JP3921735B2 - 紙おむつ用弾性糸の供給方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は紙おむつ用弾性糸の供給方法に関し、さらに詳しくはチーズからの弾性糸の解舒性が良好で、接着剤を介した弾性糸と不織布の接着性に優れ、かつ工程の中断やチーズの取り替え作業を頻繁に行う必要のない、多量の弾性糸を連続的に製造工程に供給することができる、紙おむつ用弾性糸の供給方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、紙おむつの需要が増加し、それに対する品質要求も増大しつつある。例えば紙おむつのフィット性を向上させるため、紙おむつに弾性糸を複合させ伸縮性を付与することが行われている。
【0003】
従来、紙おむつの製造工程では、弾性糸を捲き付けたチーズを必要数準備し、チーズを回転させて強制的に弾性糸を取り出して糸条形成域又は布帛形成域に供給していた。従って、従来の技術においては、チーズの弾性糸を使い切るたびに、紙おむつの生産を停止してチーズの掛け替えを頻繁にしなければならず、そのため生産性が悪く、製品の品質に斑が発生する等の問題を生じていた。
【0004】
かかる問題を解決するために、例えば弾性糸の捲糸体における見掛けの伸長率と付着している油剤の付着量とを特定の関係に規制することによって捲糸体をラージパッケージ化し、生産性を向上させたものも提案されているが(特公平5−50429号)、この方法を採用してもチーズの弾性糸を使い切るたびに生産の停止、チーズの交換は必要であり、生産性の低下はまぬがれなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる従来技術の問題点を解消するために創案されたものであり、その目的は弾性糸のチーズからの解舒性が良好で、製品の品質を低下させないで連続的に紙おむつを製造することができる、工程の停止やチーズの取り替え作業を頻繁に行う必要のない紙おむつ用弾性糸の供給方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等はかかる目的を達成するために紙おむつ用弾性糸の連続的な供給方法について鋭意検討した結果、本発明の完成に至った。
【0007】
即ち、本発明は乾式紡糸された、ポリウレタンウレアを含む弾性糸をチーズ状に捲き取り、次いで別のボビンの端に少量捲き付けて尻糸を形成した後、その部分と重ならない箇所に弾性糸を捲き返して得られるチーズを紙おむつ製造工程に供給する際、リワインド機を用いて捲き返して得られたチーズの尻糸と別の捲き返して得られたチーズの先糸とを結んで弾性糸を連続的に供給することを特徴とする紙おむつ用弾性糸の供給方法である。
【0008】
本発明の好ましい態様では、前述の方法において、ポリウレタンウレアを含む弾性糸の繊度が280〜1120デニール、より好ましくは360〜840デニールである。
また、本発明の好ましい態様では、前述の方法において、ポリウレタンウレアを含む弾性糸の油剤付着量が0.01〜1.0重量%、より好ましくは0.05〜0.5重量%である。
また、本発明の好ましい態様では、前述の方法において、ポリウレタンウレアを含む弾性糸を捲き付けたチーズの糸重量が0.8〜8.0kg、より好ましくは1.0〜3.0kgである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に使用される弾性糸はポリウレタンウレアを含むポリウレタン弾性糸又はこれを主体とした他の有機合成樹脂体との複合もしくは混合糸である。ポリウレタン弾性糸の化学構造は低融点の柔らかい分子量数千までのソフトセグメントと、剛直性で凝集力の強い高融点のハードセグメントとからなるセグメント化ウレタンブロック共重合体である。
【0010】
本発明に使用されるポリウレタンウレアを含む弾性糸は数平均分子量が1000〜5000のポリエーテルジオール又はポリエステルジオールを有機ジイソシアネート化合物と反応させて末端イソシアネート含有プレポリマーを作り、次いで極性溶媒中有機ジアミン化合物で、鎖延長反応させて紡糸可能な粘度のポリマー溶液を作り、このポリマー溶液を通常の乾式紡糸法によって弾性糸を得たものである。乾式紡糸法では、ポリマー溶液は細孔を通して熱風中に押し出され乾燥されつつ紡糸筒を通過し、紡糸筒下のローラー上を通過して捲取機で捲き取られチーズが得られる。この方法はハードセグメントに凝集力の強いウレア基を導入することができる。
【0011】
上記有機ジイソシアネートとしては、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートを好ましく使用することができ、ポリエーテルジオールとしては、ポリオキシテトラメチレングリコールを、ポリエステルジオールとしては、各種の低分子ジオールと二塩基酸から合成したものを好ましく使用することができる。
また主原料とは別に上記ポリマー溶液には必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、塩素劣化防止剤、変色防止剤、酸化チタン等の艶消剤、第三級アミンなどの各種添加剤又は助剤を加えることができる。
【0012】
本発明に使用される弾性糸はもっぱら紙おむつに用いられるため、繊度が280〜1120デニールであることが好ましい。また本発明に使用される弾性糸を捲き付けたチーズの糸重量は0.8〜8.0kgであることが好ましい。
【0013】
本発明に使用される弾性糸はチーズに捲き取られる前に仕上げ油剤で処理されて紙おむつの製造工程に供給される。このときの弾性糸の油剤付着量は0.01〜1.0重量%であることが好ましい。油剤付着量が0.01重量%未満では、弾性糸をリワインドする際や紙おむつ製造工程に供給する際に解舒性が悪くなって安定して弾性糸が供給されず、更に解舒性が悪くなると糸切れが生じる。一方付着量が1.0重量%を越えると、紙おむつ製造工程で使用される接着剤と弾性糸との接着性が低下し、製品の不良率が増加する。
【0014】
本発明に使用される油剤は、糸の摩擦抵抗を低下させ、さらに解舒性を向上させるものであれば当業者に公知のいずれのものも使用できるが、本発明では、例えば特開昭53−81798号に記載のポリウレタン弾性繊維用油剤が好ましく使用される。
【0015】
本発明の方法では、弾性糸はチーズに捲き取られた後、通常のリワインド機によって捲き返される。このとき、捲き始めに別のボビンの端に少量糸を捲き付けて予め尻糸を形成しておき、その部分と重ならない箇所に弾性糸を捲き返してチーズを得る。かくして得られた尻糸を有するチーズを紙おむつ製造工程に供給する。紙おむつ製造工程では、尻糸と別の捲き返して得られたチーズの先糸を順次結ぶことによって工程を中断することなく弾性糸を連続的に供給することができる。
【0016】
弾性糸のチーズからの取り出しはチーズを固定してチーズの横面から取り出すことが好ましい。このため弾性糸の供給をスムーズに行うには前述の糸の解舒性が良好であることが重要となる。また、弾性糸は若干伸長された状態でチーズ状に捲き取られているため、紡糸後に捲き締まりが生じ、弾性糸同志が互いに粘着したり嵌合し合ってチーズ内層の解舒性を著しく悪くしている場合がある。本発明ではこの現象を緩和するためにも弾性糸の捲き返しを行う利点がある。
【0017】
【実施例】
本発明を以下の実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、実施例中、部は重量を示す。
【0018】
実施例 1
両末端に水酸基を有する分子量1950のポリテトラメチレンエーテルグリコール975部に、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート250部を加えて、プレポリマーを得、次いでジメチルホルムアミドに溶解させた後、プロピレンジアミンを加えて、ポリウレタン溶液を得た。
【0019】
このポリウレタン溶液を、紡糸口金から紡糸筒内に押し出して乾式紡糸し、捲取り工程にて、ジメチルシリコーンから成る油剤を平均0.3重量%付着させ、420デニールのポリウレタン弾性糸3.0kgのチーズを得た。
【0020】
次に、リワインド機を用いて、捲き取り部分から外れた位置にスリットを設けたボビンに、得られたチーズの捲き返しを行った。得られたチーズより、ボビンのスリットに捲き始めの糸を入れ、尻糸を形成した後、供給速度280m/分、捲取り速度300m/分で捲き返し、尻糸を形成させた3.0kgのチーズを得た。かくして尻糸を形成させたチーズを紙おむつ製造工程に供した。
【0021】
尻糸を形成させたチーズを並列に設置し、尻糸と他のチーズの先糸とを結んで連続生産を開始した。操業性は良好であり、使用中のチーズの弾性糸がなくなった時、新チーズからの弾性糸の供給がスムーズに行われ、工程が停止することなく、生産が継続された。また、糸の解舒性の悪さによる糸切れ、幅入れ不良は生じず、得られた紙おむつの接着剤を介した弾性糸と不織布との接着性は良好であった。
【0022】
【発明の効果】
本発明の紙おむつ用弾性糸の供給方法は上述のように構成されているので、チーズからの解舒性が良好で、接着剤を介した弾性糸と不織布の接着性に優れ、かつ工程を中断させたり製品の品質を低下させたりせずに多量の弾性糸を紙おむつ製造工程に連続的に安定供給することができる。
Claims (4)
- 乾式紡糸された、ポリウレタンウレアを含む弾性糸をチーズ状に捲き取り、次いで別のボビンの端に少量捲き付けて尻糸を形成した後、その部分と重ならない箇所に弾性糸を捲き返して得られるチーズを紙おむつ製造工程に供給する際、リワインド機を用いて捲き返して得られたチーズの尻糸と別の捲き返して得られたチーズの先糸とを結んで弾性糸を連続的に供給することを特徴とする紙おむつ用弾性糸の供給方法。
- ポリウレタンウレアを含む弾性糸の繊度が280〜1120デニールであることを特徴とする請求項1記載の弾性糸の供給方法。
- ポリウレタンウレアを含む弾性糸の油剤付着量が0.01〜1.0重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の弾性糸の供給方法。
- ポリウレタンウレアを含む弾性糸を捲き付けたチーズの糸重量が0.8〜8.0kgであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の弾性糸の供給方法。
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