JP2006208546A - レジストパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 酸の作用によりアルカリ可溶性が変化する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含有するレジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を選択的に露光する工程と、前記レジスト膜を、アルカリ現像液を用いて、30秒未満の現像時間で現像してレジストパターンを形成する工程とを含むことを特徴とするレジストパターン形成方法。
【選択図】 なし
Description
このような短波長の光源用のレジストには、微細な寸法のパターンを再現可能な高解像性と、このような短波長の光源に対する感度の高さが求められている。このような条件を満たすレジストの1つとして、ベース樹脂と、露光により酸を発生する酸発生剤(以下、PAGという)とを含有する化学増幅型レジストが知られており、化学増幅型レジストには、露光部のアルカリ可溶性が増大するポジ型と、露光部のアルカリ可溶性が低下するネガ型とがある。
そのため、現在、248nmよりも短波長の光、たとえばArFエキシマレーザー(193nm)等を用いるプロセスに使用されるレジストのベース樹脂としては、193nm付近における透明性に優れるアクリル酸エステルから誘導される構成単位を有する樹脂(アクリル系樹脂)が主に用いられている。たとえばポジ型の場合、特許文献1に示されるように、カルボキシ基の水素原子が酸解離性溶解抑制基で置換されたアクリル酸の第3級エステル化合物、たとえば2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等から誘導される構成単位を有する樹脂が一般的に用いられている。
このような材料を用いることにより、現在では、たとえばArFエキシマレーザーを用いた最先端の領域では、パターン寸法が90nm程度の微細なレジストパターンを形成することが可能となっており、今後はさらに微細なパターンの形成が要求されると考えられる。
パターン倒れを改善する方法としては、これまで、(1)材料を最適化してパターン倒れが生じにくくする方法(たとえば特許文献2参照。)、(2)パターン形成の際に、基板上を特殊な液体で置換した後、超臨界乾燥を使用する方法等(たとえば特許文献3参照。)が用いられている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、微細なパターンを形成する際のパターン倒れを容易に抑制できるレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明のレジストパターン形成方法は、上述したように、レジストパターンを形成する際の現像時間を30秒未満とすることが必須である。現像時間を30秒未満とするという簡単な操作を行うだけでパターン倒れを抑制できる。
現像時間は、30秒未満であれば特に限定されない。本発明の効果に優れることから、20秒以下が好ましく、15秒以下がより好ましい。また、下限値としては、レジスト膜の溶解性の点で、10秒以上が好ましい。
なお、従来、一般的に用いられている現像時間は30〜60秒である。
まずシリコンウェーハ等の基板上にレジスト組成物をスピンナーなどで塗布した後、プレベーク(PAB)処理を行ってレジスト膜を形成する。
なお、基板とレジスト膜との間には、有機系または無機系の反射防止膜を設けてもよい。また、レジスト膜上に有機系の反射防止膜を設けてもよく、該レジスト膜上に設ける反射防止膜はアルカリ現像液に可溶であるものが好ましい。
次いで該レジスト膜に対し、ArFエキシマレーザー光等の放射線を所望のマスクパターンを介して照射することにより選択的露光を行う。
露光に用いる放射線の種類は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線などの放射線を用いて行うことができる。特に、本発明のレジストパターン形成方法においては、たとえばパターン寸法が90nm以下、特に65nm以下であるような微細なパターンが形成可能であることから、露光を、ArFエキシマレーザーを用いて行うことが好ましい。
使用するアルカリ現像液としては、特に限定されず、一般的に用いられているアルカリ現像液が使用できる。かかるアルカリ現像液としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、トリメチルモノエチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルジエチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルモノプロピルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルモノブチルアンモニウムヒドロキシド等の有機アルカリを水に溶解したアルカリ水溶液が挙げられる。
アルカリ現像液中のアルカリ濃度は、一般的に現像液として用いられる程度の濃度であれば特に限定されず、用いられるレジストの種類にも依存するが、パターン倒れを抑制しつつ微細なパターンを形成できることから、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましく、2.0〜3.5質量%がさらに好ましい。
アルカリ現像液には、前記アルカリとともに、所望に応じて、従来レジスト用のアルカリ現像液に慣用されている添加成分、例えば湿潤剤、安定剤、溶解助剤、界面活性剤等が添加されていてもよい。これらの添加成分はそれぞれ単独で添加してもよいし、2種以上を組み合わせて添加してもよい。
ここで、本発明の効果は、現像に使用するアルカリ現像液の種類に依存しない。これは、パターン倒れの抑制には、アルカリ現像液という親水性の液体に接触する時間が重要であるためと推測される。
ここで、本発明の効果は、現像に使用する現像装置の種類に依存しない。これは、上述したように、パターン倒れの抑制には、アルカリ現像液という親水性の液体に接触する時間が重要であるためと推測される。
最も好ましい条件は、22〜25℃、特には23℃で、2.38質量%のTMAH水溶液で10〜15秒間現像することが、DOFやパターン倒れ抑制の観点から好ましい。
このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
これらの工程は、現像時間以外は、周知の手法を用いて行うことができる。操作条件等は、使用するレジスト組成物の組成や特性に応じて適宜設定することが好ましい。
本発明のレジストパターン形成方法に用いるレジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ可溶性が変化する樹脂成分(A)(以下、(A)成分という)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下、(B)成分という)とを含有する、いわゆる化学増幅型レジスト組成物である。化学増幅型レジスト組成物を用いることにより、微細なレジストパターンが形成できる。
化学増幅型レジスト組成物としては、ポジ型でもネガ型でも適用可能であり、露光に使用する光源に応じて、既知のレジストから任意に選択して使用できる。本発明においてはポジ型が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸、またはα−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸の低級アルキルエステルから選ばれる少なくとも一つから誘導される単位を有する樹脂が、膨潤の少ない良好なレジストパターンが形成でき、好ましい。
また、架橋剤としては、例えば、通常は、メチロール基またはアルコキシメチル基、特にはブトキシメチル基を有するグリコールウリルなどの浸漬露光の溶媒に対して難溶性のアミノ系架橋剤を用いると、膨潤の少ない良好なレジストパターンが形成でき、好ましい。
架橋剤の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対し、1〜50質量部の範囲が好ましい。
そのため、レジストパターンの形成において、基板上に塗布されたレジスト組成物に対して選択的に露光すると、露光部のアルカリ可溶性が増大し、アルカリ現像することができる。
本発明においては、(A)成分中、構成単位(a)を主成分として含有することが好ましい。ここで、「主成分」とは、構成単位(a)が、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、最も多い割合を占めることを意味し、50モル%以上であることが好ましく、70〜100モル%がより好ましく、100モル%が最もに好ましい。
「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸エステルのほか、α位に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基等が挙げられる。なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことである。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
構成単位(a1)において、アクリル酸エステルのα位には、水素原子または低級アルキル基が結合している。
アクリル酸エステルのα位に結合している低級アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基であり、直鎖または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。工業的にはメチル基が好ましい。
アクリル酸エステルのα位に結合しているのは水素原子またはメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
酸解離性溶解抑制基としては、例えばArFエキシマレーザーのレジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。一般的には、(メタ)アクリル酸のカルボキシ基と環状または鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基、または環状または鎖状のアルコキシアルキル基などが広く知られている。なお、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、アクリル酸エステルと、メタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。
鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基としては、例えばtert−ブチル基、tert−アミル基等が挙げられる。
環状の第3級アルキルエステルを形成する基としては、後述する「脂環式基を含有する酸解離性溶解抑制基」で例示するものと同様のものが挙げられる。
このような環状または鎖状のアルコキシアルキル基としては、1−メトキシメチル基、1−エトキシエチル基、1−イソプロポキシエチル、1−シクロヘキシルオキシエチル基、2−アダマントキシメチル基、1−メチルアダマントキシメチル基、4−オキソ−2−アダマントキシメチル基、1−アダマントキシエチル基、2−アダマントキシエチル基等が挙げられる。
本明細書及び特許請求の範囲における「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを意味する。
脂肪族環式基としては、単環または多環のいずれでもよく、例えばArFレジスト等において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。エッチング耐性の点からは多環の脂環式基が好ましい。また、脂環式基は炭化水素基であることが好ましく、特に飽和の炭化水素基(脂環式基)であることが好ましい。
単環の脂環式基としては、例えば、シクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が挙げられる。多環の脂環式基としては、例えばビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから1個の水素原子を除いた基などを例示できる。
具体的には、単環の脂環式基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。多環の脂環式基としては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
これらの中でもアダマンタンから1個の水素原子を除いたアダマンチル基、ノルボルナンから1個の水素原子を除いたノルボルニル基、トリシクロデカンからの1個の水素原子を除いたトリシクロデカニル基、テトラシクロドデカンから1個の水素原子を除いたテトラシクロドデカニル基が工業上好ましい。
R1の低級アルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖又は分岐状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基であることが工業的に入手が容易であることから好ましい。
環状の第3級アルキル基としては、前述の「脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基」で例示したものと同じであり、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、2−(1−アダマンチル)−2−プロピル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−メチルシクロペンチル基等を挙げることができる。
また、基−COOR4は、式中に示したテトラシクロドデカニル基の3または4の位置に結合していてよいが、結合位置は特定できない。また、アクリレート構成単位のカルボキシル基残基も同様に式中に示した8または9の位置に結合していてよい。
(A)成分中、構成単位(a1)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、20〜60モル%であることが好ましく、30〜50モル%がより好ましく、35〜45モル%が最も好ましい。下限値以上とすることによってパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
構成単位(a2)において、α位の炭素原子に結合しているのは、低級アルキル基または水素原子である。α位の炭素原子に結合している低級アルキル基は、構成単位(a1)の説明と同様であって、好ましくはメチル基である。
構成単位(a2)としては、アクリル酸エステルのエステル側鎖部にラクトン環からなる単環式基またはラクトン環を有する多環の環式基が結合した構成単位が挙げられる。なお、このときラクトン環とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環を示し、これをひとつの目の環として数える。したがって、ここではラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a2)としては、例えば、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた単環式基や、ラクトン環含有ビシクロアルカンから水素原子を1つを除いた多環式基を有するもの等が挙げられる。
式(IV’)中において、R5、R6は、それぞれ独立に、水素原子または低級アルキル基であり、好ましくは水素原子である。R5、R6において、低級アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜5の直鎖又は分岐状アルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。工業的にはメチル基が好ましい。
(A)成分中、構成単位(a2)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、20〜60モル%が好ましく、20〜50モル%がより好ましく、30〜45モル%が最も好ましい。下限値以上とすることによりリソグラフィー特性が向上し、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
構成単位(a3)により、(A)成分全体の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
構成単位(a2)において、α位の炭素原子に結合しているのは、低級アルキル基または水素原子である。α位の炭素原子に結合している低級アルキル基は、構成単位(a1)の説明と同様であって、好ましくはメチル基である。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アミノ基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
多環式基としては、前述の「脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基」で例示した脂肪族環式基のうち、多環式のものから適宜選択して用いることができる。
これらの中でも、nが1であり、水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
これらの中でも、kが1であるものが好ましい。また、シアノ基がノルボルナニル基の5位又は6位に結合していることが好ましい。
(A)成分中、構成単位(a3)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、10〜50モル%が好ましく、15〜40モル%がより好ましく、20〜35モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによりリソグラフィー特性が向上し、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
構成単位(a4)としては、上述の構成単位(a1)〜(a3)に分類されない他の構成単位であれば特に限定するものではない。
例えば多環の脂肪族炭化水素基を含み、かつアクリル酸エステルから誘導される構成単位等が好ましい。該多環の脂肪族炭化水素基は、例えば、前述の「脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基」で例示した脂肪族環式基のうち、多環式のものから適宜選択して用いることができる。特にトリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、イソボルニル基から選ばれる少なくとも1種以上であると、工業上入手し易い等の点で好ましい。構成単位(a4)における多環の脂肪族炭化水素基としては、酸非解離性基であることが最も好ましい。
下限値は特に限定するものではないが、パターン倒れの抑制、解像性向上等の点で、好ましくは4000以上、さらに好ましくは5000以上とされる。
レジスト組成物中、(A)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚に応じて調整すればよい。
R1”〜R3”のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n‐ブチル基、tert‐ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
R1”〜R3”のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
これらの中で、R1”〜R3”はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
前記直鎖のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、前記R1”で示したような環式基であって、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また。該フッ化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中のフッ素原子の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
R4”としては、直鎖または環状のアルキル基、またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
R5”〜R6”のアリール基としては、R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアルキル基としては、R1”〜R3”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R5”〜R6”はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中のR4”としては上記式(b−1)のR4”と同様のものが挙げられる。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
レジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜10質量部とされる。上記範囲とすることでパターン形成が十分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良いが、脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNH3の水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)が挙げられる。その具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミン等が挙げられる。これらの中でも、アルキルアルコールアミン及びトリアルキルアミンが好ましく、アルキルアルコールアミンが最も好ましい。アルキルアルコールアミンの中でもトリエタノールアミンやトリイソプロパノールアミンが最も好ましい。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられ、これらの中で特にホスホン酸が好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
有機溶剤としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類や、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、またはジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルまたはモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類およびその誘導体や、ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
また、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)と極性溶剤とを混合した混合溶媒は好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比が好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2であると好ましい。
また、有機溶剤として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
有機溶剤の使用量は特に限定されず、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定される。一般的にはレジスト組成物の固形分濃度2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
また、本発明においては、現像時間を30秒未満とするだけの簡単な操作により上記効果が得られることから、特殊な材料やプロセスを用いる必要がなく、コストや時間を低減できる。また、スループットの向上も期待できる。
さらに、焦点深度幅や露光マージンが大きく、また、パターン倒れが生じる最小のパターン寸法も小さい。そのためプロセス上のマージンが大きい。
(A)成分として下記式(1)で表される樹脂1(式(1)中、l/m/n/k=40/40/15/5(モル比);質量平均分子量6000;分散度2.3)100質量部と、(B)成分としてトリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート4.0質量部およびトリ(p−tert−ブチルフェニル)スルホニウムノナフルオロブタンスルホネート3.5質量部と、(d)成分としてトリエタノールアミン0.6質量部とを、PGMEAとELとの混合溶剤(PGMEA/EL=6/4(質量比))に溶解して、固形分濃度約5質量%のポジ型レジスト組成物を調製した。
上記製造例1で得られたポジ型レジスト組成物を用いて、以下の手順でレジストパターンを形成し、その評価を行った。
まず、有機系反射防止膜組成物「ARC−29」(商品名、ブリューワサイエンス社製)を、スピンナーを用いてシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で215℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚77nmの有機系反射防止膜を形成した。そして、製造例1で調製したポジ型レジスト組成物を、スピンナーを用いて反射防止膜上に塗布し、ホットプレート上で105℃、90秒間プレベーク(PAB)して、乾燥させることにより膜厚125nmのレジスト膜を形成した。
ついで、ArF露光装置NSR−S306(ニコン社製;NA(開口数)=0.78,σ=0.3)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターン(スペース幅60nm、ピッチ160nmのラインアンドスペース(L/S)パターン)を介して選択的に照射した。
そして、110℃、90秒間の条件でPEB処理した後、23℃にて、アルカリ現像液を用い、表1に示す現像時間で現像を行った。アルカリ現像液としては2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いた。現像後、純水を用いて20秒間リンスし、振り切り乾燥を行った。
このようにして得られたL/Sパターンを走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、ライン幅50nm、ピッチ160nmのL/Sパターンが形成されていた。
上記L/Sパターンが形成される最適露光量EOP(20mJ/cm2)において、焦点深度を適宜上下にずらし、上記と同様にしてレジストパターンを形成し、それぞれのパターンをパターン倒れを生じることなく形成できる焦点深度の幅(μm)を求めた。その結果を表1に示す。
(最小パターン幅)
露光量の増加に伴ってパターン(ライン幅)が細くなっていったときに、どのライン幅でパターン倒れが生じるかをSEMにより観察した。パターン倒れが生じる直前のライン幅(nm)を「最小パターン幅」として表1に示す。
一方、現像時間がそれぞれ30秒および300秒の比較例1および比較例2においてはDOFは実施例1よりも小さく、また、実施例1よりも太いライン幅でパターンが倒れていた。さらに、比較例2では、形成されたパターンが膨潤していた。
Claims (7)
- 酸の作用によりアルカリ可溶性が変化する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含有するレジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を選択的に露光する工程と、前記レジスト膜を、アルカリ現像液を用いて、30秒未満の現像時間で現像してレジストパターンを形成する工程とを含むことを特徴とするレジストパターン形成方法。
- 前記露光をArFエキシマレーザーを用いて行う請求項1記載のレジストパターン形成方法。
- 前記樹脂成分(A)が、アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a)を有する請求項2記載のレジストパターン形成方法。
- 前記樹脂成分(A)が、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有する請求項3記載のレジストパターン形成方法。
- 前記樹脂成分(A)が、ラクトン環を有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有する請求項4記載のレジストパターン形成方法。
- 前記樹脂成分(A)が、極性基含有多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有する請求項4または5記載のレジストパターン形成方法。
- 前記レジスト組成物がさらに含窒素有機化合物を含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のレジストパターン形成方法。
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