JP4030096B2 - バース付きエレベータ式駐車装置とその入出庫方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗込み口となるバースにおいて車に運転者と同乗者が共に迅速かつ気軽に乗降車することができるバース付きエレベータ式駐車装置とその入出庫方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来の下部乗り込み式エレベータ式駐車装置の構成図である。このエレベータ式駐車装置1は、建屋2内に形成した上下方向の昇降路3内を昇降するケージ4と、この昇降路3に沿って前後又は左右で挟むようにその両側に多段に設けられた駐車棚5とを備えたものである。このケージ4によりパレット6上の車7を搬送し、各駐車棚5に格納するようになっている。このエレベータ式駐車装置1には、車7を入庫又は出庫させる際、昇降路3の最下部位置に、乗込み口9から入庫した車7を旋回させる旋回装置8が設けられている。
【0003】
この下部乗り込み式エレベータ式駐車装置1に車7を入出庫するときは、予め旋回装置8の上面レベルより下方位置までケージ4を吊り降ろしておき、旋回装置8上にセットしておいたパレット6に車7が入庫した後、旋回装置8により車7を載せたパレット6を水平に旋回させる。次に、ケージ4を吊り上げ、パレット6を所要段の駐車棚5の位置まで上昇させる。その後、ケージ4に装備されている横送り装置の操作で車7をパレット6ごと横行させて駐車棚5に格納する。このように、昇降、横行のステップのみで、車7の入庫及び出庫を連続して円滑に行うようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような構成のエレベータ式駐車装置1では、車7は入出庫口扉10から入出庫スペース11に位置するパレット6上に乗り入れないと車7を入庫させることができなかった。そこで、車7を入庫させるときには、先ず、入出庫口扉10の前において運転者以外の同乗者が降車し、運転者のみが入出庫口扉10から奥に位置するパレット6上に車7を乗り入れ、次に降車してから徒歩で駐車装置1の乗込み口9まで戻らなければならない。そのため、閉鎖された機械装置内に入庫するため、パレット6上に気軽に乗り入れできず、圧迫感があった。
【0005】
また同様に、車7を出庫させるときにも、運転者のみが入出庫スペース11まで行き、入出庫口扉10の外まで車7を移動させ、そこで停車した他の同乗者を乗せて車7を発車させなければならず、車の乗降車が煩雑であるばかりでなく、閉鎖された機械装置内から出庫するため、入出庫口扉10を出るまでは緊張が伴い気軽に出庫できなかった。
【0006】
また、従来のエレベータ式駐車装置1では、ケージ4に横行機構の他に、旋回機構を内蔵し、1階部分において入庫時または出庫時に車を水平旋回させて、車の向きを変え、前進で入庫と出庫ができるようにしている。しかし、このため、車7をケージ4に入出庫する時間に比較し、ケージ4上で車を旋回させ駐車棚5に車を昇降するのに時間がかかり、円滑性が制限される問題点があった。
【0007】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、車を入庫又は出庫させる際に、閉鎖された機械装置内に直接乗り入れる必要がなく、運転者と同乗者が共に圧迫感のない開放的なバースにおいて、緊張することなく気軽かつ迅速に車に乗り降りすることができ、更に、入出庫時間を短縮することができるバース付きエレベータ式駐車装置とその入出庫方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、エレベータ式駐車装置と該エレベータ式駐車装置の1階部分に隣接して設けられた入出庫用のバースとを備えたバース付きエレベータ式駐車装置であって、前記エレベータ式駐車装置は、建屋内に形成した上下方向の昇降路内を昇降するケージと、該昇降路に沿ってその両側に多段に設けられた駐車棚とを備え、更に、バースとエレベータ式駐車装置のケージの下降位置との間を往復移動し、かつパレット横送り機構とパレット旋回機構を内蔵する走行台車と、前記下降位置に走行台車の反対側で隣接して設けられた待機棚と、前記ケージ及び前記走行台車を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、入出庫動作において、第1のパレットを載せた前記走行台車を前記下降位置まで移動させ、この移動の間に前記第1のパレットを走行台車上で水平旋回させておき、前記第1のパレットを前記走行台車から前記待機棚に横行させ、次いで、前記走行台車を前記下降位置に隣接する位置まで後退させてから、第2のパレットを載せた前記ケージを下降位置まで下降させ、次いで、前記第2のパレットを前記ケージから前記走行台車に横行させるのと並行して、前記第1のパレットを前記待機棚から前記ケージに横行させ、次いで、前記第1のパレットを載せた前記ケージを上昇させるとともに前記第2のパレットを載せた前記走行台車を前記バースへ後退させる、制御を行うことを特徴とするバース付きエレベータ式駐車装置が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、エレベータ式駐車装置に格納した車を、該エレベータ式駐車装置の1階部分に隣接して設けられたバースから入出庫させるバース付きエレベータ式駐車装置の入出庫方法であって、前記エレベータ式駐車装置に、バースとエレベータ式駐車装置のケージの下降位置との間を往復移動しかつパレット横送り機構とパレット旋回機構を内蔵する走行台車を設けるとともに、前記下降位置に隣接する位置で且つ走行台車の反対側の位置に待機棚を設けておき、第1のパレットを載せた前記走行台車を前記下降位置まで移動させ、この移動の間に前記第1のパレットを走行台車上で水平旋回させておき、前記第1のパレットを前記走行台車から前記待機棚に横行させ、次いで、前記走行台車を前記下降位置に隣接する位置まで後退させてから、第2のパレットを載せた前記ケージを下降位置まで下降させ、次いで、前記第2のパレットを前記ケージから前記走行台車に横行させるのと並行して、前記第1のパレットを前記待機棚から前記ケージに横行させ、次いで、前記第1のパレットを載せた前記ケージを上昇させるとともに前記第2のパレットを載せた前記走行台車を前記バースへ後退させる、ことを特徴とするバース付きエレベータ式駐車装置の入出庫方法が提供される。
【0011】
また、前記走行台車と待機棚との間で第1のパレットを横行させている間に、ケージの昇降動作を行なう。
【0012】
上記本発明の構成及び方法によれば、走行台車が、バースとケージの下降位置との間を往復移動しかつパレット横送り機構を有するので、入庫時にバース内に入庫した車を走行してケージ又はパレット縦送り機構の上に横送りし、出庫時にケージ又はパレット縦送り機構の上の車をバース内に移動してバースから出庫させることができる。従って、車を入庫又は出庫させる際に、閉鎖された機械装置内に直接乗り入れる必要がなく、運転者と同乗者が共に圧迫感のない開放的なバースにおいて、緊張することなく気軽かつ迅速に車に乗り降りすることができる。
【0013】
また、車を載せたパレットを、バースとケージとの中間位置で走行台車上で水平旋回させるので、従来ネックになっていたケージの作動時間を短縮でき、全体としての入出庫時間を短縮し、円滑性を高めることができる。
【0014】
さらに、前記走行台車と待機棚との間でパレットを横行させている間に、ケージの昇降動作を行なうので、全体としての入出庫時間を更に短縮し、円滑性を更に高めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
【0016】
図1は本発明のバース付きエレベータ式駐車装置を示す正面図であり、図2は本発明の駐車装置の1階部分を示す平面図であり、図3は駐車装置の1階部分を示す斜視図である。
【0017】
図1及び図2に示すように、本発明のバース付きエレベータ式駐車装置は、車7の入出庫方向に配置されたエレベータ式駐車装置1と、このエレベータ式駐車装置1の1階部分に隣接して設けられた入出庫用のバース12とを備える。
【0018】
エレベータ式駐車装置1は、図5と同様に、建屋2内に形成した上下方向の昇降路3内を昇降するケージ4と、この昇降路3に沿って前後又は左右で挟むようにその両側に多段に設けられた駐車棚5とを備えたものである。ケージ4は図示しない横行装置を内蔵し、このケージ4によりパレット6を介して車7を搬送し、各駐車棚5に格納するようになっている。
【0019】
本発明のエレベータ式駐車装置1の1階部分には、車7に運転者等が乗降する床面となるバース12を設けてある。このバース12は、その中央部にパレット6が収まるように凹部13を形成してある(図3参照)。
【0020】
本発明のエレベータ式駐車装置1には、図1に示すように、バース12とケージ4の下降位置Lとの間に長手方向に延びる移動用レール15が敷かれており、このレール15上を、走行台車17がバース12とケージ4の下降位置Lとの間を往復移動するようになっている。走行台車17は、パレット6を横送りするパレット横送り機構16とパレット旋回機構21を内蔵している。パレット横送り機構16とパレット旋回機構21は、従来周知の機構、例えばいわゆるトンボ機構と、歯車による旋回機構を用いることができる。
また、本発明のエレベータ式駐車装置1は、ケージ4及び走行台車17を制御する制御装置(図示せず)を備えている。
【0021】
ケージ4の下降位置Lの隣に、走行台車17の反対側に隣接して、待機棚19が設けられている。この待機棚19は、駐車棚5と同様に、ケージ4及び走行台車17からパレット6をパレット横送り機構16で載せ、或いはケージ4及び走行台車17に横移動できるようになっている。
【0022】
また、バース12に隣接するように扉一体型床板20を上下方向に進退自在に構成してある(図1参照)。この扉一体型床板20は、パレット6の端縁とバース12の床面の端縁とに連接するように、床板20aと扉20bとから成るものである。この扉一体型床板20は、バース12に運転者と同乗者がいるときにバース12と左右のエレベータ式駐車装置との間に扉を形成し、運転者と同乗者が共にバース12において車7に気軽に乗降車できるようになっている。
【0023】
なおこの例では扉一体型床板20は上下方向に進退自在に構成したものを説明しているが、水平方向に移動するように構成したものを用いることも勿論可能である。
【0024】
図4は本発明の駐車装置の入出庫方法の説明図であり、(1)〜(5)の順で入出庫動作を示している。なお、以下に説明するケージ4及び走行台車17の動作は、上記の制御装置によって制御される。
【0025】
(1)は、初期状態であり、入出庫用バース12内には空パレット6が配置されている。また、待機棚19には何も載っていない。
この初期状態においてバース12内の空パレット6の上に運転者が車7を乗り入れ、バースから退出すると、入庫動作が開始され、扉一体型床板20を開き、走行台車17が前進を開始する。
【0026】
(2)次に、バース(12)とケージ(4)との中間位置でパレット旋回機構(21)によりパレット(6)を走行台車(17)上で水平旋回させ、前進で出庫できるように車の向きを変える。
また、これと並行して、ケージ4が昇降し、次ぎに出庫する車7を載せて下降位置(L)の上部で待機する。
【0027】
(3)次に、走行台車17が下降位置(L)まで前進し、入庫中の車を待機棚19に移載(仮置き)し、下降位置(L)に隣接する位置まで後退する。同時にケージ4が下降位置(L)まで下降する。
【0028】
(4)次に、出庫する車7を走行台車17に移載すると同時に、待機棚19上の入庫車をケージ4上に移載し、ケージ4は上昇し、走行台車17は後退する。
【0029】
(5)走行台車17が入出庫用バース12内に後退して、バース12内から車を出庫させ、次ぎの入庫動作に移る。またこれと並行してケージ4が昇降し、次ぎに出庫する車7を載せて下降位置(L)の上部で待機する。
【0030】
上述した(1)〜(5)を繰り返すことにより、バース12内での入出庫とケージ4の昇降をほとんど独立に並列運転でき、全体としての入出庫時間を短縮し、円滑性を高めることができる。
また、車(7)を載せたパレット(6)を、バース(12)とケージ(4)との中間位置で走行台車(17)上で水平旋回させるので、従来ネックになっていたケージ(4)の作動時間を短縮でき、全体としての入出庫時間を短縮し、円滑性を高めることができる。
【0031】
また、連続して入庫を行う場合には、待機するパレットを常に空パレットとすることにより、台車の往復動だけでほとんど連続的にできる。
【0032】
更に連続して出庫を行う場合にも、ケージ4と待機棚19から交互に出庫することにより、同様に、それぞれ独立して並列運転しながら台車の往復動だけでほとんど連続的にできる。
【0033】
なお、本発明は上記の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0034】
【発明の効果】
上述したように、本発明の構成及び方法によれば、走行台車17が、バース12とケージ4の下降位置(L)との間を往復移動しかつパレット横送り機構16を有するので、入庫時にバース12内に入庫した車を走行してケージ4又はパレット縦送り機構19の上に横送りし、出庫時にケージ4又はパレット縦送り機構19の上の車をバース12内に移動してバースから出庫させることができる。従って、車を入庫又は出庫させる際に、閉鎖された機械装置内に直接乗り入れる必要がなく、運転者と同乗者が共に圧迫感のない開放的なバースにおいて、緊張することなく気軽かつ迅速に車に乗り降りすることができる。
【0035】
また、車7を載せたパレット6を、バース12とケージ4との中間位置で走行台車17上で水平旋回させるので、従来ネックになっていたケージ4の作動時間を短縮でき、全体としての入出庫時間を短縮し、円滑性を高めることができる。
【0036】
さらに、走行台車17と待機棚19との間でパレットを横行させている間に、ケージ4の昇降動作を行なうので、全体としての入出庫時間を更に短縮し、円滑性を更に高めることができる。
【0037】
従って、本発明のバース付きエレベータ式駐車装置とその入出庫方法は、車を入庫又は出庫させる際に、閉鎖された機械装置内に直接乗り入れる必要がなく、運転者と同乗者が共に圧迫感のない開放的なバースにおいて、緊張することなく気軽かつ迅速に車に乗り降りすることができ、更に、入出庫時間を短縮することができる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバース付きエレベータ式駐車装置を示す正面図である。
【図2】本発明の駐車装置の1階部分を示す平面図である。
【図3】駐車装置の1階部分を示す斜視図である。
【図4】本発明の駐車装置の入出庫方法の説明図である。
【図5】従来のエレベータ式駐車装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1A、1B エレベータ式駐車装置、2 建屋、3 昇降路、4 ケージ、5 駐車棚、6 パレット、7 車、12 バース、15 移動用レール、16 横送り機構、17 走行台車、19 パレット縦送り機構、20 扉一体型床板、20a 床板、20b 扉、21 パレット旋回機構、L ケージの下降位置
Claims (3)
- エレベータ式駐車装置と該エレベータ式駐車装置の1階部分に隣接して設けられた入出庫用のバースとを備えたバース付きエレベータ式駐車装置であって、
前記エレベータ式駐車装置は、建屋内に形成した上下方向の昇降路内を昇降するケージと、該昇降路に沿ってその両側に多段に設けられた駐車棚とを備え、更に、バースとエレベータ式駐車装置のケージの下降位置との間を往復移動し、かつパレット横送り機構とパレット旋回機構を内蔵する走行台車と、前記下降位置に走行台車の反対側で隣接して設けられた待機棚と、前記ケージ及び前記走行台車を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、入出庫動作において、
第1のパレットを載せた前記走行台車を前記下降位置まで移動させ、この移動の間に前記第1のパレットを走行台車上で水平旋回させておき、前記第1のパレットを前記走行台車から前記待機棚に横行させ、
次いで、前記走行台車を前記下降位置に隣接する位置まで後退させてから、第2のパレットを載せた前記ケージを下降位置まで下降させ、
次いで、前記第2のパレットを前記ケージから前記走行台車に横行させるのと並行して、前記第1のパレットを前記待機棚から前記ケージに横行させ、
次いで、前記第1のパレットを載せた前記ケージを上昇させるとともに前記第2のパレットを載せた前記走行台車を前記バースへ後退させる、制御を行うことを特徴とするバース付きエレベータ式駐車装置。 - エレベータ式駐車装置に格納した車を、該エレベータ式駐車装置の1階部分に隣接して設けられたバースから入出庫させるバース付きエレベータ式駐車装置の入出庫方法であって、
前記エレベータ式駐車装置に、バースとエレベータ式駐車装置のケージの下降位置との間を往復移動しかつパレット横送り機構とパレット旋回機構を内蔵する走行台車を設けるとともに、前記下降位置に隣接する位置で且つ走行台車の反対側の位置に待機棚を設けておき、
第1のパレットを載せた前記走行台車を前記下降位置まで移動させ、この移動の間に前記第1のパレットを走行台車上で水平旋回させておき、前記第1のパレットを前記走行台車から前記待機棚に横行させ、
次いで、前記走行台車を前記下降位置に隣接する位置まで後退させてから、第2のパレットを載せた前記ケージを下降位置まで下降させ、
次いで、前記第2のパレットを前記ケージから前記走行台車に横行させるのと並行して、前記第1のパレットを前記待機棚から前記ケージに横行させ、
次いで、前記第1のパレットを載せた前記ケージを上昇させるとともに前記第2のパレットを載せた前記走行台車を前記バースへ後退させる、ことを特徴とするバース付きエレベータ式駐車装置の入出庫方法。 - 前記走行台車と待機棚との間で第1のパレットを横行させている間に、ケージの昇降動作を行なうことを特徴とする請求項2に記載のバース付きエレベータ式駐車装置の入出庫方法。
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