JP3708688B2 - レジストパターン形成方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子、TFT(薄膜トランジスタ)、光ディスクなどの製造工程における微細加工のパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
以前よりLSIを始めとする電子部品の製造プロセスでは、フォトリソグラフィーを利用した微細加工技術が採用されている。すなわち、まずレジスト液を基板などの上に塗布してレジスト膜を成膜し、次いで得られたレジスト膜に対してパターン光の露光を行なった後、アルカリ現像等の処理を施してレジストパターンを形成する。続いて、このレジストパターンを耐エッチングマスクとして露出した基板などの表面をドライエッチングすることで、微細な幅の線や開孔部を形設し、最後にレジストをアッシング除去するというものである。
【0003】
したがって、ここで用いられるレジストには、一般に高いドライエッチング耐性が求められる。こういった観点から、これまでは芳香族化合物を含有するレジストが広く用いられてきており、具体的にはアルカリ可溶性であるノボラック樹脂などをベース樹脂としたものが数多く開発されている。
【0004】
一方LSIなどの高密度集積化に伴い、上述したような微細加工技術は近年サブハーフミクロンオーダーにまで及んでおり、今後こうした微細化はさらに顕著になることが予想されている。このため、フォトリソグラフィーにおける光源の短波長化が進行しており、現在波長193nmのArFエキシマレーザ光や波長218nmのYAGレーザの5倍高調波光による微細なレジストパターンの形成が試みられている。
【0005】
然るに、これまで一般的であったノボラック樹脂をベース樹脂としたレジストでは、上述した通りの短波長光に対してノボラック樹脂のベンゼン核での光吸収が大きい傾向がある。したがって、レジストパターンを形成しようとすると、露光時にレジスト膜の基板側にまで光を充分に到達させることが難しく、結果的にパターン形状の良好なパターンを高感度、高精度で形成することは困難であった。
【0006】
ところで、PCM(ポータブルコンフォーマブルマスク)法と呼ばれるパターン形成方法が1979年、Proc.SPIE.174,114においてB.J.Linによって示されている。これは、上層のレジストパターンを形成し、それをマスクとして下層を一括露光するパターン形成方法である。このPCM法で行なわれたものとして、A.W.McCulloughらによって1986年、Proc.SPIE.631,316に次のように報告されている。これにおいては、PMGI(ポリジメチルグルタルイミド)を下層材料として用い、上層のノボラック−ナフトキノンジアジドで形成したパターンをマスクとして一括露光してパターンを形成したものである。
【0007】
上述したようなPCM法は、下層をも露光・現像という工程でパターンを転写・形成するので、エッチングによるパターンの転写・形成にみられるスカムと呼ばれるごみ等が発生しないという利点を有している。その後も、多様なPCM法が提案されてきている。しかしながら、従来のPCM法では、下層感光性材料が通常のフェノール樹脂と比較してドライエッチング耐性が低い場合が多く、実用的でなかった。前述のA.W.McCulloughらの例では、上層感光性材料として、ノボラック−ナフトキノンジアジドという水銀ランプによるリソグラフィーで用いられる材料を用い、下層感光性材料としては、PMGIという水銀ランプよりも波長の短いKrFエキシマレーザー光によるリソグラフィーで用いられる材料が採用されている。このため、上層のパターンを形成するための露光光の波長が長く、光学的に細かいパターンを形成する優位性は存在していなかった。さらに、実際に感光性層を積層化するうえで、層間のミキシング等の問題により、微細パターンを形成しにくいという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、ノボラック樹脂をベース樹脂としたレジストはドライエッチング耐性が高くかつアルカリ現像が可能であるものの、短波長光に対する透明性が不十分であるため、ArFエキシマレーザ光やYAGレーザの5倍高調波光を用いたフォトリソグラフィーにも適したレジストの開発が強く望まれている。このような点を考慮して、最近は芳香族化合物にかわり脂環式化合物を含有するレジストが注目されており、例えば特開平4−39665号には、ドライエッチング耐性、短波長光に対する透明性とも良好なレジストとして、アダマンタン骨格を有する重合体をベース樹脂としたものが提案されている。またここでは、アダマンタン骨格を有する化合物をカルボン酸基を有するアクリル系化合物と共重合させることで重合体にアルカリ溶解性を付与し、アルカリ現像でレジストパターンを形成した例も示されている。
【0009】
しかしながら、脂環式化合物を含有するレジストについてこうしてアルカリ現像でレジストパターンを形成する場合、アダマンタン骨格のような脂環式構造とカルボン酸基との間でアルカリ溶解性が大きく相違するため、様々な問題が発生する。例えば、現像時にレジスト膜の所定の領域の溶解・除去が不均一なものとなり解像性の低下を招く一方、レジスト膜が残存するはずの領域でも部分的な溶解が生じてクラックや表面あれの原因となる。また、レジスト膜と基板との界面にアルカリ溶液が浸透して、レジストパターンが剥離してしまうこともあり、十分な密着性が得られない。さらに、重合体において脂環式構造を有する部分とカルボン酸部分との相分離が進みやすく、均一なレジスト液が調製され難いうえその塗布性も充分ではない。
【0010】
なお、高感度なレジストとして、酸の触媒作用を利用した化学増幅型レジストが開発されているが、この化学増幅型レジストは、露光後、PEBまでの時間による影響を受けやすい。特に、大気中に含まれるアミンの影響により得られるレジストパターンの形状が劣化し、場合によっては基板からの剥がれなどが生じることがある。
【0011】
また、上述したように従来のPCM法においては、上層感光性材料が、下層感光性材料より波長の長いリソグラフィーで用いられる材料が採用されており、光学的に細かいパターンを形成する優位性は何等存在していなかった。
【0012】
そこで本発明は、環境安定性に優れ、短波長光に対して高い透明性を有するとともに、アルカリ現像により基板との密着性が高く、解像性の良好な微細パターンを形成し得る感光性材料を提供することを目的とする。
【0013】
また本発明は、193nmという短い波長の光もしくは電子線で行なうことができ、さらに下層の露光においてマスクとなり得る高い吸収波長帯を有し、かつ下層膜との間にミキシング等を形成しにくいという3つの特徴をあわせもった特定の材料を上層材料として用いたPCM法による実用的なパターン形成方法を提供すること目的とする。
またさらに本発明は、得られたパターンを用いて精度よく微細加工を行なう電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、基板上に、フェノール系樹脂を含む下層感光性材料膜を形成する工程と、前記下層感光性材料膜の上に置換もしくは非置換脂環式骨格を含む上層感光性材料膜を形成する工程と、前記上層感光性材料膜の所定の領域にArFエキシマレーザー光を照射して露光を施す工程と、前記露光後の上層感光性材料膜の露光部または未露光部をアルカリ水溶液で溶解除去して現像する工程と、前記現像する工程の後に得られた上層感光性材料膜パターンをマスクとしてKrFエキシマレーザー光を一括照射し、現像処理を施して露光部を選択的に溶解・除去することにより、前記上層感光性材料膜パターンを前記下層感光性材料膜に転写する工程とを具備するレジストパターン形成方法を提供する。
【0019】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明において、アルカリ可溶性樹脂としては、アクリル酸、およびメタクリル酸等の共重合体からなるアルカリ可溶性樹脂を使用することができる。より具体的には、メンチルメタクリレート、メチルメタクリレートおよびメタクリル酸からなる共重合体メンチルアクリレート、メチルメタクリレート、およびメタクリル酸からなる共重合体などが挙げられる。
【0020】
本発明では、アルカリ可溶性樹脂が脂環式構造を有しているので、193nmにおける透明性が良いという利点に加えて、得られるレジストパターンに高いドライエッチング耐性を付与することができる。脂環式構造としては、一般式Cn2n(nは3以上の整数)で表わされる環状シクロ化合物や環状ビシクロ化合物、およびそれらの縮合環などが挙げられる。具体的には、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環やこれらに橋かけ炭化水素が導入されたもの、スピロヘプタン、スピロオクタンなどのスピロ環、ノルボニル環、アダマンチル環、ボルネン環、メンチル環、メンタン環などのテルペン環、ツジャン、サビネン、ツジョン、カラン、カレン、ピナン、ノルピナン、ボルナン、フェンカン、トリシクレン、コレステリック環などのステロイド骨格、胆汁酸、ジギタロイド類、ショウノウ環、イソショウノウ環、セスキテルペン環、サントン環、ジテルペン環、トリテルペン環、ステロイドサポニン類などが例示される。
【0023】
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂が脂環式骨格を含む場合には、かかるポリマーは、例えば、酸性置換基が導入された脂環式構造と重合性二重結合とを分子中に有する重合性化合物を、ラジカル重合、カチオン重合およびアニオン重合等で重合させたり、チグラーナッタ触媒下で重合させることで容易に得ることができる。一般に、脂環式構造および重合性二重結合を分子中に有する重合性化合物は、後者の触媒を用いることによって高分子量のポリマーとすることができる。しかしながら本発明では、低分子量のポリマーであっても、成膜さえできれば何等問題ないため、ラジカル重合などの簡便な手法を用いて重合し、低分子量化合物と高分子量化合物との混合した状態で用いてもよい。
【0024】
またこのとき、ポリマーのアルカリ溶解性調整やレジスト膜と基板との密着性向上の観点から、アクリル酸や無水マレイン酸およびこれらのエステル置換体、ビニルフェノール、ビニルナフトール、ヒドロキシエチルメタクリレート、SO2 などと共重合させることが好ましい。さらに、これらアルカリ可溶性化合物のアルカリ可溶性基について、アルカリ溶液に対する溶解抑止能を有する酸分解性基で保護してなる化合物を共重合させても構わない。しかしながら、レジストの短波長光に対する透明性を考慮すると、ベンゼン核など短波長域での光吸収の大きい分子骨格を有していない化合物と共重合させることが好ましく、具体的には波長193nmの光に対するポリマーの吸光度が1μm当たり4以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましい。
【0025】
ただしここで、アクリル酸などアルカリ可溶性化合物の共重合比は、共重合体中1〜50%、さらには10〜50%の範囲内であることが好ましい。何となれば、1%未満だとポリマーのアルカリ溶解性が不充分となるおそれがあり、逆に50%を越えると不均一な溶解を生じ、レジストパターンを形成しにくい傾向があるためである。
【0026】
なお、上述したようなポリマーの平均分子量は、500〜500,000、より好ましくは5,000〜15,000の範囲に設定されることが好ましい。何となれば、ポリマーの平均分子量が500未満だと、機械的強度の十分なレジスト膜を成膜するうえで不利となり、逆に500,000を越えると、解像性の良好なレジストパターンを形成することが困難となるからである。これらの化合物は、通常、種々の分子量を有する成分を含む混合体であるが、本発明では、比較的低い分子量の化合物でも効力を発揮する。例えば、500〜1,000の分子量に多く局在した場合も、不均一な溶解を抑制することができる。さらにこの場合、樹脂中には多くの単量体が残存していても、アルカリ現像液に対する溶解特性や得られるレジストパターンのドライエッチング耐性を劣化させることは少ない。
【0036】
ここで用いられる溶媒としては、例えば、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートなどのセロソルブ系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、γ−ブチロラクトンなどのエステル系溶媒;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのグリコール系溶媒;ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどの含窒素系溶媒などが挙げられる。さらに、溶解性向上のためこれらにジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアルデヒド、N−メチルピロリジノン等を添加した混合溶媒を用いることができる。また、メチルプロピオン酸メチル等のプロピオン酸誘導体、乳酸エチル等の乳酸エステル類やPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)等も、低毒性であり好ましく用いられ得る。なお本発明において、このような溶媒は単独でまたは2種以上を混合して用いることができ、さらにイソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール、ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコールなどの脂肪族アルコールやトルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒が含有されていても構わない。
【0037】
上述のようにして調製された感光性材料を用いたパターンの形成プロセスについて説明する。まず、上述したような有機溶媒に溶解された感光性材料の溶液を、回転塗布法やディッピング法などで所定に基板上に塗布した後、150℃以下好ましくは70〜120℃で乾燥してレジスト膜を形成する。
【0038】
なおここでの基板としては、例えばシリコンウェハ、表面に各種の絶縁膜や電極、配線などが形成されたシリコンウェハ、ブランクマスク、GaAs、AlGaAsなどの III−V族化合物半導体ウェハ、クロムまたは酸化クロム蒸着マスク、アルミ蒸着基板、BPSGコート基板、PSGコート基板、SOGコート基板、カーボン膜スパッタ基板などを使用することができる。
【0039】
さらに、これらの基板上にポリシランやポリシリコン等からなる中間層を0.5〜5μm程度の膜厚で形成した後、本発明の感光性材料を塗布して上層レジストとして用いることもできる。
【0040】
なお、溶媒の蒸発後、基板上に形成されるレジスト膜の膜厚は、用途によって異なるが、通常0.05〜15μmの範囲内にあることが好ましい。この範囲を逸脱すると、感度が著しく低下したり、解像度が低下するおそれがある。
【0041】
なお、露光後のレジスト膜に対しては、100℃程度のベークを行なっても構わない。
【0042】
次いで、浸漬法、スプレー法などでレジスト膜を現像し、露光部または未露光部のレジスト膜をアルカリ溶液に選択的に溶解・除去して、所望のパターンを形成する。このときアルカリ溶液の具体例としては、テトラメチルアンモニウムハイドロキシド水溶液、コリン水溶液などの有機アルカリ水溶液や、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの無機アルカリ水溶液、これらにアルコールや界面活性剤などを添加した溶液が挙げられる。なおここでのアルカリ溶液の濃度は、露光部と未露光部とで溶解速度の差を十分なものとする観点から、15wt%以下であることが好ましい。
【0043】
現像後の基板およびレジストパターンに対しては、水等を用いてリンス処理を施してもよい。本発明において上層に用いる感光性材料は、ArFエキシマレーザー光に対する透明性が良好である。このため、高感度、高精度でレジストパターンを形成することが可能である。
【0045】
なお、脂環式骨格を含むアルカリ可溶性樹脂を本発明において上層に用いる感光性材料の成分として配合した場合には、得られたレジストパターンにおいて、一方の炭素−炭素結合が切れても他方の結合が残る。このため、かかるレジストパターンは、高いドライエッチング耐性を有している。
【0046】
本発明の感光性材料を用いたパターン形成プロセスにおいては、上述したような工程以外の他の工程が付加されても何等差支えなく、例えばレジスト膜の下地としての平坦化層形成工程、レジスト膜と下地との密着性向上のための前処理工程、レジスト膜の現像後に水などで除去するリンス工程、ドライエッチング前の紫外線の再照射工程を適宜施すことが可能である。
【0047】
本発明のパターン形成方法は、多層レジストプロセスに関わる。このプロセスについて、以下に説明する。上述のパターン形成方法を多層プロセスに応用し、第1の化学放射線としてのArFエキシマレーザー光によって露光される上層と、第2の化学放射線としての248nmの波長のKrFエキシマレーザー光によって露光される下層とを形成することができる
【0048】
この場合、下層には200〜260nmの波長範囲によい透明性をもち、高いドライエッチング耐性を有する化学式(P−1)〜(P−4)で表わされるようなフェノール系樹脂などのレジストを用いることが好ましい。
【0051】
【化2】
Figure 0003708688
【0052】
ここで一般に、下層に十分なドライエッチング耐性があれば上層には必要なく、上層としては下層の露光時にマスクとなり得る吸光度を有していればよい。上層の膜厚もこの条件を満たすものであればよい。よって、膜厚は薄くすることができ、高い感度を敢えて要求しないので、化学増幅型レジストに加えて非化学増幅型レジストも好ましく用いられる。
【0053】
ところで、上層と下層との感光性材料層を形成する場合、しばしば層間で溶媒同士が混ざり合ってしまうミキシングが問題になる。層を形成する際に、上層と下層との感光性材料間にバリアコートと呼ばれる、上層および下層のいずれの層ともミキシングを起こさない層を形成することも解決方法の1つである。しかしながら、工程の短縮、材料の削減といった観点からすると、そのようなバリアコート層を含まない方が好ましい。
【0054】
本発明のパターン形成方法においては、上述したようなミキシングを生じにくい材料を使用しているためにその影響は極めて少ない。さらに一般にミキシングを防ぐためには、溶解しにくい材料が下層に用いられる。例えば、上層をArFエキシマレーザーで露光する場合、ポリヒドロキシスチレンベースのKrFエキシマレーザー用下層レジストに対しては、キシレン溶媒のArFエキシマレーザー用レジストを用いることができる。なお、キシレン溶媒の化学増幅型ArFエキシマレーザー用レジストを用いる場合、酸発生剤としては、ナフタリジルトリフレートなどの非イオン系光酸発生剤が好ましく用いられる。また、導入率の高いキノンジアジド化合物が、感光剤としても光酸発生剤としても好適に用いられる。
【0055】
さらに、上層ArFエキシマレーザー用レジストに特願平8−221230に記したような、ノボラックやナフトールノボラック等の光吸収性化合物を、193nmにおける透明性が著しく低下しない程度に含有させてもよい。これによって、210〜260nmの波長範囲で高い吸光度をもたせることができる。このノボラックやナフトールノボラックは溶解抑止剤としても作用する。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、合成例および実施例により本発明をより詳細に説明する。
(合成例1)
<側鎖に脂環式構造を有するアルカリ可溶性アクリル系樹脂の合成>
メンチルメタクリレート、メチルメタクリレート、メタクリル酸をそれぞれ33mol%、29mol%、38mol%、計6.0gをテトラヒドロフラン(THF)20gに混合した。続いて、得られた溶液にアゾイソブチルニトリル(AIBN)を0.73g添加し、攪拌しながら60℃で35時間加熱することによって反応させた後、反応液をn−ヘキサンに滴下した。その後、沈殿物を濾過、乾燥することで、重量平均分子量(スチレン換算)約10,000の共重合体を得た。
(合成例2)
<側鎖に脂環式構造及びジアゾ化合物を有するアルカリ可溶性アクリル系樹脂の合成>
等モルのヒドロキシエチルメタクリレートと、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライドとをジオキサンに溶解して10wt%のジオキサン溶液を得た。続いて、この溶液を20℃に保ちながら、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライドの1.2当量に相当する量のトリエチルアミンを、このジオキサン溶液にゆっくりと滴下して析出した塩を濾別し、多量の0.2%シュウ酸溶液に投入した。析出物を濾過し、次いでこれをイオン交換水で洗浄した後、真空乾燥してヒドロキエチルメタクリレートナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを得た。
【0058】
次に、メンチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、メタクリル酸を、それぞれ33mol%、29mol%、38mol%、計6.0gをテトラヒドロフラン(THF)20gに混合した。続いて、得られた溶液にアゾイソブチルニトリル(AIBN)を0.73g添加し、攪拌しながら60℃で35時間加熱することによって反応させた後、反応液をn−ヘキサンに滴下した。その後、沈殿物を濾過、乾燥することで、重量平均分子量(スチレン換算)約10,000の共重合体を得た。
(合成例3)
<側鎖に縮合多環式構造を有するアルカリ可溶性アクリル系樹脂の合成>
ビニルナフタレン、メチルメタクリレート、メタクリル酸をそれぞれ30mol%、30mol%、40mol%、計6.0gをテトラヒドロフラン(THF)20gに混合した。続いて、得られた溶液にアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.60g添加し、攪拌しながら60℃で35時間加熱することによって反応させた。その後、反応液をn−ヘキサンに滴下し、沈殿物を濾過、乾燥することで、重量平均分子量(スチレン換算)約7,000の共重合体を得た。
(合成例4)
<側鎖に脂環式構造および縮合多環式構造を有するアルカリ可溶性アクリル系樹脂の合成>
ビニルナフタレン、メンチルメタクリレート、メチルメタクリレート、メタクリル酸を、それぞれ15mol%、20mol%、30mol%、35mol%、計6.0gをテトラヒドロフラン(THF)20gに混合した。続いて、得られた溶液にアゾイソブチロニトリル(AIBN)を0.60g添加し、攪拌しながら60℃で35時間加熱することによって反応させた。その後、反応液をn−ヘキサンに滴下し、沈殿物を濾過、乾燥することで、重量平均分子量(スチレン換算)約7,000の共重合体を得た。
(合成例5)
<側鎖に脂環式構造および縮合多環式構造を有する化学増幅型アクリル系樹脂の合成>
ビニルナフタレン、メンチルアクリレート、テトラヒドロピラニルメタクリレート、メタクリル酸をそれぞれ26.2mol%、19.4mol%、21.6mol%、32.7mol%、計9.43gをテトラヒドロフラン(THF)20gに混合した。続いて、得られた溶液にアゾイソブチロニトリル(AIBN)を1.6g添加し、攪拌しながら60℃で40時間加熱することによって反応させた。その後、反応液をn−ヘキサンに滴下し、沈殿物を濾過、乾燥することで重量平均分子量(スチレン換算)約6,000の共重合体を得た。
(合成例6)
<溶解抑止剤:1−アダマンチルカルボニル−2,2’−ジtert−ブトキシカルボニルエタンの合成>
マロン酸ジtert−ブチル0.02molをTHFに溶解し、水素化ナトリウム0.02molを分散した溶液中に徐々に0℃で加えた。水素発生が終了した後、反応系を室温にし、0.02molのアダマンチル(ブロモメチル)ケトンのTHF溶液を導入した。その後、室温で5時間反応させた。次いで、反応液を大量の氷水中に投入して反応液をエーテル抽出し、油層を蓚酸水溶液で1回、続いて水で2回水洗した。最後に、乾燥−濃縮して1−アダマンチルカルボニル−2,2’−ジtert−ブトキシカルボニルエタン(AdTB)を得た。
(合成例7)
<溶解抑止剤の合成>
ナフトールをグリオキシル酸で縮合してノボラックオリゴマーを得、このノボラックオリゴマー10gを、3,4−ジヒドロピラン50mlに溶解させて触媒量の塩酸存在下で48時間撹拌した。その後、この溶液に水酸化ナトリウム塊を加え、しばらく撹拌した後、残さを濾別して油層を減圧濃縮乾燥し、さらに酢酸エチルに溶解して、5%シュウ酸水溶液で2回洗浄した。次いで、これを分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固してピラニル化ナフトールノボラック(NV4THP)を得た。
(合成例8)
<感光剤の合成>
α−ナフトール0.1gをTHF中に溶解した後、このTHF溶液に1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルフォニルクロリド0.1molを添加した。この混合液を0℃で撹拌しながら、その中にトリエチルアミン0.1モルを徐々に滴下した。析出した塩を濾別し、反応液を濃縮乾固した後、エタノール−ヘキサンを用いて再結晶し、ナフトールのナフトキノンジアジド化合物(NPNQ)を得た。
参考例1)
合成例1で得られたポリマーに対し、ジアゾ化合物としてのナフトキノンジアジドを40wt%加え、これを8wt%のシクロヘキサノン溶液とした。この溶液を0.2μmのメンブレンフィルターで濾過した後、Siウェハー上にスピンコートによって塗布し、100℃で90秒間プリベークして膜厚0.2μmのレジスト膜を形成した。
【0059】
このレジスト膜に対して、波長193nmのArFエキシマレーザー光(NA=0.55)を照射して露光を施し、続いて、露光後のレジスト膜をアルカリ現像液としてのテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)の2.38%アルカリ水溶液で現像した。その結果、130mJ/cm2 のDOSE量で、0.15μmのラインアンドスペースパターンを解像することができた。なお、得られたパターンの基板との密着性も良好であり、パターンの剥がれは全く観察されなかった。
参考例2)
合成例1で得られたポリマーに対し、メルドラム酸のジアゾ化合物を45wt%加え、これを8wt%の乳酸エチル溶液とした。この溶液を0.2μmのメンブレンフィルターで濾過した後、Siウェハー上にスピンコートによって塗布した後、120℃で90秒間プリベークして膜厚0.2μmのレジスト膜を形成した。
【0060】
このレジスト膜に対して、波長193nmのArFエキシマレーザー光 (NA=0.55)を照射して露光を施し、続いて、露光後のレジスト膜をアルカリ現像液としてのTMAHの2.38%アルカリ水溶液で現像した。その結果、120mJ/cm2 のDOSE量で、0.15μmのラインアンドスペースパターンを解像することができた。なお、得られたパターンの基板との密着性も良好であり、パターンの剥がれは全く観察されなかった。
参考例3)
合成例1で得られたポリマーに対し、ジアゾ化合物としてのナフトキノンジアジドを40wt%加え、これを8wt%のシクロヘキサノン溶液とした。この溶液を0.2μmのメンブレンフィルターで濾過した後、Siウェハー上にスピンコートによって塗布し、100℃で90秒間プリベークして膜厚0.5μmのレジスト膜を形成した。
【0061】
このレジスト膜を電子線で露光し、続いて、露光後のレジスト膜をアルカリ現像液としてのTMAHの2.38%アルカリ水溶液で現像した。その結果、50keVの加速電圧、30μC/cm2 のDOSE量で、0.15μmのラインアンドスペースパターンを解像することができた。なお、得られたパターンの基板との密着性も良好であり、パターンの剥がれは全く観察されなかった。
参考例4)
図1を参照して本参考例を説明する。
【0062】
まず、合成例1で得られたポリマーに対し、ジアゾ化合物としてのナフトキノンジアジドを40wt%加え、これを8wt%のシクロヘキサノン溶液として本発明のレジスト溶液を調製した。
【0063】
一方、図1(a)に示すように、Siウェハー11上にはノボラック系フォトレジストを塗布し、190℃でハードベークして膜厚0.8μmの下地層12を形成した。さらに、この下地層の上にSOG(スピンオングラス)を塗布し、200℃でベークして膜厚0.1μmの中間層13を形成した。
【0064】
前述のシクロヘキサノン溶液を、0.2μmのメンブレンフィルターで濾過した後、下地層および中間層が設けられSiウェハー上に、スピンコートにより塗布した後、100℃で90秒間プリベークして、図1(b)に示すような膜厚0.2μmの上層レジスト膜14を形成した。
【0065】
このレジスト膜14に対して、波長193nmのArFエキシマレーザー光(NA=0.55)を照射して図1(c)に示すように露光を施し、続いて、露光後のレジスト膜をアルカリ現像液としてのTMAHの2.38%アルカリ水溶液で現像した。その結果、130mJ/cm2 のDOSE量で、図1(d)に示すような0.15μmのラインアンドスペースパターン14aを解像することができた。なお、得られたパターンの基板との密着性も良好であり、パターンの剥がれは全く観察されなかった。
【0066】
続いて、上述のようにして形成されたレジストパターン14aをエッチングマスクとして用いて、中間層のSOG膜13をCF4 RIEによりエッチングして、図1(e)に示すようなパターニングされたSOG膜13aを形成した。さらに、上述のようにして得られたパターン14aおよび13aをエッチングマスクとして用いて、O2 RIEにより下層のノボラック系フォトレジスト膜12をエッチングした。その結果、レジストパターンを忠実に転写することができ、図1(f)に示すようなパターニングされたノボラック系フォトレジスト膜12aが得られた。
参考例5)
合成例2で得たポリマーを8wt%のシクロヘキサノン溶液とした。この溶液を0.2μmのメンブランフィルターで濾過した後、Siウェハー上にスピンコートによって塗布し、100℃で90秒間プリベークして膜厚0.3μmのレジスト膜を形成した。
【0067】
このレジスト膜に対し、波長193nmのArFエキシマレーザー光(NA=0.55)を照射して露光を施し、続いて、露光後のレジスト膜をアルカリ現像液としてのTMAHの2.38%アルカリ水溶液で露光した。その結果、100mJ/cm2 のDOSE量で0.15μmのラインアンドスペースパターンを解像することができた。なお、レジストパターンと基板との密着性も良好であり、パターンの剥がれは全く観察されなかった。
参考例6)
合成例3で得たポリマーに対し、ジアゾ化合物としてのナフトキノンジアジドを該ポリマーの20wt%加え、これを8wt%のシクロヘキサノン溶液とした。この溶液を0.2μmのメンブレンフィルターで濾過した。こうして得られた溶液をSiウエハー上にスピンコートによって塗布し、100℃で90秒間プリベークして膜厚0.17μmのレジスト膜を形成した。
【0068】
このレジスト膜に対して、ArFエキシマレーザー(NA=0.55)を照射して露光を施し、続いて、露光後のレジスト膜をアルカリ現像液で現像した。その結果、140mJ/cm2 のDOSE量で、0.17μmのラインアンドスペースパターンを解像することができた。なお、得られたパターンの基板との密着性も良好であり、パターンの剥がれ等は全く観察されなかった。
参考例7)
合成例4で得られたポリマーに対し、ジアゾ化合物としてのナフトキノンジアジドを30wt%加え、これをシクロヘキサノン/PGMEAの3:1混合溶液に溶解して、8wt%の溶液を得た。この溶液を0.2μmのメンブレンフィルターで濾過した。一方、予めHMDS(ヘキサメチルジシラザン)によってSiウエハーに表面処理を施しておいた。このSiウエハー上にスピンコートによって前述の溶液を塗布し、120℃で90秒間プリベークして膜厚0.2μmのレジスト膜を形成した。
【0069】
このレジスト膜に対し、ArFエキシマレーザー光(NA=0.55)を照射して露光を施し、続いて、露光後のレジスト膜をアルカリ現像液で現像した。その結果、135mJ/cm2 のDOSE量で0.15μmのラインアンドスペースパターンを解像することができた。なお、レジストパターンと基板との密着性も良好であり、パターンの剥がれは全く観察されなかった。
参考例8)
図2を参照して、本参考例を説明する。
【0070】
まず、図2(a)に示すように、Siウエハー21上に、厚さ0.8μmの酸化珪素膜22をCVD(Chemical Vapor Deposition)により形成し、次いで、Al−Si−Cuからなる厚さ約0.7μmの下層配線層23と、CVD法によるSiO2 膜からなる層間絶縁膜24と、Al−Si−Cuからなる厚さ約0.7μmの上層配線膜25を順次形成した。
【0071】
一方、合成例4で得られたポリマーに対し、ジアゾ化合物としてのナフトキノンジアジドを30wt%加え、これをシクロヘキサノン/PGMEAの3:1混合溶液に溶解して、8wt%の溶液を得た。この溶液を0.2μmのメンブレンフィルターで濾過した。こうして得られた溶液を、Siウエハー上にスピンコートによって塗布し、120℃で90秒間プリベークして膜厚0.3μmのレジスト膜26を上層配線膜25の上に形成した。
【0072】
次いで、レジスト膜26に対し、ArFエキシマレーザー光(NA=0.55)を135mJ/cm2 のDOSE量で照射して露光を施し、露光後のレジスト膜をアルカリ現像液で現像して図2(b)に示すようなレジストパターン26aを形成した。さらに、このレジストパターン26aをマスクとして、CCl4 ガスを用いたRIE法により、上層配線膜をエッチングして上層配線25aを形成した。
【0073】
その後、レジストパターン26aをO2 プラズマ中で炭化して除去することにより、図2(c)に示すような2層配線が得られた。上層配線25aは、下層配線膜等によって生ずる段差の影響をほとんど受けず、設計寸法0.35μmに対し、±0.05μmの設計誤差であった。また、配線間隔0.35μm、線幅0.35μmの上層配線を形成した場合、断線や短絡等の不良は全く発生しなかった。
参考例9)
図3を参照して、本参考例を説明する。
【0074】
まず、前述の化学式(P−1)で表わされるポリマーに対し、酸発生剤としてのオニウム塩(トリフェニルスルフォニウムトリフレート)を加えて、これをPGMEA溶液とした。次いで、このPGMEA溶液を0.2μmのメンブレンフィルターで濾過して下層レジスト形成用の溶液を得た。また、合成例4で得られたポリマーに対し感光剤としてのNPNQを40wt%混合し、これをキシレン溶液とした。このキシレン溶液を0.2μmのメンブレンフィルターで濾過して上層レジスト形成用の溶液を得た。
【0075】
一方、図3(a)に示すように、Siウエハー31上に、厚さ0.8μmの酸化珪素膜32をCVD法により形成した。この上に、上述のようにして調製した下層レジスト形成用のレジスト溶液をスピンコートによって塗布し、120℃で90秒間プリベークして膜厚0.4μmの下層レジスト膜33を形成した。
【0076】
さらに、下層レジスト膜33の上に、上述にようにして調製した上層レジスト形成用のレジスト溶液をスピンコートによって塗布し、120℃で90秒間プリベークして膜厚0.2μmの上層レジスト膜34を形成した。
【0077】
得られた上層レジスト膜34に対し、ArFエキシマレーザーを照射し、アルカリ現像液で現像したところ、図3(b)に示すような線幅0.15μmのレジストパターン34aが得られた。さらに、このレジストパターン34aをマスクとして用いて、波長220nm付近の光を通す干渉フィルターを使って下層レジスト膜33に露光し、現像して図3(c)に示すような下層レジストパターン33aを得た。
【0078】
こうして得られたレジストパターン34aおよび33aをマスクとして、CCl4 ガスを用いたRIE法により酸化珪素膜32をエッチングして図3(d)に示すような酸化珪素パターンを32aを得た後、O2 プラズマ中でレジストパターンを炭化して除去することにより図3(e)に示すような構造を得た。
【0079】
本実施例により、酸化珪素膜にも、線幅0.15μmのパターンを形成できることがわかった。
参考例10)
まず、合成例1で得られたポリマーに、感光剤としてナフトキノンジアジド(2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンのナフトキノンジアジド−4−スルフォン酸エステル)を加えて、これをPGMEA−シクロヘキサノン混合溶液に溶解した。次いで、この溶液を0.2μmのメンブレンフィルターで濾過して下層レジスト形成用の溶液を得た。また、合成例5で得られたポリマーに、ナフタリジルトリフレート3wt%と、NV4THP20wt%とを加えて、乳酸エチル溶液とした。この溶液を0.2μmのメンブレンフィルターで濾過して上層レジスト形成用の溶液を得た。
【0080】
一方、図3(a)に示すように、Siウエハー31上に、厚さ0.8μmの酸化珪素膜32をCVD法により形成した。この上に、上述のようにして調製した下層レジスト形成用のレジスト溶液をスピンコートによって塗布し、120℃で90秒間プリベークして膜厚0.4μmの下層レジスト膜33を形成した。
【0081】
さらに、下層レジスト膜33の上に、上述にようにして調製した上層レジスト形成用のレジスト溶液をスピンコートによって塗布し、120℃で90秒間プリベークして膜厚0.2μmの上層レジスト膜34を形成した。
【0082】
得られた上層レジスト膜34を5keVの電子線で露光し、アルカリ現像したところ、図3(b)に示すような線幅0.13μmのレジストパターン34aが得られた。さらに、このレジストパターンをマスクとしてArFエキシマレーザー光を照射して下層レジスト33に露光を施し、現像して図3(c)に示すような下層レジストパターン33aを得た。
【0083】
こうして得られたレジストパターン34aおよび33aをマスクとして、CCl4 ガスを用いたRIE法により酸化珪素膜32をエッチングして図3(d)に示すような酸化珪素パターンを32aを得た後、O2 プラズマ中でレジストパターンを炭化して除去することにより図3(e)に示すような構造を得た。
【0084】
参考例により、酸化珪素膜にも、線幅0.13μmのパターンを形成できることがわかった。
【0085】
上述のようにして調製した下層レジスト用の溶液を用いて、Siウエハー上に膜厚0.4μmの下層レジスト膜を形成した。この上に、上層レジスト形成用の溶液をスピンコートによって塗布し、120℃で90秒間プリベークして膜厚0.3μmの上層レジスト膜を形成した。
【0086】
こうして得られた上層レジスト膜に対し、ArFエキシマレーザーを30mJ/cm2 照射して露光を施し、110℃で1分間ベークした。次いで、0.238%のTMAHアルカリ現像液で現像したところ、線幅0.15μmの上層レジストパターンを形成することができた。
【0087】
さらに、得られた上層レジストパターンをマスクとして、波長250nm付近の光を通す干渉フィルターを使って下層レジストに露光し、140℃で1分間ベークした。最後に、2.38%のTMAH水溶液で現像したところ、基板上に0.15μmのパターンを転写することができた。
(実施例12)
まず、前述の化学式(P−1)で表わされるポリマーに対し、酸発生剤としてのオニウム塩(トリフェニルスルフォニウムトリフレート)を加えて、これをPGMEA溶液とした。次いで、このPGMEA溶液を0.2μmのメンブレンフィルターで濾過して下層レジスト形成用の溶液を得た。また、合成例5で得られたポリマーに対し、溶解抑止剤として合成例7で得られたNV4THPを20wt%加え、さらにナフタリジルトリフレートを3wt%加えて、これをキシレン溶液とした。この溶液を0.2μmのメンブレンフィルターで濾過して、上層レジスト形成用の溶液を得た。
【0088】
上述のようにして調製した下層レジスト用の溶液を用いて、Siウエハー上に膜厚0.4μmの下層レジスト膜を形成した。この上に、上層レジスト形成用の溶液をスピンコートによって塗布し、120℃で90秒間プリベークして膜厚0.2μmの上層レジスト膜を形成した。
【0089】
こうして得られた上層レジスト膜に対し、ArFエキシマレーザーを35mJ/cm2 照射して露光を施し、110℃で1分間ベークした。次いで、0.238%のTMAHアルカリ現像液で現像したところ、線幅0.14μmの上層レジストパターンを形成することができた。
【0090】
さらに、得られた上層レジストパターンをマスクとして、波長230nm付近の光を通す干渉フィルターを使って5mJ/cm2 で下層レジストに露光し、140℃で1分間ベークした。最後に、2.38%のTMAH水溶液で現像したところ、基板上に0.14μmのパターンを転写することができた。
【0091】
以上の結果から、脂環式骨格を有するアルカリ可溶性アクリル系樹脂をベースポリマーとする本発明において上層に用いる感光性材料は、ArFエキシマレーザー光等の短波長光に対して高い透明性を有していることがわかる。一方、従来からあるポリ(ヒドロキシスチレン)やノボラック系樹脂を主成分としたレジストは、波長193nmにおける1μm当たりの吸収が30以上であり、ArFエキシマレーザー光をほとんど透過しないことを確認した。
【0093】
(比較例)
合成例1で得たポリマーに酸発生剤としてのトリフェニルスルフォニウムトリフレートをポリマーに対して1wt%加えてシクロヘキサノン溶液を得、この溶液を用いる以外は前述の参考例1と同様にしてレジスト膜を形成した。このレジスト膜に対して、ArFエキシマレーザー光(NA=0.55)を照射して露光を施し、露光後、直ちにこれを150℃で90秒間加熱し、さらにアルカリ現像液としてのTMAHの2.38%アルカリ水溶液で現像した。その結果、30mJ/cm2 のDOSE量で部分的に0.25μmのラインアンドスペースパターンを解像することができた。しかしながら、レジストパターンと基板との密着性は悪く、不均一な剥がれがレジスト膜に生じていたのを光学顕微鏡により確認した。以上の結果から、本発明によって、PCM法でパターンの形成・転写が可能であることがわかった。
【0094】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、PCM法で上層にArFエキシマレーザーで露光を施し、下層をKrFエキシマレーザーで露光することによって、良好にパターンの形成・転写が可能であることがわかった。
【0096】
さらに、かかる方法により形成されたレジストパターンをエッチングマスクとして用いた本発明の電子部品の製造方法を用いると、基板等に超微細なパターンを忠実に転写することができる。本発明のパターン形成方法は、高密度デバイスの微細加工等のフォトリソグラフィー技術において有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレジストパターン形成方法の工程の一例を示す断面図。
【図2】本発明のレジストパターン形成方法の工程の他の例を示す断面図。
【図3】本発明のレジストパターン形成方法の工程の他の例を示す断面図。
【符号の説明】
11,21,31…Siウェハー
12…下地層
12a…ノボラック系フォトレジスト膜パターン
13…中間層
13a…SOG膜パターン
14…レジスト膜
14a…レジストパターン
22,32…酸化珪素膜
23…下層配線膜
24…層間絶縁膜
25…上層配線膜
25a…上層配線
26…レジスト膜
26a…レジストパターン
32a…酸化珪素パターン
33…下層レジスト膜
33a…下層レジストパターン
34…上層レジスト膜
34a…上層レジストパターン

Claims (2)

  1. 基板上に、フェノール系樹脂を含む下層感光性材料膜を形成する工程と、
    前記下層感光性材料膜の上に置換もしくは非置換脂環式骨格を含む上層感光性材料膜を形成する工程と、
    前記上層感光性材料膜の所定の領域にArFエキシマレーザー光を照射して露光を施す工程と、
    前記露光後の上層感光性材料膜の露光部または未露光部をアルカリ水溶液で溶解除去して現像する工程と、
    前記現像する工程の後に得られた上層感光性材料膜パターンをマスクとしてKrFエキシマレーザー光を一括照射し、現像処理を施して露光部を選択的に溶解・除去することにより、前記上層感光性材料膜パターンを前記下層感光性材料膜に転写する工程とを具備するレジストパターン形成方法。
  2. 前記脂環式骨格は、アダマンタン骨格を含むことを特徴とする請求項1に記載のレジストパターン形成方法。
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