JP4603423B2 - スポンジ用ゴム組成物およびスポンジの製造方法 - Google Patents

スポンジ用ゴム組成物およびスポンジの製造方法 Download PDF

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本発明は、チオウレア系加硫促進剤を用いることなく、比重が低く軽量化されたスポンジが得られるスポンジ用ゴム組成物および該スポンジの製造方法に関する。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体からなるゴムは、その分子鎖に不飽和結合を持たないことから、ジエン系ゴムに比べて、耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優れた物性を有している。この特性を生かして該共重合体からなるゴムは、自動車工業部品、工業用ゴム部品、電気絶縁材、土木建材用品、ゴム引布等のゴム製品として広く用いられている。
近年、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体から得られる発泡成形体の軽量化が求められるようになっている。軽量化のためには、スポンジ自体の比重を低くすることが有効である。
ゴムを架橋発泡させて得られる成形体の製造で用いられる加硫促進剤にはチオウレア系加硫促進剤が用いられている(特許文献1参照)。チオウレア系加硫促進剤は、ある程度の軽量化されたスポンジを得ることは可能であるが、発泡成形体の製造では、成形用押出し機中におけるゴム組成物の滞留時間の微少な変化が、スポンジの比重に変動を与え、生産の安定性に大きな影響を及ぼし改善すべき点があった。
一方で、ゴムから軽量化されたスポンジを生産する場合に、生産安定性を得ることが困難なチオウレア系加硫促進剤を用いないで製造でれば望ましいが、逆にそのようなスポンジの製造は容易ではない。
仮に製造できたとしても、比重を低くして軽量化しようとすれば、加硫スポンジの肌荒れが起こりやすくなり、意匠性が得られない品質上の問題が生じる。
特開2002−256121号公報
本発明が解決しようとする課題は、チオウレア系加硫促進剤を用いることなく、比重が低く軽量化されたスポンジを得ることができ、該スポンジが意匠性にも優れ、しかもスポンジの生産安定性にも優れたゴム組成物を提供することにある。また同時に、該組成物を架橋させて得られるスポンジの製造方法を提供することにある。
本発明に係わるスポンジ用ゴム組成物は、以下の(A)〜()を含んでなることを特徴とする。
(A)エチレン含量が50〜80モル%であるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A1)を100重量部
(B)発泡剤を2.0〜6.0重量部
(C)以下の(C−1)から(C−3)より選ばれた加硫促進剤のうち少なくとも1種以上を合計1.0〜6.5重量部
(C−1)チアゾール系加硫促進剤
(C−2)チウラム系加硫促進剤
(C−3)ジチオカルバミン酸亜鉛塩系加硫促進剤
(D)ジチオカルバミン酸金属塩系加硫促進剤であって、該金属がテルル、銅、鉄、およびナトリウムから選ばれた少なくとも1種以上である該加硫促進剤を0.01〜1.0重量部
(E)ベンゾチアゾールのスルフェンアミド系加硫促進剤を0.01〜3.0重量部
(F)加硫剤を0.5〜2.5重量部
(G)エチレン含量が85〜99モル%であり、非共役ポリエン含量が0.1〜3.5モル%であるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A2)を10〜25重量部
また、本発明に係わるスポンジ用ゴム組成物は、ゴム組成物中のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A1)の量が、20〜35重量%であること、あるいは、チオウレア系加硫促進剤を含まないことが好ましい。
本発明に係わるスポンジの製造方法は、本発明に係わるスポンジ用ゴム組成物を架橋発泡させることを特徴とする。
また、本発明に係わるスポンジの製造方法は、スポンジの比重が0.35〜0.55でること、あるいは、スポンジの表面肌粗さが15μm以下であることが好ましい。
本発明のスポンジ用ゴム組成物は、チオウレア系加硫促進剤を用いることなく、比重が低く軽量化され、意匠性にも優れたスポンジを与え、しかもスポンジの製造においては優れた生産安定性を有する。また同時に、本発明のスポンジの製造方法によれば、本発明のスポンジ用ゴム組成物を用いて、チオウレア系加硫促進剤を用いることなく、比重を低くして軽量化し、意匠性にも優れたスポンジを得ることができる。
本発明に係るスポンジ用ゴム組成物(以下、ゴム組成物と略す)は、(A)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A1)、(B)発泡剤、(C)チアゾール系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤およびジチオカルバミン酸亜鉛塩系加硫促進剤から選ばれた少なくとも1種以上の加硫促進剤、(D)金属がテルル、銅、鉄、およびナトリウムから選ばれた少なくとも1種以上であるジチオカルバミン酸金属塩系加硫促進剤、(E)ベンゾチアゾールのスルフェンアミド系加硫促進剤、および(F)加硫剤を含有してなる組成物である。好ましくは、(G)上記(A)とは異なるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A2)が含んでいる。
まず、本発明に係るスポンジ用ゴム組成物を形成する各成分について説明する。
(A)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A
本発明のゴム組成物で用いられるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A1)(以下、共重合体(A1)と略す)は、エチレンと、α−オレフィンと、非共役ポリエンとの共重合体である。共重合の形式にはランダム、ブロックなどの制限はないが、共重合体としての特性の均一性からランダム共重合体が好ましい。
a)α− オレフィン
共重合体(A1)で用いることができるα− オレフィンには、特に制限がないが、好ましくは炭素原子数が3〜20のα−オレフィンである。具体的には、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1− ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、9−メチル−1− デセン、11− メチル−1− ドデセン、12− エチル−1− テトラデセンなどが挙げられる。中でも、炭素原子数3〜10のα−オレフィン がより好ましく、特にプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが最も好ましく用いられる。それらのα−オレフィンは、単独あるいは2種以上組み合わせて用いられる。
b)非共役ポリエン
共重合体(A1)で用いられる非共役ポリエンには、特に制限がないが、鎖式非共役および脂環式非共役ジエンが好ましい。
鎖式非共役ジエンの具体例として、1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等が挙げられる。
環状非共役ジエンの具体例として、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(2,3−ジメチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−メチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(3,4−ジメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−エチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2−ジメチル−5−ヘキセシル)−2−ノルボルネン、5−(5−エチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2,3−トリメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン等が挙げられる。
この中でも、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネンのノルボルネン化合物がより好ましい。更に、5−ビニル−2−ノルボルネンおよび5−メチレン−2−ノルボルネンが最も好ましい。
ジエン以外の具体的例として、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等のトリエンなどが挙げられる。
以上の非共役ポリエン、好ましい鎖式非共役および脂環式非共役ジエン、より好ましいノルボルネン化合物、および最好ましいノルボルネン化合物で挙げた化合物は、単独でもあるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
c)共重合体の組成とその特性
上記の諸成分からなる共重合体(A1)は、エチレン含量が50〜80モル%、好ましくは60〜80モル%である。上記範囲内にあると柔軟性に優れたスポンジ成形体を提供できる重合体組成物が得られる。また、上記の諸成分からなる共重合体(A1)は、以下のような特性を有することが好ましい。
(i)α−オレフィンと非共役ポリエンの含量
共重合体(A1)は、エチレン含量が50〜80モル%であり、α−オレフィンと非共役ポリエンとの合計した含量は、50〜15モル%である。
非共役ポリエンの含量は、1〜4モル%である。非共役ポリエンの含量が1モル%未満ではシール性能が悪化し、4モル%を超えると柔軟性および生産性が損なわれる。上記範囲内にあるとシール性に優れたスポンジ成形体を提供できる重合体組成物が得られる。
エチレン、α−オレフィン、および非共役ポリエンの合計量は、100モル%であり、
α−オレフィンの含量は、100モル%から上記のエチレン含量と非共役ポリエン含量との合計を差し引いた量である。
(ii)ヨウ素価
共重合体(A1)のヨウ素価は、特に制限はないが、好ましくは8〜35(g/100g)の範囲にある。このヨウ素価が上記範囲内にあると、架橋効率の高い共重合体となり、シール性に優れるスポンジ成形体が得られるが得られる。
(iii)極限粘度
共重合体(A1)の135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は、良好なスポンジが得られる範囲であれば、特に制限はない。その中で、1.0〜4.0dl/gの範囲が好ましく、より好ましくは、1.5〜4.0dl/gの範囲であり、更に好ましくは、1.8〜3.8dl/gでである。その極限粘度[η]が上記範囲は、良好な発泡性を得るための共重合体が得られる。
共重合体(A)は、さらに次の特性を有していることが好ましい。
(iv)動的粘弾性測定器より求めた分岐指数
共重合体(A1)の動的粘弾性測定器より求めた分岐指数は、5以上が好ましく、より好ましくは7以上、さらに好ましくは9以上、特に好ましくは10以上である。この分岐指数の値が5より小さいと、高ずり速度領域での粘度が高くなり、流動性が悪化するため、ロール加工性や押出加工性が悪くなる。
(v)分子量分布(Mw/Mn)
共重合体(A1)のGPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は、2.5〜50、好ましくは2.8〜40、さらに好ましくは3.0〜30である。この分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲内にあると、発泡性や加工性に優れるとともに、強度特性に優れたスポンジが得られる。
d)重合
共重合体(A1)は、特に制限なく公知の方法により得られるが、以下に示す方法が本発明のゴム組成物を得るために好ましい方法である。
下記バナジウム化合物(a)および有機アルミニウム化合物(b)を主成分として含有する触媒の存在下に、重合温度30〜60℃、特に30〜50℃、重合圧力4〜12kgf/cm2、特に5〜8kgf/cm2、非共役ポリエンとエチレンとの供給量のモル比(非共役ポリエン/エチレン)0.01〜0.2の条件で、エチレンと、α−オレフィンと、上記の非共役ポリエン、特に好ましくはビニル基を含有するノルボルネン化合物、とを共重合することにより得られる。共重合は、炭化水素媒体中で行うのが好ましい。
e)重合触媒
バナジウム化合物(a)としては、例えば下記式で表わされる可溶性バナジウム化合物、またはVX4(Xはハロゲン原子である)で表わされるバナジウム化合物が挙げられる。
VO(OR)3−n (a−1)
(式中、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、nは0または1〜3の整数である)
上記可溶性バナジウム化合物は、重合反応系の炭化水素媒体に可溶性の成分であり、より具体的には、下記式で表わされるバナジウム化合物、あるいはこれらの電子供与体付加物を代表例として挙げることができる。
VO(OR)またはV(OR) (a−2)
(式中、Rは炭化水素基であり、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦c+d≦4)
より具体的には、VOCl3、VO(OC25)Cl2、VO(OC252Cl、VO(O−iso−C37)Cl2、VO(O−n−C49)Cl2、VO(OC253、VOBr3、VCl4、VOCl3、VO(O−n−C493、VCl3・2OC612OHなどを例示することができる。
有機アルミニウム化合物(b)としては、下記式で表わされる有機アルミニウム化合物が挙げられる。
R’AlX’3−m (b−1)
(R’は炭化水素基であり、X’はハロゲン原子であり、mは1〜3の整数である)
上記式(b−1)の有機アルミニウム化合物(b)としては、具体的には、トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシド等のジアルキルアルミニウムアルコキシド;エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシド等のアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;R1 0.5Al(OR10.5などで表わされる平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド等のジアルキルアルミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウムセスキハライド、エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミド等のアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリド等のジアルキルアルミニウムヒドリド、エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリド等のアルキルアルミニウムジヒドリドなどの部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
また、上記共重合の際に使用する触媒として、いわゆるメタロセン触媒(c)、例えば特開平9−40586号公報に記載されているメタロセン触媒を用いても好ましい。
上記のバナジウム化合物(a)、有機アルミニウム化合物(b)およびメタロセン触媒(c)を重合の触媒として用いる際、同種(例えば、(a)同士)や異種(例えば、(a)の1種と(b)の1種)を問わず単独でもあるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
共重合体(A1)を得る際、上記バナジウム化合物(a)のうち、VOCl3で表わされる可溶性バナジウム化合物と、上記有機アルミニウム化合物(b)のうち、Al(OC252Cl/Al2(OC253Cl3のブレンド物(ブレンド比は1/5以上)を触媒成分として使用すると、ソックスレー抽出(溶媒:沸騰キシレン、抽出時間:3時間、メッシュ:325)後の不溶解分が1%以下である共重合体(A1)が得られるので好ましい。
f)グラフト化
共重合体(A1)は、本発明のゴム組成物の特性を損なわない範囲で、極性モノマー、例えば不飽和カルボン酸またはその誘導体(例えば、酸無水物、エステル)でグラフト変性されていてもよい。
そのような不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸などが挙げられる。
不飽和カルボンの酸無水物としては、具体的には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水テトラヒドロフタル酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物などが挙げられる。これらの中でも、無水マレイン酸が好ましい。
不飽和カルボン酸エステルとしては、具体的には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジメチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸ジメチルなどが挙げられる。これらの中でも、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好ましい。
上記の不飽和カルボン酸等のグラフト変性剤(グラフトモノマー)は、それぞれ単独または2種以上の組み合わせで使用されるが、何れの場合も前述したグラフト変性前の共重合体100g当たり、0.1モル以下のグラフト量にするのがよい。上記のようなグラフト量が上記範囲にある共重合体(A1)を用いると、更に耐寒性や流動性(成形加工性)に優れたゴム組成物が得られる。
グラフト変性した共重合体は、前述した未変性の共重合体(A1)と不飽和カルボン酸またはその誘導体とを、ラジカル開始剤の存在下に反応させることにより得ることができる。そのグラフト反応は溶液にして行うこともできるし、溶融状態で行ってもよい。溶融状態でグラフト反応を行う場合には、押出機の中で連続的に行うことが最も効率的であり、好ましい。
グラフト反応に使用されるラジカル開始剤としては、具体的には、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド類;
t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシフタレート等のパーオキシエステル類;ジシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;およびこれらの混合物などが挙げられる。
開始剤であるジアルキルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、およびケトンパーオキサイド類は、同種類や異種類を問わず単独でもあるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも半減期1分を与える温度が130〜200℃の範囲にある有機過酸化物が好ましく、特に、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイドなどの有機過酸化物が好ましい。
不飽和カルボン酸またはその誘導体(例えば酸無水物、エステル)以外の極性モノマーとしては、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビニル化合物、ビニルエステル化合物、塩化ビニルなどが挙げられる。
(B)発泡剤
本発明のゴム組成物で用いられる発泡剤は、特に制限がなく公知の発泡剤を用いることができる。使用する発泡剤としては、無機系および有機系の発泡剤のいずれをも好適に使用することができ、例えば次の化合物を例示することができる。
(1)重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等の無機系発泡剤
(2)N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物
(3)アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレ−ト等のアゾ化合物
(4)ベンゼンスルフォニルヒドラジド、トルエンスルフォニルヒドラジド、p,p’一オキシビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジド)、ジフエニルスルフォン−3,3’−ジスルフェニルヒドラジド等のスルフォニルヒドラジド化合物
(5)カルシウムアジド、4,4’一ジフェニルジスルホニルアジド、p−トルエンスルホニルアジド等のアジド化合物
それらの中でも、アゾ化合物、スルフォニルヒドラジド化合物、アジド化合物が好適に使用される。上記の発泡剤は、無機系と有機系の同種や異種を問わず単独でもあるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、上記の発泡剤は、いずれも市販品であり、入手することは容易である。
発泡剤の量は、本発明のゴム組成物に用いられる共重合体(A1)を100重量部に対して、2.0〜6.0重量部である。その範囲内で、本発明のゴム組成物を用いて得られるスポンジの比重が0.35〜0.55となるように調整されることが好ましい。その調製量は、発泡剤自体の量、後述する、(C)(D)、および(E)の各加硫促進剤の各量、(F)加硫剤の量、(G)のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A2)の量、および適宜用いられるその他の成分の各量を全て加味して決定する。
共重合体(A1)を100重量部に対する発泡剤の量が、2.0重量部未満では、発泡が充分に行われず、逆に6.0重量部を超えると、加硫が阻害されて十分な加硫が行えず良好なスポンジが得られない。
スポンジの比重が0.35未満では、スポンジが柔らか過ぎて使用に耐えられず、スポンジ本来のシール性や遮音性に欠ける問題を生じる。比重が0.55を超えると、本発明の課題でもあるスポンジの軽量化が達成されない。
必要に応じて発泡剤と共に公知の発泡助剤を併用しても差し支えない。発泡助剤の添加は、発泡剤の分解温度の調節、気泡の均一化などに効果がある。発泡助剤としては、例えば、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、シュウ酸等の有機酸、尿素およびその誘導体などが挙げられる。
発泡助剤の量は、共重合体(A1)を100重量部に対して、通常0〜30重量部、好ましくは0〜15重量部、さらに好ましくは0〜10重量部の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
本発明のゴム組成物から得られるスポンジの特性を損なわない範囲で、発泡剤としてのプラスチック微小中空体を併用することができる。このプラスチック微小中空体は熱により膨張することを特徴としている。この微小中空体の外殻となるプラスチックとしては、ゴム組成物の硬化温度に合わせて軟化温度が適当な範囲内にあるものを選択すればよい。
このようなプラスチックとしては、具体的には、エチレン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、ブタジエン、クロロプレン等の重合体及びこれらの共重合体;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルなどが挙げられる。
プラスチック微小中空体内部には、膨張率を大きくするために、揮発性の溶媒、ガス等の揮発性物質を内包させたものでも差し支えなく、揮発性物質としては、ブタン、イソブタン等の炭化水素が例示される。
プラスチック微小中空体は、粒度が通常1〜50μmであるものが使用され、その形状は通常球状であるが、特にこれらに限定されない。
発泡剤としてのプラスチック微小中空体は、共重合体(A1)を100重量部に対して、通常0.5〜100重量部、好ましくは1〜50重量部、さらに好ましくは1.5〜40重量部の割合で用いられる。
(C)チアゾール系、チウラム系、およびジチオカルバミン酸亜鉛塩系の加硫促進剤
本発明のゴム組成物で用いられる加硫促進剤は、(C−1)チアゾール系加硫促進剤、(C−2)チウラム系加硫促進剤、および(C−3)ジチオカルバミン酸亜鉛塩系加硫促進剤より選ばれた加硫促進剤のうち少なくとも1種以上であって、それを用いることが必須である。
(C−1)チアゾール系加硫促進剤
本発明のゴム組成物で用いられるチアゾール系加硫促進剤は、特に制限がなく公知のチアゾール系加硫促進剤を用いることができる。使用できる具体的な化合物としては、2−メルカプトベンチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンチアゾールの亜鉛塩、および2−メルカプトベンチアゾールのシクロヘキシルアミン塩を例示することができる。それらの中で、2−メルカプトベンゾチアゾールが加硫速度の点で好ましい。
(C−2)チウラム系加硫促進剤
本発明のゴム組成物で用いられるチウラム系加硫促進剤は、特に制限がなく公知のチウラム系加硫促進剤を用いることができる。使用できる具体的な化合物としては、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、およびテトラベンジルチウラムジスルフィドを例示することができる。それらの中で、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィドが発泡性と架橋速度との相互観点から好ましい。
(C−3)ジチオカルバミン酸亜鉛塩系加硫促進剤
本発明のゴム組成物で用いられるジチオカルバミン酸亜鉛塩系加硫促進剤は、特に制限がなく公知のジチオカルバミン酸亜鉛塩系加硫促進剤を用いることができる。使用できる具体的な化合物としては、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、およびジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、を例示することができる。
上記の加硫促進剤は、3つの系において同種系や異種系を問わず単独でもあるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。3つの系の組合せとして、(C−1)と(C−2)、(C−2)と(C−3)、および(C−1)と(C−3)の2つの系の組合せが好ましく、3つの系である(C−1)、(C−2)、および(C−3)を同時に併用することが最も好ましい。
加硫促進剤(C)の量
上記に示した(C−1)チアゾール系加硫促進剤、(C−2)チウラム系加硫促進剤、および(C−3)ジチオカルバミン酸亜鉛塩系加硫促進剤より選ばれた加硫促進剤のうち少なくとも1種以上を用いるが、その加硫促進剤の合計は、共重合体(A1)を100重量部に対して、1.0〜6.5重量部である。好ましくは1.3〜5.0重量部である。
(C−1)チアゾール系加硫促進剤としては、0〜2.5重量部、好ましくは0.5〜2.0重量部であり、(C−2)チウラム系加硫促進剤としては、0〜2.0重量部、好ましくは0.5〜1.5重量部あり、そして(C−3)ジチオカルバミン酸亜鉛塩系加硫促進剤としては、0〜2.0重量部、好ましくは0.3〜1.5重量部である。
上記の加硫促進剤の合計量が、1.0重量部未満では、加硫が充分に行われず、逆に6.5重量部を超えると、加硫速度が速過ぎ制御困難となり品質にも影響し、また加硫促進剤の揮発飛散による加工機械類の汚染の問題も生じてくる。
(D)テルル、銅、鉄、およびナトリウムのジチオカルバミン酸金属塩系加硫促進剤
本発明のゴム組成物で次に用いられる加硫促進剤は、ジチオカルバミン酸金属塩系加硫促進剤で、該金属がテルル、銅、鉄、およびナトリウムから選ばれた少なくとも1種以上であるジチオカルバミン酸金属塩系加硫促進剤であって、それを用いることが必須である。
本発明のゴム組成物で用いられるジチオカルバミン酸金属塩系加硫促進剤は、特に制限がなく公知のジチオカルバミン酸金属塩系加硫促進剤を用いることができる。使用できる具体的な化合物としては、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸鉄、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、およびジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムを例示することができる。特に好ましくは、意匠性の点からジエチルジチオカルバミン酸テルルである。上記の加硫促進剤は、金属塩の種類を問わず単独でもあるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
加硫促進剤(D)の量
上記に示した(D)金属がテルル、銅、鉄、およびナトリウムから選ばれた少なくとも1種以上であるジチオカルバミン酸金属塩系加硫促進剤の量は、共重合体(A1)を100重量部に対して、0.01〜1.0重量部である。好ましくは、0.1〜0.7重量部である。上記の加硫促進剤の量が、0.01重量部未満では、加硫が充分に行われず、逆に1.0重量部を超えると、加硫速度が速過ぎ制御困難となり品質にも影響し、また加硫促進剤の揮発飛散による加工機械類の汚染の問題も生じてくる。
(E)ベンゾチアゾールのスルフェンアミド系加硫促進剤
本発明のゴム組成物で更に用いられる加硫促進剤は、ベンゾチアゾールのスルフェンアミド系加硫促進剤であって、それを用いることが必須である。
本発明のゴム組成物で用いられるンゾチアゾールのスルフェンアミド系加硫促進剤は、特に制限がなく公知のンゾチアゾールのスルフェンアミド系加硫促進剤を用いることができる。使用できる具体的な化合物としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−(tert−ブチル)−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、およびN,N−ジシクロヘキシルベンゾチアジル−2−スルフェンアミドを例示することができる。特に好ましくは、生産安定性の点からN−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドである。上記の加硫促進剤は、単独でもあるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
加硫促進剤(E)の量
上記に示した(Eベンゾチアゾールのスルフェンアミド系加硫促進剤の量は、共重合体(A1)を100重量部に対して、0.01〜3.0重量部である。好ましくは、0.5〜2.5重量部である。上記の加硫促進剤の量が、0.01重量部未満では、加硫が充分に行われず、逆に3.0重量部を超えると、加硫速度が速過ぎ制御困難となり品質にも影響し、また加硫促進剤の揮発飛散による加工機械類の汚染の問題も生じてくる。
各加硫促進剤(C)、(D)、(E)
本発明において、上記の3つに分類された加硫促進剤、すなわち、(C)チアゾール系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤およびジチオカルバミン酸亜鉛塩系加硫促進剤から選ばれた少なくとも1種以上の加硫促進剤、(D)金属が、テルル、銅、鉄、およびナトリウムから選ばれた少なくとも1種以上であるジチオカルバミン酸金属塩系加硫促進剤、および(E)ベンゾチアゾールのスルフェンアミド系加硫促進剤が特に選定された加硫促進剤であり、かつ3つ全てを同時に用いることが必須である。それによって、本発明のスポンジ用ゴム組成物は、比重が低く軽量化され、意匠性にも優れたスポンジを与え、しかもスポンジの製造においては優れた生産安定性を有する効果が得られる。上記の(C)、(D)、および(E)に記載した各加硫促進剤は、いずれも市販品であり、入手することは容易である。
(F)加硫剤
本発明のゴム組成物で用いられる架橋方法は特に制限が無く、硫黄加硫剤、キノイド架橋剤、樹脂架橋剤、有機過酸化物架橋剤、およびヒドロシリル化反応を用いて架橋することができる。それらを2つ以上の方法を選択して適宜併用することもできる。それらの中でも特に最も好ましい方法は、硫黄加硫剤による架橋方法である。
本発明のゴム組成物で用いられる架硫剤は、特に制限なく公知の加硫剤を用いることができ、具体的には、単体硫黄の他に、硫黄化合物、あるいは単体硫黄と硫黄化合物との組み合せが挙げられる。
単体硫黄の場合、硫黄の形態は特に限定されず、たとえば粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄などを用いることができる。硫黄化合物として具体的には、塩化硫黄、二塩化硫黄、高分子多硫化物、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレンなどが挙げられる。上記の加硫剤は、単独でもあるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、上記の各加硫剤は、いずれも市販品であり、入手することは容易である。
加硫剤の量は、共重合体(A1)を100重量部に対して0.5〜2.5重量部で用いられる。特に好ましくは0.7〜2.2重量部である。加硫剤を上記範囲で用いると、実用性に耐える引張強度や伸び等の機械強度が良好なゴム組成物が得られる。加硫剤の量が、0.5重量部未満では、加硫が充分に行われず機械強度が得られず、逆に2.5重量部を超えると、架橋が進行し過ぎてスポンジの硬化し過ぎてゴム組成物としての柔軟性を損ない満足なスポンジを得ること困難となる。
次に、本発明のスポンジ用ゴム組成物で好ましく用いられる成分について説明する。
(G)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A
エチレン含量が85〜99モル%であり、非共役ポリエン含量が、0.1〜3.5モル%であるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A2)(以下、共重合体(A2)と略す)は、エチレンと、α−オレフィンと、非共役ポリエンとの共重合体である。エチレンの特に好ましい含量は87〜93モル%であり、非共役ポリエンの好ましい含量は0.5〜3.0モル%であり、特に好ましくは1.0〜3.0モル%である。共重合の形式にはランダム、ブロックなどの制限はないが、共重合体としての特性の均一性からランダム共重合体が好ましい。
共重合体(A2)に関しては、上記の共重合体(A1)の説明で示した、用いることができるα− オレフィン、鎖式非共役ジエンや環状非共役ジエンで代表される非共役ポリエンなどのモノマー、(ii)ヨウ素価、および(iii)極限粘度で述べた共重合体の組成や特性、並びに有していることが好ましい(iv)動的粘弾性測定器より求めた分岐指数、(v)分子量分布(Mw/Mn)、および(vi)有効網目鎖密度(ν)[架橋密度の指標]などの共重合体の特性、重合温度を始めとする重合条件および方法、バナジウム化合物(a)、有機アルミニウム化合物(b)、およびメタロセン触媒などの重合触媒、および不飽和カルボン酸またはその誘導体によるグラフト化、とまったく同様である。
ただし、(i)α−オレフィンと非共役ポリエンの含量は、共重合(A2)のエチレン含量が、上記の通り85〜99モル%であること、および非共役ポリエン含量が、0.1〜3.5モル%の範囲であることにより、共重合体の組成を限定している点で共重合(A1)とは異なる。
共重合体(A2)は、必要に応じて用いられるが、共重合体(A2)の量は、本発明のゴム組成物に用いられる共重合体(A1)を100重量部に対して、0〜25重量部である。共重合(A2)の使用量は、要求されるスポンジの物性や特性によって適宜決められるが、25重量部を超えると、ゴム組成物の特性に大きく影響を与える共重合(A1)の配合割合が低くなり、またゴム組成物における発泡剤の割合が低下しゴム組成物の発泡も不十分となるので好ましくない。
その他の成分
本発明において、ゴム組成物中には、意図する架橋物の用途等に応じて、従来公知のゴム補強剤、無機充填剤、活性剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤、発泡助剤、架硫助剤、架橋助剤、反応抑制剤、有機過酸化物、着色剤、分散剤、難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、スコーチ防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、防カビ剤、素練促進剤、粘着付与剤、分散染料や酸性染料を代表例とする各種染料、無機・有機顔料、界面活性剤、塗料、およびホワイトカーボンなどの添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
上記の添加剤の中で、特に常用される例を取り上げて以下に説明する。
a)ゴム補強剤
ゴム補強剤は、ゴム組成物の引張強度、引裂き強度、耐摩耗性等の機械的性質を高める効果がある。
ゴム補強剤は、その用途により適宜選択でき、単独でも2種以上混合して用いることができる。ゴム補強剤の具体的例としては、カーボンブラック(たとえば、SRF、GPF、FEF、MAF、HAF、ISAF、SAF、FT、MT)、シリカ、活性化炭酸カルシウム、微粉タルク、微粉ケイ酸、ケイ酸塩などが挙げられる。これらは、シランカップリング剤等により表面処理が施されていてもよい。
シリカの具体例としては、煙霧質シリカ、沈降性シリカなどが挙げられる。これらのシリカは、メルカプトシラン、アミノシラン、ヘキサメチルジシラザン、クロロシラン、アルコキシシラン等の反応性シランあるいは低分子量のシロキサン等で表面処理されていてもよい。 ゴム補強剤の量は、その用途により適宜選択でき、通常、ゴム組成物100重量部に対して、最大300重量部、好ましくは最大200重量部である。
無機充填剤は、その用途により適宜選択でき、単独でも2種以上混合して用いることができる。無機充填剤の具体的例としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなどが挙げられる。 無機充填剤の量は、その用途により適宜選択でき、通常、ゴム組成物100重量部に対して、最大300重量部、好ましくは最大200重量部である。
b)軟化剤
軟化剤は、その用途により適宜選択でき、単独でも2種以上混合して用いることができる。軟化剤の具体的例としては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン油、流動パラフィン、石油アスファルト、およびワセリン等の石油系軟化剤、コールタール、およびコールタールピッチ等のコールタール系軟化剤、マシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、およびヤシ油等の脂肪油系軟化剤、蜜ロウ、カルナウバロウ、およびラノリン等のロウ類、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、およびラウリン酸亜鉛等の脂肪酸またはその塩、ナフテン酸、パイン油、およびロジンまたはその誘導体、テルペン樹脂、石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、およびクマロンインデン樹脂等の合成高分子物質、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、およびジオクチルセバケート等のエステル系軟化剤、その他、マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油、トール油、およびサブ(ファクチス)が挙げられる。中でも、石油系軟化剤、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。 軟化剤の量は、その用途により適宜選択でき、通常、ゴム組成物100重量部に対して、最大200重量部、好ましくは最大150重量部、更に好ましくは最大130重量部である。
c)老化防止剤
老化防止剤は、その用途により適宜選択でき、類別上の同種や異種を問わず、単独でも2種以上混合して用いることができる。老化防止剤は、アミン系、ヒンダードフェノール系またはイオウ系の大別される。アミン系老化防止剤は、更にジフェニルアミン類、フェニレンジアミン類などに類別される。
ジフェニルアミン類の具体例としては、p−(p−トルエン・スルホニルアミド)−ジフェニルアミン、4,4'−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、4,4'−ジオクチル・ジフェニルアミン、ジフェニルアミンとアセトンとの高温反応生成物;ジフェニルアミンとアセトンとの低温反応生成物;ジフェニルアミンとアニリンとアセトンとの低温反応物;ジフェニルアミンとジイソブチレンとの反応生成物;オクチル化ジフェニルアミン、ジオクチル化ジフェニルアミン、p,p'−ジオクチル・ジフェニルアミン、アルキル化ジフェニルアミンなどが挙げられる。
フェニレンジアミン類の具体例としては、N,N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N'−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N,N'−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N'−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N'−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、フェニルヘキシル−p−フェニレンジアミン、フェニルオクチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン類などが挙げられる。これらの中でも、特に4,4'−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N'−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンが好ましい。
ヒンダードフェノール系老化防止剤の具体例としては、(1)1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、(2)4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、(3)2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、(4)7−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、(5)テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、(6)ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、(7)トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、(8)1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、(9)2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、(10)トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、(11)2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、(12)N,N'-ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)−ヒドロシンナアミド、(13)2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、(14)3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−ホスホネート−ジエチルエステル、(15)テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメイト)]メタン、(16)オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エステル、(17)3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4−8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどを挙げることができる。中でも、特に(5)、(17)のフェノール化合物が好ましい。
イオウ系老化防止剤類の具体例としては、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾールの亜鉛塩、および2−メルカプトメチルイミダゾールの亜鉛塩等のイミダゾール系老化防止剤、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、およびペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)等の脂肪族チオエーテル系老化防止剤などを挙げることができる。これらの中でも、特に2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾールの亜鉛塩、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)が好ましい。
老化防止剤の量は、その用途により適宜選択でき、通常、ゴム組成物100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは8重量部以下である。
d)加工助剤
加工助剤は、その用途により適宜選択でき、単独でも2種以上混合して用いることができる。加工助剤の具体的例としては、リノール酸、リシノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、およびラウリン酸等の高級脂肪酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、およびステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸の塩、前記高級脂肪酸のエステル類等が挙げられる。加工助剤の量は、その用途により適宜選択でき、通常、ゴム組成物100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは5重量部以下である。
e)加硫助剤
加硫助剤は、その用途により適宜選択でき、単独でも2種以上混合して用いることができる。加硫助剤の具体的例としては、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、亜鉛華などが挙げられ、その量は、通常、ゴム組成物100重量部に対して、1〜20重量部である。
f)無機充填剤
無機充填剤は、その用途により適宜選択でき、単独でも2種以上混合して用いることができる。加硫助剤の具体的例としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなどが挙げられ、その量は、通常、ゴム組成物100重量部に対して、最大300重量部、好ましくは最大200重量部である。
g)活性剤
活性剤は、その用途により適宜選択でき、単独でも2種以上混合して用いることができる。活性剤の具体的例としては、ジ−n−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエタノールアミン、アクチングB(商品名;吉冨製薬株式会社製の有機アミン)、アクチングSL(同左)などのアミン類、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、レシチン、トリアリルートリメリテート、脂肪族及び芳香族カルボン酸の亜鉛化合物(例えば、商品名;Struktol activator 73、Schill & Seilacher社製)、商品名Struktol IB 531、Struktol FA541などのSchill & Seilacher社製アミン系活性剤、商品名;ZEONET ZP(日本ゼオン株式会社製)などの過酸化亜鉛調整物、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロミド、合成ハイドロタルサイト、特殊四級アンモニウム化合物(例えば、商品名;アーカード2HT、ライオン・アクゾ株式会社製)などが挙げられる。
活性剤の量は、通常、ゴム組成物100重量部に対して、最大10重量部、好ましくは最大8重量部、更に好ましくは最大5重量部である。
第3に、本発明のスポンジ用ゴム組成物について説明する。
ゴム組成物の組成
本発明のゴム組成物は、共重合体(A1)を100重量部に対して、上記の(B)から(F)を含んでなり、また、上記の(G)は好ましく追加して用いられる。更に、上記のその他の成分の項に記載した各種成分を必要に応じて適宜追加して用いられる。
a)ゴム組成物における共重合体(A1)以外のゴム
本発明のゴム組成物に用いられる共重合体(A1)は、共重合体(A1)に以外に他のゴムが追加されても差し支えない。
他のゴムには、本発明の共重合体(A1)おとび共重合体(A2)を含まない。
他のゴムは、追加される他のゴムの特性とその量の両方を勘案して追加され、本願のゴム組成物の特性を損なわない範囲で、その用途により適宜選択でき、単独でも2種以上混合して用いることができる。他のゴムの具体的例としては、本発明で用いられる共重合体(A1)および共重合体(A2)以外のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム、エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム、天然ゴム(NR)、およびイソプレンゴム(IR)等のイソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、およびクロロプレンゴム(CR)等の共役ジエン系ゴム、更にはブチルゴム(IIR)などが挙げられる。
更に詳しくは、上記のエチレン・α−オレフィン共重合体ゴムとしては、エチレン・プロピレンランダム共重合体(EPR)などが、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムとしては、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム(EPDM)などが挙げられる。
他のゴムの量は、本願のゴム組成物の特性を損なわない範囲内で配合され、ゴム組成物を100重量%として、0重量%から最大50重量%、好ましくは最大30重量%であり、更に好ましくは10重量%である。
b)ゴム組成物中におけるゴムの量
本発明のゴム組成物は、共重合体(A1)を含む。共重合体(A1)の量は、要求されるスポンジの物性や特性によって、適宜、配合量を決定することが望ましい。好ましい量は、本発明のスポンジ用ゴム組成物を100重量%として、20〜35重量%である。特に最も好ましい量は、23〜33重量%である。
c)非配合の加硫促進剤
本発明のゴム組成物は、上記の(C)、(D)および(E)に記載の加硫促進剤を含むが、一般的にも用いられるチオウレア系加硫促進剤を含まない。チオウレア系加硫促進剤の具体的例としては、2−イミダゾリン−2−チオール、N,N−ジエチルチオ尿素、N,N'−ジブチルチオ尿素、およびトリメチルチオ尿素などが挙げられる。
加硫促進剤は、その効力により、1群;弱、2群;中庸、3群;強、および4群;超の4つに分類した場合、1群−1;アルデヒド・アンモニア類、1群−2;アルデヒド・アミン類、2群−1;アルデヒド・アミン類の一部、2群−2;グアニジン類、2群−3;チオウレア類、3群−1;アルデヒド・アミン類の一部、3群−2;チアゾール類、4群−1;チウラム類、4群−2;ジチオ酸塩類、4群−3;キサンテート類に分類される(永井進氏監修、大阪市立工業研究所プラスチック課編集、実用プラスチック用語辞典、改訂第3版、150ページ、1989年9月、株式会社プラスチック・エージ(東京)より発行を参照)。チオウレア系加硫促進剤は、上記の通りその効力が中庸に分類され、本発明のゴム組成物を得るには、その効力が不十分である。
ゴム組成物の製造方法
a)ゴム組成物およびスポンジの製造方法
本発明のゴム組成物およびスポンジは、例えば次のような製造方法で得られる。
先ず、本発明のゴム組成物における加硫および発泡する前のゴム組成物は、バンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー(密閉式混合機)類により、(A)の共重合体ゴム(A1)、並びに必要に応じて用いられる(G)の共重合体(A2)、補強剤、無機充填材、軟化剤、老化防止剤、および加工助剤等の各種添加剤を、好ましくは80〜170℃の温度で3〜10分間混練する。
次に、上記の混練物に、(F)の加硫剤、(C)、(D)および(E)の加硫促進剤、および(B)の発泡剤、並びに必要に応じて用いられる触媒、加硫助剤または架橋助剤、および発泡助剤等の各種添加剤を追加混合し、オープンロールのようなロール類、あるいはニーダーを用いて、好ましくはロール温度80℃以下で1〜30分間混練して分出しする。(G)の共重合体(A2)は、前工程または現工程で加えることができ、あるいは両工程で分割して加えることができる。
インターナルミキサー類を用いて混練温度が低い場合には、上記の2つの工程をまとめて1つの工程で全てを同時に混練することもできる。また、上記の工程を経て得られた混練物は、必要に応じてストランド状、リボン状やペレット状などの任意の形にしても差し支えない。
上記のようにして得られた加硫する前のゴム組成物は、押出成形機、カレンダーロール、プレス、インジェクション成形機、トランスファー成形機などを用いる種々の成形法より、意図する形状に成形され、成形と同時にまたは成分物を加硫槽内に導入し、120〜270℃の温度で1〜30分間加熱することで、架硫と発泡を行う。
加硫槽における加熱方法としては、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波電磁波)、スチームなどの加熱槽を用いることができる。加硫は、光、γ線、電子線を照射することでも行え、加熱との併用も可能である。光、γ線、電子線の照射による加硫は、金型を用いてもよいし、また金型を用いないで実施してもよい。金型を用いない場合は成形、加硫の工程は通常連続的に実施される。
意図する形状に成形し、発泡した後、加硫を行ういわゆる非動的架橋の場合、酸素の存在下で架橋が可能であること、特に上記熱空気等により架橋できることは、特に有益である。酸素の存在下で架橋を行うことが可能であれば、架橋槽を密閉状態とし、かつ酸素を排除する必要が無く、装置の簡略化、工程の短縮化が可能となるからである。このような利点は、押出成形された成形体を生産する場合に特に顕著となる。
本発明のゴム組成物を架橋および発泡して得られるスポンジは、比重が低く軽量化され、意匠性にも優れ、しかもスポンジの生産安定性にも優れる。
b)特定な比重のスポンジの製造方法
本発明のゴム組成物を架橋および発泡することにより得られるスポンジの製造方法は、スポンジの比重を制御することができ、比重が0.35〜0.55であることが好ましい。
スポンジの比重が上記範囲となるためには、本発明のゴム組成物に加えられる加硫促進剤が、(C−1)から(C−3)より選ばれた少なくとも1種以上の加硫促進剤を合計1.0〜6.5重量部、(D)の加硫促進剤を0.01〜1.0重量部および(E)の加硫促進剤を0.01〜3.0重量部であることが必須であり、それらの加硫促進剤を同時に用いるによって、上記範囲が達成させる。それらの組合せは、加硫剤と加硫促進剤とによる本発明のゴム組成物に対する加硫速度の制御、および発泡剤による本発明のゴム組成物に対する発泡速度の制御とを同時に行う上で、必須で最適であることが本発明によって明らかにされた。
スポンジの比重が0.35未満では、スポンジが柔らか過ぎて使用に耐えられず、スポンジ本来のシール性や遮音性に欠ける問題を生じる。比重が0.55を超えると、本発明の課題でもあるスポンジの軽量化が達成されない。
c)特定な表面肌粗さのスポンジ製造方法
本発明のゴム組成物を架橋および発泡することにより得られるスポンジの製造方法は、スポンジの表面の肌粗さを制御することができ、表面の肌粗さが15μm以下である。好ましくは12μm以下である。表面の肌粗さが15μmを超えると、目視による観察で、外観のザラツキ感や粗雑さ感が目立ち、滑らかさに欠け、空孔によるスポンジ全体としての見かけの色相も劣り、商品としての意匠性に問題が生じる。
スポンジの表面の肌粗さが上記範囲となるためには、本発明のゴム組成物に加えられる加硫促進剤が、(C−1)から(C−3)より選ばれた少なくとも1種以上の加硫促進剤を合計1.0〜6.5重量部、(D)の加硫促進剤を0.01〜1.0重量部および(E)の加硫促進剤を0.01〜3.0重量部であることが必須であり、それらの加硫促進剤を同時に用いるによって、上記範囲が達成させる。それらの組合せは、加硫剤と加硫促進剤とによる本発明のゴム組成物に対する加硫速度の制御、および発泡剤による本発明のゴム組成物に対する発泡速度の制御とを同時に行う上で、必須で最適であることが本発明によって明らかにされた。
スポンジの圧縮永久歪み
本発明のゴム組成物を用いて上記のスポンジの製造方法により得られるスポンジの圧縮
永久歪みとは、具体的な用途を挙げて説明すると、例えば自動車のドア周りをシールする部品であるウェザーストリップの場合、そのシール性を評価する指標であり、値が小さければスポンジの圧縮永久歪みが小さく優れることを示す。圧縮永久歪みが大きいことはドアがしまった状態でスポンジが元に戻らないことを意味し、それが小さいことにより、水・音・埃の車室内への侵入防止、ドア開閉時の衝撃緩和が達成される。
本発明で得られるスポンジの圧縮永久歪は、70℃22時間の条件下で、30%以下であり、好ましくは25%以下であり、後述する実施例では20%以下を達成している。
スポンジの用途
本発明のゴム組成物を架橋および発泡することにより得られるスポンジは、自動車用部品、産業用機械部品、OA機器用部品、家電用部品、建築材料、土木材料、電気材料部品、電子材料部品、半導体材料、各種被覆材料、各種防音材料、各種断熱材料、各種包装材料、各種緩衝材料、各種振動吸収材料、各種防振材料などで有用である。有用とする部品や材料は上記の記載によって制限はされない。
より具体的には、自動車用、家電用、および土木建築用のシールスポンジ、自動車用、家電用、および土木建築用のプロテクトスポンジ、自動車用、家電用、および土木建築用のクッションスポンジ、自動車用、家電用、および土木建築用の断熱スポンジが挙げられる。
自動車部品でより具体的には、自動車用ウェザーストリップスポンジとして、ドアーウェザーストリップスポンジ、ボンネットウェザーストリップスポンジ、トランクルームウェザーストリップスポンジ、サンルーフウェザーストリップスポンジ、ベンチレーターウェザーストリップスポンジ、コーナースポンジなどが例示できる。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例および比較例における各種物性測定およびその試験方法は以下の通りに行った。
(1)共重合体の組成;13C−NMR法で測定した。
(2)共重合体のヨウ素価(単位;g/100g);滴定法により求めた。
(3)極限粘度[η](単位;dl/g);135℃デカリン中で測定した。
(4)分子量分布Mw/Mn;GPCより求めた。
(5)比重;加硫したチューブ状スポンジゴムの上部から20mm×20mmの試験片を打ち抜き、その表面の汚れをアルコールで拭き取った。次いで、この試験片を、25℃雰囲気下で自動比重計[東洋精機製作所社製、型番M−1型]の所定の位置に取り付け、空気中と純水中の質量の差から比重測定を行った。
(6)圧縮永久歪試験Cs(単位;%);スポンジ成形体から幅40mm、厚み20mm、長さ60mmとなるように打ち抜き刃で抜き取り、厚みが10mmとなるように圧縮し、70℃で22時間処理した後、取り出し、その30分後に製品の厚み(t)を求め、次式より圧縮永久歪を算出した。
Cs(%)=[(20−t)/(20−10)]×100
(7)表面粗度RzD(単位;μm);JIS B 0601に従い以下の方法で求めた。連続・押出し加硫成形して得られたチューブ状ないし紐状の加硫ゴム(発泡)成形体を30mmの長さに切断し、表面粗度測定用試料を準備した。表面粗度の測定は、東京精密社製表面粗さ計を用いて行なった。具体的には、この表面粗さ計の針先端をチューブ状ないし紐状の加硫ゴム(発泡)成形体の頂上に合せ、スキャン速度0.3mm/sec、スキャン進行範囲1cmの条件で表面粗度試験を行った。
[実施例3、4および比較例1〜
本実施例および比較例で用いたエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)および添加するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A2)を表1に示す。それらの種類と組合せにより、表1に示すように、原料ゴムA、B、およびCと略す。
表1に示した原料ゴムA、B、およびCを用いて、表2に示す配合からなる組成物を調製し、これをバンバリーミキサー(神戸製鋼所社製、BB16型)を用いて、150℃で5分間混練した。冷却後、得られた混練物(全量)に、表2に示す各種加硫剤、加硫促進剤、発泡剤を加えて、14インチオープンロール(日本ロール社製)で7分間、ロール温度50℃で混練してゴム組成物を得た。そのロールからリボン状に切り出した。
次いで、この未加硫ゴム配合物をチューブ状ダイス(内径10mm、肉厚1mm)を装着した50mmゴム用押出機を用いて、ダイス温度80℃、シリンダー温度60℃の条件で押し出してチューブ状に成形した。この成形体を250℃の熱風加硫槽中で5分間加硫してスポンジゴムを得た。
組成物の調整に使用した原料ゴムおよび各種の配合剤は次の種類を用いた。
(1)エチレン・αオレフィン・非共役ポリエン共重合体(A1)
・エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体
・三井化学社製 三井EPT8120E
・エチレン含量:69.3モル%
(エチレン含量+プロピレン含量+ジエン含量=100重量%)
・ヨウ素価:29g/100g
・[η]:3.1dl/g
・Mw/Mn=6.6
(2)エチレン・αオレフィン・非共役ポリエン共重合
・表1の原料ゴムBで用いた共重合体:三井化学社製 タフマーDF140
DF140の組成;エチレン含量:95モル%、ジエン含量:0モル%
・表1の原料ゴムCで用いた共重合体(A2):三井化学社製 三井エラストマーK9720
K9720の組成;エチレン含量:90.0モル%、ジエン含量:2.7モル%
(3)酸化亜鉛:活性亜鉛華(井上石灰工業社製、商品名;メタZ102)、比表面積:20(m2/g)
(4)カーボンブラック:SRF−HSカーボンブラック(旭カーボン社製、商品名;旭#50HG)
(5)軟化剤:パラフィン系プロセスオイル(出光興産社製、商品名;ダイアナプロセスオイルPS−430)
(6)発泡剤:p,p’−オキシビス(ベンゼンスホニルヒドラジド)(永和化成工業社製、商品名;ネオセルボンTM1000SW)
(7)脱泡剤:酸化カルシウム(井上石灰工業社製、商品名;ベスタ20)
(8)加硫剤:イオウ(国内試薬メーカーの市販品をそのまま用いた)
(9)加工助剤:ステアリン酸(日本油脂社製)
(10)加硫促進剤:(全て三新化学工業社製、下記の括弧内は、略名と商品名を示す)
(a)2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT、サンセラーM)
(b)ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT、サンセラーTRA)
(c)ジエチルジチオカルバミン酸テルル(TeEDC、サンセラーTE)
(d)エチレンチオ尿素(EU、サンセラー22)
(e)N−シクロヘキシルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド
(CBS、サンセラーCM)
(f)ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnEDC、サンセラーEZ)
(11)無機充填剤:重質炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、商品名;ホワイトンSB)
Figure 0004603423
Figure 0004603423

本発明のゴム組成物が、チオウレア系加硫促進剤を用いることなく、比重が低く軽量化されスポンジ、および意匠性が優れたスポンジを与え、しかも該スポンジの生産安定性が有するスポンジの製造方法が得ることから、自動車用部品、産業用機械部品、OA機器用部品、家電用部品、建築材料、土木材料、電気材料部品、電子材料部品、半導体材料、各種被覆材料、各種防音材料、各種断熱材料、各種包装材料、各種緩衝材料、各種振動吸収材料、各種防振材料などに有用である。















Claims (6)

  1. 以下の(A)〜()を含んでなることを特徴とするスポンジ用ゴム組成物;
    (A)エチレン含量が50〜80モル%であるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A1)を100重量部
    (B)発泡剤を2.0〜6.0重量部
    (C)以下の(C−1)から(C−3)より選ばれた加硫促進剤のうち少なくとも1種以上を合計1.0〜6.5重量部
    (C−1)チアゾール系加硫促進剤
    (C−2)チウラム系加硫促進剤
    (C−3)ジチオカルバミン酸亜鉛塩系加硫促進剤
    (D)ジチオカルバミン酸金属塩系加硫促進剤であって、該金属がテルル、銅、鉄、およびナトリウムから選ばれた少なくとも1種以上である該加硫促進剤を0.01〜1.0重量部
    (E)ベンゾチアゾールのスルフェンアミド系加硫促進剤を0.01〜3.0重量部
    (F)加硫剤を0.5〜2.5重量部
    (G)エチレン含量が85〜99モル%であり、非共役ポリエン含量が0.1〜3.5モル%であるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A2)を10〜25重量部
  2. スポンジ用ゴム組成物中の、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A1)の量が、20〜35重量%であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. ゴム組成物がチオウレア系加硫促進剤を含まないことを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の組成物を架橋発泡させることを特徴とするスポンジの製造方法。
  5. スポンジの比重が0.35〜0.55であることを特徴とする請求項記載のスポンジの製造方法。
  6. スポンジの表面肌粗さが15μm以下であることを特徴とする請求項またはのいずれかに記載のスポンジの製造方法。
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