JP4060614B2 - 架橋発泡可能なゴム組成物およびその架橋発泡体 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、架橋発泡可能なゴム組成物およびその架橋発泡体に関し、さらに詳しくは、架橋速度が速く生産性に優れ、HAV(熱空気加硫槽)、UHF(マイクロ波加硫槽)などの連続架橋が可能であり、しかも、高発泡倍率で、耐圧縮永久歪み性、強度特性、耐熱性、耐候性、耐ブル−ム性、汚染性、耐傷付き性などの特性に優れた架橋発泡体を提供することができる、架橋発泡可能なゴム組成物およびその架橋発泡体に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
EPDMなどのエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴムは、一般に、耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優れており、自動車、家電製品、建物などのシールスポンジ、クッションスポンジ、プロテクトスポンジ、断熱スポンジ、難燃スポンジなどに広く用いられている。
【0003】
自動車、家電製品、建物は、様々なパーツを組み合わせて製品となるが、パーツを保護するためにプロテクトスポンジ、断熱するために断熱スポンジ、衝撃から守るためにクッションスポンジ、各スポンジに難燃性を付与する場合は難燃スポンジが用いられている。
たとえば、パーツを組み合わせたときに、多かれ少なかれ必ず隙間ができる。この隙間をシールするために、スポンジ状のシール材が用いられている。この場合、シール材は組み込み易く、また、隙間に応じて変形することが必要であるため柔らかいことが要求され、このような要求に応えられるシール材としてシールスポンジが使用されている。
【0004】
しかしながら、このようなスポンジは、その製造の際に従来より採用されているイオウ加硫では耐圧縮永久歪み性が充分でなく、長期にわたって音、埃、水などからシールすることができない。また、イオウ加硫においては、加硫速度が遅いEPDMには加硫促進剤を使用するために、成形中に発生するニトロソアミンが人体に悪影響を及ぼすことが知られている。また、これら促進剤はEPDMと相溶性が悪いため、成形後スポンジ表面にブルームし外観を損なったり、接触する相手側の材料を汚染することが多い。
【0005】
また、自動車シールスポンジの主要な製品であるウェザーストリップスポンジもEPDMが使用されているが、従来より採用されているイオウ加硫では耐圧縮永久歪み性が充分でなく、長期間にわたって騒音、埃や雨水などをシールすることができない。また、イオウ加硫においては、加硫速度が遅いEPDMには加硫促進効果の大きい促進剤を使用するため、成形中に発生するニトロソアミンが人体に悪影響を及ぼすという欠点がある。また、これらの促進剤はEPDMとの相溶性が悪いため、成形後スポンジ製品の表面にブルームやブリードし外観を損なったり、車載後板金を汚染したりする欠点がある。
【0006】
この欠点を解決する方法として、イオウ加硫から、耐圧縮永久歪み性が良好で、汚染性の低いパーオキサイド(有機過酸化物)架橋にする方法が効果的であるが、この方法では、HAV(熱空気加硫槽)、UHF(マイクロ波加硫槽)などの連続架橋をする場合、ゴム表面が架橋しない、あるいは崩壊(デグラデイション)を起こし耐傷付き性が著しく劣るという欠点がある。この原因は有機過酸化物が架橋に関与せず、ゴム表面のポリマーが酸素と触れることで崩壊が進むためであり、酸素を遮断する目的でスチーム架橋、被鉛架橋などで架橋させればゴム表面の耐傷付き性は改良されるものの、生産コストの面で不利となる。
【0007】
特開平4−154855号公報には、HAVで熱空気架橋可能なエチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムと、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、白金触媒とを配合したゴム組成物を用いることによって、熱空気架橋が可能で、しかも耐傷付き性に優れたゴムを得ることができることが記載されている。
【0008】
しかしながら、本願発明者らは、この公報に記載されている発明を追試し、その結果、耐傷付き性、耐圧縮永久歪み性は十分に満足できるものではなかった。また、特開平7−33924号公報には、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムに、少なくとも1つの反応性基を有するポリシロキサンを添加してなるゴム組成物をパーオキサイド架橋することにより、熱空気架橋が可能で、耐傷付き性に優れたゴムを得ることができることが記載されている。
【0009】
しかしながら、本願発明者らは、この公報に記載されている発明を追試し、その結果、上記ゴム組成物にパーオキサイドを添加することにより架橋効率は高くなってはいるものの、パーオキサイドラジカルがシロキサンの付加反応を起こさせると同時に、ポリマーラジカルを発生させるため、架橋後のゴム製品表面の耐傷付き性は実用に耐えうるものではないことを確認している。
【0010】
また、本願発明者らは、特定のエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)、SiH基を1分子中に少なくとも2個持つSiH基含有化合物(B)、および必要に応じて触媒(C)、反応抑制剤(D)、発泡剤(E)からなるゴム組成物を用いることにより、生産コストに優れる熱空気架橋(HAV、UHFなど)で架橋でき、しかも耐圧縮永久歪み性および耐傷付き性に優れる発泡体を製造できることを見出している(特開2001−31789号公報)が、更なる耐圧縮永久歪み性の向上が需要者より望まれていた。
【0011】
そこで、本願発明者らは、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム組成物について鋭意研究し、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)、SiH基を1分子中に少なくとも2個持つSiH基含有化合物(B)、触媒(C)、発泡剤(D)、および必要に応じて反応抑制剤(E)を含有してなるゴム組成物は、架橋速度が速く生産性に優れ、熱空気架橋(HAV、UHFなど)で架橋でき、しかも、高発泡倍率すなわち軽量で、耐圧縮永久歪み性、強度特性、耐熱性、耐候性、耐ブルーム性、汚染性および耐傷付き性に優れる発泡体を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、架橋速度が速く生産性に優れ、熱空気架橋(HAV、UHFなど)で架橋でき、しかも、高発泡倍率すなわち軽量で、耐圧縮永久歪み性、強度特性、耐熱性、耐候性、耐ブルーム性、汚染性および耐傷付き性に優れる架橋発泡体を調製することができる、架橋発泡可能なゴム組成物およびその架橋発泡体を提供することを目的としている。
【0013】
【発明の概要】
本発明に係る架橋発泡可能なゴム組成物は、
下記一般式[I]または[II]で表わされる少なくとも一種の末端ビニル基含有ノルボルネン化合物から導かれる構成単位を有するエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)と、
SiH基を1分子中に少なくとも2個持つSiH基含有化合物(B)と、
白金系触媒(C)と、
発泡剤(D)として、重曹、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’―アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)または2,2’―アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)を含有してなるゴム組成物であり、前記発泡剤(D)の架橋トルク保持率が5%以上であるか、または前記発泡剤(D)の分子量、1分子中の窒素原子数、および1分子中の硫黄原子数が、下式[(1分子中の窒素原子数)2+(1分子中の硫黄原子数)2]/分子量≦0.18
を満たすことを特徴としている。
【0014】
【化9】
【0015】
[式中、nは0ないし10の整数であり、
R1は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、
R2は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である。]
【0016】
【化10】
【0017】
[式中、R3は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基である。]
上記ゴム組成物中に、さらに、発泡助剤(F)および/または発泡核剤(G)と反応抑制剤(E)とを含有していてもよい。
前記エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)は、
(i)エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとのモル比(エチレン/α- オレフィン)が60/40〜90/10の範囲にあり、
(ii)ヨウ素価が1〜30の範囲にあり、
(iii) 135℃のデカリン溶液で測定した極限粘度[η]が0.3〜5dl/gの範囲にあり、
(iv)動的粘弾性測定器により求めた分岐指数が3以上である
ことが好ましい。
【0018】
本発明に係る架橋発泡体は、上記のような、本発明に係る架橋発泡可能なゴム組成物からなることを特徴としている。
【0019】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る架橋発泡可能なゴム組成物およびその架橋発泡体について具体的に説明する。
本発明に係る架橋発泡可能なゴム組成物は、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)、SiH基含有化合物(B)、触媒(C)、発泡剤(D)、および任意に反応抑制剤(E)、発泡助剤(F)、発泡核剤(G)を含有している。
【0020】
エチレン・α - オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)は、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、非共役ポリエンとのランダム共重合体である。
このような炭素原子数3〜20のα- オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1- ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、9-メチル-1- デセン、11- メチル-1- ドデセン、12- エチル-1- テトラデセンなどが挙げられる。中でも、炭素原子数3〜10のα- オレフィンが好ましく、特にプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどが好ましく用いられる。
【0021】
これらのα- オレフィンは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。
本発明で用いられる非共役ポリエンは、下記の一般式[I]または[II]で表わされる末端ビニル基含有ノルボルネン化合物である。
【0022】
【化11】
【0023】
一般式[I]において、nは0ないし10の整数であり、
R1は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、
R1の炭素原子数1〜10のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、t-ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
【0024】
R2は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である。
R2の炭素原子数1〜5のアルキル基の具体例としては、上記R1の具体例のうち、炭素原子数1〜5のアルキル基が挙げられる。
【0025】
【化12】
【0026】
一般式[II]において、R3は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基である。
R3のアルキル基の具体例としては、上記R1のアルキル基の具体例と同じアルキル基を挙げることができる。
上記一般式[I]または[II]で表わされるノルボルネン化合物としては、具体的には、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネン、5-(2-プロペニル)-2- ノルボルネン、5-(3-ブテニル)-2- ノルボルネン、5-(1-メチル-2- プロペニル)-2- ノルボルネン、5-(4-ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(1-メチル-3- ブテニル)-2- ノルボルネン、5-(5-ヘキセニル)-2- ノルボルネン、5-(1-メチル-4- ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(2,3-ジメチル-3- ブテニル)-2- ノルボルネン、5-(2-エチル-3- ブテニル)-2- ノルボルネン、5-(6-ヘプテニル)-2- ノルボルネン、5-(3-メチル-5- ヘキセニル)-2- ノルボルネン、5-(3,4-ジメチル-4- ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(3-エチル-4- ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(7-オクテニル)-2- ノルボルネン、5-(2-メチル-6- ヘプテニル)-2- ノルボルネン、5-(1,2-ジメチル-5- ヘキセシル)-2- ノルボルネン、5-(5-エチル-5- ヘキセニル)-2- ノルボルネン、5-(1,2,3-トリメチル-4- ペンテニル)-2- ノルボルネンなど挙げられる。このなかでも、5-ビニル-2- ノルボルネン、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-(2-プロペニル)-2- ノルボルネン、5-(3-ブテニル)-2- ノルボルネン、5-(4-ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(5-ヘキセニル)-2- ノルボルネン、5-(6-ヘプテニル)-2- ノルボルネン、5-(7-オクテニル)-2- ノルボルネンが好ましい。これらのノルボルネン化合物は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0027】
上記ノルボルネン化合物たとえば5-ビニル-2- ノルボルネンの他に、本発明の目的とする物性を損なわない範囲で、以下に示す非共役ポリエンを併用することもできる。
このような非共役ポリエンとしては、具体的には、1,4-ヘキサジエン、3-メチル-1,4- ヘキサジエン、4-メチル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-1,4- ヘキサジエン、4,5-ジメチル-1,4- ヘキサジエン、7-メチル-1,6- オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;
メチルテトラヒドロインデン、5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2- ノルボルネン、5-ビニリデン-2- ノルボルネン、6-クロロメチル-5- イソプロペニル-2- ノルボルネン、ジシクロペンタジエン等の環状非共役ジエン;
2,3-ジイソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-エチリデン-3- イソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-プロペニル-2,2- ノルボルナジエン等のトリエンなどが挙げられる。
【0028】
上記のような諸成分からなるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)は、以下のような特性を有している。
(i)エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとのモル比(エチレン/α- オレフィン)
エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)は、(a)エチレンで導かれる単位と(b)炭素原子数3〜20のα- オレフィン(以下単にα- オレフィンということがある)から導かれる単位とを、60/40〜90/10、好ましくは65/35〜90/10、特に好ましくは65/35〜85/15のモル比[(a)/(b)]で含有している。
【0029】
このモル比が上記範囲内にあると、耐熱老化性、強度特性およびゴム弾性に優れるとともに、耐寒性および加工性に優れた架橋発泡体を提供できるゴム組成物が得られる。
(ii)ヨウ素価
エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)のヨウ素価は、1〜30(g/100g)、好ましくは1〜25(g/100g)、特に好ましくは2〜20(g/100g)である。
【0030】
このヨウ素価が上記範囲内にあると、架橋効率の高いゴム組成物が得られ、耐圧縮永久歪み性に優れるとともに、耐環境劣化性(=耐熱老化性)に優れた架橋発泡成形体を提供できるゴム組成物が得られる。ヨウ素価が30を超えると、コスト的に不利になるので好ましくない。
(iii)極限粘度
エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)の135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は、0.3〜5dl/g、好ましくは0.3〜4.5dl/g、特に好ましくは0.5〜4dl/gであることが望ましい。
【0031】
この極限粘度[η]が上記範囲内にあると、強度特性および耐圧縮永久歪み性に優れるとともに、加工性に優れた架橋発泡体を提供できるゴム組成物が得られる。
(iv)分岐指数
エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)の動的粘弾性測定器により求めた分岐指数は、3以上、好ましくは3.5以上、特に好ましくは4以上である。
【0032】
この分岐指数が上記範囲内にあると、加工性、押出成形後の形状保持性に優れた架橋発泡成形体を提供できるゴム組成物が得られる。
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)は、「ポリマー製造プロセス((株)工業調査会、発行p.309〜330)もしくは本願出願人の出願に係る特開平9−71617号公報、特開平9−71618号公報、特開平9−208615号公報、特開平10−67823号公報、特開平10―67824号公報、特開平10―110054号公報などに記載されているような従来公知の方法により調製することができる。
【0033】
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)の製造の際に用いられるオレフィン重合用触媒としては、
バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、チタニウム(Ti)等の遷移金属化合物と、有機アルミニウム化合物(有機アルミニウムオキシ化合物)とからなるチーグラー触媒、あるいは
元素の周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化合物とからなるメタロセン触媒が特に好ましく用いられる。
【0034】
また、下記の化合物(H)および(I)を主成分として含有する触媒を用いてエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)を調製すると、沸騰キシレン不溶解分が1%以下のエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)が得られるので好ましい。
すなわち、キシレン不溶解分が1%以下のエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)は、下記化合物(H)および(I)を主成分として含有する触媒の存在下に、重合温度30〜60℃、特に30〜59℃、重合圧力4〜12kgf/cm2、特に5〜8kgf/cm2、非共役ポリエンとエチレンとの供給量のモル比(非共役ポリエン/エチレン)0.01〜0.2の条件で、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、上記一般式[I]または[II]で表わされる末端ビニル基含有ノルボルネン化合物とをランダム共重合することにより得られる。共重合は、炭化水素媒体中で行なうのが好ましい。
(H)VO(OR)nX3-n (式中、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、nは0または1〜3の整数である)で表わされる可溶性バナジウム化合物、またはVX4 (Xはハロゲン原子である)で表わされるバナジウム化合物。
【0035】
上記可溶性バナジウム化合物(H)は、重合反応系の炭化水素媒体に可溶性の成分であり、具体的には、一般式 VO(OR)aXbまたはV(OR)cXd(式中、Rは炭化水素基であり、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦c+d≦4)で表わされるバナジウム化合物、あるいはこれらの電子供与体付加物を代表例として挙げることができる。
【0036】
より具体的には、VOCl3 、VO(OC2H5)Cl2 、
VO(OC2H5)2Cl、VO(O−iso-C3H7)Cl2 、
VO(O−n-C4H9)Cl2、VO(OC2H5)3、VOBr3、VCl4、
VOCl3、VO(O−n-C4H9)3、VCl3・2OC6H12OHなどを例示することができる。
(I)R'mAlX'3-m (R’は炭化水素基であり、X’はハロゲン原子であり、mは1〜3である)で表わされる有機アルミニウム化合物。
【0037】
上記有機アルミニウム化合物(I)としては、具体的には、
トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシド等のジアルキルアルミニウムアルコキシド;
エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシド等のアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;
R1 0.5Al(OR1)0.5 などで表わされる平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド等のジアルキルアルミニウムハライド;
エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウムセスキハライド、エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミド等のアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリド等のジアルキルアルミニウムヒドリド、エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリド等のアルキルアルミニウムジヒドリドなどの部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;
エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
【0038】
本発明において、上記化合物(H)のうち、VOCl3で表わされる可溶性バナジウム化合物と、上記化合物(I)のうち、Al(OC2H5)2Cl/Al2(OC2H5)3Cl3とのブレンド物(ブレンド比は1/5以上)を触媒成分として使用すると、ソックスレー抽出(溶媒:沸騰キシレン、抽出時間:3時間、メッシュ:325)後の不溶解分が1%以下であるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)が得られるので好ましい。
【0039】
また、上記共重合の際に使用する触媒として、いわゆるメタロセン触媒たとえば特開平9−40586号公報に記載されているメタロセン触媒を用いても差し支えない。
また、本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)は、極性モノマーたとえば不飽和カルボン酸またはその誘導体(たとえば酸無水物、エステル)でグラフト変性されていてもよい。
【0040】
このような不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、ビシクロ(2,2,1) ヘプト-2- エン-5,6- ジカルボン酸などが挙げられる。
不飽和カルボンの酸無水物としては、具体的には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水テトラヒドロフタル酸、ビシクロ(2,2,1) ヘプト-2- エン-5,6- ジカルボン酸無水物などが挙げられる。これらの中でも、無水マレイン酸が好ましい。
【0041】
不飽和カルボン酸エステルとしては、具体的には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジメチル、ビシクロ(2,2,1) ヘプト-2- エン-5,6- ジカルボン酸ジメチルなどが挙げられる。これらの中でも、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好ましい。
【0042】
上記の不飽和カルボン酸等のグラフト変性剤(グラフトモノマー)は、それぞれ単独または2種以上の組み合わせで使用されるが、何れの場合も前述したグラフト変性前のエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム100g当たり、0.1モル以下のグラフト量にするのがよい。
上記のようなグラフト量が上記範囲にあるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)を用いると、耐寒性に優れた架橋発泡成形体を提供し得る、流動性(成形加工性)に優れたゴム組成物が得られる。
【0043】
グラフト変性したエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)は、前述した未変性のエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムと不飽和カルボン酸またはその誘導体とを、ラジカル開始剤の存在下に反応させることにより得ることができる。
このグラフト反応は溶液にして行なうこともできるし、溶融状態で行なってもよい。溶融状態でグラフト反応を行なう場合には、押出機の中で連続的に行なうことが最も効率的であり、好ましい。
【0044】
グラフト反応に使用されるラジカル開始剤としては、具体的には、ジクミルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキシ-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t- アミルパーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5- ジ(t-ブチルパーオキシン)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5- ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α’- ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド類;
t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシマレイン酸、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ-t- ブチルパーオキシフタレート等のパーオキシエステル類;
ジシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;
およびこれらの混合物などが挙げられる。中でも半減期1分を与える温度が130〜200℃の範囲にある有機過酸化物が好ましく、特に、ジクミルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキシ-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t- アミルパーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサイドなどの有機過酸化物が好ましい。
【0045】
また、不飽和カルボン酸またはその誘導体(たとえば酸無水物、エステル)以外の極性モノマーとしては、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビニル化合物、ビニルエステル化合物、塩化ビニルなどが挙げられる。
SiH基含有化合物(B)
本発明で用いられるSiH基含有化合物(B)は、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)と反応し、架橋剤として作用する。このSiH基含有化合物(B)は、その分子構造に特に制限はなく、従来製造されている例えば線状、環状、分岐状構造あるいは三次元網目状構造の樹脂状物などでも使用可能であるが、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上のケイ素原子に直結した水素原子、すなわちSiH基を含んでいることが必要である。
【0046】
このようなSiH基含有化合物(B)としては、通常、下記の一般組成式
R4 bHcSiO(4-b-c)/2
で表わされる化合物を使用することができる。
上記一般組成式において、R4は、脂肪族不飽和結合を除く、炭素原子数1〜10、特に炭素原子数1〜8の置換または非置換の1価炭化水素基であり、このような1価炭化水素基としては、前記一般式[I]のR1に例示したアルキル基の他に、フェニル基、ハロゲン置換のアルキル基たとえばトリフロロプロピル基を例示することができる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基が好ましく、特にメチル基、フェニル基が好ましい。
【0047】
また、bは、0≦b<3、好ましくは0.6<b<2.2、特に好ましくは1.5≦b≦2であり、cは、0<c≦3、好ましくは0.002≦c<2、特に好ましくは0.01≦c≦1であり、かつ、b+cは、0<b+c≦3、好ましくは1.5<b+c≦2.7である。
このSiH基含有化合物(B)は、1分子中のケイ素原子数が好ましくは2〜1000個、特に好ましくは2〜300個、最も好ましくは4〜200個のオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、具体的には、
1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7-テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,8-ペンタメチルペンタシクロシロキサン等のシロキサンオリゴマー;
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、R4 2(H)SiO1/2 単位とSiO4/2 単位とからなり、任意にR4 3SiO1/2 単位、R4 2SiO2/2 単位、R4(H)SiO2/2単位、(H)SiO3/2またはR4SiO3/2単位を含み得るシリコーンレジンなどを挙げることができる。
【0048】
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、たとえば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
(CH3)3SiO-(-SiH(CH3)-O-)d-Si(CH3)3
[式中のdは2以上の整数である。]
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
【0049】
(CH3)3SiO-(-Si(CH3)2-O-)e-(-SiH(CH3)-O-)f-Si(CH3)3[式中のeは1以上の整数であり、fは2以上の整数である。]
分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、たとえば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
【0050】
HOSi(CH3)2O-(-SiH(CH3)-O-)2-Si(CH3)2OH
分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、たとえば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
【0051】
HOSi(CH3)2O-(-Si(CH3)2-O-)e-(-SiH(CH3)-O-)f-
-Si(CH3)2OH
[式中のeは1以上の整数であり、fは2以上の整数である。]
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンとしては、たとえば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
【0052】
HSi(CH3)2O-(-Si(CH3)2-O-)e-Si(CH3)2H
[式中のeは1以上の整数である。]
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、たとえば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
【0053】
HSi(CH3)2O-(-SiH(CH3)-O-)e-Si(CH3)2H
[式中のeは1以上の整数である。]
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、たとえば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
【0054】
HSi(CH3)2O-(-Si(CH3)2-O-)e-(-SiH(CH3)-O-)h-
-Si(CH3)2H
[式中のeおよびhは、それぞれ1以上の整数である。]
このような化合物は、公知の方法により製造することができ、たとえばオクタメチルシクロテトラシロキサンおよび/またはテトラメチルシクロテトラシロキサンと、末端基となり得るヘキサメチルジシロキサンあるいは1,3-ジハイドロ-1,1,3,3- テトラメチルジシロキサンなどの、トリオルガノシリル基あるいはジオルガノハイドロジェンシロキシ基を含む化合物とを、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒の存在下に、−10℃〜+40℃程度の温度で平衡化させることによって容易に得ることができる。
【0055】
SiH基含有化合物(B)は、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対して、0.1〜100重量部、好ましくは0.1〜75重量部、より好ましくは0.1〜50重量部、さらに好ましくは0.2〜30重量部、さらにより好ましくは0.2〜20重量部、特に好ましくは0.5〜10重量部、最も好ましくは0.5〜5重量部の割合で用いられる。上記範囲内の割合でSiH基含有化合物(B)を用いると、耐圧縮永久歪み性に優れるとともに、架橋密度が適度で強度特性および伸び特性に優れた架橋発泡体を形成できるゴム組成物が得られる。100重量部を超える割合でSiH基含有化合物(B)を用いると、コスト的に不利になるので好ましくない。
【0056】
また、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)の架橋に関与する脂肪族不飽和基に対するSiH基の割合(SiH基/脂肪族不飽和基)は、0.2〜20、さらには0.5〜10、特に0.7〜5であることが好ましい。
触媒(C)
本発明で用いられる触媒(C)は、付加反応触媒であり、上記エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)成分のアルケニル基と、SiH基含有化合物(B)のSiH基との付加反応(アルケンのヒドロシリル化反応)を促進するものである。
【0057】
通常、たとえば白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等の白金族元素よりなる付加反応触媒が用いられるが、本発明においては、周期律表8族元素金属と、ビニル基および/またはカルボニル基を含む化合物との錯体を用いることが望ましい。
周期律表8族元素金属としては、白金が特に好ましい。
【0058】
カルボニル基を含む化合物としては、カルボニル、オクタナル等が好ましい。これらと白金との錯体としては、具体的には、白金−カルボニル錯体、白金−オクタナル錯体、白金−カルボニルブチル環状シロキサン錯体、白金−カルボニルフェニル環状シロキサン錯体などが挙げられる。
ビニル基を含む化合物としては、ビニル基含有オルガノシロキサンが好ましい。これらと白金との錯体としては、具体的には、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、白金−ジビニルテトラエチルジシロキサン錯体、白金−ジビニルテトラプロピルジシロキサン錯体、白金−ジビニルテトラブチルジシロキサン錯体、白金−ジビニルテトラフェニルジシロキサン錯体が挙げられる。
【0059】
ビニル基含有オルガノシロキサンの中でも、ビニル基含有環状オルガノシロキサンが好ましい。これらと白金との錯体としては、白金−ビニルメチル環状シロキサン錯体、白金−ビニルエチル環状シロキサン錯体、白金−ビニルプロピル環状シロキサン錯体が挙げられる。
ビニル基含有オルガノシロキサンは、それ自体を金属に対する配位子としてもよいが、他の配位子を配位させる際の溶媒として用いてもよい。ビニル基含有オルガノシロキサンを溶媒として用い、前述のカルボニル基を含む化合物を配位子とする錯体は、本発明の触媒(C)として、特に好ましい。
【0060】
このような錯体としては、具体的には、白金−カルボニル錯体のビニルメチル環状シロキサン溶液、白金−カルボニル錯体のビニルエチル環状シロキサン溶液、白金−カルボニル錯体のビニルプロピル環状シロキサン溶液、白金−カルボニル錯体のジビニルテトラメチルジシロキサン溶液、白金−カルボニル錯体のジビニルテトラエチルジシロキサン溶液、白金−カルボニル錯体のジビニルテトラプロピルジシロキサン溶液、白金−カルボニル錯体のジビニルテトラブチルジシロキサン溶液、白金−カルボニル錯体のジビニルテトラフェニルジシロキサン溶液が挙げられる。
【0061】
これらの錯体からなる触媒は、ビニル基および/またはカルボニル基を含む化合物以外の成分を更に含んでいてもよい。たとえばビニル基および/またはカルボニル基を含む化合物以外の溶媒を含んでいてもよい。これらの溶媒としては、各種アルコールや、キシレン等を挙げることができるが、これらに制限されるものではない。
【0062】
アルコールとしては、具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert- ブチルアルコール、n-アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、エイコシルアルコール等の脂肪族飽和アルコール類;
アリルアルコール、クロチルアルコール等の脂肪族不飽和アルコール類;
シクロペンタノール、シクロヘキサノール等の脂環式アルコール類;
ベンジルアルコール、シンナミルアルコール等の芳香族アルコール類;
フルフリルアルコール等の複素環式アルコール類などが挙げられる。
【0063】
アルコールを溶媒として用いた例として、白金−オクタナル/オクタノール錯体が挙げられる。これらの溶媒を含むことにより、触媒の取扱いや、ゴム組成物への混合が容易になる等の利点が生ずる。
以上に挙げた各種触媒のうちで、白金−カルボニル錯体のビニルメチル環状シロキサン溶液(中でも下記化学式1で示される錯体が好ましい)、白金−ビニルメチル環状シロキサン錯体(中でも化学式2で示される錯体が好ましい)、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(中でも化学式3で示される錯体が好ましい)、白金−オクタナル/オクタノール錯体等が実用上好ましく、その中でも、白金−カルボニルビニルメチル環状シロキサン錯体が特に好ましい。
【0064】
化学式1: Pt0・CO・(CH2=CH(Me)SiO)4
化学式2: Pt0・(CH2=CH(Me)SiO)4
化学式3: Pt0-1.5[(CH2=CH(Me)2Si)2O]
これらの触媒に含まれる周期律表8族元素金属(好ましくは白金)の割合は、通常0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%、さらに好ましくは2〜4重量%、特に好ましくは2.5〜3.5重量%である。
【0065】
触媒(C)は、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)に対して、0.1〜100,000重量ppm、好ましくは0.1〜10,000重量ppm、さらに好ましくは1〜5,000重量ppm、特に好ましくは5〜1,000重量ppmの割合で用いられる。
上記範囲内の割合で触媒(C)を用いると、耐スコーチ性に優れ、かつ、強度特性および伸び特性に優れる架橋発泡成形体を形成できるゴム組成物が得られる。100,000重量ppmを超える割合で触媒(C)を用いると、コスト的に不利になるので好ましくない。
【0066】
発泡剤(D)
本発明で用いられる発泡剤(D)としては、従来公知の各種発泡剤が好ましく用いられる。
従来公知の発泡剤は、化学発泡剤と物理発泡剤とに大別することができるが、第1の好ましい発泡剤は、物理発泡剤(発泡時に化学反応を必ずしも伴わない発泡剤)である。
【0067】
物理発泡剤としては、有機系物理発泡剤と無機系物理発泡剤があるが、ともに好ましく用いられる。
有機系物理発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の各種脂肪族炭化水素類;ジクロルエタン、ジクロルメタン等の各種塩化炭化水素類;フロン等の各種フッ化塩化炭化水素類が特に好ましい。また、無機系物理発泡剤としては、空気、炭酸ガス、窒素、水などが特に好ましい。
【0068】
また、化学発泡剤であっても、熱分解型の化学発泡剤は、本発明の第2の好ましい発泡剤として用いることができる。熱分解型の化学発泡剤としては、有機系のもの、無機系のもの、共に好ましく用いられる。
有機系の熱分解型発泡剤としては、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体、セミカルバジド化合物、アジド化合物、トリアゾール化合物などが好ましく用いられる。また、無機系の熱分解型発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等の重炭酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の炭酸塩、亜硝酸アンモニウム等の亜硝酸塩、水素化合物などが好ましく用いられる。
【0069】
上記各種発泡剤の中で、実用上特に好ましい発泡剤として、炭酸水素ナトリウム、1,1'-アゾビス(1-アセトキシ-1- フェニルエタン)、ジメチル-2,2'-アゾビスブチレート、ジメチル-2,2'-アゾビスイソブチレート、2,2'- アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)、1,1'-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2'-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチル-プロピオンアミジン]、N,N'-ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、水、炭酸ガス、炭化水素を挙げることができる。また、水、炭酸ガスおよび炭化水素から選ばれる少なくとも1種を樹脂カプセル化した発泡剤も、実用上特に好ましい発泡剤である。
【0070】
本発明においては、反応型の化学発泡剤の使用を排除するものではなく、第3の発泡剤として反応型の化学発泡剤を適宜使用することができる。たとえばイソシアネート化合物、重炭酸ナトリウムと酸とを組み合わせた発泡剤、過酸化水素とイースト菌とを組み合わせた発泡剤、亜鉛粉末と酸とを組み合わせた発泡剤等の各種反応型発泡剤を、本発明に使用することができる。
【0071】
本発明においては、発泡剤(D)の架橋トルク保持率は、通常5%以上、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上、さらにより好ましくは40%以上、特に好ましくは50%以上、最も好ましくは60%以上であることが望ましい。
この架橋トルク保持率は、下記のようにして発泡剤配合後のゴム配合物の架橋トルクME2と発泡剤配合前のゴム配合物の架橋トルクME1を測定し、下式より算出することができる。
【0072】
架橋トルク保持率(%)=(ME2 /ME1 )×100
<発泡剤配合前のゴム配合物の架橋トルクME1>
後述の製造例1で得られたエチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−1)100重量部と、FEF級カーボンブラック[旭カーボン(株)製、商品名 旭#60G]100重量部と、パラフィン系オイル[出光興産(株)製、商品名 PW−380]35重量部と、架橋剤として(CH3)3SiO−[−SiH(CH3)−O−]6−[−Si(CH3)2−O−]1−[−Si(C6H6)2−O−]1−Si(CH3)3 4重量部と、触媒として塩化白金酸の2%イソプロピルアルコール溶液0.075重量部と、反応抑制剤としてエチニルヘキサノール0.05重量部とを、JIS K6395(1997年)のA1法に従って混練する。この混練手順は、上記ゴム(A−1)にカーボンブラック、パラフィン系オイルを加え、次いで、加硫促進剤およびイオウの代わりに架橋剤を加え、これらの成分がゴムに全量混ざるのを確認した後、反応抑制剤を加えゴム(A−1)に全量混ざるのを確認し、次いで、触媒を加えてゴム(A−1)に全量混ざるのを確認後、A1法に従い混練した。
【0073】
次いで、上記のようにして得られた混練物の架橋トルクを、JIS K6300(1994年)に従い、160℃で測定する。このようにして測定した架橋トルクが、発泡剤配合前のゴム配合物の架橋トルクME1である。
<発泡剤配合後のゴム配合物の架橋トルクME2>
後述の製造例1で得られたエチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−1)100重量部と、FEF級カーボンブラック[旭カーボン(株)製、商品名 旭#60G]100重量部と、パラフィン系オイル[出光興産(株)製、商品名 PW−380]35重量部と、架橋剤として(CH3)3SiO−[−SiH(CH3)−O−]6−[−Si(CH3)2−O−]1−[−Si(C6H6)2−O−]1−Si(CH3)3 4重量部と、触媒として塩化白金酸の2%イソプロピルアルコール溶液0.075重量部と、反応抑制剤としてエチニルヘキサノール0.05重量部と、各種発泡剤(発泡剤の種類によりその配合量は異なるが、いずれも上記ゴム(A−1)100gに対して0.01モルの割合で添加される。)とを、JIS K6395(1997年)のA1法に従って混練する。この混練手順は、上記ゴム(A−1)にカーボンブラック、パラフィン系オイルを加え、次いで、加硫促進剤およびイオウの代わりに架橋剤を加え、これらの成分がゴムに全量混ざるのを確認した後、発泡剤を加えゴム(A−1)に全量混ざるのを確認し、次いで、反応抑制剤を加えゴム(A−1)に全量混ざるのを確認し、次いで、触媒を加えてゴム(A−1)に全量混ざるのを確認後、A1法に従い混練した。
【0074】
次いで、上記のようにして得られた混練物の架橋トルクを、JIS K6300(1994年)に従い、160℃で測定する。このようにして測定した架橋トルクが、発泡剤配合後のゴム配合物の架橋トルクME2である。
また、本発明においては、発泡剤(D)の分子量、1分子中の窒素原子数、および1分子中の硫黄原子数が、下式
[(1分子中の窒素原子数)2+(1分子中の硫黄原子数)2]/分子量≦0.18を満たしていることが望ましい。
【0075】
この式の左辺の値は、好ましくは0.15以下、より好ましくは0.10以下、さらに好ましくは0.05以下、特に好ましくは0.02以下、最も好ましくは0.01以下である。
これらの発泡剤(D)は、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A)100重量部に対して、通常0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部の割合で用いられる。
【0076】
反応抑制剤(E)
本発明で触媒(C)とともに任意成分として用いられる反応抑制剤(E)としては、ベンゾトリアゾール、エチニル基含有アルコール(たとえば1-エチニル-1-シクロヘキサノール等)、アクリロニトリル、アミド化合物(たとえばN,N-ジアリルアセトアミド、N,N-ジアリルベンズアミド、N,N,N',N'-テトラアリル-o-フタル酸ジアミド、N,N,N',N'-テトラアリル-m-フタル酸ジアミド、N,N,N',N'-テトラアリル-p-フタル酸ジアミド等)、イオウ、リン、窒素、アミン化合物、イオウ化合物、リン化合物、スズ、スズ化合物、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン、ハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物などが挙げられる。中でも、エチニル基含有アルコールたとえば1-エチニル-1-シクロヘキサノールが特に好ましい。
【0077】
また、ルイス塩基の化学的挙動を有する物質も好ましく用いることができる。
反応抑制剤(E)は、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対して、0〜50重量部、通常0.0001〜50重量部、好ましくは0.0001〜30重量部、より好ましくは0.0001〜20重量部、さらに好ましくは0.0001〜10重量部、特に好ましくは0.0001〜5重量部の割合で用いられる。
【0078】
50重量部以下の割合で反応抑制剤(E)を用いると、架橋スピードが速く、架橋発泡体の生産性に優れたゴム組成物が得られる。50重量部を超える割合で反応抑制剤(E)を用いると、コスト的に不利になるので好ましくない。
発泡助剤(F)
本発明で必要に応じて用いられる発泡助剤(F)は、発泡剤(D)の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化などの作用をする。
【0079】
このような発泡助剤(F)としては、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、しゅう酸、クエン酸、安息香酸等の有機酸;カルボン酸塩、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、塩化物、酸化物等のルイス酸特性を有する金属酸化物;無水マレイン酸、無水アジピン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸等の酸無水物;亜鉛華(酸化亜鉛);ステアリン酸亜鉛;尿素またはその誘導体などが挙げられる。
【0080】
これらの発泡助剤(F)は、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.1重量部以上1重量部未満の量で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
【0081】
発泡核剤(G)
本発明で必要に応じて用いられる発泡核剤(G)としては、たとえば炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、カーボンブラック、二酸化珪素、酸化チタン、プラスチック微小球、オルトホウ酸、脂肪酸のアルカリ土類金属塩、クエン酸、炭酸水素ナトリウム(重曹)などが挙げられる。
【0082】
これらの発泡核剤(G)は、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対して、通常0.001重量部以上5重量部未満、好ましくは0.001〜1重量部、さらに好ましくは0.001重量部以上0.1重量部未満の量で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。発泡核剤(G)を上記のような量で用いると、発泡セルの小さな発泡体が得られる。
【0083】
その他の成分
本発明に係る架橋発泡可能なゴム組成物は、未架橋のままでも用いることができるが、架橋発泡体として用いた場合に最もその特性を発揮することができる。本発明に係る架橋発泡可能なゴム組成物中に、意図する架橋物の用途等に応じて、従来公知のゴム補強剤、無機充填剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤、加硫促進剤、有機過酸化物、架橋助剤、着色剤、分散剤、難燃剤などの添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。これらの添加剤は、ルイス塩基の化学的挙動を起こしにくいものが好ましく用いられる。
【0084】
上記ゴム補強剤は、架橋ゴムの引張強度、引き裂き強度、耐摩耗性などの機械的性質を高める効果がある。このようなゴム補強剤としては、具体的には、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF、FT、MT等のカーボンブラック、シランカップリング剤などにより表面処理が施されているこれらのカーボンブラック、微粉ケイ酸、シリカなどが挙げられる。
【0085】
シリカの具体例としては、煙霧質シリカ、沈降性シリカなどが挙げられる。これらのシリカは、ヘキサメチルジシラザン、クロロシラン、アルコキシシラン等の反応性シランあるいは低分子量のシロキサン等で表面処理されていてもよい。また、これらシリカの比表面積(BED法)は、好ましくは50m2/g以上、より好ましくは100〜400m2/gである。
【0086】
これらのゴム補強剤の種類および配合量は、その用途により適宜選択できるが、ゴム補強剤の配合量は通常、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対して、最大300重量部、好ましくは最大200重量部である。
上記無機充填剤としては、具体的には、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなどが挙げられる。
【0087】
これらの無機充填剤の種類および配合量は、その用途により適宜選択できるが、無機充填剤の配合量は通常、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対して、通常5〜300重量部、好ましくは5〜200重量部である。
上記軟化剤としては、通常ゴムに使用される軟化剤を用いることができる。
【0088】
具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;
コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;
ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;
トール油;
サブ;
蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;
リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸および脂肪酸塩;
石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質を挙げることができる。中でも石油系軟化剤が好ましく用いられ、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。
【0089】
これらの軟化剤の配合量は、架橋発泡成形体の用途により適宜選択される。
上記老化防止剤としては、たとえばアミン系、ヒンダードフェノール系、またはイオウ系老化防止剤などが挙げられるが、これらの老化防止剤は、上述したように、本発明の目的を損なわない範囲で用いられる。
本発明で用いられるアミン系老化防止剤としては、ジフェニルアミン類、フェニレンジアミン類などが挙げられる。
【0090】
ジフェニルアミン類としては、具体的には、p- (p- トルエン・スルホニルアミド)- ジフェニルアミン、4,4'- (α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、4,4'- ジオクチル・ジフェニルアミン、ジフェニルアミンとアセトンとの高温反応生成物、ジフェニルアミンとアセトンとの低温反応生成物、ジフェニルアミンとアニリンとアセトンとの低温反応物、ジフェニルアミンとジイソブチレンとの反応生成物、オクチル化ジフェニルアミン、ジオクチル化ジフェニルアミン、p,p’- ジオクチル・ジフェニルアミン、アルキル化ジフェニルアミンなどが挙げられる。この中でも特に、4,4'- (α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミンが好ましい。
【0091】
フェニレンジアミン類としては、具体的には、N,N'- ジフェニル-p-フェニレンジアミン、n- イソプロピル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N'- ジ-2- ナフチル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N'-(3-メタクリロイルオキシ-2- ヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、N,N'- ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'- ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'- ビス(1-エチル-3- メチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、フェニルヘキシル-p-フェニレンジアミン、フェニルオクチル-p-フェニレンジアミン等のp- フェニレンジアミン類などが挙げられる。
【0092】
これらの中でも、特に4,4'- (α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N'- ジ-2- ナフチル-p-フェニレンジアミンが好ましい。
これらの化合物は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられるヒンダードフェノール系老化防止剤としては、具体的には
(1)1,1,3-トリス-(2-メチル-4- ヒドロキシ-5-t- ブチルフェニルブタン、
(2)4,4'- ブチリデンビス-(3-メチル-6-t- ブチルフェノール)、
(3)2,2-チオビス(4-メチル-6-t- ブチルフェノール)、
(4)7-オクタデシル-3-(4'-ヒドロキシ-3',5'- ジ-t- ブチルフェニル)プロピオネート、
(5)テトラキス- [メチレン-3-(3',5'- ジ-t- ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン、
(6)ペンタエリスリトール- テトラキス[3-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
(7)トリエチレングリコール- ビス[3-(3-t-ブチル-5- メチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
(8)1,6-ヘキサンジオール- ビス[3-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
(9)2,4-ビス(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5- トリアジン、
(10)トリス-(3,5- ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシベンジル)- イソシアヌレート、
(11)2,2-チオ- ジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
(12)N,N'- ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシ)- ヒドロシンナアミド、
(13)2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル]- o-クレゾール、
(14)3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシベンジル- ホスホネート- ジエチルエステル、
(15)テトラキス[メチレン(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシヒドロシンナメイト)]メタン、
(16)オクタデシル-3- (3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エステル、
(17)3,9-ビス[2-{3-(3-t-ブチル-4- ヒドロキシ-5- メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1- ジメチルエチル]-2,4-8,10-テトラオキサスピロ [5,5]ウンデカン
などを挙げることができる。中でも、特に(5)、(17)のフェノール化合物が好ましい。
【0093】
本発明で用いられるイオウ系老化防止剤としては、通常ゴムに使用されるイオウ系老化防止剤が用いられる。
具体的には、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2-メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2-メルカプトメチルベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2-メルカプトメチルイミダゾールの亜鉛塩等のイミダゾール系老化防止剤;
ジミリスチルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール- テトラキス- (β- ラウリル- チオプロピオネート)等の脂肪族チオエーテル系老化防止剤などを挙げることができる。これらの中でも、特に2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2-メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2-メルカプトメチルベンゾイミダゾールの亜鉛塩、ペンタエリスリトール- テトラキス- (β- ラウリル- チオプロピオネート)が好ましい。
【0094】
上記の加工助剤としては、通常のゴムの加工に使用される化合物を使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸の塩;リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸のエステル類などが挙げられる。
【0095】
このような加工助剤は、通常、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは5重量部以下の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
本発明においては、上述した触媒(C)の他に有機過酸化物を使用して、付加架橋とラジカル架橋の両方を行なってもよい。有機過酸化物は、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対し、0.1〜10重量部程度の割合で用いられる。有機過酸化物としては、ゴムの架橋の際に通常使用されている従来公知の有機過酸化物を使用することができる。
【0096】
また、有機過酸化物を使用するときは、架橋助剤を併用することが好ましい。架橋助剤としては、具体的には、イオウ;p- キノンジオキシム等のキノンジオキシム系化合物;ポリエチレングリコールジメタクリレート等のメタクリレート系化合物;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート等のアリル系化合物;マレイミド系化合物;ジビニルベンゼンなどが挙げられる。このような架橋助剤は、使用する有機過酸化物1モルに対して0.5〜2モル、好ましくは約等モルの量で用いられる。
【0097】
また、本発明に係る架橋発泡可能なゴム組成物中に、本発明の目的を損なわない範囲で、公知の他のゴムとブレンドして用いることができる。
このような他のゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)などのイソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)などの共役ジエン系ゴムを挙げることができる。
【0098】
さらに従来公知のエチレン・α- オレフィン系共重合体ゴムを用いることもでき、たとえばエチレン・プロピレンランダム共重合体(EPR)、前記エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)以外のエチレン・α- オレフィン・ポリエン共重合体(たとえばEPDMなど)を用いることができる。
【0099】
上述した各成分を含有してなる、本発明に係る架橋発泡可能なゴム組成物は、シールスポンジ、クッションスポンジ、断熱スポンジ、プロテクトスポンジ、または難燃スポンジの製造の際に好適に用いられる。
架橋発泡体
本発明に係る架橋発泡体は、前述した本発明に係る架橋発泡可能なゴム組成物からなる架橋発泡ゴム成形体(スポンジ)である。
【0100】
本発明に係る架橋発泡可能なゴム組成物は、未架橋(未加硫)のまま用いることができるが、架橋発泡ゴム成形体として用いた場合に最もその特性を発揮することができる。
本発明に係る架橋発泡体の用途としては、たとえばシールスポンジ、クッションスポンジ、断熱スポンジ、プロテクトスポンジ、難燃スポンジなどが挙げられる。
【0101】
シールスポンジとしては、たとえば自動車用シールスポンジ、家電用シールスポンジ、または土木建築用シールスポンジが挙げられる。
自動車用シールスポンジとしては、たとえば自動車用ウェザーストリップスポンジ、具体的には、ドアーウェザーストリップスポンジ、ボンネットウェザーストリップスポンジ、トランクルームウェザーストリップスポンジ、サンルーフウェザーストリップスポンジ、ベンチレーターウェザーストリップスポンジ、ランプシールスポンジ、またはこれらのコーナースポンジなどが挙げられる。さらには、ドアシール、ボディーシール、トランクシール、フードシールなどが挙げられる。
【0102】
土木建築用シールスポンジとしては、具体的には、ガスケット、エアータイト、目地材、または戸当たり部のシールスポンジなどが挙げられる。
クッションスポンジとしては、たとえば自動車用クッションスポンジ、家電用クッションスポンジ、または土木建築用クッションスポンジが挙げられる。
断熱スポンジとしては、たとえば自動車用断熱スポンジ、家電用断熱スポンジ、または土木建築用断熱スポンジが挙げられる。
【0103】
プロテクトスポンジとしては、たとえば自動車用プロテクトスポンジ、家電用プロテクトスポンジ、または土木建築用プロテクトスポンジが挙げられる。
難燃スポンジとしては、たとえば自動車用難燃スポンジ、家電用難燃スポンジ、または土木建築用難燃スポンジが挙げられる。
ゴム組成物およびその架橋発泡体の調製
本発明に係る架橋発泡可能なゴム組成物から架橋発泡体(架橋スポンジ)を製造するには、通常一般のゴムを加硫(架橋)・発泡するときと同様に、未架橋の配合ゴムを一度調製し、次いで、この配合ゴムを意図する形状に成形した後に架橋・発泡を行なえばよい。
【0104】
架橋・発泡方法としては、架橋剤(SiH基含有化合物(B))、触媒(C)および発泡剤(D)を使用して加熱する方法、または光、γ線、電子線照射による方法のどちらを採用してもよい。
まず、本発明に係る架橋発泡可能なゴム組成物は、たとえば次のような方法で調製される。
【0105】
すなわち、本発明に係る架橋発泡可能なゴム組成物は、バンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー(密閉式混合機)類により、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)、および必要に応じてゴム補強剤、無機充填剤、軟化剤などの添加剤を30〜170℃の温度で3〜10分間混練した後、オープンロールのようなロール類、あるいはニーダーを使用して、SiH基含有化合物(B)、触媒(C)、発泡剤(D)、および必要に応じて反応抑制剤(E)、発泡助剤(F)、発泡核剤(G)を追加混合し、好ましくはロール温度80℃以下で1〜30分間混練した後、分出しすることにより調製することができる。
【0106】
本発明においては、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)とゴム補強剤、無機充填剤等とは高温で混練りすることができるが、SiH基含有化合物(B)と触媒(C)とは同時に高温で混練りすると、架橋(スコーチ)してしまうことがあるため、SiH基含有化合物(B)と触媒(C)とを同時に添加する場合は、80℃以下で混練りすることが好ましい。SiH基含有化合物(B)と触媒(C)のうち、一方の成分を添加する場合は80℃を超える高温でも混練りすることができる。なお、混練りによる発熱に対して、冷却水を使用することも場合によっては好ましい。
【0107】
また、インターナルミキサー類での混練温度が低い場合には、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)、SiH基含有化合物(B)、ゴム補強剤、無機充填剤、軟化剤などとともに、触媒(C)、発泡剤(D)、発泡助剤(F)、発泡核剤(G)、老化防止剤、着色剤、分散剤、難燃剤などを同時に混練してもよい。
【0108】
上記のようにして調製された、本発明に係る架橋発泡可能なゴム組成物は、押出成形機などを用いる種々の成形法より、意図する形状に成形され、成形と同時にまたは成型物を加硫槽内に導入し、架橋・発泡することができる。100〜270℃の温度で1〜30分間加熱するか、あるいは前記した方法により光、γ線、電子線を照射することにより架橋スポンジが得られる。この架橋・発泡の段階は金型を用いてもよいし、また金型を用いないで架橋・発泡を実施してもよい。金型を用いない場合は成形、架橋・発泡の工程は通常連続的に実施される。加硫槽における加熱方法としては、熱空気、UHF(マイクロ波)、PCM(ガラスビーズ流動床)、スチームなどの加熱槽を用いることができる。
【0109】
【発明の効果】
本発明に係る架橋発泡可能なゴム組成物は、架橋速度が速く、架橋発泡体の生産性に優れ、HAV、UHFなどの熱空気架橋が可能であり、しかも、高発泡倍率すなわち軽量で、耐圧縮永久歪み性、強度特性、耐熱性、耐候性、耐ブルーム性、汚染性および耐傷付き性に優れる架橋発泡体(スポンジゴム)を提供することができる。
【0110】
本発明に係る架橋発泡可能なゴム組成物から得られる架橋発泡体は、上記のような効果を有するので、シールスポンジ、クッションスポンジ、断熱スポンジ、プロテクトスポンジ、難燃スポンジなどに広く用いられる。
【0111】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
なお、実施例、比較例で用いた共重合体ゴムの組成、ヨウ素価、極限粘度[η]および分岐指数は、次のような方法で測定ないし求めた。
(1)共重合体ゴムの組成
共重合体ゴムの組成は、13C−NMR法で測定した。
(2)共重合体ゴムのヨウ素価
共重合体ゴムのヨウ素価は、滴定法により求めた。
(3)極限粘度[η]
共重合体ゴムの極限粘度[η]は、135℃デカリン中で測定した。
(4)分岐指数
長鎖分岐を有しないEPR(分子量の異なる4サンプル)について動的粘弾性試験機を用いて複素粘性率η* の周波数分散を測定した。
【0112】
0.01rad/secと8rad/secのときの複素粘性率η* を求め、複素粘性率η1L *(0.01rad/sec)を縦軸に、複素粘性率η2L *(8rad/sec)を横軸にプロットし、基準ラインを作成し、そのラインの延長線上にあるη2L *=1×103/Pa・s のときのη1L0 *を測定した。
次に、対象サンプルについても同様に、0.01rad/secと8rad/secのときの複素粘性率η* を求め、複素粘性率η1B *(0.01rad/sec)を縦軸に、複素粘性率η2B *(8rad/sec)を横軸にプロットする。このプロットは基準ラインよりも大きな値となり、長鎖分岐が多いほど基準ラインよりも大きく離れていく。
【0113】
次に、このプロットの上を通るように基準ラインを平行移動させ、複素粘性率η2 *=1×103/Pa・sとの交点η1B0 *を測定した。
上記のようにして測定したη1L0 *およびη1B0 *の値を下式に適用し、分岐指数を算出した。
分岐指数=(logη1L0 * − logη1B0 *)×10
上記測定条件は、次の通りである。
・基準サンプル:4種類のEPR
三井化学(株)製、タフマーP−0280、P−0480、P−0680、P−0880(商品名)
・動的粘弾性試験機(RDS):Rheometrics社
・サンプル:2mmシートを直径25mmの円状に打ち抜いて使用。
・温 度 :190℃
・歪み率 :1%
・周波数依存:0.001〜500rad/sec
【0114】
【製造例1】
[エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−1)の製造]
攪拌羽根を備えた実質内容積100リットルのステンレス製重合器(攪拌回転数=250rpm)を用いて、連続的にエチレンとプロピレンと5-ビニル-2- ノルボルネンとの三元共重合を行なった。重合器側部より液相へ毎時ヘキサンを60リットル、エチレンを3.7kg、プロピレンを8.0kg、5-ビニル-2- ノルボルネンを480gの速度で、また、水素を50リットル、触媒としてVOCl3を48ミリモル、Al(Et)2Clを240ミリモル、Al(Et)1.5Cl1.5を48ミリモルの速度で連続的に供給した。
【0115】
以上に述べたような条件で共重合反応を行なうと、エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−1)が均一な溶液状態で得られた。
その後、重合器下部から連続的に抜き出した重合溶液中に少量のメタノールを添加して重合反応を停止させ、スチームストリッピング処理にて重合体を溶媒から分離したのち、55℃で48時間真空乾燥を行なった。
【0116】
上記のようにして得られたエチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−1)の物性を第1表に示す。
【0117】
【製造例2〜3】
製造例1において、重合条件を第1表の通りに変えることにより、異なる性状のエチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−2)、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエンランダム共重合体ゴム(A−3)を得た。得られた共重合体ゴム(A−2)、(A−3)の物性を第1表に示す。
【0118】
【表1】
【0119】
【実施例1】
まず、第1表に示すエチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−1)100重量部、カーボンブラック[旭カ−ボン(株)製、商品名 旭#60G]100重量部、および軟化剤[出光興産(株)製、商品名 ダイアナプロセスオイルTMPW−90]35重量部を容量2.95リットルのバンバリーミキサー[(株)神戸製鋼所製]で混練した。
【0120】
混練方法は、まずエチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−1)を30秒素練りし、次いで、カーボンブラック、軟化剤を入れ、2分間混練した。その後、ラムを上昇させ掃除を行ない、さらに、1分間混練を行ない、約130℃で排出し、ゴム配合物(I−1)を得た。この混練は充填率75%で行なった。
【0121】
次に、この配合物(I−1)235重量部を、8インチロ−ル(前ロールの表面温度30℃、後ロールの表面温度30℃、前ロールの回転数18rpm、後ロールの回転数15rpm)に巻き付けて、発泡剤としてプラスチック微小中空体[松本油脂製薬(株)製、商品名 マツモトマイクロスフェア−F−50D;架橋トルク保持率=95%、[(1分子中の窒素原子数)2+(1分子中の硫黄原子数)2]/分子量=0]8重量部、SiH基含有化合物(架橋剤)として(CH3)3SiO−[−SiH(CH3)−O−]6−[−Si(CH3)2−O−]1−[−Si(C6H6)2−O−]1−Si(CH3)3 4重量部、反応抑制剤として1-エチニル-1-シクロヘキサノール0.1重量部を加え10分間混練したのちに、触媒として3%白金濃度の、白金カルボニルビニルメチル錯体のビニルメチル環状シロキサン溶液0.05重量部[GELEST.Inc、商品名SIP6829.0]を加えて5分間混練した後、混練物をリボン状に分出した。混練物の総量は、約2kgとした。
【0122】
次に、この未架橋ゴム配合物を、チューブ状ダイス(内径10mm、肉厚1mm)を装着した50mmφ押出機[(株)三葉製作所製;L/D=16]を用いて、ダイス温度60℃、シリンダー温度40℃の条件で押し出してチューブ状に成形した。この成形体を200℃雰囲気のHAV(熱風加硫槽)に10分間架橋し、スポンジゴムを得た。
【0123】
得られた架橋スポンジゴムについて、比重測定、吸水率測定、耐傷付き性試験、圧縮永久歪み試験および粘着性試験を下記の方法に従って行なった。
(1)比重測定
熱空気架橋したチューブ状のスポンジゴムから20mm×20mmの試験片を打ち抜き、表面の汚れをアルコールで拭き取った。この試験片を25℃雰囲気下で自動比重計[(株)東洋精機製作所製:M−1型]を用いて、空気中と純水中の質量差から比重測定を行ない、スポンジゴムの比重を算出した。
(2)吸水率
熱空気架橋したチューブ状のスポンジゴムから20mm×20mmの試験片を打ち抜き、水面下50mmの位置で125mmHgまで減圧し、3分間保持した。続いて、その試験片を大気中に戻して3分経過後、吸水した試験片の重量を測定し、以下の計算式から吸水率を算出した。
【0124】
吸水率(%)=[(W2―W1)/W1]×100
W1 :浸漬前の試験片重量(g)
W2 :浸漬後の試験片重量(g)
(3)耐傷付き性試験
HAV(ホットエアー加硫槽)より取り出した直後の架橋シート表面をHBの鉛筆でひっかき、その傷つき状態を肉眼で観察し、耐傷付き性の評価を4段階で行なった。
<耐傷付き性の4段階評価>
A:表面に傷が全く付かないもの
B:表面にわずかに傷が付くもの
C:傷が付くもの
D:傷が著しく激しいもの
(4)圧縮永久歪み試験
JIS K6250に従い、作製した架橋シートを積層し、JIS K6262に準拠して圧縮永久歪み試験を行なった。この試験条件は150℃×22時間である。
(5)粘着性試験
チューブ状の発泡体を、23℃、50%RHの雰囲気下に1時間放置した後、手で潰してチューブ状発泡体の相対する内表面を接触させた状態で10秒間保持し、その後に手を離したときにチューブ状発泡体の元に戻る状態により、発泡体の粘着性を下記の4段階で評価した。
<粘着性の4段階評価>
A:手を離すと、チューブ状発泡体の接触部分が粘着せずに速やかに離れる
B:手を離してから1秒未満で、チューブ状発泡体の接触部分が離れる
C:手を離してから1〜5秒で、チューブ状発泡体の接触部分が離れる
D:手を離してから5秒過ぎないと、チューブ状発泡体の接触部分が離れない
これらの結果を第2表に示す。
【0125】
【実施例2】
実施例1において、3%白金濃度の、白金カルボニルビニルメチル錯体のビニルメチル環状シロキサン溶液の配合量を0.1重量部に変更し、かつ、マツモトマイクロスウェア−F−50D(商品名)8重量部の代わりに、重曹[永和化成工業(株)製、商品名 セルボンFE−507;架橋トルク保持率=98%、[(1分子中の窒素原子数)2+(1分子中の硫黄原子数)2]/分子量=0]6重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。結果を第2表に示す。
【0126】
【実施例3】
実施例1において、3%白金濃度の、白金カルボニルビニルメチル錯体のビニルメチル環状シロキサン溶液の配合量を0.1重量部に変更し、かつ、マツモトマイクロスウェア−F−50D(商品名)8重量部の代わりに、ジメチル-2,2'-アゾビスイソブチレート[大塚化学(株)製、商品名 MAIB;架橋トルク保持率=92%、[(1分子中の窒素原子数)2+(1分子中の硫黄原子数)2]/分子量=0.0174]3重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。結果を第2表に示す。
【0127】
【実施例4】
実施例1において、3%白金濃度の、白金カルボニルビニルメチル錯体のビニルメチル環状シロキサン溶液の配合量を0.1重量部に変更し、かつ、マツモトマイクロスウェア−F−50D(商品名)8重量部の代わりに、1,1'-アゾビス(1-アセトキシ-1- フェニルエタン)[大塚化学(株)製、商品名 OTAZO-15;架橋トルク保持率=55%、[(1分子中の窒素原子数)2+(1分子中の硫黄原子数)2]/分子量=0.0112]3重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。結果を第2表に示す。
【0128】
【実施例5】
実施例1において、3%白金濃度の、白金カルボニルビニルメチル錯体のビニルメチル環状シロキサン溶液の配合量を0.1重量部に変更し、かつ、マツモトマイクロスウェア−F−50D(商品名)8重量部の代わりに、2,2'- アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)[和光純薬工業(株)製、商品名 VR−110;架橋トルク保持率=65%、[(1分子中の窒素原子数)2+(1分子中の硫黄原子数)2]/分子量=0.016]5重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。結果を第2表に示す。
【0129】
【比較例1】
実施例1において、実施例1で用いたエチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−1)の代わりに、第1表に示すエチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(A−2)を用い、かつ、3%白金濃度の、白金カルボニルビニルメチル錯体のビニルメチル環状シロキサン溶液の配合量を0.1重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行なった。なお、バンバリーミキサーから排出した際の混練物の温度は131℃であった。結果を第2表に示す。
【0130】
【比較例2】
実施例1において、実施例1で用いたエチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−1)の代わりに、第1表に示すエチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエンランダム共重合体ゴム(A−3)を用い、かつ、3%白金濃度の、白金カルボニルビニルメチル錯体のビニルメチル環状シロキサン溶液の配合量を0.1重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行なった。なお、バンバリーミキサーから排出した際の混練物の温度は134℃であった。結果を第2表に示す。
【0131】
【比較例3】
比較例1において、マイクロスフェアーF−50D(商品名;プラスチック微小中空体)8重量部、SiH基含有化合物4重量部、エチニルシクロヘキサノール0.1重量部および3%白金濃度の、白金カルボニルビニルメチル錯体のビニルメチル環状シロキサン溶液0.05重量部の代わりに、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジッド[永和化成工業(株)製、商品名 ネオセルボンN1000M;架橋トルク保持率=4%、[(1分子中の窒素原子数)2+(1分子中の硫黄原子数)2]/分子量=0.055]2.5重量部、尿素系発泡助剤[永和化成工業(株)製、商品名 セルペースト101P]1.0重量部、硫黄1.5重量部、2-メルカトベンゾチアゾール[三新化学工業(株)製、商品名 サンセラーM]1.0重量部、ジベンゾチアジルジスルフィド[三新化学工業(株)製、商品名 サンセラーDM]1.0重量部、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛[三新化学工業(株)製、商品名 サンセラーBZ]1.0重量部、およびジエチルジチオカルバミン酸テルル[三新化学工業(株)製、商品名 サンセラーTE]0.3重量部の用いた以外は、比較例1と同様に行なった。結果を第2表に示す。
【0132】
【比較例4】
比較例3において、エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−2)の代わりに、第1表に示すエチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−1)を用いた以外は、比較例3と同様に行なった。結果を第2表に示す。
【0133】
【比較例5】
実施例1において、3%白金濃度の、白金カルボニルビニルメチル錯体のビニルメチル環状シロキサン溶液の配合量を0.1重量部に変更し、かつ、マツモトマイクロスウェア−F−50D(商品名)8重量部の代わりに、N,N'-ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)[永和化成(株)製、商品名 セルラーD;架橋トルク保持率=4%、[(1分子中の窒素原子数)2+(1分子中の硫黄原子数)2]/分子量=0.192]3重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。結果を第2表に示す。
【0134】
【比較例6】
実施例1において、マツモトマイクロスウェア−F−50D(商品名)8重量部の代わりに、プラスチック微小中空体[松本油脂製薬(株)製、商品名 マツモトマイクロスフェア−F−30D;架橋トルク保持率=4%、[(1分子中の窒素原子数)2+(1分子中の硫黄原子数)2]/分子量≒0.2]7重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。結果を第2表に示す。
【0135】
【比較例7】
実施例1において、マツモトマイクロスウェア−F−50D(商品名)8重量部の代わりに、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジッド[永和化成工業(株)製、商品名 ネオセルボンN1000SW;架橋トルク保持率=4%、[(1分子中の窒素原子数)2+(1分子中の硫黄原子数)2]/分子量=0.055]2.5重量部および尿素系発泡助剤[永和化成工業(株)製、商品名 セルペースト101P]1.0重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。結果を第2表に示す。
【0136】
【実施例6】
実施例2において、重曹[永和化成工業(株)製、商品名 セルボンFE−507]6重量部の代わりに、発泡助剤(F)としての重曹と発泡核剤(G)としてのクエン酸とのブレンド物[BOEHRINGER社製、商品名 HYDROCEROL CF(重曹/クエン酸の重量比率=2/1]10重量部を用いた以外は、実施例2と同様に行なった。結果を第2表に示す。
【0137】
【表2】
【0138】
【表3】
【0139】
【表4】
Claims (16)
- 下記一般式[I]または[II]で表わされる少なくとも一種の末端ビニル基含有ノルボルネン化合物から導かれる構成単位を有するエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)と、
SiH基を1分子中に少なくとも2個持つSiH基含有化合物(B)と、
白金系触媒(C)と、
発泡剤(D)として、重曹、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’―アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)または2,2’―アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)を含有してなるゴム組成物であり、
前記発泡剤(D)の架橋トルク保持率が5%以上であることを特徴とする架橋発泡可能なゴム組成物;
- 下記一般式[I]または[II]で表わされる少なくとも一種の末端ビニル基含有ノルボルネン化合物から導かれる構成単位を有するエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)と、
SiH基を1分子中に少なくとも2個持つSiH基含有化合物(B)と、
白金系触媒(C)と、
発泡剤(D)として、重曹、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’―アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)または2,2’―アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)と、
発泡助剤(F)および/または発泡核剤(G)と
を含有してなるゴム組成物であり、
前記発泡剤(D)の架橋トルク保持率が5%以上であることを特徴とする架橋発泡可能なゴム組成物;
- 下記一般式[I]または[II]で表わされる少なくとも一種の末端ビニル基含有ノルボルネン化合物から導かれる構成単位を有するエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)と、
SiH基を1分子中に少なくとも2個持つSiH基含有化合物(B)と、
白金系触媒(C)と、
発泡剤(D)として、重曹、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’―アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)または2,2’―アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)とを含有してなるゴム組成物であり、
前記発泡剤(D)の架橋トルク保持率が5%以上であり、前記発泡剤(D)の分子量、1分子中の窒素原子数、および1分子中の硫黄原子数が、下式
[(1分子中の窒素原子数)2+(1分子中の硫黄原子数)2]/分子量≦0.18を満たすことを特徴とする架橋発泡可能なゴム組成物;
R1は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、
R2は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である]、
- 下記一般式[I]または[II]で表わされる少なくとも一種の末端ビニル基含有ノルボルネン化合物から導かれる構成単位を有するエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)と、
SiH基を1分子中に少なくとも2個持つSiH基含有化合物(B)と、
白金系触媒(C)と、
発泡剤(D)として、重曹、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’―アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)または2,2’―アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)と、
発泡助剤(F)および/または発泡核剤(G)と
を含有してなるゴム組成物であり、
前記発泡剤(D)の架橋トルク保持率が5%以上であり、前記発泡剤(D)の分子量、1分子中の窒素原子数、および1分子中の硫黄原子数が、下式
[(1分子中の窒素原子数)2+(1分子中の硫黄原子数)2]/分子量≦0.18を満たすことを特徴とする架橋発泡可能なゴム組成物;
- さらに、反応抑制剤(E)を含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の架橋発泡可能なゴム組成物。
- 前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)が、(i
)エチレンと炭素原子数3〜20のα-オレフィンとのモル比(エチレン/α-オレフィン)が60/40〜90/10の範囲にあり、(ii)ヨウ素価が1〜30の範囲にあり、(iii)135℃のデカリン溶液で測定した極限粘度[η]が0.3〜5dl/gの範囲にあり、(iv)動的粘弾性測定器により求めた分岐指数が3以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の架橋発泡可能なゴム組成物。 - シールスポンジ、クッションスポンジ、断熱スポンジ、プロテクトスポンジ、または難燃スポンジの製造の際に用いられることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の架橋発泡可能なゴム組成物。
- 前記シールスポンジが、自動車用シールスポンジ、家電用シールスポンジ、または土木建築用シールスポンジであることを特徴とする請求項7に記載の架橋発泡可能なゴム組成物。
- 前記自動車用シールスポンジが、自動車用ウェザーストリップスポンジであることを特徴とする請求項8に記載の架橋発泡可能なゴム組成物。
- 前記自動車用ウェザーストリップスポンジが、ドアーウェザーストリップスポンジ、ボンネットウェザーストリップスポンジ、トランクルームウェザーストリップスポンジ、サンルーフウェザーストリップスポンジ、ベンチレーターウェザーストリップスポンジ、ランプシールスポンジ、またはこれらのコーナースポンジであることを特徴とする請求項9に記載の架橋発泡可能なゴム組成物。
- 前記土木建築用シールスポンジが、ガスケット、エアータイト、目地材、または戸当たり部のシールスポンジであることを特徴とする請求項8に記載の架橋発泡可能なゴム組成物。
- 前記クッションスポンジが、自動車用クッションスポンジ、家電用クッションスポンジ、または土木建築用クッションスポンジであることを特徴とする請求項7に記載の架橋可能な発泡用ゴム組成物。
- 前記断熱スポンジが、自動車用断熱スポンジ、家電用断熱スポンジ、または土木建築用断熱スポンジであることを特徴とする請求項7に記載の架橋発泡可能なゴム組成物。
- 前記プロテクトスポンジが、自動車用プロテクトスポンジ、家電用プロテクトスポンジ、または土木建築用プロテクトスポンジであることを特徴とする請求項7に記載の架橋発泡可能なゴム組成物。
- 前記難燃スポンジが、自動車用難燃スポンジ、家電用難燃スポンジ、または土木建築用難燃スポンジであることを特徴とする請求項7に記載の架橋発泡可能なゴム組成物。
- 請求項1〜15のいずれかに記載の架橋発泡可能なゴム組成物からなることを特徴とする架橋発泡体。
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