JP4062655B2 - 架橋化ポジ型レジスト組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高解像性で耐エッチング性に優れるレジストパターンを形成可能な化学増幅型の架橋化ポジ型レジスト組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、化学増幅型ポジ型レジストを有機又は無機の下層反射防止膜と併用することにより、0.15〜0.22μm付近の解像性が達成され、このような微細なレジストパターンを必要とするリソグラフィープロセスが実用化され、すでに一部量産されている。
【0003】
一方、半導体素子の微細化のニーズはますます高まり、KrFエキシマレーザーを用いた0.12〜0.15μmの微細パターンを必要とする次世代プロセスの開発が進められている。このような高解像性を目的とするリソグラフィープロセスにおいては、レジスト膜厚の薄膜化(0.6μm以下)が求められるが、薄膜化により形成されたレジストパターンは耐エッチング性が劣るという問題が新たに生じてくる。
【0004】
従来、ヒドロキシスチレン単位を含む重合体又は共重合体をベース樹脂成分として用い、その水酸基をジビニルエーテルなどによりベース樹脂間で架橋させた、いわゆるクロスリンクタイプの化学増幅型ポジ型レジストが知られている(特開平6−148889号公報、特開平8−305025号公報)。
しかし、このようなクロスリンクタイプの化学増幅型ポジ型レジストは、一般的には従来のレジストより耐エッチング性は向上するが、レジスト膜を薄膜化した場合の解像性や耐エッチング性の点では十分に対応できないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、高解像性で耐エッチング性に優れ、しかも最近の薄膜化に対応しうるレジストパターンの形成が可能な化学増幅型の架橋化ポジ型レジスト組成物を提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、化学増幅型の架橋化ポジ型レジスト組成物について鋭意研究を重ねた結果、特定の構成単位を含む共重合体からなる樹脂を用いることにより、高解像性で耐エッチング性に優れ、しかも薄膜化のニーズにこたえられるパターンを与えるものが得られることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、(A)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂及び(B)放射線の照射により酸を発生する化合物を含有してなるレジスト組成物において、(A)成分が、(a1)一般式
【化5】
Figure 0004062655
(式中のRは水素原子又はメチル基である)
で表わされる構成単位、(a2)一般式
【化6】
Figure 0004062655
(式中のRは前記と同じ意味をもつ)
で表わされる構成単位、(a3)一般式
【化7】
Figure 0004062655
(式中のR1は水素原子又はメチル基、R2エチル基又はプロピル基、mは3〜7の整数である)
で表わされる構成単位及び(a4)一般式
【化8】
Figure 0004062655
(式中のR1は前記と同じ意味をもち、R3及びR4炭素数1〜5の低級アルキル基、nは1〜3の整数、Aは単結合又はn+1価の有機基である)
で表わされるジエステル、トリエステル又はテトラエステルから誘導される架橋型構成単位を含む共重合体であり、さらに場合により、(C)第三級脂肪族アミン又は(D)有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体あるいはこれらの(C)成分と(D)成分の両方を含有してなる架橋化ポジ型レジスト組成物を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の架橋化ポジ型レジスト組成物においては、(A)成分である酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂として、(a1)一般式
【化9】
Figure 0004062655
(式中のRは前記と同じ意味をもつ)
で表わされる構成単位、(a2)一般式
【化10】
Figure 0004062655
(式中のRは前記と同じ意味をもつ)
で表わされる構成単位、(a3)一般式
【化11】
Figure 0004062655
(式中のR1は水素原子又はメチル基、R2エチル基又はプロピル基、mは3〜7の整数である)
で表わされる構成単位及び(a4)一般式
【化12】
Figure 0004062655
(式中のR1は前記と同じ意味をもち、R3及びR4炭素数1〜5の低級アルキル基、nは1〜3の整数、Aは単結合又はn+1価の有機基である)
で表わされるジエステル、トリエステル又はテトラエステルから誘導される架橋型構成単位を必須構成単位とする共重合体を用いることが必要である。
【0009】
この(A)成分の樹脂は、構成単位(a1)によりアルカリ可溶性及び耐エッチング性、構成単位(a2)によりアルカリ不溶性及び耐エッチング性が付与されている。
また構成単位(a3)は、酸解離性溶解抑制基を有する単位で、露光により発生する酸の作用で第三級アルキル基が脱離し、エステル部がカルボキシル基に変化する。したがって、露光前は(A)成分の樹脂はアルカリ不溶性であったのが、露光後はアルカリ可溶性に変化する役割を果たしている。このものの未露光部は、該第三級アルキル基の2つのアルキル基が結合したモノシクロアルキル基、すなわち環状基のため、従来の鎖状第三級アルキル基、例えばtert‐ブチル基よりも耐エッチング性に優れ、コントラストの差も大きい。このモノシクロアルキル基は、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基であるが、特に高解像性で焦点深度幅が優れている点でシクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
上記構成単位(a3)におけるR2で示される低級アルキル基としては、酸解離性に優れている点で、エチル基、プロピル基のような炭素数2以上のアルキル基が好ましい。
【0010】
次に、構成単位(a4)は、少なくとも2個のアクリル酸又はメタクリル酸第三級アルキルエステルが、それぞれの第三級炭素原子に結合している1個のアルキル基において、有機基を介して連結した架橋型単位であって、露光により発生する酸の作用により、構成単位(a3)の場合と同様、エステル基がカルボキシル基に変化し、露光部の共重合体をアルカリ可溶性に変える。一方、未露光部においては、架橋基のまま残るので、共重合体はアルカリ不溶性を維持する。このため、アルカリ現像液に形成されるレジストパターンはコントラストの差が大きく、耐エッチング性に優れたものとなる。
【0011】
この構成単位(a4)におけるR3及びR4炭素数1〜5の低級アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、イソプロピル基、n‐ブチル基、イソブチル基、tert‐ブチル基、n‐ペンチル基などを挙げることができる。
また、Aは単結合又は(n+1)個の結合手を有する有機基、好ましくは炭素数1〜20の炭化水素基である。nが1の場合の炭化水素基の例としては、直鎖状若しくは枝分れ状アルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基などがあり、nが2の場合の炭化水素基の例としては、上記のアルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基の中の水素原子の1個が脱離した三価の基を、またnが3の場合の炭化水素基の例としては、上記のアルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基の中の水素原子の2個が脱離した四価の基をそれぞれ挙げることができる。特に好ましい構成単位(a4)はAが2〜10の直鎖状アルキレン基で、R3及びR4がメチル基のものである。
【0012】
このような架橋型構成単位(a4)は、例えばアクリル酸若しくはメタクリル酸又はそれらの反応性官能的誘導体、例えば酸ハライド2ないし4分子を各末端に水酸基を結合した第三級炭素原子をもつジオール類、トリオール類又はテトロール類のような水酸基2ないし4個をもつアルコール類1分子と結合させて得られる2ないし4個のエチレン性不飽和結合をもつジエステル、トリエステル又はテトラエステルから誘導される。
【0013】
上記のジオール類としては、例えば、2,3‐ジメチル‐2,3‐ブタンジオール、2,3‐ジエチル‐2,3‐ブタンジオール、2,3‐ジ‐n‐プロピル‐2,3‐ブタンジオール、2,4‐ジメチル‐2,4‐ペンタンジオール、2,4‐ジエチル‐2,4‐ペンタンジオール、2,4‐ジ‐n‐プロピル‐2,4‐ペンタンジオール、2,5‐ジメチル‐2,5‐ヘキサンジオール、2,5‐ジエチル‐2,5‐ヘキサンジオール、2,5‐ジ‐n‐プロピル‐2,5‐ヘキサンジオール、2,6‐ジメチル‐2,6‐ヘプタンジオール、2,6‐ジエチル‐2,6‐ヘプタンジオール、2,6‐ジ‐n‐プロピル‐2,6‐ヘプタンジオールのようなグリコール類を、トリオール類としては、例えば2,4‐ジメチル‐2,4‐ジヒドロキシ‐3‐(2‐ヒドロキシプロピル)ペンタン、2,4‐ジエチル‐2,4‐ジヒドロキシ‐3‐(2‐ヒドロキシプロピル)ペンタン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジヒドロキシ‐3‐(2‐ヒドロキシプロピル)ヘキサン、2,5‐ジエチル‐2,5‐ジヒドロキシ‐3‐(2‐ヒドロキシプロピル)ヘキサンのようなトリオール類、テトロール類としては、エリトリット、ペンタエリトリット、2,3,4,5‐ヘキサンテトロールのようなテトロール類をそれぞれ挙げることができる。
【0014】
これらのジエステル又はトリエステルの中で特に好ましいのは、一般式
【化13】
Figure 0004062655
(式中のR1は前記と同じ意味をもち、pは0、1又は2である)
で表わされるジエステル及び一般式
【化14】
Figure 0004062655
又は一般式
【化15】
Figure 0004062655
(式中のR1は前記と同じ意味をもつ)
で表わされるトリエステルである。
【0015】
なお、本発明における(A)成分においては、アルカリに対する溶解量がレジストパターンの解像性、レジストパターン形状などの主なレジスト特性を決定するファクターであるため、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する23℃における膜減量が5〜500nm/秒、特に10〜300nm/秒の範囲になるように調製することが好ましい。
【0016】
この(A)成分として用いられる各構成単位の含有割合については、特に制限はないが、構成単位(a1)が50〜80モル%、好ましくは65〜80モル%、構成単位(a2)が1〜25モル%、好ましくは5〜20モル%、構成単位(a3)が3〜25モル%、好ましくは5〜20モル%、及び構成単位(a4)が1〜15モル%、好ましくは3〜10モル%の範囲で選ばれる。
なお、構成単位(a1)ないし(a4)以外にも、所望に応じ本発明の効果をそこなわない範囲において、これまでKrF用やArF用のポジ型レジストのアクリル酸誘導体又はメタクリル酸誘導体単位として提案されている種々の構成単位を含ませることができる。
【0017】
また、本発明の架橋化ポジ型レジスト組成物においては、(B)成分である放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、酸発生剤と称する)としては、従来、化学増幅型ホトレジストにおいて使用される公知の酸発生剤の中から適宜選択して用いることができるが、特に好ましいのは炭素数1〜10のフルオロアルキルスルホン酸イオンのオニウム塩である。
【0018】
このようなオニウム塩の例としては、ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネート又はノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4‐tert‐ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネート又はノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート又はノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4‐メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート又はノナフルオロブタンスルホンネートなどを挙げることができるが、特に、ジフェニルヨードニウム又はビス(4‐tert‐ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネート又はノナフルオロブタンスルホネートが好ましい。
【0019】
本発明においては、この(B)成分の酸発生剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その配合量は、前記(A)成分100質量部に対し、通常1〜10質量部の範囲で選ばれる。この酸発生剤が1質量部未満では像形成ができにくいし、10質量部を超えると均一な溶液とならず、保存安定性が低下する。
【0020】
本発明組成物においては、露光から露光後の加熱処理までの引き置き経時安定性、レジストパターン形状、解像度の向上のため、必要に応じ、(C)成分として第三級脂肪族アミンを含有させることができる。この第三級脂肪族アミンの例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ‐n‐プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ‐n‐ブチルアミン、トリ‐イソブチルアミン、トリ‐tert‐ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリエタノールアミン、トリブタノールアミンなどが挙げられる。これらの中で、特にトリエタノールアミンが好適である。
【0021】
これらの第三級脂肪族アミンは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、露光から露光後の加熱処理までの引き置き経時安定性、レジストパターン形状、解像度などの点から、前記(A)成分100質量部に対し、通常0.01〜1.0質量部の範囲で選ばれる。
【0022】
さらに、本発明組成物においては、(C)成分の添加による感度劣化を防止し、各種基板に対して依存性をなくし良好なレジストパターンを得るために、必要に応じ(D)成分として、有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体あるいはこれらの(C)成分と(D)成分の両方を含有させることができる。
【0023】
この有機カルボン酸としては、飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸、脂環式カルボン酸、オキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ケトカルボン酸、芳香族カルボン酸、例えばp‐ヒドロキシ安息香酸、o‐ヒドロキシ安息香酸、2,5‐ジヒドロキシ安息香酸、2,6‐ジヒドロキシ安息香酸、3,4‐ジヒドロキシ安息香酸、3,5‐ジヒドロキシ安息香酸、2‐ビニル安息香酸、4‐ビニル安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸などが挙げられる。これらの中で、特にサリチル酸が好ましい。
【0024】
また、リンのオキソ酸若しくはその誘導体の例としては、リン酸、リン酸ジ‐n‐ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸、あるいはそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸ジ‐n‐ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられる。これらの中で、特にフェニルホスホン酸が好ましい。
【0025】
この(D)成分の配合量は、前記(A)成分100質量部に対し、通常0.01〜1.0質量部の範囲で選ばれる。この量が0.01質量部未満では、裾引きやテーパー形状を防止する効果が十分に発揮されないし、1.0質量部を超えるとレジストパターンの膜減りを生じる。裾引き、テーパー形状及びレジストパターンの膜減りなどを効果的に防止する点から、この(D)成分の好ましい配合量は0.1〜0.5質量部の範囲である。
【0026】
本発明の架橋化ポジ型レジスト組成物は、その使用に当って、上記各成分を溶剤に溶解した溶液の形で用いるのが好ましい。この際用いる溶剤の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2‐ヘプタノンなどのケトン類や、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、又はジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体や、ジオキサンなどの環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
【0027】
本発明組成物には、さらに所望により混和性のある添加物、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、安定剤、着色剤、界面活性剤などの慣用されているものを添加含有させることができる。
【0028】
本発明組成物の使用方法としては、従来のホトレジスト技術のレジストパターン形成方法が用いられるが、好適に行うには、まずシリコンウエーハのような支持体上に、又は必要に応じ有機系又は無機系反射防止膜を設けた支持体上に、該レジスト組成物の溶液をスピンナーなどで塗布し、プレベークして感光層を形成させ、これに例えばKrF露光装置などにより、KrFエキシマレーザー光を所望のマスクパターンを介して照射して像形成露光したのち、加熱処理する。なお、本発明で用いる(A)成分中の1‐アルキルシクロヘキシル基は、アセタール基やtert‐ブトキシカルボニルオキシ基に比べると、酸により脱離しにくい保護基であるため、上記プレベークと露光後の加熱処理の温度は、それぞれ130℃以上、特に140℃以上が好ましい。
【0029】
次に、これを現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液のようなアルカリ性水溶液などを用いて現像処理する。この形成方法でマスクパターンに忠実なパターンを得ることができる。
本発明の架橋化ポジ型レジスト組成物は電子線用ポジ型レジストとしても好適である。
【0030】
【発明の効果】
本発明によると、高解像性で耐エッチング性に優れるレジストパターンを形成可能な化学増幅型の架橋化ポジ型レジスト組成物が提供される。
【0031】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0032】
実施例1
(A)ヒドロキシスチレン単位63.0モル%とスチレン単位10.5モル%と1‐エチルシクロヘキシルアクリレート23.0モル%と2,5‐ジメチル‐2,5‐ヘキサンジオールのジアクリレート3.5モル%とからなる質量平均分子量25000の共重合体(2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する23℃における溶解量80Å/秒)100質量部、(B)ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート3質量部、(C)トリエタノールアミン0.16質量部及び(D)フェニルホスホン酸0.16質量部を、乳酸エチル500質量部に溶解し、さらにフッ素・シリコーン系界面活性剤[商品名「R−08」(大日本インキ社製)]を全量に対して0.1質量部を添加したのち、孔径0.2μmのメンブレンフィルターを通してろ過し、ポジ型レジスト溶液を得た。
【0033】
一方、反射防止膜形成剤[商品名「AR3」(シップレー社製)]により、膜厚60nmの反射防止膜を形成したシリコンウエーハ上に上記ポジ型レジスト溶液をスピンコートし、ホットプレート上で140℃で90秒間プレベークすることにより、膜厚0.45μmのレジスト層を形成した。
【0034】
次いで、ハーフトーンマスクを介して縮小投影露光装置NSRS−203B(ニコン社製、NA=0.68)により、KrFエキシマレーザーを選択的に照射したのち、140℃で90秒間熱処理し、次いで2.38質量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により23℃において60秒間パドル現像し、最後に100℃で60秒間ポストベークすることによりポジ型のレジストパターンを得た。
【0035】
このようにして、良好な形状の0.13μmホールパターンを得た。また、0.13μmのホールパターンが得られる焦点深度幅は0.5μmであった。さらに、エッチングガスにCF4とCHF3とヘリウムの混合ガスを用い、エッチングしたときの単位時間当りの膜減量は7.5nm/秒であった。
【0036】
実施例2
実施例1において、(A)成分をヒドロキシスチレン単位70.0モル%とスチレン単位15.0モル%と1‐エチルシクロヘキシルアクリレート10.0モル%と2,5‐ジメチル‐2,5‐ジヒドロキシ‐3‐(2‐ヒドロキシプロピル)ヘキサンのトリアクリレート5.0モル%とからなる質量平均分子量25000の共重合体(2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する23℃における溶解量100Å/秒)100質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、ポジ型レジスト溶液を調製し、次いで実施例1と同様なレジストパターニングを行った。
このようにして、良好な形状の0.13μmホールパターンを得た。また、0.13μmのホールパターンが得られる焦点深度幅は0.4μmであった。さらに、実施例1と同様にして単位時間当りの膜減量を求めたところ、7.0nm/秒であった。
【0037】
実施例3
実施例1において、(B)成分をジフェニルヨードニウムノナフルオロメタンスルホネート4.5質量部に代えた以外は、実施例1と同様にしてポジ型レジスト溶液を調製し、次いで実施例1と同様なレジストパターニングを行った。
このようにして、良好な形状の0.13μmホールパターンを得た。また、0.13μmのホールパターンが得られる焦点深度幅は0.4μmであった。さらに、実施例1と同様にして単位時間当りの膜減量を求めたところ、7.5nm/秒であった。
【0038】
比較例1
実施例1において、(A)成分をヒドロキシスチレン単位65.0モル%とスチレン単位20.0モル%と1‐エチルシクロヘキシルアクリレート15.0モル%とからなる質量平均分子量12000の共重合体(2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する23℃における溶解量80Å/秒)100質量部に代えた以外は、実施例1と同様にして、ポジ型レジスト溶液を調製し、次いで実施例1と同様なレジストパターニングを行った。
このようにして、ややテーパー形状の0.16μmホールパターンを得た。また、0.16μmのホールパターンが得られる焦点深度幅は0.4μmであった。さらに、実施例1と同様にして単位時間当りの膜減量を求めたところ、8.0nm/秒であった。
【0039】
比較例2
実施例1において、(A)成分をヒドロキシスチレン単位70.0モル%とスチレン単位15.0モル%とtert‐ブチルアクリレート10モル%と2,5‐ジメチル‐2,5‐ヘキサンジオールのジアクリレート5.0モル%とからなる質量平均分子量25000の共重合体(2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する23℃における溶解量80Å/秒)100質量部に代えた以外は、実施例1と同様にして、ポジ型レジスト溶液を調製し、次いで実施例1と同様なレジストパターニングを行った。
このようにして、良好な形状の0.15μmホールパターンを得たが、限界であった。
また、0.15μmのホールパターンが得られる焦点深度幅は0.4μmであった。さらに、実施例1と同様にして単位時間当りの膜減量を求めたところ、12.0nm/秒であった。

Claims (7)

  1. (A)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂及び(B)放射線の照射により酸を発生する化合物を含有してなるレジスト組成物において、(A)成分が、(a1)一般式
    Figure 0004062655
    (式中のRは水素原子又はメチル基である)
    で表わされる構成単位、(a2)一般式
    Figure 0004062655
    (式中のRは前記と同じ意味をもつ)
    で表わされる構成単位、(a3)一般式
    Figure 0004062655
    (式中のR1は水素原子又はメチル基、R2エチル基又はプロピル基、mは3〜7の整数である)
    で表わされる構成単位及び(a4)一般式
    Figure 0004062655
    (式中のR1は前記と同じ意味をもち、R3及びR4炭素数1〜5の低級アルキル基、nは1〜3の整数、Aは単結合又はn+1価の有機基である)
    で表わされるジエステル、トリエステル又はテトラエステルから誘導される架橋型構成単位を含む共重合体であることを特徴とする架橋化ポジ型レジスト組成物。
  2. 構成単位(a4)中のnが1であり、Aが炭素数1〜20の直鎖状、若しくは枝分れ状アルキレン基又は部分的若しくは全体的に環化されたアルキレン基である請求項記載の架橋化ポジ型レジスト組成物。
  3. 構成単位(a4)中のnが1であり、Aが炭素数2〜10の直鎖状アルキレン基、R3及びR4がメチル基である請求項記載の架橋化ポジ型レジスト組成物。
  4. (A)成分が、構成単位(a1)50〜80モル%、構成単位(a2)1〜25モル%、構成単位(a3)3〜25モル%及び構成単位(a4)1〜15モル%からなる共重合体である請求項1ないしのいずれかに記載の架橋化ポジ型レジスト組成物。
  5. (A)成分が、2.38質量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する膜減量5〜500nm/秒を示すものである請求項1ないしのいずれかに記載の架橋化ポジ型レジスト組成物。
  6. さらに、(C)第三級脂肪族アミン又は(D)有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体あるいはこれらの(C)成分と(D)成分の両方を、それぞれ(A)成分100質量部当り0.01〜1.0質量部の範囲で含有する請求項1ないしのいずれかに記載の架橋化ポジ型レジスト組成物。
  7. (D)成分がサリチル酸又はフェニルホスホン酸である請求項記載の架橋化ポジ型レジスト組成物。
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