JP4060382B2 - 精製されたエチレングリコールカーボネート(egc)の分離方法 - Google Patents

精製されたエチレングリコールカーボネート(egc)の分離方法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は出発原料類、副生成物類及び/または製造工程の触媒類を含む一連の不純物類で汚染されたエチレングリコールカーボネート(EGC)から、それを熔融分別晶析することにより、精製されたエチレングリコールカーボネート(EGC)を分離する方法に関する。
【0002】
この方法では、生成した精製EGCの結晶は、残りの熔融物に溶解し残留している不純物から、機械的に分離される。この新規な分離方法は省エネルギー、省原料の方法であり、例えば溶剤類などの付加的な物質類の使用を必要としないものである。
【0003】
その結果、EGCの特に高度な精製度が達成され、また製造工程で使用する触媒をほぼ完全に再使用することができる。
【0004】
EGCは、例えばエチレングリコールとホスゲンから(ドイツ国特許出願公開第1226117号明細書、エチレンオキシドまたはエチレンクロロヒドリンと二酸化炭素から(Chem.Ing.Techn.43(1971),903ページ;Fette,Seifen,Anstrichmittel 73(1971),396ページ;米国特許第4,314945号に対応するドイツ国特許出願公開第2855232号明細書;Ind.Eng.Chem.50(1958),767−770ページ)、及びエチレン、酸素と二酸化炭素から(米国特許第3,025,305号)の様に、さまざまな反応ルートで製造されることが知られている。これらの反応ルートをとる場合、該EGCは一般的には製造工程に由来するさまざまな物質により汚染された形で得られる。 エチレンオキシドと二酸化炭素から出発する方法では、該粗生成物はさらに触媒、例えば4級アンモニウム化合物類、を溶解して含んでいる。
【0005】
そのため数多くのEGCの精製方法が公知になって来ているが、その大部分は真空蒸留により精製を行うものである。EGCの汚染が出発原料または副生成物のグリコールである場合には、この真空蒸留法では、グリコールとEGCの共沸混合物が塔頂から出てき、一方残りのEGCは塔底から得られる。
【0006】
精製すべき粗EGCが製造工程で使用した触媒をさらに溶解して含んでいる場合には、粗生成物からグリコールを除去することを目的とした前述した真空蒸留を行う前に、この触媒を分離しておかなければならない。
例えばChem.Ing.Techn.and Fette,Seifen,Anstrichmittel(loc.cit.)に記載された方法では、該触媒を取り除くためにまず最初に2回、薄膜蒸留を行っており、次に分離された触媒の大部分をEGCの製造反応工程に戻している。
【0007】
該薄膜蒸発器では、少量の副生成物も同時に分離される。これら薄膜蒸留を実施した後、前述したグリコールを除去するための共沸蒸留を実施し、塔底から得られるEGCをさらに精留にかけている。このような操作により、ガスクロマトグラフィー分析で96〜98%のEGCを含んでいるとされる粗生成物から出発すると、99.5%の純度をもつEGCが得られ、さらに0.025%の水と0.1%のグリコールが含まれてたものが得られる(ガスクロマトグラフィー分析による)。
【0008】
EGCの精製を蒸留法で行うには、一般的にはその真空蒸留系を高々50ミリバールの圧力で操作しなければならない不利益点をもっている。それより高い圧力で操作することは、とりもなおさず、より高い蒸留温度で操作することを意味し、EGCの分解が一部進行し、そのため収率の低下を覚悟しなければならなくなるからである。このEGCの分解の危険性は粗生成物が合成反応、例えばエチレンオキシドと二酸化炭素との反応、で使用した触媒を溶解形で含んだままになっている時に特に起きやすく、そのためこの触媒は蒸留で精密な精製を行う前に同様な蒸留操作により除去されなければならない。例えば、Ind.Eng.Chem.(loc.cit.)には良い製品品質を保証するためには先に述べた圧力を高々50ミリバールにすることが賢明であることが述べられている。しかしながら、該触媒は純粋なEGCを留去することにより、蒸留塔の塔底で濃縮される。一方、上記出版物によれば、EGCの分解程度はEGCに溶解している触媒濃度に大きく依存しているため、入り口触媒濃度が0.25〜0.5重量%の時、EGCのわずか90〜95%が留出されるに過ぎない。さらに触媒自体がこの蒸留操作中に分解する危険性もあり、濃厚な触媒溶液である蒸留塔底物を、合成反応工程に戻そうとすれば、該触媒の一部を廃棄し、新しい触媒に置換しなければならないであろう。該出版物では例えば、該触媒溶液の30%を置換することを勧めている。
【0009】
またさらに溶媒類によるEGCの抽出精製法も公知である。この場合、混合溶媒や例えばエチレンジクロライド、メチレンジクロライドまたはクロロホルムまたは炭化水素のような単一溶媒を水(水溶解性の触媒を受け入れる)と組み合わせて使用することができる(米国特許第2,766,258号)。この場合EGC純度99.1%が達成される。抽出法の不利益な点は、引き続いて抽出溶媒からEGCを蒸留により分離しなければならないことである。触媒を含んだ粗生成物の場合には、さらに抽出操作時に、抽出に用いた溶媒の残留物が触媒を反応循環系に戻す際、そこに入り込み、そこで副生成物を生成したり分解反応を引き起こしたりする危険性もある。さらに、例えばトルエンなどの溶媒からEGCを再結晶させて精製する試みもなされてきている(米国特許第2,994,705号)。この方法の不利益な点は、十分な純度を得るためには何度も再結晶操作を繰り返さなければならないことである。さらに不利益な点は、この方法では抽出法と同様に顕著なことであるが、存在するいかなる触媒をも再結晶溶媒から分離する必要があることである。
【0010】
粗EGCを精製する方法としてさらに、向流操作法でエチレングリコールを溶媒としてそこから連続的に晶析させる方法がある(ドイツ国特許出願公開第1272932号)。この場合、予熱されたEGC溶液は晶析塔の上部でEGCの結晶ができるまで冷却され、該塔の下部は40から50℃に保たれる。加熱、冷却は下方への結晶の流れが起きるように互いに調整され;精製されたEGCは熔融状態で塔底から抜きだされ、また晶析の終わった母液は塔頂から抜き出される。この精製方法でのEGCの結晶状態は中間段階で少しの間だけ起きるにすぎない。
【0011】
この方法では、エチレングリコールとホスゲンからEGCを製造する際にできる反応混合液から該操作を始める場合には、EGC純度99.67%(ガスクロマトグラフィー分析)が達成される。これら反応混合液中にはEGCとグリコールに加えて、エチレンクロロヒドリンと塩酸がさらに含まれている。これら粗生成物の内容物についてはドイツ国特許出願公開第’932号自体では考慮されていないが、これらはドイツ国特許出願公開第’932号明細書で述べている方法をさらに詳しく述べているRev.Chim.(Bucharest)17(1966),482−485から推定できる。この方法に従い、50〜60%のEGC、30〜40%のエチレングリコール、1%の塩酸、4〜5%のエチレンクロロヒドリンおよび5%の水からなる混合液を精製に用いた時には、以下の値を持つ精製されたEGCが得られる:
96.4−98.3%のEGC,0.65−1.41%のエチレングリコール、0.14−0.28%のエチレンクロロヒドリンおよび0.19−0.39%の水。
【0012】
しかしながら、このようにして得られた高濃度のエチレングリコール、エチレンクロロヒドリンおよび特に水が残留している精製EGCは、その後の該EGCの使用時にその分解や副反応を引き起こすことがある。
【0013】
触媒を含む粗EGCの場合、前述したようなエチレングリコールからの向流法による晶析では、晶析後の触媒はエチレングリコールに溶解した少量成分とともに存在している。使用触媒を含むエチレングリコールは、この際保持される運転操作条件により、エチレンオキシドと副反応を起こすため、触媒を製造反応に戻そうとする場合、該触媒をエチレングリコールから分離する工程を設けなければならない。これはこのような晶析法では非常に不利益な負担となっている。
【0014】
従って省エネルギー、省原料で、EGC自体および触媒の分解がなく、さらに抽出または晶析に使用する溶媒類などの付加的な材料類を必要としない操作で、汚染EGCを精製する方法を確立することが強く望まれている。
【0015】
本発明者らは、溶媒を必要としないEGCの熔融状態からの分別晶析で、驚くべきことに高純度のEGCが得られることを見いだした。結晶中に含まれる粗EGC起源の不純物および製造工程に起源する粗EGCに溶解している触媒の両方ともに極端に少なくすることができる。
【0016】
本発明の熔融晶析でさらに有利な点として発見されたことは、熔融物中に存在する触媒を特に穏やかな条件下で取り扱うことができ、一般的にはそれをEGCの製造反応へ完全に戻すことができることである。さらなる利点は約37℃という高い晶析温度であり、それにより夏場でも入り口温度29〜30℃の二次冷却循環水でよく、晶析温度を低コストで制御できるということである。
【0017】
蒸留法と比較してさらに有利な点は、EGCの結晶化熱がEGCの蒸発熱のわずか1/3であるということである。
【0018】
本発明者らは、出発原料類、副生成物類及び/または製造反応工程での触媒類を含んでなる群からの不純物を含有する汚れたエチレングリコールカーボネート(EGC)から精製されたEGCを分離する方法で、汚染されたEGCを熔融分別晶析させ、精製されたEGCの結晶を、残りの熔融物中に溶解し残存している不純物から機械的に分離することを特徴とする方法を見いだした。
【0019】
本発明で用いる汚れたEGCは、引き続いてさらに精密な精製を行う予備精製したEGC並びにEGCの製造段階から直接もって来た粗反応混合液である。 本発明の方法は簡潔であるため、多くの場合、最初にEGCを別の精製にかけ、しかる後本発明の精製法を適用することを必要としない。そのため本発明の方法においては、汚れたEGCとしてEGCの製造工程からくる反応混合液を直接取り扱うことが望ましい。
【0020】
上述したように触媒が穏やかに除去されることより、本発明では触媒を用いて製造されたEGCの製造混合液を使用することがさらに望ましいことである。
【0021】
本発明の不純物の混じったEGCを分別熔融晶析する方法は、連続的に行うこともでき、非連続的に行うこともできるが、非連続的に行う方が好ましい。
【0022】
本発明のEGCの精製または触媒を含むかも知れない粗生成物からEGCを分離する方法には、例えばChem.Ing Techn.57(1985),91;Chem.Ing.Techn.63(1991),881またはスルーザー社の分別晶析に関する1992年8月出版の小冊子などに記載された晶析方法を使用できる。この場合、これらは例えば凝集性の結晶層を形成する装置であり、しばしば周期的に操作されるものであり、複管式晶析機またはさまざまの構造を持つ改良されたプレート型熱交換器で熔融物のポンプ循環を伴うものまたは伴わないもの、パルスを使用するもの、しないもの、及び/または該管類をセパレートデリバリーを持つ区分に細分化したもの、しないものなどがある。さらに たとえばヨーロッパ特許第218,545号に記載されている、熱伝達をよくするための内蔵物を持っているものや又は持たないものもある、さまざまな型の落下膜晶析機も有用である。使用しうる他の装置としてバブルカラム型の晶析機、晶析ロール類及び晶析ベルト類がある。
【0023】
また凝集性の結晶層を形成し、循環型輸送装置を備え、熔融物を供給する装置及び精製物を運び出す装置を持ち、該結晶類をスウイーティングする装置を備えた連続操作型の晶析装置がまた、ヨーロッパ特許第521,499号明細書に記載されている。
【0024】
当業者には既知の熔融晶析にはさらに、結晶の懸濁物を形成させ、以後の工程段階で一般的には機械的な液分離法で固形分と残りの熔融物に分離する方法も包含される。これらの卓越した連続操作方法は、例えば外部循環があってもなくてもよい撹拌槽型晶析機、階段(cascading)があってもなくてもよいさまざまな構造を持つかきとり表面冷却器、ディスク型晶析機類または様々に設計された静的晶析機類及びそこでの結晶や熔融物の輸送が外部からポンプやピストン圧でなされる圧力型カラムとして製造された晶析カラムやまたは特殊な撹拌機、スクリュー、螺旋翼などの機械的な力で輸送する装置を備えた晶析カラムなどで実施される。これらの晶析カラムはまた向流モードでも操作できる。
【0025】
本発明の方法には、複管型晶析機(Tube−bundle crystallizer)類やポンプによる熔融物の循環があるもの、ないものなど様々に製作されるプレート型熱交換器類や落下膜晶析機などが好適に使用できる。
【0026】
既に予備精製されたEGCの精製や、製造工程からの、触媒を含むかもしれない反応溶液からのEGCの分離を行う本発明の方法において、該晶析操作は自然に結晶核を生成させて開始させることも、一定量の核(シーディング)を供給して開始させることも可能であり、両方法ともに基本的に適用できることで公知である。より高度で顕著な再現性が得られることより、結晶種により結晶の生成を開始させる方が好ましい。
【0027】
本発明の方法では両方とも実施可能であるが、凝集性の結晶層を形成する操作だけでなく結晶の懸濁物を形成する操作でも、目標とする生成物純度または必要とされる純粋な生成物の収率を達成するために、多段にして実施することができる。この方法は例えば特に汚れた粗EGCから出発したり及び/または純粋なEGCについて特に高度な純度要求を設定したとき等に必要とされる。おのおのの段階は連続系の要素を複数個使用して行うか、時間をづらして、同じ晶析機中で行われる。
【0028】
熔融晶析により精製EGCを分離する本発明の方法は、蒸留による精製法と組み合わせて行うことができる。この方法においては、特に触媒を含んでいるかもしれない反応溶液類からEGCを分離する時に、熔融晶析を行う前に、容易に揮発する反応生成物類を前もって注意深く蒸留し、しかる後、残留している蒸留釜残を本発明の熔融晶析にかけることで行われる。例えば減圧下、プリセットされた最高温度にして行うこのような前もっての注意深い蒸留は、製品に対して穏やかな本発明の熔融晶析法にかなうものである。
【0029】
蒸留による分離層と組み合わせた本発明の方法では高純度のEGCが得られると同時に、さらにこのような組み合わされた精製、分離過程でのEGC、触媒の分解程度を非常に低い水準にとどめることができる。
【0030】
例えば、結晶中の少量の触媒残留量は選択した熔融晶析法の型式や、例えば温度、冷却速度、加熱速度、その他などの採用した運転パラメーター、プロセス段数などに依存するが、、場合によっては多段で行ってもよい晶析により、触媒を含有する熔融粗生成物から該触媒を最初に分離することができる。このように触媒をトレース量にし、引き続いて真空下でゆるやかに蒸留することで、粗生成物を触媒全量が含まれたまま蒸留する場合と比較して、EGCの分解程度をはるかに少なくすることができる。さらにこの組み合わせ方法の利点をあげると、純粋に蒸留だけで行う方法と比較して、実質上触媒を完全にEGC製造反応器にリサイクルできることにあり、この触媒のリサイクルはEGC製造方法の条件だけの制約をうけるだけになる。
【0031】
純粋なEGCの融点は36.4℃である。このことより本方法での温度範囲は必然的に45℃から0℃の範囲になっている。
【0032】
本発明の方法を複管式(tube bundle)晶析機器またはプレート式熱交換器で実施する時、精製すべき熔融物は冷却媒体の冷却速度を40−0.1K/h、好ましくは10−0.5K/hにして、38−20℃、好ましくは37−25℃、の範囲に冷却する;この冷却段階で自発的に結晶核を生成させるか一定量の結晶核を供給(seeding)し、好ましくはシーディングを行って、晶析を開始させる。
【0033】
熔融残留物を分離する前に、冷却媒体の最低温度で、100分以内の保持時間を取ることができるが、もし適当ならば、この保持時間はなくても済ますことができる。そのためこの異なる二方法を考慮すると、保持時間は0〜100分、好ましくは1〜70分、である。その後、熔融残留物を分離し、結晶類を加熱媒体の加熱速度を40−0.1K/h、好ましくは20−0.5K/h、最終温度を22〜37℃、好ましくは28〜36℃とし、いわゆる「スイーティング」(sweating)でさらに精製する。
【0034】
以上述べて来た複管又はプレート式熱交換器を用いた静的晶析方法の諸関係事項は落下膜式晶析機の操作にも適用できるが、さらに、熔融物の特定管への負荷、熔融物と熱媒体間の局部温度差などの他の関係事項が結晶の純度に及ぼす効果についても考慮しなければならない。しかしながら、このような関係事項はだいたいは当業者には周知のことである。
【0035】
本発明の方法に使用できるEGC粗生成物は不純物類、副生成物類、残留出発原料類及び当業者には公知の様々なEGCの製造方法からくる触媒類を含んでいてもよい。本発明の方法を先に述べた多段で行うことの可能性は、これら不純物レベルの違いを考慮に入れることができることである。エチレンオキシドとCOから、触媒の存在下、EGCを製造する方法を例にして説明すると、そこでできる不純物には:触媒類、エチレンオキシドの転位生成物であるアセトアルデヒド及びおそらくポリ不飽和アルデヒド類であろう直鎖状、環状のアルデヒドの重縮合物;グリコール及びそれが縮合して生成した直鎖状、環状生成物;存在する触媒の影響を受けて生成するエチレンオキシドとグリコールまたはアルデヒドとの反応生成物、がある。
【0036】
本発明の方法で不純物として除去できるEGCの製造工程からくる触媒類は実質上すべて最近提起された触媒類である。これらには例えばアルカリ(アルカリ土族)金属臭化物類、ヨウ化物類、グアニジン類及びそれらの臭化水素塩または塩化水素塩類、臭化テトラアルキルアンモニウム類とヨウ化テトラアルキルアンモニウム類、臭化ホスホニウム類とヨウ化ホスホニウム類、ピリジニウムハロゲン化物、スルホニウム、スチボニウム及びアルソニウムハロゲン化物、亜鉛ハロゲン化物類及び鉛ハロゲン化物類、アルキル錫化合物類またはアルカリ金属ハロゲン化物類と2価金属イオン類のハロゲン化物の混合物が例示される。
【0037】
これらの触媒類については多数の刊行物から当業者は知ることができる。除去すべき不純物として存在しているかもしれない触媒には特に以下の触媒類:臭化アルカリ金属類、ヨウ化アルカリ金属類、臭化テトラアルキルアンモニウム類、ヨウ化テトラアルキルアンモニウム類、ハロゲン化ホスホニウム、ハロゲン化グアニジニウム類及びハロゲン化アルカリ金属類と2価金属ハロゲン化物類の混合物が挙げられる。:
【0038】
【実施例】
実施例 1〜8
EGCの精製及び/または触媒含有粗生成物からのEGC分離に関する実施例1〜6のデーターは複管式晶析機(管径4cm)を用いて得、実施例7と8のデーターは落下膜式晶析機(管径4.9cm;高さ1.2m)を用いて得、表1と表2に一覧した。実施例1〜6は、一定量の結晶核を供給して(seeding)実施した。
【0039】
表1には複管式晶析機で行った6実施例の、冷却段階の出発、終了温度、種晶形成段階温度、冷却媒体の冷却速度、保持時間、加熱媒体の加熱速度及び結晶/熔融物の分離度を数字で示した。
【0040】
落下膜式晶析機は一定の晶析温度で操作し、種晶は加えなかった。実施例7と8では精製すべき原液の計量速度を30g/分に設定した。
【0041】
以上8例にわたる実施例の分析結果を表2に一覧した。
【0042】
粗生成物、結晶類及び残留熔融物の組成はガスクロマトグラフで測定した。ハーゼンカラーインデックスは重縮合したアルデヒド類で引き起こされる試料EGCの黄味を測るものであるが、それはさらに粗生成物、結晶及び熔融物の純度を測定する高感度の測定手段としても考えられる。粗生成物、結晶類及び熔融物中の触媒濃度は、該触媒が無機塩類の場合には原子吸光分析法で測定し、ハロゲン化アンモニウムの場合には銀滴定法でハロゲン化物を分析することにより測定した。
【0043】
実施例1〜6は、一段の複管式晶析でも高純度のEGCと結晶中の低触媒内包度が達成できることを示している。触媒含有粗生成物類からEGCを分離する場合で、さらに該触媒を含有する熔融物を製造工程に戻す場合、その分離方法が穏やかな方法であるため、これら熔融物類もまたさらなる熱的ストレスを受ける事がなく、したがってこれら熔融物類は同様の高純度さをもっている。
【0044】
実施例1と2は粗EGC中の不純物濃度が純粋EGCの品質に及ぼす影響を示している:グリコールや重縮合したアルデヒド類のような不純物は結晶類の中にはほとんど含まれておらず、優先的に熔融物中に集まっている。
【0045】
2実施例で粗生成物のカラーインデックス値が大きく異なっているにもかかわらず、両方の結晶でのカラーインデックスは10の値(無色)を示している。
【0046】
グリコールの場合、粗生成物中の濃度が高いと、結晶での濃度もいくらか高くなることが観察された。
【0047】
実施例4は、実施例3と比較することにより、他の条件を同一にして、粗生成物中の触媒濃度を高くすると結晶類中の触媒内包度が高くなることを示している。
【0048】
該結晶中の触媒濃度は0.03〜0.04%で一段晶析にしては非常に低くなっている。実施例4,5及び6を比較すると、触媒内包度はさらに触媒の形にもよることが分かるが、すべての触媒について熔融物中の触媒濃度が著しく大きくなることが示されている。
【0049】
実施例7と8は、落下膜式晶析機でEGCの精製を行うと、結晶/熔融物比を同じにした時、複管式晶析機での静的性能と比較して、より早い触媒及び副生成物の分離が達成できることを示しているが、これはより高純度の精製EGCが得られることを示している。
【0050】
【表1】
Figure 0004060382
【0051】
【表2】
Figure 0004060382
【0052】
本発明の特徴と、実施態様は次の通りである。
【0053】
1.出発原料類、副生成物類及び/または触媒類を含んでなる群からの不純物を含有する汚染エチレングリコールカーボネート(EGC)から、精製されたEGCを精製分離する方法において、該汚染EGCを分別熔融晶析し、残りの熔融物に溶解し、残留している不純物類から生成した精製EGC結晶を機械的に分離することを特徴とする方法。
【0054】
2.該分別晶析を非連続的に行うことを特徴とする上記1記載の方法。
【0055】
3.該熔融晶析を複管式晶析機、様々な構造のプレート式熱交換器または落下膜式晶析機を用いて行うことを特徴とする上記1の方法。
【0056】
4.特に汚れた粗EGCを出発原料とする時及び/または純粋EGCに特に高度の純度要求をなす時に、該熔融晶析を多段で行うことを特徴とする上記1記載の方法。
【0057】
5.該熔融晶析の分離方法が蒸留による分離方法と組み合わされたことを特徴とする上記1記載の方法。
【0058】
6.結晶の生成が種晶により開始されることを特徴とする上記1記載の方法。
【0059】
7.精製すべきEGCの熔融物を、冷却媒体の冷却速度を40〜0,1K/時、好ましくは10〜0.5K/時として、38℃から20℃、好ましくは37℃から25℃の範囲で冷却することを特徴とする上記3記載の方法。
【0060】
8.冷却媒体の最低温度での0〜100分、好ましくは1〜70分の保持時間の後、残りの熔融物を分離し、加熱媒体の加熱速度を40〜0.1K/時、好ましくは20〜0.5K/時とし、22〜37℃、好ましくは28〜36℃までの温度として結晶をスイーティングしてさらに精製することを特徴とする上記7記載の方法。

Claims (1)

  1. エチレンオキシドと二酸化炭素から製造され、かつ、 製造過程の出発原料類、副生成物類及び/または触媒類を含んでなる群からの不純物を含有する汚染されたエチレングリコールカーボネート(EGC)から、精製されたEGCの単離方法において、複管式晶析機、プレート式熱交換器または落下膜式晶析機を用いて実施され、精製すべきEGCの熔融物を、冷却媒体の冷却速度を1時間当たり40ケルビン温度〜0.1ケルビン温度として、38℃から20℃の範囲で冷却する、分別熔融晶析に該汚染されたEGCを供すること、かつ、こうして生成した精製EGC結晶を残りの熔融物に溶解したまま残している不純物類から機械的に分離することを特徴とする方法。
JP19012594A 1993-07-26 1994-07-21 精製されたエチレングリコールカーボネート(egc)の分離方法 Expired - Fee Related JP4060382B2 (ja)

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