JP2002129428A - 衛材製品用弾性糸 - Google Patents

衛材製品用弾性糸

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JP2002129428A
JP2002129428A JP2000318255A JP2000318255A JP2002129428A JP 2002129428 A JP2002129428 A JP 2002129428A JP 2000318255 A JP2000318255 A JP 2000318255A JP 2000318255 A JP2000318255 A JP 2000318255A JP 2002129428 A JP2002129428 A JP 2002129428A
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yarn
elastic
sanitary
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JP2000318255A
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Takashi Arimoto
尚 有本
Hideyuki Ohashi
英之 大橋
Kosuke Iwata
浩介 岩田
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衛材製品用弾性糸を用いることにより、弾
性糸の引き込みのない信頼性の高い衛材製品を提供する
ことを可能とした。 【解決手段】 目付け25g/cm2のポリエステル長繊維
不織布との接着強力が、24時間経過後150cN以
上、100時間経過後150cN以上であり、かつ解舒
性が120%以下である糸条重量に対して0.01〜5
重量%の油剤が弾性糸表面に塗布されてなるポリウレタ
ン衛材製品用弾性糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紙おむつや生理用ナ
プキン等の衛材製品用の弾性糸に関し、詳しくは、衛材
製品において接着剤を介した基材との良好な接着強力を
保持する弾性糸に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、紙おむつや生理用ナプキンなどの
衛材用途の製品(以下、衛材製品と称する。)が多岐に
わたって商品開発され、それに対する品質要求もより厳
しくなっている。かかる衛材製品では、装着部位へのフ
ィット性を上げるため、弾性ポリマーを紡糸して得られ
た弾性糸を複合利用して伸縮性を付与することが行われ
る。かかる弾性糸は、通常、布帛、不織布又はシート等
からなる衛材製品の基材の伸縮性を付与したい部分に接
着剤を介して接着されている。
【0003】弾性糸を衛材製品に使用する場合、弾性糸
は通常チーズ状形態で捲き取った捲糸体から衛材製品に
供給され、伸張させながら解舒し、接着剤を塗布した布
帛、不織布又はシート等に導かれ、接着面に圧力を加え
ることで、布帛、不織布又はシート等と接着している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】衛材製品用途に使用さ
れている弾性糸は、衛材製品にストレッチ性を付与する
ために伸張され、布帛、不織布又はシートからなる基材
に接着剤を介して接着される。そのため、伸張されて接
着された弾性糸と基材との接着力が不十分であると、弾
性糸が基材から剥離、収縮し、製造された衛材製品にお
いて、弾性糸の引き込みが生じて、製品の品質が悪化し
てしまう。
【0005】また、チーズ形態に巻かれた弾性糸は、チ
ーズの内層で捲き締められるため、衛材製品の製造工程
において弾性糸の糸切れや供給張力が変動するなどの問
題を発生してしまう。そのため、解舒性の悪化や張力変
動を防止することを目的として、通常繊維表面を油剤で
処理している。このような弾性糸を衛材製品の布帛、不
織布等の基材に接着する場合、基材との接着強力が不十
分となり、上記したような問題が生じる。弾性糸の基材
との接着強力低下を避けるために、油剤付着量を下げて
いくと、弾性糸チーズの解舒性が悪くなり、衛材製品の
製造工程において弾性糸の糸切れや供給張力が変動する
という問題を生ずる。また、弾性糸の接着強力を向上し
ようと、接着剤の塗布量を増やすと、製品コストが高く
なると共に、衛材製品の風合いや通気性が損なわれると
いう問題を生じてしまう。
【0006】本発明は上記の如く優れた接着性と良好な
解舒性という二律相反する性能を同時に満足するもの
で、衛材製品の製造工程での問題を発生させること無
く、優れた品質の衛材製品を得ることを目的とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、特定の弾性糸を用いる
ことで、衛材製品の生産性を損なうことなく品質を高め
ることができることを知見し、かかる知見に基づき本発
明を完成させた。すなわち、本発明は 目付け25g/cm2
のポリエステル長繊維不織布との接着強力が24時間経
過後150cN以上、100時間経過後150cN以上
であり、しかも解舒性が120%以下であることを特徴
とする衛材製品用弾性糸である。
【0008】そして具体的には、糸条重量に対して0.
01〜5重量%の油剤が弾性糸表面に塗布されてなるこ
とを特徴とする上記記載の衛材製品用弾性糸、
【0009】繊度が155〜2490デシテックスであ
ることを特徴とする上記記載の衛材製品用弾性糸。
【0010】ポリウレタン弾性糸であることを特徴とす
る上記記載の衛材製品用弾性糸。
【0011】乾式紡糸して得られたマルチフィラメント
弾性糸であることを特徴とする上記記載の衛材製品用弾
性糸である。以下、本発明を詳述する。
【0012】本発明において、弾性糸の不織布との接着
強力の評価は、以下の方法で行った。 (1)目付け25g/cm2の衛材用途用の東洋紡績株式会社
製ポリエステル長繊維不織布を用意し、これを縦12c
m×横3cmに裁断する。不織布の毛羽面や伸縮性は接
着強力のばらつきの原因となるので接着する面を統一し
て評価する。 (2)弾性糸を無緊張下で緩和されることなく厚紙上に
5本並べてセロハンテープで貼りつける。 (3)エチレン、プロピレン、ブタジエン、スチレン共
重合体からなるホットメルト接着剤を170度で溶解
し、吐出機から5g/分の吐出量となるように設定し、
弾性糸を貼り付けた厚紙を並べた弾性糸と垂直方向に、
30m/分の速度で移動させて、ホットメルト接着剤を
線状に塗布する。直後に(1)に示した不織布を、2k
g/cm2 の圧力で10秒間圧着して、接着強力測定用
サンプルを得る。以上のサンプル作成はJTトーシ
(株)製ASM−15接着性評価機を用いて行った。 (4)上記(3)までのようにして得られたサンプルを
20℃に保った部屋で24時間保管し、不織布と弾性糸
をしっかり固定し、株式会社オリエンテック製測定機U
−1573にて上下方向に引っ張り、不織布と弾性糸を
剥離する。その際、弾性糸と不織布との剥離に要した応
力値を接着強力(cN)とする。 (5)接着強力の経時変化の確認として、両者を接着し
てから20℃に保った部屋で100時間保存し(4)と
同様な手法で剥離し、弾性糸と不織布との剥離に要した
応力値を接着強力(cN)とする。
【0013】また、本発明における解舒性は以下の方法
により得られた値をもって示すものである。すなわち、
第1図に示すようにチーズを配置し、直径10cmのロー
ラー1により、180(rpm)で送り出し、同じく直
径10cmのローラー2により巻き取る。ローラー2の回
転数を変更し、巻き取られた糸がチーズの表面(底面)
から高さ10mmの所で離れるときのローラー2の回転数
をWとする。チーズ内層部、すなわち、ボビン表面から
5mm厚さの位置での該回転数Wにより、下記の計算式で
表されるものである。 解舒性(%)={(W−180)/180}×100
【0014】本発明の衛材用弾性糸は、不織布との接着
強力が、24時間経過後150cN以上、100時間経
過後150cN以上であり、かつ解舒性が120%以下
であるマルチフィラメント弾性糸である。実際の衛材製
品製造工程において、不織布等の基材との接着強力が低
いと、弾性糸の引きこみという現象が発生し、衛材製品
の生産性及び品質の両面で問題となる。この問題をおこ
さないため、本発明の衛材用弾性糸は、不織布との接着
強力が24時間経過後、150cN以上、好ましくは2
00cN以上、さらに好ましくは300cN以上である
ことが望ましい。また、一般に弾性糸と不織布との接着
強力は、接着剤にて接着後に放置することによって低下
する。従って、経時的に接着状態が安定であるために
は、不織布との接着強力が100時間経過後で150c
N以上、好ましくは200cN以上、さらに好ましくは
300cN以上であることが望ましい。
【0015】また、解舒性の値が大きい弾性糸チーズ
は、衛材製品製造工程において弾性糸を供給する際に、
解舒張力が変動する、あるいは解除できずに弾性糸が破
断するという問題が発生する。このような問題を起こさ
ずに、安定して弾性糸を解除するためには、解舒性が1
20%以下、好ましくは110%以下、さらに好ましく
は100%以下であることが望ましい。
【0016】本発明である、不織布との接着強力と、チ
ーズの解舒性とが同時に優れた弾性糸を得るための一例
として、弾性糸の糸条断面に外接させた長方形の長辺
(Ll)と短辺(Ls )の長さ比(Ll /Ls )が2以
上の扁平断面を有するマルチフィラメントであることが
望ましい。
【0017】従来の乾式紡糸により得られる衛材製品用
弾性糸は、一般に弾性ポリマーの溶液を紡糸口金の細孔
を通して紡糸筒内に押し出し、複数の単糸を仮撚り機に
よって交絡させて繊維長さ方向に融着することで目標デ
ニールの糸条を製造している。かかる製法で得られる弾
性糸は、それが扁平化したものであっても、弾性糸の糸
条断面に外接させた長方形の長辺と短辺の長さ比は2未
満であった。本発明の衛材製品用弾性糸は、弾性糸の糸
条断面に外接させた長方形の長辺と短辺の長さ比(長辺
/短辺)が2以上の高い扁平度を有するものとし、これ
によって衛材製品基材への接触面積(同一繊度での比
較)を従来の弾性糸のそれよりも大きくして、接着力の
向上を図ることが可能である。また、本発明の衛材製品
用弾性糸をおむつ等に使用した際、糸条が扁平度が高い
場合、衛材製品の身体への密着面積が増大し、排泄物の
漏れ防止能力が向上し、また、締めつけ力の分散により
圧迫感が軽減されるという利点も得られる。
【0018】また、糸条断面に外接させた長方形の長辺
(Ll )と短辺(Ls )の長さ比(Ll /Ls )が大き
い程、基材への接着強力は高くなるが、大きすぎるとチ
ーズからの解舒性が低下する傾向を示す。よって2〜8
の範囲内とするのが好ましい。
【0019】本発明の弾性糸を製造する方法は特に制限
されないが、例えば、以下の方法を挙げることができ
る。すなわち、従来の乾式紡糸で行われていた紡糸口金
から押し出された全単糸を一括して仮撚り機で交絡する
作業は行わず、口金から押し出された単糸を紡糸筒と捲
き取り機の間でガイドに擦らせてガイド上で集束させて
融着する。これによって、高い扁平度の糸条を得ること
ができる。ここで、単糸を集束する糸収束用ガイドの形
状や材質は特に限定されないが、例えば、U字のガイド
溝や丸孔のガイド孔を有する部材が用いられ、特に、丸
孔のガイド孔の内面で単糸を擦らせるようにすると、糸
長さ方向に安定に扁平断面化がなされ、好ましい。ま
た、ガイドの材質は糸条との接触摩擦が小さくなる点で
セラミックス製が好ましい。上記丸孔のガイド孔の内面
で糸をガイドする部材の場合、丸孔の直径は1〜15m
mの範囲が好ましく、2〜5mmの範囲が特に好まし
い。弾性糸の繊度及び単糸の本数等によっても異なる
が、丸孔の直径が1mm未満であると、丸孔の内面への
糸摩擦が高くなって、長時間紡糸を行うと単糸切れが発
生しやすくなり、丸孔の直径が15mmより大きくなる
と、単糸同士の接触が不十分になって、単糸同士が糸条
長さ方向に安定に融着されなくなるおそれがある。
【0020】本発明の弾性糸を得る別の方法としては、
紡糸口金から押し出された複数の単糸を2以上の群に分
け、各群毎で単糸を仮撚り機で交絡して2以上の糸条と
した後、該2以上の糸条をガイドに擦らせてガイド上で
合糸(融着)して目的の繊度の糸条を形成する方法が挙
げられる。
【0021】これら例示の方法を用いると、紡糸された
全単糸を一括して交絡せず、全単糸の融着一体化をガイ
ド上で糸を集束することにより行うので、糸条断面に外
接させた長方形の長辺(Ll )と短辺(Ls )の長さ比
(Ll /Ls )が2以上の扁平度の高い扁平断面の糸条
が容易に得られ、しかも糸条表面には単糸の表面による
凹凸が残されたものとなる。特に、前者の方法で得られ
る糸条は、単糸同士を全く交絡させないので、糸条表面
に単糸の表面による凹凸が顕著に現れる。すなわち、断
面扁平化と表面凹凸による糸条表面積の拡大とによっ
て、従来の弾性糸に比して接着剤への接触面積(同一繊
度での比較)が飛躍的に拡大することとなる。なお、糸
条表面の凹凸度が高いほど糸条の表面積は大きくなり、
接着力の向上が期待できる。よって、糸条断面に外接さ
せた長方形の周長(L1)と糸条断面の周長(L2)と
の長さ比(L1/L2)で表される凹凸の度合いが0.
9以下であるのが好ましく、0.85以下であればより
好ましく、0.80以下であればとりわけ好ましい。し
かし、糸条表面の凹凸度が高いほど、単糸同士の融着が
弱く、単糸がばらけやすくなるので、上記長さ比(L1
/L2)は0.4以上であるのが好ましい。
【0022】また、上記例示の方法で、本発明の弾性糸
を得る場合、紡糸口金の最も遠く離れた細孔間の寸法
(A)と紡糸口金から糸集束用ガイドまでの距離(B)
との比(B/A)を、10より大きくするのが好まし
い。(B/A)が10以下であると、ガイドへ入る単糸
の角度が大きく、ガイドとの摩擦による糸切れが生じる
危険性がある。
【0023】本発明の弾性糸の繊度は特に限定されない
が、一般に155〜2490デシテックス(140〜2
240デニール)、好ましくは470〜940デシテッ
クス(420〜840デニール)である。また、単糸の
繊度は一般に9〜22デシテックス(8〜20デニー
ル)、好ましくは11〜17デシテックス(10〜15
デニール)である。また、単糸は丸型断面でも異形断面
でもよい。
【0024】本発明の弾性糸は、捲き取り機で捲き取ら
れて最終的にチーズにされるが、チーズからの糸の解舒
性が良好となるよう、捲き取り機で捲き取られる前に油
剤が塗布される。かかる油剤の付着量は糸条重量に対し
て0.01〜5重量%が好ましい。上記範囲にすると接
着強力、解舒性ともに良好なものとなる。
【0025】上記油剤の付着量は、弾性糸(糸条)に油
剤を塗布することなくそのまま捲き取りローラで正確に
20000m捲き取って得られる捲回体Xの重量と、弾
性糸(糸条)に油剤を塗布して捲き取りローラで正確に
20000m捲き取って得られる捲回体Yの重量とを測
定し、これらを下記の計算式に当てはめて得られる値で
ある。 油剤付着量(%)={(捲回体Yの重量)−(捲回体X
の重量)}/(捲回体Xの重量)×100
【0026】本発明のマルチフィラメント弾性糸の原料
となる弾性ポリマーとしては、ポリウレタン、ポリオレ
フィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、合成
ゴム等を使用できるが、特に強伸度、回復性等の物性、
物理的、化学的な耐久性等の点からポリウレタンが好ま
しい。これらの弾性ポリマーは2種以上を混合して使用
できることは言うまでもない。
【0027】ポリウレタンを使用する場合、ポリオール
とジイソシアネートの共重合体、又は、該共重合体がア
ミン化合物によって鎖延長されたものが使用される。
【0028】ポリオールとしては、ポリテトラメチレン
グリコールに代表されるポリエーテルポリオール;ポリ
エチレンアジペートに代表されるポリエステルポリオー
ル;ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクト
ンのようなポリエステルグリコールとアルキレンカーボ
ネートとの反応物などで例示されるポリエステルポリカ
ーボネートポリオール;エチレンカーボネートをエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコールなどの多価アルコールと
反応させ、次いでえられた反応混合物をアジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸等の有機ジカルボン酸と反応さ
せた物などが挙げられる。これらのうち強伸度、回復性
等の物性、物理的、化学的な耐久性、特に、耐水性に優
れる点からポリエーテルポリオールを用いるのが好まし
い。これらのポリオールは1種で用いても、2種以上を
混合してもさしつかえない。ポリオールは弾性糸の伸縮
性の持続性の点から、その分子量が1000〜400
0、好ましくは1500〜2300の範囲のものを用い
るのがよい。
【0029】ジイソシアネートとしては、4,4'−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレン
ジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネー
ト、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサ
ンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の
脂肪族ジイソシアネートがあげられる。これらのうち、
弾性糸の強度が高くなる点で、4,4'−ジフェニルメ
タンジイソシアネートを用いるのが好ましい。これらの
ジイソシアネートは1種で用いても、2種以上を混合し
てもさしつかえない。
【0030】アミン化合物としては、通常、脂肪族、脂
環族又は芳香族ジアミンが使用される。具体的には、エ
チレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,3
−プロピレンジアミン、1,4−ブチレンジアミン、
2,3−ブチレンジアミン、1,3−ブチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、シクロヘキサンジアミ
ン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレン
ジアミン、3,3'−ジクロル−4,4−ビフェニルア
ミン、2,6−ジアミノピリジン、4,4'−ジアミノ
ジフェニルメタン等が挙げられる。これらのアミン化合
物は1種で用いても、2種以上を混合してもさしつかえ
ない。
【0031】末端封止に用いる末端封止剤としては、例
えば、ジメチルアミン、、モノエタノールアミン、n−
プロピルアミン、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、
エタノール、プロパノール(1−プロパノール、2−プ
ロパノール)、ブタノール(1−ブタノール、2−ブタ
ノール)等が挙げられる。末端封止剤は、鎖延長後に添
加してもよいが、プレポリマー反応時(例えば、ポリオ
ールとジイソシアネートの反応時)に添加してもよく、
鎖延長時に添加してもよい。
【0032】弾性糸に塗布する油剤としては、ジメチル
シリコーン、ジメチルシリコーンのメチル基の一部を他
のアルキル基、フェニル基、アミノ基等で置換した変性
シリコーン等のシリコーンオイル、鉱物油等が使用され
る。
【0033】本発明のマルチフィラメント弾性糸を衛材
製品の基材に接着するために用いる接着剤は、この種の
分野で弾性糸の衛材製品の基材ヘの接着用に使用されて
いる公知の接着剤を使用でき、特に限定はされないが、
ビニル重合体系、飽和ポリエステル系、又はポリアミド
系のホットメルト型接着剤が好ましい。
【0034】
【実施例】以下、実施例と比較例により本発明を更に詳
しく説明する。
【0035】(実施例1)分子量が1800のポリテト
ラメチレンエーテルグリコール200部とメチレン−ビ
ス(4−フェニルイソシアネート)45部を3時間反応
させて、両末端イソシアネート基のプレポリマーを得
た。次いで該プレポリマーをN,N−ジメチルアセトア
ミド375部を加えて溶解させた後、エチレンジアミン
4.0部、ジエチルアミン0.4部をN,N−ジメチル
アセトアミド147.6部に溶解した溶液を加えて鎖延
長し、ポリウレタン溶液を得た。
【0036】図3に示す、長辺長さ25cm、短辺長さ
10cmのノズルホルダー1aに、7ホールの丸型ノズ
ル1bを上下2列に4個づつ配列した紡糸口金1を用
い、該紡糸口金1をその長軸がゴデットローラ5a、5
bの長軸方向と平行となるように設置した(図2)。ポ
リウレタン溶液を紡糸口金1を通して240℃の熱風が
流れる紡糸筒2内に押し出し、得られた56本の単糸
を、紡糸筒2の下方に設置されたセラミックス製の糸集
束用ガイド3の丸孔のガイド孔3aの内面に擦らせて扁
平状に集束させながら単糸間を融着し、糸集束用ガイド
3とゴデットローラ5aの間に設置した油剤付与設備4
によって油剤を塗布しながら、ゴデットローラ5a、5
bで300m/分で捲き取って油剤が3.00重量%付
着したポリウレタン弾性糸のチーズ6Aを得た。
【0037】糸集束用ガイド3の丸孔のガイド孔は孔直
径が3mm、孔長が3mmである。紡糸口金1の最も遠
く離れた細孔間の寸法(A)、紡糸口金1から糸集束用
ガイド3までの距離(B)の関係は、B/Aが31.6
である。油剤にはジメチルシリコーンを用いた。得られ
たポリウレタン弾性糸の繊度は940デシテックスで、
糸条断面に外接させた長方形の長辺(Ll )と短辺(L
s )の長さ比(Ll /Ls )は6.2で、糸条断面に外
接させた長方形の周長(L1)と糸条断面の周長(L
2)との長さ比(L1/L2)は0.76であった。こ
のようにして得られたポリウレタン弾性糸を用いて、不
織布との接着強力を評価したところ、24時間経過後で
704cN、100時間経過後で594cNであった。
また解舒性は、78%であった。この弾性糸を紙オムツ
製造工程に供したところ、弾性糸の引き込みがなく、品
質的に優れた紙オムツ用部材を得ることができた。その
結果を表1に示す。
【0038】(実施例2)油剤付着量を0.05重量%
にした以外は実施例1と同様にして、繊度が940デシ
テックスのポリウレタン弾性糸を得た。得られたポリウ
レタン弾性糸の(Ll /Ls )、(L1/L2)を下記
表1に示す。このポリウレタン弾性糸の不織布との接着
強力は24時間経過後で428cN、100時間経過後
で417cN、解舒性は110%であった。このポリウ
レタン弾性糸を紙オムツ製造工程に供給し評価した結果
を下記表1に示す。
【0039】(実施例3)図4の装置を用い、上記実施
例1と同様のポリウレタン溶液を用いて弾性糸をを製造
した。紡糸口金1、紡糸筒2は図1と同じものである。
糸集束用ガイド3'はセラミックス製のU字型ガイド
(図5)であり、U字溝の幅(x)が5mm、U字溝の
長さ(y)が3mmである。紡糸口金1(図3参照)の
丸型ノズル1bの右側4個のノズルと左側4個のノズル
から押し出される単糸を、それぞれ紡糸筒2の下方に配
置した2つの仮撚り機7a、7bを通して、2本の断面
形状がほぼ円形の糸条を形成し、次いで、仮撚り機7
a、7bの15cm下で、これら2本の糸条をU字具か
らなる糸集束用ガイド3'で集束して1本の糸条を形成
し、該糸条を、糸集束用ガイド3'とゴデットローラ5
aの間に設置した油剤付与設備4によって油剤を塗布し
ながらゴデットローラ5a、5bで300m/分で捲き
取って、油剤が0.05重量%付着した繊度が940デ
シテックスのポリウレタン弾性糸のチーズ6Bを得た。
B/Aを実施例1と同じ31.6にした。得られたポリ
ウレタン弾性糸の(Ll /Ls )、(L1/L2)を下
記表1に示す。このポリウレタン弾性糸の不織布との接
着強力は24時間経過後で236cN、100時間経過
後で221cN、解舒性は102%であった。このポリ
ウレタン弾性糸を紙オムツ製造工程に供給し評価した結
果を下記表1に示す。
【0040】(比較例1)図5の装置を用いて、上記実
施例1と同様のポリウレタン溶液を用いて弾性糸を製造
した。図6において、紡糸口金1、紡糸筒2は図2と同
じものである。紡糸筒2の下方に設置した仮撚り機7
に、紡糸口金1から押し出された56本の単糸を通して
交絡、融着して糸条とし、仮撚り機7の下方に設置した
オイル付与設備で油剤を塗布しながらゴデットローラ5
a、5bで300m/分で捲き取って、油剤が1.50
重量%付着した繊度が940デシテックスのポリウレタ
ン弾性糸のチーズ6Cを得た。得られたポリウレタン弾
性糸の(Ll /Ls )、(L1/L2)を下記表1に示
す。このポリウレタン弾性糸の不織布との接着強力は2
4時間経過後で153cN、100時間経過後で138
cN、解舒性は73%であった。このポリウレタン弾性
糸を紙オムツ製造工程に供給し評価した結果を下記表1
に示す。
【0041】(比較例2)油剤付着量を0.05重量%
にした以外は実施例1と同様にして、繊度が940デシ
テックスのポリウレタン弾性糸を得た。得られたポリウ
レタン弾性糸の(Ll /Ls )、(L1/L2)を下記
表1に示す。このポリウレタン弾性糸の不織布との接着
強力は24時間経過後で255cN、100時間経過後
で251cN、解舒性は128%であった。このポリウ
レタン弾性糸を紙オムツ製造工程に供給し評価した結果
を下記表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1から、実施例の弾性糸は、紙オムツ製
造工程に供給したときに、チーズ解舒不良による弾性糸
の糸切れなどの操業上の問題をおこすことなく、また弾
性糸引き込み等の品質面での問題を発生しない優れた性
能を示すことがわかる。
【0044】
【発明の効果】本発明によるとの衛材製品用弾性糸を用
いることにより、弾性糸の引き込みのない信頼性の高い
衛材製品を提供することを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の解舒性測定装置図である。
【図2】 本発明の弾性糸を製造する装置の一例の模
式図である。
【図3】 図2の装置の紡糸口金の詳細図である。
【図4】 本発明の弾性糸を製造する装置の他の例の
模式図である。
【図5】 図4の装置のU字型ガイドの詳細図であ
る。
【図6】 従来の弾性糸の製造装置の模式図である。
【符号の説明】
1 紡糸口金、 1a ノズルホルダー、2 紡糸筒、
3、3' 糸集束用ガイド、 4 油剤付与設備 5a、5b ゴデットローラ、 6A、6B、6C 弾
性糸チーズ、 7、7a、7b 仮撚り機、8 ローラ
1 9 ローラ2、 10 巻取りチーズ外層、 11 内
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D01F 11/08 Fターム(参考) 3B029 BF07 4C003 AA16 4C098 AA09 CC01 CE06 DD06 DD22 DD23 4L035 BB02 BB61 CC13 DD20 FF05 MH02 MH13 4L038 AA08 AB07 AB09 BA44 BB08 CA06 DA10 DA20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目付け25g/cm2のポリエステル長繊維不
    織布との接着強力が24時間経過後150cN以上、1
    00時間経過後150cN以上であり、しかも解舒性が
    120%以下であることを特徴とする衛材製品用弾性
    糸。
  2. 【請求項2】 糸条重量に対して0.01〜5重量%の
    油剤が弾性糸表面に塗布されてなることを特徴とする請
    求項1記載の衛材製品用弾性糸。
  3. 【請求項3】 繊度が155〜2490デシテックスで
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の衛材製品用
    弾性糸。
  4. 【請求項4】 ポリウレタン弾性糸であることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の衛材製品用弾性
    糸。
  5. 【請求項5】 乾式紡糸して得られたマルチフィラメン
    ト弾性糸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の衛材製品用弾性糸。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100455624B1 (ko) * 2002-09-25 2004-11-06 주식회사 효성 접착력이 우수한 탄성사 권사체

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