JP4063418B2 - オートホワイトバランス装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子スチルカメラやビデオカメラなどに用いられるオートホワイトバランス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビデオカメラやデジタルスチルカメラでは、白い被写体を白く再現するために、オートホワイトバランス調整が行われている。従来のオートホワイトバランス方式としては、画像全体の平均が無彩色となるように各画素の信号のRGB成分(赤、緑、青の三原色成分)のバランスを調整する方式がよく知られている。しかしながらこの方式では、有彩色が画像の大部分の領域を占めている場合、誤ったホワイトバランス調整を行うことになりやすいという欠点があった。
【0003】
このような誤ったホワイトバランス調整はカラーフェイリアと呼ばれる。このカラーフェイリアを軽減するオートホワイトバランス調整方式として、特開平5−292533号公報に示される技術が知られている。この技術では、画像を複数のブロックに分割し、各ブロックのRGBの平均値を計算し、その平均値が予め定めた範囲に属しているブロックのみを抽出する。そして、抽出したブロック群のRGBの平均値が無彩色になるように、RGB各成分の調整を行う。
【0004】
また、カラーフェイリアを軽減する別のオートホワイトバランス方式として、特開平5−7369号公報に示されるものがある。この方式では、ホワイトバランス調整信号のとりうる値の範囲を制限し、過度のホワイトバランス調整が行われることを避けている。
【0005】
ところが、これらの方式は、被写体を照明する光源が限定されている場合には効果が得られたが、想定外の光源で照明される場合や複数種類の光源により同時照明される場合などには十分なホワイトバランス調整を行うことができなかった。
【0006】
そこで、本出願人は、特開平8−289314号にて、改良されたオートホワイトバランス調整装置を提案した。この装置では、画像を複数のブロックに分割し、蛍光灯下で白い対象物を撮影したと判定されるブロック群、太陽光又はタングステン光下で白い対象物を撮影したと判定されるブロック群、画像中で最も明るいブロックに近い色を持つブロック群、をそれぞれ抽出する。そして、それら各ブロック群ごとにRGB各成分の平均値を求め、それらを予め定めた規則に従って混合した値をホワイトバランス調整信号として用いる。この装置では、画像中で最も明るいブロックに近似した色のブロック群のRGBの平均値をホワイトバランス信号に反映させることにより、想定外の光源下や複数種類の光源下でも、適切なホワイトバランス調整を行うことができる。
【0007】
また、オートホワイトバランスとは別に、ユーザから指定された光源に対応して固定的なホワイトバランス調整を行う機能を持つ装置は、従来よりよく知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開平8−289314号に示した方式は、上記のメリットはあるものの、次に示すような問題もあった。
【0009】
すなわち、この従来方式では、色のみに基づき上記各ブロック群を抽出していたため、各ブロック群の平均値を求める際に暗いブロックの値も用いられていた。画像として現れる色には、物体自体の色と物体を照明する光源の色の双方の影響がある。ここで、暗いブロックは光源の色を反映していない可能性が高いので、暗いブロックの情報をオートホワイトバランスの調整信号に反映させることは、誤差の要因となり兼ねない。したがって、最も明るいブロックに色が近いというだけで暗いブロックの情報を調整信号に反映させる上記従来方式では、性能のよいホワイトバランスが得られない場合があった。
【0010】
本発明は、この問題を解決するためになされたものであり、光源の色を強く反映しているブロックのみ抽出してホワイトバランス調整を行うことができるオートホワイトバランス装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の基礎となるオートホワイトバランス装置は、入力された画像を複数のブロックに分割するブロック分割手段と、分割した各ブロック毎に、ブロック内の画素の各色値に基づき、ブロックを代表する輝度及び色差を含む代表値を算出する代表値計算手段と、各ブロックの代表値に基づき、各ブロックの中から最高輝度のブロックを求める最高輝度ブロック探索手段と、各ブロックの代表値における輝度に基づき、輝度閾値を決定する輝度閾値計算手段と、最高輝度ブロックの代表値に基づき、色空間において最高輝度ブロックの代表値と類似した色を示す領域として高輝度領域を定め、ブロック群の中の前記輝度閾値より高い輝度を持つブロックの中から、高輝度領域に含まれる代表値を有するブロックを高輝度色ブロックとして抽出し、抽出した高輝度色ブロックの代表値の平均値を求める高輝度色ブロック平均値計算手段と、想定した各光源に対応してそれぞれ設けられ、ブロック群の中の前記輝度閾値より高い輝度を持つブロックの中から、色空間において当該光源下での白色物体の色を示す領域として定められた当該光源領域に含まれる代表値を有するブロックを、当該光源に対応する光源ブロックとして抽出し、抽出した当該光源ブロックの代表値の平均値を求める光源ブロック平均値計算手段と、高輝度色ブロックの代表値の平均値と、各光源ごとの光源ブロックの代表値の平均値と、に基づき、ホワイトバランス調整信号を算出するホワイトバランス調整信号計算手段と、前記ホワイトバランス調整信号計算手段で求めたホワイトバランス調整信号を用いて、前記入力された画像の各画素に対してホワイトバランス調整を行うホワイトバランス手段とを有することを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、ホワイトバランス調整信号が、輝度閾値より高い輝度を持つブロックのみの値に基づき求められるので、光源の色を反映していない可能性の高い暗いブロックの値がホワイトバランス調整信号に悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0013】
本発明の別の参考例では、輝度閾値を、最高輝度ブロックの輝度と全ブロックの平均輝度とに基づき決定する。これにより、個々の画像の状況に対応して輝度閾値を変化させることができる。
【0014】
また、別の参考例の態様では、各光源についての代表値の平均値を、予め定めた当該光源の標準値により修正することにより、各平均値の値をより光源の光の色に近くすることができ、光源の光の色に対する適切なホワイトバランスが可能となる。
【0015】
また、別の参考例の態様では、被写体輝度を検出する手段を更に有し、前記ホワイトバランス調整信号計算手段は、室内光源として用いられる種類の光源に対応する光源ブロックの代表値の平均値を、被写体輝度が高いほど小さい重みを掛けて修正し、この修正した平均値に基づきホワイトバランス調整信号を算出する。この態様によれば、被写体輝度が高いときに室内光源に対するホワイトバランスが行われることを防ぐことができる。
【0016】
また別の参考例の態様では、ブロックの画素のうち飽和画素を除いた画素の値に基づきブロックの代表値を計算することにより、光源の光の色をよりよく表していると考えられる代表値を得ることができる。
【0017】
また別の参考例の態様では、飽和画素が所定基準以上多いブロックを除いたブロックの代表値のみから平均値を求めることにより、光源の光の色によりよく対応したホワイトバランス調整信号を得ることができる。
【0018】
また別の参考例の態様では、ブロック中の所定画素の値が当該ブロックの代表値と所定値以上差がある場合、ブロックの代表値の平均値の計算において当該ブロックの代表値を所定の割合まで小さくする。この態様によれば、平均処理の結果偶然ある光源領域に属することになったブロックが、ホワイトバランス調整信号に与える影響を低減することができる。
【0019】
また別の参考例の態様では、ブロックの代表値の平均値の計算において、各ブロックの代表値に対し画面中央のブロックほど大きい重みを重みづけした上で、平均値を求める。これにより、一般に重要と考えられる画面中央部に対して適切なホワイトバランスを行うことができる。
【0020】
また別の参考例の態様は、ブロックの代表値を、入力された画像の全ブロックについて平均した全ブロック平均値を算出する全ブロック平均値計算手段を更に含み、ホワイトバランス調整信号計算手段は、全ブロック平均値も考慮に入れてホワイトバランス調整信号を求める。この態様では、光源の光の色に近いことが多い全ブロック平均値を考慮することにより、ちょっとした構図の変化によってホワイトバランスが急激に変化してしまうようなことを防ぐことができる。
【0021】
本発明では、全ブロック平均値がいずれの光源領域にも属さない場合は、全ブロック平均値を所定の小さい値に修正した上でホワイトバランス調整信号の計算に用いるようにすることも好適である。これによれば、全ブロック平均値が光源の光の色を反映しない不適切な値である場合は、その値のホワイトバランス調整信号に対する寄与を小さくすることができる。
【0022】
また本発明の別の態様は、被写体輝度を検出する手段を更に有するとともに、光源ブロック平均値計算手段の一つとして、太陽を光源として想定した太陽光ブロック平均値計算手段を有し、前記太陽光ブロック平均値計算手段は、被写体輝度が所定の閾値より高い場合は、太陽光に対応する前記光源領域を高色温度部分を含まないよう狭め、被写体輝度が前記閾値より低い場合は、太陽光に対応する前記光源領域を高色温度部分を含むように広げる。この態様によれば、色温度が似通っている昼間の青空のシーンと日陰等のシーンとに、自動的に適切なホワイトバランスを行うことができる。
【0023】
また本発明の別の態様は、ストロボが発光した場合は、太陽を光源として想定した光源ブロックの代表値の平均値を、太陽光に対応して定めた標準値の代わりに、予め定めたストロボ標準値を用いて修正し、これをホワイトバランス調整信号の計算に用いる。この態様によれば、太陽光とストロボ光とを共通のユニットで処理することができ、装置構成の単純化を図ることができる。
【0024】
また別の参考例の態様は、指定された光源のみを考慮したホワイトバランスを行う光源指定モードを有し、ホワイトバランス調整信号計算手段は、光源指定モードの場合、指定された光源に対応する光源ブロックの平均値のみに基づきホワイトバランス調整信号を求める。この態様によれば、指定された光源に対応する光源ブロックの平均値に基づきホワイトバランス調整信号を求めることにより、光源指定によるホワイトバランスについてもシーンの状況を反映した動的な調整を行うことができる。
【0025】
また別の参考例の態様は、入力された画像について求めたホワイトバランス調整信号と、直前の画像についてのホワイトバランス調整信号との比較に基づき、直前と現在とで照明環境が変化したか否かを判定する判定手段と、照明環境が変化しないと判定されている間、求めたホワイトバランス調整信号を蓄積する記憶手段とを有し、前記ホワイトバランス調整信号計算手段は、前記判定手段で照明環境が変化していないと判定された場合、入力された画像について求めたホワイトバランス調整信号を、前記記憶手段に蓄積されたホワイトバランス調整信号を用いて補正した上で前記ホワイトバランス手段に出力する。この態様によれば、照明環境が変化していないと判定される間は、過去に蓄積したホワイトバランス調整信号により現在の調整信号が平滑化される。これにより、照明環境が変わらない間は、ホワイトバランスが急激に変化することが無くなる。
【0026】
また本発明の別の態様では、前記ホワイトバランス調整信号計算手段は、予め想定したすべての光源について、当該光源ブロックの数に基づき当該光源が照明光源である可能性を示す指標値を求め、その指標値が予め想定したすべての光源について所定の閾値より小さい場合は、入力された画像について求めたホワイトバランス調整信号の信頼性が低いと判定し、そのホワイトバランス調整信号を、過去に求めた信頼性が高いと判定されたホワイトバランス信号により補正した上で前記ホワイトバランス手段に出力する。この態様によれば、求めたホワイトバランス調整信号の信頼性が低い場合は、信頼性の高い過去のホワイトバランス調整信号により補正を行うので、信頼性の低いホワイトバランス調整信号しか得られない難しいシーンでもある程度良好なホワイトバランスを実現することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0028】
[実施形態1]
図1は、本発明に係るオートホワイトバランス装置の全体構成を示す機能ブロック図である。
【0029】
本実施形態の装置は、図示しない撮像装置から入力された画像信号からホワイトバランス調整信号を生成し、この信号により画像信号にホワイトバランス調整を施す。ここで、本実施形態では、被写体を照明する光源の色を推定し、この推定結果に基づきホワイトバランス調整信号を生成する。光源の色の推定は、画像の中で輝度の高い色に近い色を持つ画像領域と、予め想定した各種光源の色に近い色を持つ画像領域の情報に基づいて行う。本実施形態では、光源として、一般的と考えられる蛍光灯、太陽、タングステンランプ(白熱灯)を想定している。
【0030】
以下、本装置各部について説明する。
【0031】
<ブロック代表値計算部>
撮像装置からの画像信号は、ブロック代表値計算部10に入力される。ブロック代表値計算回路10は、入力された画像を、予め定めたブロックに分割する。図2は、画面のブロック分割の仕方の一例である。この例では、1フレームの画像500は、n×m画素のブロック510に等分割される。そして、ブロック代表値計算回路10は、それら各ブロック毎に、そのブロックの代表値を計算する。この計算の方式は以下の通りである。
【0032】
すなわち、まずブロック内の全画素のRGB値の平均値(R,G,B)を求める。その平均値に対し、次の線形変換を施すことにより、代表値(Tl,Tg,Ti)が求められる。
【0033】
【数1】
ここでTlはブロックの輝度を表し、Tg,Tiはブロックの色差を表す。なお、ここで用いた線形変換の行列はあくまで一例であり、別の行列を用いてももちろん良い。
【0034】
求められた各ブロックの代表値は、最高輝度ブロック探索部12、輝度閾値計算部14、高輝度色ブロック平均値計算部16、蛍光灯ブロック平均値計算部18、太陽光ブロック平均値計算部20、タングステン光ブロック平均値計算部22に入力される。
【0035】
<最高輝度ブロック探索部>
最高輝度ブロック探索部12は、入力された各ブロックの代表値(Tl,Tg,Ti)のデータに基づき、輝度Tlの最も高いブロックを探索する。この探索では、飽和画素(すなわちR、G又はBの値が上限値に達している画素)の多いブロックや、非常に暗い(輝度の低い)ブロックが最高輝度ブロックに選ばれることを防ぐため、探索対象を、
【数2】
TlMin<Tl≦TlMax ・・・(2)
を満足するブロックのみに限定する。ここで、TlMin及びTlMaxは、予め定めた閾値である。飽和画素が多いブロックは、全体的に輝度が高いので、この条件により、探索対象から除くことができる。
【0036】
このような限定を行うのは次のような理由からである。すなわち、最高輝度ブロックは、最も明るいブロックであるから被写体を照明する光源の色をよく反映しているものと考えられるので、本実施形態では、最高輝度ブロックの色の情報を、被写体を照明する光源の色を推定する重要なファクターとして用いている。この目的からすれば、最高輝度ブロックとしては、被写体を照明する光源の色をよく反映したものを選ぶ必要がある。ところが、飽和画素は、色値の上限値を超える部分がカットされていることになるので、対象物の正しい色を表しておらず、光源の色をよく反映しているとはいえない。したがって、このような飽和画素が多いブロックは、最高輝度ブロックに選ぶには適切ではない。同様に、非常に暗いブロックは、一般に光源の色をあまり反映していないと考えられるので、これも最高輝度ブロックとしては適切ではない。
【0037】
このように限定された範囲のブロックから、Tlの値が最大のブロックが最高輝度ブロックとして選択される。そして、最高輝度ブロック探索部12は、選択した最高輝度ブロックの代表値(TlBr0,TgBr0,TiBr0)を、輝度閾値計算部14及び高輝度色ブロック平均値計算部16に出力する。
【0038】
<輝度閾値計算部>
輝度閾値計算部14は、ブロック代表値計算部10から入力される各ブロックの代表値と、最高輝度ブロック探索部12から入力される最高輝度ブロックの代表値に基づき、輝度閾値を計算する。
【0039】
輝度閾値は、光源の色をあまり反映していないと考えられる暗いブロックを、後段の各種演算処理から除くために用いる閾値である。
【0040】
ここでは、各ブロックの輝度Tlの平均値TlAvrを求め、これと最高輝度ブロックの輝度TlBr0とに基づき輝度閾値を求める。
【0041】
輝度閾値TlThrの算出式の一例を次式に示す。
【0042】
【数3】
TlThr=P0*TlAvr+P1*TlBr0 ・・・(3)
ここでP0及びP1は、予め定めた0以上1以下の定数であり、P0+P1=1を満たす。この例では、輝度閾値TlThrは、平均輝度TlAvrと最高輝度ブロックの輝度TlBr0の中間の値となる。P0及びP1の値は、様々な光源において撮影した画像のデータをもとに予め求めておく。
【0043】
なお、輝度閾値の算出式はこれに限られるものではない。いずれにしても、対象画像の平均輝度TlAvrと最高輝度ブロックの輝度TlBr0に基づき輝度閾値を定めることにより、光源の色を反映している可能性の低いブロックが後段の処理において使われないよう、シーンの状況に応じて適切に輝度閾値を定めることができる。
【0044】
このようにして求められた輝度閾値TlThrは、高輝度色ブロック平均値計算部16、蛍光灯ブロック平均値計算部18、太陽光ブロック平均値計算部20、タングステン光ブロック平均値計算部22にそれぞれ入力される。
【0045】
<高輝度色ブロック平均値計算部>
高輝度色ブロック平均値計算部16には、各ブロックの代表値(Tl,Tg,Ti)、輝度閾値TlThr、及び最高輝度ブロックの代表値(TlBr0,TgBr0,TiBr0)が入力される。
【0046】
高輝度色ブロック平均値計算部16は、まず各ブロックの中から輝度Tlが輝度閾値TlThrより高いブロックを選択し、これら選択したブロックの中から、最高輝度ブロックの色差(TgBr0,TiBr0)に近い色差(Tg,Ti)を持つブロックを抽出する。抽出したブロックを高輝度色ブロックと呼ぶ。ここで、ブロックの色差(Tg,Ti)が、最高輝度ブロックの色差(TgBr0,TiBr0)に応じて定めた高輝度色領域に含まれる場合、ブロックの色差が最高輝度ブロックの色差に“近い”とみなす。
【0047】
図3に高輝度色領域の一例を示す。この例では、高輝度色領域600は、Tg−Ti平面において、原点と点(TgBr0,TiBr0)とを結ぶ直線に沿い、点(TgBr0,TiBr0)を含む予め定められた大きさの長方形である。なお、この領域の形状は、長方形以外でももちろんよい。いずれにしても、高輝度色領域は、最高輝度ブロックの色差情報(TgBr0,TiBr0)に基づき、一定の規則の下に決定される。
【0048】
すべての高輝度色ブロックを抽出すると、高輝度色ブロック平均値計算部16は、高輝度色ブロックの数CntBrと、高輝度色ブロックの代表値の平均値(TlBr,TgBr,TiBr)を求める。求めた高輝度色ブロック数CntTl及び高輝度色ブロック平均値(TlBr,TgBr,TiBr)は、平均値修正部24及び重み係数計算部26に入力される。
【0049】
<蛍光灯ブロック平均値計算部>
蛍光灯ブロック平均値計算部18には、各ブロックの代表値(Tl,Tg,Ti)及び輝度閾値TlThrが入力される。
【0050】
蛍光灯ブロック平均値計算部18は、まず各ブロックの中から輝度Tlが輝度閾値TlThrより高いブロックを選択し、更にその中から、蛍光灯下での白い物体に近い色をもつブロック(蛍光灯ブロックと呼ぶ)を抽出する。ここで、ブロックの色差(Tg,Ti)が、蛍光灯下の白色物体の色に近い色の範囲として予め定められた蛍光灯領域に含まれる場合、そのブロックの色が蛍光灯下の白色物体の色に近いと判定する。図4に蛍光灯領域610の一例を示す。蛍光灯領域610は、様々な蛍光灯下で様々な白色物体を撮影してデータ収集を行い、その結果に基づき予め定めたものである。
【0051】
すべての蛍光灯ブロックを抽出すると、蛍光灯ブロック平均値計算部18は、蛍光灯ブロックの数CntFlと、蛍光灯ブロックの代表値の平均値(TlFl,TgFl,TiFl)(蛍光灯ブロック平均値と呼ぶ)を求め、これらを平均値修正部24、重み係数計算部26に入力する。
【0052】
<太陽光ブロック平均値計算部>
太陽光ブロック平均値計算部20には、各ブロックの代表値(Tl,Tg,Ti)及び輝度閾値TlThrが入力される。
【0053】
太陽光ブロック平均値計算部20は、まず各ブロックの中から輝度Tlが輝度閾値TlThrより高いブロックを選択し、これら選択したブロックの中から、太陽光下での白い物体に近い色をもつブロック(太陽光ブロックと呼ぶ)を抽出する。ブロックの色差(Tg,Ti)が、太陽光下の白色物体の色に近い色の範囲である太陽光領域に含まれる場合、そのブロックの色が太陽光下の白色物体の色に近いと判定する。図5に太陽光領域620の一例を示す。太陽光領域620は、様々な太陽光下で様々な白色物体を撮影してデータ収集を行い、その結果に基づき予め定めたものである。
【0054】
すべての太陽光ブロックを抽出すると、太陽光ブロック平均値計算部20は、太陽光ブロックの数CntDyと、太陽光ブロックの代表値の平均値(TlDy,TgDy,TiDy)(太陽光ブロック平均値と呼ぶ)を求め、これらを平均値修正部24、重み係数計算部26に入力する。
【0055】
<タングステン光ブロック平均値計算部>
タングステン光ブロック平均値計算部22には、各ブロックの代表値(Tl,Tg,Ti)及び輝度閾値TlThrが入力される。
【0056】
タングステン光ブロック平均値計算部22は、まず各ブロックの中から輝度Tlが輝度閾値TlThrより高いブロックを選択し、これら選択したブロックの中から、タングステン光下での白い物体に近い色をもつブロック(タングステン光ブロックと呼ぶ)を抽出する。ブロックの色差(Tg,Ti)が、タングステン光下の白色物体の色に近い色の範囲であるタングステン光領域に含まれる場合、そのブロックの色がタングステン光下の白色物体の色に近いと判定する。図5にタングステン光領域630の一例を示す。タングステン光領域630は、様々なタングステン光下で様々な白色物体を撮影してデータ収集を行い、その結果に基づき予め定めたものである。
【0057】
すべてのタングステン光ブロックを抽出すると、タングステン光ブロック平均値計算部22は、タングステン光ブロックの数CntTuと、タングステン光ブロックの代表値の平均値(TlTu,TgTu,TiTu)(タングステン光ブロック平均値と呼ぶ)を求め、これらを平均値修正部24、重み係数計算部26に入力する。
【0058】
<平均値修正部>
本実施形態では、以上に説明した各ブロック平均値計算部16〜22で求めた各ブロック平均値を基にホワイトバランス調整信号(ホワイトバランスゲイン)を生成する。ここで、本実施形態では、各ブロック平均値をそのまま利用するのではなく、平均値修正部24により修正を施してから利用する。この修正は、主として次の2つの目的のためのものである。
【0059】
第一の目的は、ブロック平均値に含まれる物体色の影響を低減することである。画像に現れる色は、光源からの照明光の色と、物体それ自体の色の両方から影響を受ける。前者を光源色、後者を物体色と呼ぶ。ホワイトバランスは光源からの照明光の色温度に合わせて白いものが白く見えるように画像を色補正することであり、光源色が正確に分かれば理想的なホワイトバランスが行える。しかしながら、実際のホワイトバランスは、白色以外の物体を多く含んだシーンの画像を基に行うものであり、物体色をも含んだ画像情報からどこまで正確に光源色を推定できるかがホワイトバランスの品質を決めることになる。そこで、本実施形態では、各ブロック平均値計算部16〜22で求められた各ブロック平均値に対し、物体色の影響を相対的に低減させる補正を行うことにより、ホワイトバランスの品質向上を目指す。
【0060】
第二の目的は、各光源についての経験的知識を利用してきめの細かいホワイトバランスを行うことである。ここでいう光源についての経験的知識の例としては、例えば被写体の輝度が非常に高ければ照明が蛍光灯である可能性は低い、などがある。
【0061】
本実施形態では、上記第一の目的のために、ブロック平均値とこれに対応する光源の標準値(予め求めた各光源の光の色を示す典型的な値)とを加重平均することにより、ブロック平均値における光源色の比率を高め、物体色の影響を減らす。
【0062】
第二の目的のための処理は、光源の種類によって異なり多岐に渡るので、次の各光源ごとの修正処理の説明において個別に説明する。
【0063】
平均値修正部24は、各ブロック平均値計算部16〜22から入力された各ブロック平均値を、同様に入力される高輝度色ブロック数、蛍光灯ブロック数、太陽光ブロック数、タングステン光ブロック数と、図示しない被写体輝度検出手段から入力される被写体輝度の情報とに基づき、上記目的に沿うように修正する。
【0064】
以下、各光源についてのブロック平均値の修正処理について説明する。
【0065】
(1)蛍光灯ブロック平均値の修正
まず、蛍光灯ブロック平均値を、予め定めておいた蛍光灯標準値と加重平均する。これは、上記第一の目的のための処理である。
【0066】
ここで、蛍光灯標準値(TgStdFl,TiStdFl)は、色差Tg及びTi成分についての標準値であり、蛍光灯の光の典型的な色合いを表すものと捉えることができる。この標準値は、蛍光灯で照明したシーンを多数撮影して収集したデータから予め定めておく。
【0067】
蛍光灯ブロック平均値(TlFl,TgFl,TiFl)のうち、色差成分TgFl,TiFlについては、それぞれ蛍光灯標準値TgStdFl,TiStdFlと所定の比率で加重平均する。この処理によるTgFl、TiFlの修正結果TgFlNew、TiFlNewは、次のように求められる。
【0068】
【数4】
TgFlNew=A*TgFl+B*TgStdFl
TiFlNew=A*TiFl+B*TiStdFl ・・・(4)
加重平均の際の平均値と標準値の係数A及びBは、蛍光灯で照明した多くのシーンの撮影データから予め定めておく。
【0069】
輝度成分TlFlは、この例では基本的に修正しないが、修正を行うことももちろん可能である。例えば、色差成分との組合せにおいて、表す色がRGB系で表現可能な範囲を外れる場合には、これを避けるよう輝度成分に調整を加えてもよい。
【0070】
次に、平均値修正部24は、別途入力された被写体輝度の情報を用いて、上記加重平均による修正結果を更に修正する。この修正は、被写体輝度が高い場合、蛍光灯で照明されている可能性が低いという経験的知識に基づく処理である。
【0071】
すなわち、被写体輝度がかなり高い場合、その画像は屋外シーンの画像である可能性が高いので、ブロックが蛍光灯ブロックと判定されたとしてもそれは蛍光灯の光によるものばかりとは考えにくく、むしろ物体色その他の影響で蛍光灯ブロックと判定された場合が多いと考えられる。したがって、このような場合、仮に蛍光灯ブロックが多かったとしても、蛍光灯照明に対するホワイトバランスを行ったのでは、色が不自然になるおそれがある。
【0072】
そこでここでは、被写体輝度が高くなるほど、蛍光灯ブロックのホワイトバランス調整信号への影響を低減するよう、蛍光灯ブロック平均値の修正を行う。具体的には、例えば図7に示すような被写体輝度が高くなるにつれて重みが小さくなる重み関数を用意し、被写体輝度の値に対応する重みWFlを求め、この重みを上述の加重平均による修正結果TgFlNew、TiFlNewに乗算することにより、修正結果TgFlNew、TiFlNewの値を更新する。すなわち、
【数5】
WFl*TgFlNew→TgFlNew
WFl*TiFlNew→TiFlNew ・・・(5)
重み関数は、被写体輝度が小さいときは1であり、被写体輝度が高くなるにつれて0に近づくような関数である。図7に示す重み関数はあくまで一例である。実際の装置を構築するに当たっては、重み関数を様々に変えながら多くのシーンを撮影し、その結果から、最適な重み関数を見つけて利用する。
【0073】
なお、ここで、蛍光灯ブロック数CntFlと太陽光ブロック数CntDyとの比較に基づき更なる修正を加えることも好適である。すなわち、太陽光ブロック数の方が蛍光灯ブロック数よりも所定以上多いと、屋外シーンである可能性が高いので、蛍光灯ブロック数平均値のホワイトバランスへの影響を減らすよう、これまでの修正結果TgFlNew、TiFlNewに対して、1より小さい所定の重みを更に乗じて修正を行う。
【0074】
このように更新されたTgFlNew,TiFlNewが、蛍光灯ブロック平均値の色差成分の本実施形態における最終的な修正結果である。この修正によれば、被写体輝度が高いほど、蛍光灯ブロック平均値の色差成分が0に近くなり、蛍光灯ブロックの色はグレイ(無彩色)に近づく。したがって、ホワイトバランスに対する蛍光灯ブロックの影響は低く抑えられることになる。
【0075】
このようにして求められた値が、修正蛍光灯ブロック平均値(TlFlNew,TgFlNew,TiFlNew)として、重み係数計算部26及びホワイトバランスゲイン計算部28に入力される。なお、TlFlNewは、輝度成分について修正を行わなかった場合は、入力されたTlFlと同じ値である。
【0076】
(2)タングステン光ブロック平均値の修正
タングステン光ブロック平均値についても、蛍光灯ブロックの場合と同様、予め色差成分についてタングステン光標準値(TgStdTu,TiStdTu)を定めておき、まず上記平均値を、標準値との加重平均により修正する。計算式は蛍光灯ブロックの場合と同様なので割愛する。ただし、この計算における係数の値は、タングステン光について別個に求めておいたものを用いるのはいうまでもない。
【0077】
そして、加重平均による修正結果TgTuNew,TiTuNewに対して、経験的知識を利用して次のような修正を更に加える。
【0078】
よく知られているように、タングステン光照明は、蛍光灯よりも、「暖かみ」を重視する場合に用いられる。まず、この知識を利用した修正を行う。「暖かみ」を重視する場合、白が完全に白に見えるようにホワイトバランスを行うよりも、若干赤みを残すようにした方が、見る者により良い印象を与える。そこで、画像が暖かみを重視するタングステン光シーンの画像と考えられる場合、タングステン光ブロック平均値を若干青めに修正する。すなわち、例えば平均値のTi成分TiTuNewの値が所定の閾値よりも小さい場合(すなわち青みよりも赤みが強い場合。Tiの定義を参照されたい。)、タングステン光シーンである可能性が高いものと判断し、TiTuNewの値を大きくする(すなわち青みを強める)。ホワイトバランスは、色がグレイ(無彩色)に近づくように行うものなので、青めに修正することにより、ホワイトバランス結果はそのような修正を行わない場合よりも若干赤みが増すことになる。
【0079】
次に、この修正結果に対して、更に、夕焼けシーンの場合は赤みが好まれるという知識を利用した修正を行う。すなわち、画像が夕焼けシーンを示していると判断される場合は、タングステン光ブロック平均値を青めに修正することにより、ホワイトバランスの結果が赤くなるようにする。より具体的には、太陽光ブロックの数CntDyがタングステン光ブロックの数CntTuよりも所定数以上多く、かつ太陽光ブロック平均値の色差TiDyの値が負(すなわち青よりも赤が強い)の場合、画像が夕焼けシーンであると判定し、TiTuNewの値を大きく(すなわち青みを強く)する。このような修正により、夕焼けシーンの場合、画像の色の傾向を赤めにし、夕焼けらしい印象を増すことができる。
【0080】
夕焼けシーンではないと判断される場合、すなわち上記夕焼けシーンの判定基準が満たされない場合には、青みを増すという夕焼けシーンの修正の代わりに、蛍光灯ブロック平均値と同様の被写体輝度に基づく修正を更に行う。すなわち、タングステン光も一般的に室内照明であり屋外より暗いことが多いので、被写体の輝度が高ければタングステン光で照明されている可能性は低くなる。したがって、被写体輝度が高くなるほど色みを弱める(すなわち色差を小さく(0に近く)する)よう、タングステン光ブロック平均値を修正する。より具体的には、蛍光灯の場合と同様、図8に示すような被写体輝度が高くなるにつれて重みが小さくなる重み関数を用意し、被写体輝度の値に対応する重みWTuを求め、この重みを上述の加重平均による修正結果TgTuNew、TiTuNewに乗算することにより、修正結果TgTuNew、TiTuNewの値を更新する。この処理は、蛍光灯ブロックの場合の式(5)と同様の計算でよい。このような修正により、被写体輝度が高いほど、タングステン光ブロック平均値の色差成分が0に近くなり、ホワイトバランスに対するタングステン光ブロックの影響は低く抑えられることになる。
【0081】
なお、以上の説明から明らかなように、夕焼けシーンの場合の修正と被写体輝度に基づく修正とは二者択一である。
【0082】
以上のような処理による修正結果(TlTuNew,TgTuNew,TiTuNew)が、修正タングステン光ブロック平均値として、重み係数計算部26及びホワイトバランスゲイン計算部28に入力される。なお、TlTuNewは、輝度成分について修正を行わなかった場合は、入力されたTlTuと同じ値である。
【0083】
(3)太陽光ブロック平均値の修正
太陽光ブロック平均値についても、蛍光灯ブロックの場合と同様、予め色差成分について太陽光標準値(TgStdDy,TiStdDy)を定めておき、平均値を、標準値との加重平均により修正する。計算式は蛍光灯ブロックの場合と同様なので割愛する。ただし、この計算における係数の値は、太陽光について別個に求めておいたものを用いるのはいうまでもない。
【0084】
そして、加重平均による修正結果TgDyNew,TiDyNewに対して、経験的知識を利用して次のような修正を更に加える。
【0085】
ここで基礎とする知識は、太陽光で照明されたシーンの画像では、被写体が明るい場合(すなわち太陽光による照明が十分強い場合)は、ホワイトバランスの必要は少ないという知識である。すなわち、このような場合、白い物体は強いホワイトバランスをかけなくても一般に白く写る。逆に、ホワイトバランスが必要となるのは、例えば日陰で色温度が低い(シーンが赤っぽい)場合や夕方で色温度が高い(シーンが青っぽい)場合など、一般に暗いシーンが多い。
【0086】
本実施形態では、このような経験的知識に基づき、被写体輝度が高いほど、太陽光ブロック平均値がグレイに近づくような修正を行う。すなわち、図9に示すような重み関数を用意し、被写体輝度の値に対応する重みWDyを求め、この重みを上述の加重平均による修正結果TgDyNew、TiDyNewに乗算することにより、修正結果TgDyNew、TiDyNewの値を更新する。この処理は、蛍光灯ブロックの場合の式(5)と同様の計算でよい。このような修正により、被写体輝度が低い場合は、ホワイトバランスに対して太陽光ブロック平均値の色みを十分に反映させることができる。
【0087】
以上のような処理による修正結果(TlDyNew,TgDyNew,TiDyNew)が、修正太陽光ブロック平均値として、重み係数計算部26及びホワイトバランスゲイン計算部28に入力される。なお、TlDyNewは、輝度成分について修正を行わなかった場合は、入力されたTlDyと同じ値である。
【0088】
(4)高輝度色ブロック平均値の修正
高輝度色ブロック平均値の修正は、高輝度色ブロック平均値の色み(色差成分(TgBr,TiBr))が蛍光灯光、太陽光、タングステン光のいずれの下での白色物体の色に近いかに応じ、その近い光源についてのブロック平均値の修正処理と同様の処理により行う。
【0089】
すなわち、まず高輝度色ブロック標準値を、予め用意した標準値と加重平均し、その結果に対して経験的知識に基づく処理(例えば被写体輝度が高くなるほど小さくなる重みを平均値に乗ずるなど)を行う。このとき、高輝度色ブロック平均値の色みがどの光源下での白色物体の色に近いかに応じて、加重平均の際の標準値や係数を変えたり、経験的知識に基づく処理の内容を変えたりする。
【0090】
例えば、高輝度色ブロック平均値の色みが蛍光灯下の白色物体の色に最も近いと判断される場合は、上述の蛍光灯ブロック平均値の修正処理と同様の処理を高輝度色ブロック平均値に適用する。このとき、加重平均の際の標準値や係数としては、蛍光灯ブロック平均値修正の際の標準値、係数そのものを用いてもよいし、これと一定の関係を持つ別の値を用いてもよい。また、被写体輝度についての重み関数も、蛍光灯ブロック平均値修正の場合と同じものを用いてよい。
【0091】
なお、高輝度色ブロック平均値の色みがどの光源下での白色物体の色に近いかは、色差(Tg-Ti)平面上に、各光源(蛍光灯、太陽、タングステン灯)毎に、近いとみなす色差の領域を予め設定しておき、高輝度色ブロック平均値の色差成分がどの領域に含まれるかで定めればよい。
【0092】
以上のような処理による修正結果(TlBrNew,TgBrNew,TiBrNew)が、修正高輝度色ブロック平均値として、重み係数計算部26及びホワイトバランスゲイン計算部28に入力される。なお、TlBrNewは、輝度成分について修正を行わなかった場合は、入力されたTlBrと同じ値である。
【0093】
以上、平均値修正部24の処理について説明した。なお、平均値修正部24は、以上の処理によって求めた各ブロック平均値の修正結果に加え、各ブロック数の値をホワイトバランスゲイン計算部28に入力する。
【0094】
<重み係数計算部>
重み係数計算部26は、各ブロック平均値についての重み係数を算出する。この重み係数は、後述するホワイトバランスゲイン計算部28において用いられる。すなわち、ホワイトバランスゲイン計算部28では、各ブロック平均値を加重平均することによりシーンを照明する光源の色を推定し、これに基づきホワイトバランス調整信号(ゲイン)を求めるわけであるが、その加重平均のための重みを求めるのが重み係数計算部26である。
【0095】
重み係数計算部26には、各ブロック平均計算部16〜22から各ブロック平均値及び各ブロック数が入力されると共に、平均値修正部24から修正された各ブロック平均値が入力され、更に図示しない被写体輝度検出手段で求められた被写体輝度が入力される。
【0096】
(1)蛍光灯ブロック重み係数WgtFlの算出
蛍光灯ブロックについての重み係数WgtFlは、基本的に被写体輝度に基づき定める。これには、例えば平均値修正部24で用いた重み関数(図7)と同様、被写体輝度が高くなるほど値が小さくなる重み関数を用いる。この関数は、平均値修正部24で用いたものと全く同じでもよいし、異なるものでもよい。重み関数は、被写体輝度の変化に応じて滑らかに変化するものが好ましい。
【0097】
なお、このように求めた重み係数と蛍光灯ブロック数との積が予め定めた閾値より小さい場合は、シーンが蛍光灯で照明されている可能性が低いと考えられるので、重み係数WgtFlを、1より小さい所定値を掛けることにより更新する。
【0098】
(2)タングステン光ブロック重み係数WgtTuの算出
タングステン光ブロックについての重み係数WgtTuも、基本的には被写体輝度に基づき求めるが、夕焼けシーンの場合だけは被写体輝度を用いず、特別の方法により求める。すなわち、まず夕焼けシーンか否かの判定を行い、夕焼けシーンであると判定される場合は、重み係数WgtTuを予め定めた正の小さい値とする。こうすることにより、赤みを多く含んだタングステン光ブロック平均値の重み係数を小さくすることができるので、夕焼けシーンのホワイトバランス結果において赤みを強く残すことができる。
【0099】
夕焼けシーンか否かの判定は、平均値修正部24のタングステン光ブロックの修正のところで説明したのと同様の方法で行えばよい。そして、夕焼けシーンでないと判定された場合は、被写体輝度に基づき重み係数WgtTuを決定する。この場合も、平均値修正部24で用いたのと同様(図8参照)の、被写体輝度が高くなるほど徐々に値が小さくなる重み関数を用いることが好適である。
【0100】
そして、このように求めた重み係数WgtTuを、照明光におけるタングステン光と蛍光灯光の比率に応じて調整する。この調整では、蛍光灯ブロックがタングステン光ブロックより優勢(例えばブロック数が多いなど)の場合に、重み係数WgtTuに1より小さい所定数を掛けて、その値を小さくする。その他の場合には調整を行わない。
【0101】
この調整は、主としてタングステン光で照明された部分と主として蛍光灯光で照明された部分とが混在するシーンでは、蛍光灯光の色が補正されずに残る場合(この場合色が緑がかる)よりも、タングステン光の色が補正されずに残る(この場合色が赤みがかる)方が、人間の目にとって不快感が少ない、という経験的知識を利用したものである。
【0102】
例えば、右側が主としてタングステン光で照明され、左側が主として蛍光灯光で照明されているシーンなどでは、タングステン光ブロック平均値と蛍光灯ブロック平均値とを等しい重み付けで加重平均した値を光源の色と推定してホワイトバランスを行うと、中途半端なホワイトバランスになってしまい、画像の右側も左側も色が不自然になってしまう。これに対し、上記のような調整を行えば、そのような不自然さを低減することができる。
【0103】
なお、このように求めた重み係数とタングステン光ブロック数との積が予め定めた閾値より小さい場合は、シーンがタングステン灯で照明されている可能性が低いと考えられるので、重み係数WgtTuを、1より小さい所定値を掛けることにより更新する。
【0104】
(3)太陽光ブロック重み係数WgtDyの算出
タングステン光ブロックの数CntTuが太陽光ブロックの数CntDyよりも所定数以上多い場合、画像がタングステン光シーンである可能性が高いものと判断し、太陽光ブロックの重み係数WgtDyを1より小さい所定値にする。それ以外の場合は、1とする。
【0105】
(4)高輝度色ブロック重み係数WgtBrの算出
高輝度色ブロック重み係数WgtBrは、修正高輝度色ブロック平均値の色差成分(TgBrNew,TiBrNew)が蛍光灯光、太陽光、タングステン光のいずれの下での白色物体の色に近いかに応じ、その近い光源の場合と同様の方法で求める。ここで、どの光源に近いかは、色差(Tg-Ti)平面上に、各光源(蛍光灯、太陽、タングステン灯)毎に、近いとみなす色差の領域を予め設定しておき、修正高輝度色ブロック平均値の色差成分がどの領域に含まれるかで定めればよい。どの領域にも含まれない場合は、重み係数WgtBrは1とする。
【0106】
なお、この場合の各領域は、例えば次のように定めればよい。すなわち、予め各光源ごとに、当該光源のみの照明によるシーンを多数撮影し、それら各シーンでの高輝度色ブロックの平均値の色差成分の分布を求める。そして、各光源についての上記高輝度色ブロック平均値の分布に対応するように、各領域を定める。
【0107】
以上のようにして求められた各ブロックに対する重み係数は、ホワイトバランスゲイン計算部28に入力される。
【0108】
<ホワイトバランスゲイン計算部>
ホワイトバランスゲイン計算部28は、平均値修正部24から入力された各ブロック平均値の修正値及びブロック数と、重み係数計算部26から入力された各ブロックについての重み係数とに基づき、ホワイトバランス調整信号としてのホワイトバランスゲインを計算する。ホワイトバランスゲインは、被写体を照明する光源の光の色を推定し、この光の色をグレイ(無彩色)に補正するような値として求める。被写体を照明する光源の色は、各ブロック平均値(修正値)を、対応光源のブロック数及び重み係数を用いて加重平均することにより求める。以下に、ホワイトバランスゲインの計算式の一例を示す。
【0109】
【数6】
Twc=WgtFl*CntFl+WgtTu*CntTu+WgtDy*CntDy+WgtBr*CntBr・・・(6)
【数7】
【数8】
【数9】
MaxMix=max(RMix,GMix,BMix) ・・・(9)
【数10】
Rgain=MaxMix/RMix
Ggain=MaxMix/GMix
Bgain=MaxMix/BMix ・・・(10)
すなわち、上記計算手順で求められた(RMix,GMix,BMix)が、被写体を照明する光源の色であり、ホワイトバランスゲイン(Rgain,Ggain,Bgain)は、この光源色(RMix,GMix,BMix)が白色物体で反射されたときの色(すなわち(RMix,GMix,BMix)そのもの)をグレイに補正するよう(すなわちR=G=Bとなるよう)に定められる。
【0110】
<ホワイトバランス調整部>
ホワイトバランス調整部30は、撮像装置から入力された画像の各画素値R,G,Bに対し、ホワイトバランスゲイン計算部28で求めたゲインRgain,Ggain,Bgainをそれぞれ乗じることにより画像のホワイトバランスを調整し、その結果を出力する。
【0111】
<実施形態1の効果>
以上説明した実施形態1の装置によれば、各種光源(蛍光灯、太陽など)の影響を強く受けていると考えられるブロックの色(すなわちブロック平均値)に加え、最も輝度の高いブロックの色も反映させてホワイトバランスを行うことができるので、シーンが複数種類の光源によって照明されている場合や、想定していなかった光源により照明されている場合にも、良好なホワイトバランスを行うことができる。
【0112】
また、本実施形態では、所定の方法により定めた輝度閾値以上の輝度を持つブロックのみを選択して、これらブロックのみからホワイトバランスの基礎となるブロック平均値を定めるので、光源の色をあまり反映していないと考えられる暗いブロックの情報をホワイトバランスに反映させることがなくなり、より適切なホワイトバランスが可能となる。
【0113】
また本実施形態では、輝度閾値を最高輝度ブロックの輝度と全ブロックの平均輝度とに基づき決定することにより、各々のシーンに応じた適切な輝度閾値を定めることができる。
【0114】
また本実施形態では、太陽光とタングステン光の特性を吟味し、太陽とタングステンとを別の光源区分として取り扱った。すなわち、タングステン光は太陽光より赤みが強いという特性を考慮し、図5及び図6に示したように太陽光領域620とタングステン光領域630とを重ならないように別々に設け、これにより太陽光ブロックとタングステン光ブロックとを区別した。これにより、太陽光とタングステン光をまとめて1つの光として扱っていた従来技術に比べて、より適切なホワイトバランスゲインを得ることができる。
【0115】
また本実施形態では、各種光源に対応するブロック平均値に対し、当該光源の標準値を用いて光源色を強めるよう修正を加えることにより、ブロックの色における物体色の影響を低減し、より適切なホワイトバランスゲインを得ることができる。
【0116】
また本実施形態では、光源と被写体輝度との関係についての知識を生かして、被写体輝度に連動して各ブロック平均値を修正するようにしたので、より適切なホワイトバランスゲインを得ることができる。
【0117】
また本実施形態では、最高輝度ブロックを求めるに当たり、光をあまり受けていないと考えられる暗すぎるブロック、及び飽和画素が多いと考えられる明るすぎるブロックを探索対象から外したことにより、光源の色をよく反映しているブロックの中から最高輝度ブロックを選ぶことができる。したがって、ホワイトバランスにも光源の情報がよく反映されることになる。
【0118】
[実施形態2]
この実施形態では、ブロック代表値を求める際、飽和している画素を除くことにより、より適切なホワイトバランスを実現する。
【0119】
以下、図10に示すベイヤー(Bayer)パターンのカラーフィルタを有するCCDから得られる画像を例にとって、本実施形態の処理内容を説明する。この図において、R,G,Bはそれぞれ3原色の各色である。
【0120】
本実施形態では、ブロック代表値計算部10におけるブロック代表値の計算に当たり、まずブロックを、G,R,B,Gの4つの画素からなる2×2画素の画素グループ650に分割する。そして、各画素グループごとにその中の各画素の値を調べる。そのうち1画素でも予め定めた閾値SatPixより大きい値を持つものがあれば、その画素グループの全画素の値をブロック代表値の計算から除く。
【0121】
閾値SatPixより大きい値を持つ画素は飽和している画素と考えられ、その値は物体の正しい色成分の値を示していない。このような画素をブロック代表値の計算から除くことにより、ブロックの色傾向をより正しく反映したブロック代表値を得ることができる。また、この処理では、単に飽和した画素だけでなく、被写体のある点の色を表す(すなわちRGBすべてを含む)2×2画素のグループを単位として計算から除くので、正しい色を示している点のみから代表値を求めることができる。
【0122】
なお、この例では、ベイヤーパターンのカラーフィルタを持つCCDの画像を例にとって説明したが、本実施形態の方法は、他のタイプの画像にももちろん適用可能である。
【0123】
[実施形態3]
実施形態2では、各ブロック代表値を求める際に、飽和した画素の値を計算から除くことにより飽和画素の影響を低減したが、この実施形態では、各ブロックの代表値を平均してブロック平均値を求める際に、飽和画素の多いブロックを平均計算から除くことにより、飽和画素の影響を低減する。
【0124】
この実施形態では、予め1ブロック中で許容可能な飽和画素の上限値を定めておく。そして、ブロック代表値計算部10は、実施形態2と同様、各ブロックをRGBすべての成分を含む2×2画素の画素グループに分割する。そして、各ブロック毎に飽和画素(すなわち 予め定めた閾値SatPixより大きい値を持つ画素)を含む画素グループの数を求める。ブロック代表値計算部10は、飽和画素を含む画素グループの数が前記上限値を超えるブロックの代表値は破棄し、後段に出力しない。
【0125】
これにより、飽和画素が多いブロックはブロック平均値の計算に用いられないので、飽和画素によるホワイトバランスの性能の劣化を防止することができる。
【0126】
[実施形態4]
ブロックの色の傾向をブロック内での色の平均(すなわち代表値)で判断する方法では、ブロックの個々の点の色はいずれの光源下での白色からもほど遠いのに、その平均が偶然いずれかの光源下での白色に近くなる場合も起こり得る。そのようなブロックは、いずれかの光源に対応するブロックとして抽出されることになるが、そのブロックがその光源で照明されていない可能性も高い。したがって、そのようなブロックの代表値をそのまま用いると、適切なホワイトバランスゲインが得られない場合も考えられる。そこで、本実施形態では、そのような場合の発生を効果的に抑制することができる構成を提供する。
【0127】
本実施形態では、ブロックの中の所定画素を参照画素とし、その参照画素近傍の色とそのブロックの代表値の色とを比較し、両者の差が大きい場合に、そのブロックを“擬似的な”光源ブロックとみなし、そのブロックの代表値には1より小さい重みを掛けることにより、ホワイトバランスゲインに与える影響を小さくする。
【0128】
参照画素としては、例えばブロックの中央画素や、ブロック代表値を求める際の平均演算で最後に値を読み込んだ画素などを用いればよい。特に後者は、代表値の計算が完了したその時点で、手持ちのデータとして残っている画素値なので、比較が容易である。
【0129】
より具体的には、ブロック代表値計算部10は、各ブロック毎に、ブロック中の参照画素の周囲所定範囲のR、G、Bの各画素の値から、参照画素近傍での画像の色(Rr,Gr,Br)を求め、これを式(1)の線形変換により輝度成分及び色差成分(Tlr,Tgr,Tir)に変換し、これを代表値(Tl,Tg,Ti)とともに出力する。各ブロック平均値計算部16〜22では、平均値を求めるために抽出したブロックの中で、参照画素近傍の値(Tlr,Tgr,Tir)と代表値(Tl,Tg,Ti)との差が予め定めておいた閾値を超えるものがあれば、そのブロックを擬似的光源ブロックと判定し、このブロックの代表値に小さい重み付けを行った上で平均処理を行う。参照画素の値とブロック代表値との差は、例えば各成分毎の差の二乗和や、各成分毎の差の絶対値を総和したものを用いればよい。
【0130】
また、参照画素近傍とブロック代表値の差とで、輝度成分を無視して色差成分(Tg,Ti)のみの比較をすることも好適である。また、線形変換を施さないRGB値同士の比較でも、同様に不適切なブロックを判別することができる。
【0131】
このように、本実施形態によれば、擬似的光源ブロックがホワイトバランスゲインに与える悪影響を、比較的簡単な処理により低減することができる。
【0132】
[実施形態5]
シーンによっては、画面の中央部と周辺部とが異なる光源により照明されている場合がある。室内から窓を撮影した場合がその一例である。室内は例えば蛍光灯で照明され、窓を通して見える屋外は太陽光で照明されている。このようなシーンにおいて、周辺部の光源で照明された部分の方が面積が大きい場合は、何も工夫しなければ、周辺部の光源に重きをおいたホワイトバランスが行われることになる。しかし、写真撮影においては、最も注目しているもの(被写体)が画面中央になるように構図取りを行うことが一般的であり、周辺部の光源を重視したホワイトバランスでは、画面中央の重要な被写体の色が不自然になってしまいかねないという問題がある。本実施形態はこのような問題を解決するためのものである。
【0133】
本実施形態では、画面上に、画面中央ほど大きく、周辺部にいくほど小さくなるような重み分布を設定し、各ブロック平均値計算部16〜22でブロック平均値を求める際、各ブロックの代表値に対し当該ブロックの画面内での位置に応じて重み付けを行った上で平均処理を行う。
【0134】
この処理により、一般に重要度の高い画面中央部のブロックの色の情報をホワイトバランスに強く反映させることができ、画面中央部に対するホワイトバランスを適切に行うことが可能となる。
【0135】
[実施形態6]
同じ照明環境下で撮影しているにもかかわらず、カメラの位置や向きを変えるなどして撮影シーンが変わると、各ブロックが蛍光灯ブロック、太陽光ブロック等のいずれに属するかが変化し、その結果ホワイトバランスが大きく変化することがある。ホワイトバランスが大きく変化すると、全体的な色の印象が異なってくる。
【0136】
本実施形態では、このような問題を解決するために、同じ照明環境下と考えられる状況ではシーンが変わってもホワイトバランスが大きく変化しないこと(「ホワイトバランスの安定性」と呼ぶ)を実現する制御方式を提供する。
【0137】
ホワイトバランスの安定性を得るため、本実施形態では、「通常のシーンでは、画像全体の全平均の色は、光源の色に近い」という経験的知識を利用する。すなわち、画像全平均の色の情報をホワイトバランスに反映させることにより、シーンの変化によるホワイトバランスゲインの変化を和らげる。
【0138】
図11は、この実施形態の装置構成を示す機能ブロック図である。この構成は、図1に示す実施形態1の構成に全ブロック平均値計算部32を加えたものである。この装置が実施形態1の装置と異なる点は、全ブロック平均値計算部32を加えた点と、それに伴い平均値修正部24、重み係数計算部26及びホワイトバランスゲイン計算部28の計算処理が一部変わる点のみである。実施形態1と同様の部分については説明を省略する。
【0139】
全ブロック平均値計算部32は、ブロック代表値計算部10から画像の各ブロックの代表値(Tl,Tg,Ti)の入力を受け、それら全ブロックの代表値の平均値を求める。この結果を全ブロック平均値(TlAl,TgAl,TiAl)と呼ぶ。
【0140】
平均値修正部24は、前述した各ブロック平均値の修正処理に加え、全ブロック平均値の修正処理及び全ブロック平均値に対応するブロック数CntAlの計算を行う。ここで、全ブロック平均値に対応するブロック数CntAlは、ホワイトバランスゲイン算出の際の他のブロック平均値との混合(加重平均)比率を調整するためのものである。以下、これら本実施形態特有の平均値修正部24の処理内容について説明する。
【0141】
まず、平均値修正部24は、全ブロック平均値の色差成分(TgAl,TiAl)が、蛍光灯光、太陽光、タングステン光のいずれの照明下での白色物体の色に近いかを判別する。この判別は、色差(Tg-Ti)平面上に、蛍光灯領域、太陽光領域、タングステン光領域の3つの領域を互いに重複がないように設定し、全ブロック平均値の色差成分(TgAl,TiAl)がそのいずれに含まれるかにより行う。
【0142】
ここで用いる各領域は次のようにして予め実験的に定めておく。蛍光灯のみで照明されたシーンを多数撮影し、それら各シーンの全ブロック平均値の分布を求める。太陽光及びタングステン光についても同様の実験を行う。そして、それら各光源についての分布に対応するように、かつ互いに重ならないように、各領域を定める。なお、全ブロック平均値の分布と高輝度色ブロック平均値の分布とはよく似ている場合が多いので、高輝度色ブロック重み係数の算出処理で用いた各光源の領域をここで共用することもできる。
【0143】
このようにして全ブロック平均値の色差成分がいずれの光源の下での白色物体の色に近いかが判別できると、次に近いと判別された光源についての平均値修正処理と同様の平均値修正を全ブロック平均値に対して施す。ただし、ここでは、標準値との加重平均処理は行わず、それ以外の平均値修正処理を行う。
【0144】
また、平均値修正部24は、近いと判別された光源についてのブロック数(蛍光灯ブロック数CntFl、太陽光ブロック数CntDy、タングステン光ブロック数CntTuのいずれか)に基づき、全ブロック平均値に対応するブロック数CntAlを定める。CntAlは、近いと判別された光源のブロック数(仮にNとする)が増えればCntAlも増え、逆にNが減ればCntAlも減るという条件を満足するような関数を利用して定める。例えば、
【数11】
CntAl=a×N+b(a,bは0以上の定数) ・・・(11)
なる一次関数によりCntAlを求めてもよい。
【0145】
なお、全ブロック平均値が、蛍光灯領域、太陽光領域、タングステン光領域のいずれにも属さない場合は、全ブロック平均値を0に近い所定の小さい値に修正すると共に、CntAlを予め定めた極めて少ない個数に設定する。
【0146】
このような平均値修正及びCntAl決定は、次のような考察に基づくものである。
【0147】
全ブロック平均値は、画像全体の色の平均に近く、一般にはシーンを照明する光源の色に近いと考えられる。このことから、照明環境が同一のとき、シーンが変わった場合の全ブロック平均値の変化は、蛍光灯ブロック等の各光源に対応するブロック平均値の変化よりも少ないものと期待できる。したがって、全ブロック平均値をホワイトバランスゲインに反映させれば、同一照明環境下でホワイトバランスゲインが急激に変化することを防止することができる。
【0148】
ただし、全ブロック平均値は必ずしも常に照明光源の色に近いとは言えず、例えば赤い物体をアップで撮影した場合などには全ブロック平均値は赤色の方に偏り、光源の色とかけ離れたものとなる。すなわち、全ブロック平均値の色差成分(TgAl,TiAl)が蛍光灯領域、太陽光領域、タングステン光領域のいずれにも含まれない場合は、全ブロック平均値は光源の色に近いとは考えられず、従ってそれをホワイトバランスに強く反映させることは好ましくない。
【0149】
逆に、全ブロック平均値の色差成分(TgAl,TiAl)がそれらいずれかの光源の領域に含まれていれば、その光源でシーンが照明されている可能性がある程度高い。このため、全ブロック平均値がいずれかの光源の領域に含まれている場合は、その光源と同様の平均値修正処理を行う。
【0150】
ただし、この場合でも、全ブロック平均値は偶然その光源の色に近くなっただけで、個々のブロックは光源の色からかけ離れている場合も考えられる。そのような場合、全ブロック平均値をホワイトバランスに強く反映させることは好ましくない。そこで、本実施形態では、全ブロック平均値が光源の光の色を反映しているか否かに応じて全ブロック平均値のホワイトバランスへの影響の度合いを調整する目的のために、全ブロック平均値に対応するブロック数CntAlを利用する。すなわち、全ブロック平均値が光源の光の色を反映している可能性が高いと判断される場合ほど、CntAlの値を大きくするのである。CntAlを大きくすれば、ホワイトバランスゲインにおける全ブロック平均値の重みを増すことができる。全ブロック平均値が光源の光の色を反映している可能性が高いか否かは、その光源のブロック数から判断できる。すなわち、全ブロック平均値がある光源の色に近いと判定され、その上更にその光源のブロック数が多ければ、その光源がシーンの照明光源である可能性は高いといえる。また、その可能性は、その光源のブロック数が多ければ多いほど、高くなると考えられる。以上の考察から、本実施形態が、全ブロック平均値が近いと判定された光源のブロック数Nが大きいほどCntAlを大きくするという方法を採用した。
【0151】
なお、CntAlの計算式として、式(11)を採用した場合、各定数a,bは、ホワイトバランスの安定性とホワイトバランスの適正さ(ホワイトバランス処理後の画像の色の自然さ)のトレードオフを考慮して、多数のシーンの撮影結果から試行錯誤的に定めればよい。ホワイトバランスの安定性を重視するならばa,bは大きい値とし、ホワイトバランスの適正さを重視するならばa,bは小さい値とする。
【0152】
次に、重み係数計算部26は、実施形態1で述べた各ブロック平均値に対する重み係数の計算に加え、全ブロック平均値に対する重み係数WgtAlを計算する。この手順は以下の通りである。
【0153】
すなわち、まず全ブロック平均値の色差成分(TgAl,TiAl)が蛍光灯領域、太陽光領域、タングステン光領域のいずれに含まれるかを判定し、その領域に対応する光源についての重み係数の計算方式(実施形態1参照)を利用して全ブロック平均値に対する重み係数WgtAlを求める。例えば、(TgAl,TiAl)が蛍光灯領域に含まれる場合は、重み係数WgtAlは、蛍光灯ブロック重み係数WgtFlと同じ方法で求める。
【0154】
そして、ホワイトバランスゲイン計算部28は、修正された全ブロック平均値(TlAlNew,TgAlNew,TiAlNew)、ブロック数CntAl及び重み係数WgtAlを反映したホワイトバランスゲインを計算する。その計算式の一例を以下に示す。
【0155】
【数12】
Twc=WgtFl*CntFl+WgtTu*CntTu+WgtDy*CntDy+WgtBr*CntBr
+WgtAl*CntAl
【数13】
【数14】
【数15】
MaxMix=max(RMix,GMix,BMix)
【数16】
Rgain=MaxMix/RMix
Ggain=MaxMix/GMix
Bgain=MaxMix/BMix
以上説明したように、本実施形態によれば、照明光の色に近いと考えられる全ブロック平均値をホワイトバランスゲインに反映させることにより、ホワイトバランスゲインの安定性を向上させることができる。同一照明下ではシーンが変わっても全ブロック平均値はそれほど変わらないと考えられるので、ホワイトバランスのゲインが急激に変わることを防ぐことができる。
【0156】
[実施形態7]
日陰や暗い夕方のシーンは、一般に色温度が高い(すなわち青みがかっている)。したがって、このようなシーンの画像は、色温度を下げるべくホワイトバランスを行う必要がある。一方、明るい昼間の屋外シーンの画像は色温度の補正をほとんど必要としない。昼間の屋外での色がすべての基準となる色だからである。
【0157】
これら日陰や暗い夕方のシーンと明るい昼間のシーンとの両方に対し良好なオートホワイトバランスを実現するのに、1つの事実が障害となっている。それは、昼間の青空も、日陰等のシーンと同様色温度が高いという事実である。色温度(色差成分と一定の関係にある)に基づく単純なホワイトバランスを行っていたのでは、日陰等のシーンと昼間の青空を多く含むシーンとが同じホワイトバランスが行われることになる。この場合、日陰等のシーンの青みを除くようにホワイトバランスの程度が調節されていると、そのホワイトバランスでは昼間の青空が赤っぽく補正されてしまうことになる。
【0158】
本実施形態は、このような問題を解決するためのものである。その解決策として、本実施形態では、太陽光ブロックを抽出する際の太陽光領域(実施形態1参照)の大きさを、被写体輝度に応じて動的に変更する。すなわち、被写体輝度がある閾値より高いときは、日陰や暗い夕方ではないと考えられるので、青空によるホワイトバランスの誤動作を防ぐため、太陽光領域を色温度の高い領域を含まないように狭める。これにより、青空の画像を多く含むブロックが太陽光ブロックに選ばれなくなるので、色温度が高い青空の色の情報がホワイトバランスゲインに反映されなくなり、青空を赤く補正してしまうことが防げる。逆に、被写体輝度がある閾値より低いときは、太陽光領域を色温度が高い領域を含むように広げる。これにより、日陰や暗い夕方のシーンにおける色温度の高いブロックがホワイトバランスに反映されることになるので、そのような色温度の高さを補正することができる。
【0159】
なお、日陰・暗い夕方か否かを判別する被写体輝度の閾値は、実験により予め定めておく。
【0160】
[実施形態8]
以上の例では、光源として蛍光灯、太陽、タングステン灯を想定した。ところが、電子スチルカメラなどを考えると、これらの他にストロボが光源として用いられる場合も多い。本実施形態は、実施形態1のオートホワイトバランス装置において、ストロボ発光時のホワイトバランスの適正化を目指したものである。
【0161】
単純には、ストロボ光についても蛍光灯光、太陽光などと同様、独立の光源として取り扱えばよいのであるが、そうすると処理が複雑になりがちである。そこで、本実施形態では、ストロボ光の色が太陽光にかなり近いことを利用する。すなわち、太陽光ブロック平均値及び太陽光ブロック数に対して補正を加えることによりストロボ光用の平均値、ブロック数を求め、これをホワイトバランスゲインの計算に用いることにより、ストロボ発光の場合のホワイトバランスの適正化を図る。
【0162】
本実施形態では、オートホワイトバランス装置は、ストロボ装置からストロボが発光したか否かを示す信号を受ける。
【0163】
ストロボ発光時の太陽光ブロック平均値等の補正は、平均値修正部24により行う。平均値修正部24は、ストロボ発光を示す信号を受けた場合、太陽光標準値の代わりに予め定めたストロボ標準値を用いて、太陽光ブロック平均値と標準値の加重平均を行う。このときの計算式は、前述の式(4)と同じでよい。すなわち、ストロボ光標準値(TgStdSt,TiStdSt)とすると、
【数17】
TgDyNew=A*TgDy+B*TgStdSt
TiDyNew=A*TiDy+B*TiStdSt
により、太陽光ブロック平均値(TgDy,TiDy)を修正する。このとき、標準値だけでなく係数A,Bについてもストロボ用の値を用いるのが好適である。この場合、係数Bの方を係数Aより大きな値とすることにより、ストロボ標準値の方が重視されるようにする。これにより、太陽光ブロック平均値をストロボ光の色に近くなるように修正することができる。このような係数設定によれば、ホワイトバランスがストロボ光に対してより強く作用することになる。
【0164】
また、平均値修正部24は、ストロボ発光時には、太陽光ブロック数に対して所定の数を加える。この操作により、蛍光灯ブロック平均値やタングステン光ブロック平均値よりも太陽光ブロック平均値(この場合の太陽光ブロック平均値はストロボ光の影響を表している)の方が重視されることになる。
【0165】
このような操作により、本実施形態の装置では、ストロボ光が発光したときには、ストロボ光の色を重視したホワイトバランスが実現される。
【0166】
なお、カメラに装備されるストロボには、自動発光モードと強制発光モードの2つのモードを持つものが多い。前者はストロボが被写体輝度に応じて発光するモードであり、後者は被写体輝度によらずシャッター操作に応じて強制的にストロボが発光するモードである。これらストロボのモードに応じて、上記操作におけるストロボ光標準値や係数A,B、太陽光ブロック数に加える数を変更する構成とすれば、モードに応じたきめの細かいホワイトバランスが実現できる。
【0167】
[実施形態9]
以上説明してきたオートホワイトバランス装置は、画像や被写体輝度の情報から自動的にホワイトバランスを行うものであるが、このような自動的な処理には自ずと限界がある。例えば、蛍光灯照明下では、蛍光灯に対応したホワイトバランスが行われるべきである。しかしながら、蛍光灯照明下であっても、撮影対象が真っ赤な壁であったら、そのシーンの画像から蛍光灯ブロックを検出することはできない。したがって、この場合、上述のオートホワイトバランス処理では、蛍光灯に対するホワイトバランスを行うことはできない。
【0168】
このような特殊な場合に対応できるよう、オートホワイトバランス装置には光源指定モードが設けられている。例えば、予め蛍光灯で照明されていると分かっているならば、ユーザが蛍光灯モードを指定することにより、蛍光灯対応のホワイトバランスが行われる。従来の光源指定によるホワイトバランスは、シーンによらず一定の色補正を行うものであった。しかしながら、同じ蛍光灯照明といってもその色温度は様々であり、一律的な色補正では高品質のホワイトバランスは望めない。
【0169】
そこで、本実施形態では、実施形態1のオートホワイトバランス装置の機構を利用して、光源指定モードでも、シーンに応じてホワイトバランスの程度が調節できる方式を提供する。
【0170】
本実施形態のオートホワイトバランス装置には、実施形態1で説明したホワイトバランス処理を行う自動モードに加え、光源指定モードとして蛍光灯モード、太陽光モード、タングステン光モードを設ける。そして、光源指定モードのいずれかが指定された場合、重み係数計算部26は、指定された光源以外の光源の重み係数を0とし、指定された光源のみ実施形態1に示した方法で計算した重み係数を出力する。その他は、実施形態1で説明したのと同様の処理を行う。
【0171】
このような構成により、実施形態1のオートホワイトバランス装置で、光源指定モードでのホワイトバランス処理が可能になる。そして、この光源指定モードでのホワイトバランスは、画像から得た平均値や重み係数に基づき行われるので、個々のシーンに対応した動的なホワイトバランスの調整も実現される。
【0172】
なお、平均値修正部24において、指定された光源のブロック平均値をその光源の標準値と加重平均する際の標準値の方の係数を自動モードの場合より大きくしておけば、その光源のブロック平均値を標準値に近づけることができ、よりその光源に適したホワイトバランスが可能となる。
【0173】
また、本実施形態において、指定された光源の数が0である場合に備え、各ブロック平均値計算部16〜22に、そのような場合のためのブロック平均値とブロック数のデフォルト値を設定しておくことも好適である。光源指定モードで、指定された光源のブロックが画像になかった場合、指定された光源に対応するブロック平均値計算部は、ブロック平均値及びブロック数としてそのデフォルト値を出力し、以降の各ユニットではこの情報に基づき計算が行われる。
【0174】
[実施形態10]
ビデオカメラ等において、同じ照明環境下で連続して撮影した場合、構図が少し変わっただけでホワイトバランスゲインが微妙に変化することがある。そのような場合、たとえその変化が小さいものであっても、それによって引き起こされる画像の色合いの変化が人の目にとまりやすい。
【0175】
本実施形態では、そのような問題に鑑み、連続撮影時において同一照明環境下と考えられる場合に、連続した画像間でのホワイトバランスゲインの変化を和らげる仕組みを提供する。
【0176】
本実施形態の装置の基本的な構成は、実施形態1のものと同じでよい。ただし、ホワイトバランスゲイン計算部28に次の機能を追加する。
【0177】
すなわち、ホワイトバランスゲイン計算部28に、過去の画像についてのホワイトバランスゲインの履歴を保持する履歴記憶部を設ける。履歴記憶部には、順次入力された画像について求めたホワイトバランスゲインが記憶されていくが、照明環境が変わったと判断されると、それまで記憶していたホワイトバランスゲインがクリアされる。
【0178】
ホワイトバランスゲイン計算部28は、入力された画像に対し、実施形態1で説明した手順でホワイトバランスゲインを求めた後、そのゲインの値を履歴記憶部に記憶された1つ前のフレームの画像のホワイトバランスゲインと比較する。比較の結果、両者の差が小さい場合は、同一照明下で連続撮影されているものと判断して、現在のホワイトバランスゲインを履歴記憶部に記憶されている過去のホワイトバランスゲインと平均した上で出力する。ここでは、現在の画像と1つ前の画像とで、R,G,Bそれぞれについてのゲインの絶対値同士の差のすべてが所定の閾値より小さい場合に、「ゲインの差が小さい」と判定し、それ以外の場合はゲインの差が大きいと判定する。この代わりに、R,G,Bそれぞれについてのゲインの二乗和が所定の閾値より小さい場合を、「ゲインの差が小さい」と判定してもよい。また、平均処理としては、例えば現在に近いフレームのゲインほど高い重みづけを与えて平均する加重平均処理が好適である。なお、このようにして求められたゲインは、それまで記憶していたゲインに加えて履歴記憶部に記憶される。
【0179】
このような構成により、現在の画像が以前の画像と同一照明環境下にあると判定される場合には、ホワイトバランスゲインが過去の値を用いて平滑化されるので、ホワイトバランスゲインの急激な変化が抑えられ、画像の色合いの急激な変化を抑制することができる。
【0180】
なお、現在の画像について求めたホワイトバランスゲインと1つ前の画像のそれとの差が大きい場合は、ホワイトバランスゲイン計算部28は、現在の画像について求めたホワイトバランスゲインをそのまま出力する。そして、履歴記憶部に記憶された過去のホワイトバランスゲインをクリアして、出力したホワイトバランスゲインを新たに記憶する。
【0181】
[実施形態11]
実施形態1の装置では、画像中から各光源下での白色物体の色に近いブロックを抽出し、それらブロックの色からホワイトバランスゲインを求めるものであった。しかしながら、シーンによっては、いずれの光源に対応するブロックもほとんど存在しない場合がある。例えば、真っ赤な壁を写した画像では、それを照明している光源が蛍光灯であっても太陽であっても、蛍光灯ブロック、太陽光ブロック、タングステン光ブロックどれもほとんど存在しないであろうと考えられる。このような画像から求めたホワイトバランスゲインは、信頼性が低い。すなわち、画像から光源の色の情報があまり得られないので、そのような画像から得たホワイトバランスゲインでは、光源の色を正しく補正できる可能性が低い。このようなシーンは、自動的なホワイトバランスは本質的に困難だと言える。
【0182】
本実施形態では、実施形態1のオートホワイトバランス装置において、このような場合にもある程度良好なホワイトバランスを行える仕組みを提供するものである。
【0183】
実施形態1の装置では、ある光源についてのブロック数(蛍光灯ブロック数など)が非常に少なければ、シーンがその光源で照明されている可能性は少ないものと考えられる。また、実施形態1の装置は、ある光源についてのブロック数がある程度多くても、その光源が照明している可能性が少ない場合は、その光源について重み係数計算部26で求められる重み係数の値が小さくなるようになっている。例えば、明るい屋外で緑の木々を撮影した画像の場合、緑色の部分のブロックが蛍光灯ブロックと判定され蛍光灯ブロックの数が多くなることがあるが、この場合、被写体輝度が高いため蛍光灯ブロック重み係数は非常に小さい値となる。これにより、蛍光灯で照明されている可能性が低いことが分かる。
【0184】
本実施形態では、このような考察に基づき、シーンがある光源で照明されている可能性をその光源のブロック数と重み係数とに基づき決定する。そして、この可能性がいずれの光源についても低い場合は、そのとき求めたホワイトバランスゲインは信頼性が低いものと判断する。
【0185】
光源が照明している可能性を示す指標値としては、その光源のブロック数と重み係数との積を用いるのが好適である。ある光源のブロック数も重み係数も共に小さければ、両者の積は極めて小さくなるが、このような場合はその光源で照明されている可能性も非常に低いと考えられる。処理としては、予めその積の値について小さい値を閾値と定めておき、各光源ごとにブロック数と重み係数との積を求めて各々その閾値と比較し、すべての光源についてその積が閾値より小さければ、そのときの画像について求めたホワイトバランスゲインは信頼性の低いものと判定する。なお、この方法は一例であり、ブロック数と重み係数とを他の方法で組み合わせた別の指標値を用いてももちろんよい。
【0186】
ホワイトバランスゲイン計算部28には、過去に求めたホワイトバランスゲインを記憶する記憶部を設ける。ホワイトバランスゲイン計算部28は、求めたホワイトバランスゲインの信頼性が低いと判定されなかった場合、そのゲインを記憶部に記憶する。そして、あるとき求めたホワイトバランスゲインの信頼性が低いものと判定した場合は、そのホワイトバランスゲインと、記憶部に記憶している最新のホワイトバランスゲインとを予め定めた重み付けで加重平均し、その結果を最終的なホワイトバランスゲインとして出力する。
【0187】
このような構成によれば、自動的はホワイトバランスが難しいシーンに対しても過去のホワイトバランスゲインの情報を利用して比較的良好なホワイトバランスを行うことができる。
【0188】
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。以上の例では、画像信号がRGB信号である場合の例を説明したが、RGB信号以外の形式の画像信号に対しても本発明が同様に適用可能であり、同様の効果を奏することは、以上の説明から明らかであろう。
【0189】
また、上記各実施形態では、ホワイトバランス調整信号として、画像信号に対するゲイン(ホワイトバランスゲイン)の形式のものを用いたが、ホワイトバランス調整信号がこれ以外の形式のものでも、本発明は同様に適用可能であり、同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るオートホワイトバランス装置の全体構成を示す機能ブロック図である。
【図2】 画像のブロック分割の一例を示す図である。
【図3】 高輝度色領域の一例を示す図である。
【図4】 蛍光灯領域の一例を示す図である。
【図5】 太陽光領域の一例を示す図である。
【図6】 タングステン光領域の一例を示す図である。
【図7】 蛍光灯ブロック平均値に対する、被写体輝度に応じた重み関数の一例を示す図である。
【図8】 タングステン光ブロック平均値に対する、被写体輝度に応じた重み関数の一例を示す図である。
【図9】 太陽光ブロック平均値に対する、被写体輝度に応じた重み関数の一例を示す図である。
【図10】 画素グループを説明するための図である。
【図11】 別の実施形態に係る装置の構成を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
10 ブロック代表値計算部、12 最高輝度ブロック探索部、14 輝度閾値計算部、16 高輝度色ブロック平均値計算部、18 蛍光灯ブロック平均値計算部、20 太陽光ブロック平均値計算部、22 タングステン光ブロック平均値計算部、24 平均値修正部、26 重み係数計算部、28 ホワイトバランスゲイン計算部、30 ホワイトバランス調整部、32 全ブロック平均値計算部。
Claims (4)
- 入力された画像を複数のブロックに分割するブロック分割手段と、
分割した各ブロック毎に、ブロック内の画素の各色値に基づき、ブロックを代表する輝度及び色差を含む代表値を算出する代表値計算手段と、
各ブロックの代表値に基づき、各ブロックの中から最高輝度のブロックを求める最高輝度ブロック探索手段と、
各ブロックの代表値における輝度に基づき、輝度閾値を決定する輝度閾値計算手段と、
最高輝度ブロックの代表値に基づき、色空間において最高輝度ブロックの代表値と類似した色を示す領域として高輝度領域を定め、ブロック群の中の前記輝度閾値より高い輝度を持つブロックの中から、高輝度領域に含まれる代表値を有するブロックを高輝度色ブロックとして抽出し、抽出した高輝度色ブロックの代表値の平均値を求める高輝度色ブロック平均値計算手段と、
想定した各光源に対応してそれぞれ設けられ、ブロック群の中の前記輝度閾値より高い輝度を持つブロックの中から、色空間において当該光源下での白色物体の色を示す領域として定められた当該光源領域に含まれる代表値を有するブロックを、当該光源に対応する光源ブロックとして抽出し、抽出した当該光源ブロックの代表値の平均値を求める光源ブロック平均値計算手段と、
高輝度色ブロックの代表値の平均値と、各光源ごとの光源ブロックの代表値の平均値と、に基づき、ホワイトバランス調整信号を算出するホワイトバランス調整信号計算手段と、
前記ホワイトバランス調整信号計算手段で求めたホワイトバランス調整信号を用いて、前記入力された画像の各画素に対してホワイトバランス調整を行うホワイトバランス手段と、
ブロックの代表値を、入力された画像の全ブロックについて平均した全ブロック平均値を算出する全ブロック平均値計算手段と、
を有し、
前記ホワイトバランス調整信号計算手段は、全ブロック平均値も考慮に入れてホワイトバランス調整信号を求め、全ブロック平均値がいずれの光源領域にも属さない場合は、前記全ブロック平均値を所定の小さい値に修正した上でホワイトバランス調整信号の計算に用いる、
ことを特徴とするオートホワイトバランス装置。 - 入力された画像を複数のブロックに分割するブロック分割手段と、
分割した各ブロック毎に、ブロック内の画素の各色値に基づき、ブロックを代表する輝度及び色差を含む代表値を算出する代表値計算手段と、
各ブロックの代表値に基づき、各ブロックの中から最高輝度のブロックを求める最高輝度ブロック探索手段と、
各ブロックの代表値における輝度に基づき、輝度閾値を決定する輝度閾値計算手段と、
最高輝度ブロックの代表値に基づき、色空間において最高輝度ブロックの代表値と類似した色を示す領域として高輝度領域を定め、ブロック群の中の前記輝度閾値より高い輝度を持つブロックの中から、高輝度領域に含まれる代表値を有するブロックを高輝度色ブロックとして抽出し、抽出した高輝度色ブロックの代表値の平均値を求める高輝度色ブロック平均値計算手段と、
想定した各光源に対応してそれぞれ設けられ、ブロック群の中の前記輝度閾値より高い輝度を持つブロックの中から、色空間において当該光源下での白色物体の色を示す領域として定められた当該光源領域に含まれる代表値を有するブロックを、当該光源に対応する光源ブロックとして抽出し、抽出した当該光源ブロックの代表値の平均値を求める光源ブロック平均値計算手段と、
高輝度色ブロックの代表値の平均値と、各光源ごとの光源ブロックの代表値の平均値と、に基づき、ホワイトバランス調整信号を算出するホワイトバランス調整信号計算手段と、
前記ホワイトバランス調整信号計算手段で求めたホワイトバランス調整信号を用いて、前記入力された画像の各画素に対してホワイトバランス調整を行うホワイトバランス手段と、
被写体輝度を検出する手段と、
を有し、
前記光源ブロック平均値計算手段の一つとして、太陽を光源として想定した太陽光ブロック平均値計算手段を有し、
前記太陽光ブロック平均値計算手段は、被写体輝度が所定の閾値より高い場合は、太陽光に対応する前記光源領域を高色温度部分を含まないよう狭め、被写体輝度が前記閾値より低い場合は、太陽光に対応する前記光源領域を高色温度部分を含むように広げることを特徴とするオートホワイトバランス装置。 - 入力された画像を複数のブロックに分割するブロック分割手段と、
分割した各ブロック毎に、ブロック内の画素の各色値に基づき、ブロックを代表する輝度及び色差を含む代表値を算出する代表値計算手段と、
各ブロックの代表値に基づき、各ブロックの中から最高輝度のブロックを求める最高輝度ブロック探索手段と、
各ブロックの代表値における輝度に基づき、輝度閾値を決定する輝度閾値計算手段と、
最高輝度ブロックの代表値に基づき、色空間において最高輝度ブロックの代表値と類似した色を示す領域として高輝度領域を定め、ブロック群の中の前記輝度閾値より高い輝度を持つブロックの中から、高輝度領域に含まれる代表値を有するブロックを高輝度色ブロックとして抽出し、抽出した高輝度色ブロックの代表値の平均値を求める高輝度色ブロック平均値計算手段と、
想定した各光源に対応してそれぞれ設けられ、ブロック群の中の前記輝度閾値より高い輝度を持つブロックの中から、色空間において当該光源下での白色物体の色を示す領域として定められた当該光源領域に含まれる代表値を有するブロックを、当該光源に対応する光源ブロックとして抽出し、抽出した当該光源ブロックの代表値の平均値を求める光源ブロック平均値計算手段と、
高輝度色ブロックの代表値の平均値と、各光源ごとの光源ブロックの代表値の平均値と、に基づき、ホワイトバランス調整信号を算出するホワイトバランス調整信号計算手段と、
前記ホワイトバランス調整信号計算手段で求めたホワイトバランス調整信号を用いて、前記入力された画像の各画素に対してホワイトバランス調整を行うホワイトバランス手段と、
ストロボ発光を通知する信号を受信する受信手段と、
を有し、
前記ホワイトバランス調整信号計算手段は、各光源についてのブロックの代表値の平均値を、当該光源について予め定めた標準値を用いて修正する第1の修正手段を有し、この第1の修正手段により修正した平均値を用いてホワイトバランス調整信号を算出すると共に、前記受信手段によりストロボ発光の通知を受けた場合は、前記第1の修正手段は、太陽を光源として想定した光源ブロックの代表値の平均値を、太陽光に対応して定めた標準値の代わりに、予め定めたストロボ標準値を用いて修正することを特徴とするオートホワイトバランス装置。 - 入力された画像を複数のブロックに分割するブロック分割手段と、
分割した各ブロック毎に、ブロック内の画素の各色値に基づき、ブロックを代表する輝度及び色差を含む代表値を算出する代表値計算手段と、
各ブロックの代表値に基づき、各ブロックの中から最高輝度のブロックを求める最高輝度ブロック探索手段と、
各ブロックの代表値における輝度に基づき、輝度閾値を決定する輝度閾値計算手段と、
最高輝度ブロックの代表値に基づき、色空間において最高輝度ブロックの代表値と類似した色を示す領域として高輝度領域を定め、ブロック群の中の前記輝度閾値より高い輝度 を持つブロックの中から、高輝度領域に含まれる代表値を有するブロックを高輝度色ブロックとして抽出し、抽出した高輝度色ブロックの代表値の平均値を求める高輝度色ブロック平均値計算手段と、
想定した各光源に対応してそれぞれ設けられ、ブロック群の中の前記輝度閾値より高い輝度を持つブロックの中から、色空間において当該光源下での白色物体の色を示す領域として定められた当該光源領域に含まれる代表値を有するブロックを、当該光源に対応する光源ブロックとして抽出し、抽出した当該光源ブロックの代表値の平均値を求める光源ブロック平均値計算手段と、
高輝度色ブロックの代表値の平均値と、各光源ごとの光源ブロックの代表値の平均値と、に基づき、ホワイトバランス調整信号を算出するホワイトバランス調整信号計算手段と、
前記ホワイトバランス調整信号計算手段で求めたホワイトバランス調整信号を用いて、前記入力された画像の各画素に対してホワイトバランス調整を行うホワイトバランス手段と、
を有し、前記ホワイトバランス調整信号計算手段は、予め想定したすべての光源について、当該光源ブロックの数に基づき当該光源が照明光源である可能性を示す指標値を求め、その指標値が予め想定したすべての光源について所定の閾値より小さい場合は、入力された画像について求めたホワイトバランス調整信号の信頼性が低いと判定し、そのホワイトバランス調整信号を、過去に求めた信頼性が高いと判定されたホワイトバランス信号により補正した上で前記ホワイトバランス手段に出力することを特徴とするオートホワイトバランス装置。
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