JP7344721B2 - ルーフ構造物とその施工方法 - Google Patents

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本発明は、ルーフ構造物とその施工方法に関する。
ルーフ構造物は、間隔を隔てて立設された複数の支柱と、支柱の上端部から横に張り出す屋根を備え、屋根の下が閉鎖空間になっていない建物である。ルーフ構造物は、例えば、街中で通行人が自由に歩行できる回廊、駐輪場、バス停、等に使用されている。
近年、建築されるルーフ構造物は、支柱を鉄筋コンクリートの基礎に埋め込む工法によるものが主流となっている。このようなルーフ構造物は、例えば、特許文献1に開示されている。
ルーフ構造物は、支柱と屋根が主な構成物品である。屋根の下の空間は、外に開放されているため、風が屋根の下を自由に吹き抜ける。風が屋根を吹き上げると、ルーフ構造物の支柱には、転倒モーメント又は引張力を生じる。この転倒モーメント又は引張力に抵抗できるように、従来の支柱の下端部は、地中に設けられた基礎に深く埋設されている。そのため、支柱の基礎は、支柱の下端部を埋め込めるだけの深さに作られる必要があった。またこの基礎は、風の吹き上げによる転倒モーメント又は引張力に支柱が抵抗できるように、重量が重く設けられていた。
特許文献1に開示されたルーフ構造物の基礎は、広く深いコンクリートスラブを打設して作っていた。具体的には、地面に矩形の穴を深く広く掘り、その底に路盤を作り、穴の中に配筋し、型枠を形成し、型枠にコンクリートを入れ、コンクリートが固まった後に型枠を外してから埋め戻していた。そのため、作業に多くの手間が掛っていた。
図1は、近年施工されている従来のルーフ構造物50の断面図である。図1(A)は正面断面図であり、図1(B)は図1(A)のL-L矢視図である。この図は、駐輪場をルーフ構造物の例として記載している。
特許文献1に開示されたルーフ構造物とは異なり、近年のルーフ構造物50の支柱51の基礎52には、跳ね出し54とハンチ55が設けられていた。これにより、近年のルーフ構造物50は、特許文献1に開示された基礎よりコンクリートスラブ53の打設面積を削減でき、かつ頑強な構造とすることができた。つまり、跳ね出し54を薄く長く延ばすことで、コンクリートスラブ53の打設面積が小さくても、転倒モーメントN1に抵抗できる重量を基礎52に確保することができた。また、コンクリートスラブ53のハンチ55があることで、跳ね出し54の厚みが薄くても、支柱51の基礎52を頑強に施工することが出来た。
次に、近年施工されている従来のルーフ構造物50の施工方法について説明する。
図2は、近年施工されている従来のルーフ構造物50の施工方法の説明図である。施工方法は、図2(A)から図2(K)にかけて進行している。この施工方法では、2つのコンクリート枠を上下に重ねて使う。以下の説明では、下側のコンクリート枠を下側コンクリート枠56と呼び、上側のコンクリート枠を上側コンクリート枠57と呼ぶ。なお、この図に例示した下側コンクリート枠56は、重機が無ければ運搬できない重量を有し、上側コンクリート枠57は、2人がかりで運搬できる重量を有している。
また、この施工方法では、コンクリートの打設を3回行う。
まず、図2(A)に示すように、地面に穴63を掘り、穴63の底に路盤58を作る。
次に、下側コンクリート枠56を、その開口が上に向くように路盤58の上に置き(図2(B))、その周辺部を埋め戻す(図2(C))。下側コンクリート枠56は、コンクリートスラブ53の下端からハンチ55の下端までの高さと同じ高さを有している。
次いで、図2(D)に示すように、ハンチ55と跳ね出し54が下側コンクリート枠56から突き出る形状となるように、土を盛り、ハンチ55と跳ね出し54となる部分の路盤58を作る。このとき、ハンチ55となる部分の路盤58は、下側コンクリート枠56の上端に向けて下降する傾斜となるように作る。
次に、図2(E)に示すように、下側コンクリート枠56の中と跳ね出し54及びハンチ55となる部分に配筋する。下側コンクリート枠56内の配筋は、下側コンクリート枠56より上方まで鉄筋59を配置する。跳ね出し54となる部分の配筋は、鉄筋59が、下側コンクリート枠56内の鉄筋59の上端部59aから水平に延びるように行う。ハンチ55となる部分は、跳ね出し54となる部分と下側コンクリート枠56内の鉄筋59の間で斜めに鉄筋59が延びるように配筋する。土間コンクリート62には、溶接金網を埋め込む。コンクリートスラブ53の鉄筋59と溶接金網を土間コンクリート62に埋め込むことにより、土間コンクリート62のひび割れを防止することができた。
また、支柱51の下端部51aを入れる縦孔61を作るため、下側コンクリート枠56内にボイド60を立てる。ボイド60は、コンクリートのスラブに管状の中空を設けるときに使う紙筒である。
次いで、上側コンクリート枠57を用意する。上側コンクリート枠57は、ハンチ55となる部分の鉄筋59に干渉しないように、一側面57aを切り落としてから使用する。図2(F)に示した上側コンクリート枠57の場合、破線Nで示した2箇所を切断する。切断した上側コンクリート枠57を下側コンクリート枠56の上に重ね(図2(G))、コンクリート枠内にコンクリートを打設する(図2(H))。これが、第1回目のコンクリート打設である。この時、コンクリートは、上側コンクリート枠57の切断した部分から地上に流れ出し、ハンチ55を形成する。
コンクリートが固まった後、ボイド60を解体し(図2(I))、完成した縦孔61の中に支柱51を立てる。支柱51を位置決めし、仮留めする。その後、支柱51の下端部51aを根固めし、縦孔61の中にコンクリートを打設する(図2(J))。このコンクリート打設が第2回目となる。
第2回目に打設したコンクリートが固まった後に、跳ね出し54となるコンクリートスラブ53及び土間コンクリート62を打設する。これが、第3回目のコンクリート打設である。
特開2015-218436号公報
上述したように、近年のルーフ構造物50は、支柱51の下端部51aを、風の吹き上げによって生じる転倒モーメントN1又は引張力N2に抵抗できるほどの深さに埋め込む必要がある。そのためには支柱51の基礎52を、深くかつ頑強に作らなければならず、下側コンクリート枠56の埋設や上側コンクリート枠57の切断といった煩雑な型枠工事が必要であった。また、ハンチ55を形成するために、路盤58を斜めに傾斜させて作り、鉄筋59を斜めに配筋するのも、多くの手間が必要であった。その上、この施工方法では、コンクリート打設を3回もしなければならなかった。
その結果、労務が増え、その分、工事費用が多く必要であった。
また、跳ね出し54とハンチ55がある分、基礎52に必要な鉄筋量が多くなるため、材料費と労務費が多く必要であった。
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、施工の手間と使用する鉄筋量を従来のルーフ構造物より削減できるルーフ構造物とその施工方法を提供することにある。
本発明によれば、床面を形成する土間コンクリートと、
互いに間隔を空けて前記土間コンクリートに立設され下端部が該土間コンクリートより下方まで埋設された複数の支柱と、
前記支柱の上端部から横方向に延びる屋根と、
前記土間コンクリートより下方に位置する地中に埋設され前記支柱の下端部を支持する支持材と、を備え、
前記支持材は、上端部が開口した中空筒型であり中空に前記支柱の下端部が挿入され固定される筒状部と、該筒状部の下端部から横方向に平面状に延びる板状部と、を有し、
さらに前記支持材は、前記板状部の上に乗る土と前記土間コンクリートとの重量及び前記土が前記筒状部の側面にかける側圧によって前記支柱を支持できる深さに埋設される、ルーフ構造物が提供される。
また、本発明によれば、上述のルーフ構造物の施工方法であって、
前記筒状部が地上に開口する深さに前記支持材を地中に埋設し、
前記板状部の上に載せた前記土を突き固め、
前記筒状部の中に前記支柱を立設し該支柱の前記下端部を根固め用コンクリートで根固めし、
前記土、前記筒状部、及び前記根固め用コンクリートの上に前記土間コンクリートを打設する、ルーフ構造物の施工方法が提供される。
上述した本発明によれば、支持材が、中空筒型の筒状部と、その下端部から横方向に延びる板状部とを有し、筒状部に支柱の下端部を固定した支持材を所定の深さに埋める。この所定の深さは、板状部に乗せる土と土間コンクリートの重量、及び筒状部の側面にかかる側圧で、支柱を支持できる深さである。
これにより従来のルーフ構造物で必要であったコンクリートスラブを作る必要が無く、コンクリートの打設を1回分減らすことができる。またコンクリートスラブを作らないので、鉄筋の使用量を減らすことができる。さらに施工の手間が減るので、労務を削減でき、工事費用を抑えることができる。
近年施工されている従来のルーフ構造物の断面図である。 近年施工されている従来のルーフ構造物の施工方法の説明図である。 第1実施形態のルーフ構造物の正面図である。 第1実施形態のルーフ構造物の断面図である。 第1実施形態の支持材の説明図である。 第1実施形態のルーフ構造物の施工方法についての説明図である。 穴の外で部材を組み立てる場合の第1実施形態の支持材の説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
(第1実施形態)
図3は、第1実施形態のルーフ構造物10の正面図である。
本実施形態のルーフ構造物10は、図3に示すように、間隔を隔てて立設された複数の支柱2と、支柱2の上端部2bから横に張り出す屋根3を備え、屋根3の下が閉鎖空間になっていない建物である。このルーフ構造物10は、例えば、街中で通行人が自由に歩行できる回廊、駐輪場、バス停、カーポート、あずまや、等であってもよい。本実施形態のルーフ構造物10は、土間コンクリート1、支柱2、屋根3、及び支持材4を備える。
土間コンクリート1は、床面Fの表層を形成するコンクリートである。例えば土間コンクリート1は、この図のように、砕石や砂等を敷き詰めた路盤13の上に直接設けられていてもよい。土間コンクリート1の内部には、補強のために、図示しない溶接金網が敷設されていてもよい。
支柱2は、互いに間隔を空けて、土間コンクリート1に複数立設されている。
図4は、第1実施形態のルーフ構造物10の断面図である。この図では、紙面に垂直な方向に複数の支柱2が立設している。支柱2の下端部2aは、土間コンクリート1より下方まで延び、埋設される。支柱2の上端部2bからは、屋根3が横方向に延びる。この図では、屋根3が支柱2から横向きの一方向(図の左方向)にのみ延びているが、支柱2の上端部2bから図の左右の両方向に延びていてもよい。
支持材4は、土間コンクリート1より下方に位置する地中に埋設され、支柱2の下端部2aを支持する部材である。
支持材4は、上下に延びた中空5aを有する筒状部5と、筒状部5の下端部5bから横方向に延びる板状部6と、を有する。支持材4は、筒状部5と板状部6とが一体成型されて構成されていてもよい。
しかし、これに限らず、支持材4は、現場で組み立てる複数の部材8,9,11から構成されていてもよい。例えば、この図の例では、支持材4が、筒状部5を形成する筒部材8と、板状部6を形成する底盤板部材9と、連結部材11とを有する。この支持材4を使用する際には、筒部材8と底盤板部材9をそれぞれ現場へ搬入し、それらを現場で連結部材11によって連結して使用する。連結部材11は、例えば、ボルトやインサート、アングル材等であってもよい。
この図のように支持材4が、筒部材8と底盤板部材9という2つの部材に分かれていることで、それぞれの部材8,9を人の手で扱える重さに構成することができる。例えばこの図に示した、部材8,9をガラス繊維補強セメント(GRC)で製造した場合、筒部材8と底盤板部材9のそれぞれの重量は、約40kgである。この重さであれば、2人がかりで動かすことができる。それにより、下側コンクリート枠の運搬や設置に重機を必要とした従来のルーフ構造物50よりも、施工の作業効率を向上させることができる。
筒状部5は、上端部5cが開口した上下に延びる中空5aを有していれば、角柱でも円筒形でもよい。しかし筒状部5は、角柱であることが、より好ましい。角柱は水糸で位置決めしやすいため、施工作業を行いやすいからである。
図4に示すように、筒状部5の中空5aには、支柱2の下端部2aが挿入される。この状態で根固め用コンクリート12が、筒状部5の中空内に打設される。これにより、支柱2の下端部2aが支持材4の筒状部5に強固に固定される。
板状部6は、筒状部5の下端部5bから横方向に延びて平面状に広がる板状の部材である。この図に記載の筒部材8は、底盤板部材9の上に載せられ、筒部材8の下端部5bが底盤板部材9に連結部材11で連結されている。この構成により、筒部材8と底盤板部材9が一体化する。
支持材4は、土間コンクリート1の下の地中に埋設される。支持材4の周囲や土間コンクリート1と板状部6の間にある土7は、よく突き固められている。
風が屋根3を吹き上げると、この図のように、支柱2に転倒モーメントN1又は引張力N2が生じる。
本実施形態のルーフ構造物10は、この図のように、地中に埋め戻された支持材4の筒状部5に、支柱2の下端部2aが固定されている。この構成により、風によって支柱2に生じる転倒モーメントN1又は引張力N2は、板状部6でその上の土7と路盤13と土間コンクリート1を持ち上げようとする力となる。この力に十分抵抗できる重量を板状部6の上に乗せられる深さに、支持材4は埋設される。支柱2を支持するために板状部6に載せるのに必要とする重量(以下、必要重量)から、その必要重量を板状部上に確保するために必要な支持材4の埋設深さを予め算出し、その深さに支持材4を埋設する。
これにより、ルーフ構造物10は、板状部6に載せられた土7、路盤13、及び土間コンクリート1の重量と、土7によって筒状部5の側面にかかる側圧とで支柱2を支持する。
つまり本実施形態のルーフ構造物10は、従来のルーフ構造物50のように、支柱51の基礎52の自重で支柱2に発生する転倒モーメントN1又は引張力N2に抵抗しているのではない。本実施形態のルーフ構造物10は、支持材4の板状部6に、土7の重量と土間コンクリート1の重量を与え、筒状部5の側面に十分な側圧をかけることで、風圧による転倒モーメントN1又は引張力N2に抵抗できることが、構造計算で確認できている。そのためルーフ構造物10は、支柱2の基礎となる支持材4の重量をわざわざ重く作る必要は無い。本実施形態のルーフ構造物10は、支持材自体が軽量であっても頑強でありさえすればよい。それにより、支持材4の周りに配置するルーフ構造物10のその他の構成物品(例えば土7や土間コンクリート1)の重さで支持材4を抑えることで、風圧によって生じる転倒モーメントN1又は引張力N2に抵抗できるだけの頑強さを備えることができる。
そのため本実施形態のルーフ構造物10は、支柱2の基礎と土間コンクリート1を鉄筋59で連結して一体化させる必要が無い。一体化させるために、支柱2の基礎に配筋する必要も無い。この図で示すように、本実施形態のルーフ構造物10は、支持材4の筒状部5の内部にも、支持材4の周りにも、配筋をしていない。
これにより本実施形態のルーフ構造物10は、配筋をする手間を削減することができると共に、使用する鉄筋の量を減らすことができ、労務も削減できるので、工事費用を抑えることができる。また地面を掘って出た土7を板状部6の上に埋め戻すので、残土を削減することもできる。
板状部6が横方向に延びる向きは、この転倒モーメントN1又は引張力N2に抵抗することができる程の重量の物体が板状部6の上に乗っているのであれば、どの方向で合ってもよい。
一般に土間コンクリート1はルーフ構造物10の敷地内のみに打設され、屋根3は、ルーフ構造物10の敷地を覆うように設けられていることが多い。このような場合には、板状部6の延びる向きを支柱2から屋根3が延びる横方向と同じ向きにすることで、板状部6を土間コンクリート1とその下の土7の重さで押えることができる。そのため、例えば土間コンクリート1が屋根3の下にのみ打設されている場合には、支柱2から屋根3が横方向に延びるのと同じ向きに板状部6が延びていることが好ましい。
しかし例えば土間コンクリート1が、屋根3の下を超えてルーフ構造物10の周囲にまで打設されている場合には、屋根3が支柱2から延びる横方向とは逆の方向に板状部6が延びていてもよい。
図5は、第1実施形態の支持材4の説明図である。図5(A)は、平面図であり、図5(B)は、図5(A)のM-M矢視図である。
この図に示した例でも、支持材4が、筒状部5を構成する筒部材8と、板状部6を構成する底盤板部材9と、それらを連結する連結部材11とに分かれている。筒部材8は、底盤板部材9の上に載せられ、連結部材11で底盤板部材9に固定されている。
筒部材8と底盤板部材9は、GRCで製造されていることが好ましい。GRCはガラス繊維でセメントが補強された素材であり、曲げ強度が強くなるため、強度を保ったまま部材8,9の厚みを薄く製造することができるからである。その上、GRCは、錆びず、耐久性が高いという特徴を有する。これにより、同じ強度の他の素材よりも、支持材4を軽量に製造することができる。
しかしそれに限らず、筒部材8と底盤板部材9の素材は、プレキャストコンクリート、金属、スチール、又は鋼管杭であってもよい。また、GRCよりも分厚く重くなるが、鉄筋コンクリートで筒部材8と底盤板部材9の形状を形成してもよい。
板状部6の端部には、辺縁6aが上に折れ曲がったリブ6bが設けられていることが好ましい。板状部6の辺縁6aからリブ6bが立ち上がっていることにより、板状部6の強度を向上させることができる。
つまり板状部6がリブ6bの無い平板であった場合、支柱2に転倒モーメントN1又は引張力N2がかかると、板状部6が撓んでしまう。板状部6が撓まないようにする目的で板状部6を厚くすると、底盤板部材9が重くなりすぎてしまう。
一方、本実施形態の板状部6は、リブ6bを有するので、板状部6の厚さが薄くても、板状部6の撓み量を抑えることができる。その上、板状部6を薄くする分、リブ6bの無い厚い板状部よりも、軽量化を図ることもできる。それにより、底盤板部材9を人が持てる重さに製造することができるので、施工の作業性を向上することができる。
上述したように、筒状部5は、角柱でも円筒形でもよい。筒状部5の中空5aの内壁は、図5(B)に示すように、下方へ向かうにつれて外側に広がる勾配が設けられていることが好ましい。また支持材4が筒部材8と底盤板部材9に分かれて構成されていた場合、筒部材8の下端部5bにも、開口が設けられていることが好ましい。
この構成により、この勾配を、筒部材8の下側から内側の型枠を抜く抜き勾配として使用することができる。それに加え、この勾配によって、支柱2の引張力N2に対する抵抗を確実にすることができる。一般にGRCは、表面が滑らかであるため、他のコンクリートと肌別れすることが懸念される。しかし本実施形態のルーフ構造物10は、筒状部5の内壁に下方へ向かうにつれて外側に広がる勾配が設けられており、引張力N2により支柱2が上方へ引っ張られると、より強固に根固め用コンクリート12が筒状部5の内壁に押し付けられる。したがって筒状部5と根固め用コンクリート12が肌別れする可能性を減少させることができる。
筒状部5の上端部5cには、持ち手となる手掛穴5dが設けられていることが好ましい。手掛穴5dは、筒状部内に打設した根固め用コンクリート12の上面の高さに設けられていることが好ましい。これにより施工者は、容易に筒部材8を持つことができる。その上、全ての支持材4について、根固め用コンクリート12を入れる上限の位置に印を付ける手間を省くことができる。施工者が手掛穴5dを目印にして根固め用コンクリート12を投入できるので、印を付ける手間が省けた分、施工にかかる時間を短縮することができる。
また、筒状部5の最上端と根固め用コンクリート12の上面の間に間隔をあけることにより、土間コンクリート1を筒状部5の中空5aの上端部5cに入れることができる。
これにより土間コンクリート1が筒状部5の中で固まり、筒状部5と土間コンクリート1が複雑に噛み合うので、転倒モーメントN1によって土間コンクリート1と筒状部5が横方向にずれるのを防ぐことができる。
さらに土間コンクリート1は、図4に示したように、筒状部5の上端部5cの外側にも流し込まれていることが好ましい。これによっても、転倒モーメントN1によって土間コンクリート1と筒状部5が横方向にずれるのを防ぐことができる。
図6は、本実施形態のルーフ構造物10の施工方法についての説明図である。施工方法は、図6(A)から図6(E)にかけて進行している。
まず、図6(A)に示すように、地面を掘削し、出来た穴14の底に路盤13を作る。
次に図6(B)に示すように、路盤13の上に支持材4を設置する。支持材4が複数の部材8,9,11に分かれている場合は、部材8,9,11をそれぞれ穴14の中へ運び、穴14の中で組み立てることが好ましい。各部材8,9,11が、人が運べる重さであるため、従来のルーフ構造物50の施工よりも効率よく作業することができる。
しかしそれに限らず、穴14の外で部材8,9,11を組み立てた後に、完成した支持材4を、穴14の中へ重機で運び入れても良い。
図7は、穴14の外で部材8,9,11を組み立てる場合の第1実施形態の支持材4の説明図である。図7(A)は平面図であり、図7(B)は側面図である。
この図に示すように、穴14の外で支持材4を組み立てる場合、板状部6に、吊り用リング15が設けられていることが好ましい。吊り用リング15は、この図の例のように、リブ6bに埋め込まれたインサート15aにボルト15bが連結されており、そのボルト15bでリング部15cが板状部6に固定されていてもよい。リング部15cは、繊維製の帯、針金、プラスチック製の帯、等でもよい。
もしくは、リブ6bに貫通孔が設けられており、その貫通孔に針金や結束バンドを通してもよい。
これらのリング部15cや、貫通孔に通した針金等と重機を連結し、支持材4を吊し上げ、穴14の中へ運んでもよい。
次いで、図6(C)に示すように、支持材4を、筒状部5の中空5aが地上に開口する深さに埋め戻す。このとき、掘削によって生じた残土で支持材4を埋めることが好ましい。筒状部5の周囲と板状部6の上に土7を載せ、筒状部5の側面に側圧がかかるように、土7を十分に突き固める。この土7の上に、土間コンクリート用の路盤13を作る。
次に図6(D)に示すように、筒状部5の中に支柱2を立設し、支柱2の下端部2aを根固め用コンクリート12で根固めする。ルーフ構造物10は、筒状部5の中空5aが縦孔を構成するので、ボイド60で縦孔61を製造する必要が無い。したがって、本実施形態のルーフ構造物10は、従来のルーフ構造物50の施工で必要であったボイド周囲へのコンクリートスラブ53の打設を省略することができる。これによりボイド60の周囲に配筋する手間や労務と、コンクリートが固まるのを待つ作業時間と、コンクリートスラブ53に使う鉄筋59と、コンクリートが固まった後にボイド60を取り外す手間と労務と作業時間を省略することができる。
支柱2を根固めする際には、根固め用コンクリート12の上端部が、筒状部5の上端部5cから間隔を隔てた位置に位置するように根固め用コンクリート12を筒状部5へ投入する。
このとき、手掛穴5dを、根固め用コンクリート12を入れる上限の目印とするのが好ましい。これにより、筒状部5の最上端からの距離を測って根固め用コンクリート12を入れる上限の位置を決定する手間がかからないため、円滑に作業を進めることができる。
次いで根固め用コンクリート12が固まった後に、図6(E)に示すように、路盤13、筒状部5、及び根固め用コンクリート12の上に、土間コンクリート1を打設する。土間コンクリート1を打設する場合には、溶接金網を使用してもよい。土間コンクリート1は、根固め用コンクリート12の上であって筒状部5の内部にも打設することが好ましい。
これにより、土間コンクリート1が筒状部5と複雑な形状で噛み合うので、支柱2に転倒モーメントN1が生じても、土間コンクリート1と筒状部5が横方向にずれるのを防ぐことができる。
このように、本実施形態のルーフ構造物10は、支持材4を使用することにより、コンクリート打設する回数を根固め用コンクリート12と土間コンクリート1の2回に減らすことができる。また、このルーフ構造物10は、コンクリートスラブ53を打設しないため、配筋する手間やハンチ55や跳ね出し54を作る手間、上側コンクリート枠57の一側面57aを切断する手間、ボイド60を外す手間を省くことができ、労務を削減することができる。
その上、施工の工程が従来のルーフ構造物50より少ない上、コンクリートスラブ53のコンクリートが固まるのを待つ必要が無いため、従来のものより短期間の施工日数で製造することができる。
さらに、本実施形態のルーフ構造物10は、従来のルーフ構造物50よりコンクリートや鉄筋59の量を削減できる上、掘削時に生じた残土を使って支持材4を埋め戻すことで残土を減らすことができる。これにより、ルーフ構造物10の施工費用を削減することができる。
上述した本発明によれば、支持材4が、中空筒型の筒状部5と、その下端部5bから横方向に延びる板状部6とを有し、筒状部5に支柱2の下端部2aを固定した支持材4を所定の深さに埋める。この所定の深さは、板状部6に乗せる土7と土間コンクリート1の重量及び筒状部5の側面にかかる側圧で、支柱2を支持できる深さである。
これにより、従来のルーフ構造物50で必要であったコンクリートスラブ53を作る必要が無く、コンクリートの打設を1回分減らすことができる。また、コンクリートスラブ53を作らないので、鉄筋59の使用量を減らすことができる。さらに、施工の手間が減るので、労務を削減でき、工事費用を抑えることができる。
なお本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
1 土間コンクリート、
2 支柱、2a 下端部、2b 上端部、3 屋根、4 支持材、
5 筒状部、5a 中空、5b 下端部、5c 上端部、5d 手掛穴、
6 板状部、6a 辺縁、6b リブ、7 土、
8 筒部材、9 底盤板部材、
10 ルーフ構造物、11 連結部材、
12 根固め用コンクリート、13 路盤、14 穴、
15 吊り用リング、15a インサート、
15b ボルト、15c リング部、
50 従来のルーフ構造物、
51 支柱、51a 下端部、52 支柱の基礎、
53 コンクリートスラブ、54 跳ね出し、
55 ハンチ、56 下側コンクリート枠、
57 上側コンクリート枠、57a 一側面、
58 路盤、59 鉄筋、59a 上端部、
60 ボイド、61 縦孔、62 土間コンクリート、63 穴、
F 床面、N1 転倒モーメント、N2 引張力

Claims (6)

  1. 床面を形成する土間コンクリートと、
    互いに間隔を空けて前記土間コンクリートに立設され下端部が該土間コンクリートより下方まで埋設された複数の支柱と、
    前記支柱の上端部から横方向に延びる屋根と、
    前記土間コンクリートより下方に位置する地中に埋設され前記支柱の下端部を支持する支持材と、を備え、
    前記支持材は、上端部が開口した中空筒型であり中空に前記支柱の下端部が挿入され固定される筒状部と、該筒状部の下端部から横方向に平面状に延びる板状部と、を有し、
    さらに前記支持材は、前記板状部の上に乗る土と前記土間コンクリートとの重量及び前記土が前記筒状部の側面にかける側圧によって前記支柱を支持できる深さに埋設され
    前記筒状部は、上端部に、持ち手となる手掛穴を有し、
    前記手掛穴は、前記筒状部に入れられ前記支柱の前記下端部を根固めする根固め用コンクリートの上面の高さに位置する、ルーフ構造物。
  2. 前記支持材は、前記筒状部を形成する筒部材と、
    前記板状部を形成する底盤板部材と、
    前記筒部材と前記底盤板部材とを連結する連結部材と、を有する、請求項1に記載のルーフ構造物。
  3. 前記板状部は、その端部に、辺縁が折れ曲がったリブを有する、請求項1又は2に記載のルーフ構造物。
  4. 前記筒状部の内壁には、下方へ向かうにつれて外側へ広がる勾配が設けられている、請求項1~3のうちの何れか一項に記載のルーフ構造物。
  5. 請求項1~のうちの何れか一項に記載のルーフ構造物の施工方法であって、
    前記筒状部が地上に開口する深さに前記支持材を地中に埋設し、
    前記板状部の上に載せた前記土を突き固め、
    前記筒状部の中に前記支柱を立設し該支柱の前記下端部を根固め用コンクリートで根固めし、
    前記土、前記筒状部、及び前記根固め用コンクリートの上に前記土間コンクリートを打設する、ルーフ構造物の施工方法。
  6. 前記根固め用コンクリートの上端部は、前記筒状部の上端部から間隔を隔てて位置し、
    前記土間コンクリートは、前記根固め用コンクリートの上であって前記筒状部の内部に打設される、請求項に記載のルーフ構造物の施工方法。
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