JP2013249701A - 鋼材の接合部構造および鋼構造物の耐力パネル - Google Patents

鋼材の接合部構造および鋼構造物の耐力パネル Download PDF

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Abstract

【課題】コストや手間をかけることなく十分な強度を得ることができる鋼材の接合部構造および鋼構造物の耐力パネルを提供する。
【解決手段】接合部構造Aおよび耐力パネルでは、既存柱3の側面部3cおよび後設置柱の側面部に対し、耐力要素6をワンサイドボルト20およびドリルねじ21によって固定する。このドリルねじ21により、ワンサイドボルト20とボルト挿通孔との間にクリアランスがあっても、板状部同士を確実に固定する。ワンサイドボルト20とドリルねじ21とを併用することにより、水平力によって、接合部の接合面方向、すなわちワンサイドボルト20にせん断力が作用する方向に力が作用しても、ドリルねじ21がせん断力を負担し、板状部同士のスリップが防止される。ワンサイドボルト20およびドリルねじ21は汎用品であり、かつ施工も容易である。よって、コストや手間をかけることなく十分な強度を得ることができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、鋼材の接合部構造および鋼構造物の耐力パネルに関する。
従来、ボルトを用いて2つの鋼材を接合する接合部構造が知られている。たとえば、下記特許文献1には、高力ボルトを用いた鉄骨部材の接合部構造が記載されている。この接合部構造では、重ね合わされた2枚の厚鋼板のボルト孔に高力ボルトを挿入し、高力ボルトの軸部とボルト孔との間の隙間(クリアランス)に、円筒状の鞘材を挿入している。鞘材を隙間に介在させることで、高力ボルトのせん断耐力の増強を図っている。
特開2007−92884号公報
上記特許文献1に記載の構造のようにボルトを用いて2つの鋼材を接合する場合、ボルト孔とボルトとの間にはクリアランスが設けられる。上記特許文献1に記載の構造では、鞘材を介在させているものの、やはりクリアランスは残る。このような構造では、接合面方向、すなわちボルトにせん断力が作用する方向に力が作用した場合、接合面において2つの鋼材が互いにスリップしてしまう。2つの鋼材が接合面でスリップすると、力の伝達がスムーズに行われず、その結果として十分な耐力が得られないおそれがある。
また、上記特許文献1に記載の構造では、摩擦力によってスリップを防止することが可能であるが、高力ボルトを用いているためコストが高いという問題がある。さらには、たとえば既築の鋼構造の建物に耐力要素などの部材を後から設置する場合、既に建物が完成しているため施工が困難になることがあり、接合部を形成するには手間がかかる。このように、従来の構造では、コストや手間がかかってしまう。
本発明は、コストや手間をかけることなく十分な強度を得ることができる鋼材の接合部構造および鋼構造物の耐力パネルを提供することを目的とする。
上記課題を解決した鋼材の接合部構造は、板状部を有する複数の鋼材同士を接合する鋼材の接合部構造であって、板状部の厚さ方向に貫通する第1のボルト挿通孔が形成された第1の鋼材と、板状部の厚さ方向に貫通する第2のボルト挿通孔が形成された第2の鋼材と、第1のボルト挿通孔および第2のボルト挿通孔に挿通されたワンサイドボルトと、第1の鋼材の板状部および第2の鋼材の板状部に穿孔しながら螺入されたドリルねじと、を備えたことを特徴とする。
この接合部構造によれば、第1の鋼材と第2の鋼材の板状部同士がワンサイドボルトにより接合される。さらに、第1の鋼材の板状部と第2の鋼材の板状部が、ドリルねじによって互いに固定される。このドリルねじにより、ワンサイドボルトとボルト挿通孔との間にクリアランスがあっても、板状部同士が確実に固定される。ワンサイドボルトとドリルねじとを併用することにより、板状部の接合面方向、すなわちワンサイドボルトにせん断力が作用する方向に力が作用しても、ドリルねじがせん断力を負担し、板状部同士のスリップが防止される。ワンサイドボルトおよびドリルねじは汎用品であり、かつ施工も容易である。よって、コストや手間をかけることなく十分な強度を得ることができる。
また、上記課題を解決した鋼構造物の耐力パネルは、閉断面を形成する鋼材からなり、上下の横架材の間に立設された一対の縦材と、鋼材からなり、一対の縦材の対向する側面部に接合された耐力要素と、少なくとも一方の縦材の側面部において鋼材の厚さ方向に貫通する第1のボルト挿通孔と、耐力要素において鋼材の厚さ方向に貫通する第2のボルト挿通孔とに挿通されたワンサイドボルトと、耐力要素および少なくとも一方の縦材の側面部に穿孔しながら螺入されたドリルねじと、を備えたことを特徴とする。
この耐力パネルによれば、少なくとも一方の縦材の側面部に対し、耐力要素がワンサイドボルトにより接合される。さらに、少なくとも一方の縦材の側面部に対し、耐力要素がドリルねじによって固定される。このドリルねじにより、ワンサイドボルトとボルト挿通孔との間にクリアランスがあっても、板状部同士が確実に固定される。ワンサイドボルトとドリルねじとを併用することにより、水平力によって、接合部の接合面方向、すなわちワンサイドボルトにせん断力が作用する方向に力が作用しても、ドリルねじがせん断力を負担し、板状部同士のスリップが防止される。ワンサイドボルトおよびドリルねじは汎用品であり、かつ施工も容易である。よって、コストや手間をかけることなく十分な強度を得ることができる。
また、上記耐力パネルにおいて、縦材は角形鋼管からなり、耐力要素には、ドリルねじを案内する複数のガイド孔が形成されており、複数のガイド孔は、構造設計上の必要数よりも多く形成され、かつ、高さ方向の異なる位置に形成される。この構成によれば、複数のガイド孔の中からドリルねじを通すガイド孔を適宜選択することができる。よって、縦材の一の側面部と、一の側面部に直交する他の側面部とに耐力要素を接合する際に、一の側面部および他の側面部からそれぞれ螺入されたドリルねじの相互の干渉を防止することができる。したがって、構造設計上、必要となる数のドリルねじを確実に取り付けることができる。
また、上記耐力パネルにおいて、縦材は、一の側面部に連設され一の側面部とは異なる方向に延びる他の側面部を有し、少なくとも一方の縦材の一の側面部に当接する耐力要素の当接部には、他の側面部に係止されて、耐力要素の横方向の位置決めをする係止片が設けられる。この構成によれば、他の側面部に係止片が係止されて、耐力要素が横方向に位置決めされるので、耐力要素の位置決めが容易である。また、取り付け時における耐力要素の横方向のずれが防止される。
本発明によれば、コストや手間をかけることなく十分な強度を得ることができる。
耐力パネルの一実施形態が適用された鋼構造物を示す正面図である。 耐力要素の正面図である。 鉛直ローラー柱の正面図である。 柱と耐力要素との接合部の拡大図である。 (a)は耐力要素の接合部に設けられる取付板の一形態を示す正面図、(b)は取付板の他の形態を示す正面図である。 (a)〜(e)は、各接合形態におけるドリルねじの配置関係を示す断面図である。 梁接合部構造を拡大して示す正面図である。 (a)はジョイントボックスの正面図、(b)はジョイントボックスの平面図、(c)はジョイントボックスの底面図である。 柱脚部を拡大して示す正面図である。 (a)は柱脚部材の正面図、(b)は柱脚部材の平面図、(c)は柱脚部材の側面図である。 耐力パネルの設置手順を示すフローチャートである。 アンカーボルトの設置手順を示すフローチャートである。 (a)〜(c)は、アンカーボルトの設置手順を示す断面図である。 (a)はセットプレートの平面図、(b)は定着部材の正面図である。 (a)〜(c)は、図13に続くアンカーボルトの設置手順を示す断面図である。 (a)〜(c)は、耐力パネルの設置手順を示す正面図である。 荷重に対する耐力要素の変位を示す図である。 (a)および(b)は、耐力パネルの他の実施形態が適用された鋼構造物を示す正面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
(耐力パネル構造)
図1に示されるように、本実施形態の耐力パネル構造10は、既存の鉄骨構造物(鋼構造物)に耐力パネル80を設置してなるものである。耐力パネル構造10は、H形鋼からなる既存梁(上梁)1と、鉄筋コンクリート製の既存基礎(下梁)2と、既存梁1と既存基礎2との間に立設された既存柱3および後設置柱4と、を備える。既存梁1および既存基礎2は、上下の横架材に相当する。既存柱3および後設置柱4は、一対の縦材に相当する。既存柱3と後設置柱4とは、連結材である耐力要素6を介して互いに連結されている。なお、複数の階層を有する建物においては、2階部分に耐力パネル構造10を形成する場合、既存梁1が下梁に相当する。
耐力要素6は、互いに対向する既存柱3の側面部3cと後設置柱4の側面部4cとに接合されている。耐力パネル構造10では、上下方向に2つの耐力要素6が並設されている。耐力要素6と既存柱3の側面部3c、および、耐力要素6と後設置柱4の側面部4cは、それぞれ上下2点において接合部構造Aによって接合されている。すなわち、2つの耐力要素6は、合計8箇所の接合部構造Aによって、既存柱3および後設置柱4に接合されている。
図2に示されるように、耐力要素6は、極低降伏点鋼からなる鋼材ダンパ6aと、枠体の底辺となる長辺材6bと、二等辺三角形状の斜辺となる斜辺材6c,6dと、斜辺材6c,6dを連結する連結片6fと、連結片6fと長辺材6bとを連結して剛性を高める水平材6eとを有する。鋼材ダンパ6aは、連結片6fに対してボルト接合されており、劣化した際には交換可能になっている。長辺材6bは、溝形鋼からなる。斜辺材6c,6dは、円形鋼管からなる。
図1に示されるように、既存柱3の柱本体3aは、角形鋼管からなる柱体である。既存柱3の下端部には柱脚部材8が設けられている。既存柱3は、この柱脚部材8を介して、基礎梁2に対し接合されている。既存柱3の上端部には柱頭部材7が設けられている。既存柱3は、この柱頭部材7を介して、既存梁1に対し接合されている。既存柱3では、既存梁1に作用する鉛直方向の力を基礎梁2に伝達可能になっている。
後設置柱4の柱本体4aは、柱本体3aと同様、角形鋼管からなる柱体である。後設置柱4は、柱本体4aと、柱本体4aの下端部に設けられた柱脚部材4bとを有する。すなわち、後設置柱4は、1階の床レベルで分割された2部材から構成されている。柱本体4aは、柱脚部材4bを介して、基礎梁2に対し接合されている。
図3に示されるように、柱本体4aの上端部には平板状の上端板16が溶接により固定されており、柱本体4aの下端部には平板状の下端板17が溶接により固定されている。柱本体4aは閉断面を形成している。柱本体4aには、後述するワンサイドボルト20が挿入されるボルト挿通孔15が形成されている。
後設置柱4の上端面である上端板16の中央には、円柱形状の突出部材12が上方に突出している。この突出部材12と既存梁1に固定されたジョイントボックス11(図1参照)とによって、後設置柱4が基礎梁2に対し鉛直ローラー接合されている。これらの突出部材12およびジョイントボックス11を有して、鉛直ローラー接合による梁接合部構造Bが構成されている。すなわち、後設置柱4は、鉛直ローラー柱である。
図1に示されるように、梁接合部構造Bでは、後設置柱4の上端部が既存梁1に対し鉛直ローラー接合されることにより、後設置柱4の上端部には、水平方向の力のみが既存梁1から伝達されるようになっている。鉛直方向の力は、後設置柱4に伝達されないようになっている。
しかも、本実施形態の梁接合部構造Bでは、水平方向の力を伝達する機能に方向性がない。すなわち、梁接合部構造Bは、既存梁1の延在方向(図1の左右方向;以下、X方向ともいう)の力、および、既存梁1の延在方向に直交する水平方向(図1の紙面垂直方向;以下、Y方向ともいう)の力を同様に後設置柱4に伝達可能になっている。このような構造により、耐力パネル構造10のように後設置柱4に1つの耐力パネル80が設置される場合に限られず、既存梁1の延在方向に直交する方向における後設置柱4の側面部にも耐力パネルを設置可能である。
(接合部構造)
図4は、柱と耐力要素との接合部の拡大図である。図4では、既存柱3と耐力要素6との間の接合部構造について図示しているが、後設置柱4と耐力要素6との間の接合部構造も、これと同様である。図4に示されるように、接合部構造Aは、長辺材6bの端部6baおよび斜辺材6cの端部18が、側面部3cに接合された構造である。
接合部構造Aは、長辺材6bの端部6baと、円形鋼管が押し潰されて平坦状になった斜辺材6cの端部18と、長辺材6bおよび斜辺材6cの三方を囲むように配置されたU字形の取付板13と、これらの長辺材6bの端部6ba、斜辺材6cの端部18、および取付板13が接合される側面部3cと、を有する。平坦状になった斜辺材6cの端部18は、溝形鋼管である長辺材6bの端部6baの溝内に配置されている。取付板13は、長辺材6b端部6baに対して溶接されている。
さらに、接合部構造Aは、長辺材6bの端部6ba、斜辺材6cの端部18、および取付板13と、側面部3cとを互いに高い強度で接合するため、1本のワンサイドボルト20および複数本のドリルねじ21,22を有する。すなわち、接合部構造Aは、ワンサイドボルト20とドリルねじ21,22とを併用することよって鋼材同士を接合した構造である。
側面部3cは、第1の鋼材の板状部を構成している。側面部3cには、その厚さ方向に貫通するボルト挿通孔が形成されている。このボルト挿通孔には、ワンサイドボルト20が挿入される。長辺材6bの端部6ba、斜辺材6cの端部18、および取付板13は、一体化されて第2の鋼材の板状部を構成している。長辺材6bの端部6baおよび斜辺材6cの端部18には、その厚さ方向に貫通するボルト挿通孔が形成されている。このボルト挿通孔には、ワンサイドボルト20が挿入される。なお、斜辺材6cの端部18には、ワンサイドボルト20が挿入される挿通孔を有する補強プレート19が設けられる。
図5(a)は、耐力要素6の接合部に設けられる取付板13の一形態を示す正面図、図5(b)は、取付板の他の形態を示す正面図である。図5(a)に示されるように、取付板13は、U字板13aと、U字板13aの一方(図示右側)の端部に連設されてU字板13aから垂直に延びる係止片26と、を有する。取付板13のU字板13aは、斜辺材6cの端部18が嵌め込まれる嵌め込みスペース13bを形成する。係止片26は、既存柱3または後設置柱4の一の側面部に取付板(当接部)13が当接する場合に、一の側面部に連設され一の側面部に直交して延びる他の側面部に係止される。係止片26は、耐力要素6の横方向の位置決めをするためのものである。
U字板13aには、ドリルねじ21,22を案内する複数のガイド孔23a,23b,24a,24bが形成されている。図4に示されるように、構造設計上、接合部構造Aには4本のドリルねじ21,22が必要であるが、U字板13aには、8個のガイド孔(すなわち2倍の数のガイド孔)が形成されている。これらのガイド孔の直径は、ドリルねじ21,22の直径よりも小さい。
端部側(図5(a)では上側)のガイド孔23aおよび23bは、先端側に取り付けられるドリルねじ21用のガイド孔である。ガイド孔23aおよび23bは、互いに高さ方向および幅方向の異なる位置に形成されている。すなわち、ガイド孔23aおよび23bは、互いに高さ方向および幅方向においてずれた位置に形成されている。ガイド孔23aおよび23bのいずれか一方に、ドリルねじ21が螺入される。
他方の(図5(a)では下側)のガイド孔24aおよび24bは、水平材6e側に取り付けられるドリルねじ22用のガイド孔である。ガイド孔24aおよび24bは、互いに高さ方向の異なる位置に形成されている。すなわち、ガイド孔24aおよび24bは、互いに高さ方向においてずれた位置に形成されている。ガイド孔24aおよび24bのいずれか一方に、ドリルねじ22が螺入される。
図5(b)に示されるように、取付板27は、U字板27aと、U字板27aの一方(図示左側)の端部に連設されてU字板27aから垂直に延びる係止片29と、を有する。取付板27のU字板27aは、斜辺材6cの端部18が嵌め込まれる嵌め込みスペース27bを形成する。係止片29は、既存柱3または後設置柱4の一の側面部に取付板(当接部)13が当接する場合に、一の側面部に連設され一の側面部に直交して延びる他の側面部に係止される。係止片29は、耐力要素6の耐力要素の横方向の位置決めをするためのものである。
U字板27aには、ドリルねじ21,22を案内する複数のガイド孔23a,23b,24a,24bが形成されている。図4に示されるように、構造設計上、接合部構造Aには4本のドリルねじ21,22が必要であるが、U字板27aには、8個のガイド孔(すなわち2倍の数のガイド孔)が形成されている。U字板27aのガイド孔23a,23b,24a,24bは、U字板13aのガイド孔23a,23b,24a,24bと同じ位置に形成されている。
係止片29が形成されるU字板27aの一方の端部は、係止片26が形成されるU字板13aの一方の端部よりも長くされている。係止片29が形成されるU字板27aの一方の端部には、係止片29の直上において、切り欠き30が形成されている。この切り欠き30は、係止片26よりも大きく形成されている。同一の既存柱3または後設置柱4において、取付板13と取付板27とが隣接して用いられる際、切り欠き30内には、係止片26が位置することとなる。これにより、取付板13と取付板27との相互の干渉が防止される。
なお、取付板としては、上記の取付板13や取付板27の他にも、取付板13および取付板27と左右対称構造の取付板を用いてもよいし、ガイド孔の個数や配置を変更した取付板を用いてもよい。
側面部3cに対して長辺材6bの端部6ba、斜辺材6cの端部18、および取付板13を接合する方法について説明する。まず、側面部3cに対して、一体化された長辺材6bの端部6ba、斜辺材6cの端部18、および取付板13を重ね合わせる。さらに、長辺材6bの端部6baおよび斜辺材6cの端部18に形成されたボルト挿通孔に、ワンサイドボルト20を挿入し、所定の方法でワンサイドボルト20を取り付ける。さらに、ガイド孔23aおよび23bのいずれか一方に、ドリルねじ21を突き入れ、取付板13および側面部3cに穿孔させながらドリルねじ21を螺入する。同様にして、ガイド孔24aおよび24bのいずれか一方に、ドリルねじ22が螺入される。を突き入れ、取付板13および側面部3cに穿孔させながらドリルねじ22を螺入する。
このようにして形成された接合部構造Aでは、ワンサイドボルト20は主に引張力を負担し、複数のドリルねじ21は主にせん断力を負担する。このようなワンサイドボルト20とドリルねじ21との併用により、接合部構造Aの接合面(側面部3cと斜辺材6cの端部18および取付板13との合わせ面)がスリップしない構造になっている。
図6(a)〜(e)は、各接合形態におけるドリルねじの配置関係を示す断面図である。既存柱3は、側面部3cと、側面部3dと、側面部3eと、側面部3fとの4面の側面部を有する。これら3面の側面部のいずれに耐力要素6が接合される場合であっても、各耐力要素6は支障なく接合される。
たとえば、図6(b)に示されるように、側面部3cと、側面部3cに対向する側面部3dに耐力要素6が接合される接合部構造A1の場合、側面部3cにはU字板13aが用いられ、側面部3dにはU字板13aが用いられる。この場合、いずれのU字板13aにおいても、ガイド孔23aにドリルねじ21が螺入され、ガイド孔24aにドリルねじ22が螺入される。
また、図6(c)に示されるように、側面部3cと、側面部3cに隣接する側面部3eに耐力要素6が接合される接合部構造A2の場合、側面部3cにはU字板13aが用いられ、側面部3eにはU字板27aが用いられる。この場合、U字板13aにおいては、ガイド孔23bにドリルねじ21が螺入され、ガイド孔24bにドリルねじ22が螺入される。一方、U字板27aにおいては、ガイド孔23bの斜め上のガイド孔23aにドリルねじ21が螺入され、ガイド孔24bの下のガイド孔24aにドリルねじ22が螺入される。このように、用いるガイド孔を高さ方向で変えることにより、隣接するドリルねじ21,22同士の干渉が避けられる。
図6(d)に示されるように、側面部3cと、側面部3cに隣接する側面部3e,3fに耐力要素6が接合される接合部構造A3の場合や、図6(e)に示されるように、すべての側面部3c,3d,3e,3fに耐力要素6が接合される接合部構造A4の場合であっても、用いるガイド孔を高さ方向で変えることにより、隣接するドリルねじ21,22同士の干渉が避けられる。
(梁接合部構造)
図7は、本実施形態の梁接合部構造Bを拡大して示す正面図である。図8(a)は、ジョイントボックスの正面図、図8(b)は、ジョイントボックスの平面図、図8(c)は、ジョイントボックスの底面図である。図7に示されるように、梁接合部構造Bは、柱本体4aの上端板16の中心から上方に突出する円柱形状の突出部材12と、既存梁1のフランジ部(下フランジ)1aに対して固定されたジョイントボックス11と、を有している。突出部材12は、中実であってもよいし、中空であってもよい。
図8に示されるように、ジョイントボックス11は、フランジ部1aの下方で水平方向に延在すると共に、突出部材12が嵌入される嵌入孔31aが形成された板状の保持部材31と、保持部材31上に固定されて、嵌入孔31aの直径よりも僅かに大きな内径を有する円筒部材32と、円筒部材32の上端に固定されて、円筒部材32をフランジ部1aに接合する接合板33とを有する。
接合板33および保持部材31は、いずれも正方形の外形をなしており、ほぼ等しい大きさを有している。円筒部材32は、保持部材31の嵌入孔31aと同心状に配置される。保持部材31の中心位置は嵌入孔31aの中心位置にほぼ一致している。保持部材31、円筒部材32、および接合板33は、互いに溶接により接合されている。保持部材31は、円筒部材32および接合板33を介してフランジ部1aに対して固定されている。接合板33には、フランジ部1aに対する固定のための4つのボルト孔33aが形成されている。
さらに、ジョイントボックス11は、円筒部材32の外周側に立設されると共に保持部材31の上面と接合板33の下面とを連結し、X方向およびY方向(互いに直交する2方向)に沿って配置された4枚の補強板34を有する。ジョイントボックス11の円筒部材32、接合板33、および補強板34は、ジョイントボックス11の剛性を高めている。
図7に示されるように、梁接合部構造Bでは、建物の層間変形に応じた既存梁1の上下方向の変位に応じ、嵌入孔31aに突出部材12が嵌入された状態で、突出部材12と保持部材31とが上下方向に互いに摺動するように構成されている。より詳しくは、突出部材12は、建物の層間変形に応じた既存梁1の上下方向の変位に応じ、保持部材31の嵌入孔31aの周縁および円筒部材32の内周面に摺動する。円筒部材32内の円柱状の空間32aは、突出部材12が上下方向に最大のストローク長で摺動した場合であっても、突出部材12の相対移動を許容する程度の長さ(高さ)を有する。すなわち、突出部材12は、接合板33に当接したり、嵌入孔31aから抜けたりすることがないように設計されている。
(アンカーボルトの設置方法および耐力パネルの設置方法)
図9は、柱脚部を拡大して示す正面図である。図10(a)は、柱脚部材4bの正面図、図10(b)は柱脚部材4bの平面図、図10(c)は、柱脚部材4bの側面図である。図8に示されるように、柱本体4aの下端に接合された柱脚部材4bは、既存基礎2の上面2aに設置されて、既存基礎2の立ち上がり部2cに埋設されたアンカーボルト40およびダブルナット41により固定されている。
図10に示されるように、柱脚部材4bは、アンカーボルト40が挿通されるボルト挿通孔42aが形成されて既存基礎2の上面2aに固定される底板42と、ボルト孔43aが形成されて柱本体4aの下端に接合される天板43と、底板42と天板43との間を連結する2枚のL字板44と、4枚の補強板47と、を有する。これらの底板42、ボルト孔43a、L字板44、および補強板47は、互いに溶接により接合され、一体化されている。
図10に示される柱脚部材4bはあくまで一例を示したものに過ぎず、既存基礎2の配置状態と、それに応じたにアンカーボルトの配置状態に応じて、あらゆるタイプの柱脚部材を用いることができる。
次に、図11および図12のフローチャートを参照して、アンカーボルトの設置方法および耐力パネルの設置方法について説明する。
まず、図11に示されるように、既存基礎2の立ち上がり部2cにアンカーボルト40を設置する(S1)。ステップS1のアンカーボルト40の設置は、図12に示されるフローに従って行われる。
図12および図13(a)に示されるように、立ち上がり部2cの上面2aから縦穴51を穿設する(S11)。次に、図13(a)に示されるように、立ち上がり部2cの側面2bから、縦穴51に向けて、横穴50を穿設する(S12)。このステップS12では、立ち上がり部2cの一方の側面2bから横穴50を穿設し、他方の側面2dには横穴50が貫通しないようにする(図15(b)参照)。ステップS11およびS12の工程により、立ち上がり部2c内で互いに連通する縦穴51および横穴50がそれぞれ穿設される。縦穴51および横穴50は、いずれも円形断面であって、その中心がほぼ一致している。横穴50の直径は、縦穴51の直径よりも大きい。なお、ステップS11およびS12の工程は、逆の順序であってもよい。
次に、立ち上がり部2cの上面2aにプラスチック製のプラグアンカー52(図13(a)参照)を埋設する(S13)。
次に、図14(a)に示されるように、セットプレート57の水平板部54を用意する。この水平板部54は、X方向に延在する長方形状の鋼材であり、その両端には、アンカーボルト40を挿通させるボルト挿通孔54aが形成されている。また、水平板部54には、立ち上がり部2cの上面2aの厚さ方向(Y方向)の中央線に一致させるためのけがき線(基準線)54cが形成されている。けがき線54c上であって水平板部54のX方向の中心位置には、ビス挿通孔54bが形成されている。縦穴51,51およびプラグアンカー52の配置は、水平板部54におけるボルト挿通孔54a,54aおよびビス挿通孔54bの配置と同じである。
そして、図13(b)に示されるように、上端部のねじ形成部40bに2個のナット(第2のナット)53が螺入されたアンカーボルト40をボルト挿通孔54aに挿通し、掛止ナット53を水平板部54に掛止させることによりアンカーボルト40を垂下させる(S14)。
さらに、立ち上がり部2cの上面2aであって縦穴51,51の上端の周縁に、L字状の鋼材である2個の脚部56を載置する。この脚部56は、水平板部54を立ち上がり部2cの上面2aから離隔させる。そして、水平板部54のけがき線54cと上面2aの厚さ方向の中央線とを目視にて概ね一致させつつ、ボルト挿通孔54aが縦穴51の真上に位置するように2個の脚部56上に載置する(S15)。このステップS15により、アンカーボルト40は縦穴51内に挿入され、垂下させられる。これらの水平板部54および脚部56によって、セットプレート57が構成されている。また、セットプレート57および掛止ナット53によって、アンカーボルト保持具58が形成されている。
ステップS14およびS15の工程によって、立ち上がり部2c上に設置したアンカーボルト保持具58によってアンカーボルト40の上部を保持するとともに、縦穴51内にアンカーボルト40が垂下させられる。アンカーボルト40が垂下させられた状態で、アンカーボルト40の下端は横穴50内に位置する。なお、ステップS14およびS15の工程は、逆の順序であってもよい。
次に、図13(c)に示されるように、アンカーボルト保持具58のセットプレート57の水平板部54に形成されたビス挿通孔54bにビス59を挿入して、ビス59をプラグアンカー52に螺入し、セットプレート57(アンカーボルト保持具58)を固定する(S16)。
次に、定着部材60(図14(b)参照)を用意する。この定着部材60は、中央にすり鉢状のテーパ孔部61aとテーパ孔部61aの下部に連通するストレート孔部61bとが形成された定着板61と、定着板61の下面に溶接されたナット(第1のナット)62と、を有する。定着板61は正方形状をなしており、その一辺の長さ(最少幅)は横穴50の直径以下である。また、定着板61の対角線の長さ(最大幅)は縦穴51の直径以上である。テーパ孔部61aおよびストレート孔部61bによって、ガイド孔61cが構成されている。
そして、図15(a)に示されるように、横穴50内に垂下したアンカーボルト40の下端部のねじ形成部40aに定着部材60のナット62を螺入し、定着部材60を取り付ける(S17)。このステップS17では、アンカーボルト40を少し持ち上げた状態で、定着部材を横穴50から挿入して、アンカーボルト40の下端部に螺入する。
次に、図15(b)に示されるように、充填材70の注入口63aが形成された横穴50の閉止板63を立ち上がり部2cの側面2bに固定し、横穴50を閉止する。さらに、注入口63aに隙間ができないよう、注入口63aにホース64の先端を挿入し、ホース64の基端には漏斗66を接続する。漏斗66の高さを上面2aよりも上に維持し、漏斗66内に充填材(グラウト)70を注入する。これにより、重力を利用して、ホース64および注入口63aを解して充填材70を横穴50および縦穴51に充填し、充填材70を硬化させる(S18)。
そして、図15(c)に示されるように、充填材70が硬化した後にアンカーボルト保持具58(水平板部54と脚部56とからなるセットプレート57、および掛止ナット53)およびビス59を取り外す(S19)。以上の工程によって、立ち上がり部2cの上面2aから所定の長さ突出したアンカーボルト40が設置される。
次に、図11および図16(a)に示されるように、アンカーボルト40を介して柱脚部材(後設置柱4の下部部材)4bを既存基礎2に接合する(S2)。このステップS2では、柱脚部材4bに形成されたボルト挿通孔42aにアンカーボルト40の上端部を挿通させ、そのねじ形成部40bにダブルナット41を螺合させることにより、柱脚部材4bを設置する。次に、床パネル9を敷設する。この床パネル9は、柱本体4aを取り付ける際の作業床となる。
次に、図16(b)に示されるように、既存梁2および柱脚部材4bに対し、柱本体(柱の上部部材)4aを鉛直ローラー接合により接合することで後設置柱4を立設する(S3)。より具体的には、柱本体4aの上端から突出した突出部材12を、ジョイントボックス11の嵌入孔31aおよび円筒部材32の空間32a内に嵌入させ、上端板16上にジョイントボックス11を載置した状態で、既存梁1および柱脚部材4bの間に柱本体4aおよびジョイントボックス11を挿入する。さらに、柱本体4aの下端および柱脚部材4bを接合した後、ジョイントボックス11を持ち上げて既存梁1のフランジ部1aに当接させ、ジョイントボックス11をフランジ部1aに接合する。
さらに、柱本体4aに対し耐力要素6,6を接合する(S4)。このステップS4では、柱本体4aに対し、耐力要素6,6をワンサイドボルト20(図4参照)とドリルねじ21とを併用して接合する。上述したように、ワンサイドボルト20を取り付けるとともにドリルねじ21を螺入して、耐力要素6,6を柱本体4aに接合する。
以上の工程により、既存梁1、既存基礎2、および既存柱3に対して、後設置柱4および耐力要素6,6からなる耐力パネル80を後設置できる。
図17は、接合部構造Aを採用した本実施形態の耐力パネル構造10に係る実施例と、高力ボルトのみを用いた従来の接合部構造に係る比較例とについて、荷重に対する耐力要素の変位を示した図である。図17に示されるように、実線で示される実施例の接合部構造では、破線で示される比較例の接合部構造に比して、過重の正負が入れ替わる際の変位(スリップ量)が少なかった(変位が30mm付近の挙動を参照)。
本実施形態の接合部構造Aおよび耐力パネル80によれば、既存柱3の側面部3cおよび後設置柱4の側面部4cに対し、耐力要素6がワンサイドボルト20により接合される。さらに、既存柱3の側面部3cおよび後設置柱4の側面部4cに対し、耐力要素6がドリルねじ21によって固定される。このドリルねじ21により、ワンサイドボルト20とボルト挿通孔との間にクリアランスがあっても、板状部同士が確実に固定される。ワンサイドボルト20とドリルねじ21とを併用することにより、水平力によって、接合部の接合面方向、すなわちワンサイドボルト20にせん断力が作用する方向に力が作用しても、ドリルねじ21がせん断力を負担し、板状部同士のスリップが防止される。ワンサイドボルト20およびドリルねじ21は汎用品であり、かつ施工も容易である。よって、コストや手間をかけることなく十分な強度を得ることができる。
既存柱3に対して耐力要素6を接合する場合、新設柱のように裏面側にタッププレートが設けられていないことがある。そのような場合でも、ワンサイドボルト20とドリルねじ21とを併用した本実施形態の接合部構造Aおよび耐力パネル80によれば、所望の強度を確実かつ容易に実現することができる。
また、複数のガイド孔23a,23b,24a,24bは、構造設計上の必要数(上記実施形態では4個)よりも多く形成され(上記実施形態では8個)、かつ、高さ方向の異なる位置に形成される。この構成によれば、複数のガイド孔の中からドリルねじ21を通すガイド孔を適宜選択することができる。よって、既存柱3の側面部3cと、側面部3cに直交する他の側面部3e,3fとに耐力要素6を接合する際に、側面部3cおよび他の側面部3e,3fからそれぞれ螺入されたドリルねじ21の相互の干渉を防止することができる。したがって、構造設計上、必要となる数のドリルねじ21を確実に取り付けることができる。
また、耐力要素6の当接部である取付板13,27には、他の側面部に係止されて、耐力要素6の横方向の位置決めをする係止片26,29が設けられる。この構成によれば、他の側面部に係止片26,29が係止されて、耐力要素6が横方向に位置決めされるので、耐力要素6の位置決めが容易である。また、取り付け時における耐力要素6の横方向のずれが防止される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。たとえば、図18(a)に示されるように、既存柱3,3同士の間に耐力要素6,6を後設置した耐力パネル構造10Aの耐力パネル80Aとすることもできる。この耐力パネル80Aは、ワンサイドボルト20およびドリルねじ21を用いた接合部構造Aおよびアンカーボルト40の施工方法に関して、適用可能である。また、図18(b)に示されるように、鉛直ローラー柱である後設置柱4,4同士の間に耐力要素6,6を設置した耐力パネル構造10Bの耐力パネル80Bとすることもできる。
上記実施形態では、既存柱3および後設置柱4に対して接合部構造Aによる耐力要素6の接合がなされる耐力パネル80について説明したが、一対の柱のうちいずれか一方に対してのみ接合部構造Aを適用した耐力パネルとすることもできる。たとえば、後設置柱4の方には側面部4cの裏面側にタッププレートを設けておいて、従来の高強度ボルトを用いた施工を行ってもよい。その場合でも既存柱3に対してはワンサイドボルト20およびドリルねじ21を併用することで、耐力要素6を支障なく取り付けることができる。このように、接合部構造Aおよびこれを用いた耐力パネル80は、特に既存柱3に対する施工において効果的である。
上記実施形態では、既存の梁や柱に対して耐力パネルを後設置する場合について説明したが、後設置する場合に限られない。新築時における耐力パネルを有する構造の構築に本発明を適用することもできる。
上記実施形態では、柱と耐力要素との接合において接合部構造Aを適用する場合について説明したが、これに限られず、板状部を有する鋼材同士の接合であればどのような接合にも適用することができる。たとえば、鉄骨梁のフランジ部に対して板材を接合する場合等に適用することもできる。この場合でも、ワンサイドボルトとドリルねじとを併用することにより、板状部の接合面方向、すなわちワンサイドボルトにせん断力が作用する方向に力が作用しても、ドリルねじがせん断力を負担し、板状部同士のスリップが防止される。
1…既存梁、1a…フランジ部(下フランジ)、2…既存基礎、2a…上面、2b…側面、2c…立ち上がり部、3…既存柱(縦材)、3c…側面部、4…後設置柱(縦材)、4a…柱本体(上部部材)、4b…柱脚部材(下部部材)、4c…側面部、6…耐力要素、10…耐力パネル構造、12…突出部材、13…取付板(当接部)、20…ワンサイドボルト、21…ドリルねじ、23a,23b,24a,24b…ガイド、26…係止片、27…取付板(当接部)、29…係止片、31…保持部材、31a…嵌入孔、32…円筒部材、33…接合板、34…補強板、40…アンカーボルト、40a…ねじ形成部、50…横穴、51…縦穴、52…プラグアンカー、53…掛止ナット(第2のナット)、54…水平板部、56…脚部、57…セットプレート、58…アンカーボルト保持具、59…ビス、60…定着部材、61…定着板、61c…ガイド孔、62…ナット(第1のナット)、63…閉止板、70…充填材、80…耐力パネル、A…接合部構造、B…梁接合部構造。

Claims (4)

  1. 板状部を有する複数の鋼材同士を接合する鋼材の接合部構造であって、
    板状部の厚さ方向に貫通する第1のボルト挿通孔が形成された第1の鋼材と、
    板状部の厚さ方向に貫通する第2のボルト挿通孔が形成された第2の鋼材と、
    前記第1のボルト挿通孔および前記第2のボルト挿通孔に挿通されたワンサイドボルトと、
    前記第1の鋼材の板状部および前記第2の鋼材の板状部に穿孔しながら螺入されたドリルねじと、
    を備えたことを特徴とする鋼材の接合部構造。
  2. 閉断面を形成する鋼材からなり、上下の横架材の間に立設された一対の縦材と、
    鋼材からなり、前記一対の縦材の対向する側面部に接合された耐力要素と、
    少なくとも一方の縦材の側面部において鋼材の厚さ方向に貫通する第1のボルト挿通孔と、前記耐力要素において鋼材の厚さ方向に貫通する第2のボルト挿通孔とに挿通されたワンサイドボルトと、
    前記耐力要素および前記少なくとも一方の縦材の側面部に穿孔しながら螺入されたドリルねじと、
    を備えたことを特徴とする鋼構造物の耐力パネル。
  3. 前記縦材は角形鋼管からなり、
    前記耐力要素には、前記ドリルねじを案内する複数のガイド孔が形成されており、
    前記複数のガイド孔は、構造設計上の必要数よりも多く形成され、かつ、高さ方向の異なる位置に形成される、請求項2に記載の鋼構造物の耐力パネル。
  4. 前記縦材は、一の側面部に連設され前記一の側面部とは異なる方向に延びる他の側面部を有し、
    前記少なくとも一方の縦材の前記一の側面部に当接する前記耐力要素の当接部には、前記他の側面部に係止されて、前記耐力要素の横方向の位置決めをする係止片が設けられる、請求項2または3に記載の鋼構造物の耐力パネル。
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