JP4036677B2 - 電気機器収納用箱 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば分電盤や配電盤等の電気機器を収納する電気機器収納用箱のに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電気機器収納用箱には、箱本体の開口部に蓋を施蓋し、この蓋を締付金具により締め付けたものを普通とし、その代表的なものは、図17に示すように、箱本体の開口部の外側額縁面に雌ねじを設けてこの雌ねじに蓋の四隅にある固定孔に挿通した止めねじをねじ込んで蓋を締付固定するものであるが、このようなものでは雌ねじが箱本体の額縁面を貫通しているため内部に水が浸入する虞があるうえに、止めねじが脱落、紛失する虞がある。その対策としては蓋に止めねじを保持させておく抜け止めを設けてあるが、蓋を箱本体に取り付ける際に位置合わせをして止めねじを少し回し、仮止めした後に止めねじを締め付けなければならず、特に、この仮止め作業は非常に煩わしくしかも避けることができないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとするところは上記の問題点を解決し、内部に水が侵入する虞がある止めねじ用の貫通孔が不要で、しかも、止めねじの脱落する虞がないうえに蓋の着脱も容易に行なえる電気機器収納用箱を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明の電気機器収納用箱は、箱本体の開口部に蓋を施蓋してこの蓋を締付金具により箱本体に締付保持させた電気機器収納用箱において、止めねじが組み込まれている締付金具を箱本体の額縁部同士が直交する箱本体の角部に起伏方向が45度となるように起伏自在に設けるとともに、蓋の角部に止めねじの係合部を有する切欠を設けてあり、締付金具を起立させたときに前記した止めねじの係合部に止めねじを介入させた状態で締付けるようにして、さらに、前記締付金具が、止めねじを雌ねじ部に螺合させた操作部材と、箱本体側に設けられて前記操作部材を起伏自在に枢着させている支承部材とよりなり、操作部材には角覆部と両側の翼状覆部が形成されていてこの角覆部と翼状覆部と前記した止めねじの頭部により蓋の角部に設けられている切欠を覆うようにしたことを特徴とするものである
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図を参照しながら具体的に説明する。
本発明の電気機器収納用箱は、図1に示すように、従来のこの種の電気機器収納用箱と同様に、角形の箱本体1と、その開口部に施蓋される蓋2から構成されるものであるが、蓋2は箱本体1の各角部に起伏自在に設けられた締付金具3を起立させてこの締付金具3に組み込まれた止めねじ4により蓋2の各角部を箱本体1の各角部に締付保持させたものとしている。なお、図2は蓋2が固定された状態を示す平面図、図3は側面図、図4及び図5はそれぞれ図2の矢印Aの方向及び矢印Bの方向から見た側面図である。
【0006】
箱本体1は従来の電気機器収納用箱における箱本体と同様の角箱であって、その開口部には図6に示すように額縁部1aが設けてあり、さらに、開口部端面は上方に折り曲げて水切り部1bを設けてある。一方、蓋2は角形の板材の周辺を折り曲げて縁辺部2aを設けて薄い箱状にしたものであって、この蓋2の各角部には図7に示すように奥部を止めねじ4の係合部6とする切欠5を設けてあり、また、図示していないが蓋2の裏面には水切り部1bに当接する位置にパッキングを貼着してある。
【0007】
前記した締付金具3は、図8に示すように、図9に示すような支承部材7を、図10に示すような操作部材8の本体部にピン9をもって起伏自在に枢着したものである。前記した支承部材7は、略L形をした一対の板片をその下端において連繋一体化した状態として板金製のもので、その下部後端は位置決め腕部10、10とされ、また、上部先端は係合腕部11、11とされており、各係合腕部11の先端部にはその内側に外側から打ち出して形成した係合突起12が突設してあり、また、中央付近には前記したピン9を挿通させるピン孔16が設けられている。一方、前記した操作部材8は、止めねじ4を螺合させて保持する上下方向の雌ねじ部13が設けられている本体部の前面を角覆部8aにより覆うとともにその両側よりそれぞれ135度の角度で斜め後向きの翼状覆部14、14を連設したものである。そして、この操作部材8の本体部の両側面に前記した支承部材7の略L形をした一対の板片を沿わせて、操作部材8の本体部に設けたピン孔17に支承部材7の前記したピン孔16を合致させ、この状態でピン孔16、17に挿通されたピン9により支承部材7に操作部材8を枢着させて操作部材8を起立させたときに略垂直に保持されるものとしてある。
【0008】
また、操作部材8にはこの操作部材8を起立させた時と伏倒させたときにそれぞれ前記した支承部材7の係合腕部11、11に設けた係合突起12、12に係合する係合部15a、15bが設けてある。さらに、操作部材8の翼状覆部14、14の内側部には止めねじ4を締付けたときに、蓋2の縁辺部2aに設けた切欠5の階段状の側縁の水平段部2b、2bに当接する内側上向きの傾斜面16a、16aを有する係合突起16、16が設けられている。また、雌ねじ部13に止めねじ4を螺合させてある操作部材8を支承部材7に枢着してある締付金具3は、図11及び図12に示すように、前記した支承部材7を介して箱本体1の額縁部1aの各角部に起伏自在に取付けられるものであるが、この取付時には位置決め腕部10、10を水切り部1bに当接させて締付金具3の位置決めを行い、締付金具3の起伏方向が45度の方向になるようにして支承部材7の底面が額縁部1aに固定されるものとしてある。
【0009】
このように止めねじ4が組み込まれている起伏自在な締付金具3を箱本体1の額縁部1a同士が直交する箱本体の角部に起伏方向が45度となるように設けることにより、箱本体1の額縁部1aに締付金具3の設置面積を広く取ることができ、箱本体側面からの突出をなくすことができて電気機器収納箱を設置するスペースを小さくすることができ、さらに、止めねじ4の脱落、紛失の虞がなく、また、箱本体1に止めねじ用の貫通孔を設けなくて済み、防水性を確保することも可能となる。
【0010】
次に、蓋2を箱本体1の開口部に施蓋してこの蓋2を締付金具3により締め付ける状態を図13乃至図16により説明する。
図13は平面図、図14は側面図、図15及び図16はそれぞれ図13の矢印Aの方向及び矢印Bの方向から見た図であって、開蓋された箱本体1の開口部に蓋2を装着する時には、箱本体1の各角部に起伏自在に設けられている各締付金具3は箱本体1の角部において斜めに伏倒保持された状態にあるうえに、蓋2の角部に切欠5を設けてあるので、蓋2を装着するうえで締付金具3が邪魔になることがなく、また、図示例では係合突起12に係合部15bが係合してこれにより締付金具3の伏倒状態が保持されているので、箱本体1を垂直位置に設置する場合でも締付金具3が蓋2を装着するうえで邪魔になることがない。
【0011】
しかして、箱本体1の開口部に蓋2を施蓋したならば、次に、箱本体1の角部に設けた起伏自在な締付金具3を起立させる。このとき、蓋2の角部には奥部を止めねじ4の係合部とする切欠5が設けられているので、各締付金具3の止めねじ4は切欠5の開口から奥部の係合部6に円滑に介入されて止めねじ4はこの係合部6に係合された状態で略垂直に仮保持される。このとき図示例のものでは支承部材7の係合突起12と操作部材8の係合部15aとが係合することとなるので締付金具3は的確に起立状態とされる。続いて、この仮保持状態にある締付金具3に組み込まれている止めねじ4を締めていけば、図1乃至図5に示すように、蓋2の角部が止めねじ4により箱本体1の角部に完全に締付けられて保持されるうえ、蓋2の裏面に貼着されたパッキングが水切り部1bに押し付けられ、蓋2は箱本体1の開口部を密封する良好な気密状態が得られる。このとき蓋2の角部にある切欠5はその側面が起立した締付金具3の角覆部8aと翼状覆部14、14とにより覆われるとともに、上面が止めねじ4の頭部により覆われるので、切欠5から異物が浸入することが抑止され、これと同時に外観が向上して体裁のよいものとなる。
【0012】
また、止めねじ4を締付けたときに、操作部材8の翼状覆部14、14の内側部に設けた係合突起16、16と、蓋2の縁辺部2aに設けた切欠5の階段状の側縁の水平段部2b、2bに当接していることにより、不慮の外力等により操作部材8が伏倒するような方向に力が加えられたときにも、止めねじ4が切欠5より外れることはない。なお、電気機器収納用箱を壁に近接して設置する場合のように、締付金具3を伏倒できない場合には、壁に接した側の締付金具3を伏倒させるのではなく止めねじ4を完全に取り外すことができるようにしておくことが好ましく、このためには止めねじ4を雌ねじ部13に対して離脱できるように螺合させておくものとする。
なお、本発明の電気機器収納用箱は金属製であるか合成樹脂製であるかを限定しないことは勿論である。
【0013】
【発明の効果】
本発明は以上の説明から明らかなように、箱本体の開口部に施蓋される蓋を締付金具により箱本体に締付けるようにした電気機器収納用箱において、止めねじが組み込まれている締付金具を箱本体の角部に起伏自在に設けるとともに、蓋の角部に止めねじの係合部を有する切欠を設けてあり、締付金具を起立させたときに前記した止めねじの係合部に止めねじを介入させた状態で締付けるようにしたので、箱本体の額縁部に締付金具の設置面積を広く取ることができ、箱本体側面から突出しないようにしたものであるから、電気機器収納用箱の設置スペースを小さくすることができるものとなる。さらに、止めねじは開蓋時でも僅かに緩めるだけで箱本体の角部に起伏自在に設けられている締付金具に組み込まれたまま取り外されることがないので、蓋の開閉や締付作業が容易なうえに止めねじが脱落したり、紛失する虞もなく、さらにまた、箱本体に止めねじ用の貫通孔を設ける必要がないために防水性を確保することが可能となるなど多くの利点がある。従って、本発明は従来の電気機器収納用箱における蓋のねじ止め上の問題点を解決した電気機器収納用箱として業界に寄与するところ極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す角部の平面図である。
【図3】本発明の実施の形態を示す角部の側面図である。
【図4】図2における矢印Aの方向から見た側面図である。
【図5】図2における矢印Bの方向から見た側面図である。
【図6】箱本体の要部の断面図である。
【図7】蓋の角部の平面図である。
【図8】締付金具の斜視図である。
【図9】支承部材の斜視図である。
【図10】操作部材の斜視図である。
【図11】蓋を取り除いた状態を示す平面図である。
【図12】蓋を取り除いた状態を示す側面図である。
【図13】蓋を装着した状態を示す角部の平面図である。
【図14】蓋を装着した状態を示す角部の側面図である。
【図15】図13における矢印Aの方向から見た側面図である。
【図16】図13における矢印Bの方向から見た側面図である。
【図17】従来の電気機器収納用箱の例を蓋を外した状態で示す斜視図である。
【符号の説明】
1 箱本体
2 蓋
3 締付金具
4 止めねじ
5 切欠
6 係合部
7 支承部材
8 操作部材
8a 角覆部
13 雌ねじ部
14 翼状覆部

Claims (1)

  1. 箱本体の開口部に蓋を施蓋してこの蓋を締付金具により箱本体に締付保持させた電気機器収納用箱において、止めねじが組み込まれている締付金具を箱本体の額縁部同士が直交する箱本体の角部に起伏方向が45度となるように起伏自在に設けるとともに、蓋の角部に止めねじの係合部を有する切欠を設けてあり、締付金具を起立させたときに前記した止めねじの係合部に止めねじを介入させた状態で締付けるようにして、さらに、前記締付金具が、止めねじを雌ねじ部に螺合させた操作部材と、箱本体側に設けられて前記操作部材を起伏自在に枢着させている支承部材とよりなり、操作部材には角覆部と両側の翼状覆部が形成されていてこの角覆部と翼状覆部と前記した止めねじの頭部により蓋の角部に設けられている切欠を覆うようにしたことを特徴とする電気機器収納用箱。
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