JP4060624B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像形成装置に関し、特に簡易な方法でガンマ(γ)補正テーブルを更新する画像形成装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、画像情報がデジタル情報として扱われるに伴い、様々な形態の画像形成装置が開発・製造され普及している。このような画像形成装置においては、一層の高画質化、高品質化が望まれており、スキャナ部やプリンタ部等の特性の変化に対応するためのガンマ補正テーブルが設けられ、特性の変化に応じるべく画像情報がガンマ補正テーブルで補正処理された上で画像形成がなされる。
【0003】
従来の画像形成装置においては、このガンマ補正テーブルの生成は、装置内部の記憶領域に格納された階調パタンを印刷し、更に印刷された階調パタンをスキャナにより読み込ませ、スキャナが読んだ結果に基づいてガンマ補正テーブルが生成され更新される。これにより、その時のスキャナ部やプリンタ部等の物理特性を反映した補正により、所望の高画質な画像形成結果を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来装置においては、このガンマ補正テーブルの更新処理は、上述したように内蔵された階調パタンを印刷した階調パタンシートを、ユーザがスキャナテーブルに移動して読み込ませるという作業が少なくとも生じることとなる。それ以外にも、通常動作モードからガンマ補正テーブル更新モードへ変更するという操作が必要となる。このように、従来装置のガンマ補正テーブルの更新処理は、ユーザの手を煩わせるものであり、更に定期的・自動的に行われるものではないので、ユーザがガンマ補正テーブルの更新処理を怠ることで、必ずしも高画質な画像形成を行うことができないという問題がある。
【0005】
本発明は、画像形成装置のガンマ補正テーブルを自動更新することで、容易に最適なガンマ補正テーブルを活用した高画質な画像形成を行うことができる画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
課題を解決するための一実施形態は、
画像形成装置であって、
所定記憶領域に格納された階調パタン情報を読み出し、これに応じた画像を画像記録媒体上に形成するパタン形成手段と、
前記パタン形成手段により形成された前記画像記録媒体上の階調パタン情報に応じた画像をスキャナを用いて読み取り、読み取った画像情報に基づいて第1ガンマ補正テーブルを生成する第1生成手段と、
前記所定記憶領域に格納された前記階調パタン情報を読み出し、前記第1生成手段が生成した前記第1ガンマ補正テーブルに応じてこれを補正し、補正された前記階調パタン情報に応じた画像を感光体ドラムである像担持体上に印刷する第1印刷手段と、
前記第1印刷手段が前記像担持体上に印刷した画像の濃度をトナー付着量センサにより検出し、この画像濃度を基準濃度値として記憶領域に記憶する記憶手段と、
前記検出された画像濃度を前記記憶手段が基準濃度値として記憶領域に記憶した後に、前記所定記憶領域に格納された前記階調パタン情報を読み出し、これを前記第1生成手段が生成した前記第1ガンマ補正テーブルにより補正し、この補正された階調パタン情報に応じた画像を前記像担持体上に印刷する第2印刷手段と、
前記第2印刷手段が前記像担持体上に印刷した画像の濃度を前記トナー付着量センサにより検出し、この画像濃度を前記記憶手段が記憶する前記基準濃度値と比較して濃度偏差を計算する計算手段と、
前記計算手段が求めた前記濃度偏差に基づいて、新たな第2ガンマ補正テーブルを生成する第2生成手段と、
原稿上の画像情報を前記スキャナを用いて読み取り、読み取った画像情報を前記第2生成手段が生成した前記第2ガンマ補正テーブルにて補正し、補正された画像情報に基づく画像を画像記録媒体上に形成する画像形成手段を具備することを特徴とする画像形成装置である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る画像形成装置の実施形態の一例を説明する。本発明は、画像形成装置において、ガンマ補正テーブルを自動更新する固有の処理をその特徴としているが、先に、本発明の処理が適用される画像形成装置の一例の構造を図面を用いて以下に詳細に説明する。
【0009】
<本発明に係る画像形成装置の構造の一例>
図2は、本発明に係る画像形成装置の構造の一例を示す断面図、図3は、本発明に係る画像形成装置の構造の一例を示すブロック図である。
【0010】
図2に示すように、画像形成装置であるカラーレーザプリンタは、主に、スキャナを含む光学系13と画像形成部Fとに分かれる。画像形成部Fは、像担持体としての感光体ドラム1を備え、この感光体ドラムは、図面に対して反時計方向に回転可能に設けられている。更に画像形成部Fは、感光体ドラム1の周囲に配置されて、帯電手段である帯電器2、現像手段である第1現像器4、第2現像器5、第3現像器6、第4現像器7、トナー濃度を検出するトナー付着量センサ8、転写材支持体としての転写ドラム9、クリーニング前除電器10、クリーナ11、除電ランプ12を有している。
【0011】
なお、像担持体は画像を保持する部分という意味であり、感光体ドラム1のみに限らず、転写ドラム9を含むものである。本発明に係るガンマ補正テーブルを作成する工程で像担持体に形成される階調パタンの画像は、その対象を感光体ドラム1、転写ドラム9を含んでいる。
【0012】
感光体ドラム1は、帯電器2により表面が一様に帯電される。帯電器2と第1現像器4との間において、スキャナ一部であり露光手段であるレーザ露光装置13から出射されたレーザビーム光14が、感光体ドラム1の表面に露光することにより、画像データに応じた静電潜像が形成される。
【0013】
第1乃至第4現像器4〜7は、各色に対応した感光体ドラム1上の静電潜像をカラーのトナー像に顕像化するもので、たとえば、第1現像器4はマゼンタ、第2現像器5はシアン、第3現像器6はイエロー、第4現像器7はブラックの現像を行なう。
【0014】
一方、転写材としての転写用紙は、給紙カセット15から給紙ローラ16で送り出され、レジストローラ17で一旦整位され、転写ドラム9の所定の位置に吸着するようにレジストローラ17で送られ、吸着ローラ18及び吸着帯電器19により転写ドラム9に静電吸着される。転写用紙は、転写ドラム9に吸着した状態で、転写ドラム9の時計方向の回転に伴って搬送される。
【0015】
現像された感光体ドラム1上のトナー像は、感光体ドラム1と転写ドラム9とが対向する位置で、転写帯電器20により転写用紙に転写される。カラー印字の場合、転写ドラム9の1回転を1周期とする工程を、現像器を切換えて複数回行ない、転写用紙に複数色のトナー像を多重転写する。
【0016】
トナー像が転写された転写用紙は、転写ドラム9の回転に伴って更に搬送され、分離前内除電器21、分離前外除電器22、分離除電器23により除電される。その後、転写用紙は、分離爪24により転写ドラム9から剥離され、搬送ベルト25、26により定着器27に搬送される。定着器27により加熱された転写用紙上のトナーは溶融し、定着器27から排出された直後に転写用紙に定着し、この定着を終了した転写用紙はトレー28に排出される。
【0017】
図3に示すように、上記カラーレーザプリンタにおいて、帯電器2は、主に帯電ワイヤ31、導電性ケース32、グリッド電極33により構成されている。帯電ワイヤ31は、コロナ用の高圧電源34に接続されていて、感光体ドラム1の表面にコロナ放電して帯電させる。グリッド電極33は、グリッドバイアス用の高圧電源35に接続されていて、グリッドバイアス電圧により感光体ドラム1の表面に対する帯電量を制御している。
【0018】
帯電器2により一様に帯電された感光体ドラム1の表面は、レーザ露光装置からの変調されたレーザビーム光14によって露光され、静電潜像が形成される。階調データバッファ36は、図示しない外部機器又はコントローラからの階調データを格納し、プリンタの階調特性を補正し、レーザ露光時間(パルス幅)データに変換する。
【0019】
レーザ駆動回路37は、レーザビーム光14の走査位置に同期するよう、階調データバッファ36からのレーザ露光時間データに応じてレーザ駆動電流(発光時間)を変調させる。そして、変調されたレーザ駆動電流により、レーザ露光装置13内の半導体レーザ発振器(図示しない)を駆動する。これにより、半導体レーザ発振器は、露光時間データに応じて発光動作する。
【0020】
更に、レーザ駆動回路37は、レーザ露光装置13内のモニタ用受光素子(図示しない)の出力と設定値とを比較し、駆動電流により半導体レーザ発振器の出力光量を設定値に保つ制御を行っている。
【0021】
一方、パタン発生回路38は、ガンマ補正テーブルの自動更新処理のための階調補正シートを出力するべく、階調補正シートの画像情報が格納されている。
【0022】
感光体ドラム1の表面に形成された静電潜像は、現像器4により現像される。すなわち、現像器4は、たとえば2成分現像方式であり、トナー及びキャリアからなる現像剤を収納している。現像剤におけるトナーの重量比(以降、トナー濃度と記す)は、トナー濃度計測部39により計測される。そして、トナー濃度計測部39の出力に応じて、トナー補給ローラ40を駆動するトナー補給モータ41が制御され、トナーホッパ42内のトナーが現像器4内に補給されるようになっている。
【0023】
現像器4の現像ローラ43は、導電性の部材で形成され、現像バイアス印加用の高圧電源44に接続されている。そして、現像ローラ43は、現像バイアス電圧が印加された状態で回転し、感光体ドラム1上の静電潜像にトナーを付着させて現像する。こうして現像された感光体ドラム1上のトナー像は、転写ドラム9によって転写用紙に転写される。
【0024】
又、制御回路45は、電源投入後のウォームアップ処理の終了時、パタン発生回路38から階調データを発生させ、感光体ドラム1上に階調パタンを露光する。そして、この階調パタンがそれぞれ現像され、テストパタン領域が形成される。
【0025】
この階調パタンがトナー付着量センサ8と対向する位置にくると、トナー付着量センサ8は、階調パタンのトナー濃度を計測する。トナー付着量センサ8の出力は、A/D変換器46でデジタル化されて制御回路45に入力される。
【0026】
制御回路45は、後述するように、この階調パタンを用いたガンマ補正テーブルの更新処理を行う。
【0027】
高圧電源35、44は、それぞれ制御回路45からD/A変換器47、48を介して供給される出力電圧制御信号により、制御される。
【0028】
制御回路45には、電源がオフされても消去されないEEPROM等で構成された書き換え可能な記憶部61、データ記憶用のRAM等で構成される記憶部62、待機時間等を計測するタイマ63、及び制御回路45の全体を制御するCPU64が設けられている。
【0029】
記憶部61には、各種設定値が予め記憶され、例えば、常温常湿の基準階調特性となるバイアス条件に対応する初期グリッドバイアス電圧値及び現像バイアス電圧値、テストパタン階調データ、表面電位特性を表す係数、所定印字枚数、所定経過時間、最大制御回数、バイアス条件値、トナー付着量センサ8の異常範囲、テストパタン領域以外の反射光量等が記憶されている。
【0030】
バイアス条件値としては、グリッドバイアス、現像バイアスのそれぞれの上限値、下限値(所定範囲)と、グリッドバイアスと現像バイアスとの差電圧の許容範囲である。上記テストパタン部の目標値は、コントロールパネル49により変更入力及び表示可能となっている。
【0031】
1次記憶部あるいは短期記憶部として機能する記憶部62には、トナー付着量センサ8の異常前に設定されていたバイアス値(バイアス変更モード設定時に記憶)が記憶されるとともに、制御回数をカウントするカウンタ、印字枚数をカウントするカウンタ、トナー付着量センサ8の異常時にオンされるセンサ異常フラグ、トナーのエンプティ時にオンされるトナーエンプティフラグが設けられている。
【0032】
更に、記憶部61には、後述する本発明に係るガンマ補正テーブルT0や更新されるガンマ補正テーブルT、基準濃度値DR等の情報が適宜、記憶されるものである。
【0033】
<本発明に係るガンマ補正テーブルの自動更新処理>
上述した画像形成装置であるカラーレーザプリンタにおける、本発明に係るガンマ補正テーブルの自動更新処理を、以下、フローチャートを用いて詳細に説明する。
【0034】
(概要説明)
図1は、本発明に係るガンマ補正テーブルの自動更新処理の概要の一例を説明するフローチャートである。
【0035】
このフローチャートにおいて、ガンマ補正テーブルの自動更新処理が行われる前提として、ステップS1乃至ステップS5の初期のガンマ補正テーブルT0と基準濃度値DRとを求める初期設定処理が行われる。そして、その後に、これらの値を前提として、任意のタイミングでガンマ補正テーブルの自動更新処理が行われる。
【0036】
最初の初期設定処理として、パタン発生回路38から階調パタンPを読み出し、これを画像形成部Fにより印字する(S1)。印字した階調パタンPのシートを、ユーザの作業として図示しない原稿台に置いてスキャナ部13で読み取らせる(S2)。そして、読み取った画像情報に応じて、ガンマ補正テーブルT0を作成する。(S3)。更に、パタン発生回路38から再び階調パタンPの画像情報を読み出し、ステップS3で先ほど作成したガンマ補正テーブルT0で補正した画像情報に応じて、画像を像担持体である感光体ドラム1(又は転写ドラム9)上に印字する(S4)。像担持体上に印字した階調パタンPをトナー付着量センサ8で測定し、測定濃度を基準濃度値DRとして例えば記憶部61に記憶する(S5)。
【0037】
次にガンマ補正テーブルの自動更新処理として、任意のタイミングで、パタン発生回路38から階調パタンPを読み出し、ステップS3で作成したガンマ補正テーブルT0で補正した画像情報に応じた画像を、像担持体上に印字する(S6)。印字した階調パタンPをトナー付着量センサ8で測定し、測定濃度値Dを記憶している基準濃度DRと比較して、濃度偏差ΔDを求める(S7)。そして最後に、求めた濃度偏差ΔDに基づいて、新たなガンマ補正テーブルTを求める(S8)。ここで、濃度偏差ΔDから新たなガンマ補正テーブルTを計算する方法は様々なものが考えられ、一つの方法に限定されるものではないが、その方法の一つが後に図面を用いて詳述される。
【0038】
このように本発明は、従来装置であるなら、温度変化等の環境変化、経年変化に応じてガンマ補正テーブルTを更新する場合、そのつど、内部記録されている階調パタンシートを印刷し読み取らせる作業が必要だったが、本発明は以下のように簡略化される。
【0039】
すなわち、一度は従来装置と同様に階調パタンを印刷し読み込むことでガンマ補正テーブルを決定する。そして、階調パタンをドラム等の像担持体に印刷し濃度を基準濃度DRとして保存する。しかしその後は、ユーザ等により設定された任意のタイミング、毎朝とか3時間おき等のユーザが選ぶタイミングで、先の階調パタンを同様にドラム等の像担持体に印刷し濃度Dを検出する。そして、先に記録された基準濃度DRと検出濃度Dとを比較し濃度偏差ΔDを算出し、この濃度偏差ΔDに応じてガンマ補正テーブルを自動更新するものである。このような処理により、ユーザは特別な操作を行うことなく、任意のタイミングにて現在の機器の状況に最適なガンマ補正テーブルを自動更新することができる。
【0040】
(詳細説明)
図4乃至図6は、本発明に係るガンマ補正テーブルの自動更新処理の一例を詳細に説明するフローチャートであり、図4が初期設定処理、図5及び図6が自動更新処理を示している。
【0041】
又、図7乃至図19が、本発明に係るガンマ補正テーブルの自動更新処理に関するグラフであり、図8乃至図14が、そのための初期設定処理、図15乃至図19が自動更新処理そのものを説明するグラフである。
【0042】
1.初期設定処理
図4のフローチャートを用いて初期設定処理を説明する。
最初に、ガンマ補正テーブルの求める工程を説明するグラフについて述べる。図7は、本発明に係るガンマ補正テーブルの自動更新処理を説明するグラフの各軸の定義を説明するためのグラフである。第1象限がプリンタでの階調番号Lと画像濃度IDとの関連を示すグラフ、第2象限がスキャナでの反射率Rと画像濃度IDとの関連を示すグラフ、第3象限が色変換処理での反射率Rと面積率Zとの関連を示すグラフ、第4象限がガンマ補正における面積率Zと階調番号Lとの関連を示すグラフである。第1象限から第4象限の関連性を辿ることにより、ガンマ補正テーブルTが求められる。
【0043】
その具体的な処理として、図4のフローチャートにおいて、初期設定処理が詳細に説明される。処理は、図3で示したCPU63により制御されて行われるが、図4のフローチャートでは処理内容により、システム的な処理をSYS−CPUの処理として、機械的な動作の処理をLGC−CPUの処理として、画像情報処理をIMC−CPUの処理として、3つに分類して説明している。しかし、これらの処理は一つのCPUで行ってもよいし、三つのCPUで三つのプログラムで行ってもかまわない。従って、CPU63は一つのCPUであっても複数のCPUの総称であってもかまわない。
【0044】
パタン発生回路38から階調パタンPを読み出して、所定階調パタンPがプリントされる(S11)。印字した階調パタンPのシートを、ユーザの作業として図示しない原稿台に置いてスキャナ部13でスキャニングする(S12)。そして、読み取った画像情報に応じて、ガンマ補正テーブルT0を算出する(S13)。
【0045】
ガンマ補正テーブルT0が算出されるまでの工程が図8から図11までのグラフにより説明される。つまり、図8は、ガンマ補正用階調シートをプリンタで印字したサンンプルの画像濃度を示すグラフ、図9は、ガンマ補正用階調シートをスキャナで読み取った際の反射率を示すグラフ、図10は、反射率を面積率に変換する場合を示すグラフ、図11は、ガンマ補正カーブの算出(面積率Zに対する階調番号L)を示すグラフ、図12は、面積率Zデータをガンマ補正して印字・スキャン・面積率変換する際の関係を示すグラフである。図12において、ガンマ補正テーブルの基準ルックアップテーブル(LUT)が作成される。
【0046】
ステップS13の状態から基準濃度取得開始要求コマンドが、CPU63に与えられると、本コマンド受信により、センサ基準濃度の取得動作を実行するか否かの実効判定を開始する。更に実行中ステータスであることが出力され、本ステータスを受信することで、ユーザが画像形成装置の動作状態をコンパネ上で確認することが可能となり、例えば、“キャリブレーション実行中”とコンパネに表示させることができる。
【0047】
これに応じて、テストパタン関連設定レジスタ値を退避させる(S14)。そして、有効/無効の判定が行われる(S15)有効/無効に関しては、サービスマンなどが変更できうるものとし、無効であった場合は基準濃度(又は測定濃度)取得動作を実行せずに終了する。
【0048】
有効であると判定されれば、初期処理を行う(S16)。その後、印字シーケンス開始要求ステータスが与えられ、本ステータスは、画像形成プロセス動作を開始するトリガである。感光体ドラムや転写ドラムを駆動するモータなどの回転動作を開始し、帯電/現像などの各種高圧電源をオンし画像形成可能な状態にするステータスである。
【0049】
印字シーケンス開始要求ステータスが与えられると、印字シーケンスを開始する(S17)。すなわち、各モータ起動、プロセス動作を開始する。次に、印字許可送信コマンド、画像形成可能な状態となったことを通知するコマンドが与えられると、トナー付着量センサ8のキャリブレーションが行われ、キャリブレーション結果ステータス、すなわち、センサのキャリブレーション結果を送信するステータスが出力される(S18)。
【0050】
次に、テストパタン関連設定レジスタ値退避、つまり、テストパタン生成時に各種設定(画像開始位置や終了位置、階調データ選択など)をするが、他の画像形成動作でも使用する共有のレジスタをもとの設定に戻すことが可能となるように、それまでの元の設定を退避(保存)しておくことが行われる(S19)。
【0051】
これに応じて、テストパタン要求ステータス、つまり、テストパタンの生成色や種類、階調番号などを通知するステータスが出力され、テストパタンが設定される(S20)。テストパタン描画開始コマンド、つまり、テストパタン要求ステータスでの通知をもとに各種設定を終了し、テストパタンの描画が可能となったことを通知するコマンドが出力されると、テストパタンレジスタ値が設定される(S21)。
【0052】
これに応じて、VSYNCアテンション、つまり、IMC−CPUにてセンサを用いたテストパタンのサンプリングタイミングを制御しているため、画像書き出しタイミングをとるための信号であるが、この副走査同期信号(VSYNC)を発生する。副走査同期信号(VSYNC)を受けることで副走査幅有効信号(VDEN)が出力され(S22)、テストパタン副走査幅分の画像データが出力される(S23)。そして、トナー付着量センサのサンプリングが行われる(S24)。
【0053】
これに応じて、パタン検出結果送信ステータス、テストパタン読み取り時のセンサ出力結果を通知するステータスが出力される(S25)。これに応じて、濃度値送信ステータス、つまり、センサのキャリブレーション結果とテストパタン読み取り時のセンサ出力結果をもとに濃度値を求め、その値を通知するためのステータスが出力される。求められた基準濃度値DRは、記憶部61等に記録される(S26)。
【0054】
ここで、パタン終了判定が行われる(S27)。すなわち、生成するテストパタンが複数にわたった際(多数の階調番号にてパタン生成)に、1サイクルで印画できない場合がある。その場合は多数のパタンをいくつかのサイクルに分けてサンプリング動作を行う。複数のサイクルとなった場合、この判定部分で全パタンサンプリングが終了(全サイクルが終了)しているかどうかを判定する。
【0055】
全パタンのサンプリングが正常に終了されたとなると、基準濃度取得結果ステータス、つまり、基準取得時における全テストパタンのサンプリング正常終了を通知するステータスが出力されて、基準濃度値DRの取得が終了する(S28)。
【0056】
又、図13は、プリンタ階調特性の変動例を示すグラフ、図14は、センサによる基準濃度d1、d2の測定を示すグラフであり、ステップS13で作成された基準ルックアップテーブルに基づいて、基準濃度値DRが求められる過程が説明されている。
【0057】
以上のような初期設定処理により、初期値としてのガンマ補正テーブルT0と、基準濃度値DRとが求められる。
【0058】
2.自動更新処理
次に、図5及び図6のフローチャートにより、自動更新処理を説明する。自動更新処理は、任意のタイミングでの像担持体上に形成された階調パタンの測定濃度値Dを検出し、これを先の1.初期設定処理で測定された基準濃度値DRと比較して濃度偏差ΔDを求め、これに基づき最新のガンマ補正テーブルTを作成するものである。
【0059】
図15は、濃度変動時のセンサ濃度d1’,d2’を示すグラフ、図16は、濃度偏差と反射率の関係を示すグラフ、図17は、センサ濃度偏差での近似を示すグラフ、図18は、センサ濃度偏差ΔDから補正LUTを作成する工程を示すグラフ、図19は、補正後の画像濃度を示すグラフである。
【0060】
図5のフローチャートにおいて、補正制御開始要求コマンドを受けると、テストパタン関連設定レジスタ値を退避させる(S31)。この補正制御開始要求コマンドが提出されるタイミングは、ユーザが自由に設定することができる。又は工場出荷時に、適宜、設定されている。例えば、起動させると、一日一回、ガンマ補正テーブルの自動更新を行うとしてもよいし、数時間に1回としてもよいし、コントロールパネル49から命令できてもよい。又、通信で日時を設定したり、ガンマ補正テーブルの自動更新を起動してもよい。
【0061】
補正制御開始要求コマンドに応じて有効/無効の判定が行われる(S32)。有効/無効に関しては、サービスマンなどが変更できうるものとし、無効であった場合は測定濃度値の取得動作を実行せずに終了する。
【0062】
有効であると判定されれば、初期処理を行う(S33)。その後、印字シーケンス開始要求ステータスが与えられ、本ステータスは、画像形成プロセス動作を開始するトリガである。感光体ドラムや転写ドラムを駆動するモータなどの回転動作を開始し、帯電/現像などの各種高圧電源をオンし画像形成可能な状態にするステータスである。
【0063】
印字シーケンス開始要求ステータスが与えられると、印字シーケンスを開始する(S34)。すなわち、各モータ起動、プロセス動作を開始する。
【0064】
次に、テストパタン関連設定レジスタ値退避、つまり、テストパタン生成時に各種設定(画像開始位置や終了位置、階調データ選択など)をするが、他の画像形成動作でも使用する共有のレジスタをもとの設定に戻すことが可能となるように、それまでの元の設定を退避(保存)しておくことが行われる(S35)。
【0065】
これに応じて、テストパタン要求ステータス、つまり、テストパタンの生成色や種類、階調番号などを通知するステータスが出力され、テストパタンが設定される(S36)。テストパタン描画開始コマンド、つまり、テストパタン要求ステータスでの通知をもとに各種設定を終了し、テストパタンの描画が可能となったことを通知するコマンドが出力されると、テストパタンレジスタ値が設定される(S37)。
【0066】
これに応じて、VSYNCアテンション、つまり、IMC−CPUにてセンサを用いたテストパタンのサンプリングタイミングを制御しているため、画像書き出しタイミングをとるための信号であるが、この副走査同期信号(VSYNC)を発生する。副走査同期信号(VSYNC)を受けることで副走査幅有効信号(VDEN)が出力され(S38)、テストパタン副走査幅分の画像データが出力される(S39)。そして、トナー付着量センサのサンプリングが行われる(S40)。
【0067】
これに応じて、パタン検出結果送信ステータス、テストパタン読み取り時のセンサ出力結果を通知するステータスが出力される(S41)。これに応じて、濃度値送信ステータス、つまり、センサのキャリブレーション結果とテストパタン読み取り時のセンサ出力結果をもとに濃度値を求め、その値を通知するためのステータスが出力される。求められた測定濃度値Dは、記憶部61等に記録される(S42)。
【0068】
ここで、パタン終了判定が行われる(S43)。すなわち、生成するテストパタンが複数にわたった際(多数の階調番号にてパタン生成)に、1サイクルで印画できない場合がある。その場合は多数のパタンをいくつかのサイクルに分けてサンプリング動作を行う。複数のサイクルとなった場合、この判定部分で全パタンサンプリングが終了(全サイクルが終了)しているかどうかを判定する。
【0069】
ここで、ステップS42で測定した測定濃度値Dと、ステップS26で測定した基準濃度値DRとを比較し、濃度偏差ΔDを求める(S44)。そして、良否判定、すなわち、測定濃度値Dと基準濃度値DRとの偏差計算を行い、その偏差ΔDが所定の許容値以内であるかどうかを判定する。許容値以内であった場合には結果正常としてガンマ補正テーブルは変更せず、新たに作成しない(S45)。
【0070】
許容値以外であるとき、ガンマ補正テーブルは変更されることとなるが、最大補正回数処理が行われる(S46)。すなわち、最大補正回数とは、新たにガンマ補正テーブルを作成できる上限の回数である。最大補正回数に達している場合は、たとえ良否判定の結果が不可であっても、新たにガンマ補正テーブルを作成せずに終了する。
【0071】
最大補正回数に達していない場合、ガンマ補正テーブルが更新され、ガンマ補正テーブル更新要求ステータス、すなわち、良否判定及び最大補正回数処理にて新たにガンマ補正テーブルを作成することになった場合に、ガンマ補正テーブルの更新を要求するステータスが出力される。このステータスによって、測定濃度値Dと基準濃度値DRとを比較して濃度偏差ΔDを求め、新たに作成するガンマ補正テーブルの種類や対象色などを通知する(S47)。
【0072】
そして、反射率Rに対する濃度偏差ΔDの予測を行う(S48)。更に、濃度偏差ΔDから、反射率変動比kを、k[L]=10−ΔDとして求め、更にそれに基づいて、反射率変動比kから変動反射率推定R’を、R’=kRとして求め、面積率Zの変動分を換算する(S49)。これに応じて、変動ガンマカーブが予測される(S50)。これに応じて、新しいガンマ補正テーブルTが算出される(S51)。最後に、このガンマ補正テーブルTが実行データとして、記憶部61等に格納される。
【0073】
この保存が済むと、補正処理完了通知コマンド、すなわち、センサ基準値と測定値との偏差をもとにガンマ補正テーブルを新たに作成し、その保存を終了したことを通知するコマンドが出力される。
【0074】
これに応じて、フィードバック有効/無効判定、すなわち、予め設定されたフィードバック判定フラグによって、新たに作成した実効ガンマ補正テーブルにより再度テストパタンを生成してフィードバック制御を行うかどうかの判定が行われる(S53)。
【0075】
ここでフィードバック判定フラグが無効であれば、新たにガンマ補正テーブルを作成した場合であっても、その実効ガンマ補正テーブルによるテストパタン生成とセンサ出力サンプリングは行わない(オープンループ制御となる)。そして、補正制御が正常に終了したことを示す補正制御結果ステータスが送信される。
【0076】
以上、詳細に説明した工程により、従来装置のようにユーザが階調パタンを印刷しスキャナに読み込ませることなく、任意のタイミングで自動的にガンマ補正テーブルが最適値に更新されるものである。これにより、温度変化や経年変化によるスキャナやプリンタ部の変化があっても、ユーザがガンマ補正テーブルの再設定をおこなわずして、自動的に装置の特性変化に応じた高画質の画像形成を行うことができる画像形成装置を提供することができる。
【0077】
以上記載した様々な実施形態により、当業者は本発明を実現することができるが、更にこれらの実施形態の様々な変形例を思いつくことが当業者によって容易であり、発明的な能力をもたなくとも様々な実施形態へと適用することが可能である。従って、本発明は、開示された原理と新規な特徴に矛盾しない広範な範囲に及ぶものであり、上述した実施形態に限定されるものではない。
【0078】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、設定された任意のタイミング、例えば、毎日の複写機の起動の際とか、複写機の連続使用の際の3時間毎等のタイミングで、先に記録された基準濃度DRと検出濃度Dとを比較し濃度偏差ΔDを算出し、この濃度偏差ΔDに応じてガンマ補正テーブルを自動更新するものである。これにより、ユーザは特別な操作を行うことなく、設定されたタイミングにより最適のガンマ補正テーブルを自動更新することができるので、自動的に高画質な画像形成を可能とする画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガンマ補正テーブルの自動更新処理の概要の一例を説明するフローチャート。
【図2】本発明に係る画像形成装置の構造の一例を示す断面図。
【図3】本発明に係る画像形成装置の構造の一例を示すブロック図。
【図4】本発明に係るガンマ補正テーブルの自動更新処理の一例を詳細に説明するフローチャート。
【図5】本発明に係るガンマ補正テーブルの自動更新処理の一例を詳細に説明するフローチャート。
【図6】本発明に係るガンマ補正テーブルの自動更新処理の一例を詳細に説明するフローチャート。
【図7】本発明に係るガンマ補正テーブルの自動更新処理を説明するグラフの各軸の定義を説明するためのグラフ。
【図8】本発明に係るガンマ補正テーブルの自動更新処理に関する、ガンマ補正用階調シートをプリンタで印字したサンンプルの画像濃度を示すグラフ。
【図9】本発明に係るガンマ補正テーブルの自動更新処理に関する、ガンマ補正用階調シートをスキャナで読み取った際の反射率を示すグラフ。
【図10】本発明に係るガンマ補正テーブルの自動更新処理に関する、反射率を面積率に変換する場合を示すグラフ。
【図11】本発明に係るガンマ補正テーブルの自動更新処理に関する、ガンマ補正カーブの算出(面積率Zに対する階調番号L)を示すグラフ。
【図12】本発明に係るガンマ補正テーブルの自動更新処理に関する、面積率Zデータをガンマ補正して印字・スキャン・面積率変換する際の関係を示すグラフ。
【図13】本発明に係るガンマ補正テーブルの自動更新処理に関する、プリンタ階調特性の変動例を示すグラフ。
【図14】本発明に係るガンマ補正テーブルの自動更新処理に関する、センサによる基準濃度d1、d2の測定を示すグラフ。
【図15】本発明に係るガンマ補正テーブルの自動更新処理に関する、濃度変動時のセンサ濃度d1’,d2’を示すグラフ。
【図16】本発明に係るガンマ補正テーブルの自動更新処理に関する、濃度偏差と反射率の関係を示すグラフ。
【図17】本発明に係るガンマ補正テーブルの自動更新処理に関する、センサ濃度偏差での近似を示すグラフ。
【図18】本発明に係るガンマ補正テーブルの自動更新処理に関する、センサ濃度偏差ΔDから補正LUTを作成する工程を示すグラフ。
【図19】本発明に係るガンマ補正テーブルの自動更新処理に関する、補正後の画像濃度を示すグラフ。
【符号の説明】
1…感光体ドラム、2…帯電器、4…第1現像器、8…トナー付着量センサ、13…光学系(スキャナ含む)、14…レーザビーム光、15…給紙カセット、16…給紙ローラ、17…レジストローラ、18…吸着ローラ、64…CPU。
Claims (3)
- 画像形成装置であって、
所定記憶領域に格納された階調パタン情報を読み出し、これに応じた画像を画像記録媒体上に形成するパタン形成手段と、
前記パタン形成手段により形成された前記画像記録媒体上の階調パタン情報に応じた画像をスキャナを用いて読み取り、読み取った画像情報に基づいて第1ガンマ補正テーブルを生成する第1生成手段と、
前記所定記憶領域に格納された前記階調パタン情報を読み出し、前記第1生成手段が生成した前記第1ガンマ補正テーブルに応じてこれを補正し、補正された前記階調パタン情報に応じた画像を感光体ドラムである像担持体上に印刷する第1印刷手段と、
前記第1印刷手段が前記像担持体上に印刷した画像の濃度をトナー付着量センサにより検出し、この画像濃度を基準濃度値として記憶領域に記憶する記憶手段と、
前記検出された画像濃度を前記記憶手段が基準濃度値として記憶領域に記憶した後に、前記所定記憶領域に格納された前記階調パタン情報を読み出し、これを前記第1生成手段が生成した前記第1ガンマ補正テーブルにより補正し、この補正された階調パタン情報に応じた画像を前記像担持体上に印刷する第2印刷手段と、
前記第2印刷手段が前記像担持体上に印刷した画像の濃度を前記トナー付着量センサにより検出し、この画像濃度を前記記憶手段が記憶する前記基準濃度値と比較して濃度偏差を計算する計算手段と、
前記計算手段が求めた前記濃度偏差に基づいて、新たな第2ガンマ補正テーブルを生成する第2生成手段と、
原稿上の画像情報を前記スキャナを用いて読み取り、読み取った画像情報を前記第2生成手段が生成した前記第2ガンマ補正テーブルにて補正し、補正された画像情報に基づく画像を画像記録媒体上に形成する画像形成手段を具備することを特徴とする画像形成装置。 - 画像形成装置であって、
所定記憶領域に格納された階調パタン情報を読み出し、これに応じた画像を画像記録媒体上に形成するパタン形成手段と、
前記パタン形成手段により形成された前記画像記録媒体上の階調パタン情報に応じた画像をスキャナを用いて読み取り、読み取った画像情報に基づいて第1ガンマ補正テーブルを生成する第1生成手段と、
前記所定記憶領域に格納された前記階調パタン情報を読み出し、前記第1生成手段が生成した前記第1ガンマ補正テーブルに応じてこれを補正し、補正された前記階調パタン情報に応じた画像を転写ドラムである像担持体上に印刷する第1印刷手段と、
前記第1印刷手段が前記像担持体上に印刷した画像の濃度をトナー付着量センサにより検出し、この画像濃度を基準濃度値として記憶領域に記憶する記憶手段と、
前記検出された画像濃度を前記記憶手段が基準濃度値として記憶領域に記憶した後に、前記所定記憶領域に格納された前記階調パタン情報を読み出し、これを前記第1生成手段が生成した前記第1ガンマ補正テーブルにより補正し、この補正された階調パタン情報に応じた画像を前記像担持体上に印刷する第2印刷手段と、
前記第2印刷手段が前記像担持体上に印刷した画像の濃度を前記トナー付着量センサにより検出し、この画像濃度を前記記憶手段が記憶する前記基準濃度値と比較して濃度偏差を計算する計算手段と、
前記計算手段が求めた前記濃度偏差に基づいて、新たな第2ガンマ補正テーブルを生成する第2生成手段と、
原稿上の画像情報を前記スキャナを用いて読み取り、読み取った画像情報を前記第2生成手段が生成した前記第2ガンマ補正テーブルにて補正し、補正された画像情報に基づく画像を画像記録媒体上に形成する画像形成手段と、
を具備することを特徴とする画像形成装置。 - 前記第2印刷手段、前記計算手段、前記第2生成手段の各工程は、ユーザの指示がなくとも所定時間ごとに自動的に行われることにより、前記第2ガンマ補正テーブルが自動的に更新されることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
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