JP6442314B2 - 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の接合部構造 - Google Patents

鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の接合部構造 Download PDF

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本発明は鉄筋コンクリート造の柱と梁との接合部を一方向に貫通する、または端部において埋設される鉄骨梁からの軸方向力等を接合部のコンクリートに伝達するための支圧材を鉄骨梁のフランジに設置した鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の接合部構造に関するものである。
鉄筋コンクリート造の柱と梁との接合部を鉄骨梁が一方向に貫通した状態で、または端部において埋設された状態で接合部に配置される場合、接合部に位置する鉄骨梁のフランジからは軸方向力と曲げモーメントが接合部に支圧力として伝達されるため、鉄骨梁の上下のフランジには支圧力伝達のための支圧材が設置される(特許文献1〜3参照)。
鉄骨梁からの応力が支圧材を通じて接合部のコンクリートに伝達される際、支圧材と鉄骨梁のフランジが一体となって支圧力を負担するよう、支圧材は通常、鉄骨梁の上下のフランジに溶接等により固定されることになる(特許文献1、2)。この場合、支圧材は鉄骨梁への固定精度の確保上、鉄骨梁の製作時に工場で予め溶接される必要があることから、支圧材付きの鉄骨梁の製作には手間を要するため、製作コストが上昇する傾向がある。
これに対し、特許文献3では支圧材の構成材としてL形断面の鋼材を使用しながら、支圧材を平面上、接合部を包囲する方形状に形成し、平面上の隅角部に形成した挿通孔に柱主筋を挿通させて支圧材の両面側からナットを緊結することで、支圧材を柱主筋に保持させ、支圧材の鉄骨梁への溶接を不要にしている(段落0012、0013)。
特開平7−229202号公報(請求項1、段落0010〜0016、図1〜図4) 実開平6−10402号公報(請求項1、段落0010〜0013、図1〜図3) 特開2000−265555号公報(請求項1、段落0012〜0014、図1〜図3)
但し、特許文献3では支圧材の隅角部に形成した挿通孔に柱主筋を現場で挿通(螺合)させなければならないため、支圧材の挿通孔に製作誤差があるか、支圧材と柱主筋の少なくともいずれかに施工誤差があれば、柱主筋を支圧材の挿通孔に挿通させることが難しくなる。一方、挿通孔が柱主筋の径より大きめに形成されていれば、上下のナットの緊結による摩擦力により支圧材を柱主筋に保持させる必要があるため、現場での作業性が極端に低下する。
また特許文献1、2のように支圧材を鉄骨梁のフランジに溶接等により固定するか、特許文献3のように柱主筋に保持させる方法では、支圧材を構造材から分離させて単体で使用することができないため、支圧材に応力伝達材としての機能を果たさせながら、仮設材としての用途を併せ持たせることはできない。
本発明は上記背景より、支圧材の鉄骨梁への溶接を不要にし、工場での鉄骨梁の製作作業を単純化させながら、支圧材に仮設材としての用途を付与し得る鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の接合部構造を提案するものである。
請求項1に記載の発明の鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の接合部構造は、請求項1に記載の発明の鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の接合部構造は、鉄筋コンクリート造の柱と梁との接合部に上部フランジ及び下部フランジを有する鉄骨梁が一方向に貫通した状態で、または端部において埋設された状態で配置され、前記鉄骨梁のフランジを幅方向に挟み込む位置に柱主筋が配筋された柱・梁の接合部において、
前記鉄骨梁の前記上部フランジ上と前記下部フランジ下の少なくともいずれか一方の前記柱主筋の外周側に、前記鉄骨梁の材軸に直交する面をなし、前記鉄骨梁からの応力を前記接合部に伝達する支圧板を持つ支圧材が設置され、この支圧材が前記鉄骨梁に固定されずに前記鉄骨梁に、または前記鉄骨梁以外のいずれかの部位に保持された状態で、前記支圧材の少なくとも一部を含む接合部の領域にコンクリートが打設されており、
前記支圧材は前記支圧板と、前記鉄骨梁の少なくともいずれか一方の前記フランジに重なる支持板を有し、少なくともこの支持板が前記コンクリート中に前記鉄骨梁と共に埋設されていることを構成要件とする。
請求項1における「接合部に鉄骨梁が端部において埋設された状態で配置され」とは、図2に示すように鉄骨梁の端部が接合部から突出することなく接合部内に留まり、接合部内に埋め込まれた(埋設された)状態で鉄骨梁が接合部に配置されることを言い、「埋設」は「定着」とも言い換えられる。柱は現場打ちコンクリート造の場合とプレキャストコンクリート製の場合の他、両者の合成構造の場合がある。接合部に配置される鉄骨梁に直交する方向には、プレキャストコンクリート等の鉄筋コンクリート造の梁が配置される場合と、接合部に鉄骨梁にピン接合される鉄骨梁が配置される場合の他、何も配置されない場合がある。
柱主筋3は図1、図2に示すように平面上、二方向の、もしくは一方向の梁との干渉がない領域に配筋されるが、図1、図2では接合部6に配置される鉄骨梁2に直交する方向の梁を省略している。鉄骨梁2に直交する鉄筋コンクリート造の梁もプレキャストコンクリート製の場合と現場打ちコンクリート造の場合の他、両者の合成構造の場合がある。
請求項1における「鉄骨梁の材軸に直交する面をなす支圧板を持つ支圧材」とは、支圧材5が鉄骨梁2の材軸に直交する面をなす板要素としての支圧板51を持つことを言う。「上部フランジ上と下部フランジ下の少なくともいずれか一方」とは、支圧材5が上部フランジ21上にのみ設置される場合と、下部フランジ22下にのみ設置される場合と、上部フランジ21上と下部フランジ22下にのみ設置される場合があることを言う。支圧材5は図1に示すように鉄骨梁2が接合部6を貫通する場合には、鉄骨梁2の少なくともいずれか一方のフランジ21、22に接合部6の中心を挟んで対になって配置される。図2に示すように鉄骨梁2が端部において埋設された状態で接合部6に配置される場合には、支圧材5は鉄骨梁2の少なくともいずれか一方のフランジ21、22の柱1との交差部(柱1の表面)側にのみ配置される。
支圧材5として形鋼を使用する場合、鉄骨梁2の上部フランジ21と下部フランジ22に重なって設置されたときに自ら安定する上では例えば山形鋼や溝形鋼、T形鋼等の形態が適するが、柱主筋3やその周囲に配筋されるせん断補強筋4に結束される等により設置状態で安定性を確保することができればよい。支圧材5は鉄骨梁2の材軸に直交する面をなす支圧板51を持てばよいため、必ずしも形鋼である必要はない。
支圧材5を鉄骨梁2に固定(溶接)しない趣旨は、支圧材5を鉄骨梁2のフランジ21、22に溶接することによる工場での鉄骨梁2の製作の手間を解消し、接合部用鉄骨梁の製作コストを削減することと、支圧材5を鉄骨梁2から分離させておくことで、図5に示すように支圧材5に例えば鉄骨梁2を直下の柱1に支持させるための仮設材(支持材)としての用途を持たせることにある。このため、支圧材5は鉄骨梁2の上部フランジ21上と下部フランジ22下に重なって設置された状態で、鉄骨梁2に固定されずに、少なくとも何らかの形で接合部6へのコンクリートの打設時に鉄骨梁2から移動しない程度に保持されていればよく、保持の方法は問われない(請求項3)
具体的には柱主筋3、またはせん断補強筋4に支圧材5を結束させる、鉄骨梁2のフランジ21、22やせん断補強筋4に接着させる、柱主筋3やせん断補強筋4に接合部6の中心側へ係止させながら、いずれかの部位に保持させる等の方法が考えられる。この他、図5に示すように鉄骨梁2を支持する柱1の側面や天端にボルト9等により接続(固定)されること(請求項2)も含まれる。
請求項1における「支圧材が鉄骨梁に、または鉄骨梁以外のいずれかの部位に保持され」とは、支圧材5が鉄骨梁2か、鉄骨梁2以外のいずれかの部位に何らかの方法で接合部6へのコンクリートの打設時の圧力に抵抗しながら、設置状態を維持し得る程度に保持されることを言う。支圧材5がコンクリートの打設圧力に抵抗し得る程度に鉄骨梁2かそれ以外のいずれかの部位に拘束されていれば、コンクリートへの埋設により鉄骨梁2に一体化した状態になるため、鉄骨梁2からの応力を接合部6へ伝達する機能を発揮することが可能になる。「いずれかの部位」は鉄骨梁2以外の柱主筋3、せん断補強筋4、柱1、または接合部6用、もしくは柱1用のせき板等を指す。
支圧材5を鉄骨梁2に溶接等により固定する必要がないことで、支圧材5を鉄骨梁2に固定する場合より鉄骨梁2の製作が単純化されるため、鉄骨梁2に支圧材5を固定する場合程の製作コストを要せず、鉄骨梁2の製作性が向上する。また支圧材5を鉄骨梁2から分離させておくことができることで、現場において支圧材5を本来の用途以外の仮設材として単独で使用することができるため、支圧材5の用途の幅が拡大する。
特に図5に示すように鉄骨梁2の下部フランジ22の下に配置される支圧材5が鉄骨梁2の下に配置される柱1の側面等に接続される場合(請求項2)には、支圧材5に本来の応力伝達部材としての役割と、鉄骨梁2を下層側の柱1に支持させるための支持部材としての役割を果たさせることができるため、鉄骨梁2を柱1に支持させるための専用の支持部品を別途、必要とせず、使用仮設材の削減が図られる利点がある。
鉄骨梁2を柱1の側面等に接続された支圧材5に支持させることは、構築済みの、またはプレキャストコンクリート製の下層側の柱1の天端と鉄骨梁2の下部フランジ22との間の距離が支圧材5の高さ程度になる場合に可能である。図5に示す例では支圧材5が柱1の対向する両側面等に固定され、対になることで、支圧材5は鉄骨梁2のレベルと水平状態を調整する機能も果たしている。この場合、鉄骨梁2の上部フランジ21上に設置される支圧材5は柱主筋3やせん断補強筋4等に保持されることになる。
鉄骨梁の材軸に直交する面をなす支圧板を持つ支圧材を鉄骨梁の上部フランジ上と下部フランジ下の少なくともいずれか一方の柱主筋の外周側に設置し、鉄骨梁に、または鉄骨梁以外のいずれかの部位に保持させることで、支圧材を鉄骨梁に溶接等により固定する必要性を解消するため、鉄骨梁の製作が単純化され、鉄骨梁に支圧材を固定する場合より鉄骨梁の製作コストを低減することができる。
また支圧材を鉄骨梁に溶接する必要がなく、鉄骨梁から分離させておくことができることで、支圧材を鉄骨梁を柱に支持させるための支持材等としても兼用することができるため、支圧材の用途の幅が広がる。
鉄骨梁が柱・梁の接合部を一方向に貫通する場合の、鉄骨梁の上部フランジ上と下部フランジ下に支圧材を設置した様子を示した斜視図である。 鉄骨梁が柱・梁の接合部に端部において埋設された状態で配置された場合の、鉄骨梁の上部フランジ上と下部フランジ下に支圧材を設置した様子を示した斜視図である。 (a)は図1に示す例の場合に、柱主筋とせん断補強筋が接合部を含め、柱のコンクリート内に配筋されている様子を示した立面図、(b)は(a)のx−x線断面図である。 (a)は図2に示す例の場合に、柱主筋とせん断補強筋が接合部を含め、柱のコンクリート内に配筋されている様子を示した立面図、(b)は(a)のx−x線断面図である。 接合部下の柱の側面に接続した支圧材に接合部を貫通する鉄骨梁を支持させた場合の支圧材の使用例を示した一部断面立面図である。
図1、図2は鉄筋コンクリート造の柱1と梁との接合部6に上部フランジ21及び下部フランジ22を有する鉄骨梁2が一方向に貫通した状態で、または端部において埋設された状態で配置され、鉄骨梁2のフランジ21、22を幅方向に挟み込む位置に柱主筋3が配筋され、鉄骨梁2の上部フランジ21上と下部フランジ22下の少なくともいずれか一方に鉄骨梁2の材軸に直交する面をなす支圧板51を持つ支圧材5が設置された鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の接合部6の構成例を示す。支圧材5は支圧板51が上部フランジ21と下部フランジ22に直交する面をなし、上部フランジ21の上面と下部フランジ22の下面の少なくともいずれか一方に重なった状態で設置される。図1は鉄骨梁2が接合部6を一方向に貫通して接合部6に配置された場合、図2は鉄骨梁2が端部において接合部6に埋設された状態で接合部6に配置された場合の例を示す。
支圧材5は図1〜図4に示すように接合部6の中心に関して柱主筋3の外周側に配置され、鉄骨梁2に、または鉄骨梁2以外のいずれかの部位に何らかの手段で保持(拘束)され、支圧材5を含む接合部6の領域に打設されるコンクリート中に埋設される。支圧材5は接合部6のコンクリート中に完全に埋設される必要はなく、図3、図4に示すように接合部6の中心に関して支圧板51の外側の面(表面)がコンクリートから露出する、あるいは支圧板51の外側の面が接合部6のコンクリートの表面と面一になる場合もある。
図面では支圧材5として山形鋼を使用することで、鉄骨梁2の上部フランジ21と下部フランジ22に直交する面をなし、鉄骨梁2からの応力を接合部6に伝達する支圧板51と、鉄骨梁2のフランジ21、22に重なる支持板52を有するL形断面形状に支圧材5を形成しているが支圧材5の形態は問われない。支圧材5は山形鋼の他、溝形鋼等も使用される。
図1〜図4は接合部6の下に位置する柱1のコンクリートが打設され、接合部6に鉄骨梁2が配置され、鉄骨梁2の周囲に柱主筋3と柱主筋3を拘束するせん断補強筋4が配筋された状況を示すが、柱1は全体が現場打ちコンクリート造で構築される他、少なくとも一部がプレキャストコンクリートで製作されている場合もある。
図1、図3は鉄骨梁2が接合部6を貫通し、鉄骨梁2の軸方向両端部が接合部6の周囲(端部)から突出する場合の鉄骨梁2の配置例を示す。図2、図4は鉄骨梁2の軸方向の一方の端部が接合部6内に埋め込まれ、他方の端部が接合部6から突出した(張り出した)場合の鉄骨梁2の配置例を示す。接合部6に配置された図示する鉄骨梁2に直交する方向にはプレキャストコンクリート等のコンクリート梁が接合されることもあり、プレキャストコンクリート梁の一部が鉄骨梁2の側面に突き合わせられていることもある。接合部6を貫通した鉄骨梁2の両端部、または一方の端部が接合部6に埋め込まれた鉄骨梁2の他方の端部には隣接する柱1との間に架設される鉄骨梁が接合される。図1〜図4では接合部6を貫通した、または接合部6に埋め込まれた鉄骨梁2に直交する方向の梁は省略されている。
接合部6、あるいは柱1の平面上の隅角部である鉄骨梁2の幅方向両側位置には柱主筋3が配筋され、各隅角部の柱主筋3の周囲に、柱1のせん断補強筋を兼ね、全柱主筋3を拘束するフープ等のせん断補強筋4が配筋される。接合部6のせん断補強筋4、すなわち鉄骨梁2の上部フランジ21と下部フランジ22間に位置するせん断補強筋4は例えば鉄骨梁2のウェブ23に形成された挿通孔23aを貫通して配筋される。接合部6のせん断補強筋4は鉄骨梁2に直交する方向のコンクリート梁も貫通することになる。
鉄骨梁2のウェブ23に挿通孔23aを形成する場合、接合部6のコンクリートの打設時にはコンクリートが挿通孔23a内に入り込むことで、ウェブ23とコンクリートとの間のウェブ23の面内方向に作用するせん断力に対し、ウェブ23両面におけるコンクリートとの付着力に加え、挿通孔23a内に存在する柱状のコンクリートの外周面と挿通孔23aの内周面との間に作用する支圧力と、挿通孔23a内のコンクリート両端面におけるせん断抵抗力が抵抗力として付加される。
図1〜図4では平面上、支圧材5を接合部6の中心に関してせん断補強筋4の外周側に配置している様子を示しているが、少なくとも支圧板51が接合部6のコンクリート内に配置されていれば、支圧材5の平面上の設置位置は問われない。図1〜図4は支圧板51の、接合部6の外側寄りの表面が柱1の表面と面一になるように支圧材5を接合部6のコンクリート内に配置することで、支圧板51を接合部6に打設されるコンクリートのせき板の一部を兼用させた場合の状況を示している。
図1〜図4ではまた、鉄骨梁2の上部フランジ21と下部フランジ22間に、支圧材5と共に鉄骨梁2からの応力を接合部6のコンクリートに伝達するための支圧プレート7を配置し、上部フランジ21と下部フランジ22に溶接等により接合した場合の例を示している。この支圧プレート7は支圧材5の支圧板51と共に接合部6に打設されるコンクリートのせき板を兼ねる。
支圧材5は鉄骨梁2の上部フランジ21上、もしくは下部フランジ22下に、または図示するように上部フランジ21上と下部フランジ22下に配置された状態で、例えば柱主筋3やせん断補強筋4に、または接合部6の回りに組み立てられる接合部6用、あるいは柱1用のせき板に結束されるか、接着剤やモルタル等を用いて接着されることによりフランジ21、22に設置された状態で拘束される。この他、支圧材5はフランジ21、22とせん断補強筋4に鉛直方向に挟み込まれることにより、または接合部6の外周側から中心側へ向かって柱主筋3やせん断補強筋4に係止しながら、せん断補強筋4等に保持される等によりフランジ21、22に設置された状態で拘束されるが、支圧材5のフランジ21、22への拘束方法はこれらには限られない。
図5は支圧材5を鉄骨梁2からの応力の接合部6への伝達材としての役割に加え、鉄骨梁2を接合部6下の柱1に支持させるための支持材としての役割を持たせた場合の、支圧材5の使用例を示す。この場合の支圧材5は応力伝達材と鉄骨梁支持材を兼ねる。
図5の例においても支圧材5として山形鋼を使用しているが、ここでは柱1の対向する側面や天端に支圧材5、5を対にしてボルト9やアンカー等により接合し、支圧材5の支持板52上に鉄骨梁2の下部フランジ22を載置することで、特に支圧材5に、鉄骨梁2を柱1に支持させながら、鉄骨梁2の水平状態を調整するための水平調整材としての役割も兼ねさせている。
図示するように支持材5を支圧板51において柱1の側面に固定する場合、ボルト9等が挿通するための支圧板51の挿通孔が鉛直方向に長孔状に形成されることで、支圧材5の柱1に対する固定高さが調整可能になる。図5は接合部6の下の柱1の天端上に鉄骨梁2が載置される支承体8を設置し、鉄骨梁2を対向する支圧材5、5と支承体8に支持させた場合の様子を示す。
図5に示すように支圧材5を鉄骨梁2の支持材及び水平調整材として使用することで、支圧板51の応力伝達材としての役割が薄れる場合には、支圧材5はその軸方向(長さ方向)には必ずしも鉄骨梁2の上部フランジ21と下部フランジ22の幅に相当する長さを持つ必要はない。支圧材5、5を純粋に支持材及び水平調整材として使用する場合には、図示する支圧材5、5の他に、鉄骨梁2からの応力伝達用の別の支圧材5、5を設置することもある。
1……柱、
2……鉄骨梁、21……上部フランジ、22……下部フランジ、23……ウェブ、23a……挿通孔、
3……柱主筋、4……せん断補強筋、
5……支圧材、51……支圧板、52……支持板、
6……接合部、
7……支圧プレート、8……支承体、9……ボルト。

Claims (3)

  1. 鉄筋コンクリート造の柱と梁との接合部に上部フランジ及び下部フランジを有する鉄骨梁が一方向に貫通した状態で、または端部において埋設された状態で配置され、前記鉄骨梁のフランジを幅方向に挟み込む位置に柱主筋が配筋された柱・梁の接合部において、
    前記鉄骨梁の前記上部フランジ上と前記下部フランジ下の少なくともいずれか一方の前記柱主筋の外周側に、前記鉄骨梁の材軸に直交する面をなし、前記鉄骨梁からの応力を前記接合部に伝達する支圧板を持つ支圧材が設置され、この支圧材が前記鉄骨梁に固定されずに前記鉄骨梁に、または前記鉄骨梁以外のいずれかの部位に保持された状態で、前記支圧材の少なくとも一部を含む接合部の領域にコンクリートが打設されており、
    前記支圧材は前記支圧板と、前記鉄骨梁の少なくともいずれか一方の前記フランジに重なる支持板を有し、少なくともこの支持板が前記コンクリート中に前記鉄骨梁と共に埋設されていることを特徴とする鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の接合部構造。
  2. 前記鉄骨梁の下部フランジの下に配置される前記支圧材は前記鉄骨梁の下に配置される柱に接続され、前記鉄骨梁を支持していることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の接合部構造。
  3. 前記支圧材は、前記鉄骨梁の前記上部フランジ上と前記下部フランジ下の少なくともいずれか一方に重なって設置された状態で、前記鉄骨梁に溶接されずに、少なくとも前記接合部へのコンクリートの打設時に前記鉄骨梁から移動しない程度に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の接合部構造。
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