JP5162905B2 - 撮像装置 - Google Patents
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また、照明光源が同じでホワイトバランスの調整も同じであることが好ましい場合であっても、照明光源の種類や被写体の色によって、画面中に存在する色の色温度を誤推定すること(いわゆるカラ−フェイラ)により色温度算出の不安定化の要因となっていた。
本発明の実施形態について以下、順次説明する。
いわゆる撮像装置においては、適正な色再現を行うためにCCD撮像素子から取り込んだR,G,B(赤、緑、青)の色情報である電気信号を加工し、補正する。この補正のひとつが、一般にホワイトバランスといわれるもので、緑の信号強度を基調として、赤と青に所定のゲインを係数として掛けることで色あいの調整を行うものである。
したがって、電車のみの像20のシ−ン下でのホワイトバランスの補正ゲインと、全体像21のシ−ン下での補正ゲインとでは値が大きく異なり、その結果この間で急激に同じ対象(例えば電車の車体)の色合いが変化する。
すなわち、一連のシ−ン撮影下において画面が変わることで、突如としてホワイトバランスの補正ゲインが変わり、それにより色合いが急変する。また、初期の補正ゲインが不適正な値であるにもかかわらず、その後の撮影においてその補正ゲインが適用されることとなる。
そこで、図1に示す本発明の実施形態にかかるフロ−チャ−トのようにホワイトバランス制御を行う。図1は一眼レフタイプのディジタルカメラの場合の処理フロ−を説明するものである。
色温度算出の確信度は、情報の比較、典型的にはパタ−ンマッチング等によって色温度算出の確からしさを判定するものをいう。すなわち、被写界たる撮影画像又は撮影しようとする画像の輝度分布状態や色分布状態等を、予め記憶させた色温度算出誤認を生じやすいシ−ンの各々の分布パタ−ン等と比較することで判断する。
パタ−ンマッチングは、マトリックス状の色や輝度の空間分布、時間分布、RGB三原色分布、RGB三原色強度分布、その他のスペクトル分光装置を用いたスペクトル分布のマッチングとしてもよい。また、CIE色度図表上でのドットパタ−ンや、所定の黒体放射領域やその周辺部に限定した対応する画素分布を比較するものであってもよく、また、特定の信号強度をもつ画素数のみ、一定以上のS/N比を有する画素数の抽出をするものでもよい。
標準光源は、例えばA(0.448,0.407)、D50(0.346,0.359)、D55(0.332,0.348)、D65(0.313,0.329)、D75(0.299,0.315)、蛍光灯光源ではF2(0.372,0.375)、F8(0.346,0.359)F11(0.381,0.377)等が知られている。
この比較結果をもとに、撮影シ−ンの変化が大きいのか小さいのかが判断できる。すなわち、前回の撮影と比較して信頼度の変化が大きく、経過時間も長く、輝度変化も大きい場合には、撮影シ−ンたる撮影画像の性質は大きく異なり変化が大きいと判断し、前回の撮影と比較して信頼度の変化が小さく、経過時間も短く、輝度変化も小さい場合には、撮影シ−ンたる撮影画像の性質は大きく異ならず変化が小さいと判断する。
たとえば、更新率を80%とした場合には、前回のゲインの20%値と今回の算出ゲインの80%を加算したゲインを今回のゲインとして採用する。
また、撮影シ−ンの変化があった場合、ホワイトバランスのゲインの更新可否と更新率の決定は、色温度算出確信度判定の判定結果にかかわらず優先的に適用する。すなわち、撮影シ−ンが明らかに変わっている場合には、もはや前回撮影との比較を要せず新たな更新ゲインを100%適用すればよい。
(ステップ8)次に、この撮影画像に紐づけて色温度算出の信頼度や撮影時刻、測定輝度等の撮影画像に関連する測定情報や演算情報を画像関連情報として記憶装置に記憶する。この紐付けは、撮影画像との関係で関連づけがとれればよいので、必ずしも、同一の記憶装置に記憶する必要はない。たとえば、特定のINDEXを画像関連情報に付し、同一のINDEXを該当する画像にも付与することで、それぞれ別々の記憶装置に記録し、後日、画像を読み出したときに、紐付け参照できるようにしてもよい。
次に、図3に示す本発明の実施形態にかかるブロック概念図を用いて各部の機能を説明する。この図は、ホワイトバランス制御部周辺のブロック図を示しており、撮像素子30は、典型的には撮影用カラ−CCDであるが、測光用カラ−CCDを用いてもよい。
ここでホワイトバランスの補正ゲインを算出するホワイトバランスゲイン演算部31では、撮像素子30からの所定の入力信号を色温度算出部32による色温度の算出値とともに処理することで、α、βの補正ゲインの計算が成される。これは、いわば生ゲインともいえるもので、撮影画像毎に個々別々に補正ゲインを算出する。ゲインの計算は、例えば、撮影画像中の無彩色箇所を基準として光源色にて決定する方法や、時間積分、空間積分、極端な有彩色を除外して平均値を出す方法等を用いることができ、他の任意の方法としてよい。
また、計時部3aは、典型的には前回の撮影から今回の撮影までの時間を測定できればよく、時計、タイマ−、時刻電波受信装置等であってもよい。また、計時する期間は、前回撮影との間だけでなく、前々回や前々前回等、少なくとも一連一体的撮影と見なしうる間のすべての撮影画像について、その撮影時と今回の撮影時の経過時間や各撮影間隔を測定できるものが望ましい。
この3つの要素に基づく変化度合い推定の決定方法は任意の関係式等による演算でもよい。例えば、撮影位置の変化が大きく、輝度変化も大きく、時間経過も大きい場合には撮影画像の変化度合いが大きいと判断することができる。一方、撮影位置の変化が小さく、輝度変化も小さく、時間経過も小さい場合には、撮影画像の変化度合いが小さいと判断することができる。また、これらの推定値を数値化して用いてもよい。
次に、ホワイトバランスゲイン更新率演算部34では、色温度算出確信度判定部33による色温度算出の確からしさと、無彩色個数計数部35による無彩色のカウント値と、シ−ン連続性判定部37による撮影画像変化度合いの推定結果(シ−ン連続性の有無)と、が入力されることで、補正ゲインの更新率が決定される。
これは、各撮影時に各撮影画像から各々ホワイトバランスゲイン演算部31で計算される生ゲイン(α、β)は、各撮影画像中の個別の不安定ファクタ−の混在によって、必ずしも適切な値であるとは限らないという経験則に基づくものである。
ゲイン更新率は、典型的には上述のようになるが、前回との関係に限らず、前々回や前々前回等の過去の撮影画像における補正ゲインを考慮した重み付けや更新率としてもよい。また、更新率を演算後の補正ゲインは、今回の撮影画像だけに限らず、過去の撮影画像に遡及的に適用してもよく、未来の撮影画像に適用すべく保持しておいてもよい。
なお、ホワイトバランスゲインの決定等については、無彩色の色を抽出してそこから所定の光源色となるホワイトバランスの算出をする方法と、撮影画像の色温度を決定しその色温度に基づいてホワイトバランスの算出をする方法と、があるがいずれの方法を適用してもよい。
一方、色温度算出確信度判定部33と無彩色個数計数部35の情報は、色温度算出の信頼度推定部41へ入力され、色温度算出の信頼度が推定され決定される。ここで色温度算出の信頼度とは、色温度算出確信度や撮影画像中に無彩色の個数がいくつあるかに基づき決定される色温度算出信頼度をいう。
色温度算出の信頼度推定部41で評価された推定結果は、推定値変化検出部42へ入力されるとともに、撮像素子40の画像情報と共に関連づけして記憶装置44に記憶されることで撮影完了後の画像処理に用いることができる。
推定値変化検出部42では、撮影画像変化度合い推定部3bからの推定値と色温度算出の信頼度推定部41からの推定値のそれぞれについて、経時的な変化検出を行っている。
ホワイトバランス制御部54では、入力値をもとに撮影画像に実際に適用する適用ゲインを決定する。決定されたゲインは、バッファ部53に一時記憶されていた適用対象となる撮影画像に対して、実際に適用されホワイトバランス制御後の補正画像55が出力される。
(実施形態2)
次に、図6に示す画像処理装置の処理概要ブロック図を用いて実施形態2にかかる画像処理装置について説明する。画像処理装置60では、記憶装置61に記憶された撮影画像情報と色温度算出信頼度を、撮影画像読み取り装置62にて読み出すことができる。
すなわち、画像処理装置60において撮影画像を読み出して画像処理する際に、画像情報とその画像にかかる色温度算出信頼度の情報が関連づけて認識できればよい。従って、例えば、2以上の記憶装置に別々の情報として、それぞれ関連づけて記憶しておいてもよい。
この様子を図7の画像演算処理部の概念ブロック図に示す。撮影画像読み取り部62にて読み取った撮影画像関連情報である色温度算出信頼度推定値は、色温度算出信頼度推定値変化検出部70へ入力され、画像が変わる際の推定値変化が検出される。
一方、これとは別に画像情報はバッファ回路72に保存されているので、適用ゲインが決まれば、その画像だけにとどまらず、保存されているそれより以前の画像についても、この適用ゲインを遡及的に適用することができる。
また、最適な補正ゲインとは、既に述べたように、典型的にはその信頼度が極大化する画像に基づき算出された補正ゲイン又は、適用ゲインのことであるが、色温度算出確信度を含めた一又は複数の因子に基づき決定された補正ゲインであってもよい。
また、この実施形態にかかる画像処理装置は、パソコンやワ−クステ−ション等の電子演算処理機器を用いて処理するようプログラムしてもよい。この場合には、図1に示すチャ−トに従う所定の処理プログラムとすることができる。
撮影画像の変化度合いを推定し、推定した撮影画像の変化度合いに応じてホワイトバランス制御のゲイン更新率を変える。
従って、色温度の算出について無彩色の多少をも加味することで、信頼性評価がより高い確度で信頼度として推定可能となり、この高い信頼度のゲインにより重みを付けて撮影画像に適用することができる。また、撮影画像の変化度をモニタ−し変化度に応じてホワイトバランスのゲインの重み付けをすることで、不必要なゲインの更新を低減するだけでなく、ゲイン更新の必要性有無のこの判断指標によって、必要時に適切な更新が可能となる。
これにより、例えばバッファに保存されている過去に撮影された画像についても、別個独立の撮影でなければ、新しく撮影され信頼度の高いホワイトバランスのゲインを適用したホワイトバランス制御を行ってもよい。また、その後、未来の撮影についても、現在より信頼度が上がらなければ現在のゲインを継続適用してもよい。すなわち、連続撮影にかかる一連の撮影において、最も信頼度の高いホワイトバランスのゲインを、その一連の撮影画像の一部又は全部に適用できることとなり、的確なホワイトバランス制御とすることができる。
また、実施形態における撮影装置は、撮影画像の色温度の算出をする色温度算出部と、撮影画像の色温度の算出確からしさを判定する色温度算出確信度判定部と、撮影画像中の無彩色個数を検出しカウントする無彩色個数計数部と、色温度算出確信度判定部による色温度の算出確からしさの判定結果と、無彩色個数計数部によるカウント値とに基づき、色温度算出の信頼度を推定する色温度算出信頼度推定部と、色温度算出信頼度推定部により推定された信頼度を、撮影画像に関連づけて記録する記憶部とを備える。
また、実施形態における画像処理装置は、記憶装置に記憶された撮影画像を読み取るための撮影画像読み取り部を備え、撮影画像と関連付けて記憶装置に記憶された撮影画像の色温度算出の信頼度を推定した色温度算出信頼度推定値を用いて、読み取り部により読み取った撮影画像の処理を行う。
また、実施形態における画像処理装置は、撮影画像の処理が、記憶部に記憶された色温度算出信頼度推定値の変化を検出し、色温度算出信頼度推定値が大きくなった時のホワイトバランス制御のゲインを、色温度算出信頼度推定値が大きくなった時より前の撮影画像に対し遡及適用するホワイトバランス制御処理を含む。
また、実施形態における画像作成方法は、画像の色温度の算出をする色温度算出工程と、算出した色温度の確からしさを判定する色温度算出確信度判定工程と、色温度算出確信度判定工程による判定結果と、画像中の無彩色個数を検出しカウントしたカウント値と、に応じてホワイトバランス制御のゲイン更新率を変更する工程とを有する。
また、撮影位置の変化を検出する撮影位置変化検出部と、撮影画像の輝度変化を測定する輝度変化測定部と、撮影時間を定義する計時部とを備えた撮像装置において、
撮影位置変化検出部により検出された撮影位置の変化と、輝度変化測定部により測定された撮影画像の輝度変化と、計時部により検出された経過時間とから、撮影画像の変化度合いを推定する工程と、撮影画像の変化度合いを推定する工程による推定結果に応じてホワイトバランス制御のゲイン更新率を変更する工程とを有する画像作成方法とすることができる。
また、実施形態において色温度を算出し前回の撮影と今回の撮影との比較した色温度差が所定の値、例えば500K以上ある場合のみ、ホワイトバランスのゲイン変更を行うこととし、この変更を行う場合に実施形態を適用することとしてもよい。このような制御とすると、所定の色温度差より小さい色温度の変化では、ホワイトバランス制御のゲイン値変更は行われないので、画像の色合いが安定化し、唐突な画像の変化がなく、落ち着いた連続画像とすることができる。
また、撮影画像や撮影しようとする画像や被写界の画像からホワイトバランス制御を行う処理をするに際し、撮像素子から入力されたRGB信号の各々の平均値を取ることで撮影画像等の特徴を得るようにしてもよい。さらに、この平均値は、単純平均値でもよく、極端な色を除外して、又は重み付けを行って演算させてもよく、各色毎のヒストグラムを作成し、累積ヒストグラム上の中央値または適当な頻度値を平均値として用いてもよい。
また、実施形態においてゲイン更新率を決定する際の過去のゲインの重み付け、典型的には寄与率を決定するに当たって、時系列的に現在時刻との差を用いて、重み係数=1/((現在時との差)+係数)としてもよい。この場合の係数は、例えば10とすることができる。このような重み付けによれば、現在時との差が小さい撮影画像は、撮影からの経過時間が短いので、この差が小さいほど最新の撮影画像と同じ環境下で撮影された可能性が高いこととなる。すなわち、照明光源や室内外の分別が同じである可能性が高いとして、大きな重み付けとすることができる。
典型的には、予め複数の標準光源毎にCIE色度座標点を記憶しておき、実際に求められた撮影時の色度座標点と各標準光源の色度座標点との座標平面上での距離を計算し、距離が最小である標準光源を撮影時の光源とすることができる。好ましくは、さらに、輝度デ−タをも加味し、複数の標準光源に近い距離の色座標であった場合には、距離だけでなく、より輝度が大きい光源を撮影時の光源と認識する構成とすることが好ましい。
この場合においても、前述のようにハイライト部の光源輝度の大小により重み付けをすることで、色温度算出の確からしさに反映させてもよい。すなわち、輝度が小さい光源である場合には、ハイライト部にその光源が含まれるとの判断は信頼性が小さくなり、色温度算出の信頼度を低く推定することができる。
Claims (5)
- 撮影画像または被写界から色温度の算出をする色温度算出部と、
前記色温度算出部で算出した色温度の信頼性を評価する色温度評価部と、
前記色温度評価部による色温度の信頼性評価に応じてホワイトバランス制御のゲインを制御するホワイトバランス制御部とを備え、
前記ホワイトバランス制御部は、今回の撮影で算出した色温度の信頼性評価が、過去の撮影で算出した色温度の信頼性評価よりも高くなれば、前記過去の撮影で取得したホワイトバランスのゲインに対して、前記今回の撮影で取得したホワイトバランスのゲインの適用割合を大きくする、
ことを特徴とする撮像装置。 - 前記撮影画像の色温度の算出確からしさを判定する色温度算出確信度判定部と、
撮影画像中の無彩色個数を検出しカウントする無彩色個数計数部とを備え、
前記ホワイトバランス制御部は、前記色温度算出確信度判定部による色温度の算出確からしさの判定結果と、前記無彩色個数計数部による無彩色個数のカウント値とに応じて前記適用割合を変える、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 撮影位置の変化を検出する撮影位置変化検出部と、
撮影画像の輝度変化を測定する輝度変化測定部と、
撮影時間を定義する計時部と、
撮影画像変化度合い推定部とをさらに備え、
前記撮影画像変化度合い推定部は、前記撮影位置変化検出部により検出された撮影位置の変化と、前記輝度変化測定部により測定された撮影画像の輝度変化と、前記計時部により検出された経過時間とを用いて前記撮影画像の変化度合いを推定し、
前記ホワイトバランス制御部は、前記推定した撮影画像の変化度合いに応じて前記適用割合を変える、
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。 - 色温度算出信頼度推定部をさらに備え、
前記色温度算出信頼度推定部は、前記色温度算出確信度判定部による色温度の算出確からしさの判定結果と、前記無彩色個数計数部による前記カウント値とを用いて色温度算出の信頼度を推定し、
前記ホワイトバランス制御部は、前記色温度算出の信頼度が大きくなるか、または、前記撮影画像の変化度合いが大きくなった場合に、前記適用割合を大きくする、
ことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。 - 前記ホワイトバランス制御部は、前記色温度算出の信頼度が大きくなった場合に、前記信頼度が大きくなった時のホワイトバランスのゲインを、前記信頼度が大きくなる以前の撮影画像に遡及させてホワイトバランス制御を行う、
ことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
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