JP4045711B2 - 衛材製品用弾性糸 - Google Patents

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    • D01D5/00Formation of filaments, threads, or the like
    • D01D5/04Dry spinning methods

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は紙おむつや生理用ナプキン等の衛材製品用の弾性糸に関し、詳しくは、衛材製品において接着剤を介した基材との良好な接着性を保持する弾性糸に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、紙おむつや生理用ナプキンなどの衛材用途の製品(以下、衛材製品と称する。)が多岐にわたって商品開発され、それに対する品質要求もより厳しくなっている。かかる衛材製品では、装着部位へのフィット性を上げるため、弾性ポリマーを紡糸して得られた弾性糸を複合利用して伸縮性を付与することが行われる。かかる弾性糸は、通常、布帛、不織布又はシート等からなる衛材製品の基材の伸縮性を付与したい部分に接着剤を介して接着されている。
【0003】
弾性糸を衛材製品に使用する場合、弾性糸は通常チーズ状形態で捲き取った捲糸体から衛材製品に供給され、伸張させながら解舒し、接着剤を塗布した布帛、不織布又はシート等に導かれ、接着面に圧力を加えることで、布帛、不織布又はシート等と接着している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
衛材製品用途に使用されている弾性糸は、衛材製品にストレッチ性を付与するために伸張され、布帛、不織布又はシートからなる基材に接着剤を介して接着される。そのため、伸張されて接着された弾性糸と基材との接着力が不十分であると、弾性糸が基材から剥離、収縮し、製造された衛材製品において、弾性糸の引き込みが生じて、製品の品質が悪化してしまう。
【0005】
また、チーズ形態に巻かれた弾性糸は、チーズの内層で捲き締められるため、衛材製品の製造工程において弾性糸の糸切れや供給張力が変動するなどの問題を発生してしまう。そのため、解舒性の悪化や張力変動を防止することを目的として、通常、表面を油剤で処理している。
このような弾性糸を衛材製品の布帛、不織布等の基材に接着する場合、基材との接着性が不十分となり、上記したような問題が生じる。
弾性糸の接着性低下を避けるために、油剤付着量を下げていくと、弾性糸チーズの解舒性が悪くなり、衛材製品の製造工程において弾性糸の糸切れや供給張力が変動するという問題を生ずる。
また、弾性糸の接着性を向上しようと、接着剤の塗布量を増やすと、製品コストが高くなると共に、衛材製品の風合いや通気性が損なわれるという問題を生じてしまう。
【0006】
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、弾性糸の解舒性を維持しながら、同時に基材への接着性を高めることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究した結果、衛材製品における基材と弾性糸との接着不良の問題は、基材と弾性糸との接触面積の問題であり、弾性糸の形状を工夫することにより、解舒性を維持しながら接着性を高めることができることを知見し、かかる知見に基づき本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記の通りである。
【0008】
(1)弾性ポリマーを乾式紡糸する衛材製品用マルチフィラメント弾性糸の製造方法であって、紡糸口金から押し出された複数の単糸を2以上の群に分け、各群毎で単糸を2以上の糸条とした後、該2以上の糸条をガイドに擦らせてガイド上で融着合糸し、弾性糸の糸条断面に外接させた長方形の長辺(L)と短辺(L)の長さ比(L/L)が2以上の扁平断面することを特徴とする衛材製品用マルチフィラメント弾性糸の製造方法。
【0009】
(2)弾性ポリマーを乾式紡糸する衛材製品用マルチフィラメント弾性糸の製造方法であって、紡糸口金から押し出された単糸を紡糸筒と巻き取り機の間で、ガイドに擦らせてガイド上で集束させて融着し、弾性糸の糸条断面に外接させた長辺(L )と短辺(L )の長さ比(L /L )が2以上の扁平断面とすることを特徴とする衛材製品用マルチフィラメント弾性糸の製造方法。
【0010】
(3)上記(1)又は(2)に記載された方法により製造された衛材製品用マルチフィラメント弾性糸。
【0011】
(4)弾性糸表面に油剤が塗布され、該油剤の塗布量が糸条重量に対して0.01〜5重量%である上記(3)に記載の衛材製品用マルチフィラメント弾性糸。
【0012】
(5)繊度が155〜2490デシテックスの範囲にある上記(3)又は(4)に記載の衛材製品用マルチフィラメント弾性糸。
(6)弾性ポリマーがポリウレタンである上記(3)〜(5)のいずれか1項に記載の衛材製品用マルチフィラメント弾性糸。
【0013】
本発明において、弾性糸の糸条断面に外接させた長方形の長辺(Ll )と短辺(Ls )とは、弾性糸を両面テープで作業台上に固定し、かみそりの刃を用いて、弾性糸の長さ方向と垂直に荷重490cN以上でカットし、その断面を拡大鏡で拡大して写真撮影し、写真に写った弾性糸断面に外接させた長方形の長辺と短辺を測定したものである。
【0014】
また、弾性糸の糸条断面に外接させた長方形の周長(L1)と弾性糸断面の周長(L2)とは、上記写真上で弾性糸断面に外接させた長方形の周長と写真に写った弾性糸断面の周長である。
なお、写真に写った弾性糸断面に外接させることのできる長方形が複数存在する場合は、Ll /Ls が最大となる長方形を採用する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の衛材製品用弾性糸は、弾性糸の糸条断面に外接させた長方形の長辺(Ll )と短辺(Ls )の長さ比(Ll /Ls )が2以上の扁平断面を有するマルチフィラメント弾性糸である。
【0016】
従来の乾式紡糸により得られる衛材製品用弾性糸は、一般に、弾性ポリマーの溶液を、紡糸口金の細孔を通して紡糸筒内に押し出し、複数の単糸を仮撚り機によって交絡させて繊維長さ方向に融着することで目標デニールの糸条を製造している。かかる製法で得られる弾性糸は、それが扁平化したものであっても、弾性糸の糸条断面に外接させた長方形の長辺と短辺の長さ比は2未満であった。本発明の衛材製品用弾性糸は、弾性糸の糸条断面に外接させた長方形の長辺と短辺の長さ比(長辺/短辺)が2以上の高い扁平度を有するものとし、これによって、衛材製品基材への接触面積(同一繊度での比較)を従来の弾性糸のそれよりも大きくして、接着力を高めている。また、本発明の衛材製品用弾性糸をおむつ等に使用した際、糸条が高い扁平度を有するので、衛材製品の身体への密着面積が増大し、排泄物の漏れ防止能力が向上し、また、締めつけ力の分散により圧迫感が軽減されるという利点も得られる。
【0017】
本発明の弾性糸において、糸条断面に外接させた長方形の長辺(Ll )と短辺(Ls )の長さ比(Ll /Ls )が大きい程、基材への接着強度は高くなるが、大きすぎると、チーズからの解舒性が低下する傾向を示す。よって、2〜8の範囲内とするのが好ましい。
【0018】
本発明の弾性糸を製造する方法は特に制限されないが、例えば、以下の方法を挙げることができる。
すなわち、従来の乾式紡糸で行われていた、紡糸口金から押し出された全単糸を一括して仮撚り機で交絡する作業は行わず、口金から押し出された単糸を、紡糸筒と捲き取り機の間で、ガイドに擦らせてガイド上で集束させて融着する。これによって、高い扁平度の糸条を得ることができる。ここで、単糸を集束する糸収束用ガイドの形状や材質は特に限定されないが、例えば、U字のガイド溝や丸孔のガイド孔を有する部材が用いられ、特に、丸孔のガイド孔の内面で単糸を擦らせるようにすると、糸長さ方向に安定に扁平断面化がなされ、好ましい。また、ガイドの材質は糸条との接触摩擦が小さくなる点でセラミックス製が好ましい。上記丸孔のガイド孔の内面で糸をガイドする部材の場合、丸孔の直径は1〜15mmの範囲が好ましく、2〜5mmの範囲が特に好ましい。弾性糸の繊度及び単糸の本数等によっても異なるが、丸孔の直径が1mm未満であると、丸孔の内面への糸摩擦が高くなって、長時間紡糸を行うと単糸切れが発生しやすくなり、丸孔の直径が15mmより大きくなると、単糸同士の接触が不十分になって、単糸同士が糸条長さ方向に安定に融着されなくなるおそれがある。
【0019】
本発明の弾性糸を得る別の方法としては、紡糸口金から押し出された複数の単糸を2以上の群に分け、各群毎で単糸を仮撚り機で交絡して2以上の糸条とした後、該2以上の糸条をガイドに擦らせてガイド上で合糸(融着)して目的の繊度の糸条を形成する方法が挙げられる。
【0020】
これら例示の方法を用いると、紡糸された全単糸を一括して交絡せず、全単糸の融着、一体化を、ガイド上で糸を集束することにより行うので、糸条断面に外接させた長方形の長辺(Ll )と短辺(Ls )の長さ比(Ll /Ls )が2以上の扁平度の高い扁平断面の糸条が容易に得られ、しかも、糸条表面には単糸の表面による凹凸が残されたものとなる。特に、前者の方法で得られる糸条は、単糸同士を全く交絡させないので、糸条表面に単糸の表面による凹凸が顕著に現れる。すなわち、断面扁平化と表面凹凸による糸条表面積の拡大とによって、従来の弾性糸に比して接着剤への接触面積(同一繊度での比較)が飛躍的に拡大することとなる。なお、糸条表面の凹凸度が高いほど糸条の表面積は大きくなり、接着力の向上が期待できる。よって、糸条断面に外接させた長方形の周長(L1)と糸条断面の周長(L2)との長さ比(L1/L2)で表される凹凸の度合いが0.9以下であるのが好ましく、0.85以下であればより好ましく、0.80以下であればとりわけ好ましい。しかし、糸条表面の凹凸度が高いほど、単糸同士の融着が弱く、単糸がばらけやすくなるので、上記長さ比(L1/L2)は0.4以上であるのが好ましい。
【0021】
また、上記例示の方法で、本発明の弾性糸を得る場合、紡糸口金の最も遠く離れた細孔間の寸法(A)と紡糸口金から糸集束用ガイドまでの距離(B)との比(B/A)を、10より大きくするのが好ましい。(B/A)が10以下であると、ガイドへ入る単糸の角度が大きく、ガイドとの摩擦による糸切れが生じる危険性がある。
【0022】
本発明の弾性糸の繊度は特に限定されないが、一般に155〜2490デシテックス(140〜2240デニール)、好ましくは470〜940デシテックス(420〜840デニール)である。また、単糸の繊度は一般に9〜22デシテックス(8〜20デニール)、好ましくは11〜17デシテックス(10〜15デニール)である。また、単糸は丸型断面でも異形断面でもよい。
【0023】
本発明の弾性糸は、捲き取り機で捲き取られて最終的にチーズにされるが、チーズからの糸の解舒性が良好となるよう、捲き取り機で捲き取られる前に油剤が塗布される。かかる油剤の付着量は糸条重量に対して0.01〜5重量%が好ましい。上記範囲にすると接着性、解舒性ともに良好なものとなる。
【0024】
上記油剤の付着量は、弾性糸(糸条)に油剤を塗布することなくそのまま捲き取りローラで正確に20000m捲き取って得られる捲回体Xの重量と、弾性糸(糸条)に油剤を塗布して捲き取りローラで正確に20000m捲き取って得られる捲回体Yの重量とを測定し、これらを下記の計算式に当てはめて得られる値である。
油剤付着量(%)={(捲回体Yの重量)−(捲回体Xの重量)}/(捲回体Xの重量)×100
【0025】
本発明のマルチフィラメント弾性糸の原料となる弾性ポリマーとしては、ポリウレタン、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、合成ゴム等を使用できるが、特に強伸度、回復性等の物性、物理的、化学的な耐久性等の点からポリウレタンが好ましい。これらの弾性ポリマーは2種以上を混合して使用できることは言うまでもない。
【0026】
ポリウレタンを使用する場合、ポリオールとジイソシアネートの共重合体、又は、該共重合体がアミン化合物によって鎖延長されたものが使用される。
【0027】
ポリオールとしては、ポリテトラメチレングリコールに代表されるポリエーテルポリオール;ポリエチレンアジペートに代表されるポリエステルポリオール;ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示されるポリエステルポリカーボネートポリオール;エチレンカーボネートをエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの多価アルコールと反応させ、次いでえられた反応混合物をアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の有機ジカルボン酸と反応させた物などが挙げられる。これらのうち強伸度、回復性等の物性、物理的、化学的な耐久性、特に、耐水性に優れる点からポリエーテルポリオールを用いるのが好ましい。これらのポリオールは1種で用いても、2種以上を混合してもさしつかえない。
ポリオールは弾性糸の伸縮性の持続性の点から、その分子量が1000〜4000、好ましくは1500〜2300の範囲のものを用いるのがよい。
【0028】
ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートがあげられる。これらのうち、弾性糸の強度が高くなる点で、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを用いるのが好ましい。これらのジイソシアネートは1種で用いても、2種以上を混合してもさしつかえない。
【0029】
アミン化合物としては、通常、脂肪族、脂環族又は芳香族ジアミンが使用される。具体的には、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−ブチレンジアミン、2,3−ブチレンジアミン、1,3−ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、シクロヘキサンジアミン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、3,3’−ジクロル−4,4−ビフェニルアミン、2,6−ジアミノピリジン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。これらのアミン化合物は1種で用いても、2種以上を混合してもさしつかえない。
【0030】
末端封止に用いる末端封止剤としては、例えば、ジメチルアミン、、モノエタノールアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エタノール、プロパノール(1−プロパノール、2−プロパノール)、ブタノール(1−ブタノール、2−ブタノール)等が挙げられる。末端封止剤は、鎖延長後に添加してもよいが、プレポリマー反応時(例えば、ポリオールとジイソシアネートの反応時)に添加してもよく、鎖延長時に添加してもよい。
【0031】
弾性糸に塗布する油剤としては、ジメチルシリコーン、ジメチルシリコーンのメチル基の一部を他のアルキル基、フェニル基、アミノ基等で置換した変性シリコーン等のシリコーンオイル、鉱物油等が使用される。
【0032】
本発明のマルチフィラメント弾性糸を衛材製品の基材に接着するために用いる接着剤は、この種の分野で弾性糸の衛材製品の基材ヘの接着用に使用されている公知の接着剤を使用でき、特に限定はされないが、ビニル重合体系、飽和ポリエステル系、又はポリアミド系のホットメルト型接着剤が好ましい。
【0033】
【実施例】
以下、実施例と比較例により本発明を更に詳しく説明する。
【0034】
なお、実施例及び比較例中の弾性糸の接着性の評価は以下の方法で行った。
(1)薄目付けの衛材用途用の東洋紡績(株)製ポリエステル不織布を用意し、これを縦12cm×横3cmに裁断する。不織布の毛羽面や伸縮性は接着性のばらつきの原因となるので接着する面を統一して評価する。
(2)弾性糸を無緊張下で緩和されることなく厚紙上に5本並べてセロハンテープで貼りつける。
(3)エチレン、プロピレン、ブタジエン、スチレン共重合体からなるホットメルト接着剤を170度で溶解し、吐出機から5g/分の吐出量となるように設定し、弾性糸を貼り付けた厚紙を並べた弾性糸と垂直方向に、30m/分の速度で移動させて、ホットメルト接着剤を線状に塗布する。直後に(1)に示した不織布を、2kg/cm2 の圧力で10秒間圧着して、接着性測定用サンプルを得る。以上のサンプル作成はJTトーシ(株)製ASM−15接着力評価機を用いて行った。
(4)上記(3)までのようにして得られたサンプルを20℃に保った部屋で24時間保管し、不織布と弾性糸をしっかり固定、株式会社オリエンテック製測定機U−1573にて上下方向に引っ張り不織布と弾性糸をチャート紙に記録しながら剥離する。その際、弾性糸と不織布との剥離に要した強度をチャート紙から読み取り、その値を接着力(cN)とする。
(5)接着性の経時変化の確認として、両者を接着してから20℃に保った部屋で100時間保存し(4)と同様な手法で剥離する。
※紙おむつ製品における弾性糸の問題である引き込みが殆ど起こらない接着力は150cNであり、150cN以上を合格レベルとした。
【0035】
(実施例1)
分子量が1,950のポリテトラメチレンエーテルグリコール975部に、4,4' −ジフェニルメタンジイソシアネート250部を加え攪拌し、反応させることでプレポリマーを得、次いで該プレポリマーをジメチルアセトアミドに溶解させた後、1,2−プロピレンジアミンを加えて鎖延長し、ジエチルアミンで末端封止をおこない、ポリウレタン溶液を得た。
【0036】
図2に示す、長辺長さ25cm、短辺長さ10cmのノズルホルダー1aに、7ホールの丸型ノズル1bを上下2列に4個づつ配列した紡糸口金1を用い、該紡糸口金1をその長軸がゴデットローラ5a、5bの長軸方向と平行となるように設置した(図1)。ポリウレタン溶液を紡糸口金1を通して240℃の熱風が流れる紡糸筒2内に押し出し、得られた56本の単糸を、紡糸筒2の下方に設置されたセラミックス製の糸集束用ガイド3の丸孔のガイド孔3aの内面に擦らせて扁平状に集束させながら単糸間を融着し、糸集束用ガイド3とゴデットローラ5aの間に設置した油剤付与設備4によって油剤を塗布しながら、ゴデットローラ5a、5bで300m/分で捲き取って油剤が0.05重量%付着したポリウレタン弾性糸のチーズ6Aを得た。
【0037】
糸集束用ガイド3の丸孔のガイド孔は孔直径が3mm、孔長が3mmである。紡糸口金1の最も遠く離れた細孔間の寸法(A)、紡糸口金1から糸集束用ガイド3までの距離(B)の関係は、B/Aが31.6である。油剤にはジメチルシリコーンを用いた。
得られたポリウレタン弾性糸の繊度は940デシテックスで、糸条断面に外接させた長方形の長辺(Ll )と短辺(Ls )の長さ比(Ll /Ls )は6.4で、糸条断面に外接させた長方形の周長(L1)と糸条断面の周長(L2)との長さ比(L1/L2)は0.75であった。
このようにして得られたポリウレタン弾性糸を用いて前記の接着性評価テストを行った。その結果を表1に示す。
【0038】
(実施例2)
油剤付着量を3重量%にした以外は実施例1と同様にして、繊度が940デシテックスで、糸条断面に外接させた長方形の長辺(Ll )と短辺(Ls )の長さ比(Ll /Ls )が6.2、糸条断面に外接させた長方形の周長(L1)と糸条断面の周長(L2)との長さ比(L1/L2)が0.76のポリウレタン弾性糸を得た。このポリウレタン弾性糸を用いて前記の接着性評価テストを行った。結果を下記表1に示す。
【0039】
(実施例3)
図3の装置を用い、上記実施例1と同様のポリウレタン溶液を用いて弾性糸をを製造した。紡糸口金1、紡糸筒2は図1と同じものである。糸集束用ガイド3’はセラミックス製のU字型ガイド(図4)であり、U字溝の幅(x)が5mm、U字溝の長さ(y)が3mmである。
紡糸口金1(図2参照)の丸型ノズル1bの右側4個のノズルと左側4個のノズルから押し出される単糸を、それぞれ紡糸筒2の下方に配置した2つの仮撚り機7a、7bを通して、2本の断面形状がほぼ円形の糸条を形成し、次いで、仮撚り機7a、7bの15cm下で、これら2本の糸条をU字具からなる糸集束用ガイド3’で集束して1本の糸条を形成し、該糸条を、糸集束用ガイド3’とゴデットローラ5aの間に設置した油剤付与設備4によって油剤を塗布しながらゴデットローラ5a、5bで300m/分で捲き取って、油剤が0.05重量%付着した繊度が940デシテックスのポリウレタン弾性糸のチーズ6Bを得た。B/Aを実施例1と同じ31.6にした。
得られたポリウレタン弾性糸の糸条断面に外接させた長方形の長辺(Ll )と短辺(Ls )の長さ比(Ll /Ls )は2.2で、糸条断面に外接させた長方形の周長(L1)と糸条断面の周長(L2)との長さ比(L1/L2)は0.70であった。このポリウレタン弾性糸を用いて前記の接着性評価テストを行った。結果を下記表1に示す。
【0040】
(比較例1)
図5の装置を用いて、上記実施例1と同様のポリウレタン溶液を用いて弾性糸を製造した。図5において、紡糸口金1、紡糸筒2は図1と同じものである。
紡糸筒2の下方に設置した仮撚り機7に、紡糸口金1から押し出された56本の単糸を通して交絡、融着して糸条とし、仮撚り機7の下方に設置したオイル付与設備で油剤を塗布しながらゴデットローラ5a、5bで300m/分で捲き取って、油剤が0.05重量%付着した繊度が940デシテックスのポリウレタン弾性糸のチーズ6Cを得た。
得られたポリウレタン弾性糸の糸条断面に外接させた長方形の長辺(Ll )と短辺(Ls )の長さ比(Ll /Ls )は1.1で、糸条断面に外接させた長方形の周長(L1)と糸条断面の周長(L2)との長さ比(L1/L2)は0.61であった。このポリウレタン弾性糸を用いて前記の接着性評価テストを行った。結果を下記表1に示す。
【0041】
【表1】
Figure 0004045711
【0042】
表1から分かるように、実施例の弾性糸は接着剤を塗布した不織布と高い接着力で接着し、100時間経過後もその高い接着力を維持していた。一方、比較例は24時間後の接着力が合格レベル(150cN)に達していたが、100時間後は接着力は150cNよりも低くなっていた。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明の衛材製品用弾性糸は、接着剤を塗布した基材への接着力が従来よりも向上し、また、チーズからの解舒性も良好である。よって、弾性糸の引き込みのない信頼性の高い衛材製品を安定に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の弾性糸を製造する装置の一例の模式図である。
【図2】 図1の装置の紡糸口金の詳細図である。
【図3】 本発明の弾性糸を製造する装置の他の例の模式図である。
【図4】 図3の装置のU字型ガイドの詳細図である。
【図5】 従来の弾性糸の製造装置の模式図である。
【符号の説明】
1 紡糸口金
1a ノズルホルダー
2 紡糸筒
3、3’ 糸集束用ガイド
4 油剤付与設備
5a、5b ゴデットローラ
6A、6B、6C 弾性糸チーズ
7、7a、7b 仮撚り機

Claims (6)

  1. 弾性ポリマーを乾式紡糸する衛材製品用マルチフィラメント弾性糸の製造方法であって、紡糸口金から押し出された複数の単糸を2以上の群に分け、各群毎で単糸を2以上の糸条とした後、該2以上の糸条をガイドに擦らせてガイド上で融着合糸し、弾性糸の糸条断面に外接させた長方形の長辺(L)と短辺(L)の長さ比(L/L)が2以上の扁平断面することを特徴とする衛材製品用マルチフィラメント弾性糸の製造方法
  2. 弾性ポリマーを乾式紡糸する衛材製品用マルチフィラメント弾性糸の製造方法であって、紡糸口金から押し出された単糸を紡糸筒と巻き取り機の間で、ガイドに擦らせてガイド上で集束させて融着し、弾性糸の糸条断面に外接させた長辺(L )と短辺(L )の長さ比(L /L )が2以上の扁平断面とすることを特徴とする衛材製品用マルチフィラメント弾性糸の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載された方法により製造された衛材製品用マルチフィラメント弾性糸。
  4. 弾性糸表面に油剤が塗布され、該油剤の塗布量が糸条重量に対して0.01〜5重量%である請求項3に記載の衛材製品用マルチフィラメント弾性糸。
  5. 繊度が155〜2490デシテックスの範囲にある請求項3又は4に記載の衛材製品用マルチフィラメント弾性糸。
  6. 弾性ポリマーがポリウレタンである請求項3〜5のいずれか1項に記載の衛材製品用マルチフィラメント弾性糸。
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