JP4034043B2 - 多芯シールド電線のシールド処理構造及びそのシールド処理方法 - Google Patents

多芯シールド電線のシールド処理構造及びそのシールド処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多芯シールド電線のシールド被覆部材と接地線とを接続する多芯シールド電線のシールド処理構造及びそのシールド処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来例としては、図7や図8に示す特開平4−269470号公報に開示されたものがある。
【0003】
図7のシールド処理構造は、シールド電線100の端部付近の絶縁外皮101を一部剥ぎ取り、シールド被覆部材である編組線102を露出させる。接地線103の方も端部の絶縁外皮104を剥ぎ取り、導電線105を露出させる。そして、シールド電線100の編組線102と接地線103の導電線105とを連結部材106で圧着固定するものである。
【0004】
図8のシールド処理構造は、シールド電線110の端部の絶縁外皮111等を剥ぎ取り、ドレーン線112を露出させ、この露出したドレーン線112を接地線として用いるものである。
【0005】
しかし、このいずれのシールド処理構造共に、工程数が多く、且つ、手作業が多いという問題がある。又、そのため自動化もできないものである。
【0006】
このような問題を解決する従来のシールド処理構造として、図9及び図10に示す特開平11−135167号公報に開示されたものがある。
【0007】
図9及び図10のシールド処理構造は、単芯シールド電線120の編組線120dを一対の樹脂部材121,122を利用して接地線123の導電線123aに超音波ホーン125を用いて電気的に接続するものである。
【0008】
つまり、単芯シールド電線120は、芯線120aが絶縁内皮120bで覆われた1本のシールド芯線120cとこのシールド芯線120cの外周を覆う導電体の編組線120dとこの編組線120dのさらに外周を被う絶縁外皮120eとから構成されている。一対の樹脂部材121,122は、互いの接合面121a,122a同士を突き合わせた状態で単芯シールド電線120の外形断面形状に対応する孔が形成される凹部121b,122bをそれぞれ有する。接地線123は、導電線123aとこの外周を覆う絶縁外皮123bとから構成されている。超音波ホーン125は、下方の下側支持台(図示せず)と上方の超音波ホーン本体125aとから構成されている。
【0009】
次に、シールド処理手順を説明する。下方の樹脂部材122を超音波ホーン125の下側支持台(図示せず)に設置し、その上から単芯シールド電線120を載置し、その上に接地線123の一端側を載置し、更にその上から上方の樹脂部材121を被せる。このようにして一対の樹脂部材121,122の各凹部121b,122b内に単芯シールド電線120を配置し、且つ、この単芯シールド電線120と上方の樹脂部材121との間に接地線123の一端側を介在させる。
【0010】
この状態で一対の樹脂部材121,122間に圧縮力を作用させつつ超音波ホーン125で加振する。すると、単芯シールド電線120の絶縁外皮120eと接地線123の絶縁外皮123bが振動エネルギーによる内部発熱によって溶融飛散され、接地線123の導電線123aと単芯シールド電線120の編組線120dとが電気的に接触される。又、一対の樹脂部材121,122の接合面121a,122aの各接触部分や、一対の樹脂部材121,122の凹部121b,122bの内周面と単芯シールド電線120の絶縁外皮120eとの接触部分や、接地線123の絶縁樹脂123bと一対の樹脂部材121,122との接触部分が振動エネルギーによる発熱によって溶融し、この溶融された部分が超音波加振終了後に固化されることによって一対の樹脂部材121,122、単芯シールド電線120及び接地線123がそれぞれ互いに固定される。
【0011】
このシールド処理構造及び方法によれば、単芯シールド電線120や接地線123の絶縁外皮120e,123bの皮剥きを行う必要がなく、下方の樹脂部材122、単芯シールド電線120、接地線123、上方の樹脂部材121の順に組み付けて超音波加振を行えば良いので、工程数が少なく、且つ、複雑な手作業もなく、自動化も可能である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したシールド処理構造では、単芯シールド電線120について適切なシールド処理が可能であるが、これをシールド電線の内部形態が異なる多芯シールド電線に適用すると、次のような不具合が発生する。
【0013】
つまり、多芯シールド電線は絶縁外皮と編組線の内部スペースに複数のシールド芯線が隙間なく収容されているわけではなくある程度余裕を持って収容されている。そのため、一対の樹脂部材121,122間に挟まれた状態での編組線と複数のシールド芯線との密着度合い・配置関係が不確定であり、密着度合いが過度である場合には大きな振動エネルギーの伝達を受けてシールド芯線の絶縁内皮が破れたり、切れたりする場合がある。すると、接地線やシールド被覆部材が芯線に接触することによってショートし、又、多芯シールド電線の強度が弱くなる。
【0014】
これを防止するため、超音波加振で印加する振動エネルギーを低くすることが考えられるが、振動エネルギーを低くすると、一対の樹脂部材121,122間の溶融固化による接着強度が弱くなる。
【0015】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、一対の樹脂部材間の接続を強固にでき、しかも、接地線やシールド被覆部材が芯線に接触することによるショートや多芯シールド電線の強度劣化を防止できる多芯シールド電線のシールド処理構造及びそのシールド処理方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
芯線が絶縁内皮で覆われた複数のシールド芯線とこの複数の芯線の外周を覆う導電体のシールド被覆部材とこのシールド被覆部材のさらに外周を被う絶縁外皮とを有する多芯シールド電線と、互いの接合面同士を突き合わせた状態で前記多芯シールド電線の外形断面形状にほぼ対応する孔が形成される凹部をそれぞれ有する一対の樹脂部材と、接地線とを備え、
前記一対の樹脂部材間に前記多芯シールド電線を挟み、前記各凹部内に前記多芯シールド電線を配置し、且つ、前記多芯シールド電線と前記樹脂部材との間に前記接地線の一端側を介在させ、この状態で一対の樹脂部材間に圧縮力を作用させつつ超音波加振し、少なくとも前記絶縁外皮を溶融飛散されて前記接地線の導電線と前記シールド被覆部材との接触部分が形成された多芯シールド電線のシールド処理機構であって、
前記一対の樹脂部材の接合面に凸部を設け、前記凸部は、前記凹部の左右で、且つ、その周縁に設けられ、前記一対の樹脂部材の双方で、且つ、前記各接合面の互いに対向する位置に設けられたことを特徴とする多芯シールド電線のシールド処理構造。
【0017】
この多芯シールド電線のシールド処理構造では、超音波加振を行う前は、一対の樹脂部材同士が凸部を介して密着されており、この状態で超音波加振が開始されるとこの振動エネルギーが凸部に集中することから一対の樹脂部材同士が互いの接合面付近で十分に溶融して強固に密着され、このような一対の樹脂部材の凸部への振動エネルギーの集中によって接地線や多芯シールド電線への振動エネルギーが低く抑えられ、多芯シールド電線の外側に配置された絶縁外皮等が溶融して接地線とシールド被覆部材とが電気的に接続される程度の振動エネルギーが伝達されるにとどまり、過剰な振動エネルギーの伝達によって多芯シールド電線の絶縁内皮が溶融によって破れたり、切れたりすることがない。
【0019】
この多芯シールド電線のシールド処理構造では、多芯シールド電線の軸方向のどの位置でも凸部に振動エネルギーが集中する。
【0021】
この多芯シールド電線のシールド処理構造では、一対の樹脂部材を同一形状にできる。
【0022】
請求項2の発明は、請求項1記載の多芯シールド電線のシールド処理構造であって、前記接地線の導電線は、低融点金属メッキ線であることを特徴とする多芯シールド電線のシールド処理構造である。
【0023】
この多芯シールド電線のシールド処理構造では、請求項1の発明の作用に加え、振動エネルギーによって低融点金属メッキ線が一部溶融してシールド被覆部材と接触する。
【0024】
請求項3の発明は、芯線が絶縁内皮で覆われた複数のシールド芯線とこの複数のシールド芯線の外周を覆う導電体のシールド被覆部材とこのシールド被覆部材のさらに外周を被う絶縁外皮とを有する多芯シールド電線と、互いの接合面同士を突き合わせた状態で前記多芯シールド電線の外形断面形状にほぼ対応する孔が形成される凹部をそれぞれ有する一対の樹脂部材と、接地線とを備え、 前記一対の樹脂部材間に前記多芯シールド電線を挟み、前記各凹部内に前記多芯シールド電線を配置し、且つ、前記多芯シールド電線と前記樹脂部材との間に前記接地線の一端側を介在させ、この状態で一対の樹脂部材間を超音波加振し、少なくとも前記絶縁外皮を溶融飛散されて前記接地線の導電線と前記シールド被覆部材とを電気的に接触させる多芯シールド電線のシールド処理方法であって、 前記一対の樹脂部材の接合面に、前記凹部の左右で、且つ、その周縁に沿って連続的に、前記一対の樹脂部材の双方で、且つ、前記各接合面の互いに対向する位置に前記凸部が設けられ、超音波加振の際には前記凸部に振動エネルギーを集中させたことを特徴とする。
【0025】
この多芯シールド電線のシールド処理方法では、超音波加振を行う前は、一対の樹脂部材同士が凸部を介して密着されており、この状態で超音波加振が開始されるとこの振動エネルギーが凸部に集中することから一対の樹脂部材同士が互いの接合面付近で十分に溶融して強固に密着され、このような一対の樹脂部材の凸部への振動エネルギーの集中によって接地線や多芯シールド電線への振動エネルギーが低く抑えられ、多芯シールド電線の外側に配置された絶縁外皮等が溶融して接地線とシールド被覆部材とが電気的に接続される程度の振動エネルギーが伝達されるにとどまり、過剰な振動エネルギーの伝達によって多芯シールド電線の絶縁内皮が溶融によって破れたり、切れたりすることがない。
【0027】
この多芯シールド電線のシールド処理方法では、請求項3の発明の作用に加え、多芯シールド電線の軸方向のどの位置でも凸部に振動エネルギーが集中する。
【0029】
この多芯シールド電線のシールド処理方法では、一対の樹脂部材を同一形状にできる。
【0030】
請求項4の発明は、請求項3記載の多芯シールド電線のシールド処理方法であって、前記接地線は、その導電線が低融点金属メッキ線であるものを用いたことを特徴とする多芯シールド電線のシールド処理方法である。
【0031】
この多芯シールド電線のシールド処理方法では、請求項3の発明の作用に加え、振動エネルギーによって低融点金属メッキ線が一部溶融してシールド被覆部材と接触する。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
図1〜図6は本発明の一実施形態を示し、図1は多芯シールド電線1の断面図、図2は一対の樹脂部材10,11の斜視図、図3は超音波加振に際して各部材の配置関係を示す図、図4は超音波加振する直前の各部材のセット状態を示す図、図5は超音波加振により得られたシールド処理構造を示す図、図6はシールド処理構造が付加された多芯シールド電線1の斜視図である。
【0034】
シールド処理構造は、多芯シールド電線1のアルミ箔被覆部材6を一対の樹脂部材10,11を利用して接地線13の導電線13aに超音波ホーン15を用いて電気的に接続するものであり、以下詳細に説明する。
【0035】
図1に示すように、多芯シールド電線1は、芯線2が絶縁内皮3で覆われた2本のシールド芯線4と、ドレーン線5と、2本のシールド芯線4及びドレーン線5の外周を覆う導電体のシールド被覆部材であるアルミ箔被覆部材6と、このアルミ箔被覆部材6のさらに外周を被う絶縁外皮7とから構成されている。絶縁内皮3及び絶縁外皮7は合成樹脂製の絶縁体にて形成され、芯線2,ドレーン線5は、アルミ箔部材6と同様に導電体にて形成されている。
【0036】
図2に示すように、一対の樹脂部材10,11は、それぞれ同一形状の合成樹脂製のブロックであり、互いの接合面同士10a,11aを突き合わせた状態で多芯シールド電線1の外形断面形状にほぼ対応する孔が形成される凹部10b、11bがそれぞれ形成されている。凹部10b,11bは、詳細には多芯シールド電線1の外形の半径を半径とする半円弧状の溝である。又、各樹脂部材10,11には、凹部10b,11bの左右で、且つ、その周縁に沿って連続的に凸部10c,11cがそれぞれ設けられている。そして、一対の樹脂部材10,11の各凸部10c,11cは、各接合面10a,1aの互いに対向する位置に設けられている。
【0037】
又、樹脂部材10,11の物性としては、絶縁外皮7等より溶融しにくく、アクリル系樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)系樹脂、PC(ポリカーボネート)系樹脂、PE(ポリエチレン)系樹脂、PEI(ポリエーテルイミド)系樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)系樹脂等であり、一般に絶縁外皮7等で使用される塩化ビニル等に較べて硬質である。導電性及び導電安全性の点からは、上記に掲げた全ての樹脂に実用性が求められ、外観性及び絶縁性を含めて判断した場合には、特にPEI(ポリエーテルイミド)系樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)系樹脂が適する。
【0038】
接地線13は、図3に示すように、導電線13aとこの外周を覆う絶縁外皮13bとから構成されている。
【0039】
超音波ホーン15は、図3に示すように、下方に配置される樹脂部材11を位置決めできる下側支持台15aと、この下側支持台15aの真上に配置され、下方に押圧力を作用させながら超音波振動を印加できる超音波ホーン本体15bとから構成されている。
【0040】
次に、シールド処理手順を説明する。図3に示すように、下方の樹脂部材11を超音波ホーン15の下側支持台15aに設置し、その上から多芯シールド電線1の端部付近を載置し、その上に接地線13の一端側を載置し、更にその上から上方の樹脂部材10を被せる。このようにして一対の樹脂部材10,11の各凹部10b,11b内に多芯シールド電線1を配置し、且つ、この多芯シールド電線1と上方の樹脂部材11との間に接地線13の一端側を介在させる。
【0041】
次に、図4に示すように、超音波ホーン本体15bを降下させて一対の樹脂部材10,11間に圧縮力を作用させつつ超音波ホーン15で加振する。すると、多芯シールド電線1の絶縁外皮7と接地線13の絶縁外皮13bが振動エネルギーの内部発熱によって溶融飛散され、接地線13の導電線13aと多芯シールド電線1のアルミ箔被覆部材6とが電気的に接触される(図5参照)。又、一対の樹脂部材10,11の接合面10a,11aの各接触部分や、一対の樹脂部材10,11の凹部10b,11bの内周面と多芯シールド電線1の絶縁外皮7との接触部分や、接地線13の絶縁樹脂13bと一対の樹脂部材10,11との接触部分が振動エネルギーの内部発熱によって溶融し、この溶融された部分が超音波加振終了後に固化されることによって一対の樹脂部材10,11、多芯シールド電線1及び接地線13がそれぞれ互いに固定される(図5及び図6参照)。
【0042】
このシールド処理構造によれば、多芯シールド電線1や接地線13の絶縁外皮7,13bの皮剥きを行う必要がなく、下方の樹脂部材11、多芯シールド電線1、接地線13、上方の樹脂部材10の順に組み付けて超音波加振を行えば良いので、工程数が少なく、且つ、複雑な手作業もなく、自動化も可能である。
【0043】
又、上記動作過程にあって、超音波加振を行う前は、一対の樹脂部材10,11同士が凸部10c,11cを介して密着されており、この状態で超音波加振が開始されるとこの振動エネルギーが凸部10c,11cに集中することから一対の樹脂部材10,11同士が互いの接合面10a,11a付近で十分に溶融して強固に密着され、このような一対の樹脂部材10,11の凸部10c,11cへの振動エネルギーの集中によって接地線13や多芯シールド電線1への振動エネルギーが低く抑えられ、多芯シールド電線1の外側に配置された絶縁外皮7や接地線13の絶縁外皮13bが溶融して接地線13とアルミ箔被覆部材6とが電気的に接続される程度の振動エネルギーが伝達されるにとどまる。従って、過剰な振動エネルギーの伝達によって多芯シールド電線1の絶縁内皮3が溶融によって破れたり、切れたりすることがない。以上より、一対の樹脂部材10,11間の接続を強固にでき、しかも、接地線13やアルミ箔被覆部材6が芯線2に接触することによるショートや多芯シールド電線1の強度劣化を防止できる。
【0044】
又、上記実施形態では、各樹脂部材10,11に設けられた凸部10c,11cは、凹部10b,11bの左右で、且つ、その周縁に沿って連続的に設けられているので、多芯シールド電線1の軸方向のどの位置でも凸部10c,11cに振動エネルギーが集中するため、多芯シールド電線1の軸方向について多芯シールド電線1への振動エネルギーを均一に低減できる。
【0045】
又、上記実施形態では、凸部10c,11cは、一対の樹脂部材10,11の双方で、且つ、各接合面10a,11aの互いに対向する位置に設けられているので、一対の樹脂部材10,11を同一形状にできるため、樹脂部材10,111の製造コストの低減や樹脂部材10,11の取扱いが容易になる等の利点がある。
【0046】
又、上記実施形態にあって、接地線13の導電線13aとして錫メッキ電線等の低融点金属メッキ線を用いれば、振動エネルギーによって低融点金属メッキ線が一部溶融してアルミ箔被覆部材6と接触するため、多芯シールド電線1のアルミ箔被覆部材6と接地線13の導電線13aとの接触箇所の信頼性が向上する。
【0047】
尚、前記実施形態によれば、一対の樹脂部材10,11の接合面10a,11aの双方に凸部10c,11cを設けたが、いずれか一方の樹脂部材10,11の接合面10a,11aにのみ設けても良い。
【0048】
尚、前記実施形態によれば、接地線13を樹脂部材10と多芯シールド電線1との間に配置する際に、絶縁外皮13bを剥ぎ取らない状態で配置したが、絶縁外皮13bを剥ぎ取ったものを配置するようにしても良い。
【0049】
尚、前記実施形態によれば、シールド被覆部材はアルミ箔被覆部材6にて構成されているが、アルミニューム以外の導電性金属箔にて構成しても良く、又、導電体の編組線にて構成しても良い。
【0050】
尚、前記実施形態によれば、多芯シールド電線1にはドレーン線5が設けられているが、ドレーン線5が設けられていないものでも良い。但し、前記実施形態のようにドレーン線5を有するものであれば、このドレーン線5をアース接続することによってもシールドできるため、シールド対策のバリエーションがその分増えるという利点がある。
【0051】
尚、前記実施形態によれば、多芯シールド電線1は、2本のシールド芯線4を有するものについて説明したが、3本以上のシールド芯線4を有するものでも同様に本発明が適用できることはもちろんである。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、多芯シールド電線のシールド処理構造では、超音波加振を行う前は、一対の樹脂部材同士が凸部を介して密着されており、この状態で超音波加振が開始されるとこの振動エネルギーが凸部に集中することから一対の樹脂部材同士が互いの接合面付近で十分に溶融して強固に密着され、このような一対の樹脂部材の凸部への振動エネルギーの集中によって接地線や多芯シールド電線への振動エネルギーが低く抑えられ、多芯シールド電線の外側に配置された絶縁外皮等が溶融して接地線とシールド被覆部材とが電気的に接続される程度の振動エネルギーが伝達されるにとどまり、過剰な振動エネルギーの伝達によって多芯シールド電線の絶縁内皮が溶融によって破れたり、切れたりすることがない。従って、一対の樹脂部材間の接続を強固にでき、しかも、接地線やシールド被覆部材が芯線に接触することによるショートや多芯シールド電線の強度劣化を防止できる。
【0053】
また、多芯シールド電線の軸方向のどの位置でも凸部に振動エネルギーが集中するため、多芯シールド電線の軸方向について多芯シールド電線への振動エネルギーを均一に低減できる。
【0054】
また、一対の樹脂部材
を同一形状にできるため、樹脂部材の製造コストの低減や樹脂部材の取扱いが容易になる等の利点がある。
【0055】
請求項2の発明によれば、この多芯シールド電線のシールド処理構造では、請求項1〜請求項3の発明の効果に加え、振動エネルギーによって低融点金属メッキ線が一部溶融してシールド被覆部材と接触するため、多芯シールドのシールド被覆部材と接地線の導電線との接触箇所の信頼性が向上する。
【0056】
請求項3の発明によれば、この多芯シールド電線のシールド処理方法では、超音波加振を行う前は、一対の樹脂部材同士が凸部を介して密着されており、この状態で超音波加振が開始されるとこの振動エネルギーが凸部に集中することから一対の樹脂部材同士が互いの接合面付近で十分に溶融して強固に密着され、このような一対の樹脂部材の凸部への振動エネルギーの集中によって接地線や多芯シールド電線への振動エネルギーが低く抑えられ、多芯シールド電線の外側に配置された絶縁外皮等が溶融して接地線とシールド被覆部材とが電気的に接続される程度の振動エネルギーが伝達されるにとどまり、過剰な振動エネルギーの伝達によって多芯シールド電線の絶縁内皮が溶融によって破れたり、切れたりすることがない。従って、一対の樹脂部材間の接続を強固にでき、しかも、接地線やシールド被覆部材が芯線に接触することによるショートや多芯シールド電線の強度劣化を防止できる。
【0057】
また、多心シールド電線の軸方向のどの位置でも凸部に振動エネルギーが集中するため、多芯シールド電線の軸方向について多芯シールド電線への振動エネルギーを均一に低減できる。
【0058】
また、一対の樹脂部材を同一形状にできるため、樹脂部材の製造コストの低減や樹脂部材の取扱いが容易になる等の利点がある。
【0059】
請求項4の発明によれば、振動エネルギーによって低融点金属メッキ線が一部溶融してシールド被覆部材と接触するため、多芯シールドのシールド被覆部材と接地線の導電線との接触箇所の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示し、多芯シールド電線の断面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示し、一対の樹脂部材の斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態を示し、超音波加振に際して各部材の配置関係を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態を示し、超音波加振する直前の各部材のセット状態を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態を示し、超音波加振により得られたシールド処理構造を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態を示し、シールド処理構造が付加された多芯シールド電線の斜視図である。
【図7】従来例のシールド処理構造を示す斜視図である。
【図8】他の従来例のシールド処理構造を示す斜視図である。
【図9】更に他の従来例のシールド処理構造を示す正面図である。
【図10】更に他の従来例のシールド処理構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 多芯シールド電線
2 芯線
3 絶縁内皮
4 シールド芯線
5 ドレーン線
6 アルミ箔被覆部材(シールド被覆部材)
7 絶縁外皮
10,11 樹脂部材
10a,11a 接合面
10b,11b 凹部
10c,11c 凸部
13 接地線
13a 導電線
13b 絶縁外皮
15 超音波ホーン

Claims (4)

  1. 芯線が絶縁内皮で覆われた複数のシールド芯線とこの複数の芯線の外周を覆う導電体のシールド被覆部材とこのシールド被覆部材のさらに外周を被う絶縁外皮とを有する多芯シールド電線と、互いの接合面同士を突き合わせた状態で前記多芯シールド電線の外形断面形状にほぼ対応する孔が形成される凹部をそれぞれ有する一対の樹脂部材と、接地線とを備え、
    前記一対の樹脂部材間に前記多芯シールド電線を挟み、前記各凹部内に前記多芯シールド電線を配置し、且つ、前記多芯シールド電線と前記樹脂部材との間に前記接地線の一端側を介在させ、この状態で一対の樹脂部材間に圧縮力を作用させつつ超音波加振し、少なくとも前記絶縁外皮を溶融飛散されて前記接地線の導電線と前記シールド被覆部材との接触部分が形成された多芯シールド電線のシールド処理機構であって、
    前記一対の樹脂部材の接合面に凸部を設け、前記凸部は、前記凹部の左右で、且つ、その周縁に設けられ、前記一対の樹脂部材の双方で、且つ、前記各接合面の互いに対向する位置に設けられたことを特徴とする多芯シールド電線のシールド処理構造。
  2. 請求項1記載の多芯シールド電線のシールド処理構造であって、
    前記接地線の導電線は、低融点金属メッキ線であることを特徴とする多芯シールド電線のシールド処理構造。
  3. 芯線が絶縁内皮で覆われた複数のシールド芯線とこの複数のシールド芯線の外周を覆う導電体のシールド被覆部材とこのシールド被覆部材のさらに外周を被う絶縁外皮とを有する多芯シールド電線と、互いの接合面同士を突き合わせた状態で前記多芯シールド電線の外形断面形状にほぼ対応する孔が形成される凹部をそれぞれ有する一対の樹脂部材と、接地線とを備え、前記一対の樹脂部材間に前記多芯シールド電線を挟み、前記各凹部内に前記多芯シールド電線を配置し、且つ、前記多芯シールド電線と前記樹脂部材との間に前記接地線の一端側を介在させ、この状態で一対の樹脂部材間を超音波加振し、少なくとも前記絶縁外皮を溶融飛散されて前記接地線の導電線と前記シールド被覆部材とを電気的に接触させる多芯シールド電線のシールド処理方法であって、
    前記一対の樹脂部材の接合面に、前記凹部の左右で、且つ、その周縁に沿って連続的に、前記一対の樹脂部材の双方で、且つ、前記各接合面の互いに対向する位置に前記凸部が設けられ、超音波加振の際には前記凸部に振動エネルギーを集中させたことを特徴とする多芯シールド電線のシールド処理方法。
  4. 請求項3記載の多芯シールド電線のシールド処理方法であって、
    前記接地線は、導電線が低融点金属メッキ線であるものを用いたことを特徴とする多芯シールド電線のシールド処理方法。
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