JP7426461B2 - ポリウレタン弾性糸巻糸体 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリウレタン弾性糸巻糸体に関する。
ポリウレタン弾性糸は、優れた弾性特性を有することから、例えば、インナー、ストッキング、コンプレッションウェア、おむつなど、伸縮性やフィット性を要求される様々な製品に使用されている。ポリウレタン弾性糸は、一般的に、紙や樹脂製の糸巻き用ボビンに巻回したポリウレタン弾性糸巻糸体(一般に「チーズ」とも呼ばれる。)の形態として、上記のような製品の製造工程に用いられる。インナー、ストッキング、コンプレッションウェア、及びおむつなどの製造工程において、ポリウレタン弾性糸巻糸体を使用する場合には、ポリウレタン弾性糸巻糸体の巻糸がなくなる毎に次の巻糸体への交換が必要であり、その都度製造工程を停止する必要があった。
近年、特におむつ等の衛生材料分野においては、製造工程を止める必要がないように、例えば、以下の特許文献1又は2に開示されるように、テール糸と呼ばれる巻き始めの端糸を次の巻糸体の表層糸と繋げておくことで、連続的にポリウレタン弾性糸を使用する手法(以下、「テール移行」ともいう。)が用いられている。
また、以下の特許文献3には、解舒時の糸切れや綾落ち等のトラブルが少なくなる弾性糸の巻取方法が開示されている。
特開2001-354361号公報 特開2001-72339号公報 特開平9-286566号公報
しかしながら、従来技術においてはテール移行時の糸切れが発生するという問題あるが、特許文献1~3においても、テール移行時の糸切れの発生を抑制する技術は開示されておらず、かかる問題は解決されていない。
かかる従来技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、テール移行時の糸切れが起こりにくい、ポリウレタン弾性糸巻糸体を提供することである。
本願発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討し実験を重ねた結果、最内層の巻幅を調整することで、巻量が多くても、テール移行時の糸切れが改善することを発見し、本発明を完成するに至ったものである、すなわち本発明は以下の通りのものである。
[1]テール糸を有する、ポリウレタン弾性糸が糸巻き用ボビンに巻かれてなるポリウレタン弾性糸巻糸体であって、最大巻幅(Wmax)に対する、巻き始めから100m以内の任意の10mの糸からなる最内層の巻幅(W0)の比(W0/Wmax)が、0.900超1.00以下であり、かつ、ボビン軸長(L)に対する最内層の巻幅(W0)が、0.800<W0/L<1.00である、ポリウレタン弾性糸巻糸体。
[2]前記W0/Wmaxが、0.950超1.00以下である、前記[1]に記載のポリウレタン弾性糸巻糸体。
[3]糸重量が3.0kg以上9.0kg未満である、前記[1]又は[2]に記載のポリウレタン弾性糸巻糸体。
[4]糸重量が6.0kg以上9.0kg未満である、前記[3]に記載のポリウレタン弾性糸巻糸体。
[5]前記ポリウレタン弾性糸の繊度が、310dtex~1240dtexである、前記[1]~[4]のいずれかに記載のポリウレタン弾性糸巻糸体。
[6]衛材用途に使用される、前記[1]~[5]のいずれかに記載のポリウレタン弾性糸巻糸体。
本発明のポリウレタン弾性糸巻糸体は、最内層の巻幅を調整することで、巻量が多くても、テール移行時の糸切れが改善されたポリウレタン弾性糸巻糸体である。
本実施形態のポリウレタン弾性糸巻糸体の模式図である。 本実施形態のポリウレタン弾性糸巻糸体の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について、詳細に説明する。本発明は以下の本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
本実施形態のポリウレタン弾性糸巻糸体は、テール糸を有する、ポリウレタン弾性糸が糸巻き用ボビンに巻かれてなるポリウレタン弾性糸巻糸体であって、最大巻幅(Wmax)に対する、巻き始めから100m以内の任意の10mの糸からなる巻幅(W0)(以下、「最内層の巻幅」ともいう。)の比(W0/Wmax)が、0.900超1.00以下である、ポリウレタン弾性糸巻糸体である。
《ポリウレタン弾性糸》
<ポリウレタン>
ポリウレタン弾性糸を構成するポリウレタンとしては、例えば、ジイソシアネート、ポリマーポリオール、ジオール、及びジアミン等から重合される構造を有するものであれば、特に限定されるものではない。また、その重合方法も特に限定されるものではない。ポリウレタンとしては、例えば、ジイソシアネート、ポリマーポリオール、及び鎖延長剤としての低分子量ジアミン等から重合されるポリウレタン(「ポリウレタンウレア」ともいう)であってもよく、また、ジイソシアネート、ポリマーポリオール、及び鎖延長剤としての低分子量ジオール等から重合されるポリウレタン(「ポリウレタンウレタン」ともいう)であってもよい。例えば、おむつの製造工程では、高温の接着剤を弾性糸に塗布することがあり、高温の接着剤を塗布することによるポリウレタン弾性糸の劣化や糸切れ防止の観点から、ポリウレタン弾性糸は、ポリウレタンウレアを含有することが好ましい。
ジイソシアネートとしては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、及び脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。芳香族ジイソシアネートとしては、以下に限定されないが、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、「MDI」ともいう)、トリレンジイソシアネート、1,4-ジイソシアネートベンゼン、キシリレンジイソシアネート、及び2,6-ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。脂環族ジイソシアネート、及び脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(以下、「H12MDI」ともいう。)、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン2,4-ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン2,6-ジイソシアネート、シクロヘキサン1,4-ジイソシアネート、ヘキサヒドロキシリレンジイソシアネート、ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート、及びオクタヒドロ1,5-ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。これらのジイソシアネートは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。例えば、おむつ製品に求められるポリウレタン弾性糸の伸縮回復性の観点から、ジイソシアネートは、芳香族ジイソシアネートであることが好ましく、MDIであることがさらに好ましい。
ポリマーポリオールとしては、以下に限定されないが、ポリエーテル系ジオール、ポリエステル系ジオール、ポリカーボネートジオール等のポリマージオールが挙げられる。耐加水分解性の観点から、ポリマーポリオールとしては、ポリエーテル系ポリオールであることが好ましく、ポリエーテル系ジオールであることが更に好ましい。
ポリエーテル系ポリオールとしては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール誘導体、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、「PTMG」ともいう)、テトラヒドロフラン(THF)とネオペンチルグリコールの共重合体である変性PTMG(以下、「PTXG(登録商標)」ともいう)、THFと3-メチルTHFの共重合体であるジオール等が挙げられる。これらのポリエーテル系ポリオールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。UV脆化性の観点から、ポリエーテル系ポリオールとしては、PTMG、PTXG(登録商標)、及びこれらをブレンドしたポリオールであることが好ましい。
鎖伸長剤としては、低分子量ジアミン、及び低分子量ジオールからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。尚、鎖伸長剤としては、エタノールアミンのように、水酸基とアミノ基の両方を分子中に有するものであってもよい。
鎖伸長剤としての低分子量ジアミンとしては、以下に限定されないが、例えば、ヒドラジン、エチレンジアミン、1,2-プロパンジアミン、1,3-プロパンジアミン、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン、1,2-ジアミノブタン、1,3-ジアミノブタン、1-アミノ-3,3,5-トリメチル-5-アミノメチルシクロヘキサン、2,2-ジメチル-1,3-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノ-2,2-ジメチルブタン、2,4-ジアミノ-1-メチルシクロヘキサン、1,3-ペンタンジアミン、1,3-シクロヘキサンジアミン、ビス(4-アミノフェニル)ホスフィンオキシド、ヘキサメチレンジアミン、1,3-シクロヘキシルジアミン、ヘキサヒドロメタフェニレンジアミン、2-メチルペンタメチレンジアミン、及びビス(4-アミノフェニル)ホスフィンオキシド等が挙げられる。これら低分子量ジアミンは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。弾性糸の伸縮回復性の観点から、低分子量ジアミンとしては、炭素数2~5のジアミンであることが好ましく、エチレンジアミンであることがより好ましい。
低分子量ジオールとしては、以下に限定されないが、エチレングリコール、1,3プロパンジオール、1,4ブタンジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチレンテレフタレート、1-メチル-1,2-エタンジオール等が挙げられる。これら低分子量ジオールは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<繊度>
繊度(dtex)は、糸1本の10000m当たりの重さ(g)を意味する。衛材用途に使用されるポリウレタン弾性糸の繊度は、繊維巻糸体の形状安定性や衛材製品の性能の観点から、310dtex~1240dtexが好ましく、より好ましくは310dtex~940dtex、さらに好ましくは470dtex~940dtexである。
<添加剤>
ポリウレタン弾性糸は、所望の効果を失わない程度であれば、ポリウレタン以外のポリマーや、添加剤、例えば酸化防止剤、耐光剤、紫外線吸収剤、ガス変色防止剤、染料、活性剤、艶消剤、滑剤を含有するものであって構わない。
<油剤>
解舒性、工程性等の観点から、ポリウレタン弾性糸に油剤等の処理剤を塗布してもよい。処理剤としては、以下に限定されないが、例えば、ジメチルシリコーンなどのシリコーン系オイル、鉱物油系オイル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。処理剤の塗布方法は、特に限定されず、例えば、オイリングローラー等によって塗布することができる。
<紡糸方法>
ポリウレタン弾性糸の紡糸方法は特に限定されない。紡糸方法としては、例えば、ポリウレタンを溶剤に溶解して湿式法や乾式法により紡糸する方法、ポリウレタンを加熱溶融して溶融法により紡糸する方法が挙げられる。
《ポリウレタン弾性糸巻糸体》
<巻幅の比>
本実施形態のポリウレタン弾性糸巻糸体は、最大巻幅(Wmax)に対する、最内層の巻幅(W0)の比(W0/Wmax)が、0.900超1.00以下であり、好ましくは0.950超1.00以下である。W0/Wmaxが0.900超であれば、最内層の糸同士の重なりが小さくなり、解舒応力の平均値が下がり、また、解舒応力の変動が小さくなるため、テール移行時の糸切れを抑制することができる。最内層の巻幅が最大巻幅(W0/Wmax=1.00)であってもよい。
本願明細書において、巻糸体の「最大の巻幅(Wmax)」とは、図2に示すように、ポリウレタン弾性糸巻糸体の最も広い幅の巻幅をいう。
本願明細書において、最内層の巻幅(W0)とは、巻き始めから100m以内の、任意の10mの糸からなる巻幅を測定した時の、各測定値(n=3以上)の最小値をいう。また、テール糸に該当する糸巻き用ボビンの端に巻かれた糸は、Wmax及びW0の巻幅には含めない。
<糸巻量>
ポリウレタン弾性糸巻糸体は、ポリウレタン弾性糸のみの重量(以下、単に「糸巻量」という)が、3.0kg以上であることが好ましく、6.0kg以上であることがさらに好ましい。また、糸重量は9.0kg未満が好ましい。糸巻量が3.0kg以上であることにより、衛生材料を製造する工程において巻糸体のテール移行頻度が少なくなり、工程性に優れる。糸重量が9.0kg未満であれば、糸の巻き締まりを抑制でき最内層の解舒性が良好となる。
<解舒応力>
本明細書において、解舒応力とは、ポリウレタン弾性糸巻糸体の最内層糸(巻き始めから100m)を15m/minで巻糸体の端面方向に消極解舒(タテ取り方式)するときの応力をいう。ポリウレタン弾性糸巻糸体の解舒応力は、糸切れ抑制の観点から、0.032gf/dtex以下が好ましく、0.024gf/dtex以下がさらに好ましい。
<綾角>
ポリウレタン弾性糸巻糸体の綾角は、13度以上25度以下であることが好ましく、15度以上21度以下であることがより好ましい。また、13度以上25度以下であれば、綾角が巻糸体内において変化していてもよい。本明細書において、「綾角」とは、巻糸体の周方向と糸巻き用ボビンに巻回された糸とのなす鋭角の角度をいう。ポリウレタン弾性糸の綾角が25度以下であることにより、巻き硬度が高くなりすぎず、巻糸体の内層の糸を表層の糸が締め付けすぎることがないため、経時により巻糸体側面に膨らみが起こることをより効果的に抑制できる。ポリウレタン弾性糸の綾角が13度以上であることにより、巻糸体の両端面から糸が脱落しにくくなる。
<巻糸体中のポリウレタン弾性糸の伸長率>
巻糸体中のポリウレタン弾性糸の伸長率は、0.01%以上10%以下であることが好ましく、0.2%以上5%以下であることがより好ましい。巻糸体中のポリウレタン弾性糸の伸長率が0.01%以上であると、巻糸体の両端面から糸が脱落しにくくなる。また、巻糸体中の弾性糸の伸長率が10%以下であると、経時による巻糸体の巻き形状崩れをより効果的に抑制することができる。巻糸体中のポリウレタン弾性糸の伸長率の測定方法は、後述する実施例の欄に記載する。
<糸巻き用ボビン>
ポリウレタン弾性糸巻糸体は、ポリウレタン弾性糸を紙や樹脂製の糸巻き用ボビンに巻回されてなる。糸巻き用ボビンは、ボビン端にテール糸を捕捉するための溝を有することが望ましい。糸巻き用ボビンの長軸長としては、160mm以上が好ましく、200mm以上がさらに好ましい。長軸のボビンを用いるほど、糸巻き量を増やしつつその形態安定性を保つことが可能となる。また、ボビン軸長(L)に対する最内層の巻幅(W0)が、0.850<W0/L<1.00である場合、最内層の糸同士の重なりが小さくなり、テール移行時の糸切れを抑制することができる。
<テール糸>
ポリウレタン弾性糸巻糸体は、テール糸を有する。テール糸とは、巻き始めの端糸を巻糸体全体と被らないように、糸巻き用ボビン端に捕捉された糸である(図1、符号21参照)。テール糸を有することで、該テール糸を次の巻糸体の表層糸(巻き終わりの端糸)と繋ぎ合わせ、巻糸体を連続的に使用すること(テール移行)が可能となる。テール糸は、糸巻き用ボビンに巻かれていても、巻かれていなくてもよい。
<ポリウレタン弾性糸巻糸体の製造方法>
ポリウレタン弾性糸巻糸体の製造方法としては、テール糸を有する、糸巻き用ボビンに巻かれてなる弾性糸巻糸体であって、最大巻幅(Wmax)に対する、最内層の巻幅(W0)の比(W0/Wmax)が、0.900超1.00以下であるように巻回することができれば、特に限定されない。
続けて、ポリウレタン弾性糸の綾角を好ましくは13度以上25度以下、伸長率を好ましくは0.01%以上10%以下とし、糸巻き用ボビンの長軸長が好ましくは160mm以上、さらに好ましくは200mm以上の糸巻き用ボビンに巻き取ることで、最大巻幅(Wmax)に対する、最内層の巻幅(W0)の比(W0/Wmax)が、0.900超1.00以下であるポリウレタン弾性糸巻糸体をより容易に製造することができる。
以下の実施例において、本実施形態をより具体的に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
まず、本発明における各種特性の測定方法及び評価方法について説明する。
<巻き始めからの長さの測定>
ポリウレタン弾性糸巻糸体において、テール糸を除去した最内層の端部からの糸長を巻き始めからの長さとして測定した。
<巻糸体中のポリウレタン弾性糸の伸長率>
巻糸体中のポリウレタン弾性糸の伸長率(%)は、以下(1)~(3)の手順で測定及び計算した。
(1)ポリウレタン弾性糸巻糸体からポリウレタン弾性糸を弛緩状態の長さ(以下、単に「リラックス長」ともいう)で0.5m解舒してサンプルとし、そのサンプル重量(g)を測定した。以下の計算式から、ポリウレタン弾性糸の弛緩状態における繊度(リラックス繊度A(dtex))を計算した。測定は4回行い、その平均値をとった。尚、「弛緩状態」とは、糸をチーズから解舒した後、無荷重で2時間以上放置した状態のことをいう。
リラックス繊度A(dtex)=サンプル重量(g)×10000/リラックス長(m)
(2)送り出しロールによってポリウレタン弾性糸巻糸体からポリウレタン弾性糸を、伸長率を維持した状態で50m送り出して解舒した。解舒された糸の重量(g)を測定した。以下の計算式から、ポリウレタン弾性糸の伸長状態における繊度(プリント繊度B(dtex))を計算した。
プリント繊度B(dtex)=解舒された糸の総重量(g)×10000/50(m)
(3)以下の計算式から、ポリウレタン弾性糸の伸長率(%)を計算した。
伸長率(%)=(A/B-1)×100
<最内層の解舒応力>
ポリウレタン弾性糸巻糸体の最内層糸(巻き始めから100m)を15m/minで巻糸体の端面方向に消極解舒(タテ取り方式)するときの応力を測定した。測定は5分間行い、その平均値を以下の4段階の評価基準で評価した。
[評価基準]
◎:解舒応力の平均値が15gf未満である。
〇:解舒応力の平均値が15gf以上20gf未満である。
△:解舒応力の平均値が20gf以上25gf未満である。
×:解舒応力の平均値が25gf以上であるか、糸切れする。
<テール移行時の糸切れ>
テール糸を次の巻糸体の巻き終わり糸と繋げたポリウレタン弾性糸巻糸体を、上記消極解舒によって解舒しながら、次の巻糸体に移行(テール移行)した際の糸切れ頻度を、以下の3段階の評価基準で評価した。
[評価基準]
〇:糸切れが全く起こらない。
△:糸切れが稀に起こる。
×:糸切れが頻発する。
<巻き姿>
ポリウレタン弾性糸巻糸体を製造後2日以上経過した後、巻糸体両端面からの糸脱落及び巻糸体側面の膨らみを観察し、以下の4段階の評価基準で評価した。
[評価基準]
◎:巻糸体側面に脱落した糸がなく、かつ、巻糸体側面に1mm以上の膨らみがない。
〇:巻糸体側面に脱落した糸はないが、巻糸体側面に1~2mmの膨らみがある。
△:巻糸体側面に脱落した糸が一か所のみある。
×:巻糸体側面に脱落した糸が複数あるか、又は、巻糸体側面に2mmを超える膨らみがある。
[実施例1~10]
4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートと数平均分子量1800のポリテトラメチレンエーテルグリコールとをモル比1.5対1で反応させウレタンプレポリマーを得た。これをN,N-ジメチルアセトアミドに溶解したエチレンジアミンと反応させ得た34wt%のポリウレタン重合溶液を、300℃に加熱したガス中にノズルから吐出し、オイリングを施した後、620dtexの弾性糸を得た。該弾性糸を長軸長が170mm~230mmの糸巻き用ボビンに350m/分で、綾角が15~24度で巻き上げ、4.5kg~8.5kgの巻糸体とした。最内層の巻幅(W0)/最大巻幅(Wmax)を表1に示すように変化させて製造した、実施例1~10のポリウレタン弾性糸巻糸体のテール移行時の糸切れ結果を以下の表1に示す。
[比較例1~3]
実施例1と同様の条件にて、該弾性糸を長軸長が140mm~230mmの糸巻き用ボビンに350m/分で、綾角が17~28度で巻き上げ、4.5kg~9.5kgの巻糸体とした。最内層の巻幅(W0)/最大巻幅(Wmax)を表1に示すように変化させて製造した、比較例1~3のポリウレタン弾性糸巻糸体のテール移行時の糸切れ結果を、以下の表1に示す。
本発明のポリウレタン弾性糸巻糸体は、テール移行時の糸切れが少ないため、おむつ等の衛生材料の製造用として好適に利用可能である。
10 ポリウレタン弾性糸巻糸体
11 ポリウレタン弾性糸
20 糸巻き用ボビン
21 テール糸
22 テール糸を捕捉する糸巻き用ボビン上の溝
W0 最内層の巻幅(巻き始めから100m以内)
Wmax 最大巻幅
L 糸巻き用ボビンの長軸長

Claims (6)

  1. テール糸を有する、ポリウレタン弾性糸が糸巻き用ボビンに巻かれてなるポリウレタン弾性糸巻糸体であって、最大巻幅(Wmax)に対する、巻き始めから100m以内の任意の10mの糸からなる最内層の巻幅(W0)の比(W0/Wmax)が、0.900超1.00以下であり、かつ、ボビン軸長(L)に対する最内層の巻幅(W0)が、0.800<W0/L<1.00である、ポリウレタン弾性糸巻糸体。
  2. 前記W0/Wmaxが、0.950超1.00以下である、請求項1に記載のポリウレタン弾性糸巻糸体。
  3. 糸重量が3.0kg以上9.0kg未満である、請求項1又は2に記載のポリウレタン弾性糸巻糸体。
  4. 糸重量が6.0kg以上9.0kg未満である、請求項3に記載のポリウレタン弾性糸巻糸体。
  5. 前記ポリウレタン弾性糸の繊度が、310dtex~1240dtexである、請求項1又は2に記載のポリウレタン弾性糸巻糸体。
  6. 衛材用途に使用される、請求項1又は2に記載のポリウレタン弾性糸巻糸体。
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