JP2004333548A - ポジ型ホトレジスト組成物およびレジストパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高いエッチング耐性を有するとともに高解像性を得ることができ、電子線による露光工程を用いて微細パターンを形成できるポジ型ホトレジスト組成物、および該ポジ型ホトレジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法を提供する。
【解決手段】酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、有機溶剤(C)を含み、前記(A)成分がヒドロキシスチレンから誘導される第1の構成単位(a1)、およびアルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される第2の構成単位(a2)を含む共重合体からなり、前記構成単位(a1)の水酸基および前記構成単位(a2)のアルコール性水酸基のうちの一部が酸解離性溶解抑制基により保護されているEB用ポジ型ホトレジスト組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、有機溶剤(C)を含み、前記(A)成分がヒドロキシスチレンから誘導される第1の構成単位(a1)、およびアルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される第2の構成単位(a2)を含む共重合体からなり、前記構成単位(a1)の水酸基および前記構成単位(a2)のアルコール性水酸基のうちの一部が酸解離性溶解抑制基により保護されているEB用ポジ型ホトレジスト組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子線(以下EBと略記することもある)を用いて露光する工程を経てレジストパターンを形成する方法に好適に用いられるポジ型ホトレジスト組成物、およびレジストパターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、リソグラフィー技術の進歩により、レジストパターンの微細化が急速に進んでいる。最近では100nm以下のラインアンドスペース、さらには70nm以下のアイソレートパターンを形成可能な解像性が求められるようになっている。
このような高解像性を実現するための微細加工技術として、特に電子線照射を用いて露光する方法が注目されている。そのような電子線による露光工程を用いた方法に好適なホトレジスト材料として提案されているポジ型ホトレジスト組成物としては、一般に、ベース樹脂として、ポリヒドロキシスチレン系樹脂の水酸基の一部を酸解離性溶解抑制基で保護したものが用いられている。該酸解離性溶解抑制基としては、1−エトキシエチル基に代表される鎖状エーテル基又はテトラヒドロピラニル基に代表される環状エーテル基等のいわゆるアセタール基、tert−ブチル基に代表される第3級アルキル基、tert−ブトキシカルボニル基に代表される第3級アルコキシカルボニル基等が主に用いられている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−227658号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、微細加工技術においては、高アスペクト比の微細な、特に100nm以下のラインアンドスペースパターンを形成させることが、現像液の表面張力によるパターン倒れ等の問題から、実現が困難であった。その解決策として、ホトレジスト膜を薄膜化することが考えられるが、従来のホトレジスト組成物を用いて薄膜化を行うと、エッチング耐性が十分ではなかった。
【0005】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、高いエッチング耐性を有するとともに高解像性を得ることができ、電子線による露光を用いて微細パターンを形成できるポジ型ホトレジスト組成物、および該ポジ型ホトレジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明のポジ型ホトレジスト組成物は、電子線を用いて露光する工程を経てレジストパターンを形成する方法に用いられるポジ型ホトレジスト組成物であって、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、有機溶剤(C)を含み、前記(A)成分がヒドロキシスチレンから誘導される第1の構成単位(a1)、およびアルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される第2の構成単位(a2)を含む共重合体からなり、前記構成単位(a1)の水酸基および前記構成単位(a2)のアルコール性水酸基のうちの一部が酸解離性溶解抑制基により保護されていることを特徴とする。
【0007】
また本発明のレジストパターン形成方法は、本発明のポジ型ホトレジスト組成物を基板上に塗布し、プレべークし、電子線を用いて選択的に露光した後、PEB(露光後加熱)を施し、アルカリ現像してレジストパターンを形成することを特徴とする。
【0008】
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方あるいは両方を意味する。「構成単位」とは、重合体を構成するモノマー単位を意味する。
また「露光」には電子線の照射も含まれる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポジ型ホトレジスト組成物は、酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含む。
前記(A)成分においては、露光により前記(B)成分から発生した酸が作用すると、酸解離性溶解抑制基が解離し、これによって(A)成分全体がアルカリ不溶性からアルカリ可溶性に変化する。
そのため、レジストパターンの形成において露光すると又は露光に加えて露光後加熱すると、露光部はアルカリ可溶性へ転じる一方で未露光部はアルカリ不溶性をのまま変化しないので、アルカリ現像することによりポジ型のレジストパターンが形成できる。
【0010】
[樹脂成分(A)]
本発明において、樹脂成分(A)は、ヒドロキシスチレンから誘導される第1の構成単位(a1)と、アルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される第2の構成単位(a2)を必須の構成単位として有し、第1の構成単位(a1)の水酸基および第2の構成単位(a2)のアルコール性水酸基のうちの一部が酸解離性溶解抑制基で保護された共重合体である必要がある。
この共重合体は、前記第1の構成単位(a1)および第2の構成単位(a2)のほかに、さらにスチレンから誘導される第3の構成単位(a3)を有する共重合体であってもよい。
【0011】
第1の構成単位(a1)
(A)成分の第1の構成単位(a1)は、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位であり、下記一般式(I)で表される。即ち、ここでのヒドロキシスチレンとは、文字どおりのヒドロキシスチレン又はα−メチルヒドロキシスチレンの両方を意味する。
下記一般式(I)で表される、第1の構成単位(a1)において、水酸基の位置は、o−位、m−位、p−位のいずれでもよいが、容易に入手可能で低価格であることからp−位が好ましい。
【0012】
【化1】
(式中Rは水素原子又はメチル基である。)
【0013】
第2の構成単位(a2)
(A)成分の第2の構成単位(a2)は、アルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
かかる(a2)単位は、ヒドロキシスチレン単位よりもアルカリ現像液に対する溶解性が低いので、本発明の(A)成分は、従来のポリヒドロキシスチレンの水酸基の一部を酸解離性溶解抑制基で保護した樹脂よりも、酸解離性溶解抑制基が脱離した状態でのアルカリ現像液に対する溶解性が低くなっている。このため、従来のポリヒドロキシスチレン系樹脂より低い保護率でもアルカリ現像液に対する十分な不溶性を得ることができ、これにより、酸解離性溶解抑制基に起因する現像欠陥を抑えつつ高解像性を達成することができる。
すなわち本発明においては、ヒドロキシスチレン単位に代えて、これよりもアルカリ溶解性に劣るアルコール性水酸基をベース樹脂側鎖中の一部に導入しうる構成単位を用いることにより、アルカリ現像液に対する溶解性を低下させている。したがって、本発明における第2の構成単位(a2)は、そのような作用を有する限り、アルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位であれば、限定されるものではないが、高解像性、耐ドライエッチング性に優れることから、アルコール性水酸基を有する脂肪族多環式基含有(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位が好ましいものとして挙げられる。
【0014】
上記アルコール性水酸基を有する脂肪族多環式基を構成する多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テロラシクロアルカンなどから1個の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。この様な多環式基は、ArFホトレジストにおいて、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。これらの中でもアダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデカニル基が工業上好ましい。
【0015】
特には、第2の構成単位(a2)として、下記一般式(II)で表される、少なくとも一つのアルコール性水酸基を有するアダマンチル基含有(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を好適に用いることができる。
下記一般式(II)で表される第2の構成単位(a2)の中で最も好ましいのは下記一般式(IIa)で表される構成単位である。
【0016】
【化2】
(式中Rは水素原子又はメチル基、xは1〜3の整数である。)
【0017】
また、第2の構成単位(a2)の中でも、アクリル酸エステルから誘導される構成単位は、メタクリル酸エステルから誘導される構成単位よりも、酸解離性溶解抑制基が脱離した状態でのアルカリ現像液に対する溶解性が高いので、酸解離性溶解抑制基による保護割合を高くしてコントラストを向上させることができる。したがって構成単位(a2)としてアルコール性水酸基を有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位を用いることが、現像欠陥を抑えつつ解像性を向上させるうえでより好ましい。構成単位(a2)のうちの80モル%以上がアルコール性水酸基を有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位であることが好ましく、100モル%がより好ましい。
【0018】
酸解離性溶解抑制基
(A)成分において、第1の構成単位(a1)の水酸基と第2の構成単位(a2)のアルコール性水酸基のうち一部の水酸基が酸解離性溶解抑制基で保護されている必要がある。
前記酸解離性溶解抑制基としては、従来の化学増幅型のKrF用ポジ型ホトレジスト組成物およびArF用ポジ型ホトレジスト組成物における、酸解離性溶解抑制基として提案されているものを適宜用いることができ、例えば、tert−ブチル基、tert−アミル基、1‐メチルシクロペンチル基、1‐エチルシクロペンチル基、1‐メチルシクロヘキシル基、1‐エチルシクロヘキシル基等の鎖状又は環嬢の第3級アルキル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等の環状エーテル基、又は下記一般式(III)で表される1位が炭素数1〜8の鎖状、分岐状、又は環状のアルコキシ基で置換された1−低級アルコキシアルキル基等を用いることができる。この中でも、特に一般式(III)で表される1−低級アルコキシアルキル基が好ましい。それらの具体例としては、1−エトキシエチル基、1‐イソプロポキシエチル基のような鎖状又は分岐状アルコキシアルキル基、1‐シクロヘキシルオキシエチル基のような環状アルコキシアルキル基が挙げられ、それらの中でも特に解像性能に優れることから、1−エトキシエチル基が好ましい。
【0019】
【化3】
(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2は炭素数1〜8の鎖状又は分岐状のアルキル基、または炭素数5〜7のシクロアルキル基を表す。)
【0020】
本発明において、(A)成分における水酸基の保護割合は、第1の構成単位(a1)の水酸基と前記第2の構成単位(a2)のアルコール性水酸基との合計の10モル%以上35モル%以下の範囲であり、好ましくは20モル%以上30モル%以下である。
水酸基の保護割合が、上記範囲を超えると現像欠陥が生じやすく、上記範囲よろい低いと解像性能の劣化が大きくなる。
【0021】
第1の構成単位(a1)の水酸基と第2の構成単位(a2)のアルコール性水酸基がそれぞれどの程度保護されているかは、限定されないが、第1の構成単位(a1)の水酸基(ヒドロキシスチレンのフェノール性水酸基)のみ、又は(a1)の水酸基および(a2)のアルコール性水酸基の両方が酸解離性溶解抑制基で保護されている方が好ましい。
また、酸解離性溶解抑制基にも依存するが、(a1)の水酸基および(a2)のアルコール性水酸基の両方が酸解離性溶解抑制基で保護される場合がより好ましい。
【0022】
第3の構成単位(a3)
(A)成分の第3の構成単位(a3)は、スチレンから誘導される構成単位であり、下記一般式(IV)で表される。即ち、ここでのスチレンとは、アルキル置換スチレン、文字どおりのスチレン又はα−メチルスチレンの両方を意味する。
【0023】
【化4】
(式中Rは水素原子又はメチル基であり、R3は炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは0又は1〜3の整数である。)
【0024】
(A)成分において、前記酸解離性溶解抑制基で保護する前の共重合体の前記構成単位(a1)と前記構成単位(a2)とのモル比、すなわち第1の構成単位:第2の構成単位が95:5〜75:25の範囲内であることが好ましく、より好ましい範囲は82:18〜78:22である。第2の構成単位(a2)が、上記の範囲より多いと現像液に対する溶解性が不足し、少ないと第2の構成単位を用いたことによる効果が十分に得られない。
また、(A)成分において、前記酸解離性溶解抑制基で保護する前の共重合体の第1の構成単位(a1)と第2の構成単位(a2)の合計が、(A)成分全体において、90モル%以上であることが好ましく、これより少ないと解像性が劣化する傾向がある。第1の構成単位(a1)と第2の構成単位(a2)の合計は、より好ましくは95モル%以上であり、100モル%でもよい。
【0025】
本発明において、第3の構成単位(a3)は必須ではないが、これを含有させると焦点深度が向上する、耐ドライエッチング性が向上するなどの利点が得られる。第3の構成単位(a3)を用いる場合は、(A)成分を構成する構成単位の合計の0.5〜10モル%とすることが好ましく、より好ましくは2〜5モル%である。第3の構成単位(a3)が上記範囲より多いと現像液に対する溶解性が劣化する傾向にある。
【0026】
第1の構成単位(a1)と第2の構成単位(a2)を必須の構成単位とする共重合体の、水酸基の一部が酸解離性溶解抑制基で保護される前における質量平均分子量(ポリスチレン換算、以下同様)は2000以上8500以下が好ましく、より好ましくは4500以上8500以下である。該質量平均分子量が8500を超えるとマイクロブリッジが発生し易くなり、また、該質量平均分子量が2000未満であると耐エッチング性や耐熱性に劣る。
ここでのマイクロブリッジとは、現像欠陥の一種で、例えばラインアンドスペースパターンにおいて、隣接するレジストパターンの表面に近い部分どうしがホトレジストでつながれて橋かけ状態になった欠陥をいう。
マイクロブリッジは、質量平均分子量が高いほど、また露光後加熱(PEB)の温度が高いほど発生し易い。
また、前記共重合体の、水酸基の一部が酸解離性溶解抑制基で保護される前における分散度(Mw/Mn比)は、分散度が小さい単分散であると、解像性に優れ好ましい。具体的には、2.0以下、好ましくは1.7以下である
【0027】
樹脂成分(A)は、例えば、水酸基が保護されていない(a1)に相当するモノマーと、水酸基が保護されていない(a2)に相当するモノマーとを共重合させた後、(a1)および/または(a2)の水酸基を、周知の手法により酸解離性溶解抑制基で保護する方法により製造することができる。
または、予め水酸基が酸解離性溶解抑制基で保護された(a1)に相当するモノマーを調製し、これと(a2)に相当するモノマーを常法により共重合させた後、加水分解により、酸解離性溶解抑制基で保護された水酸基の一部を水酸基に変え、さらに必要であれば(a2)の水酸基を、周知の手法により酸解離性溶解抑制基で保護する方法によっても製造することができる。
【0028】
本発明のポジ型ホトレジスト組成物における樹脂成分(A)の含有量は、形成しようとするホトレジスト膜厚に応じて調整すればよい。一般的には、固形分濃度にして、5〜20質量%、より好ましくは7〜15質量%である。
【0029】
[酸発生剤成分(B)]
酸発生剤成分(B)としては、従来、化学増幅型ホトレジストにおける酸発生剤として公知のものの中から任意のものを適宜選択して用いることができる。
該酸発生剤のなかでもフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩やオキシムスルホネート化合物が好ましい。
オニウム塩の例としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、(p−tert−ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、(4−トリフルオロメチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−トリフルオロメチルフェニル)ジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリ(p−tert−ブチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネートなどのオニウム塩などが挙げられる。
【0030】
オキシムスルホネート化合物の例としては、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐フェニルアセトニトリル、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐p‐メトキシフェニルアセトニトリル、α‐(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)‐フェニルアセトニトリル、α‐(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)‐p‐メトキシフェニルアセトニトリル、α‐(エチルスルホニルオキシイミノ)‐p‐メトキシフェニルアセトニトリル、α‐(プロピルスルホニルオキシイミノ)‐p‐メチルフェニルアセトニトリル、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐p‐ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。これらの中で、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐p‐メトキシフェニルアセトニトリルが好ましい。
【0031】
(B)成分として、1種の酸発生剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分の使用量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜10質量部とされる。0.5質量部未満ではパターン形成が十分に行われないし、30質量部を超えると均一な溶液が得られにくく、保存安定性が低下する原因となるおそれがある。
【0032】
[有機溶剤(C)]
本発明のポジ型ホトレジスト組成物は、材料を有機溶剤(C)に溶解させて製造することができる。
(C)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型ホトレジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種又は2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類や、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、又はジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体や、ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルピン酸メチル、ピルピン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度とされる。
【0033】
[含窒素有機化合物(D)]
本発明のポジ型ホトレジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の(D)成分として含窒素有機化合物を配合させることができる。
この含窒素有機化合物は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良いが、第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。ここで、脂肪族アミンとはアルキルまたはアルキルアルコールのアミンを言う。
【0034】
(D)成分の具体例としては、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のアルキルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールのアミンが挙げられる。その中でも炭素数7〜15のアルキル基を有する第2級または第3級の脂肪族アミンが好ましい。炭素数が7〜15のアルキル基を有することによって、該脂肪族アミンが、形成されたレジストパターン中で拡散しにくいため均等に分布でき、微細なレジストパターンを形状性良く形成するうえで好ましい。本発明において、特にトリ−n−オクチルアミンのようなアルキルアミンが好ましい。
これら(D)成分は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらは、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜2.0質量部の範囲で用いられる。
【0035】
また、前記(D)成分との配合による感度劣化を防ぎ、またレジストパターン形状、引き置き安定性等の向上の目的で、さらに任意の(E)成分として、有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体を含有させることができる。なお、(D)成分と(E)成分は併用することもできるし、いずれか1種を用いることもできる。
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸‐ジ‐n‐ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸‐ジ‐n‐ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられ、これらの中で特にホスホン酸が好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
【0036】
[その他の任意成分]
本発明のポジ型ホトレジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばホトレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤などを適宜、添加含有させることができる。
【0037】
本発明にかかるホトレジスト組成物は、従来のポリヒドロキシスチレン系樹脂を用いた化学増幅型のポジ型ホトレジスト組成物に比べて、エッチング耐性および解像性に優れるものである。したがってホトレジスト膜の薄膜化が可能であり、レジストパターンが微細であっても、ホトレジスト膜を薄くすることによってアスペクト比を小さくしてパターン倒れを防ぐことができる。よって、微細加工に好適な、電子線(EB)による露光工程を有するレジストパターン形成方法に有効に用いることができる。
【0038】
[レジストパターン形成方法]
本発明のレジストパターン形成方法は例えば以下の様にして行うことができる。
すなわち、まずシリコンウェーハのような基板上に、上記ポジ型ホトレジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベークを40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施してホトレジスト膜を形成する。
本発明において、ホトレジスト膜の膜厚は200nm程度まで薄くすることができ、好ましくは200nm以上400nm未満程度である。
次いで、このホトレジスト膜に対して、電子線はマスクパターンを介して照射してもよいが、マスクを介さずに直接照射して描画することもできる。
次いで、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いでこれをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像処理する。このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
【0039】
また、本発明のポジ型ホトレジスト組成物は、次のような、シュリンクプロセスを用いた狭小工程を含むレジストパターン形成方法にも好適に用いることができる。
【0040】
シュリンクプロセスは、基板上に形成されたレジストパターンを、水溶性樹脂被覆で被覆した後、加熱処理により該水溶性樹脂被覆を熱収縮させ、その熱収縮作用によりレジストパターン間の間隔を狭小させる方法である。
【0041】
より具体的には、まず、基板上に形成されたレジストパターン上に、水溶性ポリマー等を含む被覆形成剤を塗布し、好ましくはレジストパターン全体の表面上に水溶性樹脂被覆を形成して積層体を形成する。なお、被覆形成剤を塗布した後に、80〜100℃の温度で30〜90秒間、基板にプリベークを施してもよい。
次いで、得られた積層体に対して熱処理を行って、水溶性樹脂被覆を熱収縮させる。この水溶性樹脂被覆の熱収縮作用により、該水溶性樹脂被覆に接するレジストパターンの側壁同士が互いに引き寄せられ、パターン間の間隔が狭められる。このレジストパターン間の間隔は、最終的に得られるパターンサイズ(ホールパターンの径やラインアンドスペースパターンの幅)を規定することから、水溶性樹脂被覆の熱収縮により、パターンサイズを狭小化させることができ、レジストパターンの微小化を行うことができる。
【0042】
加熱温度は、水溶性樹脂被覆の収縮を起こし得る温度であって、パターンサイズを狭小させるのに十分な温度であれば、特に限定されるものでないが、レジストパターンの軟化点よりも低い温度で加熱するのが好ましい。このような温度での加熱処理により、プロフィルの良好なパターンの形成をより効果的に行うことができ、また特に基板面内における狭小量のピッチ依存性、すなわち基板面内におけるパターンサイズに対する狭小量の依存性を小さくすることができる等の点において極めて効果的である。
【0043】
なお「レジストパターンの軟化点」とは、基板上に形成したレジストパターンが、基板の加熱処理により自発的に流動化(フロー)し始める温度を意味する。レジストパターンの軟化点は、レジストパターンを形成するホトレジスト組成物によりそれぞれ異なる。現在のホトリソグラフィー技術において用いられる種々のホトレジスト組成物の軟化点を考慮すると、好ましい加熱処理は通常、80〜160℃程度の温度範囲で、ただしホトレジストが熱流動を起さない温度で、30〜90秒間程度行われる。
【0044】
水溶性樹脂被覆の厚さは、レジストパターンの高さと同程度あるいはそれを覆う程度の高さが好ましく、通常、0.1〜0.5μm程度が適当である
【0045】
この後、パターン上に残留する熱収縮した水溶性樹脂被覆は、水系溶剤、好ましくは純水により10〜60秒間洗浄することにより除去する。水溶性樹脂被覆は、水での洗浄除去が容易で、かつ、基板およびレジストパターンから完全に除去することができる。
【0046】
水溶性樹脂被覆を形成する被覆形成剤に含まれる水溶性ポリマーは、室温で水に溶解し得るポリマーであればよく、特に制限されるものでないが、プロトン供与性を有する少なくとも1種のモノマーから誘導される構成単位と、プロトン受容性を有する少なくとも1種のモノマーから誘導される構成単位とを含むものが好ましく用いられる。このような樹脂を用いることにより、加熱による体積収縮が良好に行われる。
このような水溶性ポリマーとしては、プロトン供与性を有する少なくとも1種のモノマーから誘導される構成単位と、プロトン受容性を有する少なくとも1種のモノマーから誘導される構成単位とを有する共重合体を含むものであってもよく、また、プロトン供与性を有する少なくとも1種のモノマーから誘導される構成単位を有する重合体と、プロトン受容性を有する少なくとも1種のモノマーから誘導される構成単位を有する重合体との混合物を含むものであってもよいが、相溶性等を考慮すると、共重合体を用いることが好ましい。
このような水溶性ポリマーとしては、特に、工業上の点から、アクリル系重合体、ビニル系重合体、セルロース系誘導体、アルキレングリコール系重合体、尿素系重合体、メラミン系重合体、エポキシ系重合体、アミド系重合体などが好ましく用いられる。
【0047】
中でも、アルキレングリコール系重合体、セルロース系重合体、ビニル系重合体、アクリル系重合体の中から選ばれる少なくとも1種を含む構成とするのが好ましく、特には、pH調整が容易であるという点からアクリル系重合体が最も好ましい。さらには、アクリル系重合体と、アクリル系重合体以外の水溶性ポリマーとの共重合体とすることが、加熱処理時にレジストパターンの形状を維持しつつ、レジストパターンサイズを効率よく狭小させることができるという点から好ましい。水溶性ポリマーは1種または2種以上を用いることができる。
プロトン供与性を有するモノマーとしては、例えば、アクリルアミドやN−ビニルピロリドンが好ましい。
プロトン受容性を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸が好ましい。
そして、プロトン供与性を有するモノマーとしてN−ビニルピロリドン、プロトン受容性を有するモノマーとしてアクリル酸を含む水溶性ポリマーが好ましい。
【0048】
被覆形成剤には、さらに、界面活性剤を含有させることが好ましい。界面活性剤としては、特に限定されるものでないが、上記水溶性ポリマーに添加した際、溶解性が高く、懸濁を発生せず、ポリマー成分に対する相溶性がある、等の特性が必要である。このような特性を満たす界面活性剤を用いることにより、従来問題となっていた、特に被覆用材料を塗布する際の気泡(マイクロフォーム)発生と関係があるとされる、ディフェクトの発生をより効果的に防止することができる。
具体的には、N−アルキルピロリドン系界面活性剤、第4級アンモニウム塩系界面活性剤、およびポリオキシエチレンのリン酸エステル系界面活性剤の中から選ばれる少なくとも1種が好ましく用いられる。
【0049】
界面活性剤の配合量は、被覆形成剤の総固形分に対して0.1〜10質量%程度とするのが好ましく、特には0.2〜2質量%程度である。上記配合量範囲を外れた場合、塗布性の悪化に起因する、面内均一性の低下に伴うパターンの収縮率のバラツキ、あるいはマイクロフォームと呼ばれる塗布時に発生する気泡に因果関係が深いと考えられるディフェクトの発生といった問題が生じるおそれがある。
【0050】
また被覆形成剤には、不純物発生防止、pH調整等の点から、所望により、さらに水溶性アミンを配合してもよい。
さらに被覆形成剤には、レジストパターンサイズの微細化、ディフェクトの発生抑制などの点から、所望により、さらに非アミン系水溶性有機溶媒を配合してもよい。
【0051】
被覆形成剤は、3〜50質量%濃度の水溶液として用いるのが好ましく、5〜20質量%濃度の水溶液として用いるのが特に好ましい。濃度が3質量%未満では基板への被覆不良となるおそれがあり、一方、50質量%超では、濃度を高めたことに見合う効果の向上が認められず、取扱い性の点からも好ましくない。
【0052】
なお、被覆形成剤は、上記したように溶媒として水を用いた水溶液として通常用いられるが、水とアルコール系溶媒との混合溶媒を用いることもできる。アルコール系溶媒としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の1価アルコール等が挙げられる。これらのアルコール系溶媒は、水に対して30質量%程度を上限として混合して用いられる。
【0053】
【実施例】
以下、本発明を実施例を示して詳しく説明する。
[実施例1]
まず(A)成分を用意した。すなわち、p−ヒドロキシスチレン、前記一般式(IIa)において、Rが水素原子であるアダマンタノールアクリレートの共重合体(モル比80:20、質量平均分子量(Mw)は7700、分散度(Mw/Mn)は1.5)とエチルビニルエーテルを、酸触媒下で公知の手法により反応させて、前記共重合体の水酸基を1−エトキシエチル基で保護した樹脂(A1)を得た。
この樹脂(A1)を1H−NMRで分析した結果、p−ヒドロキシスチレンとアダマンタノールの合計水酸基の数に対する1−エトキシエトキシ基の数は27%であった。これより、水酸基の保護割合が27モル%であると認められた。
【0054】
この樹脂(A1)を(A)成分として用い、(A)成分100質量部と、(B)成分として、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート6.0質量部と、(D)成分として、トリオクチルアミン0.5質量部、サリチル酸0.2質量部、および非イオン性フッ素・シリコーン系界面活性剤(商品名メガファックR−08(大日本インキ化学工業社製))0.05質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PM」と記載する。)1300質量部に溶解させてポジ型ホトレジスト組成物を得た。
【0055】
一方、8インチのシリコンウェーハ上にヘキサメチルジシラザン処理を施した基板を用意した。
上記で得られたポジ型ホトレジスト組成物を、基板上にスピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で100℃、90秒間プレベークして、乾燥させることにより、膜厚200nmのホトレジスト層を形成した。
ついで、電子線描画機(日立製HL−800D、70kV加速電圧)を用いて、ホトレジスト層に直接電子線を照射して描画した。
そして、110℃、90秒間の条件でPEB処理し、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間パドル現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスした。振り切り乾燥を行った後、100℃で60秒間加熱して乾燥させて、ラインアンドスペース1:1のレジストパターンを形成した。
得られたレジストパターンをSEM(走査型電子顕微鏡)により観察したところ、線幅70nmのラインアンドスペースパターンが解像性良く形成されており、パターン倒れも生じていなかった。また、同様の手順で孔径80nmのホールパターン(1:1のデンスパターン)を形成したところ、解像性は良好であった。
【0056】
ついで、上記で形成した線幅70nmのラインアンドスペースパターンをマスクとして、基板にドライエッチングを施すエッチング速度試験を行った。すなわち、エッチングガスとして酸素とテトラフルオロメタンとの混合ガスを用い、エッチング速度を測定したところ、後述の比較例1において同条件で測定した場合と比べて1.2倍エッチング速度が遅く、優れたエッチング耐性を有することがわかった。
【0057】
また、上記ポジ型ホトレジスト組成物を、基板上にスピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で100℃、90秒間プレベークして、乾燥させることにより、膜厚200nmのホトレジスト層を形成した。次に、電子線描画機(日立製HL−800D、70kV加速電圧)を用いて大面積露光(6mm×6mm)パターンを形成した基板について、KLAテンコール社製の表面欠陥観察装置 KLA2132により観察したところ、表面欠陥(ディフェクト)の数は10個以下であり、現像欠陥が有効に防止されていることが認められた。
【0058】
[比較例1]
実施例1において、(A)成分である樹脂(A1)に代えて、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(質量平均分子量8000、分散度1.2)の水酸基の一部を1−エトキシエチル基で保護した樹脂成分(水酸基の保護割合は45モル%)を用いた。これを用いた他は実施例1と同様にして、ホトレジスト組成物を調製した。
そして、得られたホトレジスト組成物を用いて実施例1と同様にしてラインアンドスペースパターンを形成したところ、線幅90nmのラインアンドスペースパターンまで解像した。
【0059】
実施例1と同様な方法で、表面欠陥の数を調べたところ、欠陥が多すぎ計測不能であった。
また実施例1と同様に、形成した線幅90nmのラインアンドスペースパターンをマスクとして、基板にドライエッチングを施すエッチング速度試験を行ったところ、実施例1および後述の実施例2と比べてエッチング速度が早く、エッチング耐性が劣ることがわかった。
【0060】
[実施例2]
まず(A)成分を用意した。すなわち、p−ヒドロキシスチレンと前記一般式(IIa)において、Rがメチル基であるアダマンタノールメタクリレートの共重合体(モル比80:20、質量平均分子量(Mw)は8000、分散度(Mw/Mn)は1.7)とエチルビニルエーテルを、酸触媒下で公知の手法により反応させて、前記共重合体の水酸基を1−エトキシエチル基で保護した樹脂(A2)を得た。
この樹脂(A2)を1H−NMRで分析した結果、p−ヒドロキシスチレンとアダマンタノールの合計水酸基の数に対する1−エトキシエトキシ基の数は20%であった。これより、水酸基の保護割合が20モル%であると認められた。
【0061】
この樹脂(A2)を(A)成分として用いた他は実施例1と同様にして、ホトレジスト組成物を調製した。
そして、得られたホトレジスト組成物を用いて実施例1と同様にしてラインアンドスペースパターンを形成した。
得られたレジストパターンをSEM(走査型電子顕微鏡)により観察したところ、線幅70nmのラインアンドスペースパターンが解像性良く形成されており、パターン倒れも生じていなかった。
【0062】
また、実施例1と同様にして表面欠陥の数を調べたところ、20個以下であった。
また実施例1と同様に、形成した線幅70nmのラインアンドスペースパターンをマスクとして、基板にドライエッチングを施すエッチング速度試験を行ったところ、比較例1と比べて1.エッチング速度が1.2倍遅く、優れたエッチング耐性を有することがわかった。
【0063】
[実施例3]
実施例1で形成した孔径80nmのホールパターンを形成した基板を用い、シュリンクプロセスによる狭小工程を行った。
すなわち、形成したホールパターン上に、アクリル酸とビニルピロリドンのコポリマー(アクリル酸:ビニルピロリドン=2:1(質量比))10g、およびN−アルキルピロリドン系界面活性剤として「SURFADONE LP100」(ISP社製)0.02gを純水に溶解し、全体の固形分濃度を8.0質量%とした水溶性樹脂被覆を塗布して積層体とした。積層体の水溶性樹脂被覆の膜厚(基板表面からの高さ)は200nmであった。この積層体に対し、120℃で60秒間加熱処理を行った後、23℃で純水を用いて水溶性樹脂被覆を除去した。
この処理により、ホールパターンの孔径は60nmになり、レジストパターンの垂直形状は加熱処理前の良好な形状を維持していた。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、エッチング耐性に優れるとともに良好な解像性を有していてホトレジスト膜の薄膜化が可能であり、電子線を用いた露光により微細なレジストパターンを実現することができるポジ型ホトレジスト組成物、および該ポジ型ホトレジスト組成物を用いたパターン形成方法が得られる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子線(以下EBと略記することもある)を用いて露光する工程を経てレジストパターンを形成する方法に好適に用いられるポジ型ホトレジスト組成物、およびレジストパターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、リソグラフィー技術の進歩により、レジストパターンの微細化が急速に進んでいる。最近では100nm以下のラインアンドスペース、さらには70nm以下のアイソレートパターンを形成可能な解像性が求められるようになっている。
このような高解像性を実現するための微細加工技術として、特に電子線照射を用いて露光する方法が注目されている。そのような電子線による露光工程を用いた方法に好適なホトレジスト材料として提案されているポジ型ホトレジスト組成物としては、一般に、ベース樹脂として、ポリヒドロキシスチレン系樹脂の水酸基の一部を酸解離性溶解抑制基で保護したものが用いられている。該酸解離性溶解抑制基としては、1−エトキシエチル基に代表される鎖状エーテル基又はテトラヒドロピラニル基に代表される環状エーテル基等のいわゆるアセタール基、tert−ブチル基に代表される第3級アルキル基、tert−ブトキシカルボニル基に代表される第3級アルコキシカルボニル基等が主に用いられている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−227658号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、微細加工技術においては、高アスペクト比の微細な、特に100nm以下のラインアンドスペースパターンを形成させることが、現像液の表面張力によるパターン倒れ等の問題から、実現が困難であった。その解決策として、ホトレジスト膜を薄膜化することが考えられるが、従来のホトレジスト組成物を用いて薄膜化を行うと、エッチング耐性が十分ではなかった。
【0005】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、高いエッチング耐性を有するとともに高解像性を得ることができ、電子線による露光を用いて微細パターンを形成できるポジ型ホトレジスト組成物、および該ポジ型ホトレジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明のポジ型ホトレジスト組成物は、電子線を用いて露光する工程を経てレジストパターンを形成する方法に用いられるポジ型ホトレジスト組成物であって、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、有機溶剤(C)を含み、前記(A)成分がヒドロキシスチレンから誘導される第1の構成単位(a1)、およびアルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される第2の構成単位(a2)を含む共重合体からなり、前記構成単位(a1)の水酸基および前記構成単位(a2)のアルコール性水酸基のうちの一部が酸解離性溶解抑制基により保護されていることを特徴とする。
【0007】
また本発明のレジストパターン形成方法は、本発明のポジ型ホトレジスト組成物を基板上に塗布し、プレべークし、電子線を用いて選択的に露光した後、PEB(露光後加熱)を施し、アルカリ現像してレジストパターンを形成することを特徴とする。
【0008】
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方あるいは両方を意味する。「構成単位」とは、重合体を構成するモノマー単位を意味する。
また「露光」には電子線の照射も含まれる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポジ型ホトレジスト組成物は、酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含む。
前記(A)成分においては、露光により前記(B)成分から発生した酸が作用すると、酸解離性溶解抑制基が解離し、これによって(A)成分全体がアルカリ不溶性からアルカリ可溶性に変化する。
そのため、レジストパターンの形成において露光すると又は露光に加えて露光後加熱すると、露光部はアルカリ可溶性へ転じる一方で未露光部はアルカリ不溶性をのまま変化しないので、アルカリ現像することによりポジ型のレジストパターンが形成できる。
【0010】
[樹脂成分(A)]
本発明において、樹脂成分(A)は、ヒドロキシスチレンから誘導される第1の構成単位(a1)と、アルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される第2の構成単位(a2)を必須の構成単位として有し、第1の構成単位(a1)の水酸基および第2の構成単位(a2)のアルコール性水酸基のうちの一部が酸解離性溶解抑制基で保護された共重合体である必要がある。
この共重合体は、前記第1の構成単位(a1)および第2の構成単位(a2)のほかに、さらにスチレンから誘導される第3の構成単位(a3)を有する共重合体であってもよい。
【0011】
第1の構成単位(a1)
(A)成分の第1の構成単位(a1)は、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位であり、下記一般式(I)で表される。即ち、ここでのヒドロキシスチレンとは、文字どおりのヒドロキシスチレン又はα−メチルヒドロキシスチレンの両方を意味する。
下記一般式(I)で表される、第1の構成単位(a1)において、水酸基の位置は、o−位、m−位、p−位のいずれでもよいが、容易に入手可能で低価格であることからp−位が好ましい。
【0012】
【化1】
(式中Rは水素原子又はメチル基である。)
【0013】
第2の構成単位(a2)
(A)成分の第2の構成単位(a2)は、アルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
かかる(a2)単位は、ヒドロキシスチレン単位よりもアルカリ現像液に対する溶解性が低いので、本発明の(A)成分は、従来のポリヒドロキシスチレンの水酸基の一部を酸解離性溶解抑制基で保護した樹脂よりも、酸解離性溶解抑制基が脱離した状態でのアルカリ現像液に対する溶解性が低くなっている。このため、従来のポリヒドロキシスチレン系樹脂より低い保護率でもアルカリ現像液に対する十分な不溶性を得ることができ、これにより、酸解離性溶解抑制基に起因する現像欠陥を抑えつつ高解像性を達成することができる。
すなわち本発明においては、ヒドロキシスチレン単位に代えて、これよりもアルカリ溶解性に劣るアルコール性水酸基をベース樹脂側鎖中の一部に導入しうる構成単位を用いることにより、アルカリ現像液に対する溶解性を低下させている。したがって、本発明における第2の構成単位(a2)は、そのような作用を有する限り、アルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位であれば、限定されるものではないが、高解像性、耐ドライエッチング性に優れることから、アルコール性水酸基を有する脂肪族多環式基含有(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位が好ましいものとして挙げられる。
【0014】
上記アルコール性水酸基を有する脂肪族多環式基を構成する多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テロラシクロアルカンなどから1個の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。この様な多環式基は、ArFホトレジストにおいて、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。これらの中でもアダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデカニル基が工業上好ましい。
【0015】
特には、第2の構成単位(a2)として、下記一般式(II)で表される、少なくとも一つのアルコール性水酸基を有するアダマンチル基含有(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を好適に用いることができる。
下記一般式(II)で表される第2の構成単位(a2)の中で最も好ましいのは下記一般式(IIa)で表される構成単位である。
【0016】
【化2】
(式中Rは水素原子又はメチル基、xは1〜3の整数である。)
【0017】
また、第2の構成単位(a2)の中でも、アクリル酸エステルから誘導される構成単位は、メタクリル酸エステルから誘導される構成単位よりも、酸解離性溶解抑制基が脱離した状態でのアルカリ現像液に対する溶解性が高いので、酸解離性溶解抑制基による保護割合を高くしてコントラストを向上させることができる。したがって構成単位(a2)としてアルコール性水酸基を有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位を用いることが、現像欠陥を抑えつつ解像性を向上させるうえでより好ましい。構成単位(a2)のうちの80モル%以上がアルコール性水酸基を有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位であることが好ましく、100モル%がより好ましい。
【0018】
酸解離性溶解抑制基
(A)成分において、第1の構成単位(a1)の水酸基と第2の構成単位(a2)のアルコール性水酸基のうち一部の水酸基が酸解離性溶解抑制基で保護されている必要がある。
前記酸解離性溶解抑制基としては、従来の化学増幅型のKrF用ポジ型ホトレジスト組成物およびArF用ポジ型ホトレジスト組成物における、酸解離性溶解抑制基として提案されているものを適宜用いることができ、例えば、tert−ブチル基、tert−アミル基、1‐メチルシクロペンチル基、1‐エチルシクロペンチル基、1‐メチルシクロヘキシル基、1‐エチルシクロヘキシル基等の鎖状又は環嬢の第3級アルキル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等の環状エーテル基、又は下記一般式(III)で表される1位が炭素数1〜8の鎖状、分岐状、又は環状のアルコキシ基で置換された1−低級アルコキシアルキル基等を用いることができる。この中でも、特に一般式(III)で表される1−低級アルコキシアルキル基が好ましい。それらの具体例としては、1−エトキシエチル基、1‐イソプロポキシエチル基のような鎖状又は分岐状アルコキシアルキル基、1‐シクロヘキシルオキシエチル基のような環状アルコキシアルキル基が挙げられ、それらの中でも特に解像性能に優れることから、1−エトキシエチル基が好ましい。
【0019】
【化3】
(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2は炭素数1〜8の鎖状又は分岐状のアルキル基、または炭素数5〜7のシクロアルキル基を表す。)
【0020】
本発明において、(A)成分における水酸基の保護割合は、第1の構成単位(a1)の水酸基と前記第2の構成単位(a2)のアルコール性水酸基との合計の10モル%以上35モル%以下の範囲であり、好ましくは20モル%以上30モル%以下である。
水酸基の保護割合が、上記範囲を超えると現像欠陥が生じやすく、上記範囲よろい低いと解像性能の劣化が大きくなる。
【0021】
第1の構成単位(a1)の水酸基と第2の構成単位(a2)のアルコール性水酸基がそれぞれどの程度保護されているかは、限定されないが、第1の構成単位(a1)の水酸基(ヒドロキシスチレンのフェノール性水酸基)のみ、又は(a1)の水酸基および(a2)のアルコール性水酸基の両方が酸解離性溶解抑制基で保護されている方が好ましい。
また、酸解離性溶解抑制基にも依存するが、(a1)の水酸基および(a2)のアルコール性水酸基の両方が酸解離性溶解抑制基で保護される場合がより好ましい。
【0022】
第3の構成単位(a3)
(A)成分の第3の構成単位(a3)は、スチレンから誘導される構成単位であり、下記一般式(IV)で表される。即ち、ここでのスチレンとは、アルキル置換スチレン、文字どおりのスチレン又はα−メチルスチレンの両方を意味する。
【0023】
【化4】
(式中Rは水素原子又はメチル基であり、R3は炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは0又は1〜3の整数である。)
【0024】
(A)成分において、前記酸解離性溶解抑制基で保護する前の共重合体の前記構成単位(a1)と前記構成単位(a2)とのモル比、すなわち第1の構成単位:第2の構成単位が95:5〜75:25の範囲内であることが好ましく、より好ましい範囲は82:18〜78:22である。第2の構成単位(a2)が、上記の範囲より多いと現像液に対する溶解性が不足し、少ないと第2の構成単位を用いたことによる効果が十分に得られない。
また、(A)成分において、前記酸解離性溶解抑制基で保護する前の共重合体の第1の構成単位(a1)と第2の構成単位(a2)の合計が、(A)成分全体において、90モル%以上であることが好ましく、これより少ないと解像性が劣化する傾向がある。第1の構成単位(a1)と第2の構成単位(a2)の合計は、より好ましくは95モル%以上であり、100モル%でもよい。
【0025】
本発明において、第3の構成単位(a3)は必須ではないが、これを含有させると焦点深度が向上する、耐ドライエッチング性が向上するなどの利点が得られる。第3の構成単位(a3)を用いる場合は、(A)成分を構成する構成単位の合計の0.5〜10モル%とすることが好ましく、より好ましくは2〜5モル%である。第3の構成単位(a3)が上記範囲より多いと現像液に対する溶解性が劣化する傾向にある。
【0026】
第1の構成単位(a1)と第2の構成単位(a2)を必須の構成単位とする共重合体の、水酸基の一部が酸解離性溶解抑制基で保護される前における質量平均分子量(ポリスチレン換算、以下同様)は2000以上8500以下が好ましく、より好ましくは4500以上8500以下である。該質量平均分子量が8500を超えるとマイクロブリッジが発生し易くなり、また、該質量平均分子量が2000未満であると耐エッチング性や耐熱性に劣る。
ここでのマイクロブリッジとは、現像欠陥の一種で、例えばラインアンドスペースパターンにおいて、隣接するレジストパターンの表面に近い部分どうしがホトレジストでつながれて橋かけ状態になった欠陥をいう。
マイクロブリッジは、質量平均分子量が高いほど、また露光後加熱(PEB)の温度が高いほど発生し易い。
また、前記共重合体の、水酸基の一部が酸解離性溶解抑制基で保護される前における分散度(Mw/Mn比)は、分散度が小さい単分散であると、解像性に優れ好ましい。具体的には、2.0以下、好ましくは1.7以下である
【0027】
樹脂成分(A)は、例えば、水酸基が保護されていない(a1)に相当するモノマーと、水酸基が保護されていない(a2)に相当するモノマーとを共重合させた後、(a1)および/または(a2)の水酸基を、周知の手法により酸解離性溶解抑制基で保護する方法により製造することができる。
または、予め水酸基が酸解離性溶解抑制基で保護された(a1)に相当するモノマーを調製し、これと(a2)に相当するモノマーを常法により共重合させた後、加水分解により、酸解離性溶解抑制基で保護された水酸基の一部を水酸基に変え、さらに必要であれば(a2)の水酸基を、周知の手法により酸解離性溶解抑制基で保護する方法によっても製造することができる。
【0028】
本発明のポジ型ホトレジスト組成物における樹脂成分(A)の含有量は、形成しようとするホトレジスト膜厚に応じて調整すればよい。一般的には、固形分濃度にして、5〜20質量%、より好ましくは7〜15質量%である。
【0029】
[酸発生剤成分(B)]
酸発生剤成分(B)としては、従来、化学増幅型ホトレジストにおける酸発生剤として公知のものの中から任意のものを適宜選択して用いることができる。
該酸発生剤のなかでもフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩やオキシムスルホネート化合物が好ましい。
オニウム塩の例としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、(p−tert−ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、(4−トリフルオロメチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−トリフルオロメチルフェニル)ジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリ(p−tert−ブチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネートなどのオニウム塩などが挙げられる。
【0030】
オキシムスルホネート化合物の例としては、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐フェニルアセトニトリル、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐p‐メトキシフェニルアセトニトリル、α‐(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)‐フェニルアセトニトリル、α‐(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)‐p‐メトキシフェニルアセトニトリル、α‐(エチルスルホニルオキシイミノ)‐p‐メトキシフェニルアセトニトリル、α‐(プロピルスルホニルオキシイミノ)‐p‐メチルフェニルアセトニトリル、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐p‐ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。これらの中で、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐p‐メトキシフェニルアセトニトリルが好ましい。
【0031】
(B)成分として、1種の酸発生剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分の使用量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜10質量部とされる。0.5質量部未満ではパターン形成が十分に行われないし、30質量部を超えると均一な溶液が得られにくく、保存安定性が低下する原因となるおそれがある。
【0032】
[有機溶剤(C)]
本発明のポジ型ホトレジスト組成物は、材料を有機溶剤(C)に溶解させて製造することができる。
(C)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型ホトレジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種又は2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類や、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、又はジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体や、ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルピン酸メチル、ピルピン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度とされる。
【0033】
[含窒素有機化合物(D)]
本発明のポジ型ホトレジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の(D)成分として含窒素有機化合物を配合させることができる。
この含窒素有機化合物は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良いが、第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。ここで、脂肪族アミンとはアルキルまたはアルキルアルコールのアミンを言う。
【0034】
(D)成分の具体例としては、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のアルキルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールのアミンが挙げられる。その中でも炭素数7〜15のアルキル基を有する第2級または第3級の脂肪族アミンが好ましい。炭素数が7〜15のアルキル基を有することによって、該脂肪族アミンが、形成されたレジストパターン中で拡散しにくいため均等に分布でき、微細なレジストパターンを形状性良く形成するうえで好ましい。本発明において、特にトリ−n−オクチルアミンのようなアルキルアミンが好ましい。
これら(D)成分は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらは、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜2.0質量部の範囲で用いられる。
【0035】
また、前記(D)成分との配合による感度劣化を防ぎ、またレジストパターン形状、引き置き安定性等の向上の目的で、さらに任意の(E)成分として、有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体を含有させることができる。なお、(D)成分と(E)成分は併用することもできるし、いずれか1種を用いることもできる。
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸‐ジ‐n‐ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸‐ジ‐n‐ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられ、これらの中で特にホスホン酸が好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
【0036】
[その他の任意成分]
本発明のポジ型ホトレジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばホトレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤などを適宜、添加含有させることができる。
【0037】
本発明にかかるホトレジスト組成物は、従来のポリヒドロキシスチレン系樹脂を用いた化学増幅型のポジ型ホトレジスト組成物に比べて、エッチング耐性および解像性に優れるものである。したがってホトレジスト膜の薄膜化が可能であり、レジストパターンが微細であっても、ホトレジスト膜を薄くすることによってアスペクト比を小さくしてパターン倒れを防ぐことができる。よって、微細加工に好適な、電子線(EB)による露光工程を有するレジストパターン形成方法に有効に用いることができる。
【0038】
[レジストパターン形成方法]
本発明のレジストパターン形成方法は例えば以下の様にして行うことができる。
すなわち、まずシリコンウェーハのような基板上に、上記ポジ型ホトレジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベークを40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施してホトレジスト膜を形成する。
本発明において、ホトレジスト膜の膜厚は200nm程度まで薄くすることができ、好ましくは200nm以上400nm未満程度である。
次いで、このホトレジスト膜に対して、電子線はマスクパターンを介して照射してもよいが、マスクを介さずに直接照射して描画することもできる。
次いで、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いでこれをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像処理する。このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
【0039】
また、本発明のポジ型ホトレジスト組成物は、次のような、シュリンクプロセスを用いた狭小工程を含むレジストパターン形成方法にも好適に用いることができる。
【0040】
シュリンクプロセスは、基板上に形成されたレジストパターンを、水溶性樹脂被覆で被覆した後、加熱処理により該水溶性樹脂被覆を熱収縮させ、その熱収縮作用によりレジストパターン間の間隔を狭小させる方法である。
【0041】
より具体的には、まず、基板上に形成されたレジストパターン上に、水溶性ポリマー等を含む被覆形成剤を塗布し、好ましくはレジストパターン全体の表面上に水溶性樹脂被覆を形成して積層体を形成する。なお、被覆形成剤を塗布した後に、80〜100℃の温度で30〜90秒間、基板にプリベークを施してもよい。
次いで、得られた積層体に対して熱処理を行って、水溶性樹脂被覆を熱収縮させる。この水溶性樹脂被覆の熱収縮作用により、該水溶性樹脂被覆に接するレジストパターンの側壁同士が互いに引き寄せられ、パターン間の間隔が狭められる。このレジストパターン間の間隔は、最終的に得られるパターンサイズ(ホールパターンの径やラインアンドスペースパターンの幅)を規定することから、水溶性樹脂被覆の熱収縮により、パターンサイズを狭小化させることができ、レジストパターンの微小化を行うことができる。
【0042】
加熱温度は、水溶性樹脂被覆の収縮を起こし得る温度であって、パターンサイズを狭小させるのに十分な温度であれば、特に限定されるものでないが、レジストパターンの軟化点よりも低い温度で加熱するのが好ましい。このような温度での加熱処理により、プロフィルの良好なパターンの形成をより効果的に行うことができ、また特に基板面内における狭小量のピッチ依存性、すなわち基板面内におけるパターンサイズに対する狭小量の依存性を小さくすることができる等の点において極めて効果的である。
【0043】
なお「レジストパターンの軟化点」とは、基板上に形成したレジストパターンが、基板の加熱処理により自発的に流動化(フロー)し始める温度を意味する。レジストパターンの軟化点は、レジストパターンを形成するホトレジスト組成物によりそれぞれ異なる。現在のホトリソグラフィー技術において用いられる種々のホトレジスト組成物の軟化点を考慮すると、好ましい加熱処理は通常、80〜160℃程度の温度範囲で、ただしホトレジストが熱流動を起さない温度で、30〜90秒間程度行われる。
【0044】
水溶性樹脂被覆の厚さは、レジストパターンの高さと同程度あるいはそれを覆う程度の高さが好ましく、通常、0.1〜0.5μm程度が適当である
【0045】
この後、パターン上に残留する熱収縮した水溶性樹脂被覆は、水系溶剤、好ましくは純水により10〜60秒間洗浄することにより除去する。水溶性樹脂被覆は、水での洗浄除去が容易で、かつ、基板およびレジストパターンから完全に除去することができる。
【0046】
水溶性樹脂被覆を形成する被覆形成剤に含まれる水溶性ポリマーは、室温で水に溶解し得るポリマーであればよく、特に制限されるものでないが、プロトン供与性を有する少なくとも1種のモノマーから誘導される構成単位と、プロトン受容性を有する少なくとも1種のモノマーから誘導される構成単位とを含むものが好ましく用いられる。このような樹脂を用いることにより、加熱による体積収縮が良好に行われる。
このような水溶性ポリマーとしては、プロトン供与性を有する少なくとも1種のモノマーから誘導される構成単位と、プロトン受容性を有する少なくとも1種のモノマーから誘導される構成単位とを有する共重合体を含むものであってもよく、また、プロトン供与性を有する少なくとも1種のモノマーから誘導される構成単位を有する重合体と、プロトン受容性を有する少なくとも1種のモノマーから誘導される構成単位を有する重合体との混合物を含むものであってもよいが、相溶性等を考慮すると、共重合体を用いることが好ましい。
このような水溶性ポリマーとしては、特に、工業上の点から、アクリル系重合体、ビニル系重合体、セルロース系誘導体、アルキレングリコール系重合体、尿素系重合体、メラミン系重合体、エポキシ系重合体、アミド系重合体などが好ましく用いられる。
【0047】
中でも、アルキレングリコール系重合体、セルロース系重合体、ビニル系重合体、アクリル系重合体の中から選ばれる少なくとも1種を含む構成とするのが好ましく、特には、pH調整が容易であるという点からアクリル系重合体が最も好ましい。さらには、アクリル系重合体と、アクリル系重合体以外の水溶性ポリマーとの共重合体とすることが、加熱処理時にレジストパターンの形状を維持しつつ、レジストパターンサイズを効率よく狭小させることができるという点から好ましい。水溶性ポリマーは1種または2種以上を用いることができる。
プロトン供与性を有するモノマーとしては、例えば、アクリルアミドやN−ビニルピロリドンが好ましい。
プロトン受容性を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸が好ましい。
そして、プロトン供与性を有するモノマーとしてN−ビニルピロリドン、プロトン受容性を有するモノマーとしてアクリル酸を含む水溶性ポリマーが好ましい。
【0048】
被覆形成剤には、さらに、界面活性剤を含有させることが好ましい。界面活性剤としては、特に限定されるものでないが、上記水溶性ポリマーに添加した際、溶解性が高く、懸濁を発生せず、ポリマー成分に対する相溶性がある、等の特性が必要である。このような特性を満たす界面活性剤を用いることにより、従来問題となっていた、特に被覆用材料を塗布する際の気泡(マイクロフォーム)発生と関係があるとされる、ディフェクトの発生をより効果的に防止することができる。
具体的には、N−アルキルピロリドン系界面活性剤、第4級アンモニウム塩系界面活性剤、およびポリオキシエチレンのリン酸エステル系界面活性剤の中から選ばれる少なくとも1種が好ましく用いられる。
【0049】
界面活性剤の配合量は、被覆形成剤の総固形分に対して0.1〜10質量%程度とするのが好ましく、特には0.2〜2質量%程度である。上記配合量範囲を外れた場合、塗布性の悪化に起因する、面内均一性の低下に伴うパターンの収縮率のバラツキ、あるいはマイクロフォームと呼ばれる塗布時に発生する気泡に因果関係が深いと考えられるディフェクトの発生といった問題が生じるおそれがある。
【0050】
また被覆形成剤には、不純物発生防止、pH調整等の点から、所望により、さらに水溶性アミンを配合してもよい。
さらに被覆形成剤には、レジストパターンサイズの微細化、ディフェクトの発生抑制などの点から、所望により、さらに非アミン系水溶性有機溶媒を配合してもよい。
【0051】
被覆形成剤は、3〜50質量%濃度の水溶液として用いるのが好ましく、5〜20質量%濃度の水溶液として用いるのが特に好ましい。濃度が3質量%未満では基板への被覆不良となるおそれがあり、一方、50質量%超では、濃度を高めたことに見合う効果の向上が認められず、取扱い性の点からも好ましくない。
【0052】
なお、被覆形成剤は、上記したように溶媒として水を用いた水溶液として通常用いられるが、水とアルコール系溶媒との混合溶媒を用いることもできる。アルコール系溶媒としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の1価アルコール等が挙げられる。これらのアルコール系溶媒は、水に対して30質量%程度を上限として混合して用いられる。
【0053】
【実施例】
以下、本発明を実施例を示して詳しく説明する。
[実施例1]
まず(A)成分を用意した。すなわち、p−ヒドロキシスチレン、前記一般式(IIa)において、Rが水素原子であるアダマンタノールアクリレートの共重合体(モル比80:20、質量平均分子量(Mw)は7700、分散度(Mw/Mn)は1.5)とエチルビニルエーテルを、酸触媒下で公知の手法により反応させて、前記共重合体の水酸基を1−エトキシエチル基で保護した樹脂(A1)を得た。
この樹脂(A1)を1H−NMRで分析した結果、p−ヒドロキシスチレンとアダマンタノールの合計水酸基の数に対する1−エトキシエトキシ基の数は27%であった。これより、水酸基の保護割合が27モル%であると認められた。
【0054】
この樹脂(A1)を(A)成分として用い、(A)成分100質量部と、(B)成分として、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート6.0質量部と、(D)成分として、トリオクチルアミン0.5質量部、サリチル酸0.2質量部、および非イオン性フッ素・シリコーン系界面活性剤(商品名メガファックR−08(大日本インキ化学工業社製))0.05質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PM」と記載する。)1300質量部に溶解させてポジ型ホトレジスト組成物を得た。
【0055】
一方、8インチのシリコンウェーハ上にヘキサメチルジシラザン処理を施した基板を用意した。
上記で得られたポジ型ホトレジスト組成物を、基板上にスピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で100℃、90秒間プレベークして、乾燥させることにより、膜厚200nmのホトレジスト層を形成した。
ついで、電子線描画機(日立製HL−800D、70kV加速電圧)を用いて、ホトレジスト層に直接電子線を照射して描画した。
そして、110℃、90秒間の条件でPEB処理し、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間パドル現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスした。振り切り乾燥を行った後、100℃で60秒間加熱して乾燥させて、ラインアンドスペース1:1のレジストパターンを形成した。
得られたレジストパターンをSEM(走査型電子顕微鏡)により観察したところ、線幅70nmのラインアンドスペースパターンが解像性良く形成されており、パターン倒れも生じていなかった。また、同様の手順で孔径80nmのホールパターン(1:1のデンスパターン)を形成したところ、解像性は良好であった。
【0056】
ついで、上記で形成した線幅70nmのラインアンドスペースパターンをマスクとして、基板にドライエッチングを施すエッチング速度試験を行った。すなわち、エッチングガスとして酸素とテトラフルオロメタンとの混合ガスを用い、エッチング速度を測定したところ、後述の比較例1において同条件で測定した場合と比べて1.2倍エッチング速度が遅く、優れたエッチング耐性を有することがわかった。
【0057】
また、上記ポジ型ホトレジスト組成物を、基板上にスピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で100℃、90秒間プレベークして、乾燥させることにより、膜厚200nmのホトレジスト層を形成した。次に、電子線描画機(日立製HL−800D、70kV加速電圧)を用いて大面積露光(6mm×6mm)パターンを形成した基板について、KLAテンコール社製の表面欠陥観察装置 KLA2132により観察したところ、表面欠陥(ディフェクト)の数は10個以下であり、現像欠陥が有効に防止されていることが認められた。
【0058】
[比較例1]
実施例1において、(A)成分である樹脂(A1)に代えて、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(質量平均分子量8000、分散度1.2)の水酸基の一部を1−エトキシエチル基で保護した樹脂成分(水酸基の保護割合は45モル%)を用いた。これを用いた他は実施例1と同様にして、ホトレジスト組成物を調製した。
そして、得られたホトレジスト組成物を用いて実施例1と同様にしてラインアンドスペースパターンを形成したところ、線幅90nmのラインアンドスペースパターンまで解像した。
【0059】
実施例1と同様な方法で、表面欠陥の数を調べたところ、欠陥が多すぎ計測不能であった。
また実施例1と同様に、形成した線幅90nmのラインアンドスペースパターンをマスクとして、基板にドライエッチングを施すエッチング速度試験を行ったところ、実施例1および後述の実施例2と比べてエッチング速度が早く、エッチング耐性が劣ることがわかった。
【0060】
[実施例2]
まず(A)成分を用意した。すなわち、p−ヒドロキシスチレンと前記一般式(IIa)において、Rがメチル基であるアダマンタノールメタクリレートの共重合体(モル比80:20、質量平均分子量(Mw)は8000、分散度(Mw/Mn)は1.7)とエチルビニルエーテルを、酸触媒下で公知の手法により反応させて、前記共重合体の水酸基を1−エトキシエチル基で保護した樹脂(A2)を得た。
この樹脂(A2)を1H−NMRで分析した結果、p−ヒドロキシスチレンとアダマンタノールの合計水酸基の数に対する1−エトキシエトキシ基の数は20%であった。これより、水酸基の保護割合が20モル%であると認められた。
【0061】
この樹脂(A2)を(A)成分として用いた他は実施例1と同様にして、ホトレジスト組成物を調製した。
そして、得られたホトレジスト組成物を用いて実施例1と同様にしてラインアンドスペースパターンを形成した。
得られたレジストパターンをSEM(走査型電子顕微鏡)により観察したところ、線幅70nmのラインアンドスペースパターンが解像性良く形成されており、パターン倒れも生じていなかった。
【0062】
また、実施例1と同様にして表面欠陥の数を調べたところ、20個以下であった。
また実施例1と同様に、形成した線幅70nmのラインアンドスペースパターンをマスクとして、基板にドライエッチングを施すエッチング速度試験を行ったところ、比較例1と比べて1.エッチング速度が1.2倍遅く、優れたエッチング耐性を有することがわかった。
【0063】
[実施例3]
実施例1で形成した孔径80nmのホールパターンを形成した基板を用い、シュリンクプロセスによる狭小工程を行った。
すなわち、形成したホールパターン上に、アクリル酸とビニルピロリドンのコポリマー(アクリル酸:ビニルピロリドン=2:1(質量比))10g、およびN−アルキルピロリドン系界面活性剤として「SURFADONE LP100」(ISP社製)0.02gを純水に溶解し、全体の固形分濃度を8.0質量%とした水溶性樹脂被覆を塗布して積層体とした。積層体の水溶性樹脂被覆の膜厚(基板表面からの高さ)は200nmであった。この積層体に対し、120℃で60秒間加熱処理を行った後、23℃で純水を用いて水溶性樹脂被覆を除去した。
この処理により、ホールパターンの孔径は60nmになり、レジストパターンの垂直形状は加熱処理前の良好な形状を維持していた。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、エッチング耐性に優れるとともに良好な解像性を有していてホトレジスト膜の薄膜化が可能であり、電子線を用いた露光により微細なレジストパターンを実現することができるポジ型ホトレジスト組成物、および該ポジ型ホトレジスト組成物を用いたパターン形成方法が得られる。
Claims (13)
- 電子線を用いて露光する工程を経てレジストパターンを形成する方法に用いられるポジ型ホトレジスト組成物であって、
酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、有機溶剤(C)を含み、
前記(A)成分がヒドロキシスチレンから誘導される第1の構成単位(a1)、およびアルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される第2の構成単位(a2)を含む共重合体からなり、前記構成単位(a1)の水酸基および前記構成単位(a2)のアルコール性水酸基のうちの一部が酸解離性溶解抑制基により保護されていることを特徴とするポジ型ホトレジスト組成物。 - 前記樹脂成分(A)の、前記酸解離性溶解抑制基で保護される前の共重合体の質量平均分子量が2000以上8500以下である請求項1記載のポジ型ホトレジスト組成物。
- 前記構成単位(a1)の水酸基と前記構成単位(a2)のアルコール性水酸基との合計の10モル%以上35モル%以下が前記酸解離性溶解抑制基により保護されている請求項1または2に記載のポジ型ホトレジスト組成物。
- 前記樹脂成分(A)の前記酸解離性溶解抑制基で保護される前の共重合体における、前記構成単位(a1)と前記構成単位(a2)とのモル比が95:5〜75:25である請求項1〜3のいずれか一項に記載のポジ型ホトレジスト組成物。
- 前記構成単位(a2)がアルコール性水酸基を有する脂肪族多環式基含有(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位である請求項1〜4のいずれか一項に記載のポジ型ホトレジスト組成物。
- 前記の構成単位(a2)がアルコール性水酸基を有するアダマンチル基含有(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位である請求項5に記載のポジ型ホトレジスト組成物。
- 前記構成単位(a2)が、アルコール性水酸基を有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位のみからなる請求項1〜6のいずれか一項に記載のポジ型ホトレジスト組成物。
- 前記酸解離性溶解抑制基が、1−低級アルコキシアルキル基である請求項1〜7のいずれか一項に記載のポジ型ホトレジスト組成物。
- 前記樹脂成分(A)をなす前記共重合体がさらにスチレンから誘導される第3の構成単位(a3)を含むものである請求項1〜8のいずれか一項に記載のポジ型ホトレジスト組成物。
- 前記樹脂成分(A)における前記酸解離性溶解抑制基で保護する前の共重合体の分散度(Mw/Mn比)が2.0以下である請求項1〜9のいずれか一項に記載のポジ型ホトレジスト組成物。
- さらに含窒素有機化合物(D)を含有し、かつ該(D)成分が炭素数7〜15のアルキル基を有する2級または3級の脂肪族アミンを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のポジ型ホトレジスト組成物。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載のポジ型ホトレジスト組成物を基板上に塗布し、プレべークし、電子線を用いて選択的露光した後、PEB(露光後加熱)を施し、アルカリ現像してレジストパターンを形成することを特徴とするレジストパターン形成方法。
- さらに、アルカリ現像して得られたレジストパターン上に、水溶性ポリマーを含有する水溶性樹脂被覆を設けた後、加熱して前記水溶性樹脂被覆を収縮させることによって前記レジストパターンの間隔を狭小せしめる狭小工程を有する請求項12記載のレジストパターン形成方法。
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