JP4038760B2 - 床下エンジンの冷却構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンを床下に搭載するキャブオーバータイプの自動車に係るエンジン冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のエンジンは、車の種類によってその搭載位置が異なる。ワンボックスカーやトラックなど一般にキャブオーバータイプと呼ばれるものは、エンジンが客室の床面の下側に配置される。
その場合、上記エンジンには走行風が当たりづらいため、エンジンから発生する熱は外気に放出されずに床下にこもりやすくなる。上記熱により暖められた空気がエンジン内部に吸入されると、吸入する空気の温度に依存する充填効率が下がってしまい、これらはエンジン出力の低下の原因となる。
【0003】
上述のような床下エンジンを冷却するための従来の公知技術としては、実開昭54−158150や、実開平3−82679がある。これらには、車体の剛性をになう車体フレームを筒状に形成し、その一部を換気通路として走行風を取り込んで冷却する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術を実施するには、空気導入・排出用の新たな開口部を車体フレームに設ける必要がある。これは、車体剛性を低下させるおそれがあるため、好ましくない。
また、上記車体フレームは、車体前部の下側に設けられたフロントバンパを裏側から支持している。ゆえに、車体フレームに空気導入用の開口部を設けた場合、その開口部は上記フロントバンパの裏側となってしまうため、フロントバンパにも開口部を設けなければならない。さらに車体のデザイン上、開口部を設けることは好ましくない。
【0005】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、車体剛性を低下させることなく、床下に収納したエンジンを効率的に冷却することによりエンジン出力の低下を防止するエンジンの冷却構造を提供することにある。さらに、車体のデザイン性を損なうことのない床下エンジンの冷却構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、キャブオーバータイプのエンジンの冷却構造において、車両前部からエンジンに向けて延びるように設けたサスペンションフレームを中空に形成し、該サスペンションフレームの前部に走行風入口と、その後部に走行風出口とを設けた。
また、前記走行風入口を、フロントバンパの下部に設けた。
また、前記サスペンションフレームの前部に集風装置を設けた。
また、前記サスペンションフレームの後部に吹出装置を設けた。
さらにまた、前記走行風出口の下側にアンダーカバーを設けた。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態に係るキャブオーバータイプのワンボックスカーの床下エンジンの冷却構造について、図面を参照しながら説明する。図1は、床下エンジンの冷却構造を概念的に示す車体前後方向の断面図、図2は図1における底面図、図3は車体の正面図を示す。
【0008】
図1ないし図2に示すように、車体1の左右の下側部に、車体1の前後方向に車体フレーム2が設けられている。車体フレーム2には、フロントバンパ3と、図示しない客室の床下に設けたエンジン4が、図示しないボルト類を用いてそれぞれ組みつけられている。
【0009】
左右の車体フレーム2の下側には、それぞれ車両前部からエンジンに向けて延びるサスペンションフレーム5が組みつけられており、サスペンションフレーム5に前輪用の左右のフロントサスペンション6が取り付けられている。サスペンションフレーム5は中空形状のものが使用されており、左右のサスペンションフレーム5には、その中間部に、剛性を確保するための強度部材5′が取り付けられ、井形形状に固定されている。
【0010】
また、サスペンションフレーム5の前部は、フロントバンパ3の下側の内側部側に位置しており、走行時に車体の前面に受ける走行風13を取り込むための走行風入口7が設けられている(図1〜図3参照)。サスペンションフレーム5の後側には、エンジン4の手前側にあって、走行風13を吹き出すための走行風出口8が設けられている。サスペンションフレーム5の中空部分は、走行風入口7と走行風出口8とを連結して、走行風13が通過する導風通路9を形成する。7´は走行風入口7の上面から斜めに延びる導風板である。
【0011】
図4は、本発明の別の実施の形態に係る集風装置を設けた、図1と同様の縦断面図である。
この実施の形態は、サスペンションフレーム5の前部に、走行中に走行風13を集めて走行風入口7へ導くための集風装置10をそれぞれ設けたものである。この集風装置10は筒状に構成されている。その終端部は走行風入口7に空気漏れのないように全周溶接またはシール構造により固定され、その始端部は、走行風をより多く取り込むことのできるように、フロントバンパ3の前面とほぼ同一面を成す位置まで伸ばして設ける。そのため、集風装置10の始端部は、その取り込み面積を大きくし、かつ車体前面のデザイン性を損なわない形状にすることがのぞましい。
【0012】
図5は、本発明の別の実施の形態に係る吹出装置を設けた、図1と同様の縦断面図である。
この実施の形態は、サスペンションフレーム5の走行風出口8に、導風通路9を通過した走行風を、エンジン4の発熱部に吹き付けるための吹出装置11をそれぞれ設けたものである。この吹出装置11は筒状に構成されている。その始端部は、走行風出口8に空気漏れのないように全周溶接またはシール構造により固定され、その終端部は、エンジン4の発熱部に滞留した暖かい空気をエンジンルーム14の外へ排気することのできる位置(図5ではエンジン上方に記載)に開口される。
吹出装置11は、取り込んだ走行風13を必要部分に吹き付けるために、必要に応じた形状に前記筒状の本体部を屈曲させて構成することができる。
【0013】
図6は、本発明のさらに別の実施の形態に係るアンダーカバーを設けた、図1と同様の縦断面図である。
走行風出口8または吹出装置11の下側には、取り込んだ走行風13が車体下側の走行中の空気の流れに吸い寄せられるのを防止するためのアンダーカバー12を左右のそれぞれに設けたものである。アンダーカバー12は、平板状に構成されており、車体フレーム2の下側部分とサスペンションフレーム5に図示しないボルト類を用いて組みつけられている。また、アンダーカバー12は、取り込んだ走行風13が上述の空気の流れと干渉しない程度の十分な大きさを有する。
【0014】
上記の各実施の形態によると、フロントバンパ3の下側の走行風入口7または集風装置10から取り込んだ走行風13を、サスペンションフレーム5の導風通路9を介して走行風出口8から送風することができる。それにより、エンジン4の発熱を防止するとともに、エンジンルーム14に滞留する暖かい空気の排気または換気をすることができる。また、既存のサスペンションフレーム5をそのまま活用することにより、新たな部品の追加をせずに冷却構造を構成することができる。
【0015】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、たとえば、上記実施の形態では、走行風入口7または集風装置10の始端を開口としているが、走行風13の取り込み量を調整したり、泥水の浸入を防止するためのフィンを始端開口に隣接して取り付けることもできる。さらには、エンジン4の発熱の状態に合わせて、上記フィンを自動調整することもできる。さらに、前記始端開口には、ごみ等が入り込まないように網状のカバーを設けることもできる。
また、図2では、サスペンションフレーム5を車体1の前後方向と平行に配置しているが、車体1を構成する他の部品との配置に合わせて、多少の屈曲を設けて配置することもできる。
【0016】
【発明の効果】
本発明に係る床下エンジンの冷却構造によれば、次のような効果を奏することができる。
車両前部からエンジンに向けて中空形状のサスペンションフレームを配設し、該サスペンションフレームの前部に走行風を取り込むための走行風入口と、後部に走行風出口とを設けているので、車体剛性を低下させることなく、床下に収納したエンジンを効率的冷却することができる。これによりエンジン出力の低下を防止することができる。
前記走行風入口を、フロントバンパの下部に設けることによって、該フロントバンパに開口部を設ける必要がなく、車体のデザインを損なうことなくエンジンの冷却を実施することができる。さらに、フロントバンパとその周辺のデザイン性の自由度を向上させることができる。
前記サスペンションフレームの前部に集風装置を設けることによって、より多くの走行風を取り込むことにより冷却性能を向上させることができる。
前記サスペンションフレームの後部に吹出装置を設けることによって、取り込んだ走行風を冷却が必要な部分に重点的に吹き付けることにより冷却性能を向上させることができる。
さらに、前記走行風出口の下側にアンダーカバーを設けることによって、取り込んだ走行風を逃がさずにエンジンに当てることにより冷却性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る床下エンジンの冷却構造の概要図であって、車体の前後方向の縦断面図である。
【図2】図1における底面図である。
【図3】車体の正面図である。
【図4】本発明の別の実施の形態に係る、集風装置を設けた冷却構造の、図1と同様の縦断面図である。
【図5】本発明の別の実施の形態に係る、吹出装置を設けた冷却構造の、図1と同様の縦断面図である。
【図6】本発明のさらに別の実施の形態に係る、アンダーカバーを設けた冷却構造の、図1と同様の縦断面図である。
【符号の説明】
1 車体
2 車体フレーム
3 フロントバンパ
4 エンジン
5 サスペンションフレーム
5′ 強度部材
6 サスペンション
7 走行風入口
7′ 導風板
8 走行風出口
9 導風通路
10 集風装置
11 吹出装置
12 アンダーカバー
13 走行風
14 エンジンルーム
Claims (5)
- 車両前部からエンジンに向けて延びるように設けたサスペンションフレームを中空に形成し、該サスペンションフレームの前部に走行風入口と、その後部に走行風出口とを設けたことを特徴とする床下エンジンの冷却構造。
- 前記走行風入口を、フロントバンパの下部に設けたことを特徴とする請求項1に記載の床下エンジンの冷却構造。
- 前記サスペンションフレームの前部に集風装置を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の床下エンジンの冷却構造。
- 前記サスペンションフレームの後部に吹出装置を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の床下エンジンの冷却構造。
- 前記走行風出口の下側にアンダーカバーを設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の床下エンジンの冷却構造。
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