JP2006251761A - ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 - Google Patents

ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】LERの低減された高解像性のパターンを形成できるポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供する。
【解決手段】酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含むポジ型レジスト組成物であって、前記樹脂成分(A)が、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位(a1)と、酸解離性溶解抑制基を有しかつα位にフッ素原子またはフッ素化低級アルキル基が結合したアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)とを有する高分子化合物を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法に関する。
フォトリソグラフィー技術においては、例えば基板の上にレジスト組成物からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対し、所定のパターンが形成されたフォトマスクを介して、光、電子線等の放射線にて選択的露光を行い、現像処理を施すことにより、前記レジスト膜に所定形状のレジストパターンを形成する工程が行われる。露光した部分が現像液に溶解する特性に変化するレジスト組成物をポジ型、露光した部分が現像液に溶解しない特性に変化するレジスト組成物をネガ型という。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速に微細化が進んでいる。微細化の手段としては露光光の短波長化が一般的に行われており、具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザー(248nm)が導入され、さらに、ArFエキシマレーザー(193nm)が導入され始めている。また、それより短波長のFエキシマレーザー(157nm)や、EUV(極紫外線)、電子線、X線などについても検討が行われている。
また、微細な寸法のパターンを再現するためには、高解像性を有するレジスト材料が必要である。かかるレジスト材料として、ベース樹脂と、露光により酸を発生する酸発生剤とを含有する化学増幅型のレジスト組成物が用いられている。たとえばポジ型の化学増幅型レジストは、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分とを含有しており、レジストパターン形成時に、露光により酸発生剤から酸が発生すると、露光部がアルカリ可溶性となる。
化学増幅型ポジ型レジスト組成物の樹脂成分としては、ポリヒドロキシスチレン(PHS)系樹脂の水酸基を酸解離性溶解抑制基で保護した樹脂や、(メタ)アクリル酸から誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)のカルボキシ基を酸解離性溶解抑制基で保護した樹脂などが一般的に用いられている。
酸解離性溶解抑制基としては、1−エトキシエチル基に代表される鎖状エーテル基やテトラヒドロピラニル基に代表される環状エーテル基等のいわゆるアセタール基;tert−ブチル基に代表される第3級アルキル基;tert−ブトキシカルボニル基に代表される第3級アルコキシカルボニル基等が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−341538号公報
しかし、このような材料を用いてレジストパターンを形成した場合、パターンの側壁の表面に荒れ(ラインエッジラフネス(LER))が生じる問題がある。LERの問題は、高解像性のパターンを形成しようとするほど重大な問題となる。レジストパターンの微細化がますます進み、高解像性の要望がさらに高まるなか、LERの改善がさらに重要になっている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、LERの低減された高解像性のパターンを形成できるポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の第一の態様は、酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含むポジ型レジスト組成物であって、
前記樹脂成分(A)が、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位(a1)と、酸解離性溶解抑制基を有しかつα位にフッ素原子またはフッ素化低級アルキル基が結合したアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)とを有する高分子化合物(A1)を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物である。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様のポジ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を選択的に露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法である。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、「構成単位」とは、樹脂成分(高分子化合物)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「ヒドロキシスチレン」とは、狭義のヒドロキシスチレン、および狭義のヒドロキシスチレンのα位の水素原子がハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、ならびにそれらの誘導体を含む概念とする。「ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位」とは、ヒドロキシスチレンのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。なお、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)」とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことである。
「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸エステルのほか、α位に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基等が挙げられる。本発明においては、α位にフッ素原子またはフッ素化低級アルキル基が結合しているアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を必須の単位として含有する。なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことである。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「露光」は放射線の照射全般を含む概念とし、電子線の照射も含まれる。
本発明により、LERの低減された高解像性のパターンを形成できるポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法が提供される。
<ポジ型レジスト組成物>
本発明のポジ型レジスト組成物は、酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)(以下、(A)成分という)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下、(B)成分という)とを含むポジ型レジスト組成物である。
かかるポジ型レジスト組成物においては、露光により(B)成分から酸が発生すると、該酸が(A)成分の酸解離性溶解抑制基を解離させ、アルカリ可溶性を増大させる。そのため、レジストパターンの形成において、基板上に塗布されたレジスト組成物に対して選択的に露光すると、露光部のアルカリ可溶性が増大し、アルカリ現像することができる。
<(A)成分>
(A)成分は、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位(a1)と、酸解離性溶解抑制基を有しかつα位にフッ素原子またはフッ素化低級アルキル基が結合したアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)とを有する高分子化合物(A1)を含有する必要がある。
・高分子化合物(A1)
構成単位(a1)は、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位である。構成単位(a1)と後述する構成単位(a2)との組み合わせにより、LERの低減された高解像性のパターンを形成できる。また、構成単位(a1)を有することによりドライエッチング耐性が向上する。さらに原料であるヒドロキシスチレンが容易に入手可能で低価格である等の利点も有する。
構成単位(a1)としては、下記一般式(a1−1)で表される構成単位が例示できる。
Figure 2006251761
[上記式中、R’は水素原子、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化低級アルキル基を表し;Rは炭素数1〜5の低級アルキル基を表し;pは1〜3の整数を表し;qは0または1〜2の整数を表す。]
一般式(a1−1)中、R’は水素原子、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化低級アルキル基を表す。
R’の低級アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基であり、直鎖または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。工業的にはメチル基が好ましい。
フッ素化低級アルキル基は、上述した炭素数1〜5の低級アルキル基の一部または全部の水素原子がフッ素原子で置換されたものである。本発明においては水素原子が全部フッ素化されていることが好ましい。フッ素化低級アルキル基としては、直鎖または分岐鎖状のフッ素化低級アルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等がより好ましく、トリフルオロメチル基(−CF)が最も好ましい。
R’としては、水素原子またはメチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
の炭素数1〜5の低級アルキル基としては、R’の低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
qは0または1〜2の整数である。これらのうち、qは0または1であることが好ましく、特に工業上0であることが好ましい。
の置換位置は、qが1である場合には、o−位、m−位、p−位のいずれでもよく、さらに、qが2の場合には、任意の置換位置を組み合わせることができる。
pは1〜3の整数であり、好ましくは1である。
水酸基の置換位置は、pが1である場合、o−位、m−位、p−位のいずれでもよいが、容易に入手可能で低価格であることからp−位が好ましい。さらに、pが2または3の場合には、任意の置換位置を組み合わせることができる。
構成単位(a1)は1種または2種以上を混合して用いることができる。
高分子化合物(A1)中、構成単位(a1)の割合は、高分子化合物(A1)を構成する全構成単位に対し、10〜85モル%であることが好ましく、15〜70モル%がより好ましく、20〜60モル%がさらに好ましく、25〜55モル%が特に好ましい。該範囲内であると、適度なアルカリ溶解性が得られるとともに、他の構成単位とのバランスが良好である。
構成単位(a2)は、酸解離性溶解抑制基を有しかつα位にフッ素原子またはフッ素化低級アルキル基が結合したアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
構成単位(a2)において、アクリル酸エステルのα位に結合しているフッ素原子またはフッ素化低級アルキル基としては、上記式(a1−1)のR’のフッ素原子またはフッ素化低級アルキル基と同様のものが挙げられる。構成単位(a2)において、アクリル酸エステルのα位に結合しているのはフッ素化低級アルキル基であることが好ましい。
構成単位(a2)としては、下記一般式(a2−1)で表される構成単位が例示できる。
Figure 2006251761
[式中、Rはフッ素原子またはフッ素化低級アルキル基を表し、Rは酸解離性溶解抑制基又は酸解離性溶解抑制基を有する有機基を表す。]
以下、上記酸解離性溶解抑制基と上記酸解離性溶解抑制基を有する有機基とを総称して酸解離性溶解抑制基含有基という。
酸解離性溶解抑制基としては、特に限定されず、例えばKrFエキシマレーザー用、ArFエキシマレーザー用等のレジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。具体的には、下記酸解離性溶解抑制基(I)、(III)及び(IV)が挙げられる。
酸解離性溶解抑制基を有する有機基としては、特に限定されず、例えばKrFエキシマレーザー用、ArFエキシマレーザー用等のレジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。具体的には、下記酸解離性溶解抑制基を有する有機基(II)が挙げられる。
・酸解離性溶解抑制基(I)
酸解離性溶解抑制基(I)は、下記一般式(I)で表される基である。上記酸解離性溶解抑制基含有基が酸解離性溶解抑制基(I)を含むことにより、本発明の効果がさらに向上する。
Figure 2006251761
[式中、Xは脂肪族環式基、芳香族環式炭化水素基または低級アルキル基を表し、Rは水素原子または低級アルキル基を表し、もしくはXおよびRがそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であってXの末端とRの末端とが結合していてもよく、Rは低級アルキル基または水素原子を表す。]
式(I)中、Xは脂肪族環式基、芳香族環式炭化水素基または低級アルキル基を表す。
ここで、本明細書および特許請求の範囲における「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを意味し、飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
Xにおける脂肪族環式基は1価の脂肪族環式基である。脂肪族環式基は、例えば、従来のArFレジストにおいて多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。脂肪族環式基の具体例としては、例えば、炭素数5〜7の脂肪族単環式基、炭素数10〜16の脂肪族多環式基が挙げられる。炭素数5〜7の脂肪族単環式基としては、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が例示でき、具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサンなどから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。炭素数10〜16の脂肪族多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから1個の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの中でもアダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデカニル基が工業上好ましく、特にアダマンチル基が好ましい。
Xの芳香族環式炭化水素基としては、炭素数10〜16の芳香族多環式基が挙げられる。具体的には、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレンなどから1個の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、1−ピレニル基等が挙げられ、2−ナフチル基が工業上特に好ましい。
Xの低級アルキル基としては、上記式(a1−1)のR’の低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
構成単位(a2)において、Xとしては、低級アルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましく、エチル基が最も好ましい。
式(I)中、Rの低級アルキル基としては、上記式(a1−1)のR’の低級アルキル基と同様のものが挙げられる。工業的にはメチル基又はエチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
は低級アルキル基または水素原子を表す。Rの低級アルキル基としては、Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられる。Rは、工業的には水素原子であることが好ましい。
また、式(I)においては、XおよびRがそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であって、Xの末端とRの末端とが結合していてもよい。
この場合、式(I)においては、Rと、Xと、Xが結合した酸素原子と、該酸素原子およびRが結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
酸解離性溶解抑制基(I)としては特に、Rが水素原子である基が本発明の効果に優れ好ましい。その具体例としては、たとえばXがアルキル基である基、すなわち1−アルコキシアルキル基としては、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−iso−プロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−tert−ブトキシエチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、iso−プロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、tert−ブトキシメチル基等が挙げられる。また、Xが脂肪族環式基である基としては、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−(2−アダマンチル)オキシメチル基、下記式(I−a)で表される1−(1−アダマンチル)オキシエチル基等が挙げられる。Xが芳香族環式炭化水素基である基としては、下記式(I−b)で表される1−(2−ナフチル)オキシエチル基等が挙げられる。
これらの中でも特に、1−エトキシエチル基が好ましい。
Figure 2006251761
・酸解離性溶解抑制基を有する有機基(II)
酸解離性溶解抑制基を有する有機基(II)は、下記一般式(II)で表される基である。上記酸解離性溶解抑制基含有基が酸解離性溶解抑制基を有する有機基(II)を含むことにより、本発明の効果がさらに向上する。また、露光マージンも向上する。
Figure 2006251761
[式中、X’は脂肪族環式基、芳香族環式炭化水素基または低級アルキル基を表し、Rは水素原子または低級アルキル基を表し、もしくはX’およびRがそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であってX’の末端とRの末端とが結合していてもよく、Rは低級アルキル基または水素原子を表し、Yは脂肪族環式基を表す。]
式(II)中、X’、R、Rとしては、それぞれ、上記式(I)中のX、R、Rと同様のものが挙げられる。
Yの脂肪族環式基としては、上記Xにおける脂肪族環式基からさらに水素原子を1つ除いた基が挙げられる。
・酸解離性溶解抑制基(III)
酸解離性溶解抑制基(III)は、鎖状または環状の第3級アルキル基である。上記酸解離性溶解抑制基含有基が酸解離性溶解抑制基(III)を含むことにより、本発明の効果が向上する。また、露光マージンも向上する。
鎖状の第3級アルキル基の炭素数は4〜10が好ましく、4〜8がより好ましい。鎖状第3級アルキル基として、より具体的には、tert−ブチル基、tert−アミル基等が挙げられる。
環状の第3級アルキル基は、環上に第3級炭素原子を含む単環または多環式の1価の飽和炭化水素基である。環状の第3級アルキル基の炭素数は4〜12が好ましく、5〜10がより好ましい。環状第3級アルキル基として、より具体的には、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基等が挙げられる。
酸解離性溶解抑制基(III)としては、本発明の効果と、露光マージンに優れる点で、鎖状の第3級アルキル基が好ましく、特にtert−ブチル基が好ましい。
・酸解離性溶解抑制基(IV)
酸解離性溶解抑制基(IV)は、上記酸解離性溶解抑制基および酸解離性溶解抑制基を有する有機基(以下「酸解離性溶解抑制基等」という。)(I)〜(III)に分類されない酸解離性溶解抑制基含有基である。酸解離性溶解抑制基含有基(IV)としては、従来公知の酸解離性溶解抑制基含有基のうち、上記酸解離性溶解抑制基等(I)〜(III)に分類されない任意の酸解離性溶解抑制基含有基が使用でき、具体的には、鎖状第3級アルコキシカルボニル基、鎖状第3級アルコキシカルボニルアルキル基等が挙げられる。
鎖状第3級アルコキシカルボニル基の炭素数は4〜10が好ましく、4〜8がより好ましい。鎖状第3級アルコキシカルボニル基として、具体的には、tert−ブトキシカルボニル基、tert−アミルオキシカルボニル基等が挙げられる。
鎖状第3級アルコキシカルボニルアルキル基の炭素数は4〜10が好ましく、4〜8がより好ましい。鎖状第3級アルコキシカルボニルアルキル基として、具体的には、tert−ブトキシカルボニルメチル基、tert−アミルオキシカルボニルメチル基等が挙げられる。
構成単位(a2)における酸解離性溶解抑制基含有基としては、酸解離性溶解抑制基等(I)、(II)および(III)からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが、本発明の効果に優れるため好ましい。
構成単位(a2)は1種または2種以上を混合して用いることができる。
高分子化合物(A1)中、構成単位(a2)の割合は、高分子化合物(A1)を構成する全構成単位に対し、1〜80モル%であることが好ましく、1〜60モル%がより好ましく、1〜50モル%がさらに好ましく、1〜40モル%が特に好ましく、2〜35モル%が最も好ましい。下限値以上とすることによりレジスト組成物とした際にパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスが良好である。
高分子化合物(A1)は、さらに、前記構成単位(a1)における水酸基の水素原子が酸解離性溶解抑制基含有基で置換されてなる構成単位(a3)を有することが好ましい。これにより、高いエッチング耐性と解像性とを達成できる。
構成単位(a3)における酸解離性溶解抑制基含有基としては、前記構成単位(a2)において挙げたものと同様のものが挙げられる。なかでも、酸解離性溶解抑制基等(I)、(II)および(III)からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが本発明の効果に優れるため好ましく、特に酸解離性溶解抑制基(I)を含むことが好ましい。
構成単位(a3)は1種または2種以上を混合して用いることができる。
高分子化合物(A1)中、構成単位(a3)の割合は、高分子化合物(A1)を構成する全構成単位に対し、5〜50モル%であることが好ましく、5〜45モル%がより好ましく、10〜40モル%がさらに好ましく、15〜40モル%が特に好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a3)を配合することによる本発明の効果が高く、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスが良好である。
高分子化合物(A1)は、さらに、アルコール性水酸基を有し、かつα位にフッ素原子またはフッ素化低級アルキル基が結合したアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a4)を有することが好ましい。かかる構成単位(a4)を有することにより、本発明の効果がさらに向上する。
構成単位(a4)において、アクリル酸エステルのα位に結合しているフッ素原子またはフッ素化低級アルキル基としては、上記構成単位(a2)と同様である。
好ましい構成単位(a4)としては、アルコール性水酸基を有する鎖状または環状アルキル基を有する構成単位が例示できる。すなわち、構成単位(a4)は、アルコール性水酸基含有鎖状または環状アルキル基を有し、かつα位にフッ素原子またはフッ素化低級アルキル基が結合しているアクリル酸エステルから誘導される構成単位であることが好ましい。
構成単位(a4)が、アルコール性水酸基含有環状アルキル基を有し、かつα位にフッ素原子またはフッ素化低級アルキル基が結合しているアクリル酸エステルから誘導される構成単位(以下、単に「水酸基含有環状アルキル基を有する構成単位」ということがある。)を有すると、解像性が高まるとともにエッチング耐性も向上する。
また、構成単位(a4)が、アルコール性水酸基含有鎖状アルキル基を有し、かつα位にフッ素原子またはフッ素化低級アルキル基が結合しているアクリル酸エステルから誘導される構成単位(以下、単に「水酸基含有鎖状アルキル基を有する構成単位」ということがある。)を有すると、(A)成分全体の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって解像性が向上する。
「水酸基含有環状アルキル基を有する構成単位」
水酸基含有環状アルキル基を有する構成単位としては、例えば、アクリル酸エステルのエステル基[−C(O)O−]に水酸基含有環状アルキル基が結合している構成単位等が挙げられる。ここで、「水酸基含有環状アルキル基」とは、環状アルキル基に水酸基が結合している基である。
水酸基は例えば1〜3個結合していることが好ましく、さらに好ましくは1個である。
環状アルキル基は、単環でも多環でもよいが、多環式基であることが好ましい。また、環状アルキル基の炭素数は5〜15であることが好ましい。
環状アルキル基の具体例としては以下のものが挙げられる。
単環式の環状アルキル基としては、シクロアルカンから1個〜4個の水素原子を除いた基等が挙げられる。より具体的には、単環式の環状アルキル基としては、シクロペンタン、シクロヘキサンから1個〜4個の水素原子を除いた基が挙げられ、これらのなかでもシクロヘキシル基が好ましい。
多環式の環状アルキル基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから1個〜4個の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個〜4個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
なお、この様な環状アルキル基は、例えばArFエキシマレーザープロセス用のホトレジスト組成物用樹脂において、酸解離性溶解抑制基を構成するものとして多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。これらの中でもシクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデカニル基が工業上入手しやすく、好ましい。
これら例示した単環式基、多環式基の中でも、シクロヘキシル基、アダマンチル基が好ましく、特にアダマンチル基が好ましい。
水酸基含有環状アルキル基を有する構成単位の具体例として、たとえば下記一般式(a4−1)で表される構成単位(a4−1)が好ましい。
Figure 2006251761
[式中、Rはフッ素原子またはフッ素化低級アルキル基であり、sは1〜3の整数である。]
式(a4−1)中、Rのフッ素原子またはフッ素化低級アルキル基としては、上記式(a2−1)におけるRのフッ素原子またはフッ素化低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
sは1〜3の整数であり、1が最も好ましい。
水酸基の結合位置は、特に限定しないが、アダマンチル基の3位の位置に結合していることが好ましい。
「水酸基含有鎖状アルキル基を有する構成単位」
水酸基含有鎖状アルキル基を有する構成単位としては、例えば、アクリル酸エステルのエステル基[−C(O)O−]に鎖状のヒドロキシアルキル基が結合している構成単位等が挙げられる。ここで、「鎖状のヒドロキシアルキル基」とは、鎖状(直鎖または分岐鎖状)のアルキル基における水素原子の一部または全部が水酸基で置換されてなる基を意味する。
水酸基含有鎖状アルキル基を有する構成単位としては、特に、下記一般式(a4−2)で表される構成単位(a4−2)が好ましい。
Figure 2006251761
[式中、Rはフッ素原子またはフッ素化低級アルキル基であり、R51は鎖状のヒドロキシアルキル基である。]
式(a4−2)中のRは、上記一般式(a4−1)のRと同様である。
51のヒドロキシアルキル基は、好ましくは炭素数が10以下の低級ヒドロキシアルキル基であり、より好ましくは炭素数2〜8の低級ヒドロキシアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数2〜4の直鎖状の低級ヒドロキシアルキル基である。
ヒドロキシアルキル基における水酸基の数、結合位置は特に限定するものではないが、通常は水酸基の数は1つであり、また、結合位置はアルキル基の末端が好ましい。
本発明においては、特に、構成単位(a4)として、少なくとも水酸基含有環状アルキル基を有する構成単位を含むことが好ましい。
構成単位(a4)は1種または2種以上を混合して用いることができる。
高分子化合物(A1)中、構成単位(a4)の割合は、高分子化合物(A1)の全構成単位の合計に対して、5〜50モル%が好ましく、5〜45モル%がより好ましく、10〜40モル%がさらに好ましく、15〜40モル%が特に好ましい。上記範囲の下限値以上であることにより構成単位(a4)を含有することによる効果が高く、上限値以下であることにより他の構成単位とのバランスが良好である。
高分子化合物(A1)は、さらに、スチレンから誘導される構成単位(a5)を有していてもよい。
本発明において、構成単位(a5)は必須ではないが、これを含有させると、現像液に対する溶解性を調整でき、その含有量によりアルカリ溶解性をコントロールすることができ、それによって、LERをさらに低下させることができる。また、良好な孤立ラインパターンが得られるなどの利点がある。
ここで、「スチレン」とは、狭義のスチレン、および狭義のスチレンのα位の水素原子がハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、ならびにそれらの誘導体を含む概念とする。「スチレンから誘導される構成単位」とは、スチレンのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。スチレンは、フェニル基の水素原子が低級アルキル基等の置換基で置換されていても良い。
構成単位(a5)としては、下記一般式(a5−1)で表される構成単位が例示できる。
Figure 2006251761
[式中、R’は水素原子、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化低級アルキル基を表し;Rは炭素数1〜5の低級アルキル基を表し;rは0または1〜3の整数を表す。]
式(a5−1)中、R’およびRとしては、それぞれ、上記式(a1−1)中のR’およびRと同様のものが挙げられる。
rは、0または1〜3の整数である。これらのうち、rは0または1であることが好ましく、特に工業上0であることが好ましい。
の置換位置は、rが1〜3である場合にはo−位、m−位、p−位のいずれでもよく、rが2または3の場合には任意の置換位置を組み合わせることができる。
構成単位(a5)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
高分子化合物(A1)が構成単位(a5)を有する場合、構成単位(a5)の割合は、高分子化合物(A1)を構成する全構成単位に対し、1〜20モル%が好ましく、3〜15モル%がより好ましく、5〜15モル%がさらに好ましい。この範囲内であると、構成単位(a3)を有することによる効果が高く、他の構成単位とのバランスも良好である。
高分子化合物(A1)は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(a1)〜(a5)以外の他の構成単位(a6)を含んでいてもよい。
構成単位(a6)は、上述の構成単位(a1)〜(a5)に分類されない他の構成単位であれば特に限定するものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFポジエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
本発明において、高分子化合物(A1)は、少なくとも構成単位(a1)および(a2)を含む共重合体であることが好ましい。
かかる共重合体としては、構成単位(a1)および(a2)からなる共重合体であってもよく、また、構成単位(a1)および(a2)と、構成単位(a3)、(a4)、(a5)のうちの少なくとも1つとを有する共重合体であってもよい。本発明の効果に優れることから、構成単位(a1)および(a2)からなる2元共重合体(A1−2);構成単位(a1)、(a2)および(a3)からなる3元共重合体(A1−3);構成単位(a1)、(a2)、(a3)および(a4)からなる4元共重合体(A1−4−1);構成単位(a1)、(a2)、(a3)および(a5)からなる4元共重合体(A1−4−2)等が好ましく、特に、3元共重合体(A1−3)および4元共重合体(A1−4−1)が好ましい。
3元共重合体(A1−3)中、構成単位(a1)の割合は、3元共重合体(A1−3)を構成する全構成単位に対して、10〜85モル%であることが好ましく、15〜70モル%がより好ましく、20〜60モル%がさらに好ましく、25〜55モル%が特に好ましい。構成単位(a2)の割合は、10〜80モル%が好ましく、15〜70モル%がより好ましく、20〜50モル%がさらに好ましく、20〜40モル%が特に好ましい。構成単位(a3)の割合は、5〜50モル%であることが好ましく、5〜45モル%がより好ましく、10〜40モル%がさらに好ましく、15〜40モル%が特に好ましい。
4元共重合体(A1−4−1)において、構成単位(a1)の割合は、4元共重合体(A1−4−1)を構成する全構成単位に対して、10〜89モル%であることが好ましく、20〜80モル%がより好ましく、30〜80モル%がさらに好ましく、40〜70モル%が特に好ましい。構成単位(a2)の割合は、1〜80モル%であることが好ましく、1〜60モル%がより好ましく、1〜30モル%がさらに好ましく、1〜10モル%が特に好ましく、2〜8モル%が最も好ましい。構成単位(a3)の割合は、5〜50モル%であることが好ましく、5〜45モル%がより好ましく、10〜40モル%がさらに好ましく、15〜40モル%が特に好ましい。構成単位(a4)の割合は、5〜50モル%が好ましく、5〜45モル%がより好ましく、10〜40モル%がさらに好ましく、15〜40モル%が特に好ましい。
これらの共重合体においては、上記酸解離性溶解抑制基含有基として、酸解離性溶解抑制基等(I)、(II)および(III)からなる群から選択される2種以上を含むことが好ましい。特に、酸解離性溶解抑制基等(I)と、(II)または(III)との組み合わせが好ましい。
また、2種以上の前記3元又は4元共重合体を混合させて用いても良い。例えば、構成単位の割合が相互に異なる(A1−3)の混合樹脂、構成単位の割合が相互に異なる(A1−4−1)の混合樹脂、(A1−3)と(A1−4−1)の混合樹脂等が挙げられる。
高分子化合物(A1)は、各構成単位を誘導するモノマーを常法、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合させることによって得ることができる。その一例としては、例えば、ヒドロキシスチレンの水酸基をアセチル基等の保護基で保護したモノマーと、構成単位(a2)に相当するモノマーとを調製し、これらのモノマーを常法により共重合させた後、加水分解により、前記保護基を水素原子で置換して構成単位(a1)とすることによって製造できる。
高分子化合物(A1)の質量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算、以下同様。)は、3000〜30000が好ましく、5000〜20000がより好ましく、5000〜15000がさらに好ましい。質量平均分子量が30000以下であると、レジスト溶剤に対する溶解性を充分に確保でき、LERを低減できる。また、3000以上であると、現像液に対する溶解性を調整しやすい。また、ドライエッチング耐性が向上し、膜減りが改善される。
また、高分子化合物(A1)の分散度(Mw/Mn(数平均分子量))が小さいほど(単分散に近いほど)、解像性に優れ、好ましい。分散度は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.0〜2.5が最も好ましい。
高分子化合物(A1)は、1種単独であってもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分中、高分子化合物(A1)の割合は、本発明の効果のためには、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%であり、最も好ましくは100質量%である。
本発明においては、(A)成分として、本発明の効果を損なわない範囲で、高分子化合物(A1)に加えて、PHS系樹脂、アクリル系樹脂等の、一般に化学増幅型ポジ型レジスト用樹脂として用いられている樹脂を含有してもよい。
本発明のポジ型レジスト組成物において、(A)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚に応じて調整すればよい。
<(B)成分>
(B)成分としては、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤としては、下記一般式(b−1)または(b−2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006251761
[式中、R”〜R”,R”〜R”は、それぞれ独立に、アリール基またはアルキル基を表し;R”は、直鎖、分岐または環状のアルキル基またはフッ素化アルキル基を表し;R”〜R”のうち少なくとも1つはアリール基を表し、R”〜R”のうち少なくとも1つはアリール基を表す。]
式(b−1)中、R”〜R”はそれぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R”〜R”のうち、2以上がアリール基であることが好ましく、R”〜R”のすべてがアリール基であることが最も好ましい。
”〜R”のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n‐ブチル基、tert‐ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
”〜R”のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
これらの中で、R”〜R”はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
”は、直鎖、分岐または環状のアルキル基またはフッ素化アルキル基を表す。
前記直鎖のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、前記R”で示したような環式基であって、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また。該フッ化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中のフッ素原子の割合)は、好ましくは10〜100モル%、さらに好ましくは50〜100モル%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
”は、直鎖または環状のアルキル基、またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中、R”〜R”はそれぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R”〜R”のすべてがアリール基であることが好ましい。
”〜R”のアリール基としては、R”〜R”のアリール基と同様のものが挙げられる。
”〜R”のアルキル基としては、R”〜R”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R”〜R”はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中のR”としては上記式(b−1)のR”と同様のものが挙げられる。
オニウム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、モノフェニルジメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニルモノメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニル(1−(4−メトキシ)ナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネートなどが挙げられる。また、これらのオニウム塩のアニオン部がメタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネートに置き換えたオニウム塩も用いることができる。
また、前記一般式(b−1)又は(b−2)において、アニオン部を下記一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオン部に置き換えたものも用いることができる(カチオン部は(b−1)又は(b−2)と同様)。
Figure 2006251761
[式中、X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基を表し;Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素数は2〜6であり、好ましくは炭素数3〜5、最も好ましくは炭素数3である。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また波長200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基またはアルキル基のフッ素化率、すなわち水素原子が全くフッ素原子で置換されていない状態のアルキレン基またはアルキル基の水素原子の内、フッ素原子で置換された水素原子の割合は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
また、本発明においては、オニウム塩系酸発生剤の中で比較的酸の強度が弱い、アニオン部にカンファースルホン酸イオンを有するオニウム塩も用いることができる。そのカチオン部は前記一般式(b−1)又は(b−2)で示されるものと同様である。具体的には下記化学式で表される化合物等を例示できる。
Figure 2006251761
本発明において、オキシムスルホネート系酸発生剤とは、下記一般式(B−1)で表される基を少なくとも1つ有する化合物であって、放射線の照射によって酸を発生する特性を有するものである。この様なオキシムスルホネート系酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物用として多用されているので、任意に選択して用いることができる。
Figure 2006251761
(式(B−1)中、R21、R22はそれぞれ独立に有機基を表す。)
本発明において、有機基は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
21の有機基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖、分岐または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
21としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
22の有機基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R22のアルキル基、アリール基としては、前記R21で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
22としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
オキシムスルホネート系酸発生剤として、さらに好ましいものとしては、下記一般式(B−2)または(B−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006251761
[式(B−2)中、R31は、シアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R32はアリール基である。R33は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。]
Figure 2006251761
[式(B−3)中、R34はシアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R35は2または3価の芳香族炭化水素基である。R36は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。pは2または3である。]
前記一般式(B−2)において、R31の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
31としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
31におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが好ましい。
32のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenylyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントラセル(anthracyl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、およびこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
32のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましく、部分的にフッ素化されたアルキル基が最も好ましい。
33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
前記一般式(B−3)において、R34の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R31の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
35の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R32のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
36の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
pは好ましくは2である。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α‐(p‐トルエンスルホニルオキシイミノ)‐ベンジルシアニド、α‐(p‐クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐ベンジルシアニド、α‐(4‐ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐ベンジルシアニド、α‐(4‐ニトロ‐2‐トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐ベンジルシアニド、α‐(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐4‐クロロベンジルシアニド、α‐(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐2,4‐ジクロロベンジルシアニド、α‐(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐2,6‐ジクロロベンジルシアニド、α‐(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐4‐メトキシベンジルシアニド、α‐(2‐クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐4‐メトキシベンジルシアニド、α‐(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐チエン‐2‐イルアセトニトリル、α‐(4‐ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐ベンジルシアニド、α‐[(p‐トルエンスルホニルオキシイミノ)‐4‐メトキシフェニル]アセトニトリル、α‐[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐4‐メトキシフェニル]アセトニトリル、α‐(トシルオキシイミノ)‐4‐チエニルシアニド、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロペンテニルアセトニトリル、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロヘキセニルアセトニトリル、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロヘプテニルアセトニトリル、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロオクテニルアセトニトリル、α‐(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロペンテニルアセトニトリル、α‐(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)‐シクロヘキシルアセトニトリル、α‐(エチルスルホニルオキシイミノ)‐エチルアセトニトリル、α‐(プロピルスルホニルオキシイミノ)‐プロピルアセトニトリル、α‐(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)‐シクロペンチルアセトニトリル、α‐(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)‐シクロヘキシルアセトニトリル、α‐(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロペンテニルアセトニトリル、α‐(エチルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロペンテニルアセトニトリル、α‐(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロペンテニルアセトニトリル、α‐(n‐ブチルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロペンテニルアセトニトリル、α‐(エチルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロヘキセニルアセトニトリル、α‐(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロヘキセニルアセトニトリル、α‐(n‐ブチルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。
また、下記化学式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006251761
また、前記一般式(B−2)または(B−3)で表される化合物のうち、好ましい化合物の例を下記に示す。
Figure 2006251761
Figure 2006251761
上記例示化合物の中でも、下記の3つの化合物が好ましい。
Figure 2006251761
Figure 2006251761
Figure 2006251761
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、以下に示す構造をもつ1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン(A=3の場合)、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン(A=4の場合)、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン(A=6の場合)、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン(A=10の場合)、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン(B=2の場合)、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン(B=3の場合)、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン(B=6の場合)、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン(B=10の場合)などを挙げることができる。
Figure 2006251761
本発明においては、(B)成分として、オキシムスルホネート系酸発生剤および/またはフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩系酸発生剤を用いることが好ましい。
(B)成分としては、これらの酸発生剤を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のネガ型レジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜15質量部とされる。上記範囲とすることでパターン形成が十分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
[任意の成分]
本発明のポジ型レジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の成分として、含窒素有機化合物(ただし(B)成分を除く)(D)(以下、(D)成分という)を配合させることができる。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良い。かかる(D)成分としては、たとえばn−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミンなどの脂肪族アミンが挙げられる。これらの中でも、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましく、炭素数5〜10のトリアルキルアミンがさらに好ましく、トリ−n−オクチルアミンが最も好ましい。
また、(D)成分として、芳香族アミンも好ましく使用できる。芳香族アミンとしては、ベンジルアミン、フェニルアミン、フェネチルアミン等の第1級アミン;ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、ジフェネチルアミン等の第2級アミン;トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、トリフェネチルアミン等の第3級アミンが挙げられる。これらの中でも、トリベンジルアミンが本発明の効果に優れ好ましい。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
また、本発明のポジ型レジスト組成物には、前記(D)成分の配合による感度劣化の防止、またレジストパターン形状、引き置き安定性等の向上の目的で、さらに任意の成分として、有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体(E)(以下、(E)成分という)を含有させることができる。なお、(D)成分と(E)成分は併用することもできるし、いずれか1種を用いることもできる。
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられ、これらの中で特にホスホン酸が好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
本発明のポジ型レジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適宜、添加含有させることができる。
[有機溶剤]
本発明のポジ型レジスト組成物は、材料を有機溶剤に溶解させて製造することができる。
有機溶剤としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、またはジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルまたはモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類およびその誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
また、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)と極性溶剤とを混合した混合溶媒は好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比が好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2であると好ましい。
また、有機溶剤として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
有機溶剤の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
<レジストパターン形成方法>
本発明のレジストパターン形成方法は例えば以下の様にして行うことができる。
すなわち、まずシリコンウェーハのような基板上に、上記ポジ型レジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB))を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これに例えば電子線描画装置などにより、電子線やその他遠紫外線等を所望のマスクパターンを介してまたは介さずに選択的に露光する。すなわちマスクパターンを介して露光する、またはマスクパターンを介さずに電子線を直接照射して描画した後、80〜150℃の温度条件下、加熱処理(ポストエクスポージャーベーク(PEB))を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いでこれをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いて現像処理する。このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
なお、基板とレジスト組成物の塗布層との間には、有機系または無機系の反射防止膜を設けることもできる。
露光に用いる上記電子線やその他遠紫外線等の波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、Fレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、電子線、X線、軟X線などの放射線を用いて行うことができる。
本発明のポジ型レジスト組成物は、真空下での安定性が高いことから、真空下での露光工程を含むレジストパターン形成に好適に用いることができ、KrFエキシマレーザー、電子線またはEUV(極紫外線)用として好ましく、特に電子線用として好適である。
上述のように、本発明によれば、LERの低減された高解像性のパターンを形成できる。かかる効果が得られる理由としては以下のことが考えられる。すなわち、構成単位(a2)においては、α位にフッ素原子またはフッ素化低級アルキル基が結合していることにより、酸解離性溶解抑制基が解離し易くなっている。酸解離性溶解抑制基が解離しやすいため、露光時に、露光部に存在する酸解離性溶解抑制基の解離する割合(脱保護率)が高く、露光部のアルカリ溶解性が大幅に増大して、未露光部と露光部とのアルカリ溶解性の差(溶解コントラスト)が大きくなる。また、アクリル酸エステルから誘導される構成単位であることから、構成単位(a1)や構成単位(a3)等のヒドロキシスチレン系の構成単位のみを含む場合よりもKrFエキシマレーザー等の露光光源に対する透明性が高まり、レジスト膜の上部から基板界面付近まで露光光が充分に透過し、(B)成分からの酸の発生が効率よく分解する。これらの結果、LERが低減され、解像性が向上すると推測される。
さらに、本発明においては、理由は定かではないが、露光マージンも高く、露光量を多少ずらした場合であっても、形成されるレジストパターンの寸法変化が少ない。
また、形成されるレジストパターンも、LERが低減されるほか、断面形状の矩形性が高いなど、形状に優れたものである。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
合成例1,2
以下の手順で樹脂1,2を合成した。
(1)前駆重合体の合成
窒素吹き込み管と還流器と、滴下ロートと温度計を取り付けた4口フラスコにイソプロピルアルコール141g、4−アセトキシスチレン7gおよび3−ヒドロキシ−1−アダマンチル−α−トリフルオロメチルアクリレート3gを入れ、窒素置換した後、撹拌しながら82℃に昇温した。その温度を維持しつつ、4−アセトキシスチレン187g、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル−α−トリフルオロメチルアクリレート84gおよび2,2’−アゾビスイソブチロニトリル17gをイソプロピルアルコール114gに溶解させた溶解液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、その温度を維持しつつ4時間撹拌を続けた。
その後、20℃に冷却し、析出した析出物を沈降させ、上澄み液を除去後、イソプロピルアルコール240gを入れ、75℃で撹拌溶解した。得られた溶解液に35質量%塩酸9gおよび水43gを滴下し、75℃で7時間攪拌後、20℃に冷却して反応を終了した。
得られた反応溶液に酢酸エチル2000gを入れ、大量の水で酢酸エチル溶液を洗浄、常圧蒸留で酢酸エチルを留去し、析出した白色固体をテトラヒドロフラン1030gで溶解し、前駆重合体のテトラヒドロフラン溶液1237gを得た。
(2)樹脂1の合成
窒素吹き込み管、滴下ロートと温度計を取り付けた4口フラスコに(1)で得られたテトラヒドロフラン溶液310gおよびエチルビニルエーテル10gを入れ、20℃で撹拌し、これにp−トルエンスルホン酸・1水和物を触媒量加え、その温度に維持しつつ4時間撹拌後、トリエチルアミンを加え反応を停止した。
得られた反応溶液を、大量の水中に滴下して析出物を得た。この析出物をろ別、洗浄、乾燥して白色固体のランダム共重合体(樹脂1)55gを得た。
(3)樹脂2の合成
(2)におけるエチルビニルエーテルの添加量を13gとした以外は(2)と同様にして、白色固体のランダム共重合体(樹脂2)56gを得た。
(4)(2)および(3)で得られた白色固体の同定
[樹脂1]
・ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算で求めた質量平均分子量;10,000,分散度2.22
・同位体水素核磁気共鳴(H−NMR)及び同位体炭素核磁気共鳴(13C−NMR)分析で求めた結果、a/b/c/d=56/17/24/3[モル比]であった。
[樹脂2]
・ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算で求めた質量平均分子量;10,000,分散度2.2
・同位体水素核磁気共鳴(H−NMR)及び同位体炭素核磁気共鳴(13C−NMR)分析で求めた結果、a/b/c/d=64/18/16/2[モル比]であった。
樹脂1,2の構造を下記式(a−1)に示す。
Figure 2006251761
合成例3
(1)樹脂3の合成
窒素吹き込み管と還流器と、滴下ロートと温度計を取り付けた4口フラスコにイソプロピルアルコール67g、4−アセトキシスチレン6g、4−(1−エトキシエトキシ)スチレン2gおよびt−ブチル−α−トリフルオロメチルアクリレート2gを入れ、窒素置換した後、撹拌しながら82℃に昇温した。その温度を維持しつつ、4−アセトキシスチレン55g、4−(1−エトキシエトキシ)スチレン22g、t−ブチル−α−トリフルオロメチルアクリレート22gおよび2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)8gを62gのイソプロピルアルコールに溶解させた溶解液を3.5時間かけて滴下した。滴下終了後、その温度を維持しつつ3時間撹拌を続けた。その後、25℃に冷却し、析出した析出物を沈降させ、上澄み液を除去後、沈降している析出物をテトラヒドロフラン110gに溶解した。その溶解液に80質量%ヒドラジン水溶液28gを滴下し、25℃で3時間撹拌後、反応を終了した。
得られた反応溶液を、大量の水中に滴下して析出物を得た。この析出物をろ別、洗浄、乾燥して白色固体のランダム共重合体(樹脂3)を得た。
(2)(1)で得られた白色固体の同定
[樹脂3]
・ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算で求めた質量平均分子量;8,500,分散度1.53
・同位体炭素核磁気共鳴(13C−NMR)分析による単量体組成比;4−ヒドロキシスチレン/4−(1−エトキシエトキシ)スチレン/t−ブチル−α−トリフルオロメチルアクリレート=40/30/30モル比
樹脂3の構造を下記式(a−2)に示す。
式(a−2)中、a、b、cの比率(モル比)は、a/b/c=40/30/30である。
Figure 2006251761
実施例1
表1に示す組成でポジ型レジスト組成物溶液を調製した。該ポジ型レジスト組成物溶液を、ヘキサメチルジシラザン処理を施した8インチシリコン基板上に均一に塗布し、表2の条件にて90秒ベーク処理(PAB)を行って、125nm膜厚のレジスト膜を成膜した。得られたレジスト膜に対し、電子線描画機(日立製HL−800D、70kV加速電圧)にて描画を行い、表2の条件にて90秒ベーク処理(PEB)、23℃で2.38質量%TMAH水溶液にて60秒間の現像、純水にて30秒間のリンス、振り切り乾燥を行った後、100℃にて60秒ベーク処理を行い、レジストパターンを形成し、下記の評価を行った。その結果を表2にまとめた。
評価項目
<感度>
1:1の100nmラインアンドスペース(L/S)パターンが形成される際の感度(μC/cm)を測定した。
<解像性>
前記感度においての限界解像度を示した。
<露光マージン>
1:1の100nmL/Sパターンにおける最適露光量から±5%での1μC/cmに対する寸法変化量を測定して露光マージンを算出した。
<LER>
上記感度において得られた100nmL/Sパターンについて、LERを示す尺度である3σを求めた。3σは、側長SEM(日立製作所社製,商品名「S−9220」)により、試料のレジストパターンの幅を32箇所測定し、その結果から算出した標準偏差(σ)の3倍値(3σ)である。この3σは、その値が小さいほどラフネスが小さく、均一幅のレジストパターンが得られたことを意味する。
Figure 2006251761
表1中の略語は以下の通り。
PAG1:トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート。
PAG2:ビス−O−(n−ブチルスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム。
PAG3:α−(メチルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル。
AMINE1:トリ−n−オクチルアミン。
AMINE2:トリベンジルアミン。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート。
比較樹脂1:下記式(a−3)で表される重合体(質量平均分子量10000、分散度1.2、a/b=70:30[モル比])
Figure 2006251761
Figure 2006251761
上記の結果より、実施例1〜6は、解像性及びLERの両方に優れていることがわかった。また、実施例1〜6は比較例1に比べて露光マージンに優れていることもわかった。
本発明により、LERの低減された高解像性のパターンを形成できるポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法が提供される。

Claims (15)

  1. 酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含むポジ型レジスト組成物であって、
    前記樹脂成分(A)が、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位(a1)と、酸解離性溶解抑制基を有しかつα位にフッ素原子またはフッ素化低級アルキル基が結合したアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)とを有する高分子化合物(A1)を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
  2. 前記構成単位(a2)が、下記一般式(a2−1)
    Figure 2006251761
    [式中、Rはフッ素原子またはフッ素化低級アルキル基を表し、Rは酸解離性溶解抑制基又は酸解離性溶解抑制基を有する有機基を表す。]
    で表される構成単位である請求項1記載のポジ型レジスト組成物。
  3. 前記酸解離性溶解抑制基が、下記一般式(I)
    Figure 2006251761
    [式中、Xは脂肪族環式基、芳香族環式炭化水素基または低級アルキル基を表し、Rは水素原子または低級アルキル基を表し、もしくはXおよびRがそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であってXの末端とRの末端とが結合していてもよく、Rは低級アルキル基または水素原子を表す。]
    で表される酸解離性溶解抑制基(I)を含む請求項1または2記載のポジ型レジスト組成物。
  4. 前記酸解離性溶解抑制基を有する有機基が、下記一般式(II)
    Figure 2006251761
    [式中、X’は脂肪族環式基、芳香族環式炭化水素基または低級アルキル基を表し、Rは水素原子または低級アルキル基を表し、もしくはX’およびRがそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であってX’の末端とRの末端とが結合していてもよく、Rは低級アルキル基または水素原子を表し、Yは脂肪族環式基を表す。]
    で表される酸解離性溶解抑制基を有する有機基(II)を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
  5. 前記酸解離性溶解抑制基が、鎖状または環状の第3級アルキル基を含む酸解離性溶解抑制基(III)である請求項1〜4のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
  6. 前記高分子化合物(A1)が、さらに、前記構成単位(a1)における水酸基の水素原子が酸解離性溶解抑制基で置換されてなる構成単位(a3)を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
  7. 前記高分子化合物(A1)が、さらに、アルコール性水酸基を有し、かつα位にフッ素原子またはフッ素化低級アルキル基が結合したアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a4)を有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
  8. 前記構成単位(a4)が、アルコール性水酸基を有する鎖状または環状アルキル基を有する請求項7記載のポジ型レジスト組成物。
  9. 前記構成単位(a1)の割合が、前記高分子化合物(A1)を構成する全構成単位に対し、10〜85モル%である請求項1〜8のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
  10. 前記構成単位(a2)の割合が、前記高分子化合物(A1)を構成する全構成単位に対し、1〜80モル%である請求項1〜9のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
  11. 前記構成単位(a3)の割合が、前記高分子化合物(A1)を構成する全構成単位に対し、5〜50モル%である請求項6〜10のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
  12. 前記構成単位(a4)の割合が、前記高分子化合物(A1)を構成する全構成単位に対し、5〜50モル%である請求項7〜11のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
  13. 前記高分子化合物(A1)の質量平均分子量が3000〜30000の範囲内である請求項1〜12のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
  14. さらに含窒素有機化合物(D)を含む請求項1〜13のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を選択的に露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法。

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