉄筋位置決め材１０、
   及びスターラップ鉄筋１２を配筋後、コンクリートを打
   設して現場打基礎底版コンクリート２を形成し、さらに
   Ｔ型プレキャストブロック７を、順次積み重ねるととも
   に、前記Ｔ型プレキャストブロック１６の、控壁中空部
   ８より突出している、ポスト鉄筋５を延長して、Ｔ型プ
   レキャストブロック７の控壁部１１内に配筋し、胴込コ
   ンクリート６の打設により側壁を形成するとともに、現
   場打基礎底版コンクリート２と、Ｔ型プレキャストブロ
   ック１６，７、とを完全に一体化させ更に、側壁最上部
   にはプレキャスト頂版１３と、側壁部を形成するＴ型プ
   レキャストブロック７とを、完全に一体化する為の、プ
   レキャスト受台ブロック１４を重設して、プレキャスト
   頂版１３を架設し、プレキャスト頂版１３の両端部から
   突出したアンカー鉄筋１５と、Ｔ型プレキャストブロッ
   ク７の、控壁中空部８及びプレキャスト受台ブロック１
   ４の中空部１８の所定の位置に配列し突出した、ポスト
   鉄筋５とを連結鉄筋１９で結合した後、コンクリート１
   ７を打設して側壁部と頂版部を、完全に合成一体化して
   構築することを特徴とする大型ボックスカルバート。