JP4057797B2 - 角形鋼接合用の変形防止金物とフレームの組立て方法。 - Google Patents

角形鋼接合用の変形防止金物とフレームの組立て方法。 Download PDF

Info

Publication number
JP4057797B2
JP4057797B2 JP2001213256A JP2001213256A JP4057797B2 JP 4057797 B2 JP4057797 B2 JP 4057797B2 JP 2001213256 A JP2001213256 A JP 2001213256A JP 2001213256 A JP2001213256 A JP 2001213256A JP 4057797 B2 JP4057797 B2 JP 4057797B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
square steel
hardware
deformation
bolt
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001213256A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003027602A (ja
Inventor
公司 半谷
良一 菅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2001213256A priority Critical patent/JP4057797B2/ja
Publication of JP2003027602A publication Critical patent/JP2003027602A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4057797B2 publication Critical patent/JP4057797B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スチールハウス、住宅、工場建屋など各種建造物の小屋組を、薄板鋼部材からなる角形鋼で構成する場合における、当該角形鋼接合用の変形防止金物と、角形鋼からなるフレームの組立て方法および屋根トラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、薄鋼板構造の分野では、溝形鋼に代表される、主に開断面部材が使用されてきたが、近年、カシメ接合技術の発達により、断面が正方形・長方形の薄鋼板製角形鋼つまり、閉断面部材の製造も可能になった。また、部材強度、ねじれ剛性の高さ、納まり、外観の美しさ等の理由で、薄鋼板製の角形鋼の利用範囲が広がってきている。
【0003】
一方、従来、部材同士の接合方法は、ドリルねじが主に使われてきたが、施工性を向上させるために、ボルトが使用されるケースが増えている。当然、薄鋼板製の角形鋼を接合する場合も、ドリルねじよりもボルトのほうが都合がよい。しかし、角形鋼は閉鎖断面(内部が閉じた断面)であるので、前記のボルトによる接合は容易でない。
【0004】
前記の対策として、角形鋼に単純に孔あけ加工を施し、この孔に通したボルトを締め付けることがあるが、それでもボルトの締め付け力で薄鋼板製の角形鋼は変形し易いので具合よく接合できない。角形鋼を具合よくボルト接合するためのアイデアとしては、(1)ワンサイドボルトを使用する方法と、(2)図15に示すような段付きボルト1を使用する方法がある。図15において、小屋束2に固定した母屋取り付け金物3に沿って角形鋼製の母屋材(以下角形鋼という)4を載置し、角形鋼4の両側に開設のボルト孔5に段付きボルト1を挿入し、座付きナット6を段付きボルト1に締結するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記(1)、(2)の両方法とも、特殊なボルトを使用する必要があるうえ、十分な接合強度が確保できない場合があり、本来的には、できるだけ普通のボルトを使用した高強度な接合が望ましが、ボルトを特に薄鋼板製の角形鋼の端縁に使用した場合、ナット締結によって角形鋼が変形し、締結力が不十分となる不具合が生じることは前述した通りである。
【0006】
本発明は従来の前記欠点に鑑みて提案したもので、接合金物を介してかつ、ボルトを使用して、角形鋼同士または角形鋼と他部材を円滑に接合できる、角形鋼接合用の変形防止金物と角形鋼の組立て方法および屋根トラスを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の問題を解決するため、本発明は次のように構成する。
【0008】
第1の発明は、角形鋼に接合金物を当てがい、その当接部に開設したボルト挿通孔にボルトを挿通することで、当該接合金物を介して前記角形鋼同士または、角形鋼と他部材とを接合する部位に用いる変形防止金物であって、前記変形防止金物は、ボルト挿通部となる筒状体と、この筒状体を先端折曲げ部の内側で抱持すると共に、基端に角形鋼端縁との係合部を有するボルト挿通部保持部とから構成されていることを特徴とする。
【0009】
第2の発明は、第1の発明に記載の発明において、当該変形防止金物は、角形鋼の内側への変形を防止する内側面支持部を両端に有するボルト挿通部と、角形鋼の端縁と係止し、または角形鋼の内側面に圧接することで前記ボルト挿通孔と合致する位置に前記ボルト挿通部を保持させるボルト挿通部用保持部とからなることを特徴とする。
【0010】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記角形鋼の板厚は、0.4mm〜3.2mmであることを特徴とする。
【0015】
【作用】
本発明では、スチールハウスの屋根トラスなどに用いられる角形鋼同士または、角形鋼と他部材を接合金物(ガセットプレート)を介してボルト接合するに際し、ボルト挿通孔の開設位置における角形鋼内部にその変形を阻止する変形防止金物が存在するので、普通のボルトを使用して締め付け固定しても、薄鋼板製の角形鋼は変形することがない。
【0016】
しかも、この変形防止金物は、角形鋼の端部からその内部へ差し込むという極めて単純な取り付け作業のみで、当該金物のボルト挿通部を角形鋼に開設のボルト挿通孔と正確に合致させることができ、変形防止金物の位置決め固定を円滑かつ迅速に行うことができる
【0017】
また、前記の変形防止金物を組み込んだ角形鋼製のフレームを複数用いて屋根トラス等を組立てる際、当該フレームの組立て作業が円滑に行われ、かつ、組立てられた屋根トラスは、接合部が強固であり、全体の枠組みも堅牢である。さらに、複数のフレームの接合部に断面U字の接合金物(ガセットプレート)を用いることで、フレームの接合作業は一層円滑となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1(A)、(B)は、薄鋼板製の角形鋼(フレーム)の接合構造の一例の概要説明図で、建物の小屋組の構成材をイメージして図示している。図において同一平面内に異なる角度で配置された複数の角形鋼7a、7b、7cが、金属板を略U字形に曲げ形成してなる接合金物(ガセットプレート)8の内側で交わり、この接合金物8を介してボルトとナットにより角形鋼7a、7b、7c同士が接合されている。角形鋼7a、7b、7cは、板厚が0.4mm〜3.2mm程度のボルトの締結力で変形しやすい薄鋼板が用いられている。
【0020】
また、図示例では、複数の角形鋼のうち1本の角形鋼7aの中間部がU字形の接合金物8の底部で支持されていて、図1(A)の場合は、角形鋼7aと接合金物8の両側板8aを貫通する一本のボルト12にナット13と締結することで両部材が固定されている。図1(B)の場合は、角形鋼7aと接合金物8を貫通する複数本のドリルねじ40にナット15を締結することで両部材が固定されている。
【0021】
他の2本の角形鋼7b、7cは、それぞれの端部がU字形の接合金物8の内側に異なる角度から導かれていて、図1(A)、(B)のいずれも、角形鋼7b、7cと接合金物8を貫通する各ボルト12にナット13と締結して固定されている。この場合、従来例で説明したとおり、特に、薄鋼板製の角形鋼の端部においては、各ボルト12にナット13を締結する際、角形鋼7b、7cに単純に孔あけ加工を施し、この孔に通したボルト12を締め付けると、ボルト12の締め付け力で角形鋼7a、7bの端部は、矩形断面が変形するため具合よく接合できない。
【0022】
このため、図1の2つの角形鋼7b、7cの端部にあっては、図2〜図5に示す変形防止金物14を角形鋼の端部から挿入することで前記の問題を解決している。図2、図3は実施形態1、2に係る変形防止金物14を示し、図4(A)、(B)、(C)は、実施形態3、4、5に係る変形防止金物14を示し、図5は、実施形態6に係る変形防止金物14を示す。
【0023】
以下、順に説明する。図2に示す実施形態1の変形防止金物14は、所定幅で長方形の1枚の金属板を図示形状に折り曲げることにより、ボルト12の挿通部を形成する筒状折曲げ部15と、この筒状折曲げ部15から伸びる所定長の接続部16と、接続部16の端部に形成された、第1曲げ部17と第2曲げ部18からなる端部係止部19とから構成されている。
【0024】
変形防止金物14の図における上下端の寸法(L)は、矩形断面の角形鋼7の図2における上下辺21、22の内壁面と略同一寸法に設けられている。また、角形鋼7の上下辺21、22で、かつ端縁23から他端縁側に所定長離れた位置にボルト孔24が形成されている。
【0025】
そして、変形防止金物14は図示の態様で角形鋼7の端縁23から内部に挿入し、第2折曲げ部18を角形鋼7の両側辺25、26の端縁23に係止させる。また、この係止状態において、筒状折曲げ部15を角形鋼7の上下辺21、22のボルト孔24に合致させる。変形防止金物14における接続部16の長さは、変形防止金物14を角形鋼7の端縁に係止させた時、筒状折曲げ部15がボルト孔24と合致するよう、当該ボルト孔24から端縁23までの長さと等しくなるように設けられている。
【0026】
したがって、この変形防止金物14を角形鋼7の端部から挿入し、端縁23に係止させたうえ、この角形鋼7(図1における、7b、7c)の端部を図2(B)、(C)のように接合金物8の両側板8aの内側に配置し、ボルト12を両側板8aのボルト孔27と、変形防止金物14の筒状折曲げ部15と、角形鋼7の上下辺21、22のボルト孔24を通して挿通し、ナット13を締結することで、角形鋼7を接合金物8の両側板8aに確実に緊締できる。
【0027】
すなわち、本実施形態のように構成すると、ナット13を締結するとき、角形鋼7の上下辺21、22の内側には、変形防止金物14の筒状折曲げ部15の両端縁が位置していて、上下辺21、22はそれに支持されていてナット13の締結時内側に撓み変形せず、したがって、ナット13の締結作用が有効に生きるのである。
【0028】
次に、図3に示す実施形態2は、変形防止金物14の製作工程が実施形態1と若干異なるが、両金物は機能的には同じであるので、同一要素には同一符号を付して説明を省略し、相違する点のみを説明する。
【0029】
実施形態2では、変形防止金物14が、ボルト挿通部を形成する筒体28と、接続部16および第1曲げ部17と第2曲げ部18からなる端部係止部19を形成する、2つの略直角折曲げ部材29からなり、この2つの略直角折曲げ部材29の背中同士を合わせてその角部を溶接30で固定すると共に、接続部16の先端を前記筒体28に溶接30して固定する。実施形態2の他の構成と作用は実施形態1と同じであって、この実施形態2に係る変形防止金物14によっても、図2と同様、ボルト12とナット13を用いて、角形鋼7を接合金物8の両側板8aに確実に緊締できる。
【0030】
図4(A)、(B)、(C)の実施形態3、4、5の変形防止金物14は、実施形態1、2の構成を簡易化したもので、図4(A)の実施形態3では、変形防止金物14が、所定板厚の金属板を略U字形に曲げて構成され、先端の円弧状曲げ部9がボルト挿通部9aとなり、両端の外側折曲げ部9bが角形鋼7の端縁23との端部係止部19として構成されている。
【0031】
図4(B)の実施形態4では、変形防止金物14が、ボルト挿通部となる筒体28と、この筒体28を円弧状先端折曲げ部10aの内側で抱持する略U字形の金属薄板10とからなり、角形鋼7の端縁23との端部係止部19として、金属薄板10の両端に外側折曲げ部10bが構成されている。
【0032】
図4(C)の実施形態5では、変形防止金物14が、ボルト挿通部となる筒体28と、この筒体28を抱持する円弧状の先端折曲げ部11aを有する略U字形の金属薄板11とからなり、この金属薄板11の折曲げ両側辺の途中には、筒体28の外周と係合してこの筒体28のU字の開口部への移動を阻止する折曲げ係合部11cを形成し、さらに、角形鋼7の端縁23との端部係合部19として、金属薄板11の両端に外側折曲げ部11bが構成されている。
【0033】
なお、図4(A)〜(C)の変形例として次の構成としてもよい。すなわち、変形防止金物14における所定板厚の金属板、金属薄板10、金属薄板11等に基端部が外方に拡がる弾発力を付与させ、この弾発力を利用して当該金属板、金属薄板10、金属薄板11の基端部を角形鋼7の内側面に圧接させることで、各変形防止金物14を角形鋼7内の所定位置に位置決めさせることができる。(但し、図示省略する)
【0034】
次に、図5に示す実施形態6の変形防止金物14は、機能的には実施形態1、2と同じであるが、構成がこれと若干異なる。すなわち、実施形態6では、変形防止金物14が正方形の角形鋼7の4辺に内接できる筒状本体31からなり、この筒状本体31には、周壁を貫通してボルト孔32が設けられている。また、筒状本体31の外周面には、90度間隔で所定幅の切削平面33を形成し、この切削平面33の端部に、角形鋼7の端縁23に係止する係合段部34を設け、この係合段部34を端部係止部19として機能させている。
【0035】
実施形態6では、筒状本体31の外周面に90度間隔で形成された切削平面33を、正方形状の角形鋼7の4辺の内壁面に内接してスライドさせながら、前記筒状本体31を角形鋼7の端部から挿入し、その端縁23に係合段部34を係止させる。そして、接合金物8の両側板8aのボルト孔27と、角形鋼7の上下辺21、22のボルト孔24と筒状本体31のボルト孔32を通してボルト12を挿通し、ナット13を締結することで、角形鋼7を接合金物8の両側板8aに確実に緊締できる。すなわち、角形鋼7の上下辺21、22の内面は、変形防止金物14における筒状本体31の切削平面33で支持されているので、ナット13の締結時内側に撓み変形せず、したがって、ナット13の締結作用が有効に奏されるのである。
【0036】
図6〜図11は、実施形態7を示し、先の実施形態1〜6に示した変形防止金物14を取付けた角形鋼のフレームを接合してなる屋根トラス35を示す。なお、以下では、実施形態1の変形防止金物14を使用したものとして説明する。
【0037】
図6の屋根トラス35は、2つの上弦材36、37と1つの下弦材38を正面2等辺3角形に接合して構成され、3角形に組まれた2つの上弦材36、37と1つの下弦材38の間は、複数のラチス材39で結合されている。各弦材は、いずれも板厚1mm程度の薄鋼板製の角形鋼製のフレームで構成されている。また、上弦材36、37と下弦材38とラチス材39との接合部、つまり、図6における、(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)の部分は、図7、図8、図9、図10、図11に詳細図を示す通りである。
【0038】
すなわち、図7〜図11に示すように、角形鋼製の上弦材36、37と下弦材38とラチス材39は、断面がU字形の接合金物8によってボルト12とドリルねじ40とで接合されている。接合金物8の側面形状は、接合箇所毎に、略5角形、略4角形、略直角3角形、たて長方形、横長方形と各々異なっているが、断面がU字形である点は共通であり、このU字形の接合金物8の両側板8aの内側に、同一平面内で異なる角度に配置の上弦材36、37と下弦材38とラチス材39を配置し、ボルト12またはドリルねじ40を用いて、各部材間を締結する。
【0039】
これは図1に示した接合部構成と略同じで、上弦材36、37と下弦材38とラチス材39のそれぞれの端部には変形防止金物14が挿入されているから、接合金物8に端部が位置する各部材(角形鋼)にあっては、ボルト12によって、かつ変形防止金物14による変形防止機能の作用で角形鋼を変形させることなく締結できる。なお、各部材(薄鋼板製の角形鋼)の端部でなくて、中間部に接合金物8が配置される場合は、ドリルねじ40を用いて接合することを基本とする。
【0040】
前述のようにして、実施形態1〜6の接合装置を角形鋼製の屋根トラスの接合部に適用して構成できる。U字形の接合金物8を予め角形鋼の中間部(端部以外)に接合しておき、その後にU字形の接合金物8と角形鋼をボルト12を用いて接合するといった作業手順を踏むことで、屋根トラス組立て作業上敬遠されている裏表反転作業を行わずに作業を完了することができる。さらに、この屋根トラスでは、各トラス材が平面に配置されているが、建物の寄棟部分など、3次元の方向に配置された角形鋼製の構築部材の接合部にも本発明の実施形態1〜3の接合装置を適用できる。
【0041】
図12、図13には、実施形態8として、実施形態1〜6に係る角形鋼7をスチールハウス等の建物の寄棟部分に適用した例を示している。図12(B)、図13は、図12(A)に示す寄棟屋根41の(へ)部分の2例の詳細図で、3次元方向に配置される角形鋼製の隅木42と、垂木43と、けらば垂木44とがそれぞれ2種類の接合金物(ガセットプレート)45、46を用いて接合された接合部構造を示している。
【0042】
実施形態8における、図12と図13に示す接合金物45、46の基本構成は共通であるので、共通要素には共通符号を付して説明する。この接合金物45、46は、いずれも1枚の金属板を図示の形状に曲げ形成することで構成されている。
【0043】
すなわち、接合金物45、46の中間部位置には角形鋼製の垂木43の両側面に当てがう両側板47と、垂木43の上面または下面のいずれかに当てがう上面板48(図12)または下面板48a(図13)を、垂木43の傾斜角度に合わせて曲げ形成することで、垂木支持部49を構成しており、両側板47のそれぞれの一端縁(垂木43の傾斜の上部側端縁)を折曲げて側板50と底板51を曲げ形成することで略L字形の隅木支持部52と、けらば垂木支持部53を構成している。
【0044】
したがって、実施形態8においては、垂木支持部49の逆U字またはU字の内側に垂木43を配置し、垂木支持部49の両側板47に開設のドリルねじ挿通孔54を通してドリルねじを螺合することで、垂木43を当該垂木支持部49に固定できる。また、垂木43に対して所定の角度に配置される隅木42と、けらば垂木44の端部は、垂木支持部49に対して所定の角度に形成された隅木支持部52と、けらば垂木支持部53の側板50と底板51とで支持される。
【0045】
この場合、隅木42と、けらば垂木44の端部は、実施形態1〜6で示した変形防止金物14が配設されているので、隅木支持部52と、けらば垂木支持部53の側板50に開設のボルト挿通孔56および、隅木42と、けらば垂木44の両側板ならびに変形防止金物14のボルト挿通孔を挿通してボルト(図示省略)を配設し、ナットを締結することで、隅木42と、けらば垂木44を隅木支持部52と、けらば垂木支持部53に固定できる。
【0046】
図14は、実施形態9として、実施形態1〜6に係る角形鋼7をスチールハウス等の建物の寄棟部分に適用した例を示している。 図14(B)は、図14(A)と同じ寄棟屋根41の(ト)部分の詳細図で、3次元方向に配置される角形鋼製の棟木57と隅木42とが接合金物(ガセットプレート)58を用いて接合された接合部構造を示している。
【0047】
実施形態9における接合金物58は、棟木支持金物58aと、隅木支持金物58bと、連結金物58cとから構成されている。棟木支持金物58aは、1枚の金属板を側面コ字形に曲げ成形することで底板59と前後起立板60を設けて構成されている。隅木支持金物58bは、1枚の金属板を曲げ成形することで底板61と、前後起立板62と、この前後起立板62の両側縁を曲げてなる左右傾斜両側板63を設けて構成されている。連結金物58cは、1枚の金属板を平面コ字形に曲げ成形することで、連結部64と前後の折曲げ部65を設けて構成されている。
【0048】
したがって、実施形態9においては、棟木支持金物58aのU字の内側に棟木57を配置し、棟木支持金物58aの一方の起立板60と連結金物58cの一方の折曲げ部65のそれぞれのボルト挿通孔56にボルト(図示省略)を通し、ナットを締結する。さらに、隅木支持金物58bの一方の起立板60と連結金物58cの一方の折曲げ部65のそれぞれのボルト挿通孔56にボルト(図示省略)を通し、ナットを締結する。そして、さらに、隅木支持金物58bの左右傾斜両側板63の間に、左右方向に傾斜して伸びる2本の各隅木42の端部を配置し、隅木42と左右傾斜両側板63のそれぞれのボルト挿通孔65にボルト(図示省略)を通し、ナットを締結する。この場合、各隅木42の端部には、実施形態1〜6に示す変形防止金物14が固着されている。
【0049】
前述のように構成することで、ボルト12を介して、棟木支持金物58aと、隅木支持金物58bと、連結金物58cとが結合されかつ、これらの各金物からなる接合金物58によって、棟木57と左右方向に傾斜して伸びる2本の各隅木42の端部が結合され、寄せ棟屋根の棟部が構成される。
【0050】
寄せ棟屋根41では、棟木57、垂木43、隅木42、けらば垂木44などの交差部を接合金物で結合するが、図11〜図14に示す各接合金物45、46、58は金属板を曲げ成形して、可及的簡潔な構成で、かつ成形も容易で合理的な構成としてあるので、これらと薄鋼板製の角形鋼7からなる垂木43、隅木42の端部補強構成によるボルト12での円滑な締結が相俟って、効率的かつ低コストでの寄せ棟屋根の構築が可能となる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によると、スチールハウスの屋根トラスや、架構などにフレームとして用いられる角形鋼に変形防止金物を挿入することにより、角形鋼同士または、角形鋼と他部材との接合部を、普通のボルトを使用してきつく締め付けても当該角形鋼は変形せず、したがって、締め付け強度が高い普通ボルトを使用して、その締結機能を十分発揮させることができ、段付きボルトや、ワンサイドボルト使用の場合の締結力不足などの不具合を解消できる。
【0052】
しかも、この変形防止金物は、角形鋼の端部からその内部へ差し込むという極めて単純な取り付け作業のみで、当該金物のボルト挿通部を角形鋼に開設のボルト挿通孔と正確に合致させることができ、変形防止金物の位置決め固定を円滑かつ迅速に行うことができる
【0053】
さらに、前記の変形防止金物を組み込んだ角形鋼製のフレームを複数用いて屋根トラス等を組立てる際、当該フレームの組立て作業が円滑に行われ、かつ、組立てられた屋根トラスは、接合部が強固であり、全体の枠組みも堅牢である。さらに、複数のフレームの接合部に断面U字の接合金物(ガセットプレート)を用いることで、フレームの接合作業は一層円滑となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図(A)、(B)は、本発明の実施形態に係る角形鋼の接合装置の一例の概要説明図である。
【図2】(A)は、実施形態1に係る変形防止金物と角形鋼の分離斜視図、(B)は、図(A)の変形防止金物の角形鋼への挿入時の横断面図、図(C)は、図(B)の偏心位置での側面説明図である。
【図3】(A)は、実施形態2に係る変形防止金物の角形鋼への挿入時の横断面図、(B)は、図(A)の変形防止金物の部品の分離図である。
【図4】(A)、(B)、(C)は、それぞれ実施形態3、4、5に係る変形防止金物の角形鋼への挿入時の横断面図である。
【図5】(A)は、実施形態6に係る変形防止金物の角形鋼への挿入前の斜視図、(B)は、図(A)の変形防止金物の角形鋼への挿入時の端面図、(C)は、変形防止金物の角形鋼への挿入時の縦断側面図である。
【図6】実施形態7として示す屋根トラスの正面図である。
【図7】図6の(イ)部の詳細図である。
【図8】図6の(ロ)部の詳細図である。
【図9】図6の(ハ)部の詳細図である。
【図10】図6の(ニ)部の詳細図である。
【図11】図6の(ホ)部の詳細図である。
【図12】(A)は、寄棟の平面説明図で、(B)は、図(A)の(ヘ)部の詳細図である。
【図13】図12(B)の変形例の詳細図である。
【図14】(A)は、寄棟の平面説明図で、(B)は、図(A)の(ト)部の詳細図である。
【図15】従来例を示し、角形鋼を段付きボルトを用いて、小屋束に固定した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 段付きボルト
2 小屋束
3 母屋取り付け金物
4 角形鋼
5 ボルト孔
6 座付きナット
7 角形鋼
8 接合金物
8a 両側板
8b 両側板
9 円弧状曲げ部
9a ボルト挿通部
9b 外側折曲げ部
10 金属薄板
10a 円弧状曲げ部
11 筒体
12 ボルト
13 ナット
14 変形防止金物
15 筒状折曲げ部
16 接続部
17 第1折曲げ部
18 第2折曲げ部
19 端部係止部
20 端部
21 上辺
22 下辺
23 端縁
24 ボルト孔
25 両側辺
26 両側辺
27 ボルト孔
28 筒体
29 略直角折曲げ部
30 溶接
31 筒状本体
32 ボルト孔
33 切削平面
34 係合段部
35 屋根トラス
36 上弦材
37 上弦材
38 下弦材
39 ラチス材
40 ドリルねじ
41 寄せ棟屋根
42 隅木
43 垂木
44 けらば垂木
45 接合金物
46 接合金物
47 両側部
48 上面板
48a 下面板
49 垂木支持部
50 側板
51 底板
52 隅木支持部
53 けらば垂木支持部
54 ドリルねじ挿通孔
56 ボルト挿通孔
57 棟木
58 接合金物
58a 棟木支持金物
58b 隅木支持金物
58c 連結金物
59 底板
60 前後起立板
61 底板
62 前後起立板
63 左右傾斜両側板
64 連結板
65 前後折曲げ部

Claims (3)

  1. 角形鋼に接合金物を当てがい、その当接部に開設したボルト挿通孔にボルトを挿通することで、当該接合金物を介して前記角形鋼同士または、角形鋼と他部材とを接合する部位に用いる変形防止金物であって、
    前記変形防止金物は、ボルト挿通部となる筒状体と、この筒状体を先端折曲げ部の内側で抱持すると共に、基端に角形鋼端縁との係合部を有するボルト挿通部保持部とから構成されていることを特徴とする角形鋼接合用の変形防止金物。
  2. 当該変形防止金物は、角形鋼の内側への変形を防止する内側面支持部を両端に有するボルト挿通部と、角形鋼の端縁と係止し、または角形鋼の内側面に圧接することで前記ボルト挿通孔と合致する位置に前記ボルト挿通部を保持させるボルト挿通部用保持部とからなることを特徴とする請求項1記載の角形鋼接合用の変形防止金物。
  3. 前記角形鋼の板厚は、0.4mm〜3.2mmである請求項1又は2記載の角形鋼接合用の変形防止金物。
JP2001213256A 2001-07-13 2001-07-13 角形鋼接合用の変形防止金物とフレームの組立て方法。 Expired - Fee Related JP4057797B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001213256A JP4057797B2 (ja) 2001-07-13 2001-07-13 角形鋼接合用の変形防止金物とフレームの組立て方法。

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001213256A JP4057797B2 (ja) 2001-07-13 2001-07-13 角形鋼接合用の変形防止金物とフレームの組立て方法。

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007218878A Division JP2008008145A (ja) 2007-08-24 2007-08-24 角形鋼接合用の変形防止金物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003027602A JP2003027602A (ja) 2003-01-29
JP4057797B2 true JP4057797B2 (ja) 2008-03-05

Family

ID=19048268

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001213256A Expired - Fee Related JP4057797B2 (ja) 2001-07-13 2001-07-13 角形鋼接合用の変形防止金物とフレームの組立て方法。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4057797B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013249701A (ja) * 2012-06-04 2013-12-12 Asahi Kasei Homes Co 鋼材の接合部構造および鋼構造物の耐力パネル

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6268494B2 (ja) * 2015-06-29 2018-01-31 株式会社ダイフク 溝形鋼端部の潰れ防止具
CN108729588B (zh) * 2018-08-19 2023-11-28 大连阔森特新型建材有限公司 一种钢木组合桁架连接构造

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013249701A (ja) * 2012-06-04 2013-12-12 Asahi Kasei Homes Co 鋼材の接合部構造および鋼構造物の耐力パネル

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003027602A (ja) 2003-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100715374B1 (ko) 부재 상호의 접합 철물 및 상하층 수직 프레임재 접합 구조및 접합 방법
US8931233B2 (en) Building frame
JP4057797B2 (ja) 角形鋼接合用の変形防止金物とフレームの組立て方法。
JP2008008145A (ja) 角形鋼接合用の変形防止金物
JP3093168B2 (ja) スチールハウスの枠組用材
KR100637832B1 (ko) 조립연결수단을 구비한 건축용 사각파이프
JP3477074B2 (ja) 横架材と上下階の垂直材の接合構造
JPH03221636A (ja) 梁の接続構造
JP3919938B2 (ja) 壁構造
JPH0630972Y2 (ja) 建築用接合金具
JP3553022B2 (ja) 隅木又は谷木の組立工法及びその接合金具
JP2706233B2 (ja) 柱の連結構造
JP3547020B2 (ja) いらか部のブレース,陸梁つなぎ接合構造
JP2955188B2 (ja) 組立て式建物
JP2908703B2 (ja) 組立て式建物
JPS6236883Y2 (ja)
JP2004084353A (ja) 屋根用トラス梁の据付構造及び据付方法
JP3607401B2 (ja) トラスの接合構造
JPS5918011Y2 (ja) 小屋組み装置
KR200407074Y1 (ko) 조립연결수단을 구비한 건축용 사각파이프
JPS5835772Y2 (ja) 簡易組立家屋
JPH0644985U (ja) 接合金具
JP4493183B2 (ja) 鋼管端部と屋根下地材との接続構造
JP3032005U (ja) フレ−ムの接合構造
JP3341918B2 (ja) 鉄骨軸組の仕口部構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050913

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070626

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071214

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101221

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees