JP3908000B2 - 架橋可能なゴム組成物およびその用途 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、架橋可能なゴム組成物およびその用途に関し、さらに詳しくは、架橋速度が速く生産性に優れ、HAV(ホットエアー加硫槽)、UHF(極超短波電磁波)などの熱空気架橋が可能であり、しかも、耐圧縮永久歪み性、強度特性、耐熱性、耐候性、摩耗性、柔軟性、耐屈曲疲労性などの特性に優れる、架橋可能なゴム組成物およびその用途に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
EPDMなどのエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体は、一般に、耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優れており、自動車用工業部品、工業用ゴム製品、電気絶縁材、土木建築用材、ゴム引き布などに用いられている。従来のエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体は、シリコーンゴムなどに比べて耐圧縮永久歪み性が劣るという欠点がある。
【0003】
この欠点を解決する方法としてイオウ加硫からパーオキサイド架橋にするとの方法は効果的であるが、この方法では、HAV(ホットエアー加硫槽)、UHF(極超短波電磁波)などの熱空気架橋をする場合、ゴム表面が架橋しない、あるいは崩壊(デグラデイション)を起こし耐傷付き性が著しく劣るという欠点がある。この原因は、パーオキサイドが架橋に関与せず、ゴム表面が酸素と触れることで崩壊が進むためであり、酸素を遮断するスチーム架橋、被鉛架橋などで架橋させればゴム表面の耐傷付き性は改良されるものの、生産コストの面で不利となる。
【0004】
また特開平4−154855号公報には、HAVで熱空気架橋可能なEPDM/SiH/Pt系化合物からなるオレフィン系ゴム組成物が開示されているが、このゴム組成物の耐傷付き性、耐圧縮永久歪み性は十分に満足するものではなかった。
したがって、生産コストに優れる熱空気架橋(HAV、UHFなど)で架橋することができ、さらに耐傷付き性、耐圧縮永久歪み性に優れるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体組成物の出現が望まれている。
【0005】
そこで、本願発明者らは、特定の非共役環状ポリエンを選択したエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A)、SiH基を1分子中に少なくとも2個持つSiH基含有化合物(B)、および必要に応じて触媒(C)、反応抑制剤(D)からなるゴム組成物は、生産コストに優れる熱空気架橋(HAV、UHFなど)で架橋でき、しかも耐傷付き性および耐圧縮永久歪み性に優れる成形体を製造できることを見出し、その発明を特開2001−49057号公報に開示している。
【0006】
しかしながら、特定の環状非共役ポリエンを選択したエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体を用いると、柔軟性、耐屈曲疲労性、が劣ることが分かった。
そこで、本願発明者らは、特定の非共役鎖状ポリエンを選択したエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A)、SiH基を1分子中に少なくとも2個持つSiH基含有化合物(B)、触媒(C)、および必要に応じて反応抑制剤(D)からなるゴム組成物は、生産コストに優れる熱空気架橋(HAV、UHFなど)で架橋でき、しかも耐傷付き性および耐圧縮永久歪み性、強度特性、耐熱性、磨耗性、柔軟性、耐屈曲疲労性に優れる成形体を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、架橋速度が速く生産性に優れ、HAV(ホットエアー加硫槽)、UHF(極超短波電磁波)などの熱空気架橋が可能であり、しかも、耐圧縮永久歪み性、強度特性、耐熱性、耐候性、耐摩耗性、柔軟性、耐屈曲疲労性などの特性に優れる架橋ゴム成形体を調製できる、架橋可能なゴム組成物、およびその組成物からなる自動車用ウェザーストリップ、ホース、防振ゴム、ベルト、シール材、発泡体、被覆電線、電線ジョイント、電気絶縁部品、家庭用ゴム製品、常温架橋ゴム製品、熱可塑エラストマー、エンジニアリングプラスチック、熱可塑性プラスチックを提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】
本発明に係る架橋可能なゴム組成物は、
135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1.0〜10dl/gであるエチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)と、
SiH基を1分子中に少なくとも2個持つSiH基含有化合物(B)と、
触媒(C)と
からなることを特徴としている。
【0009】
このゴム組成物は、さらに反応抑制剤(D)を含有していてもよい。
前記エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)を構成する非共役鎖状ポリエンが非共役鎖状トリエンであることが望ましい。
この非共役鎖状トリエンは、下記一般式[I]で表わされる非共役鎖状トリエンが特に好ましい。
【0010】
【化3】
【0011】
[式中、nは1〜5の整数であり、
R1は炭素原子数1〜5のアルキル基であり、
R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である。]
また、前記エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)を構成する非共役鎖状ポリエンとして非共役鎖状ジエンも望ましい。
【0012】
非共役ジエンとしては、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、2-メチル-1,4- ペンタジエン、1,7-オクタジエン、1,17- オクタデカジエンが挙げられる。また、非共役鎖状ジエンとしては、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、2-メチル-1,4- ペンタジエン、1,7-オクタジエンおよび1,17- オクタデカジエン以外の非共役鎖状ジエンも好ましく用いられる。
【0013】
前記エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A)は、
(i)1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、2-メチル-1,4- ペンタジエン、1, 7-オクタジエンおよび1,17- オクタデカジエンから選ばれた非共役鎖状ジエンから誘導される構成単位を有し、
(ii)ヨウ素価が0.5〜30の範囲にあり、
(iii) 分岐指数が0.8〜1の範囲にある
ことが好ましい。
【0014】
前記エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)を構成する非共役鎖状ポリエンは、不飽和結合として、1個のビニル基と、下記の式(a)で表わされる基1種以上と、必要に応じて、下記の式(b)で表わされる基とを含む非共役鎖状ポリエンである。
−C(R6)=C(R5)(R4) ・・・(a)
[式中、R4は炭素原子数1〜5のアルキル基であり、
R6およびR5は、それぞれ独立して、水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である。]
【0015】
【化4】
【0016】
[式中、R7は炭素原子数1〜5のアルキル基であり、
R8は、水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である。]
特に、前記エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)を構成する非共役鎖状ポリエンの前記式(a)で表わされる基において、R4が炭素原子数1〜5のアルキル基であり、R6およびR5が、それぞれ独立して、水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基であり、さらにR6またはR5の少なくとも1つが炭化水素基であることが好ましい。また、前記エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)を構成する非共役鎖状ポリエンは、前記式(a)で表わされる基と前記式(b)で表わされる基の両方を有することがより好ましい。
【0017】
前記エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)を構成する非共役鎖状ポリエンとしては、特に2つ以上のビニル基を有する非共役鎖状ポリエンが好ましい。
前記触媒(C)としては、白金系触媒が好ましく用いられる。
本発明に係る架橋可能なゴム組成物は、
自動車用ウェザーストリップ;自動車用ホース、送水用ホース、ガス用ホース;自動車用防振ゴム、鉄道用防振ゴム、産業機械用防振ゴム、建築用免震ゴム;伝動ベルト、搬送用ベルト;自動車用カップ・シール材、産業機械用シール材;自動車用ウェザーストリップスポンジ、建築用シールスポンジまたは他の発泡体;被覆電線、電線ジョイント、電気絶縁部品、半導電ゴム部品;OA機器用ロール、工業用ロール;家庭用ゴム製品などの製造の際に好適に用いられる。
【0018】
前記エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)を含有してなる、本発明に係るゴム組成物は、常温での架橋が可能であり、常温架橋ゴム用に好適に用いられる。さらに、熱可塑性エラストマーの製造の際に用いることができるし、エンジニアリングプラスチックや熱可塑性プラスチックの改質にも用いることができる。
【0019】
本発明に係る自動車用ウェザーストリップ、ホース(自動車用ホース、送水用ホース、ガス用ホース)、防振ゴム(自動車用防振ゴム、鉄道用防振ゴム、産業機械用防振ゴム、建築用免震ゴム)、ベルト(伝動ベルト、搬送用ベルト)、シール材(自動車用カップ・シール材、産業機械用シール材)、発泡体(自動車用ウェザーストリップスポンジ、建築用シールスポンジおよび他の発泡体)、被覆電線、電線ジョイント、電気絶縁部品、半導電ゴム部品、OA機器用ロール、工業用ロールおよび家庭用ゴム製品および常温架橋ゴム製品は、本発明に係る架橋可能なゴム組成物からなることを特徴としている。
【0020】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る架橋可能なゴム組成物およびその用途について具体的に説明する。
本発明に係る架橋可能なゴム組成物は、特定のエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A)、SiH基を1分子中に少なくとも2個持つSiH基含有化合物(B)、触媒(C)、および必要に応じて反応抑制剤(D)を含有してなる。
【0021】
エチレン・α - オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A)
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A)は、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、非共役鎖状ポリエンとのランダム共重合体である。
このような炭素原子数3〜20のα- オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1- ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、9-メチル-1- デセン、11- メチル-1- ドデセン、12- エチル-1- テトラデセンなどが挙げられる。中でも、炭素原子数3〜10のα- オレフィンが好ましく、特にプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどが好ましく用いられる。
【0022】
これらのα- オレフィンは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。
本発明で用いられる非共役鎖状ポリエンは通常、炭素原子数が5〜20、好ましくは5〜12である。
本発明で用いられる非共役鎖状ポリエンとしては、非共役鎖状トリエン、非共役鎖状ジエンが望ましい。
【0023】
この非共役鎖状トリエンは、1つ以上のビニル基を含み、残りの二重結合のうち一つがビニル基を含まないトリエン分子末端から炭素―炭素結合を数えたときに、4個以内に存在することが好ましい。中でも、下記一般式[I]で表わされる非共役鎖状トリエンが特に好ましい。
【0024】
【化5】
【0025】
式[I]中、nは1〜5の整数であり、R1は炭素原子数1〜5のアルキル基であり、R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である。
炭素原子数1〜5のアルキル基としては、具体的に、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、i-ペンチル基などが挙げられる。
【0026】
このようなトリエン化合物としては、具体的に下記(1)〜(24)に例示するような化合物が挙げられる。中でも、(5)、(6)、(9)、(11)、(14)、(19)、(20)の分岐鎖状ポリエン化合物が好ましく用いられる。
(1)4-エチリデン-1,6- オクタジエン
(2)7-メチル-4- エチリデン-1,6- オクタジエン
(3)7-メチル-4- エチリデン-1,6- ノナジエン
(4)7-エチル-4- エチリデン-1,6- ノナジエン
(5)6,7-ジメチル-4- エチリデン-1,6- オクタジエン
(6)6,7-ジメチル-4- エチリデン-1,6- ノナジエン
(7)4-エチリデン-1,6- デカジエン
(8)7-メチル-4- エチリデン-1,6- デカジエン
(9)7-メチル-6- プロピル-4- エチリデン-1,6- オクタジエン
(10)4-エチリデン-1,7- ノナジエン
(11)8-メチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエン(EMND)
(12)4-エチリデン-1,7- ウンデカジエン
(13)8-メチル-4- エチリデン-1,7- ウンデカジエン
(14)7,8-ジメチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエン
(15)7,8-ジメチル-4- エチリデン-1,7- デカジエン
(16)7,8-ジメチル-4- エチリデン-1,7- ウンデカジエン
(17)8-メチル-7- エチル-4- エチリデン-1,7- ウンデカジエン
(18)7,8-ジエチル-4- エチリデン-1,7- デカジエン
(19)9-メチル-4- エチリデン-1,8- デカジエン
(20)8,9-ジメチル-4- エチリデン-1,8- デカジエン
(21)10- メチル-4- エチリデン-1,9- ウンデカジエン
(22)9,10- ジメチル-4- エチリデン-1,9- ウンデカジエン
(23)11- メチル-4- エチリデン-1,10-ドデカジエン
(24)10,11-ジメチル-4- エチリデン-1,10-ドデカジエン
これらは、単独であるいは2種以上組合わせて用いることができる。
【0027】
上記の非共役鎖状トリエン化合物は、トランス体およびシス体の混合物であってもよく、トランス体単独またはシス体単独であってもよい。
このようなトリエン化合物は、本願出願人の出願に係る特開平8−325334号公報に記載の方法によって調製することができる。
すなわち、下記[I−a]で示される共役ジエンを有する化合物とエチレンとを、遷移金属化合物および有機アルミニウム化合物からなる触媒の存在下に反応させることにより製造することができる。
【0028】
【化6】
【0029】
(式[I−a]中、n、R1、R2およびR3は、それぞれ上述した一般式[I]におけるn、R1、R2およびR3と同じである。)
本発明で共重合体(A)として用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役鎖状トリエンランダム共重合体は、上記のようなエチレン、α- オレフィン、および非共役鎖状ポリエンたとえば一般式[I]で表わされる非共役鎖状トリエン化合物それぞれの単量体から誘導される構成単位が、ランダムに配列して結合し、トリエン化合物に起因する分岐構造を有するとともに、主鎖は、実質的に線状構造となっている。
【0030】
この共重合体が実質的に線状構造を有しており実質的にゲル状架橋重合体を含有しないことは、この共重合体が有機溶媒に溶解し、不溶分を実質的に含まないことにより確認することができる。たとえば極限粘度[η]を測定する際に、この共重合体が135℃中のデカリンに完全に溶解することにより確認することができる。
【0031】
また、このような共重合体(A)において、分岐鎖状ポリエン化合物から誘導される構成単位は、実質的に下記式[II]で示される構造を有している。
【0032】
【化7】
【0033】
[式[II]中、n、R1、R2およびR3は、それぞれ上述した一般式[I]におけるn、R1、R2およびR3と同じである。]
なお、上記トリエン化合物から誘導される構成単位が上記構造を有していることは、この共重合体の13C−NMRスペクトルを測定することによって確認することができる。
【0034】
また、他の非共役鎖状トリエンとして、下記の一般式[III]で表わされるトリエン化合物を挙げることができる。
【0035】
【化8】
【0036】
式[III]中、R9およびR10は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基またはエチル基であり、R11およびR12は、それぞれ独立して、メチル基またはエチル基である。
式[III]で表わされるトリエン化合物の中では、R11およびR12のいずれもメチル基である化合物が好ましく、このようなトリエン化合物を用いて得られたエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体は、架橋速度とスコーチ特性とのバランスに特に優れている。
【0037】
式[III]で表わされるトリエン化合物としては、具体的には、以下のような化合物などが挙げることができる。
【0038】
【化9】
【0039】
上記トリエン化合物の中では、第1番目に例示した4,8-ジメチル-1,4,8- デカトリエン(以下、DMDTと略記する場合がある。)が好ましい。上記式[III]で表わされるトリエン化合物は、通常立体異性構造(トランス体、シス体)を有しているが、モノマーとして用いるトリエン化合物はトランス体およびシス体の混合物であってもよく、またトランス体単独またはシス体単独であってもよい。 このようなトリエン化合物は、本願出願人の出願に係わる特開2000−297121号公報に記載の方法によって調製することができる。
【0040】
すなわち、下記式[IV]で表わされる共役ジエン含有トリエン化合物(以下、共役ジエン構造含有トリエン化合物という。)とエチレンとを、遷移金属化合物および有機アルミニウム化合物からなる触媒の存在下に反応させることにより製造することができる。
【0041】
【化10】
【0042】
この式[IV]で表わされる共役ジエン構造含有トリエン化合物としては、具体的には、次のような化合物などが挙げられる。
【0043】
【化11】
【0044】
【化12】
【0045】
本発明で共重合体(A)として用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体は、エチレン、炭素原子数3〜20のα- オレフィン、および非共役鎖状ポリエンたとえば前記式[III]で表わされるトリエン化合物に由来する構造単位が、それぞれランダムに配列して結合している。そして前記式[III]で表わされるトリエン化合物に起因する不飽和結合を有している。本発明で共重合体(A)として用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役鎖状トリエン共重合体の主鎖は実質的に線状構造である。
【0046】
エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状トリエン共重合体が実質的に線状構造を有しており実質的にゲル状架橋重合体を含有しないことは、共重合体が有機溶媒に溶解し、不溶分を実質的に含まないことにより確認することができる。たとえば、極限粘度[η]を測定する際に、共重合体が135℃デカリンに完全に溶解することにより確認することができる。
【0047】
また、このような共重合体において、トリエン化合物から誘導される構造単位は、実質的に下記式[V]で表わされる構造を有している。
【0048】
【化13】
【0049】
また、前記エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)を構成する非共役鎖状ポリエンとして非共役鎖状ジエンも望ましい。
非共役鎖状ジエンとしては、たとえば1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、2-メチル-1,4- ペンタジエン、1,7-オクタジエンおよび1,17- オクタデカジエンが挙げられる。
【0050】
また、非共役鎖状ジエンとしては、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、2-メチル-1,4- ペンタジエン、1,7-オクタジエンおよび1,17- オクタデカジエン以外の非共役鎖状ジエンも好ましく用いられる。
このような好ましく用いられる非共役鎖状ジエンとしては、具体的には、1,4-ペンタジエン、3-メチル-1,4- ペンタジエン、4-メチル-1,4- ペンタジエン、3-メチル-1,4- ヘキサジエン、4-メチル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-1,4- ヘキサジエン、4,5-ジメチル-1,4- ヘキサジエン、1,4-ヘプタジエン、1,5-ヘプタジエン、1,6-ヘプタジエン、3-メチル-1,4- ヘプタジエン、6-メチル-1,4- ヘプタジエン、3-メチル-1,5- ヘプタジエン、4-メチル-1,5- ヘプタジエン、3-メチル-1,6- ヘプタジエン、4-メチル-1,6- ヘプタジエン、5-メチル-1,6- ヘプタジエン、1,4-オクタジエン、1,5-オクタジエン、1,6-オクタジエン、3-メチル-1,4- オクタジエン、6-メチル-1,4- オクタジエン、7-メチル-1,4- オクタジエン、3-メチル-1,5- オクタジエン、4-メチル-1,5- オクタジエン、7-メチル-1,5- オクタジエン、3-メチル-1,6- オクタジエン、4-メチル-1,6- オクタジエン、5-メチル-1,6- オクタジエン、6-メチル-1,6- オクタジエン、7-メチル-1,6- オクタジエン、6-エチル-1,6- オクタジエン、6-プロピル-1,6- オクタジエン、6-ブチル-1,6- オクタジエン、3-メチル-1,7- オクタジエン、4-メチル-1,7- オクタジエン、5-メチル-1,7- オクタジエン、6-メチル-1,7- オクタジエン、1,5-ノナジエン、1,6-ノナジエン、1,7-ノナジエン、1,8-ノナジエン、3-メチル-1,5- ノナジエン、4-メチル-1,5- ノナジエン、7-メチル-1,5- ノナジエン、8-メチル-1,5- ノナジエン、3-メチル-1,6- ノナジエン、4-メチル-1,6- ノナジエン、5-メチル-1,6- ノナジエン、8-メチル-1,6- ノナジエン、3-メチル-1,7- ノナジエン、4-メチル-1,7- ノナジエン、5-メチル-1,7- ノナジエン、6-メチル-1,7- ノナジエン、3-メチル-1,8- ノナジエン、4-メチル-1,8- ノナジエン、5-メチル-1,8- ノナジエン、6-メチル-1,8- ノナジエン、7-メチル-1,8- ノナジエン、6-メチル-1,6- ノナジエン、7-メチル-1,6- ノナジエン、6-エチル-1,6- ノナジエン、7-エチル-1,6- ノナジエン、1,6-デカジエン、1,7-デカジエン、1,8-デカジエン、1,9-デカジエン、3-メチル-1,6- デカジエン、4-メチル-1,6- デカジエン、5-メチル-1,6- デカジエン、8-メチル-1,6- デカジエン、9-メチル-1,6- デカジエン、3-メチル-1,7- デカジエン、4-メチル-1,7- デカジエン、5-メチル-1,7- デカジエン、6-メチル-1,7- デカジエン、9-メチル-1,7- デカジエン、3-メチル-1,8- デカジエン、4-メチル-1,8- デカジエン、5-メチル-1,8- デカジエン、6-メチル-1,8- デカジエン、7-メチル-1,8- デカジエン、3-メチル-1,9- デカジエン、4-メチル-1,9- デカジエン、5-メチル-1,9- デカジエン、6-メチル-1,9- デカジエン、7-メチル-1,9- デカジエン、8-メチル-1,9- デカジエン、6-メチル-1,6- デカジエン、7-メチル-1,6- デカジエン、6-メチル-1,6- ウンデカジエンなどが挙げられる。本発明では、このような非共役鎖状ポリエンを一成分とするため、特に柔軟性に優れる。柔軟性は、硬さやモジュラスなどで表わされ、一般的に柔軟性が優れるほど外部エネルギーを吸収し易くなる。
【0051】
上記のようなエチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、2-メチル-1,4- ヘキサジエン、1,7-オクタジエンおよび1,17- オクタデカジエン以外の非共役鎖状ポリエン等とからなるエチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)は、以下のような特性を有していることが好ましい。
(i)エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとのモル比(エチレン/α- オレフィン)
エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)は、(a)エチレンから導かれる単位と(b)炭素原子数3〜20のα- オレフィン(以下単にα- オレフィンということがある)から導かれる単位とを、40/60〜95/5、好ましくは50/50〜90/10、さらに好ましくは55/45〜85/15、特に好ましくは60/40〜80/20のモル比[(a)/(b)]で含有している。
【0052】
このモル比が上記範囲内にあると、耐熱老化性、強度特性およびゴム弾性に優れるとともに、耐寒性および加工性に優れた架橋ゴム成形体を提供できるゴム組成物が得られる。
(ii)ヨウ素価
エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)のヨウ素価は、上限が50、好ましくは40、さらに好ましくは30、特に好ましくは20であり、下限は0.5、好ましくは0.8、さらに好ましくは1、特に好ましくは1.5である。
【0053】
このヨウ素価が上記範囲内にあると、架橋効率の高いゴム組成物が得られ、耐圧縮永久歪み性に優れるとともに、耐環境劣化性(=耐熱老化性)に優れた架橋ゴム成形体を提供できるゴム組成物が得られる。ヨウ素価が50を超えると、コスト的に不利になるので好ましくない。
(iii)極限粘度
エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)の135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は、1.0〜10dl/g、好ましくは1.0〜8dl/g、さらに好ましくは1.0〜6dl/g、特に好ましくは1.0〜5dl/gであることが望ましい。
【0054】
この極限粘度[η]が上記範囲内にあると、強度特性および耐圧縮永久歪み性に優れるとともに、加工性に優れた架橋ゴム成形体を提供できるゴム組成物が得られる。
なおエチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体の非共役鎖状ポリエンの含量は、以上のヨウ素価を満たしていれば、特に制限はないのであるが、例えば0.05〜5モル%、好ましくは0.08〜4モル%、より好ましくは0.1〜3モル%、さらに好ましくは0.15〜2モル%である。
【0055】
このエチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)は、上記(i)〜(iii)の特性を有していればよいが、さらに、(vi)分岐指数が0.8〜1の範囲にあることが特に好ましい。
分岐指数が上記範囲内にあると、強度特性および耐屈曲疲労性、特に耐屈曲疲労性により優れた架橋ゴム成形体が得られる。分岐指数が上記範囲内にあるエチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)を用いた、本発明に係る架橋可能なゴム組成物は、耐動的疲労性を特に必要とする用途に好適である。このような用途としては、たとえば、エンジンマウント、マフラーハンガー、ダンパープーリ等の自動車用防振ゴム;ブレーキブーツ、ブレーキカップ等の自動車ブレーキ部品;自動車用ウェザーストリップ材;自動車用ホース;OAロール、工業用ロール等のロール;パッキンなどの用途が挙げられる。
【0056】
また本発明においては、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、2-メチル-1,4- ペンタジエン、1,7-オクタジエンおよび1,17- オクタデカジエン以外の非共役鎖状ジエンたとえば7-メチル-1,6- オクタジエン(MOD)あるいは8-メチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエン(EMND)を構成成分とするエチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)は、たとえば1,4-ヘキサジエンを構成成分とするエチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)に比し、貯蔵安定性、耐スコーチ性および高温混練性がより一層優れている。
【0057】
本発明において、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、2-メチル-1,4- ペンタジエン、1,7-オクタジエンおよび1,17- オクタデカジエンから選ばれた非共役鎖状ジエンを構成成分とするエチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)を使用する場合は、特に、ヨウ素価が0.5〜30(g/100g)、好ましくは0.5〜12(g/100g)の範囲にあり、かつ、分岐指数が0.8〜1の範囲にある共重合体を使用することが好ましい。ヨウ素価が上記範囲内であれば、耐熱老化性、耐圧縮永久歪み性および耐屈曲疲労性に優れ、また、強度特性および耐磨耗性に優れる。また、分岐指数が上記範囲内であれば、強度特性および耐屈曲疲労性に優れる。
【0058】
エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)を構成する非共役鎖状ポリエンは、不飽和結合として、1個のビニル基と、下記の式(a)で表わされる基1種以上と、必要に応じて、下記の式(b)で表わされる基とを含む非共役鎖状ポリエンである。
−C(R6)=C(R5)(R4) ・・・(a)
[式(a)中、R4は炭素原子数1〜5のアルキル基であり、
R6およびR5は、それぞれ独立して、水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である。]
【0059】
【化14】
【0060】
[式(b)中、R7は炭素原子数1〜5のアルキル基であり、
R8は、水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である。]
炭素原子数1〜5のアルキル基としては、具体的に、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、i-ペンチル基などが挙げられる。
【0061】
上記式(a)で表わされる基とビニル基との間は脂肪族炭化水素基であることが好ましく、この脂肪族炭化水素基には、さらにC=C結合が含まれていてもよい。
C=Cから出ているR4〜R8以外の結合手は、C=C結合を1個以上含む脂肪族炭化水素基と結合している。たとえば、1,4-ヘキサジエンを例にとれば、上記式(a)に当たるのが、−CH=CH−CH3基であり、C=C結合を1個以上含む脂肪族炭化水素基は、CH2=CH−CH2−基である。上記C=C結合を1個以上含む脂肪族炭化水素基については、特に炭素数の制限はない。
【0062】
エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)を構成する非共役鎖状ポリエンを表わす前記式(a)において、R4が炭素原子数1〜5のアルキル基であり、R6およびR5が、それぞれ独立して、水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基であり、さらにR6またはR5の少なくとも1つが炭化水素基であってもよい。このような非共役ポリエンとしては、前述したようなポリエンが例示でき、たとえば7-メチル-1,6- オクタジエン(MOD)、4,8-ジメチル-1,4,8- デカトリエン(DMDT)などが挙げられる。また、非共役鎖状ポリエンは、前記式(a)で表わされる基と前記式(b)で表わされる基の両方を有していてもよい。このような非共役鎖状ポリエンとしては、たとえば4-エチリデン-8- メチル-1,7- ノナジエン(EMND)などが挙げられる。
【0063】
また、非共役鎖状ポリエンが2つ以上のビニル基を有するものであることは、好ましい態様の1つである。さらに、このような場合は、(ii)ヨウ素価が0.5〜30の範囲にあり、(iii)分岐指数が0.8〜1の範囲にあることが好ましい。この場合、耐動的疲労性が優れる。
これらの非共役鎖状ポリエンは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。
【0064】
本発明においては、上記非共役鎖状ポリエンの他に、本発明の目的とする物性を損なわない範囲で、たとえば以下に示すような非共役ポリエンを併用することもできる。
このような非共役ポリエンとしては、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネン、5-(2-プロペニル)-2- ノルボルネン、5-(3-ブテニル)-2- ノルボルネン、5-(1-メチル-2- プロペニル)-2- ノルボルネン、5-(4-ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(1-メチル-3- ブテニル)-2- ノルボルネン、5-(5-ヘキセニル)-2- ノルボルネン、5-(1-メチル-4- ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(2,3-ジメチル-3- ブテニル)-2- ノルボルネン、5-(2-エチル-3- ブテニル)-2- ノルボルネン、5-(6-ヘプテニル)-2- ノルボルネン、5-(3-メチル-5- ヘキセニル)-2- ノルボルネン、5-(3,4-ジメチル-4- ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(3-エチル-4- ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(7-オクテニル)-2- ノルボルネン、5-(2-メチル-6- ヘプテニル)-2- ノルボルネン、5-(1,2-ジメチル-5- ヘキセシル)-2- ノルボルネン、5-(5-エチル-5- ヘキセニル)-2- ノルボルネン、5-(1,2,3-トリメチル-4- ペンテニル)-2- ノルボルネン、メチルテトラヒドロインデン、5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2- ノルボルネン、5-ビニリデン-2- ノルボルネン、6-クロロメチル-5- イソプロペニル-2- ノルボルネン、ジシクロペンタジエンなど挙げられる。
【0065】
ただし、本発明で用いられる非共役鎖状ポリエンと、任意に用いてもよい他のポリエンとの量的関係は、非共役ポリエン全体を100モル%とした場合、本発明で用いられる非共役鎖状ポリエンが50モル%以上、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上であることが好ましい。
【0066】
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)は、下記化合物(H)および(I)を主成分として含有する触媒の存在下に、重合温度30〜60℃、特に30〜59℃、重合圧力4〜12kgf/cm2、特に5〜8kgf/cm2、非共役鎖状ポリエンとエチレンとの供給量のモル比(非共役鎖状ポリエン/エチレン)0.01〜0.2の条件で、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、非共役鎖状ポリエンとをランダム共重合することにより得られる。共重合は、炭化水素媒体中で行なうのが好ましい。
(H)VO(OR)nX3-n(式中、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、nは0または1〜3の整数である)で表わされる可溶性バナジウム化合物、またはVX4 (Xはハロゲン原子である)で表わされるバナジウム化合物。
【0067】
上記可溶性バナジウム化合物(H)は、重合反応系の炭化水素媒体に可溶性の成分であり、具体的には、一般式 VO(OR)aXbまたはV(OR)cXd(式中、Rは炭化水素基であり、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦c+d≦4)で表わされるバナジウム化合物、あるいはこれらの電子供与体付加物を代表例として挙げることができる。
【0068】
より具体的には、VOCl3、VO(OC2H5)Cl2、
VO(OC2H5)2Cl、VO(O−iso-C3H7)Cl2、
VO(O−n-C4H9)Cl2、VO(OC2H5)3、VOBr3、VCl4、
VOCl3、VO(O−n-C4H9)3、VCl3・2OC6H12OHなどを例示することができる。
(I)R'mAlX'3-m (R’は炭化水素基であり、X’はハロゲン原子であり、mは1〜3である)で表わされる有機アルミニウム化合物。
【0069】
上記有機アルミニウム化合物(I)としては、具体的には、
トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシド等のジアルキルアルミニウムアルコキシド;
エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシド等のアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;
R1 0.5Al(OR1)0.5などで表わされる平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド等のジアルキルアルミニウムハライド;
エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウムセスキハライド、エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミド等のアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリド等のジアルキルアルミニウムヒドリド、エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリド等のアルキルアルミニウムジヒドリドなどの部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;
エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
【0070】
本発明において、上記化合物(H)のうち、VOCl3で表わされる可溶性バナジウム化合物と、上記化合物(I)のうち、Al(OC2H5)2Cl/Al2(OC2H5)3Cl3のブレンド物(ブレンド比は1/5以上)を触媒成分として使用すると、ソックスレー抽出(溶媒:沸騰キシレン、抽出時間:3時間、メッシュ:325)後の不溶解分が1%以下であるエチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)が得られるので好ましい。
【0071】
また、上記共重合の際に使用する触媒として、いわゆるメタロセン触媒たとえば特開平9−40586号公報に記載されているメタロセン触媒を用いても差し支えない。
また、本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)は、極性モノマーたとえば不飽和カルボン酸またはその誘導体(たとえば酸無水物、エステル)でグラフト変性されていてもよい。
【0072】
このような不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、ビシクロ(2,2,1) ヘプト-2- エン-5,6- ジカルボン酸などが挙げられる。
不飽和カルボンの酸無水物としては、具体的には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水テトラヒドロフタル酸、ビシクロ(2,2,1) ヘプト-2- エン-5,6- ジカルボン酸無水物などが挙げられる。これらの中でも、無水マレイン酸が好ましい。
【0073】
不飽和カルボン酸エステルとしては、具体的には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジメチル、ビシクロ(2,2,1) ヘプト-2- エン-5,6- ジカルボン酸ジメチルなどが挙げられる。これらの中でも、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好ましい。
【0074】
上記の不飽和カルボン酸等のグラフト変性剤(グラフトモノマー)は、それぞれ単独または2種以上の組み合わせで使用されるが、何れの場合も前述したグラフト変性前のエチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエン共重合体100g当たり、0.1モル以下のグラフト量にするのがよい。
上記のようなグラフト量が上記範囲にあるエチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)を用いると、耐寒性に優れた架橋ゴム成形体を提供し得る、流動性(成形加工性)に優れたゴム組成物が得られる。
【0075】
グラフト変性したエチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)は、前述した未変性のエチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエン共重合体と不飽和カルボン酸またはその誘導体とを、ラジカル開始剤の存在下に反応させることにより得ることができる。
このグラフト反応は溶液にして行なうこともできるし、溶融状態で行なってもよい。溶融状態でグラフト反応を行なう場合には、押出機の中で連続的に行なうことが最も効率的であり、好ましい。
【0076】
グラフト反応に使用されるラジカル開始剤としては、具体的には、ジクミルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキシ-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t- アミルパーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5- ジ(t-ブチルパーオキシン)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5- ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α’- ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド類;
t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシマレイン酸、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ-t- ブチルパーオキシフタレート等のパーオキシエステル類;
ジシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;
およびこれらの混合物などが挙げられる。中でも半減期1分を与える温度が130〜200℃の範囲にある有機過酸化物が好ましく、特に、ジクミルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキシ-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t- アミルパーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサイドなどの有機過酸化物が好ましい。
【0077】
また、不飽和カルボン酸またはその誘導体(たとえば酸無水物、エステル)以外の極性モノマーとしては、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビニル化合物、ビニルエステル化合物、塩化ビニルなどが挙げられる。
SiH基含有化合物(B)
本発明で用いられるSiH基含有化合物(B)は、エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)と反応し、架橋剤として作用する。このSiH基含有化合物(B)は、その分子構造に特に制限はなく、従来製造されている例えば線状、環状、分岐状構造あるいは三次元網目状構造の樹脂状物などでも使用可能であるが、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上のケイ素原子に直結した水素原子、すなわちSiH基を含んでいることが必要である。
【0078】
このようなSiH基含有化合物(B)としては、通常、下記の一般組成式
R13 bHcSiO(4-b-c)/2
で表わされる化合物を使用することができる。
上記一般組成式において、R13は、脂肪族不飽和結合を除く、炭素原子数1〜10、特に炭素原子数1〜8の置換または非置換の1価炭化水素基であり、このような1価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、t-ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などのアルキル基の他に、フェニル基、ハロゲン置換のアルキル基たとえばトリフロロプロピル基を例示することができる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基が好ましく、特にメチル基、フェニル基が好ましい。
【0079】
また、bは、0≦b<3、好ましくは0.6<b<2.2、特に好ましくは1.5≦b≦2であり、cは、0<c≦3、好ましくは0.002≦c<2、特に好ましくは0.01≦c≦1であり、かつ、b+cは、0<b+c≦3、好ましくは1.5<b+c≦2.7である。
このSiH基含有化合物(B)は、1分子中のケイ素原子数が好ましくは2〜1000個、特に好ましくは2〜300個、最も好ましくは4〜200個のオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、具体的には、
1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7-テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,8-ペンタメチルペンタシクロシロキサン等のシロキサンオリゴマー;
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、R13 2(H)SiO1/2 単位とSiO4/2 単位とからなり、任意に、R13 3SiO1/2 単位、R13 2SiO2/2 単位、R13(H)SiO2/2単位、(H)SiO3/2またはR13SiO3/2単位を含み得るシリコーンレジンなどを挙げることができる。
【0080】
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、たとえば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
(CH3)3SiO-(-SiH(CH3)-O-)d-Si(CH3)3
[式中のdは2以上の整数である。]
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
【0081】
(CH3)3SiO-(-Si(CH3)2-O-)e-(-SiH(CH3)-O-)f-Si(CH3)3
[式中のeは1以上の整数であり、fは2以上の整数である。]
分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、たとえば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
【0082】
HOSi(CH3)2O-(-SiH(CH3)-O-)2-Si(CH3)2OH
分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、たとえば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
【0083】
HOSi(CH3)2O-(-Si(CH3)2-O-)e-(-SiH(CH3)-O-)f
-Si(CH3)2OH
[式中のeは1以上の整数であり、fは2以上の整数である。]
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンとしては、たとえば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
【0084】
HSi(CH3)2O-(-Si(CH3)2-O-)e-Si(CH3)2H
[式中のeは1以上の整数である。]
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、たとえば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
【0085】
HSi(CH3)2O-(-SiH(CH3)-O-)e-Si(CH3)2H
[式中のeは1以上の整数である。]
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、たとえば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
【0086】
HSi(CH3)2O-(-Si(CH3)2-O-)e-(-SiH(CH3)-O-)h
-Si(CH3)2H
[式中のeおよびhは、それぞれ1以上の整数である。]
このような化合物は、公知の方法により製造することができ、たとえばオクタメチルシクロテトラシロキサンおよび/またはテトラメチルシクロテトラシロキサンと、末端基となり得るヘキサメチルジシロキサンあるいは1,3-ジハイドロ-1,1,3,3- テトラメチルジシロキサンなどの、トリオルガノシリル基あるいはジオルガノハイドロジェンシロキシ基を含む化合物とを、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒の存在下に、−10℃〜+40℃程度の温度で平衡化させることによって容易に得ることができる。
【0087】
SiH基含有化合物(B)は、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A)100重量部に対して、0.1〜100重量部、好ましくは0.1〜75重量部、より好ましくは0.1〜50重量部、さらに好ましくは0.2〜30重量部、さらにより好ましくは0.2〜20重量部、特に好ましくは0.5〜10重量部、最も好ましくは0.5〜5重量部の割合で用いられる。上記範囲内の割合でSiH基含有化合物(B)を用いると、耐圧縮永久歪み性に優れるとともに、架橋密度が適度で強度特性および伸び特性に優れた架橋ゴム成形体を形成できるゴム組成物が得られる。100重量部を超える割合でSiH基含有化合物(B)を用いると、コスト的に不利になるので好ましくない。
【0088】
また、エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)の架橋に関与する脂肪族不飽和基に対するSiH基の割合(SiH基/脂肪族不飽和基)は、0.2〜20、さらには0.5〜10、特に0.7〜5であることが好ましい。
触媒(C)
本発明で用いられる触媒(C)は、付加反応触媒であり、上記エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)成分のアルケニル基と、SiH基含有化合物(B)のSiH基との付加反応(アルケンのヒドロシリル化反応)を促進するものである。
【0089】
通常、たとえば白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等の白金族元素よりなる付加反応触媒が用いられるが、本発明においては、周期律表8族元素金属と、ビニル基および/またはカルボニル基を含む化合物との錯体を用いることが望ましい。
周期律表8族元素金属としては、白金が特に好ましい。
【0090】
カルボニル基を含む化合物としては、カルボニル、オクタナル等が好ましい。これらと白金との錯体としては、具体的には、白金−カルボニル錯体、白金−オクタナル錯体、白金−カルボニルブチル環状シロキサン錯体、白金−カルボニルフェニル環状シロキサン錯体などが挙げられる。
ビニル基を含む化合物としては、ビニル基含有オルガノシロキサンが好ましい。これらと白金との錯体としては、具体的には、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、白金−ジビニルテトラエチルジシロキサン錯体、白金−ジビニルテトラプロピルジシロキサン錯体、白金−ジビニルテトラブチルジシロキサン錯体、白金−ジビニルテトラフェニルジシロキサン錯体が挙げられる。
【0091】
ビニル基含有オルガノシロキサンの中でも、ビニル基含有環状オルガノシロキサンが好ましい。これらと白金との錯体としては、白金−ビニルメチル環状シロキサン錯体、白金−ビニルエチル環状シロキサン錯体、白金−ビニルプロピル環状シロキサン錯体が挙げられる。
ビニル基含有オルガノシロキサンは、それ自体を金属に対する配位子としてもよいが、他の配位子を配位させる際の溶媒として用いてもよい。ビニル基含有オルガノシロキサンを溶媒として用い、前述のカルボニル基を含む化合物を配位子とする錯体は、本発明の触媒(C)として、特に好ましい。
【0092】
このような錯体としては、具体的には、白金−カルボニル錯体のビニルメチル環状シロキサン溶液、白金−カルボニル錯体のビニルエチル環状シロキサン溶液、白金−カルボニル錯体のビニルプロピル環状シロキサン溶液、白金−カルボニル錯体のジビニルテトラメチルジシロキサン溶液、白金−カルボニル錯体のジビニルテトラエチルジシロキサン溶液、白金−カルボニル錯体のジビニルテトラプロピルジシロキサン溶液、白金−カルボニル錯体のジビニルテトラブチルジシロキサン溶液、白金−カルボニル錯体のジビニルテトラフェニルジシロキサン溶液が挙げられる。
【0093】
これらの錯体からなる触媒は、ビニル基および/またはカルボニル基を含む化合物以外の成分を更に含んでいてもよい。たとえばビニル基および/またはカルボニル基を含む化合物以外の溶媒を含んでいてもよい。これらの溶媒としては、各種アルコールや、キシレン等を挙げることができるが、これらに制限されるものではない。
【0094】
アルコールとしては、具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert- ブチルアルコール、n-アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、エイコシルアルコール等の脂肪族飽和アルコール類;
アリルアルコール、クロチルアルコール等の脂肪族不飽和アルコール類;
シクロペンタノール、シクロヘキサノール等の脂環式アルコール類;
ベンジルアルコール、シンナミルアルコール等の芳香族アルコール類;
フルフリルアルコール等の複素環式アルコール類などが挙げられる。
【0095】
アルコールを溶媒として用いた例として、白金−オクタナル/オクタノール錯体が挙げられる。これらの溶媒を含むことにより、触媒の取扱いや、ゴム組成物への混合が容易になる等の利点が生ずる。
以上に挙げた各種触媒のうちで、白金−カルボニル錯体のビニルメチル環状シロキサン溶液(中でも下記化学式1で示される錯体が好ましい)、白金−ビニルメチル環状シロキサン錯体(中でも化学式2で示される錯体が好ましい)、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(中でも化学式3で示される錯体が好ましい)、白金−オクタナル/オクタノール錯体等が実用上好ましく、その中でも、白金−カルボニルビニルメチル環状シロキサン錯体が特に好ましい。
【0096】
化学式1: Pt0・CO・(CH2=CH(Me)SiO)4
化学式2: Pt0・(CH2=CH(Me)SiO)4
化学式3: Pt0-1.5[(CH2=CH(Me)2Si)2O]
これらの触媒に含まれる周期律表8族元素金属(好ましくは白金)の割合は、通常0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%、さらに好ましくは2〜4重量%、特に好ましくは2.5〜3.5重量%である。
【0097】
触媒(C)は、エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)に対して、0.1〜100,000重量ppm、好ましくは0.1〜10,000重量ppm、さらに好ましくは1〜5,000重量ppm、特に好ましくは5〜1,000重量ppmの割合で用いられる。
上記範囲内の割合で触媒(C)を用いると、架橋密度が適度で、強度特性および伸び特性に優れる架橋ゴム成形体を形成できるゴム組成物が得られる。100,000重量ppmを超える割合で触媒(C)を用いると、コスト的に不利になるので好ましくない。
【0098】
なお、本発明においては、上記触媒(C)を含まないゴム組成物の未架橋ゴム成形体に、光、γ線、電子線等を照射して架橋ゴム成形体を得ることもできる。
反応抑制剤(D)
本発明で触媒(C)とともに任意成分として用いられる反応抑制剤(D)としては、ベンゾトリアゾール、エチニル基含有アルコール(たとえばエチニルシクロヘキサノール等)、アクリロニトリル、アミド化合物(たとえばN,N-ジアリルアセトアミド、N,N-ジアリルベンズアミド、N,N,N',N'-テトラアリル-o-フタル酸ジアミド、N,N,N',N'-テトラアリル-m-フタル酸ジアミド、N,N,N',N'-テトラアリル-p-フタル酸ジアミド等)、イオウ、リン、窒素、アミン化合物、イオウ化合物、リン化合物、スズ、スズ化合物、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン、ハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物などが挙げられる。
【0099】
反応抑制剤(D)は、エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)100重量部に対して、0〜50重量部、通常0.0001〜50重量部、好ましくは0.0001〜30重量部、より好ましくは0.0001〜20重量部、さらに好ましくは0.0001〜10重量部、特に好ましくは0.0001〜5重量部の割合で用いられる。
【0100】
50重量部以下の割合で反応抑制剤(D)を用いると、架橋スピードが速く、架橋ゴム成形体の生産性に優れたゴム組成物が得られる。50重量部を超える割合で反応抑制剤(D)を用いると、コスト的に不利になるので好ましくない。
その他の成分
本発明に係る架橋可能な液状ゴム組成物は、未架橋のままでも用いることができるが、架橋ゴム成形体あるいは架橋ゴム発泡成形体のような架橋物として用いた場合に最もその特性を発揮することができる。
【0101】
本発明に係る架橋可能な液状ゴム組成物中に、意図する架橋物の用途等に応じて、従来公知のゴム補強剤、無機充填剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤、加硫促進剤、有機過酸化物、架橋助剤、発泡剤、発泡助剤、着色剤、分散剤、難燃剤などの添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
上記ゴム補強剤は、架橋ゴムの引張強度、引き裂き強度、耐摩耗性などの機械的性質を高める効果がある。このようなゴム補強剤としては、具体的には、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF、FT、MT等のカーボンブラック、シランカップリング剤などにより表面処理が施されているこれらのカーボンブラック、微粉ケイ酸、シリカなどが挙げられる。
【0102】
シリカの具体例としては、煙霧質シリカ、沈降性シリカなどが挙げられる。これらのシリカは、ヘキサメチルジシラザン、クロロシラン、アルコキシシラン等の反応性シランあるいは低分子量のシロキサン等で表面処理されていてもよい。また、これらシリカの比表面積(BED法)は、好ましくは50m2/g以上、より好ましくは100〜400m2/gである。
【0103】
これらのゴム補強剤の種類および配合量は、その用途により適宜選択できるが、ゴム補強剤の配合量は通常、エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)100重量部に対して、最大300重量部、好ましくは最大200重量部である。
上記無機充填剤としては、具体的には、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなどが挙げられる。
【0104】
これらの無機充填剤の種類および配合量は、その用途により適宜選択できるが、無機充填剤の配合量は通常、エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)100重量部に対して、最大300重量部、好ましくは最大200重量部である。
上記軟化剤は、前記した可塑剤(F)と同じである。
【0105】
上記老化防止剤としては、たとえばアミン系、ヒンダードフェノール系、またはイオウ系老化防止剤などが挙げられるが、これらの老化防止剤は、上述したように、本発明の目的を損なわない範囲で用いられる。
本発明で用いられるアミン系老化防止剤としては、ジフェニルアミン類、フェニレンジアミン類などが挙げられる。
【0106】
ジフェニルアミン類としては、具体的には、p-(p-トルエン・スルホニルアミド)- ジフェニルアミン、4,4'-(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、4,4'- ジオクチル・ジフェニルアミン、ジフェニルアミンとアセトンとの高温反応生成物、ジフェニルアミンとアセトンとの低温反応生成物、ジフェニルアミンとアニリンとアセトンとの低温反応物、ジフェニルアミンとジイソブチレンとの反応生成物、オクチル化ジフェニルアミン、ジオクチル化ジフェニルアミン、p,p’-ジオクチル・ジフェニルアミン、アルキル化ジフェニルアミンなどが挙げられる。
【0107】
フェニレンジアミン類としては、具体的には、N,N'- ジフェニル-p-フェニレンジアミン、n- イソプロピル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N'- ジ-2- ナフチル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N'-(3-メタクリロイルオキシ-2- ヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、N,N'- ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'- ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'- ビス(1-エチル-3- メチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、フェニルヘキシル-p-フェニレンジアミン、フェニルオクチル-p-フェニレンジアミン等のp- フェニレンジアミン類などが挙げられる。
【0108】
これらの中でも、特に4,4'- (α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N'- ジ-2- ナフチル-p-フェニレンジアミンが好ましい。
これらの化合物は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられるヒンダードフェノール系老化防止剤としては、具体的には
(1)1,1,3-トリス- (2-メチル-4- ヒドロキシ-5-t- ブチルフェニルブタン、
(2)4,4'- ブチリデンビス- (3-メチル-6-t- ブチルフェノール)、
(3)2,2-チオビス(4-メチル-6-t- ブチルフェノール)、
(4)7-オクタデシル-3-(4'-ヒドロキシ-3',5'- ジ-t- ブチルフェニル)プロピオネート、
(5)テトラキス- [メチレン-3-(3',5'- ジ-t- ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、
(6)ペンタエリスリトール- テトラキス[3-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
(7)トリエチレングリコール- ビス[3-(3-t-ブチル-5- メチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
(8)1,6-ヘキサンジオール- ビス[3-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
(9)2,4-ビス(n-オクチルチオ)-6- (4-ヒドロキシ-3,5- ジ-t- ブチルアニリノ)-1,3,5- トリアジン、
(10)トリス- (3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシベンジル)- イソシアヌレート、
(11)2,2-チオ- ジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
(12)N,N'- ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシ)- ヒドロシンナアミド、
(13)2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル]- o-クレゾール、
(14)3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシベンジル- ホスホネート- ジエチルエステル、
(15)テトラキス[メチレン(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシヒドロシンナメイト)]メタン、
(16)オクタデシル-3- (3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エステル、
(17)3,9-ビス[2-{3-(3-t-ブチル-4- ヒドロキシ-5- メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1- ジメチルエチル]-2,4-8,10- テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン
などを挙げることができる。中でも、特に(5)、(17)のフェノール化合物が好ましい。
【0109】
本発明で用いられるイオウ系老化防止剤としては、通常ゴムに使用されるイオウ系老化防止剤が用いられる。
具体的には、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2-メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2-メルカプトメチルベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2-メルカプトメチルイミダゾールの亜鉛塩等のイミダゾール系老化防止剤;
ジミリスチルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール- テトラキス- (β- ラウリル- チオプロピオネート)等の脂肪族チオエーテル系老化防止剤などを挙げることができる。これらの中でも、特に2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2-メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2-メルカプトメチルベンゾイミダゾールの亜鉛塩、ペンタエリスリトール- テトラキス- (β- ラウリル- チオプロピオネート)が好ましい。
【0110】
上記の加工助剤としては、通常のゴムの加工に使用される化合物を使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸の塩;リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸のエステル類などが挙げられる。
【0111】
このような加工助剤は、通常、エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは5重量部以下の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
本発明においては、上述した触媒(C)の他に有機過酸化物を使用して、付加架橋とラジカル架橋の両方を行なってもよい。有機過酸化物は、エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)100重量部に対し、0.1〜10重量部程度の割合で用いられる。有機過酸化物としては、ゴムの架橋の際に通常使用されている従来公知の有機過酸化物を使用することができる。
【0112】
また、有機過酸化物を使用するときは、架橋助剤を併用することが好ましい。架橋助剤としては、具体的には、イオウ;p- キノンジオキシム等のキノンジオキシム系化合物;ポリエチレングリコールジメタクリレート等のメタクリレート系化合物;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート等のアリル系化合物;マレイミド系化合物;ジビニルベンゼンなどが挙げられる。このような架橋助剤は、使用する有機過酸化物1モルに対して0.5〜2モル、好ましくは約等モルの量で用いられる。
【0113】
上記の発泡剤としては、具体的には、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等の無機発泡剤;
N,N'- ジメチル-N,N'-ジニトロソテレフタルアミド、N,N'- ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物;
アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ化合物;
ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p'- オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン-3,3'-ジスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド化合物;
カルシウムアジド、4,4-ジフェニルジスルホニルアジド、p-トルエンスルホルニルアジド等のアジド化合物;
二酸化炭素、窒素、酸素、フロンガス等のガスなどが挙げられる。
【0114】
これらの発泡剤は、エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)100重量部に対して、0.5〜30重量部、好ましくは1〜20重量部の割合で用いられる。上記のような割合で発泡剤を用いると、見かけ比重0.03〜0.8g/cm3の発泡体を製造することができるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
【0115】
また、必要に応じて、発泡剤と併用して、発泡助剤を使用してもよい。発泡助剤は、発泡剤の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化などの作用をする。
このような発泡助剤としては、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、しゅう酸等の有機酸、尿素またはその誘導体などが挙げられる。
これらの発泡助剤は、エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
【0116】
また、本発明に係る架橋可能な液状ゴム組成物中に、本発明の目的を損なわない範囲で、公知の他のゴムとブレンドして用いることができる。
このような他のゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)などのイソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)などの共役ジエン系ゴムを挙げることができる。
【0117】
さらに従来公知のエチレン・α- オレフィン系共重合体を用いることもでき、たとえばエチレン・プロピレンランダム共重合体(EPR)、前記エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)以外のエチレン・α- オレフィン・ポリエン共重合体(たとえばEPDMなど)を用いることができる。
【0118】
ゴム組成物およびその用途
本発明に係る架橋可能なゴム組成物は、自動車用ウェザーストリップ;自動車用ホース、送水用ホース、ガス用ホース;自動車用防振ゴム、鉄道用防振ゴム、産業機械用防振ゴム、建築用免震ゴム;伝動ベルト、搬送用ベルト;自動車用カップ・シール材、産業機械用シール材;自動車用ウェザーストリップスポンジ、建築用シールスポンジまたは他の発泡体;被覆電線、電線ジョイント、電気絶縁部品、半導電ゴム部品;OA機器用ロール、工業用ロール;家庭用ゴム製品などの製造の際に好適に用いられる。
【0119】
上記自動車用ウェザーストリップとしては、たとえばドアウェザーストリップ、トランクウェザーストリップ、ラゲージウェザーストリップ、ルーフサイドレールウェザーストリップ、スライドドアウェザーストリップ、ベンチレータウェザーストリップ、スライディングループパネルウェザーストリップ、フロントウインドウェザーストリップ、リヤウインドウェザーストリップ、クォーターウインドウェザーストリップ、ロックピラーウェザーストリップ、ドアガラスアウナーウェザーストリップ、ドアガラスインナーウェザーストリップ、ダムウインドシールド、グラスランチャネル、ドアミラー用ブラケット、シールヘッドランプ、シールカウルトップなどが挙げられる。
【0120】
上記自動車用ホースとしては、たとえばブレーキホース、ラジエターホース、ヒーターホース、エアークリーナーホースなどが挙げられる。
上記自動車用防振ゴムとしては、たとえばエンジンマウント、液封エンジンマウント、ダンパープーリ、チェーンダンパー、キャブレターマウント、トーショナルダンパー、ストラットマウント、ラバーブッシュ、バンパゴム、ヘルパーゴム、スプリングシート、ショックアブソーバー、空気ばね、ボディマウント、バンパガード、マフラーサポート、ゴムカップリング、センターベアリングサポート、クラッチ用ゴム、デフマウント、サスペンションブッシュ、すべりブッシュ、クッシュンストラットバー、ストッパ、ハンドルダンパー、ラジエターサポーター、マフラーハンガーなどが挙げられる。
【0121】
上記鉄道用防振ゴムとしては、たとえばスラブマット、バラスマット、軌道マットなどが挙げられる。
上記産業機械用防振ゴムとしては、たとえばエキスパンションジョイント、フレキシブルジョイント、ブッシュ、マウントなどが挙げられる。
上記伝動ベルトとしては、たとえばVベルト、平ベルト、歯付きベルトなどが挙げられる。
【0122】
上記搬送用ベルトとしては、たとえば軽搬送用ベルト、円筒形ベルト、ラフトップベルト、フランジ付き搬送用ベルト、U型ガイド付き搬送用ベルト、Vガイド付き搬送用ベルトなどが挙げられる。
上記自動車用カップ・シール材としては、たとえばマスタシリンダーピストンカップ、ホイールシリンダーピストンカップ、等速ジョイントブーツ、ピンブーツ、ダストカバー、ピストンシール、パッキン、Oリング、ダイヤフラムなどが挙げられる。
【0123】
上記産業機械用シール材としては、たとえばコンデンサーパッキン、Oリング、パッキンなどが挙げられる。
上記自動車用ウェザーストリップスポンジとしては、たとえばドアーウェザーストリップスポンジ、ボンネットウェザーストリップスポンジ、トランクルームウェザーストリップスポンジ、サンルーフウェザーストリップスポンジ、ベンチレーターウェザーストリップスポンジ、コーナースポンジなどが挙げられる。
【0124】
上記建築用シールスポンジとしては、たとえばガスケット、エアータイト、目地材、戸当たり部のシールスポンジなどが挙げられる。
上記他の発泡体としては、たとえばホース保護用スポンジ、クッション用スポンジ、断熱スポンジ、インシュレーションパイプなどが挙げられる。
上記OA機器用ロールとしては、たとえば帯電ロール、転写ロール、現像ロール、給紙ロールなどが挙げられる。
【0125】
上記工業用ロールとしては、たとえば製鉄用ロール、製紙用ロール、印刷用電線ロールなどが挙げられる。
上記家庭用ゴム製品としては、たとえば雨具、輪ゴム、靴、ゴム手袋、ラテックス製品、ゴルフボールなどが挙げられる。
また、本発明に係る架橋可能なゴム組成物は、常温での架橋が可能であり、常温架橋ゴムの用途に好適に用いられる。さらに、熱可塑性エラストマーの製造の際に用いることができるし、エンジニアリングプラスチック、熱可塑性プラスチックの改質にも用いることができる。
【0126】
本発明に係る自動車用ウェザーストリップ、ホース(自動車用ホース、送水用ホース、ガス用ホース)、防振ゴム(自動車用防振ゴム、鉄道用防振ゴム、産業機械用防振ゴム、建築用免震ゴム)、ベルト(伝動ベルト、搬送用ベルト)、シール材(自動車用カップ・シール材、産業機械用シール材)、発泡体(自動車用ウェザーストリップスポンジ、建築用シールスポンジおよび他の発泡体)、被覆電線、電線ジョイント、電気絶縁部品、半導電ゴム部品、OA機器用ロール、工業用ロール、家庭用ゴム製品および常温架橋ゴム製品は、前述した、本発明に係る架橋可能なゴム組成物からなる。
【0127】
ゴム組成物およびその架橋ゴム成形体の調製
上述したように、本発明に係る架橋可能なゴム組成物は、未架橋のままでも用いることもできるが、架橋ゴム成形体あるいは架橋ゴム発泡成形体のような架橋物として用いた場合に最もその特性を発揮することができる。
本発明に係る架橋可能なゴム組成物から架橋物を製造するには、通常一般のゴムを加硫(架橋)するときと同様に、未架橋の配合ゴムを一度調製し、次いで、この配合ゴムを意図する形状に成形した後に架橋を行なえばよい。
【0128】
架橋方法としては、架橋剤(SiH基含有化合物(B))を使用して加熱する方法、または光、γ線、電子線照射による方法のどちらを採用してもよい。
まず、本発明に係る架橋可能なゴム組成物は、たとえば次のような方法で調製される。
すなわち、本発明に係る架橋可能なゴム組成物は、バンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー(密閉式混合機)類により、エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)および必要に応じてゴム補強剤、無機充填剤、軟化剤などの添加剤を好ましくは80〜170℃の温度で3〜10分間混練した後、オープンロールのようなロール類、あるいはニーダーを使用して、SiH基含有化合物(B)、触媒(C)および必要に応じて反応抑制剤(D)、加硫促進剤、架橋助剤、発泡剤、発泡助剤を追加混合し、好ましくはロール温度80℃以下で1〜30分間混練した後、分出しすることにより調製することができる。
【0129】
本発明においては、エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)とゴム補強剤、無機充填剤等とは高温で混練りすることができるが、SiH基含有化合物(B)と触媒(C)とは同時に高温で混練りすると、架橋(スコーチ)してしまうことがあるため、SiH基含有化合物(B)と触媒(C)とを同時に添加する場合は、80℃以下で混練りすることが好ましい。SiH基含有化合物(B)と触媒(C)のうち、一方の成分を添加する場合は80℃を超える高温でも混練りすることができる。なお、混練りによる発熱に対して、冷却水を使用することも場合によっては好ましい。
【0130】
また、インターナルミキサー類での混練温度が低い場合には、エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)、SiH基含有化合物(B)、ゴム補強剤、無機充填剤、軟化剤などとともに、老化防止剤、着色剤、分散剤、難燃剤、発泡剤などを同時に混練してもよい。
上記のようにして調製された、本発明に係る架橋可能なゴム組成物は、押出成形機、カレンダーロール、プレス、インジェクション成形機、トランスファー成形機などを用いる種々の成形法より、意図する形状に成形され、成形と同時にまたは成型物を加硫槽内に導入し、架橋することができる。120〜270℃の温度で1〜30分間加熱するか、あるいは前記した方法により光、γ線、電子線を照射することにより架橋物が得られる。この架橋の段階は金型を用いてもよいし、また金型を用いないで架橋を実施してもよい。金型を用いない場合は成形、架橋の工程は通常連続的に実施される。加硫槽における加熱方法としては、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波電磁波)、スチームなどの加熱槽を用いることができる。
【0131】
【発明の効果】
本発明に係る架橋可能なゴム組成物は、架橋速度が速く、架橋ゴム成形体の生産性に優れ、HAV、UHFなどの熱空気架橋が可能であり、しかも、耐圧縮永久歪み性、強度特性、耐熱性、耐候性、耐摩耗性、柔軟性、耐屈曲疲労性などの特性に優れる架橋ゴム成形体を提供することができる。
【0132】
本発明に係る架橋可能なゴム組成物から得られる架橋ゴム成形体は、上記のような効果を有するので、自動車用ウェザーストリップ;自動車用ホース、送水用ホース、ガス用ホース等のホース;自動車用防振ゴム、鉄道用防振ゴム、産業機械用防振ゴム、建築用免震ゴム等の防振ゴム;伝動ベルト、搬送用ベルト等のベルト;自動車用カップ・シール材、産業機械用シール材等のシール材;自動車用ウェザーストリップスポンジ、建築用シールスポンジ、その他ホース保護用スポンジ、クッション用スポンジ、断熱スポンジ、インシュレーションパイプ等の発泡体;被覆電線、電線ジョイント、電気絶縁部品、半導電ゴム部品;OA機器用ロール、工業用ロール;雨具、輪ゴム、靴、ゴム手袋、ラテックス製品、ゴルフボール等の家庭用品;プラスチック改質用、熱可塑性エラストマー用、エンジニアリングプラスチック改質用などの用途に広く用いられる。
【0133】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。
なお実施例、比較例で用いた共重合体の組成、ヨウ素価、極限粘度[η]、分子量分布(Mw/Mn)および分岐指数は、次のような方法で測定ないし求めた。
(1)共重合体の組成
共重合体の組成は13C−NMR法で測定した。
(2)共重合体のヨウ素価
共重合体のヨウ素価は、滴定法により求めた。
(3)極限粘度[η]
共重合体の極限粘度[η]は、135#テデカリン中で測定した。
(4)分岐指数
分岐指数は、平均分岐指数(BI)であり、下記の3種類の実験により得られた数値から算出した。
(i)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の後に、小角光散乱法(low angle light scattering;LALLS)を用いて測定された重量平均分子量(MwLALLS)
GPC装置に接続されたLALLS検出器を用いて測定した。
【0134】
〔測定条件〕
装 置:Waters 150C
検出器:Chromatix KMX-6
カラム:Shodex UT-806M(30cm×2本)、UT-807(30cm×1本)
溶 媒:1,2,4-トリクロロベンゼン
温 度:135℃
流 速:0.764ml/分
濃 度:0.03〜0.07%(w/v)
注入量:300μl
(ii)GPC装置に接続された示差屈折計(DRI)を用いて測定された重量平均分子量(MwDRI)および粘度平均分子量(MvDRI)
〔測定条件〕
装 置:Waters 150C
検出器:DRI(150C内蔵)
カラム:Shodex UT-806MLT(50cm×1本)
溶 媒:1,2,4-トリクロロベンゼン
温 度:135℃
流 速:1ml/分
濃 度:0.2%(w/v)
注入量:160μl
各種平均分子量は、EPDMの換算値で計算した。換算に用いた粘度式は下記のとおりである。
【0135】
極限粘度[η]=2.92×10-4Mw0.726
(iii)135℃のデカリン中で測定された極限粘度(IV)(=[η])
ウベローデ粘度計を用いる多点法により、濃度調整4点の粘度を測定し、各測定点の関係を濃度ゼロに外挿した。
前記(i)および(ii)の測定値は、ポリマーの濾過された希釈1,2,4-トリクロロベンゼン溶液を用いるGPCにより得た。
【0136】
平均分岐指数(BI)は、次式のように定義される。
BI=(Mvbr×MwDRI)/(MwLALLS×MvDRI)
(式中、Mvbr =k(IV)1/a であり、Mvbrは、分岐状ポリマーの粘度平均分子量であり、aはマーク−ホーウィンク(Mark−Houwink)定数(エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、135℃のデカリン中では0.759)である。)
【0137】
【製造例1】
[エチレン・プロピレン・1,4-ヘキサジエンランダム共重合体(1,4-HD−EPT1)の製造]
撹拌翼を備えた容量3リットルのガラス製連続反応器(重合器)を用いて、エチレンと、プロピレンと、1,4-ヘキサジエンとの共重合を行なった。
【0138】
すなわち、重合器上部から1,4-ヘキサジエンのヘキサン溶液を重合器内へ、1,4-ヘキサジエン濃度が27g/リットルとなるように0.6リットル/時間の量で連続的に供給した。また、重合器上部から触媒であるVO(OEt)Cl2のヘキサン溶液を重合器内でバナジウム濃度が0.15ミリモル/リットルとなるように1.2リットル/時間の量で連続的に供給した。また、エチルアルミニウムセスキクロリドのヘキサン溶液を重合器内でのアルミニウム濃度が1.5ミリモル/リットルとなるように0.6リットル/時間の量で連続的に供給した。さらに、ヘキサンを1.6リットル/時間の量で重合器内へ連続的に供給した。
【0139】
また、重合液にバブリング管を用いてエチレンを70リットル/時間、プロピレンを130リットル/時間、水素を3リットル/時間の量で重合器内に連続的に供給した。重合器外部に取り付けられたジャケットに冷媒を循環させて重合液を35℃に保持しながらエチレンと、プロピレンと、1,4-ヘキサジエンとの共重合を行なった。
【0140】
上記共重合反応によって生成するエチレン・プロピレン・1,4-ヘキサジエンランダム共重合体を含む重合液を容量2リットルちなるように連続的に抜き出した(平均滞留時間0.5時間)。
次いで、この重合液にメタノールを少量添加して、重合反応を停止させた。その後水1リットルに対し濃塩酸5ミリリットルを添加した水溶液と重合液とを1:1の容量比でホモミキサーを用い、触媒派生物を水相へ移行させた。この接触混合液を静置後、水相を分離除去した後、さらに蒸留水で2回水洗して重合液相を生成分離した。この重合液を3倍量のアセトンと混合し、ペースト状の溶媒を含む共重合体を得た。このペースト状共重合体を130℃、60Torrの条件で12時間乾燥し、重合液1リットル当たり29.7gの共重合体を得た。
【0141】
上記のようにして得られた共重合体(1,4-HD−EPT1)は、エチレンから導かれる構成単位とプロピレンから導かれる構成単位とのモル比(エチレン/プロピレン)が68/32であり、ヨウ素価が12g/100gであり、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が1.9dl/gであり、分岐指数が0.9であった。
【0142】
【製造例2】
[エチレン・プロピレン・7-メチル-1,6- オクタジエンランダム共重合体(MOD−EPT2)の製造]
撹拌翼を備えた15リットルのステンレス製重合器を用いて、連続的にエチレンと、プロピレンと、7-メチル-1,6- オクタジエン(MOD)との共重合を行なった。
【0143】
すなわち、まず重合器上部から重合器内に、脱水精製したヘキサンを毎時2.0リットル、ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのヘキサン溶液(濃度0.05ミリモル/リットル)を毎時0.2リットル、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(濃度17ミリモル/リットル)を毎時0.3リットル、メチルアルモキサンのヘキサンスラリー溶液(アルミニウム原子に換算して3ミリグラム原子/リットル)を毎時1リットル、7-メチル-1,6- オクタジエンのヘキサン溶液(濃度0.25リットル/リットル)を毎時1.5リットル、それぞれ連続的に供給した。
【0144】
また、重合器上部から重合器内に、エチレンを毎時180リットル、プロピレンを毎時620リットル、それぞれ連続的に供給した。この共重合反応は、50℃で行なった。
次いで、重合器下部から抜き出した重合溶液にメタノールを少量添加して、重合反応を停止させ、スチームストリッピング処理にて共重合体を溶媒から分離した後、100℃、減圧(100mmHg)の条件下に、24時間乾燥した。
【0145】
以上の操作で、エチレン・プロピレン・7-メチル-1,6- オクタジエンランダム共重合体(MOD−EPT2)が毎時250gの速度で得られた。
上記のようにして得られた共重合体(MOD−EPT2)は、エチレンから導かれる構成単位とプロピレンから導かれる構成単位とのモル比(エチレン/プロピレン)が70/30であり、7-メチル-1,6- オクタジエン含量が1.9モル%であり、ヨウ素価が19であり、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が2.3dl/gであり、分岐指数が0.9であった。
【0146】
【製造例3】
[エチレン・プロピレン・8-メチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエンランダム共重合体(EMND−EPT3)の製造]
触媒の調製
アルゴン雰囲気下、スターラー撹拌子を入れた50mlフラスコ中に、無水塩化コpバルト(II)43mg(0.33ミリモル)、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン263mg(0.66ミリモル)および無水デカン23mlを入れ、25℃で2時間撹拌した。
【0147】
次いで、25℃で、濃度1モル/リットルのトリエチルアルミニウム/トルエン溶液17ml(トリエチルアルミニウム17ミリモル)を加えて2時間撹拌することにより触媒を調製した。
[8-メチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエン(EMND)の合成]
300mlステンレス(SUS316)製オートクレーブ中に、アルゴン雰囲気下、7-メチル-3- メチレン-1,6- オクタジエン(β- ミルセン)100g(734ミリモル)と上記のように調製された触媒を全量加えて密閉した。
【0148】
次いで、オートクレーブにエチレンボンベを直結して、エチレンを導入し、オートクレーブ内を35kg/cm2まで加圧した。
次いで、95℃に加熱して、消費されたエチレンを間欠的に5回追加して、合計で15時間反応を行なった。
反応終了後にオートクレーブを冷却してから開放し、得られた反応混合物を100mlの水中に注いで有機層と水層とに分離した。分離された有機層を、エバポレータで低沸点物を除去した後、20段の精密減圧蒸留を行なった。
【0149】
目的物であるEMNが83g得られた(収率69%、β- ミルセン転化率90%)。また反応副生物として、5,9-ジメチル-1,4,8- デカトリエンが16g生成した(収率13%)。
上記で得られた8-メチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエン(EMND)の分析結果を以下に示す。
【0150】
(1) 沸 点:103〜105℃/30mmHg
(2) GC−MS(ガスクロマトグラフィ−質量分析):
(3) 赤外線吸収スペクトル(ニート)
(4) 1H−NMRスペクトル(溶媒:CDCl3 )
吸収ピーク;
1.60ppm(δ) (6H,singlet)
1.70ppm(δ) (3H,singlet)
2.00ppm(δ) (4H,singlet)
2.80ppm(δ) (2H,doublet,J=7Hz)
5.9〜6.5ppm(δ)(4H,multiplet)
6.7ppm(δ) (1H,multiplet)
重 合
撹拌翼を備えた容量15リットルの重合器を用いて、エチレンとプロピレンと上記の8-メチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエン(EMND)との共重合反応を連続的に行なった。
【0151】
すなわち、まず重合器上部から重合器内に、脱水精製したヘキサンを毎時2リットル、ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのヘキサン溶液(濃度0.05ミリモル/リットル)を毎時0.2リットル、トリイソブチルアルミウニウムのヘキサン溶液(濃度20ミリモル/リットル)を毎時0.2リットル、メチルアルモキサンのヘキサンスラリー溶液(アルミウニウム原子に換算して3ミリグラム原子/リットル)を毎時1リットル、EMNのヘキサン溶液(濃度0.25リットル/リットル)を毎時1.6リットルそれぞれ連続的に供給した。
【0152】
また、重合器上部から重合器内に、エチレンを毎時140リットル、プロピレンを毎時660リットル、水素を気相部の濃度が0.003モル%となるようにそれぞれ連続的に供給した。この共重合反応は、50℃で行なった。
次いで、重合器下部から抜き出した重合溶液にメタノールを少量添加して、重合反応を停止させ、スチームストリップ処理にて共重合体を溶媒から分離した後100℃、減圧(100mmHg)の条件下で、24時間乾燥した。
【0153】
以上の操作で、上記のエチレン・プロピレン・EMNランダム共重合体(EMND−EPT3)が得られた。
上記のようにして得られたエチレン・プロピレン・8-メチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエンランダム共重合体(EMND−EPT3)は、エチレンから導かれる構成単位とプロピレンから導かれる構成単位とのモル比(エチレン/プロピレン)が61.8/38.2であり、ヨウ素価が23.7であり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が2.18dl/gであり、分岐指数が0.9であった。
【0154】
【製造例4】
[エチレン・プロピレン・4,8-ジメチル-1,4,8- デカトリエンランダム共重合体(DMDT−EPT4)の製造]
触媒の調製
rac-ジメチルシリレン−ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリドと、メチルアルモキサンのトルエン溶液(アルミニウム原子に換算して1.2ミリグラム原子/ml)とを、暗所において室温下、30分間撹拌することにより混合して、ジルコニウム化合物とメチルアルモキサンとが溶解されたトルエン溶液を調製した。このトルエン溶液のZr濃度は0.002ミリモル/mlであり、メチルアルモキサン濃度はアルミニウム原子に換算して1.2ミリグラム原子/mlである。
【0155】
次いで、このトルエン溶液に、トルエンに対して5倍の溶液のヘキサンを撹拌下に添加して、下記のようなZr濃度およびメチルアルモキサン濃度の触媒溶液を調製して、これを重合反応用触媒として用いた。
Zr濃度:0.00033ミリモル/ml(=0.33ミリモル/リットル)メチルアルモキサン濃度(Al原子に換算して):0.20ミリモル/ml(=200ミリモル/リットル)
重 合
撹拌翼を備えた15リットル容量のステンレス製重合器を用いて、連続的にエチレンと、プロピレンと、4,8-ジメチル-1,4,8- デカトリエン(以下、DMDTともいう)との共重合を、上記の重合反応用触媒存在下に行なった。
【0156】
すなわち、重合器上部から重合器内に、脱水精製したヘキサンを毎時3.23リットル、前述のジルコニウム化合物とメチルアルモキサンとの混合溶液を毎時0.03リットル、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(濃度17ミリモル/リットル)を毎時1.5リットル、DMDTのヘキサン溶液(濃度0.02リットル/リットル)を毎時1.8リットル、それぞれ連続的に供給した。
【0157】
また、重合器上部から重合器内に、エチレンを毎時140リットル、プロピレンを毎時190リットル、それぞれ連続的に供給した。この重合反応は、70℃で、かつ、平均滞留時間1時間となるように行なった。
次いで、重合器下部から抜き出した重合溶液にメタノールを少量添加して、重合反応を停止させ、スチームストリッピング処理にて共重合体を溶媒から分離した後、100℃、減圧(100mmHg)の条件下に、24時間乾燥した。
【0158】
以上の操作で、エチレン・プロピレン・DMDTランダム共重合体(DMDT−EPT4)が毎時75gの量で得られた。
上記のようにして得られたエチレン・プロピレン・DMDTランダム共重合体(DMDT−EPT4)は、エチレンから導かれる単位とプロピレンから導かれる単位とのモル比(エチレン/プロピレン)が63/37であり、ポリエン含量が3.1モル%であり、ヨウ素価が42であり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が2.5dl/gであり、分岐指数が0.9であった。
【0159】
【製造例5】
[エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体(VNB−EPT5)の製造]
攪拌羽根を備えた実質内容積100リットルのステンレス製重合器(攪拌回転数=250rpm)を用いて、連続的にエチレンとプロピレンと5-ビニル-2- ノルボルネン(VNB)との三元共重合を行なった。重合器側部より液相へ毎時ヘキサンを60リットル、エチレンを3.7kg、プロピレンを8.0kg、5-ビニル-2- ノルボルネンを480gの速度で、また、水素を50リットル、触媒としてVOC l3 を48ミリモル、Al(Et)2Clを240ミリモル、Al(Et)1.5 Cl1.5を48ミリモルの速度で連続的に供給した。
【0160】
以上に述べたような条件で共重合反応を行なうと、エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体(VNB−EPT5)が均一な溶液状態で得られた。
その後、重合器下部から連続的に抜き出した重合溶液中に少量のメタノールを添加して重合反応を停止させ、スチームストリッピング処理にて重合体を溶媒から分離したのち、55℃で48時間真空乾燥を行なった。
【0161】
上記のようにして得られたエチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体(VNB−EPT6)は、エチレンから導かれる単位とプロピレンから導かれる単位とのモル比(エチレン/プロピレン)が75/25であり、ヨウ素価が10.9であり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1.83dl/gであり、分岐指数が0.67であった。
【0162】
【製造例6〜7】
製造例5において、重合条件を表1の通りに変えることにより、異なる性状のエチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネンランダム共重合体(ENB−EPT6)、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエンランダム共重合体(DCPD−EPT7)を得た。得られた共重合体(ENB−EPT6)、(DCPD−EPT7)の物性を表1に示す。
【0163】
【表1】
【0164】
【実施例1】
まず、製造例1で得られたエチレン・プロピレン・1,4-ヘキサジエンランダム共重合体(1,4-HD−EPT1)100重量部、カーボンブラック[旭カーボン(株)製、商品名 旭#60]50重量部、軟化剤[出光興産(株)製ダイアナプロセスオイルTMPW−380]10重量部、亜鉛華5重量部、老化防止剤[大内新興化学工業(株)製、商品名 ノクラックTMCD]1重量部、およびステアリン酸1重量部を容量1.7リットルのバンバリーミキサー[(株)神戸製鋼所製]で混練した。
【0165】
混練方法は、まずエチレン・プロピレン・1,4-ヘキサジエンランダム共重合体(1,4-HD−EPT1)を30秒素練りし、次いで、亜鉛華、老化防止剤[大内新興化学工業(株)製、商品名 ノクラックTMCD]、ステアリン酸、カーボンブラック、軟化剤を入れ、2分間混練した。その後、ラムを上昇させ掃除を行ない、さらに1分間混練を行ない、約130℃で排出し、ゴム配合物(I−1)を得た。この混練は充填率70%で行なった。
【0166】
次に、この配合物(I−1)167重量部を、8インチロール(前ロールの表面温度50℃、後ロールの表面温度50℃、前ロールの回転数16rpm、後ロールの回転数18rpm)に巻き付けて、ヒドロシリコーン化合物[C6H5-Si(OSi(CH3)2H)3 、信越化学工業(株)製]3重量部、反応抑制剤として3-メチル-1- トリデシン-3- オール0.2重量部を加えて10分間混練したのちに、触媒として白金カルボニルビニルメチル錯体[GELEST.Inc.製、商品名 SIP6829.0]0.1重量部を加えて5分間混練した後、混練物をシート状に分出した。
【0167】
この混練物を180℃で10分間100トンプレス成形機を用いて架橋を行ない、圧縮永久歪み試験、耐熱老化性試験、引張試験、屈曲試験用のサンプルを作製し、これらの試験を下記の方法に従った行なった。また、50トンプレス成形機を用いて40℃で6分間加圧し、厚み2mmの未架橋シートを調製した。
次に、この未架橋ゴムシートを200℃雰囲気のHAV(ホットエアー加硫槽)に5分間放置し、無圧で架橋シートを作製した。
【0168】
得られた架橋シートについて耐傷付き性試験を下記の方法に従って行なった。
(1)圧縮永久歪み試験
JIS K6250に従い、作製した架橋シートを積層し、JIS K6262に準拠して圧縮永久歪み試験を行なった。この試験条件は150℃×22hrsである。
(2)耐熱老化性試験
JIS K6257に従って、耐熱老化性試験を行なった。すなわち、架橋シートを170℃のオーブン中に168時間入れて老化させた後、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行ない、架橋シートの破断時の伸びと強度を測定し、引張強さ保持率AR(TB )と、伸び保持率AR(EB )を算出した。
(3)引張試験
JIS K6251に従って、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行ない、架橋シートの破断時の強度TB ,伸びEB および50%モジュラス(M50)を測定した。
(4)耐傷付き性試験
HAV(ホットエアー架橋槽)より取り出した直後の架橋シート表面をHBの鉛筆でひっかき、その傷つき状態を肉眼で観察し、耐傷付き性の評価を4段階で行なった。
<耐傷付き性の4段階評価>
A:表面に傷が全く付かないもの
B:表面にわずかに傷が付くもの
C:傷が付くもの
D:傷が著しく激しいもの
(5)屈曲試験(デマッチャー屈曲疲労試験)
屈曲試験は、JIS K6260(1999)に従い、デマッチャー試験機で亀裂成長に対する抵抗性を調べた。すなわち、亀裂が15mmになるまでの屈曲回数を測定した。
【0169】
これらの結果を表2に示す。
【0170】
【実施例2】
実施例1において、亜鉛華を用いなかった以外は、実施例1と同様に行なった。結果を表2に示す。
【0171】
【実施例3】
実施例1において、エチレン・プロピレン・1,4-ヘキサジエンランダム共重合体(1,4-HD−EPT1)の代わりに、製造例2で得られたエチレン・プロピレン・7-メチル-1,6- オクタジエンランダム共重合体(MOD−EPT2)を用い、かつ、亜鉛華を用いなかった以外は、実施例1と同様に行なった。結果を表2に示す。
【0172】
【実施例4】
実施例1において、エチレン・プロピレン・1,4-ヘキサジエンランダム共重合体(1,4-HD−EPT1)の代わりに、製造例3で得られたエチレン・プロピレン・8-メチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエンランダム共重合体(EMND−EPT3)を用い、かつ、亜鉛華を用いなかった以外は、実施例1と同様に行なった。結果を表2に示す。
【0173】
【実施例5】
実施例1において、エチレン・プロピレン・1,4-ヘキサジエンランダム共重合体(1,4-HD−EPT1)の代わりに、製造例4で得られたエチレン・プロピレン・4,8-ジメチル-1,4,8- デカトリエンランダム共重合体(DMDT−EPT4)を用い、かつ、亜鉛華を用いなかった以外は、実施例1と同様に行なった。結果を表2に示す。
【0174】
【比較例1】
実施例1において、エチレン・プロピレン・1,4-ヘキサジエンランダム共重合体(1,4-HD−EPT1)の代わりに、製造例5で得られたエチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体(VNB−EPT5)を用い、かつ、亜鉛華を用いなかった以外は、実施例1と同様に行なった。結果を表2に示す。
【0175】
【比較例2】
実施例1において、エチレン・プロピレン・1,4-ヘキサジエンランダム共重合体(1,4-HD−EPT1)の代わりに、製造例6で得られたエチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネンランダム共重合体(ENB−EPT6)を用い、かつ、亜鉛華を用いなかった以外は、実施例1と同様に行なった。結果を表2に示す。
【0176】
【比較例3】
実施例1において、エチレン・プロピレン・1,4-ヘキサジエンランダム共重合体(1,4-HD−EPT1)の代わりに、製造例7で得られたエチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエンネンランダム共重合体(DCPD−EPT7)を用い、かつ、亜鉛華を用いなかった以外は、実施例1と同様に行なった。結果を表2に示す。
【0177】
【表2】
Claims (30)
- 135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1.0〜10dl/gであるエチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)と、SiH基を1分子中に少なくとも2個持つSiH基含有化合物(B)と、触媒(C)と、反応抑制剤(D)とからなり、該エチレン・α - オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)の分岐指数が0.8〜1の範囲内にあり、かつ、該エチレン・α - オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)を構成する非共役鎖状ポリエンが、下記一般式[1]
で表される非共役鎖状トリエンであることを特徴とする架橋可能なゴム組成物。 - 135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1.0〜10dl/gであるエチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)と、SiH基を1分子中に少なくとも2個持つ線状のSiH基含有化合物(B)と、触媒(C)と、反応抑制剤(D)とからなり、該エチレン・α - オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)を構成する非共役鎖状ポリエンが、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、2-メチル-1,4- ペンタジエン、1,7-オクタジエンおよび1,17- オクタデカジエン以外の非共役鎖状ジエンであることを特徴とする架橋可能なゴム組成物。
- 135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1.0〜10dl/gであるエチレン・α - オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)と、SiH基を1分子中に少なくとも2個持つ線状のSiH基含有化合物(B)と、触媒(C)と、反応抑制剤(D)とからなり、該前記エチレン・α - オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)を構成する非共役鎖状ポリエンが、非共役鎖状ジエンであり、かつ、(i) 1,4- ヘキサジエン、 1,5- ヘキサジエン、 2- メチル -1,4- ペンタジエン、 1,7- オクタジエンおよび 1,17- オクタデカジエンから選ばれた非共役鎖状ジエンから誘導される構成単位を有し、( ii )ヨウ素価が0.5〜30の範囲にあり、( iii ) 分岐指数が0.8〜1の範囲にあることを特徴とする架橋可能なゴム組成物。
- 前記エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)を構成する非共役鎖状ポリエンの前記式(a)で表わされる基において、R4が炭素原子数1〜5のアルキル基であり、R6およびR5が、それぞれ独立して、水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基であり、さらにR6またはR5の少なくとも1つが炭化水素基であることを特徴とする請求項4に記載の架橋可能なゴム組成物。
- 前記エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)を構成する非共役鎖状ポリエンが、前記式(a)で表わされる基と前記式(b)で表わされる基の両方を有することを特徴とする請求項4に記載の架橋可能なゴム組成物。
- 前記エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)を構成する非共役鎖状ポリエンが、2個のビニル基を含有する非共役鎖状ポリエンであることを特徴とする請求項2または3に記載の架橋可能なゴム組成物。
- 前記エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)の(a)エチレンから導かれる単位と(b)炭素原子数3〜20のα- オレフィンから導かれる構成単位との比率[(a)/(b)]が40/60〜95/5であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の架橋可能なゴム組成物。
- 前記エチレン・α- オレフィン・非共役鎖状ポリエンランダム共重合体(A)のヨウ素価が0.5〜30の範囲にあることを特徴とする請求項7に記載の架橋可能なゴム組成物。
- 前記触媒(C)が白金系触媒であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の架橋可能なゴム組成物。
- 自動車用ウェザーストリップの製造の際に用いられることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の架橋可能なゴム組成物。
- 自動車用ホース、送水用ホースまたはガス用ホースの製造の際に用いられることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の架橋可能なゴム組成物。
- 自動車用防振ゴム、鉄道用防振ゴム、産業機械用防振ゴムまたは建築用免震ゴムの製造の際に用いられることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の架橋可能なゴム組成物。
- 伝動ベルトまたは搬送用ベルトの製造の際に用いられることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の架橋可能なゴム組成物。
- 自動車用カップ・シール材または産業機械用シール材の製造の際に用いられることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の架橋可能なゴム組成物。
- 自動車用ウェザーストリップスポンジまたは他の発泡体の製造の際に用いられることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の架橋可能なゴム組成物。
- 被覆電線、電線ジョイントまたは電気絶縁部品の製造の際に用いられることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の架橋可能なゴム組成物。
- 家庭用ゴム製品の製造の際に用いられることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の架橋可能なゴム組成物。
- 常温での架橋が可能であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の架橋可能なゴム組成物。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の架橋可能なゴム組成物からなることを特徴とする自動車用ウェザーストリップ。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の架橋可能なゴム組成物からなることを特徴とするホース。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の架橋可能なゴム組成物からなることを特徴とする防振ゴム。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の架橋可能なゴム組成物からなることを特徴とするベルト。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の架橋可能なゴム組成物からなることを特徴とするシール材。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の架橋可能なゴム組成物からなることを特徴とする発泡体。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の架橋可能なゴム組成物からなる被覆材で被覆されていることを特徴とする被覆電線。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の架橋可能なゴム組成物からなることを特徴とする電線ジョイント。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の架橋可能なゴム組成物からなることを特徴とする電気絶縁部品。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の架橋可能なゴム組成物からなることを特徴とする家庭用ゴム製品。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の架橋可能なゴム組成物からなることを特徴とする常温架橋ゴム製品。
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