JP4013170B2 - 大型暗渠の構築方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は暗渠断面が概ね30m2以上の大型暗渠に関するもので、大型暗渠の構築費用の低減,構築期間の短縮,構築人員の削減等を目的とするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来は、暗渠断面が概ね30m2以上の大型暗渠は、ほとんどが現場打鉄筋コンクリートによる構築方法をとっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
暗渠断面が概ね30m2以上の大型暗渠は車両制限令により、プレキャストコンクリート製品では施工現場までの輸送手段に問題があり、ほとんどが現場打鉄筋コンクリートによる構築方法をとっていた。そこで本発明は輸送に問題のないプレキャストコンクリート製品を用い、主に現場打鉄筋コンクリートによる構築方法の間題点である次の点を解決しようとしている。1)構築費用の低減。2)構築期間の短縮。3)構築に携わる人員の削減。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで前記課題を解決するために、プレキャスト又は現場打床版(1)の上に、現場打基礎底版コンクリート(2)を構築する際の、鉄筋組み立て用の通し鉄筋孔(3)を有し、さらに上載するT型プレキャストブロック(16)の受け枠を兼ね備えた、前壁とその後側面に突設した控壁を有するベースブロック(4)を配列し、前壁とその後側面に突設し積み重ねて側壁を形成する為に中空とした控壁を有し、鉄筋組み立て用の通し鉄筋孔(3)を設けないT型プレキャストブロック(7)に現場打基礎底版コンクリート(2)を構築する際の、鉄筋組み立て用の通し鉄筋孔(3)を設けたT型プレキャストブロック(16)をベースブロック(4)に上載し、その後ベースブロック(4)及び、上載のT型プレキャストブロック(16)の通し鉄筋孔(3)に基礎底版用鉄筋(9)をそれぞれ配筋し、控壁中空部(8)の所定の位置に、必要量のポスト鉄筋(5)を、ポスト鉄筋位置決め材(10)で固定配列し、スターラップ鉄筋(12)でポスト鉄筋(5)を巻き立て、控壁中空部(8)に側壁のT型プレキャストブロック(7,16)と現場打基礎底版コンクリート(2)が完全一体化する様、胴込コンクリート(6)の打設と、現場打基礎底版コンクリート(2)の打設を同時に行い、鉄筋組み立て用の通し鉄筋孔(3)を設けないT型プレキャストブロック(7)を順次積み重ねて側壁を構築し、側壁最上部にはプレキャスト頂版(13)の、受台を兼ね備えたT型プレキャスト受台ブロック(14)を重設して、プレキャスト頂版(13)を架設して構築する。
【0005】
【作用】
現場打基礎底版コンクリート(2)に内蔵される基礎底版用鉄筋(9)と、T型プレキャストブロック(7,16)の控壁部(11)に内蔵されるポスト鉄筋(5)、及び胴込コンクリート(6)の組み合わせにより、現場打基礎底版コンクリート(2)とT型プレキャストブロック(7,16)は、強力に合成一体化された側壁となる。更に[図5]に示すごとく、大型暗渠を構築する為のプレキャスト頂版(13)の受台を兼ね備えたT型プレキャスト受台ブロック(14)を、鉄筋組み立て用の通し鉄筋孔(3)を設けないT型プレキャストブロック(7)に重設し、プレキャスト頂版(13)をT型プレキャスト受台ブロック(14)に架設して、大型暗渠を構築する。
【0006】
【実施例】
本発明の実施例を図面によって説明すると
[図6]は、本発明に係る大型暗渠構築の実施例を示す斜視図であり、同大型暗渠構築はプレキャスト又は現場打床版(1)の上に、現場打基礎底版コンクリート(2)を構築する際の鉄筋組み立て用の通し鉄筋孔(3)を有し、さらに上載するT型プレキャストブロック(16)の受け枠を兼ね備えた、前壁とその後側面に突設した控壁を有するベースブロック(4)を配列し、前壁とその後側面に突設し積み重ねて側壁を形成する為に中空とした控壁を有し、鉄筋組み立て用の通し鉄筋孔(3)を設けないT型プレキャストブロック(7)に現場打基礎底版コンクリート(2)を構築する際の、鉄筋組み立て用の通し鉄筋孔(3)を設けたT型プレキャストブロック(16)をベースブロック(4)に上載し、その後ベースブロック(4)及び、上載のT型プレキャストブロック(16)の通し鉄筋孔(3)に基礎底版用鉄筋(9)をそれぞれ配筋し、T型プレキャストブロック(7,16)の控壁中空部(8)の所定の位置に、必要量のポスト鉄筋(5)を配列し、T型プレキャストブロック(7,16)の控壁中空部(8)に、側壁のT型プレキャストブロック(7,16)と現場打基礎底版コンクリート(2)が完全一体化する様、胴込コンクリート(6)の打設と現場打基礎底版コンクリート(2)の打設を同時に行い、鉄筋組み立て用の通し鉄筋孔(3)を設けないT型プレキャストブロック(7)を順次積み重ねて側壁を構築する。尚、T型プレキャストブロック(7,16)の控壁部(11)は、側壁下部ほど土圧や地震力等の外力を強く受ける為、相応の断面耐力を考慮し、側壁下部ほど控壁部(11)は、上層の控壁部(11)よりも後方に延ばし、且つポスト鉄筋(5)及び胴込コンクリート(6)を多く使用する構造にしている。このように側壁を構築し側壁最上部には、大型暗渠を構築する為のプレキャスト頂版(13)の受台を兼ね備えたT型プレキャスト受台ブロック(14)を重設して、プレキャスト頂版(13)を架設して構築する。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、
[図5]に示すように大型暗渠の側壁背面側は、土圧等の外力が作用すれば、引張力を受け、同時に側壁前面側は圧縮力を受ける。側壁背面側と側壁前面側との間に、引張力も圧縮力も生じない境界面、つまり中立面があり、中立面より後部の引張力圏内にある断面は、贅肉部であり、この部分は贅肉部を剃り落としたT型プレキャストブロック(7,16)及び、T型プレキャスト受台ブロック(14)のように、スリムで無駄のない経済断面として供給することで、大幅にコンクリートの使用量を削減できることにより、構築コストの低減をはかる。尚、
[図6]は、側壁部が深い場合の構築例を示したものであり、基礎部に近い下層ほど土圧等が増大する為、下層のT型プレキャストブロック(7,16)の控壁部(11)が、上層の鉄筋組み立て用の通し鉄筋孔(3)を設けないT型プレキャストブロック(7)の控壁部(11)よりも、後方に延ばして土圧等に十分対応させて、無駄のない最もスリムで経済的に構成した構築費用の低減をはかったものである。この様に、本発明の暗渠の構築は、工場で十分品質管理の上、生産されたプレキャスト製品であるベースブロック(4)やT型プレキャストブロック(7,16),T型プレキャスト受台ブロック(14)を使用して側壁部を構築のうえ、頂版部のプレキャスト頂版(13)を架設する。これらの各部材の施工はほとんどが機械による作業である為、構築期間の大幅な短縮と、大幅な人員削減となり、今後の新工法としての大きな効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プレキャスト又は現場打床版(1)にベースブロック(4)を配列した状態を示す図
【図2】[図1]に於いて、鉄筋組み立て用の通し鉄筋孔(3)を設けたT型プレキャストブロック(16)を配列した状態を示す図
【図3】[図2]に於いて基礎底版用鉄筋(9)及びポスト鉄筋位置決め材(10)を配筋し、ポスト鉄筋(5)をスターラップ鉄筋(12)で巻き立てした状態を示す図
【図4】[図3]に於いて現場打基礎底版コンクリート(2)と胴込コンクリート(6)を打設した状態を示す図
【図5】本発明の大型暗渠で、現場打基礎底版コンクリート(2)がフーチングタイプで、プレキャスト頂版(13)がT型ばりで、構築した実施例を示す斜視図
【図6】本発明の大型暗渠で、側壁部が深い場合に、鉄筋組み立て用の通し鉄筋孔(3)を設けないT型プレキャストブロック(7)の控壁部(11)が、下層なほど後方に延ばして構築した実施例を示す斜視図
【図7】本発明の大型暗渠で、現場打基礎底版コンクリート(2)が一体の実施例を示す斜視図
【図8】本発明の大型暗渠で、土被りが多い場合の実施例でプレキャスト頂版(13)をアーチ型で、現場打基礎底版コンクリート(2)が一体の実施例を示す斜視図
【図9】本発明の大型暗渠で、2連式で暗渠中間にプレキャスト中間支柱(15)を使用して、プレキャスト頂版(13)をT型ばりで構築した実施例を示す斜視図
【符号の説明】
1;プレキャスト又は現場打床版
2;現場打基礎底版コンクリート
3;通し鉄筋孔
4;ベースブロック
5;ポスト鉄筋
6;胴込コンクリート
7;通し鉄筋孔を設けないT型プレキャストブロック
8;控壁中空部
9;基礎底版用鉄筋
10;ポスト鉄筋位置決め材
11;控壁部
12;スターラップ鉄筋
13;プレキャスト頂版
14;T型プレキャスト受台ブロック
15;プレキャスト中間支柱
16;通し鉄筋孔を設けたT型プレキャストブロック
Claims (1)
- プレキャスト又は現場打床版(1)の上に、現場打基礎底版コンクリート(2)を構築する際の、鉄筋組み立て用の通し鉄筋孔(3)を有し、さらに上載する鉄筋組み立て用の通し鉄筋孔(3)を設けたT型プレキャストブロック(16)の受け枠を兼ね備えた、前壁とその後側面に突設した控壁を有するベースブロック(4)を配列し、前壁とその後側面に突設し積み重ねて側壁を形成する為に中空とした控壁を有し、鉄筋組み立て用の通し鉄筋孔(3)を設けないT型プレキャストブロック(7)に現場打基礎底版コンクリート(2)を構築する際の、鉄筋組み立て用の通し鉄筋孔(3)を設けたT型プレキャストブロック(16)をベースブロック(4)に上載し、その後ベースブロック(4)及び、上載のT型プレキャストブロック(16)の通し鉄筋孔(3)に基礎底版用鉄筋(9)をそれぞれ配筋し、控壁中空部(8)の所定の位置に、必要量のポスト鉄筋(5)を、ポスト鉄筋位置決め材(10)で固定配列し、スターラップ鉄筋(12)でポスト鉄筋(5)を巻き立て、控壁中空部(8)に側壁のT型プレキャストブロック(7,16)と現場打基礎底版コンクリート(2)が完全一体化する様、胴込コンクリート(6)の打設と、現場打基礎底版コンクリート(2)の打設を同時に行い、鉄筋組み立て用の通し鉄筋孔(3)を設けないT型プレキャストブロック(7)を順次積み重ねて側壁を構築し、側壁最上部にはプレキャスト頂版(13)の、受台を兼ね備えたT型プレキャスト受台ブロック(14)を重設して、プレキャスト頂版(13)を架設してなる大型暗渠の構築方法。
Priority Applications (1)
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JP36983897A JP4013170B2 (ja) | 1997-12-12 | 1997-12-12 | 大型暗渠の構築方法 |
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JP36983897A JP4013170B2 (ja) | 1997-12-12 | 1997-12-12 | 大型暗渠の構築方法 |
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JPH11172748A JPH11172748A (ja) | 1999-06-29 |
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JP (1) | JP4013170B2 (ja) |
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KR101135082B1 (ko) | 2010-04-19 | 2012-04-13 | 민동구 | 가물막이 구조 |
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KR100446046B1 (ko) * | 2002-03-05 | 2004-08-30 | 한국건설기술연구원 | 조립식 블록을 이용한 박스형암거와 그 시공법 |
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1997
- 1997-12-12 JP JP36983897A patent/JP4013170B2/ja not_active Expired - Fee Related
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