JP4025082B2 - 乗用田植機のサスペンション機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用田植機のサスペンション機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、乗用田植機の一形態として、走行部の後方に植付部を連結し、同走行部のフロントアクスルケース内に左右方向に軸線を向けた前車輪駆動軸を配置すると共に、同フロントアクスルケース内に上下方向に軸線を向けたキングピン兼伝動軸の上部を軸線方向に摺動自在に配置して、同キングピン兼伝動軸を上記前車輪駆動軸に連動連結し、同キングピン兼伝動軸の下部にはギヤケースを介して前車軸を連動連結して、同前車軸に前車輪を取り付けたものがある。
【0003】
そして、フロントアクスルケース内にキングピン兼伝動軸の上部を下方へ押圧付勢する圧縮コイルスプリング形のサスペンションバネを配設してサスペンション機構を構成しており、同サスペンション機構は、通常時には、本機に対して最上昇位置(サスペンションバネが最収縮した状態)にて前車輪を支持して、大きく設定したサスペンションバネの弾性付勢力により、同前車輪が地面の凹凸に追従するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、乗用田植機では、機体の発進時に、前車輪が地面から受ける回転抵抗により上方へ浮き上がり、走行部の前部が上昇する、いわゆるヘッドアップ状態となることがあり、さらに、サスペンション機構を設けていると、同サスペンション機構が前車輪を下方へ押圧して下降させる方向に弾性付勢しているために、同前車輪が地面を押圧することになり、その分、地面から反作用を受けて走行部の前部が上昇するヘッドアップ状態がさらに増長される。
【0005】
その結果、走行部の後方に連結した植付部が、走行部の後車輪を中心に下方へ押し下げられて、同植付部を支持しているフロートの跡が圃場面に強く残るという不具合がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、走行部の後部に植付部を昇降自在に連結し、植付部の下方にフロートを配置する一方、前記走行部に配設したフロントアクスルケース内に左右方向に軸線を向けた前車輪駆動軸を配置すると共に、同フロントアクスルケース内に上下方向に軸線を向けたキングピン兼伝動軸の上部を軸線方向に摺動自在に配置して、同キングピン兼伝動軸を上記前車輪駆動軸に連動連結し、同キングピン兼伝動軸の下部にはギヤケースを介して前車軸を連動連結した乗用田植機において、キングピン兼伝動軸を回動自在に挿通する上下方向伸延体の上部に、天井壁を有するシリンダ状のサスペンションケース体を取り付け、同サスペンションケース体内にキングピン兼伝動軸の上部を下方へ押圧付勢する複数のサスペンションバネを内外側に重合状態にて配設すると共に、いずれか一方のサスペンションバネの自由長を他方のサスペンションバネの自由長よりも短く設定し、通常の状態では、自由長の短いサスペンションバネの上端と天井壁との間に間隔が保持されて、自由長の短いサスペンションバネがサスペンション機能を果たさないように構成する一方、地面の凹凸に対しては、内外側の複数のサスペンションバネが協働してサスペンション機能を果たすように構成したことを特徴とする乗用田植機のサスペンション機構を提供するものである。
【0007】
また、本発明は、キングピン兼伝動軸の上端部に弾性素材のストッパー体を設けて、同ストッパー体によりキングピン兼伝動軸の上昇動作を規制すると共に、同ストッパー体の外周に自由長の短いサスペンションバネを配設し、同サスペンションバネの外周に自由長の長いサスペンションバネを内外側に重合状態に配設したことにも特徴を有する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0009】
すなわち、本発明に係る乗用田植機は、基本的構造として、フロントアクスルケース内に左右方向に軸線を向けた前車輪駆動軸を配置すると共に、同フロントアクスルケース内に上下方向に軸線を向けたキングピン兼伝動軸の上部を軸線方向に摺動自在に配置して、同キングピン兼伝動軸を上記前車輪駆動軸に連動連結し、同キングピン兼伝動軸の下部にはギヤケースを介して前車軸を連動連結している。
【0010】
そして、特徴的構造として、フロントアクスルケース内にキングピン兼伝動軸の上部を下方へ押圧付勢する複数のサスペンションバネを内外側に重合状態にて配設すると共に、いずれか一方のサスペンションバネの自由長を他方のサスペンションバネの自由長よりも短く設定している。
【0011】
しかも、キングピン兼伝動軸の上端部に弾性素材のストッパー体を設けて、同ストッパー体によりキングピン兼伝動軸の上昇動作を規制すると共に、同ストッパー体の外周に自由長の短いサスペンションバネを配設し、同サスペンションバネの外周に自由長の長いサスペンションバネを内外側に重合状態に配設している。
【0012】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1及び図2に示すAは、本発明に係る乗用田植機であり、同乗用田植機Aは、走行部1の後方に昇降リンク機構2を介して植付部3を昇降自在に連結すると共に、走行部1の後部に施肥部4を載設している。131は予備苗載台である。
【0014】
このようにして、本実施例では、植付部3により圃場に六条の苗を植え付けると共に、施肥部4により植え付けた各苗の側方に施肥を行うことができるようにしている。
【0015】
そして、走行部1は、図1〜図7に示すように、機体フレーム5上において、前部にエンジンEを設け、同エンジンEの後方位置に運転部6を設け、また、機体フレーム5の下方において、中途部にミッションケース7を設け、同ミッションケース7の左右側部に左右一対のフロントアクスルケース8,8を連動連設し、各フロントアクスルケース8,8の下端部に前車軸9a,9aを介して前車輪9,9を連動連結する一方、上記ミッションケース7の後部に前後伸延支持ケース10の前端部を連結し、同前後伸延支持ケース10の後端部にリヤアクスルケース12を連動連設し、同リヤアクスルケース12の左右側下端部に後車軸13a ,13aを介して後車輪13,13を連動連結している。
【0016】
また、ミッションケース7の右側前部には、油圧式無段変速装置からなる変速ケース14を連動連設し、同変速ケース14より前方へ突設した入力軸15と、エンジンEより前方へ突設した出力軸16との間に伝動機構17を介設し、ミッションケース7とリヤアクスルケース12との間に前後方向に伸延する伝動シャフト44を介設している。45は植付部3に動力を伝達するPTO軸、46は昇降リンク機構2の一部を形成する昇降用油圧シリンダである。
【0017】
機体フレーム5は、図3、図4及び図8〜図10に示すように、平面視四角形枠状のメインフレーム18と、同メインフレーム18の左右側方にそれぞれ張り出し状に形成したサイドフレーム19,19とから形成している。
【0018】
そして、メインフレーム18は、前後方向に伸延する左右一対の前後伸延フレーム形成体20,20の前端部間に左右方向に伸延する前部フレーム形成体21を横架する一方、両前後伸延フレーム形成体20,20の後端部間に背面視門型に形成した後部フレーム形成体22を架設して、同後部フレーム形成体22の下端部を前記したリヤアクスルケース12に固設している。
【0019】
前後伸延フレーム形成体20は、主としてエンジンEを支持する前部フレーム形成片23と、主として左右一対のフロントアクスルケース8,8を支持する中途部フレーム形成片24と、主として後述する座席を支持する後部フレーム形成片25とをボルト39により着脱自在に連結して形成しており、前部フレーム形成片23にエンジン受け部材26,26,27を設け、また、後部フレーム形成片23の中途部間に左右方向に伸延するタンク等支持フレーム28と正面視門型の座席等支持フレーム29を横架している。30はセンターマーカ、31は牽引用フック、1 20はロープ掛止用フックである。
【0020】
このようにして、フロントアクスルケース8を支持する中途部フレーム形成片24を、ボルト39を介して前・後部フレーム形成片23,25から着脱することができるようにしているため、フロントアクスルケース8の組み付けや、同フロントアクスルケース8のメンテナンス等を楽に行うことができる。
【0021】
サイドフレーム19は、前部フレーム形成片23の前部と後部、及び、後部フレーム形成片25の前部にそれぞれ外側方へ向けて伸延する第1・第2・第3ステー32,33,34を片持ち支持状態に突設し、左右一対の後部フレーム形成片25,25の中途部間に左右方向に伸延する第1・第2支持体35,36を横架し、第1・第2・第3ステー32,33,34の中途部間に前後方向に伸延する前サイドフレーム形成体37を架設し、第3ステー34と第1・第2支持体35,36の外側端間に前後方向に伸延する後サイドフレーム形成体38を架設して形成している。40は座席支持フレーム、41は乗降用ステップ、42はバッテリー支持台、43は燃料タンクである。
【0022】
上記のように形成した機体フレーム5の直上方位置にはケーシング体50を張設しており、同ケーシング体50は、図1、図2及び図11に示すように、エンジンEを被覆するボンネット51の下端部周辺と運転部6の下面を形成するステップ体52と、同ステップ体52の後上方位置に配置した補助ステップ体53と、同補助ステップ体53とステップ体52とを連結する連結体54とを具備している。
【0023】
そして、ステップ体52は、図11に示すように、ボンネット51の周囲を形成する前半部ステップ形成片52aと、運転部6の下面を形成する後半部ステップ形成片52bとに二分割して形成しており、同後半部ステップ形成片52bと連結体54と補助ステップ体53は一体成形している。
【0024】
また、上記連結体54は、図12にも示すように、略垂直に立ち上げて形成した立ち上がり壁形成片55と、同立ち上がり壁形成片55の上端縁部より後上方へ向けて傾斜状に伸延さえて形成した傾斜壁形成片56とを具備している。
【0025】
運転部6は、図1〜図3及び図6に示すように、ミッションケース7の前部にステアリングケース57を連設すると共に、同ステアリングケース57よりステアリングポスト58をエンジンEの後方位置にて上方へ立ち上げて形成し、同ステアリングポスト58中に配設したハンドル軸59の上端部にハンドル60を取り付け、同ハンドル60の後方位置に座席61を前記した座席支持フレーム40を介して取り付けている。62はステアリング連動機構、63は操作パネル部である。
【0026】
そして、図12に示すように、座席61の左側下方位置に感度調節レバー64と油圧ストップレバー65を配設する一方、同座席61の右側下方位置に操作レバーとしての三本の第1・第2・第3ユニットクラッチレバー66,67,68を配設しており、これらのレバー64,65,66,67,68は、前記した連結体54の傾斜壁形成片56に前後方向に伸延する長孔状に形成したレバーガイド孔69,70,71,72,73を通して後下方より前上方へ向けて突出させて、前後方向に回動操作自在としている。138は蓋体、144はビスである。
【0027】
また、図7〜図10に示すように、ステアリングケース57の下部には、ハンドル60の回転操作によりトルクジェネレータ等を介して左右に揺動するステアリングアーム80を設け、同ステアリングアーム80と、後述する左右一対のフロントアクスルケース8,8のギヤケース86,86に設けたナックルアーム87,87とを、タイロッド81,81を介して連動連結してステアリング連動機構62を形成しており、同ステアリング連動機構62によりハンドル60の操舵角に比例させて前車輪9,9を方向転換させることができるようにしている。
【0028】
ここで、フロントアクスルケース8,8について、図13〜図15を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
左右一対のフロントアクスルケース8,8は、図13に示すように、ミッションケース7のケース本体82の左右側下部より外側方へ向けて延出する筒状の外側方延出体83,83と、各外側方延出体83,83の先端部より上下方向に伸延する筒状の上下方向伸延体84,84と、各上下方向伸延体84,84の上端部に連結したシリンダ状のサスペンションケース体85,85と、各上下方向伸延体84,84の筒状下部84a,84aの外周面に、筒状に形成した筒状上部86a,86aの内周面を上下摺動自在かつ回動自在に嵌合させたギヤケース86,86と、各ギヤケース86,86の筒状上部86a,86aの外周面にその下部を固設すると共に、各サスペンションケース体85,85の外周面に、リング状に形成したリング状上部87a,87aの内周面を上下摺動自在かつ回動自在に嵌合させたナックルアーム87,87とを具備している。105は固定ボルトである。
【0030】
そして、ミッションケース7のケース本体82内には、デファレンシャル機構88を設けており、同デファレンシャル機構88にそれぞれ外側方延出体83,83中に回動自在に挿通した前車輪駆動軸89,89の内側端部を連動連結し、各前車輪駆動軸89,89の外側端部にそれぞれ上下方向伸延体84,84中に回動自在に挿通したキングピン兼伝動軸90,90の中途部を連動連結し、各キングピン兼伝動軸90,90の下端部にそれぞれギヤケース86,86より外側方へ突設した前車軸9a,9aの内側端部を連動連結している。91は第1駆動側ベベルギヤ、92は第1従動側ベベルギヤ、93は第2駆動側ベベルギヤ、94は第2従動側ベベルギヤである。
【0031】
また、左側の前車輪駆動軸89の内側部にはデフロック部95を設けており、同デフロック部95には、運転部6に配設したデフロックペダル96をデフロック連動機構97を介して連動連結して、同デフロックペダル96を適宜踏み込み操作することにより、デファレンシャル機構88の差動機能をロックさせることができるようにしている。
【0032】
ここで、デフロック部95は、図13に示すように、デファレンシャル機構88の差動機能をロックさせるデフロッククラッチ95aと、同デフロッククラッチ95aを接続・切断作動させるクラッチ作動片95bと、同クラッチ作動片95bに後端部を連動連結しかつ前端部を左側のフロントアクスルケース8より前方へ突出させたクラッチ作動軸95cと、同クラッチ作動軸95cの前端部に取り付けたデフロック作動アーム95dとを具備しており、デフロッククラッチ95aは、クラッチ切断用スプリング95eによりクラッチ切断方向に押圧付勢されている。
【0033】
また、左右一対のシリンダ状のサスペンションケース体85,85は、図14及び図15に示すように、上下方向伸延体84,84の上部に取付ボルト99,99により着脱自在に取り付けており、各サスペンションケース体85,85内にはそれぞれサスペンション機構100,100を設けている。
【0034】
上記のような構成において、本発明の要旨は、かかるサスペンション機構100の構造にあり、同サスペンション機構100は、天井壁85aを有するシリンダ状に形成したサスペンションケース体85内に、キングピン兼伝動軸90の上部を下方へ押圧付勢する複数(本実施例では二本)のサスペンションバネ101,102を内外側に重合状態にて配設すると共に、内側のサスペンションバネ101の自由長L1を外側のサスペンションバネ102の自由長L2よりも短く設定している。
【0035】
すなわち、内側のサスペンションバネ101の自由長L1の長さは、通常の状態においては、走行部1の重量を受けて外側のサスペンションバネ102は収縮されるが、同状態においても、内側のサスペンションバネ101の上端とサスペンションケース体85の天井壁85aの間には、一定の間隔が保持されて、この内側のサスペンションバネ101はサスペンション機能を果たさない状態を保つ一方、地面の凹凸に対しては、二本の内外側のサスペンションバネ101,102が協働してサスペンション機能を果たして、前車輪9,9を地面の凹凸に追従させることができるように設定している。
【0036】
しかも、キングピン兼伝動軸90の上端部にバネ受体103を介してストッパー体104を設け、同ストッパー体104をサスペンションケース体85の天井壁85aに当接させることにより、キングピン兼伝動軸90の上昇動作を規制するようにしている。
【0037】
ここで、ストッパー体104は、ウレタンゴム等の弾性素材により上下方向に伸延する棒状に成形して、クッション機能を持たせている。
【0038】
このようにして、前車輪9を支持するための弾性付勢力を、自由長に差を持たせた二本のサスペンションバネ101,102に分担させて、機体の発進時には自由長の長いサスペンションバネ102だけで前車輪9を支持させると共に、走行部1の前部を持ち上げる自由長の長いサスペンションバネ102の弾性付勢力を小さく設定することにより、機体の発進時に走行部1の前部がヘッドアップ状態となるのを減少させることができて、機体の発進時にフロート跡が強く残るのを防止することができる。
【0039】
そして、地面の凹凸に対しては、二本の内外側のサスペンションバネ101,102が協働してサスペンション機能を果たして、前車輪9,9を地面の凹凸に追従させるようにしているため、乗り心地を良好に確保することができる。
【0040】
しかも、弾性素材のストッパー体104によりキングピン兼伝動軸90の上昇動作を規制すると共に、同ストッパー体104がサスペンションケース体85の天井壁85aに衝突した際の衝撃を吸収するため、乗り心地を良好に確保することができる。
【0041】
この際、ストッパー体104を弾性素材により成形しているため、同ストッパー体104を受けるサスペンションケース体85の天井壁85aの強度を低減させることができ、その結果、同天井壁85aの肉厚を小さくすることができて、製造コストの低減が図れる。
【0042】
しかも、自由長L1の短い内側のサスペンションバネ101をストッパー体104側に配設しているため、同サスペンションバネ101が傾倒するのをストッパー体104により確実に防止することができる。
【0043】
従って、内外側二本のサスペンションバネ101,102の協働によるサスペンション機能を良好に確保することができて、地面の凹凸への前車輪9,9の追従性を向上させることができる。
【0044】
植付部3は、図1及び図2に示すように、植付ミッションケース150より後方へ中央の植付ケース151を延設すると共に、植付ミッションケース150より左右外側方へ伝動ケース(図示せず)を延設して、各伝動ケースの先端部より後方へ左右側の植付ケース153,153を延設し、各植付ケース151,153,153の左右側後端部にそれぞれ植付爪154,154をロータリケース155,155,155を介して連動連結する一方、各植付ケース151,153,153の下方にそれぞれセンターフロート157とサイドフロート158,158を配置している。
【0045】
そして、これら植付ケース151,153,153上には、六条分の苗マットを載置可能とした苗載台162を苗載台支持枠163を介して前傾姿勢にて左右方向に摺動自在に載置している。
【0046】
昇降リンク機構2は、図1及び図2に示すように、走行部1の機体フレーム5の後部フレーム形成体22と、植付部3の植付ミッションケース150の前端部との間に、前後方向に伸延する昇降リンク体174を介設し、同昇降リンク体174と前後伸延支持ケース10との間に昇降用油圧シリンダ175を介設して、同昇降用油圧シリンダ175を伸縮作動させることにより、植付部3を昇降させることができるようにしている。
【0047】
施肥部4は、補助ステップ体53の上方位置にて機体フレーム5の後部に支持させて配設しており、六個の施肥部本体176を左右方向に並設し、左側端部に各施肥部本体176に空気を圧送するブロワ177を配設している。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0049】
(1)請求項1記載の本発明では、走行部の後部に植付部を昇降自在に連結し、植付部の下方にフロートを配置する一方、前記走行部に配設したフロントアクスルケース内に左右方向に軸線を向けた前車輪駆動軸を配置すると共に、同フロントアクスルケース内に上下方向に軸線を向けたキングピン兼伝動軸の上部を軸線方向に摺動自在に配置して、同キングピン兼伝動軸を上記前車輪駆動軸に連動連結し、同キングピン兼伝動軸の下部にはギヤケースを介して前車軸を連動連結した乗用田植機において、キングピン兼伝動軸を回動自在に挿通する上下方向伸延体の上部に、天井壁を有するシリンダ状のサスペンションケース体を取り付け、同サスペンションケース体内にキングピン兼伝動軸の上部を下方へ押圧付勢する複数のサスペンションバネを内外側に重合状態にて配設すると共に、いずれか一方のサスペンションバネの自由長を他方のサスペンションバネの自由長よりも短く設定し、通常の状態では、自由長の短いサスペンションバネの上端と天井壁との間に間隔が保持されて、自由長の短いサスペンションバネがサスペンション機能を果たさないように構成する一方、地面の凹凸に対しては、内外側の複数のサスペンションバネが協働してサスペンション機能を果たすように構成している。
【0050】
このようにして、前車輪を支持するための弾性付勢力を、自由長に差を持たせた複数のサスペンションバネに分担させて、機体の発進時には自由長の長いサスペンションバネだけで前車輪を支持させると共に、走行部の前部を持ち上げる自由長の長いサスペンションバネの弾性付勢力を小さく設定することにより、機体の発進時に走行部の前部がヘッドアップ状態となるのを減少させることができて、機体の発進時にフロート跡が強く残るのを防止することができる。
【0051】
しかも、地面の凹凸に対しては、複数のサスペンションバネが協働してサスペンション機能を果たして、前車輪を地面の凹凸に追従させるようにしているため、乗り心地を良好に確保することができる。
【0052】
(2)請求項2記載の本発明では、キングピン兼伝動軸の上端部に弾性素材のストッパー体を設けて、同ストッパー体によりキングピン兼伝動軸の上昇動作を規制すると共に、同ストッパー体の外周に自由長の短いサスペンションバネを配設し、同サスペンションバネの外周に自由長の長いサスペンションバネを内外側に重合状態に配設している。
【0053】
このようにして、弾性素材のストッパー体によりキングピン兼伝動軸の上昇動作を規制すると共に、同ストッパー体が衝撃を吸収するため、乗り心地を良好に確保することができる。
【0054】
この際、ストッパー体を弾性素材により成形しているため、同ストッパー体を受けるフロントアクスルケースの強度を低減させることができ、その結果、同フロントアクスルケースの肉厚を小さくすることができて、製造コストの低減が図れる。
【0055】
しかも、自由長の短いサスペンションバネをストッパー体側に配設しているため、同サスペンションバネが傾倒するのをストッパー体により確実に防止することができる。
【0056】
従って、複数のサスペンションバネの協働によるサスペンション機能を良好に確保することができて、地面の凹凸への前車輪の追従性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる乗用田植機の側面図。
【図2】同乗用田植機の平面図。
【図3】走行部の側面説明図。
【図4】機体フレームの平面図。
【図5】走行部の側面説明図。
【図6】同走行部の平面説明図。
【図7】同走行部の斜視説明図。
【図8】機体フレームを主とする走行部の斜視図。
【図9】機体フレームを主とする走行部の平面図。
【図10】機体フレームを主とする走行部の正面図。
【図11】ケーシング体の斜視図。
【図12】運転部の斜視図。
【図13】フロントアクスルケースの背面断面図。
【図14】左側フロントアクスルケースの背面断面図(車軸最下降状態)。
【図15】左側フロントアクスルケースの背面断面図(車軸最上昇状態)。
【符号の説明】
A 乗用田植機
1 走行部
2 昇降リンク機構
3 植付部
4 施肥部
5 機体フレーム
6 運転部
Claims (2)
- 走行部の後部に植付部を昇降自在に連結し、植付部の下方にフロートを配置する一方、前記走行部に配設したフロントアクスルケース内に左右方向に軸線を向けた前車輪駆動軸を配置すると共に、同フロントアクスルケース内に上下方向に軸線を向けたキングピン兼伝動軸の上部を軸線方向に摺動自在に配置して、同キングピン兼伝動軸を上記前車輪駆動軸に連動連結し、同キングピン兼伝動軸の下部にはギヤケースを介して前車軸を連動連結した乗用田植機において、
キングピン兼伝動軸を回動自在に挿通する上下方向伸延体の上部に、天井壁を有するシリンダ状のサスペンションケース体を取り付け、同サスペンションケース体内にキングピン兼伝動軸の上部を下方へ押圧付勢する複数のサスペンションバネを内外側に重合状態にて配設すると共に、いずれか一方のサスペンションバネの自由長を他方のサスペンションバネの自由長よりも短く設定し、
通常の状態では、自由長の短いサスペンションバネの上端と天井壁との間に間隔が保持されて、自由長の短いサスペンションバネがサスペンション機能を果たさないように構成する一方、
地面の凹凸に対しては、内外側の複数のサスペンションバネが協働してサスペンション機能を果たすように構成したことを特徴とする乗用田植機のサスペンション機構。 - キングピン兼伝動軸の上端部に弾性素材のストッパー体を設けて、同ストッパー体によりキングピン兼伝動軸の上昇動作を規制すると共に、同ストッパー体の外周に自由長の短いサスペンションバネを配設し、同サスペンションバネの外周に自由長の長いサスペンションバネを内外側に重合状態に配設したことを特徴とする請求項1記載の乗用田植機のサスペンション機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002023910A JP4025082B2 (ja) | 2002-01-31 | 2002-01-31 | 乗用田植機のサスペンション機構 |
Applications Claiming Priority (1)
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