JP3847110B2 - 乗用型作業車 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用型田植機や乗用型直播機、農用トラクタや乗用型芝刈機等の四輪駆動型の乗用型作業車における走行系の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
乗用型田植機等の乗用型作業車では、操向操作自在な右及び左の前輪を備えた前輪支持ケースを、昇降及びローリングしないように支持し、右及び左の後輪を備えた後輪支持ケースを、前後方向の軸芯周りにローリング自在に支持したものがある。これにより、作業地の凹凸が後輪支持ケースのローリングによって吸収されて、乗用型作業車の左右傾斜が抑えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術に記載のように、後輪支持ケースを前後方向の軸芯周りにローリング自在に支持すれば、例えば右側が上昇し左側が下降するように後輪支持ケースがローリングすると、右の後輪の接地点が右外側に移動しながら右の後輪が左内側に傾斜し、左の後輪の接地点が右内側に移動しながら左の後輪が左外側に傾斜するような状態になる。
【0004】
又、例えば右及び左の後輪の両方が作業地の凸部に乗り上げると、後輪支持ケースの全体が上昇することになり、乗用型作業車が持ち上げられることになる。これにより、右及び左の後輪を備えた後輪支持ケースを前後方向の軸芯周りにローリング自在に支持した場合、走行性能の面で改善の余地がある。
本発明は、操向操作自在な右及び左の前輪、右及び左の後輪を備えた四輪駆動型の乗用型作業車において、走行性能を向上させることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
[I]
請求項1の特徴によると、左右方向の軸芯周りに右及び左の伝動ケースを独立に上下揺動自在に支持し、右及び左の伝動ケースを後方に延出しており、右及び左の伝動ケースの後部に右及び左の後輪を備えている。
これにより、請求項1の特徴によると、右及び左の伝動ケースが左右方向の軸芯周りに独立に上下揺動することにより、右及び左の後輪が上下に移動することになるのであり、例えば右の伝動ケース(右の後輪)が上方に揺動したり、左の伝動ケース(左の後輪)が下方に揺動したりすることにより、作業地の凹凸が右及び左の伝動ケース(右及び左の後輪)によって吸収され、乗用型作業車の左右傾斜が抑えられる。
【0006】
この場合、請求項1の特徴によると、右及び左の伝動ケースは前後方向の軸芯ではなく左右方向の軸芯周りに上下揺動するので、右及び左の伝動ケースの上下揺動に伴って、右及び左の後輪の接地点が右及び左内側や右及び左外側に移動することはなく、右及び左の後輪が右及び左内側や右及び左外側に傾斜するような状態は生じない。
従って、作業地の凹凸の影響を受けることなく、右及び左の後輪の動力が無駄なく作業地(右及び左の後輪の接地点)に伝えられるようになるのであり、操向操作自在な右及び左の前輪を備えた前輪支持ケースが、昇降及びローリングしないように支持されている点により、操向操作の影響を受けることなく、右及び左の前輪の動力が無駄なく作業地(右及び左の前輪の接地点)に伝えられる。
【0007】
請求項1の特徴によると、右及び左の伝動ケースが左右方向の軸芯周りに独立に上下揺動するので、例えば右及び左の後輪の両方が作業地の凸部に乗り上げても、右及び左の伝動ケース(右及び左の後輪)が上方に揺動することにより、右及び左の後輪の両方が作業地の凸部に乗り上げる状態が吸収されるのであり、乗用型作業車が持ち上げられると言う状態が抑えられる。
【0008】
[II]
請求項1の特徴によると、前輪支持ケースがミッションケースから右及び左に延出され且つミッションケースに昇降及びローリングしないように支持されており、右及び左の伝動ケースがミッションケースの左右方向の軸芯周りに独立に上下揺動自在に支持されている。これにより、請求項1の特徴によると、ミッションケースの動力を前輪支持ケースの内部に配置された伝動系、及び後輪支持ケースの内部に配置された伝動系に伝達するように構成することが、容易に行えるようになる。
【0009】
[III]
左右方向の軸芯周りに右及び左の伝動ケースが上下揺動した場合、右及び左の伝動ケースにおける円弧作動の前後方向成分により、右及び左の後輪(接地点)が前後方向に移動する。
【0010】
請求項1の特徴によると、右及び左の前輪の車軸と左右方向の軸芯との前後方向での間隔よりも、右及び左の後輪の車軸と左右方向の軸芯との前後方向での間隔が、大きなものに設定されており、右及び左の伝動ケースが比較的長いものになっている。これにより、右及び左の伝動ケースが上下揺動しても、右及び左の伝動ケースにおける円弧作動の前後方向成分は小さなものになるのであり(円弧作動の半径が大きいことによる)、右及び左の後輪(接地点)の前後方向の移動量が小さなものになる。
【0011】
[IV]
請求項1の特徴によると、右及び左の伝動ケースを弾性的に懸架するサスペンション機構を備えているので、右及び左の伝動ケース(右及び左の後輪)が弾性的に上下揺動することになる。
【0012】
[V]
乗用型作業車では、右及び左の後輪の後方に作業装置を備え、作業装置を昇降駆動する昇降機構を備えることが多くあり、作業装置に動力を伝達するPTO軸を備える必要がある。
請求項1の特徴によると、作業装置に動力を伝達するPTO軸を、平面視で右及び左の伝動ケースの間に配置して作業装置に接続し、右及び左の伝動ケースとサスペンション機構との取付部分よりも前側に、PTO軸における折れ曲がり自在な自在継手が位置するように構成している。これにより、作業装置の昇降駆動に伴ってPTO軸が自在継手の部分で折れ曲がりながら、動力がPTO軸を介して作業装置に伝達されるのであり、右及び左の伝動ケースとPTO軸とが互いに干渉するようなことはない。
【0013】
[VI]
請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に前項[I]〜[V]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
請求項2の特徴によると、右及び左の伝動ケースは左右方向の軸芯から後方に延出されているので、言い換えると左右方向の軸芯は前方に位置する状態となっており、PTO軸において自在継手の部分と作業装置に接続される部分との間隔が長いものになっている。これにより、作業装置が昇降駆動された際、PTO軸の自在継手の部分での折れ曲がりが小さなものになる。
【0014】
【0015】
[VII]
請求項3の特徴によると、請求項1又は2の場合と同様に前項[I]〜[VI]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
左右方向の軸芯周りに右及び左の伝動ケースを上下揺動自在に支持し、右及び左の伝動ケースを後方に延出した場合、左右方向に変位させようとする力が右及び左の伝動ケースに掛かることが考えられる。
【0016】
請求項3の特徴によると、右及び左の伝動ケースの上下揺動を許容しながら、右及び左の伝動ケースの左右方向への変位を抑える横変位防止機構を備えているので、左右方向に変位させようとする力が右及び左の伝動ケースに掛かっても、右及び左の伝動ケースの左右方向への変位を抑えることができる。
【0017】
[VIII]
請求項4の特徴によると、請求項1〜3のうちのいずれか一つの場合と同様に前項[I]〜[VII]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
乗用型作業車では、運転者が乗降時に足を掛ける乗降用のステップ部を備えることがあり、請求項4の特徴によると乗降用のステップ部を右及び左の伝動ケースに備えている。この場合、右及び左の伝動ケースは右及び左の後輪を備えており、充分な強度で構成されているので、乗降用のステップ部を右及び左の伝動ケースに備えることにより、乗降用のステップ部を充分な強度で支持することができる。
【0018】
[IX]
請求項5の特徴によると、請求項1〜4のうちのいずれか一つの場合と同様に前項[I]〜[VIII]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
乗用型作業車では、右及び左の後輪の上側を覆う後輪フェンダを備えることがある。請求項5の特徴によると、右及び左の後輪の上側を覆う後輪フェンダを右及び左の伝動ケースに備えているので、右及び左の伝動ケース(右及び左の後輪)が上下揺動するのに伴って、右及び左の後輪フェンダも一緒に上下揺動することになり、右及び左の後輪フェンダを右及び左の後輪に接近させて配置することが可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
[1]
図1及び図2に、乗用型作業車の一例としての乗用型田植機が示されている。先ず、右及び左の前輪4の支持構造、右及び左の後輪6の支持構造について説明する。
図3及び図4に示すように、前方下方の左右中央CLにミッションケース1が前後方向に延出されるように配置され、ミッションケース1の前部下部の右及び左横側部に、前輪支持ケース2が連結されて右及び左方に延出されている(ミッションケース1に対して前輪支持ケース2は昇降及びローリングしない)。前輪支持ケース2の端部の縦軸芯P1周りに支持ケース3が回転自在に支持されて、支持ケース3に右及び左の前輪4が支持されており、右及び左の前輪4が支持ケース3と一緒に縦軸芯P1周りに右及び左に操向操作されるように構成されている。
【0020】
図3及び図4に示すように、ミッションケース1の後端の右及び左横側部に、ボス部1aが右及び左横側に突出するように形成されて、右及び左の伝動ケース5が、ボス部1aの左右方向の軸芯P2周りに独立に上下揺動自在に支持されている。右及び左の伝動ケース5がボス部1aから後方に延出されて、右及び左の伝動ケース5の後部に右及び左の後輪6が支持されており、右及び左の後輪6は操向操作されない。
【0021】
図3及び図5に示すように、平板を箱状に折り曲げて構成された支持フレーム7が右及び左のボス部1aに連結されており、支持フレーム7の後部上端の左右にブラケット7aが固定され、右及び左のブラケット7aに亘って1本の支持軸8が架設されている。この場合、支持フレーム7の横幅が、右及び左の伝動ケース5の間隔よりも狭いものになっている。右及び左の伝動ケース5と支持軸8の右及び左の端部とに亘って、サスペンションバネ9が取り付けられている。図3及び図4に示すように、平面視でクランク状に折り曲げられた右及び左のトーションバー10が備えられており、トーションバー10の一端がミッションケース1の後部に回転しないように連結され、トーションバー10の他端が右及び左の伝動ケース5に取り付けられている。
【0022】
これにより、右及び左の後輪6に掛かる荷重が主にサスペンションバネ9によって支持されるのであり、右及び左の伝動ケース5が上方に揺動すると、サスペンションバネ9の弾性的な抵抗が右及び左の伝動ケース5に掛かるのに加えて、トーションバー10におけるミッションケース1に固定された部分が捩じられ、トーションバー10の弾性的な抵抗が右及び左の伝動ケース5に掛かる。右及び左の伝動ケース5を左右方向に変位させようとする力が掛かる場合、トーションバー10により右及び左の伝動ケース5の左右方向への変位が抑えられる。
【0023】
図1に示すように、後述する苗植付装置41の苗のせ台51における4つの苗のせ面の各々に1枚のマット状の苗を載せ、後述する運転座席59に1人の運転者が着座した状態を通常の状態としており、前述の通常の状態において、後述する右及び左のステップ部30、フロア31が略水平になるように、サスペンションバネ9及びトーションバー10が設定されている。
【0024】
前述の通常の状態で、右及び左の前輪4を直進位置に設定している状態において、図3に示すように、右及び左の前輪4の車軸4aとボス部1a(左右方向の軸芯P2)との前後方向での間隔L1よりも、右及び左の後輪6の車軸6aとボス部1a(左右方向の軸芯P2)との前後方向での間隔L2が、大きなものになっており、図1及び図4に示すように、右及び左の後輪6の車軸6aとボス部1a(左右方向の軸芯P2)との前後方向での間隔L2が、右及び左の後輪6の外径よりも大きなものになっている。
【0025】
[2]
次に、エンジン16及び静油圧式無段変速装置11の付近の構造について説明する。
図1及び図7に示すように、ミッションケース1の前部上部の左横側面に、静油圧式無段変速装置11が左右中央CLよりも左側に位置するように連結されている。静油圧式無段変速装置11の入力軸11a及び出力軸11bが、左右方向に向いて略同じ高さに位置しており、静油圧式無段変速装置11の入力軸11aが左向きに突出し、静油圧式無段変速装置11の出力軸11bがミッションケース1の内部に位置している。静油圧式無段変速装置11の入力軸11aに、入力プーリー12及び冷却ファン13(図6参照)が備えられている。これにより、ミッションケース1の前面から前方に、静油圧式無段変速装置11が突出する状態となっており、静油圧式無段変速装置11の下側のミッションケース1の部分に前輪支持ケース2が位置する状態となっている。
【0026】
図7及び図8に示すように、斜め上方前方に向くエンジン支持フレーム14がミッションケース1の前部に連結されており、略水平なエンジン支持台15が左右中央CLよりも少し左側に位置するように、エンジン支持部材14に連結されている(図4参照)。エンジン16のクランクケース16aが防振ゴム17を介してエンジン支持台15に支持されて、エンジン16の出力軸16cが左右方向に向いて左向きに突出しており、エンジン16のシリンダ16bが斜め後方上方に向くように傾斜して配置されている。これにより、図7に示すように、静油圧式無段変速装置11の斜め前方上方にエンジン16のシリンダ16bが位置する状態となっている。言い換えると、エンジン16のシリンダ16b及びエンジン支持フレーム14によって形成された横V字状の空間に、静油圧式無段変速装置11が側面視で入り込むような状態となっている。
【0027】
図7及び図8に示すように、エンジン16の出力軸16cに出力プーリー18が固定され、出力プーリー18と入力プーリー12とに亘って伝動ベルト19が巻回されている。エンジン支持フレーム14の横軸芯P3周りにテンションアーム20が揺動自在に支持され、テンションアーム20の先端にテンションプーリー20aが備えられており、テンションプーリー20aが伝動ベルト19に押し付けられるように、バネ21によりテンションアーム20が図7の紙面時計方向に付勢されている。
【0028】
以上の構造により、エンジン16の動力が伝動ベルト19を介して静油圧式無段変速装置11に伝達され、静油圧式無段変速装置11の動力がミッションケース1の内部に配置されたギヤ式の変速装置(図示せず)に伝達される。変速装置の動力が、前輪デフ機構(図示せず)から前輪支持ケース2の内部に配置された伝動軸(図示せず)を介して、右及び左の前輪4に伝達される。変速装置の動力が、伝動チェーン(図示せず)、右及び左のサイドクラッチ(図示せず)、伝動ケース5の内部に配置された伝動チェーン(図示せず)を介して、右及び左の後輪6に伝達される。
【0029】
[3]
次に、燃料タンク22及びエンジン16を囲むように配置されたフレーム23及び後フレーム24の構造について説明する。
図7,8,9に示すように、エンジン16の上部に燃料タンク22が備えられて、燃料タンク22及びエンジン16の右及び左横側から燃料タンク22の上側を覆うフレーム23が備えられている。フレーム23は1本の丸パイプを折り曲げて構成されており、フレーム23の右及び左の横部分23aの下部が、エンジン支持台15の前部に連結され、右及び左方向に延出されて後方に延出されている。フレーム23の右及び左の横部分23aがエンジン16のクランクケース16a及び出力プーリー18の付近から斜め後方上方に延出され、エンジン16のシリンダ16b及び燃料タンク22の右及び左横側を通っている。
【0030】
図7,8,9に示すように、フレーム23の右及び左の横部分23aの上部に亘り、フレーム23の上部分23bが架設されており、フレーム23の上部分23bが燃料タンク22の上側に配置されている。図8に示すように、フレーム23の右及び左の横部分23aの中間部分が左右中央側に折り曲げられており、フレーム23の右及び左の横部分23aの下部での間隔よりも、フレーム23の右及び左の横部分23aの上部での間隔が狭いものになっている。
【0031】
図7,8,9に示すように、燃料タンク22及びエンジン16の後側に後フレーム24が備えられている。後フレーム24は1本の丸パイプを折り曲げて構成されており、後フレーム24の右及び左の横部分24aの下部が、ブラケット25を介してミッションケース1の上部に連結されている。後フレーム24の右及び左の横部分24aがエンジン16のシリンダ16bの付近から斜め前方上方に延出され、燃料タンク22の後側において、後フレーム24の右及び左の横部分24aの上部に亘り、後フレーム24の上部分24bが架設されている。燃料タンク22の右側部及び左側部がフレーム23の右及び左の横部分23a、後フレーム24の右及び左の横部分24aに連結されている。
【0032】
図8に示すように、フレーム23の右及び左の横部分23aの間隔よりも、後フレーム24の右及び左の横部分24aの間隔が狭くなるように、後フレーム24が形成されている。フレーム23の上部分23bの位置よりも、後フレーム24の上部分24bの位置が低くなるように、後フレーム24が形成されている。図7,8,9に示すように、平面視コ字状のブラケット26がフレーム23の上部分23bに連結されており、後フレーム24の上部分24bとブラケット26とに亘って、ブラケット27が連結されている。
【0033】
図1,2,6に示すように、エンジン16、燃料タンク22、フレーム23及び後フレーム24を覆う前部ボンネット28及び後部ボンネット29が備えられている。前部ボンネット28は、エンジン16のクランクケース16aの前部、燃料タンク22の前部及び上部、フレーム23の上部分23bの付近、後フレーム24の上部分24bの付近を覆うように構成されており、固定されている(着脱不可)。後部ボンネット29は、エンジン16のクランクケース16a及びシリンダ16bの右及び左横側、フレーム23の右及び左の横部分23a、後フレーム24の右及び左の横部分24a、エンジン16のシリンダ16bの後側、燃料タンク22の後側を覆うように構成されており、前部ボンネット28に対して着脱自在に構成されている。
【0034】
図1,2,6に示すように、前部及び後部ボンネット28,29の右及び左横側に、乗降用のステップ部30が備えられており、右及び左のステップ部30につながるフロア31が、前部及び後部ボンネット28,29の後側に備えられている。図1,2,4に示すように、右及び左の伝動ケース5の横外面部においてボス部1aの近傍部分に、アーム85がボルトにより連結されており、アーム85が右及び左横側に延出されて、アーム85に乗降用のステップ部86が固定されている。これにより、図1及び図2に示すように、右及び左のステップ部86が平面視でフロア31の横外側の近傍に位置し、側面視でフロア31の少し下側に位置している。
【0035】
[4]
次に、右及び左の前輪4の操向構造について説明する。
図4及び図9に示すように、ラックアンドピニオン型式のステアリングギヤケース32が、エンジン支持フレーム14に連結されて、ロッド状のラックギヤ32aがステアリングギヤケース32にスライド自在に支持されており、ステアリングギヤケース32及びラックギヤ32aが、前部及び後部ボンネット28,29、右のステップ部30の下側に配置されている。左の支持ケース3に固定されたナックルアーム3aとラックギヤ32aとに亘って、連係ロッド33が接続されており、右及び左の支持ケース3のナックルアーム3aに亘って、連係ロッド34が接続されている。
【0036】
図7,8,9,10に示すように、ブラケット26の横軸芯P4周りに、正面視コ字状のブラケット35が揺動自在に支持され、操縦ハンドル36及びステアリング軸37がブラケット35に回転操作自在に支持されている。ステアリング軸37の下部において横軸芯P4の位置に、ユニバーサルジョイント39が備えられており、ブラケット26に対してブラケット35を所望の角度で固定可能な締め込みボルト38が、ブラケット26に備えられている。
【0037】
図4,7,8,9に示すように、ラックギヤ32aに咬合するピニオンギヤ軸32bがステアリングギヤケース32に備えられており、前部及び後部ボンネット28,29の内部において、ピニオンギヤ軸32bがエンジン16の右横側に位置するように配置され、フレーム23の右の横部分23aの後側に位置するように配置されている。ピニオンギヤ軸32bの上部にユニバーサルジョイント39が備えられており、前部及び後部ボンネット28,29の内部において、ステアリング軸37及びピニオンギヤ軸32bのユニバーサルジョイント39に亘って連動軸40が接続されている。図8及び図9に示すように、平面視でL字状の凹部22aが燃料タンク22の後部右横側に形成されており、連動軸40が燃料タンク22の凹部22aに斜めに入り込むように配置されている。
【0038】
以上の構造により、操縦ハンドル36を回転操作すると、操縦ハンドル36の回転操作がステアリング軸37及び連動軸40を介してピニオンギヤ軸32bに伝達され、ラックギヤ32aがスライド操作されて、連係ロッド33,34により右及び左の前輪1が右及び左に操向操作される。この場合、締め込みボルト38を緩めることにより、操縦ハンドル36(ブラケット35)の角度を横軸芯P4周りに変更することができるのであり、締め込みボルト38を締め込むことによって、操縦ハンドル36(ブラケット35)を所望の角度に固定することができる。
【0039】
[5]
次に、苗植付装置41及び苗植付装置41の支持構造について説明する。
図1,2,3,5に示すように、支持フレーム7において支持軸8に1本のトップリンク42が上下揺動自在に支持され、支持フレーム7の後部下端に固定された右及び左のブラケット7bに、右及び左のロアリンク43が上下揺動自在に支持されており、トップリンク42及びロアリンク43の後端に支持部材44が連結されている。単動型の昇降シリンダ45が支持軸8に上下揺動自在に支持され、昇降シリンダ45のシリンダロッド45aが、サスペンションゴム46及びハ字状の連結部材47を介して、ロアリンク43と支持部材44に連結されている。
【0040】
図1及び図2に示すように、4条植型式の苗植付装置41が、支持部材44の下部に前後軸芯周りにローリング自在に連結されている。苗植付装置41は支持部材44に連結されるフィードケース48、後方に延出された右及び左の植付伝動ケース49、植付伝動ケース49の右及び左側部で回転駆動される植付ケース50、植付ケース50に支持された植付アーム50a、4つの苗のせ面を備えて左右方向に往復横送り駆動される苗のせ台51、上下動自在に支持された接地フロート52等を備えて構成されている。
【0041】
図3及び図4に示すように、ミッションケース1の上部において左右中央CLから右側に偏位した位置から、PTO軸53が後方に延出され支持フレーム7の内部の下部を通っており、右及び左のブラケット7bの間の下方近傍において、PTO軸53の端部にユニバーサルジョイント54が備えられている。PTO軸53のユニバーサルジョイント54と、フィードケース48の入力軸48aのユニバーサルジョイント54とに亘ってPTO軸55が接続されており、図2に示すように平面視で右及び左のロアリンク43の間に、PTO軸55が配置されている。以上の構造により、ミッションケース1の動力がPTO軸53,55を介して苗植付装置41に伝達されるのであり、苗のせ台51が往復横送り駆動されるのに伴って、植付アーム50aが苗のせ台51の下部から交互に苗を取り出して田面に植え付ける。
【0042】
図3,4,5に示すように、ミッションケース1の上部においてPTO軸53と支持フレーム7の左側部との間に、制御弁56が取り付けられており、制御弁56の作動油の給排操作によって昇降シリンダ45が伸縮駆動されて、苗植付装置41が昇降駆動される。制御弁56の斜め後方上方の支持フレーム7の部分に支持台57が固定され、支持台57にバッテリー58が乗せられて固定されており、図1,2,5に示すようにバッテリー58の上方の支持フレーム7の部分に運転座席59が取り付けられている。
【0043】
[6]
次に、制御弁56を操作する昇降レバー60の構造について説明する。
図10,11,12に示すように、後フレーム24の右の横部分24aに支持板61が連結されて、支持板61に連結された支持軸61aに操作板62が揺動自在に支持されており、制御弁56(図3及び図5参照)と操作板62の操作アーム62aとが、ワイヤ64を介して連係されている。エンジン16の動力をPTO軸53(苗植付装置41)に伝動及び伝動遮断自在な植付クラッチ(図示せず)が、ミッションケース1の内部に配置されており、操作板62の操作アーム62aと植付クラッチとが、ワイヤ64を介して連係されている。
【0044】
図10,11,12,14に示すように、操作板62に支持軸60aが自身の軸芯周りに回転自在に支持されて、支持軸60aの端部に昇降レバー60が連結されている。支持板61にレバーガイド63が備えられており、レバーガイド63に沿って支持軸61a周りに、昇降レバー60及び操作板62を上昇位置U、中立位置N、下降位置D及び植付位置Aに操作することができる。植付位置Aにおいて昇降レバー60を支持軸60aの軸芯周りに、右及び左マーカー位置MR,MLに操作することができる。
【0045】
この場合、図11及び図12に示すように、上昇位置Uが後方側(運転座席59側)に配置され、植付位置A(右及び左マーカー位置MR,ML)が前方側に配置されている。図11に示すように、操縦ハンドル36(ブラケット35)を標準的な角度に設定している状態において、側面視で操縦ハンドル36の中央付近の横側に下降位置D及び植付位置A(右及び左マーカー位置MR,ML)が位置しており、側面視で操縦ハンドル36の後部の横側に中立位置Nが位置している。
【0046】
図11,12,13に示すように、支持板61の横軸芯P4周りにデテントアーム65が揺動自在に支持されて、デテントアーム65と支持軸61aとに亘って引っ張りバネ66が接続されており、操作板62の外周部に形成された3つの凹部にデテントアーム65のローラー65aが入り込むように、引っ張りバネ66によってデテントアーム65が上方に付勢されている。これにより、操作板62の凹部にデテントアーム65のローラー65aが入り込むことによって、昇降レバー60及び操作板62が中立位置N、下降位置D及び植付位置Aに保持される。フレーム23の右の横部分23aと操作板62とに亘って引っ張りバネ67が接続されており、引っ張りバネ67により昇降レバー60及び操作板62が上昇位置Uに付勢されている。
【0047】
図1及び図2に示すように、1回の植付行程の走行時に次の植付行程の指標を田面に形成するマーカー69が、苗植付装置41の右及び左横部に備えられている。右及び左のマーカー69は田面に突入して指標を形成する作業姿勢、及び田面から上方に離れた格納姿勢に操作自在に構成されており、苗植付装置41が田面から大きく上昇駆動されると、右及び左のマーカー69が格納姿勢に操作されて、右及び左のロック機構(図示せず)により右及び左のマーカー69が格納姿勢に保持されるように構成されている。苗植付装置41を田面まで下降駆動する際に、右又は左のロック機構を解除操作すると、右又は左のマーカー69が格納姿勢から作業姿勢に操作される。
【0048】
図10,11,12に示すように、支持板61に固定された支持軸61b周りに、正面視で扇型の操作板68が揺動自在に支持され、前述の右及び左のロック機構と操作板68とが右及び左のワイヤ70を介して接続されており、操作板68を中立姿勢に付勢する引っ張りバネ71が、操作板68と支持板61とに亘って接続されている。
【0049】
以上の構造により、昇降レバー60を上昇位置Uに操作すると、制御弁56から昇降シリンダ45に作動油が供給され、昇降シリンダ45が収縮作動して苗植付装置41が上昇駆動される。昇降レバー60を中立位置Nに操作すると、制御弁56の作動油の給排操作が停止され昇降シリンダ45が停止して、苗植付装置41が停止する。昇降レバー60を下降位置Dに操作すると、制御弁56を介して昇降シリンダ45から作動油が排出され、昇降シリンダ45が伸長作動して苗植付装置41が下降駆動される。上昇位置U、中立位置N及び下降位置Dにおいて、植付クラッチが伝動遮断側に操作され、右及び左のマーカー69が格納姿勢に保持されている。
【0050】
昇降レバー60を植付位置Aに操作すると、植付クラッチが伝動側に操作されて、苗植付装置41による苗の植え付けが開始されるのであり、苗植付装置41が田面から設定高さに維持されるように、昇降シリンダ45により苗植付装置41が自動的に昇降駆動される。
この場合に、前項[5]に記載のように接地フロート52が苗植付装置41に上下動自在に支持されて、接地フロート52と制御弁56とがワイヤ(図示せず)を介して連係されている。これにより、田面に接地追従する接地フロート52に対して苗植付装置41が上下動すると、苗植付装置41の上下動がワイヤにより制御弁56に伝達され制御弁56が操作されて、昇降シリンダ45により苗植付装置41が自動的に昇降駆動されるのであり、田面(接地フロート52)から苗植付装置41までの高さが設定高さに維持されて、苗の植付深さが設定深さに維持される。
【0051】
図13に示すように、植付位置Aにおいて昇降レバー60の下端部60bが操作板68に係合するので、昇降レバー60を右又は左マーカー位置MR,MLに操作すると、操作板68が支持軸61b周りに揺動操作され、右又は左のワイヤ70が引き操作されて、右又は左のロック機構が解除操作される。これにより、右又は左のマーカー69が格納姿勢から作業姿勢に操作される。
【0052】
前述のようにして、苗植付装置41を上限まで上昇駆動すると、この乗用型田植機を軽トラック(図示せず)の荷台に載せることができるようになる。苗植付装置41を上限まで上昇駆動した状態において、地面から接地フロート52の底面までの高さが約800mmとなるのであり、前部ボンネット28の前端から接地フロート52の後端までの長さが約2200mmとなる。
【0053】
[7]
次に静油圧式無段変速装置11を操作する変速レバー72の構造について説明する。
図10及び図16に示すように、後フレーム24の左の横部分24aに支持ブラケット73が固定され、支持ブラケット73に操作軸74が自身の軸芯周りに回転自在に支持されている。静油圧式無段変速装置11は中立位置を挟んで前進側及び後進側に無段階に変速可能に構成されており、静油圧式無段変速装置11を操作するトラニオン軸(図示せず)に接続された操作軸75が上方に延出されている。図10及び図15(イ)(ロ)に示すように、後フレーム24の左の横部分24aに固定されたブラケット76に、操作軸75の上部が回転自在に支持されて、操作軸74の端部74aが下向きに折り曲げられており、操作軸75の上端に固定されたアーム75aに、操作軸74の端部74aが係合している。
【0054】
図10及び図16に示すように、側面視で扇型の操作板77が操作軸74に固定されており、操作板77の軸芯P5周りに変速レバー72が揺動自在に支持され、変速レバー72を図10の紙面右方(左横側)に付勢するバネ78が取り付けられている。操作板77の外周部に多数の凹部が形成されており、後フレーム24の左の横部分24aに板バネ79が固定され、板バネ79の先端のローラー79aが操作板77の凹部に入り込むように構成されている。
【0055】
図10,16,17(イ)に示すように、後フレーム24の左の横部分24aにレバーガイド80が固定され、中立位置N1、前進領域F及び後進領域Rにより形成されたクランク状の開口部80aがレバ−ガイド80に備えられて、変速レバー72がレバーガイド80の開口部80aに挿入されている。この場合に、図16及び図17(イ)に示すように、前進領域Fが前方側に配置されて、後進領域Rが後方側(運転座席59側)に配置され、前進領域Fに対して後進領域Rが操縦ハンドル36側に位置するように配置されており、バネ78により変速レバー72が前進領域F側(図17(イ)の紙面下方)に付勢されている。
【0056】
図10,16,17(イ)に示すように、レバーガイド80の縦軸芯P6周りに、操作アーム81が揺動自在に支持されており、操作アーム81とデテントアーム65(図11,12,13参照)とがワイヤ82を介して接続されている。操作アーム81を図17(イ)に示す姿勢で止めるストッパー83が、レバーガイド80に固定されており、後進領域Rの端部に対応するレバーガイド80の位置に、リミットスイッチ84が固定されている。
【0057】
図16及び図17(イ)に示す状態は、変速レバー72を中立位置N1に操作している状態であり、静油圧式無段変速装置11が中立位置に操作されて停止している。変速レバー72を中立位置N1から前進領域Fに操作していくと、図10及び図15(イ)(ロ)に示すように、操作軸74,75を介して静油圧式無段変速装置11が前進の高速側に操作されるのであり、変速レバー72から手を離しても、板バネ79のローラー79aが操作板77の凹部に入り込むことによって、変速レバー72が所望の位置に保持される。
【0058】
図16及び図17(イ)に示す状態において、変速レバー72を中立位置N1から後進領域Rに操作すると、図17(ロ)に示すように変速レバー72により操作アーム81が紙面反時計方向に揺動操作されて、操作アーム81がリミットスイッチ84に接当し、操作アーム81によりワイヤ82が引き操作されて、図11,12,13に示すデテントアーム65が操作板62から下方に離される。これにより、バネ67によって昇降レバー60が上昇位置Uに操作され、苗植付装置41が大きく上昇駆動されるのであり、リミットスイッチ81の信号によってブザー(図示せず)が作動する。
【0059】
変速レバー72を中立位置N1から後進領域Rに操作していくと、図10及び図15(イ)(ロ)に示すように、操作軸74,75を介して静油圧式無段変速装置11が後進の高速側に操作されるのであり、変速レバー72から手を離しても、板バネ79のローラー79aが操作板77の凹部に入り込むことによって、変速レバー72が所望の位置に保持される。
【0060】
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明の実施の形態]において、図3及び図4に示すPTO軸53,55及びユニバーサルジョイント54を図18に示すように構成してもよい。
図18に示すように、ミッションケース1の上部において左右中央CLから右側に偏位した位置から、PTO軸53を後方に延出している(ミッションケース1の上部においてPTO軸53と支持フレーム7の左側部とに間に制御弁56が取り付けられている)。
【0061】
図18に示すように、支持フレーム7の右及び左側部の間において、PTO軸53における左右方向の軸芯P2(ボス部1a)の後方近傍の部分に、ユニバーサルジョイント54を備え、PTO軸53のユニバーサルジョイント54と、フィードケース48の入力軸48aのユニバーサルジョイント54とに亘って、PTO軸55を接続しており、平面視で右及び左のロアリンク43(右及び左の伝動ケース5)の間にPTO軸55を配置している。
【0062】
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明の実施の形態]において、図19に示すように、右及び左の後輪6の上側を覆う後輪フェンダ91を、右及び左の伝動ケース5に備えてもよい。図19に示すように、後輪フェンダ91は円弧状に形成されて、後輪フェンダ91の前部が伝動ケース5に連結され、後輪フェンダ91の後部がアーム91aを介して伝動ケース5に連結されており、後輪6と後輪フェンダ91との間隔が狭いものに設定されている(例えば約100mm)。
【0063】
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明の実施の形態]において、図3及び図4に示すアーム85の伝動ケース5への連結構造を、図19及び図20に示すように構成してもよい。
図19及び図20に示すように、伝動ケース5の横側面に凹部5a及び座部5bを一体的に形成し、座部5bにネジ穴5cを形成する。アーム85の端部85aをL字状に曲げて、ブラケット85bをアーム85に溶接によって連結する。アーム85の端部85aを伝動ケース5の凹部5aに挿入し、ボルト92によりアーム85のブラケット85bを伝動ケース5の座部5b(ネジ穴5c)に連結する。これにより、図19及び図20に示す構造であると、アーム85を伝動ケース5に連結する際に、伝動ケース5の内部に貫通するような開口を備えていないので、伝動ケース5のシール性の面で有利なものとなる。
【0064】
[発明の実施の第4別形態]
本発明は乗用型田植機ばかりではなく、後部に直播装置を昇降駆動自在に備えた四輪駆動型の乗用型直播機、四輪駆動型の農用トラクタや乗用型芝刈機等にも適用できる。
【0065】
【発明の効果】
請求項1の特徴によると、操向操作自在な右及び左の前輪、右及び左の後輪を備えた四輪駆動型の乗用型作業車において、乗用型作業車の左右傾斜を抑えながら、作業地の凹凸の影響を受けることなく、右及び左の後輪の動力が無駄なく作業地(右及び左の後輪の接地点)に伝えられるようになり、操向操作の影響を受けることなく右及び左の前輪の動力が無駄なく作業地(右及び左の後輪の接地点)に伝えられるようになって、乗用型作業車の走行性能を向上させることができた。
【0066】
請求項1の特徴によると、例えば、右及び左の後輪の両方が作業地の凸部に乗り上げても、右及び左の伝動ケース(右及び左の後輪)が上方に揺動することにより、右及び左の後輪の両方が作業地の凸部に乗り上げる状態が吸収されて、乗用型作業車が持ち上げられると言う状態が抑えられるので、この点においても乗用型作業車の走行性能を向上させることができた。
【0067】
請求項1の特徴によると、ミッションケースの動力を前輪支持ケースの内部に配置された伝動系、及び後輪支持ケースの内部に配置された伝動系に伝達するように構成することが、容易に行えるようになって、伝動構造の簡素化の面で有利なものとなる。
【0068】
請求項1の特徴によると、右及び左の伝動ケースが比較的長いものになっており、右及び左の伝動ケースが上下揺動しても、右及び左の後輪(接地点)の前後方向の移動量が小さなものになるので、この点においても右及び左の後輪の動力が無駄なく作業地(右及び左の後輪の接地点)に伝えられるようになり、乗用型作業車の走行性能を向上させることができた。
請求項1の特徴によると、右及び左の伝動ケース(右及び左の後輪)が弾性的に上下揺動することになって、乗用型作業車の乗り心地を向上させることができた。
請求項1の特徴によると、右及び左の後輪の後方に作業装置を備え、作業装置を昇降駆動する昇降機構を備えた場合、右及び左の伝動ケースとPTO軸とが互いに干渉するようなことがない点により作業装置に動力を支障なく伝達することができるようになった。
【0069】
請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に前述の請求項1の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項2の特徴によると、右及び左の後輪の後方に作業装置を備え、作業装置を昇降駆動する昇降機構を備えた場合、作業装置が昇降駆動された際にPTO軸の自在継手の部分での折れ曲がりが小さなものになり、PTO軸の自在継手の部分での損耗を抑えることができる点、並びに、右及び左の伝動ケースとPTO軸とが互いに干渉するようなことがない点により、作業装置に動力を支障なく伝達することができるようになった。
【0070】
【0071】
請求項3の特徴によると、請求項1又は2の場合と同様に前述の請求項1又は2の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項3の特徴によると、左右方向に変位させようとする力が右及び左の伝動ケースに掛かっても、右及び左の伝動ケースの左右方向への変位を抑えることができるので、右及び左の伝動ケースを無理なく上下揺動させることができるようになって、右及び左の伝動ケースの耐久性を向上させることができた。
【0072】
請求項4の特徴によると、請求項1〜3のうちのいずれか一つの場合と同様に前述の請求項1〜3の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項4の特徴によると、乗降用のステップ部を右及び左の伝動ケースに備えることにより、乗降用のステップ部を充分な強度で支持することができるようになって、乗用型作業車の強度の面で有利なものとなった。
【0073】
請求項5の特徴によると、請求項1〜4のうちのいずれか一つの場合と同様に前述の請求項1〜4の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項5の特徴によると、右及び左の後輪の上側を覆う後輪フェンダを備える場合、右及び左の後輪フェンダを右及び左の後輪に接近させて配置することが可能になって、右及び左の後輪フェンダの機能(例えば右及び左の後輪の土の跳ね飛ばしの抑制)を、充分に発揮させることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 乗用型田植機の全体側面図
【図2】 乗用型田植機の全体平面図
【図3】 ミッションケース、前輪支持ケース、伝動ケース、支持フレーム、トップリンク及びロアリンクの付近の側面図
【図4】 ミッションケース、前輪及び前輪支持ケース、後輪及び伝動ケースの付近の平面図
【図5】 支持フレーム、バッテリー、トップリンク及びロアリンクの付近の平面図
【図6】 前部ボンネット及びエンジンの付近の左側の側面図
【図7】 エンジン、フレーム及び後フレームの付近の左側の側面図
【図8】 エンジン、フレーム及び後フレームの付近の正面図
【図9】 エンジン、フレーム及び後フレームの付近の右側の側面図
【図10】 昇降レバー及び変速レバーの付近の正面図
【図11】 昇降レバー及び操縦ハンドルの付近の右側の側面図
【図12】 昇降レバーの付近の右側の側面図
【図13】 昇降レバーの付近の正面図
【図14】 昇降レバーのレバーガイドの平面図
【図15】 変速レバーの操作軸の付近の横断平面図及び側面図
【図16】 変速レバー及び操縦ハンドルの付近の左側の側面図
【図17】 変速レバーのレバーガイドの平面図
【図18】 発明の実施の第1別形態におけるミッションケース、前輪支持ケース、伝動ケース、支持フレーム、トップリンク及びロアリンクの付近の側面図
【図19】 発明の実施の第2別形態における伝動ケースの付近の側面図
【図20】 発明の実施の第3別形態における伝動ケースの横断平面図
【符号の説明】
1 ミッションケース
2 前輪支持ケース
4 前輪
4a 前輪の車軸
5 伝動ケース
6 後輪
6a 後輪の車軸
7 支持フレーム
9 サスペンション機構
10 横偏位防止機構
41 作業装置
45 昇降機構
53,55 PTO軸
54 自在継手
59 運転座席
86 ステップ部
91 後輪フェンダ
P2 左右方向の軸芯
L1,L2 間隔

Claims (5)

  1. 操向操作自在な右及び左の前輪を備えた前輪支持ケースを、ミッションケースから右及び左に延出し、且つミッションケースに昇降及びローリングしないように支持して、
    前記ミッションケースの左右方向の軸芯周りに右及び左の伝動ケースを独立に上下揺動自在に支持し、前記右及び左の伝動ケースを後方に延出して、前記右及び左の伝動ケースの後部に右及び左の後輪を備え、
    前記右及び左の前輪の車軸と左右方向の軸芯との前後方向での間隔よりも、前記右及び左の後輪の車軸と左右方向の軸芯との前後方向での間隔を大きなものに設定して、
    前記前輪支持ケースの内部に配置された伝動系を介して右及び左の前輪に動力を伝達し、前記右及び左の伝動ケースの内部に配置された伝動系を介して右及び左の後輪に動力を伝達するように構成すると共に、
    運転座席が取り付けられた支持フレームを前記ミッションケースの後部に連結し、前記右及び左の伝動ケースを弾性的に懸架するサスペンション機構を、前記支持フレームに取り付け、
    前記右及び左の後輪の後方に作業装置を備え、前記作業装置を昇降駆動する昇降機構を備えて、前記作業装置に動力を伝達するPTO軸を平面視で右及び左の伝動ケースの間に配置して作業装置に接続し、
    前記右及び左の伝動ケースとサスペンション機構との取付部分よりも前側に、前記PTO軸における折れ曲がり自在な自在継手が位置するように構成してある乗用型作業車。
  2. 前記PTO軸における左右方向の軸芯の後方近傍の部分に、前記自在継手を備えてある請求項1に記載の乗用型作業車。
  3. 前記右及び左の伝動ケースの上下揺動を許容しながら、前記右及び左の伝動ケースの左右方向への変位を抑える横変位防止機構を備えてある請求項1又は2に記載の乗用型作業車。
  4. 乗降用のステップ部を、前記右及び左の伝動ケースに備えてある請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の乗用型作業車。
  5. 前記右及び左の後輪の上側を覆う後輪フェンダを、前記右及び左の伝動ケースに備えてある請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載の乗用型作業車。
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