JP2908703B2 - 組立て式建物 - Google Patents

組立て式建物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、組立て、分解の容易
な建物に関し、例えば、中小規模の事務所、店舗、郊外
レストラン等広範囲に利用できるものである。
【0002】
【従来の技術】この種の建物は、床面積を大きく取るた
めに、何棟か連結したり(連軒)、上に積み上げて2階
建てにしたりする。従来の組立て式建物は、連軒にする
場合、建物を両端で接続するだけあった。このため、隣
の建物の桁同士が一体に働かないので、2階から大きな
荷重が掛かるような場合、桁のたわみが過大になってし
まう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は隣の建物の
桁同士を接続して、一体に働くようにすることを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】この組立て式建物は、溝
を外側に向けたコの字形断面の桁の中間部に接続板を設
ける。接続板は、桁の上フランジと下フランジの縁を繋
ぐ格好でその間に固定する。連軒にする場合は、隣接す
る2つのの建物の接続板同士をこれらに挿通したボルト
で緊締する。
【0005】接続板の両側を内側に折曲して、その周縁
を桁に溶接すると強度が増す。この場合、接続板の裏側
に手が入るよう、桁の上フランジに作業穴をあけるとよ
い。
【0006】
【実施例】この発明の実施例を図面に基づいて説明する
と、図1に示すように、この組立て式建物1は箱形で、
工場で予め作った床パネル2、屋根パネル3、支柱5を
現場に運んで組み上げ、最後に壁パネル9を取り付ける
ようになっている。各支柱5は鋼製ボックス形であり、
同一端面の2本の支柱は上下を梁6、7で結合されてい
る。
【0007】床パネル2は、図2に示すように、溝10
を外に向けてコの断面の鋼製の桁11が両側に通ってお
り、その間に横桁(図示していない)を渡し、床板12
を張ってある。組立ての際は、この床桁11の端面に支
柱5の下部を宛てがい、2本のボルト13で緊締する
(図4)。このボルト締めが可能なよう、支柱5の下端
には、外側に向って開口15を設けてある。
【0008】支柱5からはブラケット16が突き出てお
り、これと床桁のウエッブ11cおよび桁11の上に溶
接したアイピース17を3本のボルト19で締め付け
る。
【0009】屋根パネル3は、図3に示すように、溝1
0を外に向けたコの字断面の鋼製の桁20が両側に通っ
ており、桁と桁の間に横桁(図示しない)を渡し、屋根
板21が張ってある。
【0010】支柱5の上にはほぞ22を形成しておく。
ほぞ22は鋼板溶接製で、外側が開放している。ほぞ2
2の一面はテーパーしており、横からみたとき、下に行
くほど太くなっている。
【0011】屋根桁20には、このほぞ22が係合する
ソケット23を組み込んでおく。ソケット22は、上下
に延びる2枚の板23a、23bからなり、これら板の
間にほぞ22と同じ形状の空間が形成されている。組み
立てるときは、このソケット23に支柱5のほぞ22を
嵌合し、板23a,23bとほぞ22をボルト25,2
6で緊締する(図4)。
【0012】このようにソケットにほぞをはめ込んでボ
ルト締めするので、屋根桁20と支柱5の結合が剛節に
近いものとなる。ほぞ22が上述のようにテーパーして
いるので、ソケット23にはめ込みやすくなっている。
【0013】この組立て式建物は、図1に鎖線で示すよ
うに、いくつかの建物を繋いで、床面積の大きな1つの
建物として使用する場合がある。床桁11および屋根桁
20には、このための接続板30がそれぞれ2個ずつ間
隔をあけて設けられている。
【0014】接続板30は、図2、図3に示すように、
ボルト孔をあけた鋼板で、桁11、20の溝10を塞ぐ
ように上下のフランジの縁の間に溶接される。接続板3
0の両端は内側に折れ曲がっており、その周縁は桁1
1、20に溶接する。接続板30の裏側に手が入るよ
う、上側フランジ11a,20aには作業穴31をあけ
る。
【0015】図1のように2つの建物をぴったり隣合わ
せにすると、各々の建物の接続板30が重なり合うの
で、図5に示すように、作業穴31から差し入れたボル
ト32をボルト孔に通し、締め付ける。
【0016】こうすれば、隣の建物の桁同士が一体的に
結合されるので、2階建てにしたような場合でも、荷重
によって生ずる桁の歪を少なく押さえることができる。
なお、連軒時は接続板30で繋ぐだけでなく、屋根桁2
0の端部板33および支柱の下部側板35にもボルトを
通して隣同士を繋ぐようにする。
【0017】
【発明の効果】この発明の組立て式建物は、溝を外側に
向けたコの字形断面の桁の上フランジと下フランジの縁
を繋ぐ格好で桁の中間部に接続板を固定し、隣接する2
つの建物の接続板同士をこれらに挿通したボルトで緊締
したものであり、連軒にする場合、隣の桁同士が一体的
に結合され、高い強度が得られる。また、ボルトが桁の
溝の中に収まり、見栄えがよい。
【0018】 また、接続板の両側を内側に折曲して、
その周縁を桁に溶接したので、接続板の剛性を高めるこ
とができ、しかも、該接続板の裏側に手が入るよう、桁
の上フランジに作業穴をあけたので、ボルト締め作業が
容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】組立て式建物の全体斜視図である。
【図2】床パネルと支柱の結合部の分解斜視図である。
【図3】屋根パネルと支柱の結合部の分解斜視図であ
る。
【図4】支柱と桁との結合状態を示す側面図である。
【図5】連軒時の要部横断面図である。
【符号の説明】
10 溝 11 床桁 20 屋根桁 30 接続板 31 作業穴 32 ボルト

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溝(10)を外側に向けたコの字形断面
    の桁(11、20)の上フランジ(11a、20a)と
    下フランジ(11b、20b)の縁を繋ぐ格好で該桁の
    中間部に接続板(30)を固定し、隣接する2つの建物
    の接続板同士をこれらに挿通したボルト(32)で緊締
    するようにし、該接続板の両側を内側に折曲して、その
    周縁を該桁に溶接し、該接続板の裏側に手が入るよう、
    該桁の上フランジ(11a、20a)に作業穴(31)
    をあけた組立て式建物。
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