JP4023296B2 - 飲料容器保持具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、外径または幅が異なる種々の飲料容器を保持する飲料容器保持具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の飲料容器保持具で、保持孔に挿入され、下部が受け部により保持されるカップホルダがあり、これによれば、容器の周壁を支持する押え部材はその回動軸より容器の周壁に当接する先端部が上方に位置している。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開2002−29302号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1において、押え部材はフラップと係合して一緒に回動し、フラップより上方には回動できるが、下方への回動は規制されて、所定位置より下方には回動できないようになっている。この場合、径の大きな容器を挿入しようとすれば、押え部材は所定位置より下方へは回動できないため、容器と押え部材とが干渉して、挿入できなくなる。このため、押え部材を、容器の挿入時に干渉しない位置まで上方に回動して挿入のための開口を大きくし、この位置で押え部材を保持していないと挿入ができない。
【0005】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的としては、飲料容器の外径または幅の大小に関わらず、挿入が容易で、かつ、安定した状態でその飲料容器をより確実に保持することができる飲料容器保持具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、飲料容器保持具に係る本願請求項1に記載の発明は、外径または幅の異なる各種飲料容器を挿入するための挿入孔が単数または複数形成されたフレーム部と、前記挿入孔に挿入された前記飲料容器を受ける受け部と、付勢部材により所定の基準位置となるよう付勢され、先端部が前記挿入孔の内側に向かって突出するとともに、基端部が前記フレーム部に対して回動軸を中心として回動可能に軸支される保持部材とを備えた飲料容器保持具において、前記保持部材は、前記付勢部材により上方に回動するよう付勢されるとともに、前記フレーム部には、水平線に対し、1度以上30度以下の角度を持った傾斜状態で、前記保持部材の前記先端部が前記基端部より上方に位置するよう、前期保持部材の回動を規制する規制部を設けられ、前記飲用容器の直径dと、前記保持部材の前記先端部と対向する挿入孔の対向面との距離Dが D>d
とされた場合、傾動する前記飲用容器の側面が前記先端部に衝接する時の前記保持部材に作用する力は前記保持部材に対して平行あるいは平行に近い作用力となり、前記保持部材が下方向に回動しないようにされていることをその要旨としている。
【0008】
この本願請求項1に記載の発明では、付勢部材で上方に回動するよう付勢された保持部材は、水平線に対し、1度以上30度以下の角度を持った状態で、先端部が基端部より上方に位置するように傾斜して、フレーム部に設けた規制部で上方への回動を規制されており、前記飲用容器の直径dと、前記保持部材の前記先端部と対向する挿入孔の対向面との距離Dが D>d
とされた場合、不意の衝撃等により収容された飲料容器が傾動してその側面が保持部材に衝接した時には、傾斜した状態で上方への回動が規制されている保持部材に対し平行あるいは平行に近い作用力が働くことになる。この場合、この作用力の垂直方向の分力(即ち、保持部材を付勢力に抗して下方へ回動させようとする力)は水平方向の分力に比して極めて小さくすることができ、付勢部材により上方向に付勢されている保持部材は、この付勢力に抗して下方向へ回動しにくくなる。このため、飲料容器が傾動した場合においても、安定して保持することが可能となる。また、保持部材の先端部とこの先端部と対向する挿入孔の内周面との距離は、本飲料容器保持具での使用が想定される飲料容器の外径または幅より大きくされているため、飲料容器を挿入孔へ挿入するときには、飲料容器が保持部材と干渉せず極めて容易に挿入することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の飲料容器保持具を自動車の車室内に適用した一実施形態について、図1乃至図6を参照して説明する。
【0012】
図1及び図2に示すように飲料容器保持具は、フレーム部20と、受け部30と、これらフレーム部20と受け部30とを収容する収容部40とを備えている。
【0013】
フレーム部20は、方形状の平面部21と、同平面部21の周縁から下方に向かって突出する側壁部22とを有している。平面部21には円形状の挿入孔23が2個形成されており、これら挿入孔23の周縁の一部には、平面部21から下方に向かって突出する周壁部24が形成されている。
【0014】
前記受け部30は、フレーム部20の平面部21よりもやや小さな方形状に形成されており、フレーム部20の各挿入孔23と対応する位置に凹部31を有している。そして、同凹部31の底面が、前記フレーム部20の挿入孔23に挿入された飲料容器の載置面32となる。また、受け部30は、複数(この例では4本)のアーム33を介してフレーム部20に対して相対変位可能に支持されている。
【0015】
前記収容部40は、その垂直な一面に開口41を有する箱形状をなしている。この収容部40内には、前記フレーム部20及び前記受け部30が重合された状態で収容可能となっており、この収容部40に対して、前記フレーム部20は、水平方向に変位可能に支持されている。そして、収容部40に収容された状態のフレーム部20を矢印Aの方向(図1参照)に変位させると、図2(a)に示すように、フレーム部20の平面部21が収容部40の開口41を介して表出する。このとき、受け部30がフレーム部20とともに引き出されるとともに、フレーム部20から所定距離だけ下方に離間するように変位される。このようにして、飲料容器保持具が、飲料容器を保持可能な使用状態となる。
【0016】
ここで、この挿入孔23には、外径または幅の異なる各種飲料容器が挿入される。そして、この挿入された飲料容器は、受け部30の凹部31の載置面32上に載置される。
【0017】
逆に、前記使用状態にあるフレーム部20を前記矢印Aとは逆方向に変位させると、フレーム部20が収容部40内に挿入されていくに従って、アーム33の作用により受け部30がフレーム部20に接近し、やがて図2(b)に示すように、フレーム部20と受け部30とが重合される。そして、フレーム部20及び受け部30が、収容部40内に収容されて、飲料容器保持具を、非使用状態とすることができる。
【0018】
本実施形態では、図1及び図4に示すように、フレーム部20の下面側には、保持部材51,52が各挿入孔23に配設されている。
【0019】
各保持部材51,52は、それらの先端部51a,52aが前記フレーム部20の挿入孔23及び周壁部24の内周面25から内側に向かって突出するように配置されている。そして、各保持部材51,52は、フレーム部20に対して、それらの基端部51b,52bが各挿入孔23につき1つの回動軸53に枢支され、この回動軸を中心に回動可能に軸支されている。
【0020】
各保持部材51,52は、図3及び図4に示すように、回動軸53に巻着された付勢部材としての捻りコイルばね60により上方に回動するよう付勢されるとともに、捻りコイルばね60の付勢範囲内においては、フレーム部20は、保持部材51,52の上面が当接することにより上方への回動が規制される規制部としての端縁部26を備えている。
【0021】
挿入孔23に飲料容器を挿入する際に、捻りコイルばね60の付勢力に抗して飲料容器の底部で保持部材51,52を下方向に押圧した場合に、捻りコイルばね60を下方向へ回動可能なようにその付勢力が調整されている。
【0022】
ここで、各保持部材51,52の上方への回動が規制された状態では、先端部51a,52aが回動軸53に軸支された基端部51b,52bより上方に位置するように傾斜した状態で配置されている。本実施例においては、先端部51a,52aと基端部51b,52bとを結ぶ直線が、水平線より5度の傾斜となるように規制されているが、この傾斜の角度は1度以上30度以下とすることが好ましい。
【0023】
本実施形態では、規制部としては、フレーム部20の端縁部26を備えているが、先端部51a,52aと基端部51b,52bとの傾斜角度に応じてフレーム部20の平面部21の裏面側や側壁22の内側に保持部材51,52の上面に当接して保持部材51,52の上方への回動を規制する突出部を設けることもできる。また、この規制部は、本実施形態では、フレーム部20と一体に形成されているが、フレーム部20とは別に設けた規制部材をフレーム部20の所定位置に取り付けることで規制部を形成してもよい。
【0024】
上述の構成を有するカップホルダでは、図5に示すように、挿入孔23の上方からの飲料容器としてのペットボトル70が挿入される。
【0025】
ペットボトル70は、前述の通り2個形成された挿入孔23の一方あるいは両方に挿入可能であるが、図5の実施形態では、図1に示す左側の挿入孔23にペットボトル70を挿入した場合を示す。
【0026】
ペットボトル70は、断面が円形で、その直径dと、保持部材51の先端部51aと、この先端部51aと対向する挿入孔23の対向面23aとの距離Dは D>d とされている。
【0027】
このペットボトル70の挿入孔23への挿入に際しては、上述の通り、ペットボトル70の直径dが、保持部材51の先端部51aと、この先端部51aと対向する挿入孔23の対向面23aとの距離Dより小さくされているため、ペットボトル70の底面が保持部材51と干渉することなく挿入可能である。
【0028】
挿入孔23に挿入されたペットボトル70は、通常状態ではその底面が載置面32に載置され、保持部材51aには当接しないかあるいは当接する状態(図5では当接しない状態を示す。)で保持されており、保持部材51は上述の通り、上面がフレーム部の規制部としての端縁部26に当接して上方への回動は規制された状態である。
【0029】
しかし、通常状態では垂直に保持されているペットボトル70は、図6に示すように、自動車の走行時の振動等不意の衝撃により傾動することがある。このような場合には、ペットボトル70の側面が保持部材51の先端部51aに衝接し、保持部材51には下方への回動力が作用する。
【0030】
このような場合、保持部材51は、上述の通り、回動が規制された状態では先端部51aが基端部51bより上方となるよう傾斜して配置されているため、傾動するペットボトル70の側面が先端部に衝接する時の保持部材51に作用する力は保持部材51に対して平行あるいは平行に近い作用力(図6の矢印F方向)となる。即ち、保持部材51に対し、保持部材51の先端部51aと基端部51bとの傾きに対する平行方向への分力f1(即ち、保持部材51を収容具40の奥方向へ押圧する作用力)は大きくなるが、垂直方向(即ち、保持部材51の下方向への回動力)への分力f2は小さくすることができる。
【0031】
ここで、保持部材51はその基端部51bが回動軸53に軸支されているため、分力f1に対しては十分な耐久力を有するが、分力f2は、捻りコイルばね60の付勢力に抗して保持部材51を下方向へ回動させる作用力となる。このため、分力f2を小さくすることにより、保持部材51を下方向へ回動させる作用力が小さくなり、傾動するペットボトル70が保持部材51の先端部51aに衝接しても保持部材51は下方向に回動しにくくなり、ペットボトル70を安定して確実に保持することが可能となる。
【0032】
また、本実施形態においては、各挿入孔23に対して1個の保持部材51を設けたが、複数の保持部材51を設けることも可能である。この場合は、以下のような各種の変形例が可能となる。
先端部と基端部との傾斜角度の異なる複数の保持部材を、一つの回動軸を共有し、飲料容器の挿入孔の内周面への突出量をそれぞれ異ならせて配置する。先端部と基端部との傾斜角度の異なる複数の保持部材を、保持部材の数と同数の回動軸を垂直方向に設け、それぞれの回動軸に保持部材の基端部を回動可能に軸支する。この場合、フレーム部における保持部材の上方への回動の規制部は、垂直方向の下方側に位置する保持部材については、フレームの側壁の下方側において保持部材の当接部を設ける必要がある。
【0033】
【発明の効果】
以上詳述したように、本願請求項1に記載の発明によれば、外径または幅の異なる各種飲料容器をスムーズに挿入孔内に挿入できるとともに、保持部材の先端部が基端部より上方となるよう1度以上30度以下の傾斜状態で配置したため、飲料容器が不意の衝撃等により傾動して保持部材に衝接した場合でも、飲料容器の保持部材への作用力は保持部材を下方向の分力を水平方向の分力より極めて小さくすることができるので、保持部材は下方向に回動しにくくなり、安定した状態で飲料容器を確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の飲料容器保持具の一実施形態を示す分解斜視図。
【図2】(a)は使用状態における図1の2―2線断面図、(b)は収容状態における図1の2―2線に対応した断面図。
【図3】図1の4―4線断面図。
【図4】図1の3−3断面図。
【図5】本発明の飲料容器保持具の使用状態を示す説明図。
【図6】本発明の飲料容器保持具の使用状態で飲料容器の傾動状態を示す説明図
【符号の説明】
20…フレーム部
23…挿入孔
26…規制部としての端縁部
30…受け部
32…載置面
33…アーム
51,52…保持部材
51a,52a…先端部
51b,52b…基端部
53…回動軸
60…付勢部材としての捻りコイルばね
70…飲料容器としてのペットボトル

Claims (1)

  1. 外径または幅の異なる各種飲料容器を挿入するための挿入孔が単数または複数形成されたフレーム部と、
    前記挿入孔に挿入された前記飲料容器を受ける受け部と、
    付勢部材により所定の基準位置となるよう付勢され、先端部が前記挿入孔の内側に向かって突出するとともに、基端部が前記フレーム部に対して回動軸を中心として回動可能に軸支される保持部材とを備えた飲料容器保持具において、
    前記保持部材は、前記付勢部材により上方に回動するよう付勢されるとともに、前記フレーム部には、水平線に対し、1度以上30度以下の角度を持った傾斜状態で、前記保持部材の前記先端部が前記基端部より上方に位置するよう、前期保持部材の回動を規制する規制部が設けられ
    前記飲用容器の直径dと、前記保持部材の前記先端部と対向する挿入孔の対向面との距離Dが D>d
    とされた場合、傾動する前記飲用容器の側面が前記先端部に衝接する時の前記保持部材に作用する力は前記保持部材に対して平行あるいは平行に近い作用力となり、前記保持部材が下方向に回動しないようにされていることを特徴とする飲料容器保持具。
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