JP2004285613A - 建物基礎の構築方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】地盤面GLから中間面MLまでの深さd1を基礎梁、基礎継梁用に一次掘削して土砂を排除し、柱の基礎部では、更に支持地盤面BLまで二次掘削して型枠用の掘削穴Vを形成し、掘削穴V内に、支持地盤面BLから一次掘削の中間面MLまでの高さのチューブ管4を位置決め配置し、次いで、チューブ管4の外周に土砂を埋め戻し、周囲の埋め戻し土砂で位置保持されたチューブ管4内にかご鉄筋8を配置し、次いで、チューブ管4内には、鉄筋コンクリート体3を、基礎梁1及び基礎継梁1´部には捨コンクリート7を面一に打設固化し、鉄筋コンクリート体3上には基礎梁1及び柱2を、捨コンクリート7上には基礎梁1及び基礎継梁1´を、それぞれ型枠組みしてコンクリート打設する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、中層鉄筋コンクリート造建物の基礎の構築に適したものであり、フーチング基礎の直下に建物の重量を支持する地盤がなく、盛土や軟弱地盤があまり厚くなくて、支持地盤が杭基礎を適用するほどの深さでない地盤に好適な基礎構築方法であって、建築物の基礎工事分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
〔非特許文献〕 1999年4月30日、丸善(株)発行、日本建築学会偏「小規模建築物基礎設計の手引き」第81頁、6、4、1玉石(ラップル)コンクリート地業の項
〔従来例1(図7)〕
図7は、非特許文献として挙げた、玉石(ラップル)コンクリート地業の項中の縦断面図を明確化した図であり、盛土や軟弱地盤があまり厚くなくて、直下に硬質な地盤(地耐力10t/m2以上)が現れる地盤に於いて、基礎下の盛土を掘り取り、中に玉石を並べてコンクリートを打って固め、該ラップルコンクリート上に、鉄筋コンクリートのフーチング基礎及び柱を形成するものであり、基礎梁下の捨コンクリートは、上面がラップルコンクリート上面より100mm前後高く段差を設けて打設し、基礎梁は、下側主筋をフーチング基礎内に入れて、段差部には型枠合板を配置してコンクリート打設するものである。
【0003】
〔従来例2(図8、図9、図10)〕
従来例2は、現在慣用されているラップルコンクリート基礎施工の典型例であり、図9に示す如く、ラップルコンクリート躯体面より山留間隔(標準:700mm)外側に、地山の崩壊を防止するための山留を設置する。
山留は、H型鋼(H−200×200×8×12)を親杭として一定間隔(標準:1200mm)に地盤面から支持層に根入れして打込み、次いで一次掘削として、水平方向では親杭の建物側フランジから内側で、垂直方向では、地盤から捨コンクリートまでの深さの地山をショベルで掘削し、掘削土を搬出する。
【0004】
次いで、二次掘削として、一次掘削同様に、ショベルでラップルコンクリート部の地山を掘削、搬出する。
掘削は、外側では、親杭(H型鋼)の外フランジの内側で、他方では、ラップルコンクリート躯体面より各々500mm広範囲とし、支持層までの深さを掘削排土する。
そして、二次掘削作業と同時に、親杭の内側フランジ間に木製の矢板(標準:幅240mm、厚さ24mm)を載置し、地山の掘削面と矢板との間隔には、水はけ、及び矢板の姿勢を保持するために、砂、砂利を充填して地山の崩壊を阻止する。
【0005】
次いで、図10(A)に示す如く、手作業で水平にした掘削支持層に、フーチング基礎より縦、横共200mm大きいスペースで、支持層よりフーチング基礎までの高さ、即ち、図8、図9(B)に示す如く、捨コンクリートの下の切込砂利層下面までの高さ、の箱状の型枠を載置し、遺方等で位置の調整を行い、地山より桟木を介して位置を保持する。
次に、図8、図9(B)に示す如く、捨コンクリートの下の切込砂利層の下面と面一となるように、型枠内にコンクリートを打設し、コンクリートの強度発現後に型枠を解体してラップルコンクリートと地山との間隔に良質土を充填する。
【0006】
次いで、基礎梁及び基礎継梁の位置には、一次掘削面より下方100mmの深さで、基礎梁及び基礎継梁の幅よりそれぞれ100mm広幅の溝を、地山を荒さないように手作業で掘削排土し、該掘削溝には切込砂利を充填してランマー等でつき固めて切込砂利層を50mm厚位に圧縮し、鉄筋組立、型枠取付作業性確保、及び柱や梁の位置を記入する墨入れのための捨コンクリート(50mm厚)を切込砂利層上に、且つ、捨コンクリー表面がラップルコンクリート表面より100mm上方となるように打設する。
そして、捨コンクリートの凝固後に墨出しをし、フーチング基礎、柱、基礎梁、基礎継梁の順で、墨付けに従って鉄筋を組立て、フーチング基礎下端より基礎梁、基礎継梁下端が100mm上方であることにより、基礎梁及び基礎継梁の下端主筋をフーチング基礎の配筋内に配筋する。
【0007】
次いで、図10(B)に示す如く、墨入れに符合して、型枠合板の上下方、及び縦に桟木を釘打固定したフーチング基礎の型枠を、コンクリート釘を介してラップルコンクリートに固定し、セパレーターを型枠に挿通し、フォームタイ、縦横端太パイプ、リブ座金、ナットで型枠を組立てる。
そして、ラップルコンクリート部にあっては、受金具を、捨コンクリート部にあっては、捨コンクリートに一方の型枠を固定し、セパレーターを挿通し、型枠合板を挟着した形態で、セパレーターにフォームタイを締着する。
【0008】
同様に対面の型枠を配置し、縦横端太パイプを配置してリブ座金、ナットで固定し、基礎梁、基礎継梁の型枠を形成する。
そして、型枠内にコンクリートを打設し、コンクリートの強度発現を確認してフーチング基礎、基礎梁、基礎継梁の型枠を解体する。
【0009】
次に、建物内周の基礎梁と山留との間隙に良質土を充填し、建物内は、1階床スラブコンクリートを支持するための土間下切込砂利の下端まで良質土を埋め戻しする。
尚、ラップルコンクリート側方の矢板はそのまま埋め戻しとするが、上方の矢板は埋め戻し時に適宜取外す。
次に、引抜機で親杭を引抜き、引抜いた親杭部に砂、切込砂利を充填する。
引続いて1階床スラブ、1階立上り部と上層階の躯体を構築する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来例1のラップルコンクリートは、軟弱地盤を箱状に掘削し、玉石を並べてコンクリート打設するため、深さが大きい場合は、順次、玉石配置→コンクリート打設の工程を何度も繰返すことが必要であり、玉石の不足、繰返しの作業性、位置の精度の問題がある。
従って、現状では、従来例2のラップルコンクリート基礎施工が最も合理的な施工方法として慣用されている。
【0011】
しかし、従来例2のラップルコンクリート基礎施工にあっても、図9(A)に示す如く、山留めし、大きく、且つ深く掘削する必要がある。
また、基礎梁とフーチング基礎とを強固に連結するための基礎梁の下端主筋をフーチング基礎配筋内に干渉なく挿入するためには、捨コンクリート表面とラップルコンクリート表面には段差(100mm)の形成が必要である。
そして、ラップルコンクリート固化後に捨コンクリートの地業が必要となるため、捨コンクリートの固化後に、墨入れしてフーチング基礎や基礎梁、基礎継梁の施工を行うこととなり、工程が多く、且つ煩雑であって工期の長くなる問題がある。
更に、フーチング基礎及び基礎梁へのコンクリート打設時での、フーチング基礎型枠の基礎梁部を除く上面部からのコンクリートの吹出しを阻止するために、フーチング基礎型枠の取付作業は、注意を要する精密、且つ困難な作業である。
【0012】
即ち、基礎施工にあっては、イ)山留(土留)親杭の圧入、ロ)一次掘削、ハ)二次掘削、矢板の取付け及び裏込め砂利の充填、ニ)ラップルコンクリートの型枠形成、ホ)ラップルコンクリートの打設、ヘ)ラップルコンクリートの型枠解体、ト)二次掘削部への良質土の埋め戻し、チ)切込砂利、捨コンクリート地業、リ)フーチング基礎及び基礎部(柱、梁、継梁)の鉄筋組立、及び型枠取付、ヌ)基礎部コンクリート打設及び型枠解体、ル)一次掘削部の埋め戻し及び上方矢板の取外し、オ)親杭の引抜き及び砂利充填、と工程が多くて煩雑であり、ラップルコンクリート上端面S1と捨コンクリート上端面S2に段差を設けたために、フーチング基礎と基礎部との連結一体化施工も煩雑である。
従って、親杭の圧入による工事着手から親杭の引抜きによる工事終了までの期間も長く、山留の設置コスト、作業員の事故の危険性、降雨時の地山の管理等の問題がある。
【0013】
また、山留は、挟小地の工事、隣家や道路が接近している場合は特に難度が高く、圧入した親杭の引抜きや矢板の取外しが出来ない場合には埋設放置となる。
また、親杭の圧入、引抜きの振動が隣接家屋に損傷を与える問題がある。
しかも、従来のラップルコンクリートは、軟弱地盤をコンクリートに置換して建物の重量を支持層に伝達する中間層の機能しかなかった。
また、ラップルコンクリートの大きさ(縦、横の長さ)は、基礎部での測量精度及び型枠支持が悪く、フーチング基礎とラップルコンクリートとが同位置でなければ建物の荷重をスムーズに支持地盤に伝達出来ないため、ラップルコンクリートはフーチング基礎より各片側100mm以上大きくする必要、即ち、相互の位置ずれの危険量を補償する分だけ余分に大きくする必要、がある。
本発明は、従来のラップルコンクリート施工で建物の基礎が構築出来る地盤に適用することにより、上述の如き従来のラップルコンクリート施工の問題点を解消、又は改善する画期的、且つ実用効果の極めて大な基礎構築方法を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段、及び作用】
本発明は、例えば図1に示す如く、地盤面GLから中間面MLまでの深さd1を基礎梁1、基礎継梁1´用に一次掘削して土砂を排除し、柱2の基礎部では、更に支持地盤面BLまで二次掘削して土砂を排除して型枠用の掘削穴Vを形成し、掘削穴V内に、支持地盤面BLから一次掘削の中間面MLまでの高さのチューブ管4を位置決め配置し、次いで、チューブ管4の外周に土砂を埋め戻し、周囲の埋め戻し土砂5で位置保持されたチューブ管4内にかご鉄筋8を配置し、次いで、チューブ管4内には鉄筋コンクリート体3を、基礎梁1及び基礎継梁1´部には捨コンクリート7を、面一に打設固化し、次いで、チューブ管4内の鉄筋コンクリート体3上には基礎梁1及び柱2を、捨コンクリート7上には基礎梁1及び基礎継梁1´を、それぞれ型枠組みしてコンクリート打設することを特徴とする、建物基礎の構築方法である。
【0015】
尚、中間面MLは、建物の基礎梁1及び基礎継梁1´の地中への埋没深さで決定されるものであり、支持地盤面BLは、建物に対する必要地耐力で決定されるものである。
また、チューブ管4は、図4(B)に示す如き円筒形状であって、基礎の鉄筋コンクリート体3と一体化して埋め殺しとなるものであり、コンクリートの打設及び固化まで、外周の埋め戻し土砂圧及び打設コンクリート圧によって変形しないコンクリート型枠機能を有するものであれば良く、北海紙管(株)製のホッカイボイド(商品名)で、肉厚15mm、内径1000〜1500mm、破裂圧60t/m2程度の強度を有する耐水性紙の積層形成管が好適に採用可能である。
【0016】
また、中間面MLまでの一次掘削は、深さd1が1000mm前後とあまり深くないので地山の崩壊を防止するための幅L3(図1)も小さく出来、勾配L3/d1も1/10程度と出来る。
また、二次掘削で形成する掘削穴Vは、チューブ管4が配設出来れば良く、円形穴でも角形穴でも良いが、チューブ管4の少なくとも一ヶ所で、掘削穴Vの側面Vfと近接している形態が、チューブ管4の位置保持面からも、土砂のチューブ管4外周への埋め戻し作業面からも有利である。
【0017】
また、かご鉄筋8は、チューブ管4内への打設コンクリートを補強して鉄筋コンクリート体3と出来れば良く、作業性を勘案して適宜のかご鉄筋が採用出来る。
また、捨コンクリート7は、建物位置の墨入れが出来、基礎梁や基礎継梁の型枠組みの作業面が提供出来れば良いので、厚みは50mm前後で十分であり、幅Wgは図2(A)に示す如く、基礎梁1や基礎継梁1´の幅W0より両側にW1(標準:100mm)有すれば良いが、上端面は、鉄筋コンクリート体3の上端面と面一にすべきである。
【0018】
そして、本発明構築方法によれば、基礎梁及び柱を支える鉄筋コンクリート体3の施工が、従来のラップルコンクリート施工の如き、山留施工や型枠の取付け、取外し作業が不要となる。
また、従来のラップルコンクリートにあっては、山留の矢板からラップルコンクリート外面までの距離が、型枠の取付け、取外しの作業性や型枠構成材の幅の関係から700mm以上必要であったが、本発明では、掘削穴側面Vfとチューブ管4外周面4fが150mm前後と小さく出来、掘削穴Vの掘削、搬出及び埋め戻し土量が低減出来、地山を乱さない。
そして、山留の必要がないため、クレーン等の大型車輌による振動、騒音障害が抑制出来、しかも、隣地、道路からの至近距離での施工が可能となり、敷地を有効利用した建物の建築が可能である。
【0019】
また、二次掘削で掘削穴Vを形成した後、速やかにチューブ管4を配置して埋め戻しするため、一次掘削の浅い掘削斜面Sの崩壊がなく、山留が不要となる。
しかも、埋め戻しには、次の掘削穴Vの掘削土が使用出来、掘削土の搬出が少なくなる。
また、鉄筋コンクリート体3は、従来のフーチング基礎を兼用するので、鉄筋コンクリート体3と捨コンクリート7が同時打設出来て、コンクリート打設が合理化出来る上に、鉄筋コンクリート体3、及び同時打設する捨コンクリート7が固化すれば、基礎梁、基礎継梁の型枠組みが可能となり、しかも、捨コンクリート7の上端面7uが鉄筋コンクリート体3の上端面3uと面一となっているため、基礎梁、基礎継梁、柱等の型枠の取付作業が同一レベルのコンクリート面上での作業となり、作業性が良い。
【0020】
また、基礎梁、柱の型枠が鉄筋コンクリート体3上端面にコンクリート釘で固定出来るため、型枠の位置精度に信頼が置ける。
従って、本発明によれば、施工工程も、a)一次掘削、b)二次掘削、及びチューブ管4の配置、埋め戻し、c)基礎梁の地業、d)チューブ管4内へのかご鉄筋8の配置、e)チューブ管4内及び基礎梁地業上への捨コンクリート打設、f)基礎部(柱、基礎梁、基礎継梁)の配筋組立、及び型枠取付け、g)基礎部の型枠解体、h)一時掘削部の埋め戻しとなり、従来例2より大幅に工程が省略、合理化出来、大幅な工期短縮、及びコスト低減が可能となる。
【0021】
また、本発明にあっては、図1に示す如く、掘削穴Vは、垂直面Vfで、且つ、チューブ管4の外周面4fとの間に、略150mm前後の小さな土砂埋め戻し幅L2を形成するのが好ましい。
この場合、掘削穴Vは上面視円形穴でも角形穴でも良い。
円形穴は掘削の手間がかかるが、埋め戻し土砂量が低減出来、チューブ管4の位置保持が容易となる。
角形穴Vであれば、土砂埋め戻し幅L2の部分が少なくなり、埋め戻し土砂量が円形穴より多くなるが、円形穴よりも掘削が容易である。
そして、掘削穴Vの垂直面Vfとチューブ管4外周面4fとの距離が小さければ、チューブ管4の位置保持は、桟木(図示せず)の差渡しによっても可能であり、或いは、図6(D)の如く、チューブ管4内から差込棒13を掘削穴垂直面Vfに打込むことも可能となる。
しかも、埋め戻し土5の量も少なくて埋め戻し土5の側圧によるチューブ管4の変形も抑制出来、地山の乱れも少なくて、作業性からも鉄筋コンクリート体3周囲の地山の安定上からも好ましい。
【0022】
また、チューブ管4は、内側からの保持手段10,11,12,13で配置位置に保持して外周に土砂を埋め戻すのが好ましい。
この場合、例えば、図5(A),(B)に示す如く、先端に保持片10bを備えた保持金具10を、チューブ管4の設置中心位置に打込んだ固定棒11に嵌入してチューブ管4の内周面に保持片10bを当接させれば、チューブ管4の外周への埋め戻し土砂の充填作業は容易となる。
勿論、埋め戻し土砂によってチューブ管4が外周部から保持出来た段階で内側の保持手段を取外せば、保持手段の再利用は可能であるが、取外しの困難な、例えば図5(B)の下側の保持金具10や打込棒12等は、そのまま放置しても鉄筋コンクリート体3の補強機能を奏する。
【0023】
また、チューブ管4は、図5(B)に示す如く、支持地盤面BLにチューブ管4の中心位置で垂直に固定棒11を打込み、先端に保持片10bを備えた支持片10aを放射形態に備えた保持金具10を固定棒11に挿通し、各保持片10bでチューブ管4を保持するのが好ましい。
この場合、チューブ管4の内径に相応する保持金具10を用意しておけば、固定棒11に挿通した保持金具10は、保持片10bのチューブ管4内周面との摩擦係止によってチューブ管4の内側からの保持が可能であり、図5(B)の如く、予め支持地盤面BLの所定位置に複数の打込棒12を打込み配置して、チューブ管4を打込棒12の外側に嵌合してチューブ管4の下端を位置規制する手段を併用すれば、チューブ管4の位置保持がより確実となる。
そして、保持金具10や打込棒12はチューブ管4の内側に存在するため、チューブ管4と掘削穴垂直面Vfとの間隔への埋め戻し土砂の充填に干渉しない。
また、保持金具10は抜去して再利用すれば良いが、下方の保持金具10、固定棒11及び打込棒12は、抜去作業が困難な場合には、そのまま放置して鉄筋コンクリート体3の補強筋とすれば良い。
【0024】
また、図6(D)に示す如く、基端に座金13cを備えた差込棒13を、チューブ管4の内面から孔H4を介して掘削穴Vの地山に打込んでチューブ管4を保持するのが好ましい。
この差込棒(ロッド)13は、チューブ管4の高さが大、即ち、掘削穴Vが深い場合に、チューブ管4の埋め戻し土圧によって変形を受ける恐れのある場所に適宜配置して保持金具10と併用するのに好都合であり、また差込棒13のみを適所に配置してチューブ管4を保持することも可能であり、或いは支持地盤面BLへの打込棒(鉄筋棒)12と差込棒13との併用でチューブ管4を保持することも可能である。
勿論、差込棒(ロッド)13は埋め殺しとなる。
【0025】
また、本発明のかご鉄筋8としては、図4(A)に示す如く、多数の縦筋8aを帯筋8bで固定した柱状部P8の底面に、ベース筋8c,8dを交差配置して形成したベース部B8を当接固定したかご鉄筋8を用いるのが好ましい。
典型的なチューブ管4の内径は1000〜1500mmであり、位置決めしたチューブ管4内での配筋作業は困難であるため、予め組付けたかご鉄筋を嵌入するのが作業上好ましい。
そして、嵌入載置したかご鉄筋8は、打設コンクリートと一体化して強固な鉄筋コンクリート体3を構成するため、鉄筋コンクリート体3は、従来のフーチング基礎を代用し、強度上は、あたかも場所打ちコンクリート杭の形態となり、従って、建物の荷重を強固な鉄筋コンクリート体3を介して支持地盤面BLに伝達する。
【0026】
また、かご鉄筋8の配置は、図3(A)に示す如く、ベース部B8をスペーサーブロック8e上に載置してかご鉄筋8を配置するのが好ましい。
スペーサーブロック8eの配置は、チューブ管4内の露出支持地盤面BL上に単に載置するだけであるので、狭いチューブ管4内でも用意であり、かご鉄筋8のスペーサーブロック8e上への載置も容易である。
そして、スペーサーブロック8eの存在によってベース筋8c,8dへのコンクリートの被り量も確保出来、鉄筋コンクリート体3に耐久性が付与出来る。
【0027】
また、捨コンクリート7の打設は、一次掘削の中間面MLから略100mm前後の深さd6で溝掘削して切込砂利層6を配置し、切込砂利層6をつき固めて切込砂利層6上に捨コンクリート7の層t7をチューブ管4内の鉄筋コンクリート体3と面一に形成するのが好ましい。
本発明にあっては、鉄筋コンクリート体3が従来のフーチング基礎を兼用するため、捨コンクリート7の上端面7uを鉄筋コンクリート体3上端面3uと面一に形成出来るようになり、鉄筋コンクリート体3の上端面3uと捨コンクリート7の上端面7uを面一とすることにより、捨コンクリート7の打設に際しても鉄筋コンクリート体3のチューブ管4が定規機能を奏し、コンクリート打設の作業性が向上する。
【0028】
しかも、柱、基礎梁、基礎継梁の型枠の作業性も向上すると共に、鉄筋コンクリート体3はフーチング基礎の兼用により小径の柱2の荷重を適正に受ける形態となり、鉄筋コンクリート体3を構造計算どおりの寸法と出来、従来のラップルコンクリートの如き、ずれ危険量を加える必要もなく、従って鉄筋コンクリート体3は、従来のラップルコンクリートより断面形状の小さなものと出来る。
【0029】
また、チューブ管4内の鉄筋コンクリート体3から上方へ継筋9を突出し、該継筋9を基礎梁1及び柱2内に一体化するのが好ましい。
この場合、継筋9は、かご鉄筋8と連結突出させても良く、チューブ管4内へ打設したコンクリート内に下半分を突入埋設しても良く、チューブ管4の中心部に打込む固定棒11に連結しても良い。
勿論、固定棒11の上部は、柱、基礎梁内に突出固定するのが良い。
従って、継筋手段によって柱2、基礎梁1と鉄筋コンクリート体3を一体化することにより、鉄筋コンクリート体3は、従来のフーチング基礎の機能を完全に発揮すると共に、場所打ちコンクリート杭の強度を発揮し、建物の重量を直接的に支持地盤面BLに伝達する。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明は、支持地盤面BLの深さが2.5mの地盤での鉄筋コンクリート4階建の建物に適用する。
(1)一次掘削(図1、図2(A))
建物の位置を示す遺方(建物の位置や壁の中心等を示すために作るもの)により、図2(A)に示すように、基礎梁1、基礎継梁1´、柱2の位置を確定し、図1、図2(B)に示すように、地盤面GLから捨コンクリート7面と面一の鉄筋コンクリート体3上端面3uまでの深さ1000mm(d1)の第一次掘削を、掘削斜面Sを設けて掘削する。
掘削斜面Sは、図1の如く、地山の崩壊を防止するための幅L3(150mm)有するが、一次掘削は1000mmと浅いため、d1/L3は1/10〜1/20位で可能である。
【0031】
(2)二次掘削(図1、図2(B))
二次掘削は、柱2の下方に配置する鉄筋コンクリート体3を形成するものであり、内径R1が1200mmのチューブ管4の外側から間隔L2(150mm)だけ広い穴Vを、支持地盤面BLまで、即ち1500mmまで、掘削穴側面Vfを垂直に掘削する。
この場合、掘削穴Vは、平面視で角穴でも丸穴でも良い。
【0032】
(3)チューブ管の配置(図1、図5)
次に、支持地盤面BLをスコップで均し、遺方若しくは測量機器でチューブ管4の位置を定め、図5(B)の如く、チューブ管4に内接する対称2ヶ所に短寸の鉄筋棒(打込棒)12を支持地盤面BLから突出した形態に打込み、チューブ管4の中心位置には、16mm径で1800mm長の固定棒11を垂直に打込み、支持地盤面BL上の適所にスペーサーブロック8eを配置する。
次いで、図4(B)に示す如く、耐水紙の積層品で、肉厚15mm、内径R1が1200mm、破裂圧が60t/m2で、支持地盤面BLから中間面までの高さd2(1500mm)のチューブ管(ホッカイボイド(商品名))を、鉄筋棒12の外側となるように配置し、図5(B)の如く、保持金具10を固定棒11に挿通してチューブ管4の上端及び下端を位置保持する。
そして、必要に応じて、チューブ管4の外周面4fと掘削穴の側面Vfとの間に桟木(図示せず)を配置する。
【0033】
保持金具10は、図5(A)に示す如く、幅W2が65mmで厚さt1が3mmの平鋼(支持片)10aを十字状に溶接し、各平鋼先端に垂直起立した保持片10bを備えた長さL10がチューブ管4の内径と略同寸のものである。
この保持金具10は、図5(B)の如く、チューブ管4内に嵌めれば、平鋼10aの幅W2(65mm)の存在により、保持片10bの両側縁がチューブ管4の円弧内面と摩擦当接することとなり、固定棒11に中心の挿入孔H10(18mm径)を介して押込めば、チューブ管4内面適所に配置出来る。
下方の保持金具10は、スペーサーブロック8eと干渉しないように押込めば、チューブ管4の下端の位置確保が出来る。
【0034】
次いで、チューブ管4を位置保持した後、チューブ管4外周の掘削穴Vを、隣の掘削穴V形成で排土した土砂によって埋め戻し、チューブ管4の外周に埋め戻し土5を充填して掘削穴Vを埋め戻した後、上下の保持金具10を抜去し、図3(A)に示す如く、予め用意したかご鉄筋8を支持地盤面BL上に配置したスペーサーブロック8e上に載置する。
【0035】
かご鉄筋8は、図4(A)に示す如く、径13mmの異形棒鋼を縦横150mm間隔に針金で固定した円形板状のベース部B8と、径13mmの異形棒鋼の縦筋8aの複数本(標準:8本)の外側に、10mm径の異形棒鋼のスパイラル筋を帯筋8bとして巻き上げて針金で固定した柱状部P8とを針金で締着一体化したものであり、上下及び周面にコンクリート被り厚さ50mmを確保するため、高さd3が1400mm、外径R2が1100mmとする。
かご鉄筋8には、基礎梁1との連結用の継筋9を予め配置しておく。
【0036】
即ち、図3(B)に示す如く、1300mm長、13mm径の異形棒鋼の継筋9群を、長さの下半部はチューブ管4内に、上半部はチューブ管4から突出する形態に、かご鉄筋8に締着したものであり、左右両端の継筋を帯筋8bに針金締着し、帯筋8bの上端に横筋8b´を配置して帯筋8b、両端継筋9及び横筋8b´を締着し、各中間継筋9は所定間隔で横筋8b´に締着し、各継筋9群の上端部も横筋8b´に締着したものである。
また、かご鉄筋8に対する各継筋9群の配置形態は、図3(C)の如く、上方で形成される基礎梁1の配置構造に対応して決定するものであり、図3(C)は、基礎梁1と基礎継梁1´とがT字形態となる柱部の下部のチューブ管4用の継筋配置を示している。
【0037】
(4)捨コンクリート地業(図1、図2)
チューブ管4の配置作業と並行して、各チューブ管4間に亘る基礎梁1、及び一方の基礎梁1と他方の基礎梁1とを連結して基礎梁1の歪みを防止すると共に、床スラブの受梁となる基礎継梁1´(図2(A))の下面に捨コンクリート7を形成するため、基礎梁1、基礎継梁1´の両側面よりW1(100mm)突出した幅Wgで深さd6が100mmの溝を、中間面MLに地山を崩さないように手作業で掘削する。
次いで、深さ100mmの該掘削溝に切込砂利を充填し、ランマー等でつき固めて50mm厚の切込砂利層6を形成する。
【0038】
(5)コンクリート打設
チューブ管4が適正位置で掘削穴V内に埋設確保出来、かご鉄筋8が適正に配置出来、且つ同時並行作業する基礎梁1,1´下の切込砂利層6が形成出来た段階で、チューブ管4内にコンクリートを打設すると共に、切込砂利層6上にも50mm厚前後の捨コンクリートを敷設し、チューブ管4内のコンクリートと捨コンクリートとを面一に打設する。
そして、打設コンクリートが同化すれば、チューブ管4内には、上端面3uからは基礎梁1、基礎継梁1´との連結用の継筋9群の突出した鉄筋コンクリート体3が形成出来る。
【0039】
(6)基礎梁、柱の形成
面一に形成された鉄筋コンクリート体3の上端面3uおよび捨コンクリート上端面7u上に、柱2、梁1,1´の位置の墨出しをし、柱2、基礎梁1、基礎継梁1´の順で配筋を組立て、柱2部では基礎の鉄筋コンクリート体3から突出した継筋9群を取込んだ配筋を実施する。
次に、慣用のコンクリート型枠組み方法で柱2、基礎梁1、基礎継梁1´の型枠を形成し、型枠内へコンクリート打設し、コンクリート固化後に型枠を解体する。
次いで、建物外周の基礎梁1と地山の掘削斜面Sとの間隔、及び建物内の適宜高さ(床スラブコンクリートを支持する切込砂利までの位置)まで良質土の埋め戻しを行う。
【0040】
〔実施態様効果〕
本発明の実施態様にあっては、破裂強度の十分な(60t/m2)チューブ管4を二次掘削部に埋設し、チューブ管4にかかるコンクリート打設圧力を埋め戻し土5に伝達してチューブ管4の変形を阻止し、チューブ管4を埋め殺しの型枠とするため、従来の如き型枠の取付け、取外し作業が合理化出来る。
【0041】
また、従来は、山留の矢板からラップルコンクリートまでの距離が、型枠取付け、取外しの作業性の面、及び使用型枠構成材の幅の制約面から700mm以上必要であったが、本発明実施態様例では、チューブ管4の採用によって、地山垂直面(掘削穴垂直側面)Vfとチューブ管4との距離が150mmと出来、掘削及び搬出、埋め戻しの土量が低減出来ると共に、地山の乱れも生じない。
【0042】
また、二次掘削で掘削穴Vを形成した後、速やかにチューブ管4が配置出来、速やかに埋め戻しが出来るため、掘削深さは浅い一時掘削となって、山留工事が不要となり、しかも、掘削穴Vへの埋め戻し土5には次の掘削穴V形成によって生じる掘削土を使用するので、掘削土の搬出量が少ない。
また、鉄筋コンクリート体3が従来のフーチング基礎を兼用するので、型枠の取付作業性が良く、しかも、鉄筋コンクリート体3と捨コンクリート7とが同時コンクリート打設出来て、作業日数の短縮(従来より35%の短縮)とコンクリート打設の省力化が可能となる。
【0043】
また、基礎部(柱、基礎梁、基礎継梁)の型枠組みが面一の鉄筋コンクリート体3の上端面3uおよび捨コンクリート上端面7u上での作業となるため、型枠作業が容易となる。
また、鉄筋コンクリート体3は、従来のフーチング基礎を兼用するため、小径の柱2の荷重を受ける形態で、且つ構造計算で必要な大きさにすれば良く、従来のラップルコンクリートでのフーチング基礎との位置ずれの危険を補償するための余分の大きさとする必要がないので、鉄筋コンクリート体3は、従来のラップルコンクリートより断面形状が小さく出来る。
【0044】
〔実施態様効果〕
本発明と従来例2(現在の典型的ラップルコンクリート工法)とを、鉄筋コンクリート4階建、長辺方向長さ17.4m×短辺方向長さ7.5m(建築面積130.5m2)で、中階段の両側に2LDKの住宅がある共同住宅を用いて基礎工事費を比較したところ、本発明では、▲1▼山留工事(親杭、矢板、裏込め砂利)が不要であること、▲2▼一次掘削、二次掘削、他の土工事が約半額に合理化出来たこと、▲3▼地業工事が20%コストダウン出来たこと、▲4▼コンクリート工事は、チューブ管4のコストが高いため10%コストアップしたこと、▲5▼鉄筋工事は鉄筋コンクリート体3がフーチング基礎と略同等のこと、より、基礎工事で本発明実施例は従来に対して50%弱の施工費となった。
【0045】
〔その他〕
図6はチューブ管4の保持金具の図であって、図6(B)に示す如く、幅W2(65mm)で厚さt1(3mm)の平鋼(支持片)10´aを十字形態に形成し、先端に100mm前後の長さの保持片10´b,10´cを、チューブ管4の肉厚と略同間隔に起立配置し、平鋼10´aの中心部には固定棒11を挿通するための挿入孔H1を、先端部には打込棒12を挿通するための挿入孔H2を穿設したものである。
この保持金具10´は、図6(A)に示す如く、支持地盤面BLに載置して、固定棒11を挿入孔H1に垂直に貫入して打込み、短寸の打込棒12を挿入孔H2に挿入打込むことにより定位置に固定出来、下端の固定した保持金具10´にチューブ管4を保持片10´b,10´cで挟打立設し、チューブ管4の上端に上方の保持金具10´を嵌合して固定棒11に挿通すれば、チューブ管4の定位置確保が出来る。
従って、下方の保持金具10´は埋め殺しとなるが、実施態様例で用いた保持金具(図5)同様に、チューブ管4の定位置保持が出来る。
【0046】
また、チューブ管4の定位置保持は、図6(D)に示す如く、ロッド部13aの基端に座金13cを備え、先端に尖った頭部13bを備えた差込棒13を用いて、チューブ管4の適所に配置した固定孔H4から掘削穴Vの側面(垂直面)Vfに打込めば、チューブ管4の定位置確保が可能である。
この差込棒13は、チューブ管4の内周面を位置保持する打込棒12(図5(B))と併用すれば、チューブ管4の下端及び中間の必要位置での固定が可能となる。
勿論、図5(A)の保持金具10や図6(B)の保持金具10´との併用も可能である。
【0047】
実施態様例では、固定棒11及び保持金具10を採用したが、チューブ管4の強度(破裂強度)、径、及び掘削穴Vの深さの条件によっては、チューブ管4の内周面に当接配置する打込棒12の複数本使用のみでチューブ管4の下端の位置を規制し、チューブ管4の上端は、地山(掘削穴側面Vf)との間に桟木を配置しても、チューブ管4の位置決めが可能であり、チューブ管4を所定の形態に埋設可能である。
また、保持金具10,10´は、支持片10a,10´aに、例えば、長孔を介したネジ締着等の慣用の寸法調節手段を付与することにより、チューブ管4の径の変化に対応可能となり、保持金具10,10´の準備が合理化出来る。
【0048】
【発明の効果】
基礎梁1及び柱2を支える鉄筋コンクリート体3を、掘削穴V内に配置するチューブ管4の埋め殺しによって形成するため、山留施工や型枠の取付け、取外しが不要となり、基礎工事の大幅な合理化が可能となる。
また、チューブ管4は、掘削穴V内に配置すれば直ちに土砂で埋め戻すことが可能となって、隣接掘削穴Vの形成によって排出した土砂で埋め戻し出来、掘削、排土、土砂搬出が合理化出来る。
しかも、鉄筋コンクリート体3の型枠形成が不要なため、掘削穴Vの大きさもチューブ管4の配置に必要な程度に小さく出来、一次掘削の掘削斜面Sも比較的急傾面と出来るため、土砂の掘削、排出量も低減出来る。
【0049】
また、鉄筋コンクリート体3が、従来のフーチング基礎を兼用するので、鉄筋コンクリート体3と、基礎梁1、基礎継梁1´配置用の捨コンクリート7とが同時打設出来、且つ、上端面3u,7uの同一レベル形成が可能となり、基礎施工に於けるコンクリート打設が合理化出来る。
しかも、鉄筋コンクリート体3の上端面3uと捨コンクリート7の上端面7uが面一であるため、柱2、基礎梁1、基礎継梁1´の墨入れも、それぞれの型枠形成も容易となり、作業性が向上する。
そして、工期も従来より35%前後短縮出来る。
【0050】
また、山留施工が不要となるため、クレーン等の大型車輌による振動、騒音障害が抑制出来、住宅地での基礎工事も容易に遂行出来る。
しかも、隣地、道路からの至近距離での施工も可能となるため、敷地を有効利用した建物が建築出来る。
従って、本発明は、地盤の掘削、埋め戻しの合理化、基礎鉄筋コンクリート体3形成の合理化により、基礎工事費の大幅なコストダウンを達成すると共に、敷地を有効利用した建物の建設を可能とし、実用性の極めて高い基礎施工法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要部縦断側面図であり、図2(A)のC−C断面図である。
【図2】本発明の柱、基礎梁、基礎継梁の位置関係を示す図であって、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線縦断面図である。
【図3】本発明のかご鉄筋配置説明図であって、(A)は縦断側面図、(B)は(A)のB−B線縦断側面図、(C)は平面図である。
【図4】(A)は、かご鉄筋の柱状部とベース部との分解斜視図であり、(B)はチューブ管の斜視図である。
【図5】実施態様例図であって、(A)は保持金具10の斜視図、(B)は保持金具の使用状態説明図である。
【図6】変形例図であって、(A)は保持金具使用状態説明図、(B)は保持金具10´の斜視図、(C)は(A)のC部拡大図、(D)はロッドでチューブ管を固定する説明図である。
【図7】従来例1の説明縦断面図である。
【図8】従来例2の説明縦断面図である。
【図9】従来例2の説明図であって、(A)は平面図、(B)は縦断側面図である。
【図10】従来例2の型枠説明図であって、(A)はラップルコンクリート型枠斜視図、(B)はラップルコンクリート上の基礎梁型枠説明図である。
【符合の説明】
1:基礎梁、 1´:基礎継梁、
2:柱、 3:鉄筋コンクリート体、
3u,7u:上端面(上面)、 4:チューブ管、
4f:外周面、 5:埋め戻し土、
6:切込砂利層、 7:捨コンクリート、
8:かご鉄筋、 8a:縦筋、
8b:帯筋、 8b´:横筋、
8c,8d:ベース筋、 8e:スペーサーブロック、
9:継筋、 10,10´:保持金具、
10a,10´a:支持片(平鋼)、
10b,10´b,10´c:保持片、
11:固定棒、 12,12´:打込棒(鉄筋棒)、
13:差込棒(ロッド)、 13a:ロッド部、
13b:頭部、 13c:座金、
BL:支持地盤面、 GL:地盤面、
ML:中間面、 V:掘削穴、
B8:ベース部、 P8:柱状部、
S:掘削斜面、 Vf:掘削穴側面(垂直面)、
H1:挿入孔(固定棒挿入孔)、 H2:挿入孔(打込棒挿入孔)、
H4:固定孔(ロッド挿入孔)
Claims (9)
- 地盤面(GL)から中間面(ML)までの深さ(d1)を基礎梁(1)、基礎継梁(1´)用に一次掘削して土砂を排除し、柱(2)の基礎部では、更に支持地盤面(BL)まで二次掘削して土砂を排除して型枠用の掘削穴(V)を形成し、掘削穴(V)内に、支持地盤面(BL)から一次掘削の中間面(ML)までの高さのチューブ管(4)を位置決め配置し、次いで、チューブ管(4)の外周に土砂を埋め戻し、周囲の埋め戻し土砂(5)で位置保持されたチューブ管(4)内にかご鉄筋(8)を配置し、次いで、チューブ管(4)内には鉄筋コンクリート体(3)を、基礎梁(1)及び基礎継梁(1´)部には捨コンクリート(7)を、面一に打設固化し、次いで、チューブ管(4)内の鉄筋コンクリート体(3)上には基礎梁(1)及び柱(2)を、捨コンクリート(7)上には基礎梁(1)及び基礎継梁(1´)を、それぞれ型枠組みしてコンクリート打設することを特徴とする、建物基礎の構築方法。
- 掘削穴(V)は、垂直面(Vf)で、且つ、チューブ管(4)の外周面(4f)との間に、略150mm前後の小さな土砂埋め戻し幅(L2)を形成する、請求項1の構築方法。
- チューブ管(4)は、内側からの保持手段(10,11,12,13)で配置位置に保持して外周に土砂を埋め戻す、請求項1又は2の構築方法。
- チューブ管(4)は、支持地盤面(BL)にチューブ管(4)の中心位置で垂直に固定棒(11)を打込み、先端に保持片(10b)を備えた支持片(10a)を放射形態に備えた保持金具(10)を固定棒(11)に挿通し、各保持片(10b)でチューブ管(4)を保持する、請求項3の構築方法。
- 基端に座金(13c)を備えた差込棒(13)を、チューブ管(4)の内面から孔(H4)を介して掘削穴(V)の地山に打込んでチューブ管(4)を保持する、請求項1乃至4のいずれか1項の構築方法。
- 多数の縦筋(8a)を帯筋(8b)で固定した柱状部(P8)の底面に、ベース筋(8c,8d)を交差配置して形成したベース部(B8)を当接固定したかご鉄筋(8)を用いる、請求項1乃至5のいずれか1項の構築方法。
- ベース部(B8)をスペーサーブロック(8e)上に載置してかご鉄筋(8)を配置する、請求項6の構築方法。
- 捨コンクリート(7)の打設は、一次掘削の中間面(ML)から略100mm前後の深さ(d6)で溝掘削して切込砂利層(6)を配置し、切込砂利層(6)をつき固めて切込砂利層(6)上に捨コンクリート(7)の層(t7)をチューブ管(4)内の鉄筋コンクリート体(3)と面一に形成する、請求項1乃至7のいずれか1項の構築方法。
- チューブ管(4)内の鉄筋コンクリート体(3)から上方へ継筋(9)を突出し、該継筋(9)を基礎梁(1)及び柱(2)内に一体化する、請求項1乃至8のいずれか1項の構築方法。
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