JP4021157B2 - 多芯シールド電線のシールド処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多芯シールド電線のシールド被覆部材と接地線とを接続する多芯シールド電線のシールド処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、多芯シールド電線のシールド処理構造及び方法として、多芯シールド電線のシールド被覆部材を一対の樹脂部材を利用して接地線の導電線に超音波ホーンを用いて電気的に接続するものを提案した。以下、このシールド処理構造及び方法を説明する。
【0003】
図8に示すように、多芯シールド電線100は、芯線100aが絶縁内皮100bで覆われた複数のシールド芯線100cと、ドレーン線100dと、このドレーン線100d及び複数のシールド芯線100cの外周を覆う導電体のシールド被覆部材100eと、このシールド被覆部材100eのさらに外周を被う絶縁外皮100fとから構成されている。一対の樹脂部材101,102は、互いの接合面101a,102a同士を突き合わせた状態で多芯シールド電線100の外形断面形状に対応する孔が形成される凹部101b,102bをそれぞれ有する。又、超音波ホーン105は、下側支持台105aと、この真上に配置された超音波ホーン本体105bとから構成されている。
【0004】
次に、シールド処理手順を説明する。下方の樹脂部材102を超音波ホーン105の下側支持台105aに設置し、その上から多芯シールド電線100を載置し、その上に接地線103の一端側を載置し、更にその上から上方の樹脂部材101を被せる。このようにして一対の樹脂部材101,102の各凹部101b,102b内に多芯シールド電線100を配置し、且つ、この多芯シールド電線100と上方の樹脂部材101との間に接地線103の一端側を介在させる。
【0005】
この状態で一対の樹脂部材101,102間に圧縮力を作用させつつ超音波ホーン105で加振する。すると、多芯シールド電線100の絶縁外皮100fと接地線103の絶縁外皮103bが振動エネルギーによる発熱によって溶融飛散され、接地線103の導電線(図示せず)と多芯シールド電線100のシールド被覆部材100eとが電気的に接触される。又、一対の樹脂部材101,102の接合面101a,102aの各接触部分や、一対の樹脂部材101,102の凹部101b,102bの内周面と多芯シールド電線100の絶縁外皮100fとの接触部分や、接地線103の絶縁樹脂103bと一対の樹脂部材101,102との接触部分が振動エネルギーによる発熱によって溶融し、この溶融された部分が超音波加振終了後に固化されることによって一対の樹脂部材101,102、多芯シールド電線100及び接地線103がそれぞれ互いに固定される。
【0006】
このシールド処理構造及び方法によれば、多芯シールド電線100や接地線103の絶縁外皮100f,103bの皮剥きを行う必要がなく、下方の樹脂部材102、多芯シールド電線100、接地線103、上方の樹脂部材101の順に組み付けて超音波加振を行えば良いので、工程数が少なく、且つ、複雑な手作業もなく、そのため自動化も可能なものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記多芯シールド電線100は、シールド被覆部材100eの内部スペース110に複数のシールド芯線100cが隙間なく収容されているわけではなくある程度余裕を持って収容されており、絶縁外皮100f及びシールド被覆部材100eはある程度自由に変形可能である。従って、一対の樹脂部材101,102間に挟まれた際の押圧力によってある程度自由に変形するため、接地線とシールド被覆部材100eとの配置が一定の位置関係にならず、超音波溶融による接地線の導電線(図示せず)とシールド被覆部材100eとの間に安定した接触状態が得られ難いという問題がある。
【0008】
又、上記した理由により、複数のシールド芯線100cの位置も特定されないため、超音波溶着される際の一対の樹脂部材101,102間の加圧と超音波振動によって複数のシールド芯線100cの位置関係が不確定でバラツキがあり、シールド芯線100cが大きな振動エネルギーの伝達を受けるような位置関係になった場合にはシールド芯線100cの絶縁内皮100bが破れたり、切れたりする場合がある。すると、接地線103やシールド被覆部材100eと芯線100aとのショートや、芯線100a同士のショートが発生するという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、超音波溶着によって接地線とシールド被覆部材との電気的接触を確実に得ることにより電気性能の向上を図ることができ、且つ、接地線と芯線との間や芯線同士の間のショートを確実に防止して絶縁性能の向上を図ることができる多芯シールド電線のシールド処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、芯線が絶縁内皮で覆われた複数のシールド芯線とこの複数のシールド芯線の外周を覆う導電体のシールド被覆部材とこのシールド被覆部材のさらに外周を被う絶縁外皮とを有する多芯シールド電線と、互いの接合面同士を突き合わせた状態で前記多芯シールド電線の外形断面形状にほぼ対応する孔が形成される凹部をそれぞれ有する一対の樹脂部材と、接地線とを備え、
前記一対の樹脂部材間に前記多芯シールド電線を挟み、前記各凹部内に前記多芯シールド電線を配置し、且つ、前記多芯シールド電線と前記樹脂部材との間に前記接地線の一端側を介在させ、この状態で一対の樹脂部材間を超音波加振し、少なくとも前記絶縁外皮を溶融飛散されて前記接地線の導電線と前記シールド被覆部材とを電気的に接触させる多芯シールド電線のシールド処理方法であって、
前記多芯シールド電線には、外側からの圧縮力により複数の前記シールド芯線が横一列に配置されるように外形断面形状が略楕円形状にされて、一対の前記樹脂部材間の挟持力によって前記複数のシールド芯線がほとんど位置移動せず、且つ、前記シールド被覆部材がほとんど変形しない外形形状とする形状フォーミング処理を施し、この形状フォーミング処理を施した前記多芯シールド電線に対して一対の前記樹脂部材を用いた前記接地線との接続を行うことを特徴とする。
【0011】
この多芯シールド電線のシールド処理方法では、多芯シールド電線が一対の樹脂部材間に挟まれた際の押圧力によってもシールド被覆部材がほとんど変形せず、超音波溶着前の接地線とシールド被覆部材が一定の位置に配置され、又、複数のシールド芯線はほとんど移動不可能であることから超音波溶着される際の一対の樹脂部材間の加圧と超音波振動によっても位置バラツキが発生せず超音波振動による発熱でシールド芯線の絶縁内皮が破れたり、切れたりすることがない。
【0012】
この多芯シールド電線のシールド処理方法では、請求項3の発明の作用に加え、多芯シールド電線の形状フォーミング処理は例えば上下方向からの圧縮力を加えれば良い。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1〜図7は本発明の一実施形態を示し、図1は多芯シールド電線1の断面図、図2は多芯シールド電線1への形状フォーミング処理を示す図、図3は形状フォーミング処理が施された多芯シールド電線1の断面図、図4は一対の樹脂部材10,11の斜視図、図5は超音波加振する直前の各部材のセット状態を示す図、図6は超音波加振により得られたシールド処理構造を示す図、図7はシールド処理構造が付加された多芯シールド電線1の斜視図である。
【0015】
シールド処理構造は、形状フォーミング処理された多芯シールド電線1のアルミ箔被覆部材6を一対の樹脂部材10,11を利用して接地線13の導電線13aに超音波ホーン15を用いて電気的に接続するものであり、以下詳細に説明する。
【0016】
図1に示すように、多芯シールド電線1は、芯線2が絶縁内皮3で覆われた2本のシールド芯線4と、ドレーン線5と、2本のシールド芯線4及びドレーン線5の外周を覆う導電体のシールド被覆部材であるアルミ箔被覆部材6と、このアルミ箔被覆部材6のさらに外周を被う絶縁外皮7とから構成されており、外形断面形状が略円形状を有する。絶縁内皮3及び絶縁外皮7は合成樹脂製の絶縁体にて形成され、芯線2,ドレーン線5は、アルミ箔部材6と同様に導電体にて形成されている。
【0017】
図2に示すように、外形断面形状が円形である多芯シールド電線1は、互いに対向する側に浅い凹部8a,9aを有する樹脂製の上下一対の電線形状変形治具8,9によって形状変形を施される。つまり、上下一対の電線形状変形治具8,9の間に多芯シールド電線1を配置し、この多芯シールド電線1を一対の電線形状変形治具8,9で上下方向に圧縮する。すると、多芯シールド電線1が互いの凹部8a,9aに規制されながら変形され、多芯シールド電線1が、図3に示すように、2本のシールド芯線4及びドレーン線5が横一列に配置されて略楕円形状の外形断面形状に変形される。尚、図3では、2本のシールド芯線4及びドレーン線5の配列順序は左からシールド芯線4、シールド芯線4、ドレーン線5の順に並んでいるが、どのような順序で配列されても良く、2本のシールド芯線4及びドレーン線5が横一列に配置されれば良い。
【0018】
図4に示すように、一対の樹脂部材10,11は、それぞれ同一形状の合成樹脂製のブロックであり、互いの接合面同士10a,11aを突き合わせた状態で多芯シールド電線1の外形断面形状にほぼ対応する孔が形成される凹部10b、11bがそれぞれ形成されている。凹部10b,11bは、詳細には多芯シールド電線1の楕円形状を2分割した略半楕円形状の溝である。そして、互いの接合面10a,11aを突き合わせて形成される略楕円形状の孔は、図6に示すように、短軸方向の長さaは、シールド芯線4の外径寸法と、アルミ箔被覆部材6及び絶縁外皮7の肉厚の2倍の寸法とを合計した寸法に設定されている。長軸方向の長さbは、シールド芯線4の外径の2倍の寸法と、ドレーン線5の外径寸法と、アルミ箔被覆部材6及び絶縁外皮7の肉厚の2倍の寸法とを合計した寸法に設定されている。
【0019】
又、樹脂部材10,11の物性としては、絶縁外皮7等より溶融しにくく、アクリル系樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)系樹脂、PC(ポリカーボネート)系樹脂、PE(ポリエチレン)系樹脂、PEI(ポリエーテルイミド)系樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)系樹脂等であり、一般に絶縁外皮7等で使用される塩化ビニル等に較べて硬質である。導電性及び導電安全性の点からは、上記に掲げた全ての樹脂に実用性が求められ、外観性及び絶縁性を含めて判断した場合には、特にPEI(ポリエーテルイミド)系樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)系樹脂が適する。
【0020】
接地線13は、図5に示すように、導電線13aとこの外周を覆う絶縁外皮13bとから構成されている。
【0021】
超音波ホーン15は、図5に示すように、下方に配置される樹脂部材11を位置決めできる下側支持台15aと、この下側支持台15aの真上に配置され、下方に押圧力を作用させながら超音波振動を印加できる超音波ホーン本体15bとから構成されている。
【0022】
次に、シールド処理手順を説明する。先ず、外形断面形状が円形である多芯シールド電線1の端部付近を上下一対の電線形状変形治具8,9を用いて外形断面形状が略楕円形状とする形状フォーミング処理を施す。この形状フォーミング処理によって多芯シールド電線1は、図3に示すように、内部の2本のシールド芯線4及びドレーン線5が横一列に配置されて略楕円形状の外形断面形状に変形される。
【0023】
次に、図5に示すように、下方の樹脂部材11を超音波ホーン15の下側支持台15aに設置し、その上から形状フォーミング処理された多芯シールド電線1の端部付近を載置し、その上に接地線13の一端側を載置し、更にその上から上方の樹脂部材10を被せる。このようにして一対の樹脂部材10,11の各凹部10b,11b内に多芯シールド電線1を配置し、且つ、この多芯シールド電線1と上方の樹脂部材11との間に接地線13の一端側を介在させる。
【0024】
次に、超音波ホーン本体15bを降下させて一対の樹脂部材10,11間に圧縮力を作用させつつ超音波ホーン15で加振する。すると、多芯シールド電線1の絶縁外皮7と接地線13の絶縁外皮13bが振動エネルギーの内部発熱によって溶融飛散され、接地線13の導電線13aと多芯シールド電線1のアルミ箔被覆部材6とが電気的に接触される(図6参照)。又、一対の樹脂部材10,11の接合面10a,11aの各接触部分や、一対の樹脂部材10,11の凹部10b,11bの内周面と多芯シールド電線1の絶縁外皮7との接触部分や、接地線13の絶縁樹脂13bと一対の樹脂部材10,11との接触部分が振動エネルギーの内部発熱によって溶融し、この溶融された部分が超音波加振終了後に固化されることによって一対の樹脂部材10,11、多芯シールド電線1及び接地線13がそれぞれ互いに固定される(図6及び図7参照)。
【0025】
このシールド処理構造によれば、多芯シールド電線1や接地線13の絶縁外皮7,13bの皮剥きを行う必要がなく、下方の樹脂部材11、多芯シールド電線1、接地線13、上方の樹脂部材10の順に組み付けて超音波加振を行えば良いので、工程数が少なく、且つ、複雑な手作業もなく、自動化も可能である。
【0026】
又、上記動作過程にあって、多芯シールド電線1は、一対の樹脂部材10,11間の挟持力によって複数のシールド芯線4がほとんど位置移動せず、且つ、アルミ箔被覆部材6がほとんど変形しない外形形状に変形されているので、多芯シールド電線1が一対の樹脂部材10,11間に挟まれた際の押圧力によってもアルミ箔被覆部材6がほとんど変形(位置移動)せず、超音波溶着前の接地線13とアルミ箔被覆部材6との配置が一定の位置に配置されるため、超音波溶着によって接地線13とアルミ箔被覆部材6との電気的接触を確実に得ることができ電気性能の向上を図ることができる。又、2本のシールド芯線4はほとんど移動不可能であることから超音波溶着される際の一対の樹脂部材10,11間の加圧と超音波振動によっても位置バラツキが発生せず超音波振動による発熱でシールド芯線4の絶縁内皮3が破れたり、切れたりすることがなるため、接地線13と芯線2との間や芯線2同士の間のショートを確実に防止でき絶縁性能の向上を図ることができる。
【0027】
又、前記実施形態では、多芯シールド電線1の形状フォーミング処理は、外側からの圧縮力により2本のシールド芯線4が横一列に配置されるように外形断面形状が略楕円形状とされるものであるので、多芯シールド電線1に例えば上下方向からの圧縮力を加えれば良いため、多芯シールド電線1の形状フォーミング処理が容易である。
【0028】
又、前記実施形態にあって、接地線13の導電線13aとして錫メッキ電線等の低融点金属メッキ線を用いれば、振動エネルギーによって低融点金属メッキ線が一部溶融してアルミ箔被覆部材6と接触するため、多芯シールド電線1のアルミ箔被覆部材6と接地線13の導電線13aとの接触箇所の信頼性が向上する。
【0029】
尚、前記実施形態では、一対の樹脂部材10,11の各凹部10b,11bによって形成される孔の寸法a,bが、多芯シールド電線1を隙間なく収容する寸法に設定されているので、超音波溶着時や溶着後において多芯シールド電線1の部材がほとんど移動できないため、非常に強固なシールド処理構造となる。但し、一対の樹脂部材10,11で形成される孔の寸法a,bは、多芯シールド電線1の外形寸法に対して若干余裕を持たせて設定しても略同様の効果が得られる。
【0030】
尚、前記実施形態によれば、接地線13を樹脂部材10と多芯シールド電線1との間に配置する際に、絶縁外皮13bを剥ぎ取らない状態で配置したが、絶縁外皮13bを剥ぎ取ったものを配置するようにしても良い。
【0031】
尚、前記実施形態によれば、シールド被覆部材はアルミ箔被覆部材6にて構成されているが、アルミニウム以外の導電性金属箔にて構成しても良く、又、導電体の編組線にて構成しても良い。
【0032】
尚、前記実施形態によれば、多芯シールド電線1にはドレーン線5が設けられているが、ドレーン線5が設けられていないものでも良い。但し、前記実施形態のようにドレーン線5を有するものであれば、このドレーン線5をアース接続することによってもシールドできるため、シールド対策のバリエーションがその分増えるという利点がある。
【0033】
尚、前記実施形態によれば、多芯シールド電線1は、2本のシールド芯線4を有するものについて説明したが、3本以上のシールド芯線4を有するものでも同様に本発明が適用できることはもちろんである。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、多芯シールド電線が一対の樹脂部材間に挟まれた際の押圧力によってもシールド被覆部材がほとんど変形せず、超音波溶着前の接地線とシールド被覆部材が一定の位置に配置され、又、複数のシールド芯線はほとんど移動不可能であることから超音波溶着される際の一対の樹脂部材間の加圧と超音波振動によっても位置バラツキが発生せず超音波振動による発熱でシールド芯線の絶縁内皮が破れたり、切れたりすることがなくなる。従って、超音波溶着によって接地線とシールド被覆部材との電気的接触を確実に得ることができ電気性能の向上を図ることができ、且つ、接地線と芯線との間や芯線同士の間のショートを確実に防止でき絶縁性能の向上を図ることができる。
【0035】
また、多芯シールド電線の形状フォーミング処理は例えば上下方法からの圧縮力を加えれば良いため、多芯シールド電線の形状フォーミング処理が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示し、多芯シールド電線の断面図である。
【図2】 本発明の一実施形態を示し、多芯シールド電線への形状フォーミング処理を示す図である。
【図3】 本発明の一実施形態を示し、形状フォーミング処理が施された多芯シールド電線の断面図である。
【図4】 本発明の一実施形態を示し、一対の樹脂部材の斜視図である。
【図5】 本発明の一実施形態を示し、超音波加振する直前の各部材のセット状態を示す図である。
【図6】 本発明の一実施形態を示し、超音波加振により得られたシールド処理構造を示す図である。
【図7】 本発明の一実施形態を示し、シールド処理構造が付加された多芯シールド電線の斜視図である。
【図8】 従来例のシールド処理構造の断面図である。
【符号の説明】
1 多芯シールド電線
2 芯線
3 絶縁内皮
4 シールド芯線
5 ドレーン線
6 アルミ箔被覆部材(シールド被覆部材)
7 絶縁外皮
8,9 電線形状変形治具
10,11 樹脂部材
10a,11a 接合面
10b,11b 凹部
13 接地線
13a 導電線
13b 絶縁外皮
15 超音波ホーン
Claims (1)
- 芯線が絶縁内皮で覆われた複数のシールド芯線とこの複数のシールド芯線の外周を覆う導電体のシールド被覆部材とこのシールド被覆部材のさらに外周を被う絶縁外皮とを有する多芯シールド電線と、互いの接合面同士を突き合わせた状態で前記多芯シールド電線の外形断面形状にほぼ対応する孔が形成される凹部をそれぞれ有する一対の樹脂部材と、接地線とを備え、
前記一対の樹脂部材間に前記多芯シールド電線を挟み、前記各凹部内に前記多芯シールド電線を配置し、且つ、前記多芯シールド電線と前記樹脂部材との間に前記接地線の一端側を介在させ、この状態で一対の樹脂部材間を超音波加振し、少なくとも前記絶縁外皮を溶融飛散されて前記接地線の導電線と前記シールド被覆部材とを電気的に接触させる多芯シールド電線のシールド処理方法であって、
前記多芯シールド電線には、外側からの圧縮力により複数の前記シールド芯線が横一列に配置されるように外形断面形状が略楕円形状にされて、一対の前記樹脂部材間の挟持力によって前記複数のシールド芯線がほとんど位置移動せず、且つ、前記シールド被覆部材がほとんど変形しない外形形状とする形状フォーミング処理を施し、この形状フォーミング処理を施した前記多芯シールド電線に対して一対の前記樹脂部材を用いた前記接地線との接続を行うことを特徴とする多芯シールド電線のシールド処理方法。
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