JP4063033B2 - 基板搬送下受け装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品実装装置などにおいて基板を搬送し所定位置に位置決めするとともに位置決めされた基板の下面を下受けする基板搬送下受け装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品実装装置では、実装対象の基板はコンベヤなどの基板移動手段によって搬送され、電子部品実装位置などの所定位置において位置決めされる。そして位置決めされた基板は、実装面を所定の実装高さに保持するために下受け部材によって下受けされる。この下受けは、昇降自在に配設された下受け部材を基板の下面に当接させることにより行われる。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−135698号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の基板の搬送・下受け動作において、下受け部材の昇降動作のタイミングは、コンベア状を移動する基板が位置決めストッパなどによる停止位置に到達したことを検出することにより設定されていた。すなわち、光学センサなどによって基板を検出すると、下受け部材を昇降させるシリンダなどの上昇動作が開始されるように動作シーケンスが予め設定されている。このため、基板が停止位置に到達した状態にあっても、下受け部材が上昇するまでの間は移載ヘッドによる電子部品の搭載実装を開始することができず、実装タクトタイムの短縮を妨げていた。
【0005】
そこで本発明は、タクトタイムを短縮することができる基板搬送下受け装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の基板搬送下受け装置は、電子部品が実装される基板を搬送し所定位置に位置決めするとともに位置決めされた基板の下面を下受け部によって支持して下受けする基板搬送下受け装置であって、前記基板を移動させる基板移動手段と、基板移動手段上の基板を停止させ位置決めする位置決め手段と、前記下受け部を昇降させる昇降手段と、基板移動手段によって移動中の前記基板を前記位置決め手段の手前側で検出する基板検出手段と、基板検出手段によって基板が検出されたタイミングに基づいて前記昇降手段を動作させる昇降制御手段とを備え、前記基板移動手段による基板の移動と前記昇降手段による下受け部の上昇動作とを重ね合わせて行う。
【0007】
本発明によれば、基板移動手段によって移動中の基板を位置決め手段の手前側で検出する基板検出手段と、基板検出手段によって基板が検出されたタイミングに基づいて下受け部昇降用の昇降手段を動作させる昇降制御手段とを備え、基板移動手段による基板の移動と昇降手段による下受け部の上昇動作とを重ね合わせて行うことにより、タクトタイムを短縮することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の基板搬送下受け装置の側面図、図2は本発明の一実施の形態の基板搬送下受け装置の制御系のブロック図、図3は本発明の一実施の形態の基板搬送下受け動作の説明図である。
【0009】
まず図1を参照して基板搬送下受け装置について説明する。この基板搬送下受け装置は、電子部品が実装される基板を搬送し所定位置に位置決めするとともに、位置決めされた基板の下面を下受け部によって支持して下受けするものである。
【0010】
図1において、1,2、3は、長手方向に連結して配設された基板搬送機構であり、それぞれフレーム部11,12,13にプーリ5a、5bを配設しベルト6を調帯した構造となっている。プーリ5bにはそれぞれモータM1,M2,M3が結合されており、モータM1,M2,M3を駆動することにより、ベルト6上に載置された基板(図3に示す基板7A、7B参照)を水平方向に移動させる。従って、モータM1,M2,M3、プーリ5a、5b、およびベルト6は、基板を移動させる基板移動手段となっている。
【0011】
基板搬送機構1,2のフレーム11,12の前端部には、第1のストッパ4A、第1のストッパ4Bが設けられており、第1のストッパ4A、第2のストッパ4Bは、それぞれ第1のストッパシリンダ4a、第2のストッパシリンダ4bによって昇降する。第1のストッパ4A,第2のストッパ4Bをベルト6上に突出させた状態で基板がベルト上を進行することにより、基板の前端部が第1のストッパ4A、第2のストッパ4Bに当接する。これにより、基板は第1のストッパ4A、第2のストッパ4Bの位置で停止し位置決めされる。そして位置決めされた基板に対して、実装ヘッドによる電子部品の実装などの作業が行われる。すなわち、第1のストッパ4A、第2のストッパ4Bは、基板を停止させて位置決めする位置決め手段となっている。
【0012】
各基板搬送機構には、ベルト6上を移動中の基板を検出するための光学センサPH1〜PH5が配設されており、基板搬送機構1には光学センサPH1,PH2、基板搬送機構2には光学センサPH3,PH4、基板搬送機構3には光学センサPH5がそれぞれ配置されている。光学センサPH1,PH3はそれぞれ第1のストッパ4A、第2のストッパ4Bによって停止した状態の基板を検出するために用いられる。
【0013】
光学センサPH2,PH4は、基板搬送機構1,2においてストッパ位置に接近した基板を減速させるために搬送速度を低速に切り換えるモータ速度切り換えタイミング検出用として用いられる。また光学センサPH5は、基板搬送機構3上における基板通過検出用として用いられる。上記構成において、光学センサPH3,PH5は、後述するように基板移動手段によって移動中の基板を位置決め手段の手前側で検出する基板検出手段となっている。
【0014】
基板搬送機構1,2の下方には、下受け部21,22が配設されている。下受け部21,22は、それぞれ下受けピン24が立設された下受け治具23を備えており、それぞれの下受け治具23は、第1の昇降機構25,第2の昇降機構26によって昇降する。第1の昇降機構25,第2の昇降機構26によって下受け治具23が上昇した状態では、下受けピン24の上端部がベルト6上の基板の下面に当接して下受けする下受け高さに位置する。
【0015】
次に図2を参照して、基板搬送下受け装置の制御系の構成を説明する。図2において、コンベア駆動部31は、基板搬送機構1,2,3を駆動する第1のモータM1、第2のモータM2、第3のモータM3を制御する。ストッパ駆動部32は、第1のストッパ4A、第2のストッパ4Bを駆動する。下受け駆動部33は、下受け治具23を昇降させる第1の昇降機構25,第2の昇降機構26を駆動する。コンベア駆動部31,ストッパ駆動部32,下受け駆動部33は、搬送制御部30によって制御される。
【0016】
基板検出部34は、光学センサPH1〜PH5の信号に基づき基板の有無を検出する。基板検出結果は、搬送制御部30に送られる。この基板検出結果に基づいて搬送制御部30がコンベア駆動部31,ストッパ駆動部32,下受け駆動部33を制御することにより、基板搬送下受け動作において、各種のタイミング制御が実現される。
【0017】
例えば、基板検出結果に基づいてコンベア駆動部31を制御することにより、搬送対象の基板を基板搬送機構3から基板搬送機構2,基板搬送機構1へと順送りして、所定タイミングで基板搬送速度を減速することができる。また基板検出結果に基づいてストッパ駆動部32を制御することにより、基板の停止位置決め動作が制御される。
【0018】
さらに、基板検出結果に基づいて下受け駆動部33を制御することにより、基板搬送動作の途中において、任意のタイミングで下受け治具23を上昇させることができ、これにより後述するように下受け治具23の上昇動作を基板搬送動作と重ね合わせて実行することが可能となり、基板搬送位置決め動作に要する時間を短縮することが可能となっている。従って、搬送制御部30は、基板検出手段によって基板が検出されたタイミングに基づいて昇降手段を動作させる昇降制御手段となっている。
【0019】
この基板搬送下受け装置は上記のように構成されており、次に基板搬送下受け動作について、図3を参照して説明する。まず、図3(a)に示すように、基板搬送機構3上に基板7Aが載置され、第3のモータM3(図1)を駆動することにより、基板7Aは基板搬送機構3上を移動する。このとき、第1のストッパ4Aは既に上昇して位置決め可能な状態にあり、第2のストッパ4Bは下降状態にあって基板の通過を妨げないようになっている。
【0020】
そして基板7Aが光学センサPH5によって検出されると、基板搬送機構2の第2のモータM2の駆動が開始される。これにより、図3(b)に示すように、基板7Aは基板搬送機構2上に乗り移り、さらに搬送方向へ移動する。またこのとき、基板搬送機構3上には次の基板7Bが載置され、同様に搬送方向への移動を開始する。
【0021】
この基板7Aの移動において、基板7Aが基板搬送機構2の光学センサPH3によって検出されると、第1の昇降機構25が駆動され、これにより下受け部21において下受け治具23の上昇が開始する。同様に、基板7Bの移動において、基板7Bが基板搬送機構3の光学センサPH5によって検出されると、第2の昇降機構26が駆動され、これにより下受け部22において下受け治具23の上昇が開始する。
【0022】
この後、図3(c)に示すように、基板7Aは基板搬送機構1に、また基板7Bは基板搬送機構2にそれぞれ乗り移るが、この間も下受け部21,22において下受け治具23は所定の上昇速度で上昇している。そして基板7Aが通過した後に、第2のストッパ4Bが上昇する。次いで光学センサPH2が基板7Aを検出すると、基板搬送機構1の搬送速度が低速に切り換えられる。
【0023】
この後基板7A、7Bは更に移動し、図3(d)に示すように、基板搬送機構1においては、基板7Aが第1のストッパ4Aに当接して停止するとともに、光学センサPH1が基板7Aの存在を検出する。そして機械搬送機構2においては、光学センサPH4が基板7Bを検出することにより、搬送速度が低速に切り換えられる。
【0024】
この後、図3(e)に示すように、基板搬送機構1の下受け部21において下受け治具23が上昇位置に到達し、下受けピン24の上端部が基板7Aの下面に当接して下受けする。基板搬送機構1の下受け部21においては、基板7Bが第2のストッパ4Bに当接して停止するとともに、光学センサPH3が基板7Bの存在を検出する。このとき、下受け治具23は上昇位置に到達する直前の状態にあり、この後基板7Bも下受けピン24によって下受けされる。
【0025】
上記基板搬送下受け動作においては、搬送・下受け対象の基板が位置決め停止位置に到達する前の所定のタイミング(上記例では、手前側の基板搬送機構に設けられた基板検出用の光学センサによって当該基板が検出されたタイミング)において、下受け治具23の上昇を開始することにより、基板移動手段による基板の移動と下受け部に設けられた下受け治具の上昇動作とを重ね合わせて行うようにしている。これにより、基板が停止位置に到達した後に上昇動作を開始する従来の基板搬送下受け装置と比較して、基板の下受け完了までに要する時間を短縮して、動作タクトタイムを短縮することが可能となっている。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、基板移動手段によって移動中の基板を位置決め手段の手前側で検出する基板検出手段と、基板検出手段によって基板が検出されたタイミングに基づいて下受け部昇降用の昇降手段を動作させる昇降制御手段とを備え、基板移動手段による基板の移動と昇降手段による下受け部の上昇動作とを重ね合わせて行うようにしたので、基板を位置決めのために停止させて下受けが完了するまでの動作タクトタイムを短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の基板搬送下受け装置の側面図
【図2】本発明の一実施の形態の基板搬送下受け装置の制御系のブロック図
【図3】本発明の一実施の基板搬送下受け動作の説明図
【符号の説明】
1,2、3 基板搬送機構
4A 第1のストッパ
4B 第2のストッパ
6 ベルト
7A,7B 基板
21、22 下受け部
23 下受け治具
24 下受けピン
30 搬送制御部
M1,M2,M3 モータ
Claims (1)
- 電子部品が実装される基板を搬送し所定位置に位置決めするとともに位置決めされた基板の下面を下受け部によって支持して下受けする基板搬送下受け装置であって、前記基板を移動させる基板移動手段と、基板移動手段上の基板を停止させ位置決めする位置決め手段と、前記下受け部を昇降させる昇降手段と、基板移動手段によって移動中の前記基板を前記位置決め手段の手前側で検出する基板検出手段と、基板検出手段によって基板が検出されたタイミングに基づいて前記昇降手段を動作させる昇降制御手段とを備え、前記基板移動手段による基板の移動と前記昇降手段による下受け部の上昇動作とを重ね合わせて行うことを特徴とする基板搬送下受け装置。
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