JP2002371152A - 架橋発泡可能なゴム組成物およびその架橋発泡体 - Google Patents

架橋発泡可能なゴム組成物およびその架橋発泡体

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JP2002371152A JP2002059155A JP2002059155A JP2002371152A JP 2002371152 A JP2002371152 A JP 2002371152A JP 2002059155 A JP2002059155 A JP 2002059155A JP 2002059155 A JP2002059155 A JP 2002059155A JP 2002371152 A JP2002371152 A JP 2002371152A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明の架橋発泡可能なゴム組成物は、特
定のエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダ
ム共重合体ゴム(A)、SiH基を1分子中に少なくと
も2個持つSiH基含有化合物(B)、触媒(C)、発
泡剤(D)および必要に応じ反応抑制剤(E)、発泡助
剤(F)、発泡核剤(G)を含有してなる。本発明の架
橋発泡体は、上記ゴム組成物からなる。 【効果】上記ゴム組成物は、架橋速度が速く、架橋発泡
体の生産性に優れ、HAV、UHFなどの熱空気架橋が
可能であり、しかも、高発泡倍率すなわち軽量で、耐圧
縮永久歪み性、強度特性、耐熱性、耐候性、耐ブルーム
性、汚染性および耐傷付き性に優れる架橋発泡体(スポ
ンジゴム)を提供することができる。上記ゴム組成物
は、シールスポンジ、クッションスポンジ、断熱スポン
ジ、プロテクトスポンジまたは難燃スポンジの製造の際
に好適に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、架橋発泡可能なゴム組成
物およびその架橋発泡体に関し、さらに詳しくは、架橋
速度が速く生産性に優れ、HAV(熱空気加硫槽)、U
HF(マイクロ波加硫槽)などの連続架橋が可能であ
り、しかも、高発泡倍率で、耐圧縮永久歪み性、強度特
性、耐熱性、耐候性、耐ブル−ム性、汚染性、耐傷付き
性などの特性に優れた架橋発泡体を提供することができ
る、架橋発泡可能なゴム組成物およびその架橋発泡体に
関する。
【0002】
【発明の技術的背景】EPDMなどのエチレン・α- オ
レフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴムは、一
般に、耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優れており、自動
車、家電製品、建物などのシールスポンジ、クッション
スポンジ、プロテクトスポンジ、断熱スポンジ、難燃ス
ポンジなどに広く用いられている。
【0003】自動車、家電製品、建物は、様々なパーツ
を組み合わせて製品となるが、パーツを保護するために
プロテクトスポンジ、断熱するために断熱スポンジ、衝
撃から守るためにクッションスポンジ、各スポンジに難
燃性を付与する場合は難燃スポンジが用いられている。
たとえば、パーツを組み合わせたときに、多かれ少なか
れ必ず隙間ができる。この隙間をシールするために、ス
ポンジ状のシール材が用いられている。この場合、シー
ル材は組み込み易く、また、隙間に応じて変形すること
が必要であるため柔らかいことが要求され、このような
要求に応えられるシール材としてシールスポンジが使用
されている。
【0004】しかしながら、このようなスポンジは、そ
の製造の際に従来より採用されているイオウ加硫では耐
圧縮永久歪み性が充分でなく、長期にわたって音、埃、
水などからシールすることができない。また、イオウ加
硫においては、加硫速度が遅いEPDMには加硫促進剤
を使用するために、成形中に発生するニトロソアミンが
人体に悪影響を及ぼすことが知られている。また、これ
ら促進剤はEPDMと相溶性が悪いため、成形後スポン
ジ表面にブルームし外観を損なったり、接触する相手側
の材料を汚染することが多い。
【0005】また、自動車シールスポンジの主要な製品
であるウェザーストリップスポンジもEPDMが使用さ
れているが、従来より採用されているイオウ加硫では耐
圧縮永久歪み性が充分でなく、長期間にわたって騒音、
埃や雨水などをシールすることができない。また、イオ
ウ加硫においては、加硫速度が遅いEPDMには加硫促
進効果の大きい促進剤を使用するため、成形中に発生す
るニトロソアミンが人体に悪影響を及ぼすという欠点が
ある。また、これらの促進剤はEPDMとの相溶性が悪
いため、成形後スポンジ製品の表面にブルームやブリー
ドし外観を損なったり、車載後板金を汚染したりする欠
点がある。
【0006】この欠点を解決する方法として、イオウ加
硫から、耐圧縮永久歪み性が良好で、汚染性の低いパー
オキサイド(有機過酸化物)架橋にする方法が効果的で
あるが、この方法では、HAV(熱空気加硫槽)、UH
F(マイクロ波加硫槽)などの連続架橋をする場合、ゴ
ム表面が架橋しない、あるいは崩壊(デグラデイショ
ン)を起こし耐傷付き性が著しく劣るという欠点があ
る。この原因は有機過酸化物が架橋に関与せず、ゴム表
面のポリマーが酸素と触れることで崩壊が進むためであ
り、酸素を遮断する目的でスチーム架橋、被鉛架橋など
で架橋させればゴム表面の耐傷付き性は改良されるもの
の、生産コストの面で不利となる。
【0007】特開平4−154855号公報には、HA
Vで熱空気架橋可能なエチレン・プロピレン・ジエン共
重合体ゴムと、1分子中にケイ素原子に結合した水素原
子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンと、白金触媒とを配合したゴム組成物を用い
ることによって、熱空気架橋が可能で、しかも耐傷付き
性に優れたゴムを得ることができることが記載されてい
る。
【0008】しかしながら、本願発明者らは、この公報
に記載されている発明を追試し、その結果、耐傷付き
性、耐圧縮永久歪み性は十分に満足できるものではなか
った。また、特開平7−33924号公報には、エチレ
ン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムに、少なくとも1
つの反応性基を有するポリシロキサンを添加してなるゴ
ム組成物をパーオキサイド架橋することにより、熱空気
架橋が可能で、耐傷付き性に優れたゴムを得ることがで
きることが記載されている。
【0009】しかしながら、本願発明者らは、この公報
に記載されている発明を追試し、その結果、上記ゴム組
成物にパーオキサイドを添加することにより架橋効率は
高くなってはいるものの、パーオキサイドラジカルがシ
ロキサンの付加反応を起こさせると同時に、ポリマーラ
ジカルを発生させるため、架橋後のゴム製品表面の耐傷
付き性は実用に耐えうるものではないことを確認してい
る。
【0010】また、本願発明者らは、特定のエチレン・
α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A)、SiH基を1分子中に少なくとも2個持つSi
H基含有化合物(B)、および必要に応じて触媒
(C)、反応抑制剤(D)、発泡剤(E)からなるゴム
組成物を用いることにより、生産コストに優れる熱空気
架橋(HAV、UHFなど)で架橋でき、しかも耐圧縮
永久歪み性および耐傷付き性に優れる発泡体を製造でき
ることを見出している(特開2001−31789号公
報)が、更なる耐圧縮永久歪み性の向上が需要者より望
まれていた。
【0011】そこで、本願発明者らは、エチレン・α-
オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム組成
物について鋭意研究し、エチレン・α- オレフィン・非
共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)、SiH基を
1分子中に少なくとも2個持つSiH基含有化合物
(B)、触媒(C)、発泡剤(D)、および必要に応じ
て反応抑制剤(E)を含有してなるゴム組成物は、架橋
速度が速く生産性に優れ、熱空気架橋(HAV、UHF
など)で架橋でき、しかも、高発泡倍率すなわち軽量
で、耐圧縮永久歪み性、強度特性、耐熱性、耐候性、耐
ブルーム性、汚染性および耐傷付き性に優れる発泡体を
製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、架橋速度が速く
生産性に優れ、熱空気架橋(HAV、UHFなど)で架
橋でき、しかも、高発泡倍率すなわち軽量で、耐圧縮永
久歪み性、強度特性、耐熱性、耐候性、耐ブルーム性、
汚染性および耐傷付き性に優れる架橋発泡体を調製する
ことができる、架橋発泡可能なゴム組成物およびその架
橋発泡体を提供することを目的としている。
【0013】
【発明の概要】本発明に係る架橋発泡可能なゴム組成物
は、下記一般式[I]または[II]で表わされる少なく
とも一種の末端ビニル基含有ノルボルネン化合物から導
かれる構成単位を有するエチレン・α- オレフィン・非
共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)と、SiH基
を1分子中に少なくとも2個持つSiH基含有化合物
(B)と、触媒(C)と、発泡剤(D)とを含有してな
るゴム組成物であり、前記発泡剤(D)の架橋トルク保
持率が5%以上であるか、または前記発泡剤(D)の分
子量、1分子中の窒素原子数、および1分子中の硫黄原
子数が、下式 [(1分子中の窒素原子数)2+(1分子中の硫黄原子
数)2]/分子量≦0.18 を満たすことを特徴としている。
【0014】
【化9】
【0015】[式中、nは0ないし10の整数であり、
1は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基
であり、R2は水素原子または炭素原子数1〜5のアル
キル基である。]
【0016】
【化10】
【0017】[式中、R3は水素原子または炭素原子数
1〜10のアルキル基である。] 上記ゴム組成物中に、さらに、発泡助剤(F)および/
または発泡核剤(G)と反応抑制剤(E)とを含有して
いてもよい。前記エチレン・α- オレフィン・非共役ポ
リエンランダム共重合体ゴム(A)は、(i)エチレン
と炭素原子数3〜20のα- オレフィンとのモル比(エ
チレン/α- オレフィン)が60/40〜90/10の
範囲にあり、(ii)ヨウ素価が1〜30の範囲にあり、
(iii) 135℃のデカリン溶液で測定した極限粘度
[η]が0.3〜5dl/gの範囲にあり、(iv)動的
粘弾性測定器により求めた分岐指数が3以上であること
が好ましい。
【0018】本発明に係る架橋発泡体は、上記のよう
な、本発明に係る架橋発泡可能なゴム組成物からなるこ
とを特徴としている。
【0019】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る架橋発泡可能
なゴム組成物およびその架橋発泡体について具体的に説
明する。本発明に係る架橋発泡可能なゴム組成物は、エ
チレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重
合体ゴム(A)、SiH基含有化合物(B)、触媒
(C)、発泡剤(D)、および任意に反応抑制剤
(E)、発泡助剤(F)、発泡核剤(G)を含有してい
る。
【0020】エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエ
ンランダム共重合体ゴム(A) 本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役
ポリエンランダム共重合体ゴム(A)は、エチレンと、
炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、非共役ポリエ
ンとのランダム共重合体である。このような炭素原子数
3〜20のα- オレフィンとしては、具体的には、プロ
ピレン、1-ブテン、4-メチル-1- ペンテン、1-ヘキセ
ン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-
ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセ
ン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセ
ン、1-ノナデセン、1-エイコセン、9-メチル-1- デセ
ン、11- メチル-1- ドデセン、12- エチル-1- テトラデ
センなどが挙げられる。中でも、炭素原子数3〜10の
α- オレフィンが好ましく、特にプロピレン、1-ブテ
ン、1-ヘキセン、1-オクテンなどが好ましく用いられ
る。
【0021】これらのα- オレフィンは、単独で、ある
いは2種以上組み合わせて用いられる。本発明で用いら
れる非共役ポリエンは、下記の一般式[I]または[I
I]で表わされる末端ビニル基含有ノルボルネン化合物
である。
【0022】
【化11】
【0023】一般式[I]において、nは0ないし10
の整数であり、R1は水素原子または炭素原子数1〜1
0のアルキル基であり、R1の炭素原子数1〜10のア
ルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル
基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペ
ンチル基、t-ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル
基、イソヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル
基、デシル基などが挙げられる。
【0024】R2は水素原子または炭素原子数1〜5の
アルキル基である。R2の炭素原子数1〜5のアルキル
基の具体例としては、上記R1の具体例のうち、炭素原
子数1〜5のアルキル基が挙げられる。
【0025】
【化12】
【0026】一般式[II]において、R3は水素原子ま
たは炭素原子数1〜10のアルキル基である。R3のア
ルキル基の具体例としては、上記R1のアルキル基の具
体例と同じアルキル基を挙げることができる。上記一般
式[I]または[II]で表わされるノルボルネン化合物
としては、具体的には、5-メチレン-2- ノルボルネン、
5-ビニル-2- ノルボルネン、5-(2-プロペニル)-2- ノ
ルボルネン、5-(3-ブテニル)-2- ノルボルネン、5-
(1-メチル-2- プロペニル)-2- ノルボルネン、5-(4-
ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(1-メチル-3- ブテ
ニル)-2- ノルボルネン、5-(5-ヘキセニル)-2- ノル
ボルネン、5-(1-メチル-4- ペンテニル)-2- ノルボル
ネン、5-(2,3-ジメチル-3- ブテニル)-2- ノルボルネ
ン、5-(2-エチル-3- ブテニル)-2- ノルボルネン、5-
(6-ヘプテニル)-2- ノルボルネン、5-(3-メチル-5-
ヘキセニル)-2- ノルボルネン、5-(3,4-ジメチル-4-
ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(3-エチル-4- ペン
テニル)-2- ノルボルネン、5-(7-オクテニル)-2- ノ
ルボルネン、5-(2-メチル-6- ヘプテニル)-2- ノルボ
ルネン、5-(1,2-ジメチル-5- ヘキセシル)-2- ノルボ
ルネン、5-(5-エチル-5- ヘキセニル)-2- ノルボルネ
ン、5-(1,2,3-トリメチル-4- ペンテニル)-2- ノルボ
ルネンなど挙げられる。このなかでも、5-ビニル-2- ノ
ルボルネン、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-(2-プロ
ペニル)-2- ノルボルネン、5-(3-ブテニル)-2- ノル
ボルネン、5-(4-ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-
(5-ヘキセニル)-2- ノルボルネン、5-(6-ヘプテニ
ル)-2- ノルボルネン、5-(7-オクテニル)-2- ノルボ
ルネンが好ましい。これらのノルボルネン化合物は、単
独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができ
る。
【0027】上記ノルボルネン化合物たとえば5-ビニル
-2- ノルボルネンの他に、本発明の目的とする物性を損
なわない範囲で、以下に示す非共役ポリエンを併用する
こともできる。このような非共役ポリエンとしては、具
体的には、1,4-ヘキサジエン、3-メチル-1,4- ヘキサジ
エン、4-メチル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-1,4- ヘ
キサジエン、4,5-ジメチル-1,4- ヘキサジエン、7-メチ
ル-1,6- オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;メチルテ
トラヒドロインデン、5-エチリデン-2- ノルボルネン、
5-メチレン-2- ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-
ノルボルネン、5-ビニリデン-2- ノルボルネン、6-クロ
ロメチル-5- イソプロペニル-2- ノルボルネン、ジシク
ロペンタジエン等の環状非共役ジエン;2,3-ジイソプロ
ピリデン-5- ノルボルネン、2-エチリデン-3- イソプロ
ピリデン-5- ノルボルネン、2-プロペニル-2,2- ノルボ
ルナジエン等のトリエンなどが挙げられる。
【0028】上記のような諸成分からなるエチレン・α
- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A)は、以下のような特性を有している。 (i)エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィン
とのモル比(エチレン/α- オレフィン) エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A)は、(a)エチレンで導かれる単位と
(b)炭素原子数3〜20のα- オレフィン(以下単に
α- オレフィンということがある)から導かれる単位と
を、60/40〜90/10、好ましくは65/35〜
90/10、特に好ましくは65/35〜85/15の
モル比[(a)/(b)]で含有している。
【0029】このモル比が上記範囲内にあると、耐熱老
化性、強度特性およびゴム弾性に優れるとともに、耐寒
性および加工性に優れた架橋発泡体を提供できるゴム組
成物が得られる。 (ii)ヨウ素価 エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A)のヨウ素価は、1〜30(g/100g)、好
ましくは1〜25(g/100g)、特に好ましくは2〜20(g
/100g)である。
【0030】このヨウ素価が上記範囲内にあると、架橋
効率の高いゴム組成物が得られ、耐圧縮永久歪み性に優
れるとともに、耐環境劣化性(=耐熱老化性)に優れた
架橋発泡成形体を提供できるゴム組成物が得られる。ヨ
ウ素価が30を超えると、コスト的に不利になるので好
ましくない。 (iii)極限粘度 エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A)の135℃デカリン中で測定した極限
粘度[η]は、0.3〜5dl/g、好ましくは0.3
〜4.5dl/g、特に好ましくは0.5〜4dl/g
であることが望ましい。
【0031】この極限粘度[η]が上記範囲内にある
と、強度特性および耐圧縮永久歪み性に優れるととも
に、加工性に優れた架橋発泡体を提供できるゴム組成物
が得られる。 (iv)分岐指数 エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A)の動的粘弾性測定器により求めた分岐
指数は、3以上、好ましくは3.5以上、特に好ましく
は4以上である。
【0032】この分岐指数が上記範囲内にあると、加工
性、押出成形後の形状保持性に優れた架橋発泡成形体を
提供できるゴム組成物が得られる。本発明で用いられる
エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A)は、「ポリマー製造プロセス((株)
工業調査会、発行p.309〜330)もしくは本願出願人の出
願に係る特開平9−71617号公報、特開平9−71
618号公報、特開平9−208615号公報、特開平
10−67823号公報、特開平10―67824号公
報、特開平10―110054号公報などに記載されて
いるような従来公知の方法により調製することができ
る。
【0033】本発明で用いられるエチレン・α- オレフ
ィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)の製
造の際に用いられるオレフィン重合用触媒としては、バ
ナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、チタニウム
(Ti)等の遷移金属化合物と、有機アルミニウム化合
物(有機アルミニウムオキシ化合物)とからなるチーグ
ラー触媒、あるいは元素の周期律表第IVB族から選ばれ
る遷移金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウムオ
キシ化合物またはイオン化イオン性化合物とからなるメ
タロセン触媒が特に好ましく用いられる。
【0034】また、下記の化合物(H)および(I)を
主成分として含有する触媒を用いてエチレン・α- オレ
フィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)を
調製すると、沸騰キシレン不溶解分が1%以下のエチレ
ン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体
ゴム(A)が得られるので好ましい。すなわち、キシレ
ン不溶解分が1%以下のエチレン・α- オレフィン・非
共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)は、下記化合
物(H)および(I)を主成分として含有する触媒の存
在下に、重合温度30〜60℃、特に30〜59℃、重
合圧力4〜12kgf/cm2、特に5〜8kgf/c
2、非共役ポリエンとエチレンとの供給量のモル比
(非共役ポリエン/エチレン)0.01〜0.2の条件
で、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィン
と、上記一般式[I]または[II]で表わされる末端ビ
ニル基含有ノルボルネン化合物とをランダム共重合する
ことにより得られる。共重合は、炭化水素媒体中で行な
うのが好ましい。 (H)VO(OR)n3-n (式中、Rは炭化水素基で
あり、Xはハロゲン原子であり、nは0または1〜3の
整数である)で表わされる可溶性バナジウム化合物、ま
たはVX4 (Xはハロゲン原子である)で表わされるバ
ナジウム化合物。
【0035】上記可溶性バナジウム化合物(H)は、重
合反応系の炭化水素媒体に可溶性の成分であり、具体的
には、一般式 VO(OR)aXbまたはV(OR)c
Xd(式中、Rは炭化水素基であり、0≦a≦3、0≦
b≦3、2≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3
≦c+d≦4)で表わされるバナジウム化合物、あるい
はこれらの電子供与体付加物を代表例として挙げること
ができる。
【0036】より具体的には、VOCl3 、VO(OC
25)Cl2 、VO(OC252Cl、VO(O−iso
-C37)Cl2 、VO(O−n-C49)Cl2、VO
(OC253、VOBr3、VCl4、VOCl3、VO
(O−n-C493、VCl3・2OC612OHなどを
例示することができる。 (I)R'mAlX'3-m (R’は炭化水素基であり、X’
はハロゲン原子であり、mは1〜3である)で表わされ
る有機アルミニウム化合物。
【0037】上記有機アルミニウム化合物(I)として
は、具体的には、トリエチルアルミニウム、トリブチル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム等のトリ
アルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムエトキシ
ド、ジブチルアルミニウムブトキシド等のジアルキルア
ルミニウムアルコキシド;エチルアルミニウムセスキエ
トキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシド等のア
ルキルアルミニウムセスキアルコキシド;R1 0.5Al
(OR10.5 などで表わされる平均組成を有する部分
的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;ジエチ
ルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリ
ド、ジエチルアルミニウムブロミド等のジアルキルアル
ミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロリ
ド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウムセスキ
ハライド、エチルアルミニウムジクロリド、プロピルア
ルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミド
等のアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハ
ロゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミ
ニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリド等のジ
アルキルアルミニウムヒドリド、エチルアルミニウムジ
ヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリド等のアルキ
ルアルミニウムジヒドリドなどの部分的に水素化された
アルキルアルミニウム;エチルアルミニウムエトキシク
ロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチル
アルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキ
シ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなど
を挙げることができる。
【0038】本発明において、上記化合物(H)のう
ち、VOCl3で表わされる可溶性バナジウム化合物
と、上記化合物(I)のうち、Al(OC252Cl
/Al2(OC253Cl3とのブレンド物(ブレンド
比は1/5以上)を触媒成分として使用すると、ソック
スレー抽出(溶媒:沸騰キシレン、抽出時間:3時間、
メッシュ:325)後の不溶解分が1%以下であるエチ
レン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合
体ゴム(A)が得られるので好ましい。
【0039】また、上記共重合の際に使用する触媒とし
て、いわゆるメタロセン触媒たとえば特開平9−405
86号公報に記載されているメタロセン触媒を用いても
差し支えない。また、本発明で用いられるエチレン・α
- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A)は、極性モノマーたとえば不飽和カルボン酸また
はその誘導体(たとえば酸無水物、エステル)でグラフ
ト変性されていてもよい。
【0040】このような不飽和カルボン酸としては、具
体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタ
ル酸、ビシクロ(2,2,1) ヘプト-2- エン-5,6- ジカル
ボン酸などが挙げられる。不飽和カルボンの酸無水物と
しては、具体的には、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸、無水テトラヒドロフタル酸、ビ
シクロ(2,2,1) ヘプト-2- エン-5,6- ジカルボン酸無
水物などが挙げられる。これらの中でも、無水マレイン
酸が好ましい。
【0041】不飽和カルボン酸エステルとしては、具体
的には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、マレ
イン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フマル酸ジメ
チル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テ
トラヒドロフタル酸ジメチル、ビシクロ(2,2,1) ヘプ
ト-2- エン-5,6- ジカルボン酸ジメチルなどが挙げられ
る。これらの中でも、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チルが好ましい。
【0042】上記の不飽和カルボン酸等のグラフト変性
剤(グラフトモノマー)は、それぞれ単独または2種以
上の組み合わせで使用されるが、何れの場合も前述した
グラフト変性前のエチレン・α- オレフィン・非共役ポ
リエン共重合体ゴム100g当たり、0.1モル以下の
グラフト量にするのがよい。上記のようなグラフト量が
上記範囲にあるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリ
エンランダム共重合体ゴム(A)を用いると、耐寒性に
優れた架橋発泡成形体を提供し得る、流動性(成形加工
性)に優れたゴム組成物が得られる。
【0043】グラフト変性したエチレン・α- オレフィ
ン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)は、前
述した未変性のエチレン・α- オレフィン・非共役ポリ
エン共重合体ゴムと不飽和カルボン酸またはその誘導体
とを、ラジカル開始剤の存在下に反応させることにより
得ることができる。このグラフト反応は溶液にして行な
うこともできるし、溶融状態で行なってもよい。溶融状
態でグラフト反応を行なう場合には、押出機の中で連続
的に行なうことが最も効率的であり、好ましい。
【0044】グラフト反応に使用されるラジカル開始剤
としては、具体的には、ジクミルパーオキサイド、ジ-t
- ブチルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキシ-3,
3,5-トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルクミルパーオ
キサイド、ジ-t- アミルパーオキサイド、t-ブチルヒド
ロパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5- ジ(t-ブチルパ
ーオキシン)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5- ジ(ベン
ゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ
(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α’- ビス(t-
ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン等のジア
ルキルパーオキサイド類;t-ブチルパーオキシアセテー
ト、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパー
オキシピバレート、t-ブチルパーオキシマレイン酸、t-
ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキ
シベンゾエート、ジ-t- ブチルパーオキシフタレート等
のパーオキシエステル類;ジシクロヘキサノンパーオキ
サイド等のケトンパーオキサイド類;およびこれらの混
合物などが挙げられる。中でも半減期1分を与える温度
が130〜200℃の範囲にある有機過酸化物が好まし
く、特に、ジクミルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパー
オキサイド、ジ-t- ブチルパーオキシ-3,3,5- トリメチ
ルシクロヘキサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ
-t- アミルパーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサ
イドなどの有機過酸化物が好ましい。
【0045】また、不飽和カルボン酸またはその誘導体
(たとえば酸無水物、エステル)以外の極性モノマーと
しては、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基
含有エチレン性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン
性不飽和化合物、芳香族ビニル化合物、ビニルエステル
化合物、塩化ビニルなどが挙げられる。SiH基含有化合物(B) 本発明で用いられるSiH基含有化合物(B)は、エチ
レン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合
体ゴム(A)と反応し、架橋剤として作用する。このS
iH基含有化合物(B)は、その分子構造に特に制限は
なく、従来製造されている例えば線状、環状、分岐状構
造あるいは三次元網目状構造の樹脂状物などでも使用可
能であるが、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3
個以上のケイ素原子に直結した水素原子、すなわちSi
H基を含んでいることが必要である。
【0046】このようなSiH基含有化合物(B)とし
ては、通常、下記の一般組成式 R4 bcSiO(4-b-c)/2 で表わされる化合物を使用することができる。上記一般
組成式において、R4は、脂肪族不飽和結合を除く、炭
素原子数1〜10、特に炭素原子数1〜8の置換または
非置換の1価炭化水素基であり、このような1価炭化水
素基としては、前記一般式[I]のR1に例示したアル
キル基の他に、フェニル基、ハロゲン置換のアルキル基
たとえばトリフロロプロピル基を例示することができ
る。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニ
ル基、トリフロロプロピル基が好ましく、特にメチル
基、フェニル基が好ましい。
【0047】また、bは、0≦b<3、好ましくは0.
6<b<2.2、特に好ましくは1.5≦b≦2であ
り、cは、0<c≦3、好ましくは0.002≦c<
2、特に好ましくは0.01≦c≦1であり、かつ、b
+cは、0<b+c≦3、好ましくは1.5<b+c≦
2.7である。このSiH基含有化合物(B)は、1分
子中のケイ素原子数が好ましくは2〜1000個、特に
好ましくは2〜300個、最も好ましくは4〜200個
のオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、具体
的には、1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7-
テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,8-ペン
タメチルペンタシクロシロキサン等のシロキサンオリゴ
マー;分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハ
イドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチル
シロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジ
ェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封
鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端
シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロ
ジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイ
ドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分
子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチ
ルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチ
ルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・
メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、R4 2(H)
SiO1/2 単位とSiO4/2 単位とからなり、任意にR
4 3SiO1/2 単位、R4 2SiO2/2 単位、R4(H)Si
2/2単位、(H)SiO3/2またはR4SiO3/2単位を含
み得るシリコーンレジンなどを挙げることができる。
【0048】分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メ
チルハイドロジェンポリシロキサンとしては、たとえば
下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基
の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル
基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙
げられる。 (CH3)3SiO-(-SiH(CH3)-O-)d-Si(CH3)3 [式中のdは2以上の整数である。] 分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキ
サン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体として
は、下式で示される化合物、さらには下式においてメチ
ル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニ
ル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが
挙げられる。
【0049】(CH3)3SiO-(-Si(CH3)2-O-)e-(-
SiH(CH3)-O-)f-Si(CH3)3 [式中のeは1以上の整数であり、fは2以上の整数で
ある。] 分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポ
リシロキサンとしては、たとえば下式で示される化合
物、さらには下式においてメチル基の一部または全部を
エチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピ
ル基等で置換した化合物などが挙げられる。
【0050】HOSi(CH3)2O-(-SiH(CH3)-O
-)2-Si(CH3)2OH 分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メ
チルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、たと
えば下式で示される化合物、さらには下式においてメチ
ル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニ
ル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが
挙げられる。
【0051】HOSi(CH3)2O-(-Si(CH3)2-O-)
e-(-SiH(CH3)-O-)f--Si(CH3)2OH [式中のeは1以上の整数であり、fは2以上の整数で
ある。] 分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジ
メチルポリシロキサンとしては、たとえば下式で示され
る化合物、さらには下式においてメチル基の一部または
全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロ
プロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
【0052】HSi(CH3)2O-(-Si(CH3)2-O-)e-
Si(CH3)2H [式中のeは1以上の整数である。] 分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メ
チルハイドロジェンポリシロキサンとしては、たとえば
下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基
の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル
基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙
げられる。
【0053】HSi(CH3)2O-(-SiH(CH3)-O-)e
-Si(CH3)2H [式中のeは1以上の整数である。] 分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジ
メチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共
重合体としては、たとえば下式で示される化合物、さら
には下式においてメチル基の一部または全部をエチル
基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等
で置換した化合物などが挙げられる。
【0054】HSi(CH3)2O-(-Si(CH3)2-O-)e-
(-SiH(CH3)-O-)h--Si(CH3)2H [式中のeおよびhは、それぞれ1以上の整数であ
る。] このような化合物は、公知の方法により製造することが
でき、たとえばオクタメチルシクロテトラシロキサンお
よび/またはテトラメチルシクロテトラシロキサンと、
末端基となり得るヘキサメチルジシロキサンあるいは1,
3-ジハイドロ-1,1,3,3- テトラメチルジシロキサンなど
の、トリオルガノシリル基あるいはジオルガノハイドロ
ジェンシロキシ基を含む化合物とを、硫酸、トリフルオ
ロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒の存在
下に、−10℃〜+40℃程度の温度で平衡化させるこ
とによって容易に得ることができる。
【0055】SiH基含有化合物(B)は、エチレン・
α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A)100重量部に対して、0.1〜100重量部、
好ましくは0.1〜75重量部、より好ましくは0.1
〜50重量部、さらに好ましくは0.2〜30重量部、
さらにより好ましくは0.2〜20重量部、特に好まし
くは0.5〜10重量部、最も好ましくは0.5〜5重
量部の割合で用いられる。上記範囲内の割合でSiH基
含有化合物(B)を用いると、耐圧縮永久歪み性に優れ
るとともに、架橋密度が適度で強度特性および伸び特性
に優れた架橋発泡体を形成できるゴム組成物が得られ
る。100重量部を超える割合でSiH基含有化合物
(B)を用いると、コスト的に不利になるので好ましく
ない。
【0056】また、エチレン・α- オレフィン・非共役
ポリエンランダム共重合体ゴム(A)の架橋に関与する
脂肪族不飽和基に対するSiH基の割合(SiH基/脂
肪族不飽和基)は、0.2〜20、さらには0.5〜1
0、特に0.7〜5であることが好ましい。触媒(C) 本発明で用いられる触媒(C)は、付加反応触媒であ
り、上記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンラ
ンダム共重合体ゴム(A)成分のアルケニル基と、Si
H基含有化合物(B)のSiH基との付加反応(アルケ
ンのヒドロシリル化反応)を促進するものである。
【0057】通常、たとえば白金系触媒、パラジウム系
触媒、ロジウム系触媒等の白金族元素よりなる付加反応
触媒が用いられるが、本発明においては、周期律表8族
元素金属と、ビニル基および/またはカルボニル基を含
む化合物との錯体を用いることが望ましい。周期律表8
族元素金属としては、白金が特に好ましい。
【0058】カルボニル基を含む化合物としては、カル
ボニル、オクタナル等が好ましい。これらと白金との錯
体としては、具体的には、白金−カルボニル錯体、白金
−オクタナル錯体、白金−カルボニルブチル環状シロキ
サン錯体、白金−カルボニルフェニル環状シロキサン錯
体などが挙げられる。ビニル基を含む化合物としては、
ビニル基含有オルガノシロキサンが好ましい。これらと
白金との錯体としては、具体的には、白金−ジビニルテ
トラメチルジシロキサン錯体、白金−ジビニルテトラエ
チルジシロキサン錯体、白金−ジビニルテトラプロピル
ジシロキサン錯体、白金−ジビニルテトラブチルジシロ
キサン錯体、白金−ジビニルテトラフェニルジシロキサ
ン錯体が挙げられる。
【0059】ビニル基含有オルガノシロキサンの中で
も、ビニル基含有環状オルガノシロキサンが好ましい。
これらと白金との錯体としては、白金−ビニルメチル環
状シロキサン錯体、白金−ビニルエチル環状シロキサン
錯体、白金−ビニルプロピル環状シロキサン錯体が挙げ
られる。ビニル基含有オルガノシロキサンは、それ自体
を金属に対する配位子としてもよいが、他の配位子を配
位させる際の溶媒として用いてもよい。ビニル基含有オ
ルガノシロキサンを溶媒として用い、前述のカルボニル
基を含む化合物を配位子とする錯体は、本発明の触媒
(C)として、特に好ましい。
【0060】このような錯体としては、具体的には、白
金−カルボニル錯体のビニルメチル環状シロキサン溶
液、白金−カルボニル錯体のビニルエチル環状シロキサ
ン溶液、白金−カルボニル錯体のビニルプロピル環状シ
ロキサン溶液、白金−カルボニル錯体のジビニルテトラ
メチルジシロキサン溶液、白金−カルボニル錯体のジビ
ニルテトラエチルジシロキサン溶液、白金−カルボニル
錯体のジビニルテトラプロピルジシロキサン溶液、白金
−カルボニル錯体のジビニルテトラブチルジシロキサン
溶液、白金−カルボニル錯体のジビニルテトラフェニル
ジシロキサン溶液が挙げられる。
【0061】これらの錯体からなる触媒は、ビニル基お
よび/またはカルボニル基を含む化合物以外の成分を更
に含んでいてもよい。たとえばビニル基および/または
カルボニル基を含む化合物以外の溶媒を含んでいてもよ
い。これらの溶媒としては、各種アルコールや、キシレ
ン等を挙げることができるが、これらに制限されるもの
ではない。
【0062】アルコールとしては、具体的には、メチル
アルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、
イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、sec-ブチ
ルアルコール、tert- ブチルアルコール、n-アミルアル
コール、イソアミルアルコール、ヘキシルアルコール、
ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、カプリルア
ルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウン
デシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルア
ルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、
ステアリルアルコール、エイコシルアルコール等の脂肪
族飽和アルコール類;アリルアルコール、クロチルアル
コール等の脂肪族不飽和アルコール類;シクロペンタノ
ール、シクロヘキサノール等の脂環式アルコール類;ベ
ンジルアルコール、シンナミルアルコール等の芳香族ア
ルコール類;フルフリルアルコール等の複素環式アルコ
ール類などが挙げられる。
【0063】アルコールを溶媒として用いた例として、
白金−オクタナル/オクタノール錯体が挙げられる。こ
れらの溶媒を含むことにより、触媒の取扱いや、ゴム組
成物への混合が容易になる等の利点が生ずる。以上に挙
げた各種触媒のうちで、白金−カルボニル錯体のビニル
メチル環状シロキサン溶液(中でも下記化学式1で示さ
れる錯体が好ましい)、白金−ビニルメチル環状シロキ
サン錯体(中でも化学式2で示される錯体が好まし
い)、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体
(中でも化学式3で示される錯体が好ましい)、白金−
オクタナル/オクタノール錯体等が実用上好ましく、そ
の中でも、白金−カルボニルビニルメチル環状シロキサ
ン錯体が特に好ましい。
【0064】 化学式1: Pt0・CO・(CH2=CH(Me)SiO)4 化学式2: Pt0・(CH2=CH(Me)SiO)4 化学式3: Pt0-1.5[(CH2=CH(Me)2Si)2O] これらの触媒に含まれる周期律表8族元素金属(好まし
くは白金)の割合は、通常0.1〜10重量%、好まし
くは1〜5重量%、さらに好ましくは2〜4重量%、特
に好ましくは2.5〜3.5重量%である。
【0065】触媒(C)は、エチレン・α- オレフィン
・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)に対し
て、0.1〜100,000重量ppm、好ましくは
0.1〜10,000重量ppm、さらに好ましくは1
〜5,000重量ppm、特に好ましくは5〜1,00
0重量ppmの割合で用いられる。上記範囲内の割合で
触媒(C)を用いると、耐スコーチ性に優れ、かつ、強
度特性および伸び特性に優れる架橋発泡成形体を形成で
きるゴム組成物が得られる。100,000重量ppm
を超える割合で触媒(C)を用いると、コスト的に不利
になるので好ましくない。
【0066】発泡剤(D) 本発明で用いられる発泡剤(D)としては、従来公知の
各種発泡剤が好ましく用いられる。従来公知の発泡剤
は、化学発泡剤と物理発泡剤とに大別することができる
が、第1の好ましい発泡剤は、物理発泡剤(発泡時に化
学反応を必ずしも伴わない発泡剤)である。
【0067】物理発泡剤としては、有機系物理発泡剤と
無機系物理発泡剤があるが、ともに好ましく用いられ
る。有機系物理発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペ
ンタン、ヘキサン等の各種脂肪族炭化水素類;ジクロル
エタン、ジクロルメタン等の各種塩化炭化水素類;フロ
ン等の各種フッ化塩化炭化水素類が特に好ましい。ま
た、無機系物理発泡剤としては、空気、炭酸ガス、窒
素、水などが特に好ましい。
【0068】また、化学発泡剤であっても、熱分解型の
化学発泡剤は、本発明の第2の好ましい発泡剤として用
いることができる。熱分解型の化学発泡剤としては、有
機系のもの、無機系のもの、共に好ましく用いられる。
有機系の熱分解型発泡剤としては、アゾ化合物、ニトロ
ソ化合物、ヒドラジン誘導体、セミカルバジド化合物、
アジド化合物、トリアゾール化合物などが好ましく用い
られる。また、無機系の熱分解型発泡剤としては、炭酸
水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等の重炭酸塩、
炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の炭酸塩、亜硝酸
アンモニウム等の亜硝酸塩、水素化合物などが好ましく
用いられる。
【0069】上記各種発泡剤の中で、実用上特に好まし
い発泡剤として、炭酸水素ナトリウム、1,1'-アゾビス
(1-アセトキシ-1- フェニルエタン)、ジメチル-2,2'-
アゾビスブチレート、ジメチル-2,2'-アゾビスイソブチ
レート、2,2'- アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタ
ン)、1,1'-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリ
ル)、2,2'-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メ
チル-プロピオンアミジン]、N,N'-ジニトロソペンタメ
チレンテトラミン(DPT)、水、炭酸ガス、炭化水素
を挙げることができる。また、水、炭酸ガスおよび炭化
水素から選ばれる少なくとも1種を樹脂カプセル化した
発泡剤も、実用上特に好ましい発泡剤である。
【0070】本発明においては、反応型の化学発泡剤の
使用を排除するものではなく、第3の発泡剤として反応
型の化学発泡剤を適宜使用することができる。たとえば
イソシアネート化合物、重炭酸ナトリウムと酸とを組み
合わせた発泡剤、過酸化水素とイースト菌とを組み合わ
せた発泡剤、亜鉛粉末と酸とを組み合わせた発泡剤等の
各種反応型発泡剤を、本発明に使用することができる。
【0071】本発明においては、発泡剤(D)の架橋ト
ルク保持率は、通常5%以上、好ましくは10%以上、
より好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以
上、さらにより好ましくは40%以上、特に好ましくは
50%以上、最も好ましくは60%以上であることが望
ましい。この架橋トルク保持率は、下記のようにして発
泡剤配合後のゴム配合物の架橋トルクME2と発泡剤配合
前のゴム配合物の架橋トルクME1を測定し、下式より算
出することができる。
【0072】 架橋トルク保持率(%)=(ME2 /ME1 )×100 <発泡剤配合前のゴム配合物の架橋トルクME1>後述の
製造例1で得られたエチレン・プロピレン・5-ビニル-2
- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−1)100
重量部と、FEF級カーボンブラック[旭カーボン
(株)製、商品名 旭#60G]100重量部と、パラ
フィン系オイル[出光興産(株)製、商品名 PW−3
80]35重量部と、架橋剤として(CH3)3SiO−
[−SiH(CH3)−O−]6−[−Si(CH3)2−O−]1
[−Si(C66)2−O−]1−Si(CH3)3 4重量部と、
触媒として塩化白金酸の2%イソプロピルアルコール溶
液0.075重量部と、反応抑制剤としてエチニルヘキ
サノール0.05重量部とを、JIS K6395(1
997年)のA1法に従って混練する。この混練手順
は、上記ゴム(A−1)にカーボンブラック、パラフィ
ン系オイルを加え、次いで、加硫促進剤およびイオウの
代わりに架橋剤を加え、これらの成分がゴムに全量混ざ
るのを確認した後、反応抑制剤を加えゴム(A−1)に
全量混ざるのを確認し、次いで、触媒を加えてゴム(A
−1)に全量混ざるのを確認後、A1法に従い混練し
た。
【0073】次いで、上記のようにして得られた混練物
の架橋トルクを、JIS K6300(1994年)に
従い、160℃で測定する。このようにして測定した架
橋トルクが、発泡剤配合前のゴム配合物の架橋トルクM
E1である。 <発泡剤配合後のゴム配合物の架橋トルクME2>後述の
製造例1で得られたエチレン・プロピレン・5-ビニル-2
- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−1)100
重量部と、FEF級カーボンブラック[旭カーボン
(株)製、商品名 旭#60G]100重量部と、パラ
フィン系オイル[出光興産(株)製、商品名 PW−3
80]35重量部と、架橋剤として(CH3)3SiO−
[−SiH(CH3)−O−]6−[−Si(CH3)2−O−]1
[−Si(C66)2−O−]1−Si(CH3)3 4重量部と、
触媒として塩化白金酸の2%イソプロピルアルコール溶
液0.075重量部と、反応抑制剤としてエチニルヘキ
サノール0.05重量部と、各種発泡剤(発泡剤の種類
によりその配合量は異なるが、いずれも上記ゴム(A−
1)100gに対して0.01モルの割合で添加され
る。)とを、JIS K6395(1997年)のA1
法に従って混練する。この混練手順は、上記ゴム(A−
1)にカーボンブラック、パラフィン系オイルを加え、
次いで、加硫促進剤およびイオウの代わりに架橋剤を加
え、これらの成分がゴムに全量混ざるのを確認した後、
発泡剤を加えゴム(A−1)に全量混ざるのを確認し、
次いで、反応抑制剤を加えゴム(A−1)に全量混ざる
のを確認し、次いで、触媒を加えてゴム(A−1)に全
量混ざるのを確認後、A1法に従い混練した。
【0074】次いで、上記のようにして得られた混練物
の架橋トルクを、JIS K6300(1994年)に
従い、160℃で測定する。このようにして測定した架
橋トルクが、発泡剤配合後のゴム配合物の架橋トルクM
E2である。また、本発明においては、発泡剤(D)の分
子量、1分子中の窒素原子数、および1分子中の硫黄原
子数が、下式 [(1分子中の窒素原子数)2+(1分子中の硫黄原子
数)2]/分子量≦0.18 を満たしていることが望ましい。
【0075】この式の左辺の値は、好ましくは0.15
以下、より好ましくは0.10以下、さらに好ましくは
0.05以下、特に好ましくは0.02以下、最も好ま
しくは0.01以下である。これらの発泡剤(D)は、
エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体(A)100重量部に対して、通常0.5〜20
重量部、好ましくは1〜10重量部の割合で用いられ
る。
【0076】反応抑制剤(E) 本発明で触媒(C)とともに任意成分として用いられる
反応抑制剤(E)としては、ベンゾトリアゾール、エチ
ニル基含有アルコール(たとえば1-エチニル-1-シクロ
ヘキサノール等)、アクリロニトリル、アミド化合物
(たとえばN,N-ジアリルアセトアミド、N,N-ジアリルベ
ンズアミド、N,N,N',N'-テトラアリル-o-フタル酸ジア
ミド、N,N,N',N'-テトラアリル-m-フタル酸ジアミド、
N,N,N',N'-テトラアリル-p-フタル酸ジアミド等)、イ
オウ、リン、窒素、アミン化合物、イオウ化合物、リン
化合物、スズ、スズ化合物、テトラメチルテトラビニル
シクロテトラシロキサン、ハイドロパーオキサイド等の
有機過酸化物などが挙げられる。中でも、エチニル基含
有アルコールたとえば1-エチニル-1-シクロヘキサノー
ルが特に好ましい。
【0077】また、ルイス塩基の化学的挙動を有する物
質も好ましく用いることができる。反応抑制剤(E)
は、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダ
ム共重合体ゴム(A)100重量部に対して、0〜50
重量部、通常0.0001〜50重量部、好ましくは
0.0001〜30重量部、より好ましくは0.000
1〜20重量部、さらに好ましくは0.0001〜10
重量部、特に好ましくは0.0001〜5重量部の割合
で用いられる。
【0078】50重量部以下の割合で反応抑制剤(E)
を用いると、架橋スピードが速く、架橋発泡体の生産性
に優れたゴム組成物が得られる。50重量部を超える割
合で反応抑制剤(E)を用いると、コスト的に不利にな
るので好ましくない。発泡助剤(F) 本発明で必要に応じて用いられる発泡助剤(F)は、発
泡剤(D)の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化
などの作用をする。
【0079】このような発泡助剤(F)としては、サリ
チル酸、フタル酸、ステアリン酸、しゅう酸、クエン
酸、安息香酸等の有機酸;カルボン酸塩、硝酸塩、炭酸
塩、硫酸塩、塩化物、酸化物等のルイス酸特性を有する
金属酸化物;無水マレイン酸、無水アジピン酸、無水フ
タル酸、無水トリメリット酸等の酸無水物;亜鉛華(酸
化亜鉛);ステアリン酸亜鉛;尿素またはその誘導体な
どが挙げられる。
【0080】これらの発泡助剤(F)は、エチレン・α
- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A)100重量部に対して、通常0.01〜10重量
部、好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは
0.1重量部以上1重量部未満の量で用いられるが、要
求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望
ましい。
【0081】発泡核剤(G) 本発明で必要に応じて用いられる発泡核剤(G)として
は、たとえば炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリ
カ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、カーボンブラック、
二酸化珪素、酸化チタン、プラスチック微小球、オルト
ホウ酸、脂肪酸のアルカリ土類金属塩、クエン酸、炭酸
水素ナトリウム(重曹)などが挙げられる。
【0082】これらの発泡核剤(G)は、エチレン・α
- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A)100重量部に対して、通常0.001重量部以
上5重量部未満、好ましくは0.001〜1重量部、さ
らに好ましくは0.001重量部以上0.1重量部未満
の量で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最
適量を決定することが望ましい。発泡核剤(G)を上記
のような量で用いると、発泡セルの小さな発泡体が得ら
れる。
【0083】その他の成分 本発明に係る架橋発泡可能なゴム組成物は、未架橋のま
までも用いることができるが、架橋発泡体として用いた
場合に最もその特性を発揮することができる。本発明に
係る架橋発泡可能なゴム組成物中に、意図する架橋物の
用途等に応じて、従来公知のゴム補強剤、無機充填剤、
軟化剤、老化防止剤、加工助剤、加硫促進剤、有機過酸
化物、架橋助剤、着色剤、分散剤、難燃剤などの添加剤
を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することがで
きる。これらの添加剤は、ルイス塩基の化学的挙動を起
こしにくいものが好ましく用いられる。
【0084】上記ゴム補強剤は、架橋ゴムの引張強度、
引き裂き強度、耐摩耗性などの機械的性質を高める効果
がある。このようなゴム補強剤としては、具体的には、
SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF、
FT、MT等のカーボンブラック、シランカップリング
剤などにより表面処理が施されているこれらのカーボン
ブラック、微粉ケイ酸、シリカなどが挙げられる。
【0085】シリカの具体例としては、煙霧質シリカ、
沈降性シリカなどが挙げられる。これらのシリカは、ヘ
キサメチルジシラザン、クロロシラン、アルコキシシラ
ン等の反応性シランあるいは低分子量のシロキサン等で
表面処理されていてもよい。また、これらシリカの比表
面積(BED法)は、好ましくは50m2/g以上、よ
り好ましくは100〜400m2/gである。
【0086】これらのゴム補強剤の種類および配合量
は、その用途により適宜選択できるが、ゴム補強剤の配
合量は通常、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエ
ンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対して、
最大300重量部、好ましくは最大200重量部であ
る。上記無機充填剤としては、具体的には、軽質炭酸カ
ルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなどが
挙げられる。
【0087】これらの無機充填剤の種類および配合量
は、その用途により適宜選択できるが、無機充填剤の配
合量は通常、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエ
ンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対して、
通常5〜300重量部、好ましくは5〜200重量部で
ある。上記軟化剤としては、通常ゴムに使用される軟化
剤を用いることができる。
【0088】具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パ
ラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリ
ン等の石油系軟化剤;コールタール、コールタールピッ
チ等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナ
タネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;トール油;サブ;
蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;リシノ
ール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステア
リン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸および脂
肪酸塩;石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、クマ
ロンインデン樹脂等の合成高分子物質を挙げることがで
きる。中でも石油系軟化剤が好ましく用いられ、特にプ
ロセスオイルが好ましく用いられる。
【0089】これらの軟化剤の配合量は、架橋発泡成形
体の用途により適宜選択される。上記老化防止剤として
は、たとえばアミン系、ヒンダードフェノール系、また
はイオウ系老化防止剤などが挙げられるが、これらの老
化防止剤は、上述したように、本発明の目的を損なわな
い範囲で用いられる。本発明で用いられるアミン系老化
防止剤としては、ジフェニルアミン類、フェニレンジア
ミン類などが挙げられる。
【0090】ジフェニルアミン類としては、具体的に
は、p- (p- トルエン・スルホニルアミド)- ジフェ
ニルアミン、4,4'- (α,α-ジメチルベンジル)ジフェ
ニルアミン、4,4'- ジオクチル・ジフェニルアミン、ジ
フェニルアミンとアセトンとの高温反応生成物、ジフェ
ニルアミンとアセトンとの低温反応生成物、ジフェニル
アミンとアニリンとアセトンとの低温反応物、ジフェニ
ルアミンとジイソブチレンとの反応生成物、オクチル化
ジフェニルアミン、ジオクチル化ジフェニルアミン、
p,p’- ジオクチル・ジフェニルアミン、アルキル化
ジフェニルアミンなどが挙げられる。この中でも特に、
4,4'- (α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミンが
好ましい。
【0091】フェニレンジアミン類としては、具体的に
は、N,N'- ジフェニル-p-フェニレンジアミン、n- イ
ソプロピル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N'
- ジ-2- ナフチル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘ
キシル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-フェニ
ル-N'-(3-メタクリロイルオキシ-2- ヒドロキシプロピ
ル)-p-フェニレンジアミン、N,N'- ビス(1-メチルヘ
プチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'- ビス(1,4-ジ
メチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'- ビス
(1-エチル-3- メチルペンチル)-p-フェニレンジアミ
ン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニ
レンジアミン、フェニルヘキシル-p-フェニレンジアミ
ン、フェニルオクチル-p-フェニレンジアミン等のp-
フェニレンジアミン類などが挙げられる。
【0092】これらの中でも、特に4,4'- (α,α-ジメ
チルベンジル)ジフェニルアミン、N,N'- ジ-2- ナフチ
ル-p-フェニレンジアミンが好ましい。これらの化合物
は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いること
ができる。本発明で用いられるヒンダードフェノール系
老化防止剤としては、具体的には(1)1,1,3-トリス-
(2-メチル-4- ヒドロキシ-5-t- ブチルフェニルブタ
ン、(2)4,4'- ブチリデンビス-(3-メチル-6-t- ブチ
ルフェノール)、(3)2,2-チオビス(4-メチル-6-t-
ブチルフェノール)、(4)7-オクタデシル-3-(4'-ヒ
ドロキシ-3',5'- ジ-t- ブチルフェニル)プロピオネー
ト、(5)テトラキス- [メチレン-3-(3',5'- ジ-t-
ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタ
ン、(6)ペンタエリスリトール- テトラキス[3-(3,
5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、(7)トリエチレングリコール- ビス[3-(3-t-
ブチル-5- メチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]、(8)1,6-ヘキサンジオール- ビス[3-(3,5-
ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、(9)2,4-ビス(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロ
キシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5- トリアジン、
(10)トリス-(3,5- ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシベン
ジル)- イソシアヌレート、(11)2,2-チオ- ジエチレ
ンビス[3-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]、(12)N,N'- ヘキサメチレンビ
ス(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシ)- ヒドロシンナ
アミド、(13)2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル]-
o-クレゾール、(14)3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシ
ベンジル- ホスホネート- ジエチルエステル、(15)テ
トラキス[メチレン(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシ
ヒドロシンナメイト)]メタン、(16)オクタデシル-3
- (3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピ
オン酸エステル、(17)3,9-ビス[2-{3-(3-t-ブチル
-4- ヒドロキシ-5- メチルフェニル)プロピオニルオキ
シ}-1,1- ジメチルエチル]-2,4-8,10-テトラオキサス
ピロ[5,5]ウンデカンなどを挙げることができる。中
でも、特に(5)、(17)のフェノール化合物が好まし
い。
【0093】本発明で用いられるイオウ系老化防止剤と
しては、通常ゴムに使用されるイオウ系老化防止剤が用
いられる。具体的には、2-メルカプトベンゾイミダゾー
ル、2-メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2-メル
カプトメチルベンゾイミダゾール、2-メルカプトメチル
ベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2-メルカプトメチルイミ
ダゾールの亜鉛塩等のイミダゾール系老化防止剤;ジミ
リスチルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロ
ピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジト
リデシルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール
- テトラキス- (β- ラウリル- チオプロピオネート)
等の脂肪族チオエーテル系老化防止剤などを挙げること
ができる。これらの中でも、特に2-メルカプトベンゾイ
ミダゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛
塩、2-メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2-メルカ
プトメチルベンゾイミダゾールの亜鉛塩、ペンタエリス
リトール- テトラキス- (β- ラウリル- チオプロピオ
ネート)が好ましい。
【0094】上記の加工助剤としては、通常のゴムの加
工に使用される化合物を使用することができる。具体的
には、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラ
ウリン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸バリウム、ステ
アリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸
の塩;リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラ
ウリン酸等の高級脂肪酸のエステル類などが挙げられ
る。
【0095】このような加工助剤は、通常、エチレン・
α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A)100重量部に対して、10重量部以下、好まし
くは5重量部以下の割合で用いられるが、要求される物
性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。本
発明においては、上述した触媒(C)の他に有機過酸化
物を使用して、付加架橋とラジカル架橋の両方を行なっ
てもよい。有機過酸化物は、エチレン・α-オレフィン
・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重
量部に対し、0.1〜10重量部程度の割合で用いられ
る。有機過酸化物としては、ゴムの架橋の際に通常使用
されている従来公知の有機過酸化物を使用することがで
きる。
【0096】また、有機過酸化物を使用するときは、架
橋助剤を併用することが好ましい。架橋助剤としては、
具体的には、イオウ;p- キノンジオキシム等のキノン
ジオキシム系化合物;ポリエチレングリコールジメタク
リレート等のメタクリレート系化合物;ジアリルフタレ
ート、トリアリルシアヌレート等のアリル系化合物;マ
レイミド系化合物;ジビニルベンゼンなどが挙げられ
る。このような架橋助剤は、使用する有機過酸化物1モ
ルに対して0.5〜2モル、好ましくは約等モルの量で
用いられる。
【0097】また、本発明に係る架橋発泡可能なゴム組
成物中に、本発明の目的を損なわない範囲で、公知の他
のゴムとブレンドして用いることができる。このような
他のゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム
(IR)などのイソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(B
R)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴ
ム(CR)などの共役ジエン系ゴムを挙げることができ
る。
【0098】さらに従来公知のエチレン・α- オレフィ
ン系共重合体ゴムを用いることもでき、たとえばエチレ
ン・プロピレンランダム共重合体(EPR)、前記エチ
レン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合
体ゴム(A)以外のエチレン・α- オレフィン・ポリエ
ン共重合体(たとえばEPDMなど)を用いることがで
きる。
【0099】上述した各成分を含有してなる、本発明に
係る架橋発泡可能なゴム組成物は、シールスポンジ、ク
ッションスポンジ、断熱スポンジ、プロテクトスポン
ジ、または難燃スポンジの製造の際に好適に用いられ
る。架橋発泡体 本発明に係る架橋発泡体は、前述した本発明に係る架橋
発泡可能なゴム組成物からなる架橋発泡ゴム成形体(ス
ポンジ)である。
【0100】本発明に係る架橋発泡可能なゴム組成物
は、未架橋(未加硫)のまま用いることができるが、架
橋発泡ゴム成形体として用いた場合に最もその特性を発
揮することができる。本発明に係る架橋発泡体の用途と
しては、たとえばシールスポンジ、クッションスポン
ジ、断熱スポンジ、プロテクトスポンジ、難燃スポンジ
などが挙げられる。
【0101】シールスポンジとしては、たとえば自動車
用シールスポンジ、家電用シールスポンジ、または土木
建築用シールスポンジが挙げられる。自動車用シールス
ポンジとしては、たとえば自動車用ウェザーストリップ
スポンジ、具体的には、ドアーウェザーストリップスポ
ンジ、ボンネットウェザーストリップスポンジ、トラン
クルームウェザーストリップスポンジ、サンルーフウェ
ザーストリップスポンジ、ベンチレーターウェザースト
リップスポンジ、ランプシールスポンジ、またはこれら
のコーナースポンジなどが挙げられる。さらには、ドア
シール、ボディーシール、トランクシール、フードシー
ルなどが挙げられる。
【0102】土木建築用シールスポンジとしては、具体
的には、ガスケット、エアータイト、目地材、または戸
当たり部のシールスポンジなどが挙げられる。クッショ
ンスポンジとしては、たとえば自動車用クッションスポ
ンジ、家電用クッションスポンジ、または土木建築用ク
ッションスポンジが挙げられる。断熱スポンジとして
は、たとえば自動車用断熱スポンジ、家電用断熱スポン
ジ、または土木建築用断熱スポンジが挙げられる。
【0103】プロテクトスポンジとしては、たとえば自
動車用プロテクトスポンジ、家電用プロテクトスポン
ジ、または土木建築用プロテクトスポンジが挙げられ
る。難燃スポンジとしては、たとえば自動車用難燃スポ
ンジ、家電用難燃スポンジ、または土木建築用難燃スポ
ンジが挙げられる。ゴム組成物およびその架橋発泡体の調製 本発明に係る架橋発泡可能なゴム組成物から架橋発泡体
(架橋スポンジ)を製造するには、通常一般のゴムを加
硫(架橋)・発泡するときと同様に、未架橋の配合ゴム
を一度調製し、次いで、この配合ゴムを意図する形状に
成形した後に架橋・発泡を行なえばよい。
【0104】架橋・発泡方法としては、架橋剤(SiH
基含有化合物(B))、触媒(C)および発泡剤(D)
を使用して加熱する方法、または光、γ線、電子線照射
による方法のどちらを採用してもよい。まず、本発明に
係る架橋発泡可能なゴム組成物は、たとえば次のような
方法で調製される。
【0105】すなわち、本発明に係る架橋発泡可能なゴ
ム組成物は、バンバリーミキサー、ニーダー、インター
ミックスのようなインターナルミキサー(密閉式混合
機)類により、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリ
エンランダム共重合体ゴム(A)、および必要に応じて
ゴム補強剤、無機充填剤、軟化剤などの添加剤を30〜
170℃の温度で3〜10分間混練した後、オープンロ
ールのようなロール類、あるいはニーダーを使用して、
SiH基含有化合物(B)、触媒(C)、発泡剤
(D)、および必要に応じて反応抑制剤(E)、発泡助
剤(F)、発泡核剤(G)を追加混合し、好ましくはロ
ール温度80℃以下で1〜30分間混練した後、分出し
することにより調製することができる。
【0106】本発明においては、エチレン・α- オレフ
ィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)とゴ
ム補強剤、無機充填剤等とは高温で混練りすることがで
きるが、SiH基含有化合物(B)と触媒(C)とは同
時に高温で混練りすると、架橋(スコーチ)してしまう
ことがあるため、SiH基含有化合物(B)と触媒
(C)とを同時に添加する場合は、80℃以下で混練り
することが好ましい。SiH基含有化合物(B)と触媒
(C)のうち、一方の成分を添加する場合は80℃を超
える高温でも混練りすることができる。なお、混練りに
よる発熱に対して、冷却水を使用することも場合によっ
ては好ましい。
【0107】また、インターナルミキサー類での混練温
度が低い場合には、エチレン・α-オレフィン・非共役
ポリエンランダム共重合体ゴム(A)、SiH基含有化
合物(B)、ゴム補強剤、無機充填剤、軟化剤などとと
もに、触媒(C)、発泡剤(D)、発泡助剤(F)、発
泡核剤(G)、老化防止剤、着色剤、分散剤、難燃剤な
どを同時に混練してもよい。
【0108】上記のようにして調製された、本発明に係
る架橋発泡可能なゴム組成物は、押出成形機などを用い
る種々の成形法より、意図する形状に成形され、成形と
同時にまたは成型物を加硫槽内に導入し、架橋・発泡す
ることができる。100〜270℃の温度で1〜30分
間加熱するか、あるいは前記した方法により光、γ線、
電子線を照射することにより架橋スポンジが得られる。
この架橋・発泡の段階は金型を用いてもよいし、また金
型を用いないで架橋・発泡を実施してもよい。金型を用
いない場合は成形、架橋・発泡の工程は通常連続的に実
施される。加硫槽における加熱方法としては、熱空気、
UHF(マイクロ波)、PCM(ガラスビーズ流動
床)、スチームなどの加熱槽を用いることができる。
【0109】
【発明の効果】本発明に係る架橋発泡可能なゴム組成物
は、架橋速度が速く、架橋発泡体の生産性に優れ、HA
V、UHFなどの熱空気架橋が可能であり、しかも、高
発泡倍率すなわち軽量で、耐圧縮永久歪み性、強度特
性、耐熱性、耐候性、耐ブルーム性、汚染性および耐傷
付き性に優れる架橋発泡体(スポンジゴム)を提供する
ことができる。
【0110】本発明に係る架橋発泡可能なゴム組成物か
ら得られる架橋発泡体は、上記のような効果を有するの
で、シールスポンジ、クッションスポンジ、断熱スポン
ジ、プロテクトスポンジ、難燃スポンジなどに広く用い
られる。
【0111】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではな
い。なお、実施例、比較例で用いた共重合体ゴムの組
成、ヨウ素価、極限粘度[η]および分岐指数は、次の
ような方法で測定ないし求めた。 (1)共重合体ゴムの組成 共重合体ゴムの組成は、13C−NMR法で測定した。 (2)共重合体ゴムのヨウ素価 共重合体ゴムのヨウ素価は、滴定法により求めた。 (3)極限粘度[η] 共重合体ゴムの極限粘度[η]は、135℃デカリン中
で測定した。 (4)分岐指数 長鎖分岐を有しないEPR(分子量の異なる4サンプ
ル)について動的粘弾性試験機を用いて複素粘性率η*
の周波数分散を測定した。
【0112】0.01rad/secと8rad/se
cのときの複素粘性率η* を求め、複素粘性率η
1L *(0.01rad/sec)を縦軸に、複素粘性率η
2L *(8rad/sec)を横軸にプロットし、基準ライ
ンを作成し、そのラインの延長線上にあるη2L *=1×
103/Pa・s のときのη1L0 *を測定した。次に、対象
サンプルについても同様に、0.01rad/secと
8rad/secのときの複素粘性率η* を求め、複素
粘性率η1B *(0.01rad/sec)を縦軸に、複
素粘性率η2B *(8rad/sec)を横軸にプロット
する。このプロットは基準ラインよりも大きな値とな
り、長鎖分岐が多いほど基準ラインよりも大きく離れて
いく。
【0113】次に、このプロットの上を通るように基準
ラインを平行移動させ、複素粘性率η2 *=1×103/P
a・sとの交点η1B0 *を測定した。上記のようにして測定
したη1L0 *およびη1B0 *の値を下式に適用し、分岐指数
を算出した。 分岐指数=(logη1L0 * − logη1B0 *)×10 上記測定条件は、次の通りである。 ・基準サンプル:4種類のEPR 三井化学(株)製、タフマーP−0280、P−048
0、P−0680、P−0880(商品名) ・動的粘弾性試験機(RDS):Rheometric
s社 ・サンプル:2mmシートを直径25mmの円状に打ち
抜いて使用。 ・温 度 :190℃ ・歪み率 :1% ・周波数依存:0.001〜500rad/sec
【0114】
【製造例1】[エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノ
ルボルネンランダム共重合体ゴム(A−1)の製造]攪
拌羽根を備えた実質内容積100リットルのステンレス
製重合器(攪拌回転数=250rpm)を用いて、連続
的にエチレンとプロピレンと5-ビニル-2- ノルボルネン
との三元共重合を行なった。重合器側部より液相へ毎時
ヘキサンを60リットル、エチレンを3.7kg、プロ
ピレンを8.0kg、5-ビニル-2- ノルボルネンを48
0gの速度で、また、水素を50リットル、触媒として
VOCl3を48ミリモル、Al(Et)2Clを240
ミリモル、Al(Et)1.5Cl 1.5を48ミリモルの速
度で連続的に供給した。
【0115】以上に述べたような条件で共重合反応を行
なうと、エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボル
ネンランダム共重合体ゴム(A−1)が均一な溶液状態
で得られた。その後、重合器下部から連続的に抜き出し
た重合溶液中に少量のメタノールを添加して重合反応を
停止させ、スチームストリッピング処理にて重合体を溶
媒から分離したのち、55℃で48時間真空乾燥を行な
った。
【0116】上記のようにして得られたエチレン・プロ
ピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴ
ム(A−1)の物性を第1表に示す。
【0117】
【製造例2〜3】製造例1において、重合条件を第1表
の通りに変えることにより、異なる性状のエチレン・プ
ロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネンランダム共重
合体ゴム(A−2)、エチレン・プロピレン・ジシクロ
ペンタジエンランダム共重合体ゴム(A−3)を得た。
得られた共重合体ゴム(A−2)、(A−3)の物性を
第1表に示す。
【0118】
【表1】
【0119】
【実施例1】まず、第1表に示すエチレン・プロピレン
・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A
−1)100重量部、カーボンブラック[旭カ−ボン
(株)製、商品名 旭#60G]100重量部、および
軟化剤[出光興産(株)製、商品名 ダイアナプロセス
オイルTMPW−90]35重量部を容量2.95リット
ルのバンバリーミキサー[(株)神戸製鋼所製]で混練
した。
【0120】混練方法は、まずエチレン・プロピレン・
5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−
1)を30秒素練りし、次いで、カーボンブラック、軟
化剤を入れ、2分間混練した。その後、ラムを上昇させ
掃除を行ない、さらに、1分間混練を行ない、約130
℃で排出し、ゴム配合物(I−1)を得た。この混練は
充填率75%で行なった。
【0121】次に、この配合物(I−1)235重量部
を、8インチロ−ル(前ロールの表面温度30℃、後ロ
ールの表面温度30℃、前ロールの回転数18rpm、
後ロールの回転数15rpm)に巻き付けて、発泡剤と
してプラスチック微小中空体[松本油脂製薬(株)製、
商品名 マツモトマイクロスフェア−F−50D;架橋
トルク保持率=95%、[(1分子中の窒素原子数)2
(1分子中の硫黄原子数)2]/分子量=0]8重量部、
SiH基含有化合物(架橋剤)として(CH3)3SiO−
[−SiH(CH3)−O−]6−[−Si(CH3)2−O−]1
[−Si(C66)2−O−]1−Si(CH3)3 4重量部、反
応抑制剤として1-エチニル-1-シクロヘキサノール0.
1重量部を加え10分間混練したのちに、触媒として3
%白金濃度の、白金カルボニルビニルメチル錯体のビニ
ルメチル環状シロキサン溶液0.05重量部[GELE
ST.Inc、商品名SIP6829.0]を加えて5
分間混練した後、混練物をリボン状に分出した。混練物
の総量は、約2kgとした。
【0122】次に、この未架橋ゴム配合物を、チューブ
状ダイス(内径10mm、肉厚1mm)を装着した50
mmφ押出機[(株)三葉製作所製;L/D=16]を
用いて、ダイス温度60℃、シリンダー温度40℃の条
件で押し出してチューブ状に成形した。この成形体を2
00℃雰囲気のHAV(熱風加硫槽)に10分間架橋
し、スポンジゴムを得た。
【0123】得られた架橋スポンジゴムについて、比重
測定、吸水率測定、耐傷付き性試験、圧縮永久歪み試験
および粘着性試験を下記の方法に従って行なった。 (1)比重測定 熱空気架橋したチューブ状のスポンジゴムから20mm
×20mmの試験片を打ち抜き、表面の汚れをアルコー
ルで拭き取った。この試験片を25℃雰囲気下で自動比
重計[(株)東洋精機製作所製:M−1型]を用いて、
空気中と純水中の質量差から比重測定を行ない、スポン
ジゴムの比重を算出した。 (2)吸水率 熱空気架橋したチューブ状のスポンジゴムから20mm
×20mmの試験片を打ち抜き、水面下50mmの位置
で125mmHgまで減圧し、3分間保持した。続い
て、その試験片を大気中に戻して3分経過後、吸水した
試験片の重量を測定し、以下の計算式から吸水率を算出
した。
【0124】 吸水率(%)=[(W2―W1)/W1]×100 W1 :浸漬前の試験片重量(g) W2 :浸漬後の試験片重量(g) (3)耐傷付き性試験 HAV(ホットエアー加硫槽)より取り出した直後の架
橋シート表面をHBの鉛筆でひっかき、その傷つき状態
を肉眼で観察し、耐傷付き性の評価を4段階で行なっ
た。 <耐傷付き性の4段階評価> A:表面に傷が全く付かないもの B:表面にわずかに傷が付くもの C:傷が付くもの D:傷が著しく激しいもの (4)圧縮永久歪み試験 JIS K6250に従い、作製した架橋シートを積層
し、JIS K6262に準拠して圧縮永久歪み試験を
行なった。この試験条件は150℃×22時間である。 (5)粘着性試験 チューブ状の発泡体を、23℃、50%RHの雰囲気下
に1時間放置した後、手で潰してチューブ状発泡体の相
対する内表面を接触させた状態で10秒間保持し、その
後に手を離したときにチューブ状発泡体の元に戻る状態
により、発泡体の粘着性を下記の4段階で評価した。 <粘着性の4段階評価> A:手を離すと、チューブ状発泡体の接触部分が粘着せ
ずに速やかに離れる B:手を離してから1秒未満で、チューブ状発泡体の接
触部分が離れる C:手を離してから1〜5秒で、チューブ状発泡体の接
触部分が離れる D:手を離してから5秒過ぎないと、チューブ状発泡体
の接触部分が離れないこれらの結果を第2表に示す。
【0125】
【実施例2】実施例1において、3%白金濃度の、白金
カルボニルビニルメチル錯体のビニルメチル環状シロキ
サン溶液の配合量を0.1重量部に変更し、かつ、マツ
モトマイクロスウェア−F−50D(商品名)8重量部
の代わりに、重曹[永和化成工業(株)製、商品名 セ
ルボンFE−507;架橋トルク保持率=98%、[(1
分子中の窒素原子数)2+(1分子中の硫黄原子数)2]/分
子量=0]6重量部を用いた以外は、実施例1と同様に
行なった。結果を第2表に示す。
【0126】
【実施例3】実施例1において、3%白金濃度の、白金
カルボニルビニルメチル錯体のビニルメチル環状シロキ
サン溶液の配合量を0.1重量部に変更し、かつ、マツ
モトマイクロスウェア−F−50D(商品名)8重量部
の代わりに、ジメチル-2,2'-アゾビスイソブチレート
[大塚化学(株)製、商品名 MAIB;架橋トルク保
持率=92%、[(1分子中の窒素原子数)2+(1分子中
の硫黄原子数)2]/分子量=0.0174]3重量部を
用いた以外は、実施例1と同様に行なった。結果を第2
表に示す。
【0127】
【実施例4】実施例1において、3%白金濃度の、白金
カルボニルビニルメチル錯体のビニルメチル環状シロキ
サン溶液の配合量を0.1重量部に変更し、かつ、マツ
モトマイクロスウェア−F−50D(商品名)8重量部
の代わりに、1,1'-アゾビス(1-アセトキシ-1- フェニ
ルエタン)[大塚化学(株)製、商品名 OTAZO-15;
架橋トルク保持率=55%、[(1分子中の窒素原子数)2
+(1分子中の硫黄原子数)2]/分子量=0.0112]
3重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。
結果を第2表に示す。
【0128】
【実施例5】実施例1において、3%白金濃度の、白金
カルボニルビニルメチル錯体のビニルメチル環状シロキ
サン溶液の配合量を0.1重量部に変更し、かつ、マツ
モトマイクロスウェア−F−50D(商品名)8重量部
の代わりに、2,2'- アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタ
ン)[和光純薬工業(株)製、商品名 VR−110;
架橋トルク保持率=65%、[(1分子中の窒素原子数)
2+(1分子中の硫黄原子数)2]/分子量=0.016]
5重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。
結果を第2表に示す。
【0129】
【比較例1】実施例1において、実施例1で用いたエチ
レン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム
共重合体ゴム(A−1)の代わりに、第1表に示すエチ
レン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重
合体ゴム(A−2)を用い、かつ、3%白金濃度の、白
金カルボニルビニルメチル錯体のビニルメチル環状シロ
キサン溶液の配合量を0.1重量部に変更した以外は、
実施例1と同様に行なった。なお、バンバリーミキサー
から排出した際の混練物の温度は131℃であった。結
果を第2表に示す。
【0130】
【比較例2】実施例1において、実施例1で用いたエチ
レン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム
共重合体ゴム(A−1)の代わりに、第1表に示すエチ
レン・プロピレン・ジシクロペンタジエンランダム共重
合体ゴム(A−3)を用い、かつ、3%白金濃度の、白
金カルボニルビニルメチル錯体のビニルメチル環状シロ
キサン溶液の配合量を0.1重量部に変更した以外は、
実施例1と同様に行なった。なお、バンバリーミキサー
から排出した際の混練物の温度は134℃であった。結
果を第2表に示す。
【0131】
【比較例3】比較例1において、マイクロスフェアーF
−50D(商品名;プラスチック微小中空体)8重量
部、SiH基含有化合物4重量部、エチニルシクロヘキ
サノール0.1重量部および3%白金濃度の、白金カル
ボニルビニルメチル錯体のビニルメチル環状シロキサン
溶液0.05重量部の代わりに、オキシビスベンゼンス
ルホニルヒドラジッド[永和化成工業(株)製、商品名
ネオセルボンN1000M;架橋トルク保持率=4
%、[(1分子中の窒素原子数)2+(1分子中の硫黄原子
数)2]/分子量=0.055]2.5重量部、尿素系発
泡助剤[永和化成工業(株)製、商品名 セルペースト
101P]1.0重量部、硫黄1.5重量部、2-メルカ
トベンゾチアゾール[三新化学工業(株)製、商品名
サンセラーM]1.0重量部、ジベンゾチアジルジスル
フィド[三新化学工業(株)製、商品名 サンセラーD
M]1.0重量部、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛
[三新化学工業(株)製、商品名 サンセラーBZ]
1.0重量部、およびジエチルジチオカルバミン酸テル
ル[三新化学工業(株)製、商品名 サンセラーTE]
0.3重量部の用いた以外は、比較例1と同様に行なっ
た。結果を第2表に示す。
【0132】
【比較例4】比較例3において、エチレン・プロピレン
・5-エチリデン-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム
(A−2)の代わりに、第1表に示すエチレン・プロピ
レン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム
(A−1)を用いた以外は、比較例3と同様に行なっ
た。結果を第2表に示す。
【0133】
【比較例5】実施例1において、3%白金濃度の、白金
カルボニルビニルメチル錯体のビニルメチル環状シロキ
サン溶液の配合量を0.1重量部に変更し、かつ、マツ
モトマイクロスウェア−F−50D(商品名)8重量部
の代わりに、N,N'-ジニトロソペンタメチレンテトラミ
ン(DPT)[永和化成(株)製、商品名 セルラー
D;架橋トルク保持率=4%、[(1分子中の窒素原子
数)2+(1分子中の硫黄原子数)2]/分子量=0.19
2]3重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行なっ
た。結果を第2表に示す。
【0134】
【比較例6】実施例1において、マツモトマイクロスウ
ェア−F−50D(商品名)8重量部の代わりに、プラ
スチック微小中空体[松本油脂製薬(株)製、商品名
マツモトマイクロスフェア−F−30D;架橋トルク保
持率=4%、[(1分子中の窒素原子数)2+(1分子中の
硫黄原子数)2]/分子量≒0.2]7重量部を用いた以
外は、実施例1と同様に行なった。結果を第2表に示
す。
【0135】
【比較例7】実施例1において、マツモトマイクロスウ
ェア−F−50D(商品名)8重量部の代わりに、オキ
シビスベンゼンスルホニルヒドラジッド[永和化成工業
(株)製、商品名 ネオセルボンN1000SW;架橋
トルク保持率=4%、[(1分子中の窒素原子数)2+(1
分子中の硫黄原子数)2]/分子量=0.055]2.5
重量部および尿素系発泡助剤[永和化成工業(株)製、
商品名 セルペースト101P]1.0重量部を用いた
以外は、実施例1と同様に行なった。結果を第2表に示
す。
【0136】
【実施例6】実施例2において、重曹[永和化成工業
(株)製、商品名 セルボンFE−507]6重量部の
代わりに、発泡助剤(F)としての重曹と発泡核剤
(G)としてのクエン酸とのブレンド物[BOEHRI
NGER社製、商品名 HYDROCEROL CF
(重曹/クエン酸の重量比率=2/1]10重量部を用
いた以外は、実施例2と同様に行なった。結果を第2表
に示す。
【0137】
【表2】
【0138】
【表3】
【0139】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 83/05 C08K 5/54 (72)発明者 有 野 恭 巨 千葉県市原市千種海岸3 三井化学株式会 社内 (72)発明者 川 崎 雅 昭 千葉県市原市千種海岸3 三井化学株式会 社内 Fターム(参考) 4F074 AA16A AA17A AA54A AA91 BA01 BA02 BA03 BA04 BA05 BA12 BA31 BA32 BA33 BA34 BA36 BA37 BA39 BA40 BA45 BA48 BA53 BA72 BB21 BC11 CA22 DA02 DA08 DA09 DA24 DA45 4J002 BB05W BK00W CP04X DA009 DA039 DA049 DA059 DA077 DA119 DE018 DE028 DE079 DE109 DE139 DE228 DE239 DF008 DF038 DJ019 DJ039 DJ049 DK009 EA018 EB008 EB028 EB068 EF019 EF069 EF099 EF109 EF129 EG019 EK009 EN009 EP009 EQ018 EQ028 EQ038 ES008 ET009 EU168 EU179 EX006 FD14X FD146 FD209 FD328 GC00 4J100 AA02P AA03Q AA04Q AA15Q AA16Q AA17Q AA19Q AS15R CA05 CA31 DA09 HA53 HC79 JA57

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式[I]または[II]で表わされ
    る少なくとも一種の末端ビニル基含有ノルボルネン化合
    物から導かれる構成単位を有するエチレン・α- オレフ
    ィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)と、 SiH基を1分子中に少なくとも2個持つSiH基含有
    化合物(B)と、 触媒(C)と、 発泡剤(D)とを含有してなるゴム組成物であり、 前記発泡剤(D)の架橋トルク保持率が5%以上である
    ことを特徴とする架橋発泡可能なゴム組成物; 【化1】 [式中、nは0ないし10の整数であり、 R1は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基
    であり、 R2は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基で
    ある]、 【化2】 [式中、R3は水素原子または炭素原子数1〜10のア
    ルキル基である]。
  2. 【請求項2】下記一般式[I]または[II]で表わされ
    る少なくとも一種の末端ビニル基含有ノルボルネン化合
    物から導かれる構成単位を有するエチレン・α- オレフ
    ィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)と、 SiH基を1分子中に少なくとも2個持つSiH基含有
    化合物(B)と、 触媒(C)と、 発泡剤(D)と、 発泡助剤(F)および/または発泡核剤(G)とを含有
    してなるゴム組成物であり、 前記発泡剤(D)の架橋トルク保持率が5%以上である
    ことを特徴とする架橋発泡可能なゴム組成物; 【化3】 [式中、nは0ないし10の整数であり、 R1は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基
    であり、 R2は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基で
    ある]、 【化4】 [式中、R3は水素原子または炭素原子数1〜10のア
    ルキル基である]。
  3. 【請求項3】下記一般式[I]または[II]で表わされ
    る少なくとも一種の末端ビニル基含有ノルボルネン化合
    物から導かれる構成単位を有するエチレン・α- オレフ
    ィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)と、 SiH基を1分子中に少なくとも2個持つSiH基含有
    化合物(B)と、 触媒(C)と、 発泡剤(D)とを含有してなるゴム組成物であり、 前記発泡剤(D)の分子量、1分子中の窒素原子数、お
    よび1分子中の硫黄原子数が、下式 [(1分子中の窒素原子数)2+(1分子中の硫黄原子
    数)2]/分子量≦0.18 を満たすことを特徴とする架橋発泡可能なゴム組成物; 【化5】 [式中、nは0ないし10の整数であり、 R1は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基
    であり、 R2は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基で
    ある]、 【化6】 [式中、R3は水素原子または炭素原子数1〜10のア
    ルキル基である]。
  4. 【請求項4】下記一般式[I]または[II]で表わされ
    る少なくとも一種の末端ビニル基含有ノルボルネン化合
    物から導かれる構成単位を有するエチレン・α- オレフ
    ィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)と、 SiH基を1分子中に少なくとも2個持つSiH基含有
    化合物(B)と、 触媒(C)と、 発泡剤(D)と、 発泡助剤(F)および/または発泡核剤(G)とを含有
    してなるゴム組成物であり、 前記発泡剤(D)の分子量、1分子中の窒素原子数、お
    よび1分子中の硫黄原子数が、下式 [(1分子中の窒素原子数)2+(1分子中の硫黄原子
    数)2]/分子量≦0.18 を満たすことを特徴とする架橋発泡可能なゴム組成物; 【化7】 [式中、nは0ないし10の整数であり、 R1は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基
    であり、 R2は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基で
    ある]、 【化8】 [式中、R3は水素原子または炭素原子数1〜10のア
    ルキル基である]。
  5. 【請求項5】さらに、反応抑制剤(E)を含有している
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の架橋
    発泡可能なゴム組成物。
  6. 【請求項6】前記エチレン・α- オレフィン・非共役ポ
    リエンランダム共重合体ゴム(A)が、(i)エチレン
    と炭素原子数3〜20のα- オレフィンとのモル比(エ
    チレン/α- オレフィン)が60/40〜90/10の
    範囲にあり、(ii)ヨウ素価が1〜30の範囲にあり、
    (iii) 135℃のデカリン溶液で測定した極限粘度
    [η]が0.3〜5dl/gの範囲にあり、(iv)動的
    粘弾性測定器により求めた分岐指数が3以上であること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の架橋発泡
    可能なゴム組成物。
  7. 【請求項7】シールスポンジ、クッションスポンジ、断
    熱スポンジ、プロテクトスポンジ、または難燃スポンジ
    の製造の際に用いられることを特徴とする請求項1〜6
    のいずれかに記載の架橋発泡可能なゴム組成物。
  8. 【請求項8】前記シールスポンジが、自動車用シールス
    ポンジ、家電用シールスポンジ、または土木建築用シー
    ルスポンジであることを特徴とする請求項7に記載の架
    橋発泡可能なゴム組成物。
  9. 【請求項9】前記自動車用シールスポンジが、自動車用
    ウェザーストリップスポンジであることを特徴とする請
    求項8に記載の架橋発泡可能なゴム組成物。
  10. 【請求項10】前記自動車用ウェザーストリップスポン
    ジが、ドアーウェザーストリップスポンジ、ボンネット
    ウェザーストリップスポンジ、トランクルームウェザー
    ストリップスポンジ、サンルーフウェザーストリップス
    ポンジ、ベンチレーターウェザーストリップスポンジ、
    ランプシールスポンジ、またはこれらのコーナースポン
    ジであることを特徴とする請求項9に記載の架橋発泡可
    能なゴム組成物。
  11. 【請求項11】前記土木建築用シールスポンジが、ガス
    ケット、エアータイト、目地材、または戸当たり部のシ
    ールスポンジであることを特徴とする請求項8に記載の
    架橋発泡可能なゴム組成物。
  12. 【請求項12】前記クッションスポンジが、自動車用ク
    ッションスポンジ、家電用クッションスポンジ、または
    土木建築用クッションスポンジであることを特徴とする
    請求項7に記載の架橋可能な発泡用ゴム組成物。
  13. 【請求項13】前記断熱スポンジが、自動車用断熱スポ
    ンジ、家電用断熱スポンジ、または土木建築用断熱スポ
    ンジであることを特徴とする請求項7に記載の架橋発泡
    可能なゴム組成物。
  14. 【請求項14】前記プロテクトスポンジが、自動車用プ
    ロテクトスポンジ、家電用プロテクトスポンジ、または
    土木建築用プロテクトスポンジであることを特徴とする
    請求項7に記載の架橋発泡可能なゴム組成物。
  15. 【請求項15】前記難燃スポンジが、自動車用難燃スポ
    ンジ、家電用難燃スポンジ、または土木建築用難燃スポ
    ンジであることを特徴とする請求項7に記載の架橋発泡
    可能なゴム組成物。
  16. 【請求項16】請求項1〜15のいずれかに記載の架橋
    発泡可能なゴム組成物からなることを特徴とする架橋発
    泡体。
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