JP6498862B2 - 電線接続構造、及び当該電線接続構造の製造方法 - Google Patents

電線接続構造、及び当該電線接続構造の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、主として、フレキシブルフラットケーブルと撚線との接続構造に関する。
近年、例えば自動車の電気配線において、スライドドア等へ給電するための配線に、フレキシブルフラットケーブルが採用される機会が増えてきている。
しかしながら、フレキブルフラットケーブルが採用されるのは一部のみであり、他の部分の配線にはワイヤハーネス(複数の撚線を束ねたもの)が利用されている。即ち、現状では、フレキシブルフラットケーブルと撚線が混在して配線されている。このため、フレキシブルフラットケーブルと、撚線と、を接続する構造が必要となる。
この点、非特許文献1は、フレキシブルフラットケーブルと撚線を接続する接続端子(非特許文献1では「WF端子」と称している)を開示している。この従来の接続端子を、図9に示す。図9に示す従来の接続端子90は、フレキシブルフラットケーブル接続部95と、撚線接続部91と、を一体的に形成したものである。
フレキシブルフラットケーブル接続部95は、一方向に向けて突出する複数のピアス94を有している。このピアス94を、フレキシブルフラットケーブルに厚み方向から貫通させることで、当該フレキシブルフラットケーブルの導体と接続端子90とを電気的に接続する。
撚線接続部91は、いわゆるオープンバレル式の圧着端子として構成されており、導体圧着部92と、被覆圧着部93と、を有している。導体圧着部92をカシメることにより、当該導体圧着部92を、撚線の導体に圧着させる。また、被覆圧着部93をカシメることにより、当該被覆圧着部93を、撚線の絶縁被覆に圧着させる。これにより、撚線の導体と接続端子90との電気的接続を確保するとともに、当該撚線に対して接続端子90を固定できる。
以上のような接続端子90により、フレキシブルフラットケーブルの導体と、撚線の導体と、を接続できる。
「古河電工時報」、第132号、p.58−59(関連製品「スライドドア向け常時給電装置」の項)、[online]、2013年9月、古河電気工業株式会社ホームページ、[2013年10月15日検索]、インターネット<URL: http://www.furukawa.co.jp/jiho/index.htm>
図9に示した従来の接続端子90では、ピアス94によって、フレキシブルフラットケーブルの導体及び被覆に孔を開けることになる。このため、例えばフレキシブルフラットケーブルに対して引っぱる方向の力が加わった場合、上記孔の部分に力が掛かり、当該孔が拡がったり、導体が千切れたりする原因になる可能性がある。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、フレキシブルフラットケーブルと撚線とを接続するための信頼性が高い構造を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、撚線と、絶縁体がフラット導体を厚み方向の両側から挟み込むように形成されたフレキシブルフラットケーブルと、接続部と、を有する電線接続構造が提供される。前記フラット導体は、その幅方向で複数並べて配置されている。前記接続部では、前記撚線の導体、及び前記フレキシブルフラットケーブルのフラット導体がレーザ溶接によって接続されている。前記接続部において、前記撚線の前記導体は、当該撚線の径方向に潰されて平坦部が形成されており、当該潰された前記導体に対してレーザを照射することにより、当該導体の素線同士を溶着させている。当該潰された前記導体と、前記フレキシブルフラットケーブルの、前記フラット導体を挟み込む前記絶縁体のうち一面側のみを除去して露出され、他面側に残しておいた前記絶縁体によってサポートされた前記フラット導体と、が厚み方向に重ねられてレーザ溶接されている(潰された前記導体と、前記導体を圧入孔に圧入して保持するか一体成形により保持したハウジングに形成される端子支持部と、の隙間に、前記露出されたフラット導体が挿入されて溶接される場合を除く)
このように、撚線の導体と、フレキシブルフラットケーブルのフラット導体と、を溶接によって接続するので、従来の接続端子のようにフラット導体にピアスで孔を開ける必要がない。これにより、フラット導体に無理な力がかかることを防止できる。また、溶接であるため、電気的接続の信頼性にも優れる。従って、本願発明の構成により、撚線とフレキシブルフラットケーブルとの接続部分の信頼性を向上させることができる。そして、レーザによってあぶって素線同士を溶着させ固定することで、素線がバラけてしまうことを防止できるとともに、熱が伝わり易くなり、溶接の確実性が向上する。また、撚線の導体を径方向に潰して薄くすることにより、レーザの焦点を合わせ易くなり、レーザ溶接を行い易くなっており、接続部の信頼性を一層向上させることができる。更に、素線同士の固定と接続部の形成とともにレーザ溶接を用いるので、レーザ溶接機を共用することができる。その上、片面側の絶縁体を残しておくことにより、露出させたフラット導体を、残しておいた絶縁体によって片面側からサポートできるので、当該フラット導体が損傷することを防止できる。そして、仮にフラット導体側からレーザを照射して溶接しようとしても、残してある絶縁体が邪魔になり、フラット導体にレーザを直接当てることができないのである。
上記の電線接続構造においては、少なくとも前記接続部を覆う防水部を備えることが好ましい。
これにより、接続部の周囲に水分が進入することを防止できるので、撚線の導体と、フラット導体と、が異種金属の場合であっても、電食の発生を防止できる。
上記の電線接続構造は、以下のように構成されることが好ましい。即ち、この電線接続構造は、収容部と、蓋部と、を有する保護ケースを備える。前記収容部と前記蓋部との間に収容空間が形成されている。そして、前記収容空間には、少なくとも前記接続部が収容されている。
保護ケースを設けることで、接続部を保護することができる。
上記の電線接続構造は、以下のように構成されていることが好ましい。即ち、前記保護ケースの前記収容空間内において、前記撚線又は前記フレキシブルフラットケーブルの少なくとも一方には、屈曲部が形成されている。そして、当該屈曲部を、前記蓋部及び収容部によって挟み込んでいる。
このように、ケース内で撚線又はフレキシブルフラットケーブルに屈曲部を形成し、かつ当該屈曲部をケースで挟み込むことにより、撚線又はフレキシブルフラットケーブルに対して引っ張り方向に力が加わったときに、当該力が接続部に伝わりにくくなる。これにより、引っ張りに対する接続部の耐久性が向上するので、当該接続部の信頼性を向上させることができる。
本願発明の別の観点によれば、撚線と、絶縁体がフラット導体を厚み方向の両側から挟み込むように形成されたフレキシブルフラットケーブルと、を有し、前記フラット導体は、その幅方向で複数並べて配置されている電線接続構造の製造方法が以下のとおり提供される。即ち、この製造方法は、平坦部形成工程と、素線固定工程と、接続工程と、を含む。前記平坦部形成工程においては、前記撚線の導体を、当該撚線の径方向で潰して平坦部を形成する。前記素線固定工程においては、前記撚線の前記導体に対してレーザを照射することにより、当該導体の素線同士を溶着させ、互いに固定する。前記接続工程においては、前記平坦部と、前記フレキシブルフラットケーブルの前記フラット導体を挟み込む前記絶縁体のうち一面側のみを除去して露出され、他面側に残しておいた前記絶縁体によってサポートされた前記フラット導体と、を厚み方向に重ねて溶接して接続部を形成する(潰された前記導体と、前記導体を圧入孔に圧入して保持するか一体成形により保持したハウジングに形成される端子支持部と、の隙間に、前記露出されたフラット導体が挿入されて溶接される場合を除く)
このように、撚線の導体と、フレキシブルフラットケーブルのフラット導体と、を溶接によって接続するので、従来の接続端子のようにフラット導体にピアスで孔を開ける必要がない。これにより、フラット導体に無理な力がかかることを防止できる。また、溶接であるため、電気的接続の信頼性にも優れる。従って、本願発明の製造方法によって電線接続構造を製造することにより、撚線とフレキシブルフラットケーブルとの接続部分の信頼性を向上させることができる。そして、上記製造方法では、撚線の導体を径方向に潰して薄くしているので、当該導体と、フラット導体と、を溶接し易くなる。また、レーザによってあぶって素線同士を溶着させ固定することで、接続工程において素線がバラけてしまうことを防止できる。更に、素線同士を固定することで、熱が伝わり易くなり、溶接の確実性が向上する。これにより、接続部の信頼性を一層向上させることができる。その上、片面側の絶縁体を残しておくことにより、露出させたフラット導体を、残しておいた絶縁体によって片面側からサポートできるので、当該フラット導体が損傷することを防止できる。そして、仮にフラット導体側からレーザを照射して溶接しようとしても、残してある絶縁体が邪魔になり、フラット導体にレーザを直接当てることができないのである。
上記の電線接続構造の製造方法において、当該電線接続構造は、収容部と蓋部を有し、当該収容部及び蓋部の間に収容空間を形成する保護ケースを備えることが好ましい。そして、この製造方法は、前記接続部によって接続された前記撚線及び前記フレキシブルフラットケーブルを、前記収容部と前記蓋部によって挟み込むことにより、前記撚線及び前記フレキシブルフラットケーブルの少なくとも一方を、前記蓋部又は前記収容部に形成された凹部又は凸部に押し付けて屈曲部を形成しつつ、少なくとも前記接続部を前記収容空間内に収容する収容工程を含む。
このように、保護ケース内で撚線又はフレキシブルフラットケーブルに屈曲部を形成し、かつ当該屈曲部をケースで挟み込むことにより、撚線又はフレキシブルフラットケーブルに対して引っ張り方向に力が加わったときに、当該力が接続部に伝わりにくくなるので、接続部に無理な力が加わることを低減できる。これにより、接続部の信頼性を向上させることができる。そして、収容部と蓋部によって押さえ付けることにより、撚線又はフレキシブルフラットケーブルに屈曲部を形成できるので、撚線やフレキシブルフラットケーブルを事前に曲げておく手間を省くことができる。
第1実施形態の電線接続構造の一部を示す斜視図。 第1実施形態の電線接続構造の側面断面図。 (a)第1導体露出工程を終えた状態の撚線を示す図。(b)平坦部形成工程を終えた状態の撚線を示す図。(c)素線固定工程の様子を示す図。 (a)フラット導体と平坦部を重ね合わせる様子を示す図。(b)接続工程の様子を示す図。 第2導体露出工程を終えた状態のフレキシブルフラットケーブルを示す図。 第2実施形態の電線接続構造の側面断面図。 第2実施形態の電線接続構造の分解図。 変形例を説明する図。 従来の接続端子の斜視図。
次に、図面を参照して本発明の第1実施形態を説明する。図1は、本願発明の第1実施形態に係る電線接続構造1の一部を拡大して示す斜視図である。本実施形態の電線接続構造1は、フレキシブルフラットケーブル2と、複数本の撚線3と、防水部4と、接続部12と、を備えている。
撚線3は、導体5と絶縁被覆6からなる周知の構成である。本実施形態の撚線3において、導体5は、複数のアルミニウム素線を束ねたものである。なお、導体5は導体であればアルミニウム以外の素材(例えば銅)から構成されていても良い。絶縁被覆6は、樹脂等の絶縁性を有する素材から構成されており、導体5の周囲を覆うように配置されている。
フレキシブルフラットケーブル2は、フラット導体7と絶縁体8からなる周知の構成である。フラット導体7は、帯状の金属板ないし金属箔であり、断面矩形の扁平状に形成されている。なお、本実施形態のフレキシブルフラットケーブル2において、フラット導体7は銅製である。ただし、フラット導体7は、導体であれば銅以外の素材(例えばアルミニウム)から構成されていても良い。フラット導体7は、その幅方向で複数並べて配置されている。なお、本実施形態のフレキシブルフラットケーブル2は、導体を4本備えている。絶縁体8は、絶縁性を有する樹脂製のフィルムである。絶縁体8は、フレキシブルフラットケーブル2が備える複数(本実施形態の場合は4本)のフラット導体7を、厚み方向の両側から挟み込むようにして配置されている。
フレキシブルフラットケーブル2のフラット導体7と、撚線3の導体5とは、電気的かつ機械的に接続されている。フラット導体7と導体5の接続部分を、接続部12と呼ぶ。なお、接続部12は、フレキシブルフラットケーブル2の各フラット導体7に対して、1つずつ設けられている。従って、本実施形態では、1本のフレキシブルフラットケーブル2に対して、4つの接続部12が形成されている。そして、各接続部12を介して、フラット導体7と、各撚線3の導体5と、が接続されている。従って、本実施形態では、1本のフレキシブルフラットケーブル2に対して、4本の撚線3が接続される。
防水部4は、合成ゴム又は合成樹脂などの適宜の止水剤からなる。図2に示すように、防水部4は、接続部12を覆うように成形されている。なお、本実施形態の防水部4は、図1に示すように、1本のフレキシブルフラットケーブル2に設けられた4つの接続部12をまとめて覆うように形成されている。ただしこれに限らず、各接続部12にそれぞれ独立して防水部4を設けても良い。
続いて、本実施形態の電線接続構造1の接続部12について説明する。
本実施形態の接続部12は、フレキシブルフラットケーブル2のフラット導体7と、撚線3の導体5と、を直接的に溶接することにより形成されている。より具体的には、図4(a)に示すように、撚線3の先端の絶縁被覆6が除去されて、導体5が露出する第1導体露出部21が形成されている。また、フレキシブルフラットケーブル2の先端の絶縁体8が除去されて、フラット導体7が露出する第2導体露出部22が形成されている。そして、第1導体露出部21において露出している導体5と、第2導体露出部22において露出しているフラット導体7と、が溶接によって接続されている。
このように、本実施形態は、撚線3とフレキシブルフラットケーブル2を、溶接によって接続している。従って、従来の接続端子90(図9)を使う必要がない。これにより、フレキシブルフラットケーブル2に孔を開ける必要がなくなるので、当該孔の部分に力が加わってフラット導体7が千切れたりするという心配がない。また、溶接によって接続するので、接続の信頼性にも優れる。このように、本実施形態の構成によれば、接続端子90を用いる従来の構成に比べて、撚線3とフレキシブルフラットケーブル2の接続の信頼性を向上させることができる。
ところで、本実施形態では、撚線3の導体5はアルミニウム、フレキシブルフラットケーブル2のフラット導体7は銅であるから、接続部12においては異種金属の接触が生じていることになる。このため、接続部12に水が付着した場合は、電食が発生する可能性がある。そこで本実施形態では上記のように、少なくとも接続部12を覆うように防水部4を設けているのである。これにより、接続部12の電食を防止できる。
防水部4は、接続部12だけでなく、第1導体露出部21及び第2導体露出部22を全て覆い、導体5及びフラット導体7が露出しないように配置されていることが好ましい。そこで本実施形態では図2に示すように、防水部4は、第1導体露出部21を全て覆うとともに、絶縁被覆6の一部も覆うように配置されている。これにより、防水部4と絶縁被覆6の間の部分が防水(水密)状態となっており、第1導体露出部21に水が進入することを防ぐ。また、図2に示すように、防水部4は、第2導体露出部22を全て覆うとともに、フレキシブルフラットケーブル2の絶縁体8の一部も覆うように配置されている。これにより、防水部4と絶縁体8の間の部分が防水(水密)状態となっており、第2導体露出部22に水が進入することを防ぐ。このように、本実施形態の防水部4は、導体5及びフラット導体7が露出しないように覆っているので、接続部12に水が侵入することを確実に防止できる。
以上で説明したように、第1実施形態の電線接続構造1は、撚線3の導体5と、フレキシブルフラットケーブル2のフラット導体7と、が溶接によって接続された接続部12を有している。
このように、撚線3の導体5と、フレキシブルフラットケーブル2のフラット導体7と、を溶接によって接続するので、従来の接続端子90のようにフラット導体にピアスで孔を開ける必要がない。これにより、フラット導体7に無理な力がかかることを防止できる。また、溶接であるため、電気的接続の信頼性にも優れる。従って、上記の構成により、撚線3とフレキシブルフラットケーブル2との接続部分の信頼性を向上させることができる。
また、上記第1実施形態の電線接続構造1の接続部12において、撚線3の導体5は、当該撚線3の径方向に潰されている。そして、当該潰された導体5(平坦部23)と、フレキシブルフラットケーブル2のフラット導体7と、が厚み方向に重ねられて溶接されている。
このように、撚線3の導体5を径方向に潰して薄くすることにより、当該導体5と、フラット導体7と、を溶接し易くなる。これにより、接続部12の信頼性を一層向上させることができる。
また、上記第1実施形態の電線接続構造1は、少なくとも接続部12を覆う防水部4を備えている。
これにより、接続部12の周囲に水分が進入することを防止できるので、撚線3の導体5と、フラット導体7と、が異種金属の場合であっても、電食の発生を防止できる。
続いて、本実施形態の電線接続構造1の製造方法について説明する。
まず、作業者は、撚線3の先端から所定長さの部分の絶縁被覆6を除去することで、導体5の先端が露出した第1導体露出部21を形成する(第1導体露出工程)。第1導体露出部21を形成した状態の撚線3を、図3(a)に示す。撚線3の絶縁被覆6を除去する方法としては、例えば、当該絶縁被覆6に切れ込みを入れ、物理的に剥ぎ取る。しかしこれに限らず、例えば、レーザによって絶縁被覆6の樹脂を昇華させることにより、当該絶縁被覆6を除去しても良い。
上記第1導体露出工程と前後して、作業者は、フレキシブルフラットケーブル2の先端の絶縁体8を除去することで、フラット導体7の先端が露出した第2導体露出部22を形成する(第2導体露出工程)。第2導体露出部22を形成した状態のフレキシブルフラットケーブル2を、図5に示す。本実施形態では、図5に示すように、フレキシブルフラットケーブル2の先端から所定長さの範囲で、絶縁体8を全体的に除去してフラット導体7を露出させている。絶縁体8を除去する方法は特に限定されないが、例えば刃物によって絶縁体8に適宜の切り込みを入れた後、当該絶縁体8を物理的に剥ぎ取る。また例えば、レーザによって絶縁体8の樹脂を昇華させることにより、当該絶縁体8を除去しても良い。
なお、上記のように第2導体露出部22を形成する際には、フレキシブルフラットケーブル2の一面側のみ絶縁体8を除去し、他面側の絶縁体8は残しておくと好適である(図4(a)及び図5等を参照)。このように、片面側の絶縁体8を残しておくことにより、露出させたフラット導体7を、残しておいた絶縁体8によって片面側からサポートできるので、当該フラット導体7が損傷することを防止できる。
次に、作業者は、平坦部形成工程を行う。平坦部形成工程では、第1導体露出部21において露出している導体5の先端部分を、径方向で潰して平坦部23形成する。平坦部23を形成した様子を、図3(b)に示す。平坦部23を形成する方法は特に限定されないが、例えば、第1導体露出部21において露出している導体5の先端部分を、所定の治具によって径方向から挟み込み、物理的に潰すことによって平坦部23を形成する。
このように形成された平坦部23の厚み方向の寸法L2(図3(b)参照)は、潰す前の導体5の径方向の寸法L1(図3(a)参照)よりも小さく(薄く)なっている。また、平坦部23は、潰されることにより、略平板状となっている。
続いて、作業者は、素線固定工程を行う。素線固定工程では、第1導体露出部21において露出している導体5の素線(図示は省略)同士を固定する。素線同士を固定する方法は特に限定されないが、例えば、レーザによって素線をあぶって溶着する方法が考えられる。例えば本実施形態では、図3(c)に示すように、ファイバーレーザ溶接器のレーザ光照射部80から、平坦部23の厚み方向にレーザを照射する。これにより、平坦部23を構成している導体5の素線同士が溶着され、互いに固定された状態となる。
続いて、作業者は、接続工程を行う。接続工程では、第1導体露出部21において露出している導体5と、第2導体露出部22において露出しているフラット導体7と、を溶接し、接続部12を形成する。
本実施形態では、導体5に形成している平坦部23を、フラット導体7に溶接する。即ち、作業者は、平坦部23と、第2導体露出部22において露出しているフラット導体7と、を向かい合わせるように配置し(図4(a))、両者を厚み方向で重ね合わせる。この状態で、フラット導体7と、平坦部23と、を厚み方向で溶接する。これにより、撚線3の導体5と、フレキシブルフラットケーブル2のフラット導体7と、の電気的接続が確保されるとともに、両者が機械的に固定される。
導体5とフラット導体7を溶接する方法は任意であるが、例えばファイバーレーザ溶接を利用できる。なお、本実施形態では、素線固定工程においてもファイバーレーザ溶接を行っているので、このとき利用したファイバーレーザ溶接機を利用できる。
ところで、本実施形態の場合、ファイバーレーザ溶接によって導体5とフラット導体7を溶接する際には、導体5側からレーザを照射して溶接する。というのも、図4(b)に示すように、第2導体露出部22で露出させたフラット導体7から見て、導体5とは反対側には、絶縁体8が残してある。従って、仮にフラット導体7側からレーザを照射して溶接しようとしても、残してある絶縁体8が邪魔になり、フラット導体7にレーザを直接当てることができないのである。
従って、本実施形態では、図4(b)に示すように、平坦部23と、フラット導体7と、を厚み方向で重ね合わせた状態で、平坦部23側(導体側)に、ファイバーレーザ溶接器のレーザ光照射部80を配置する。そして、当該レーザ光照射部80から、平坦部23(導体5)に対して厚み方向でレーザ光を照射することにより、導体5と、フラット導体7と、を溶接する。
最後に、作業者は、接続部12を覆うように防水部4を形成する(止水工程)。防水部4を形成する方法は特に限定されないが、例えば、液状の合成ゴムを接続部12の周囲に塗布した後に硬化させ、防水部4とする。また例えば、接続部12の周囲に合成樹脂を成形(モールド成形)して、防水部4としても良い。
次に、上記の製造方法の平坦部形成工程及び導体固定工程の効果について説明する。
上記のように、本実施形態の製造方法における接続工程では、導体5側からレーザを当てて溶接を行う。このため、仮に、導体5がレーザ照射方向で厚すぎたり、当該導体5の表面に凹凸があったりすると、当該導体5と、フラット導体7と、をファイバーレーザ溶接で適切に溶接できない。
この点、本願発明者が、撚線3の導体5をそのままの状態(潰していない状態)でフラット導体7に対してファイバーレーザ溶接で溶接する方法を試みたところ、うまく溶接できない場合があることが分かった。これは、撚線3の導体5の径によっては、ファイバーレーザ溶接するには導体5が厚すぎる(太すぎる)場合があることが原因であると考えられる。また、撚線3の導体5は、そのままの状態では平坦ではないため、レーザの焦点を合わせにくく、しかもレーザ光が拡散され易い。
そこで前述のように、本実施形態の平坦部形成工程では、第1導体露出部21において露出している導体5を、径方向に潰すことで、平坦部23を形成している。これにより、導体5の厚み(レーザ照射方向での厚み)を、潰していない状態に比べて薄くできるので、ファイバーレーザ溶接を行い易くなっている。また、平坦部23は、潰されることによって平板状に形成されている。即ち、平坦部23は、平坦で凹凸が少ない形状であり、余計な厚みが無い。これにより、レーザの焦点を合わせ易くなっているので、導体5(平坦部23)をフラット導体7に対して、ファイバーレーザ溶接で適切に溶接できる。
なお、導体5は複数の素線(図略)から構成されているので、平坦部形成工程を行っただけでは、平坦部23の表面に細かい凹凸が残ってしまう(つまり、導体5を物理的に潰すだけでは、素線同士を完全に一体化させることができない)。このように細かい凹凸が平坦部23の表面に残っていると、接続工程において、平坦部23をフラット導体7に対してファイバーレーザで溶接する際に、溶接の均一性を保てない。この点、本実施形態では、平坦部23を形成した後、当該平坦部23にレーザを照射して、平坦部23を構成する素線(図略)同士を溶着させている(素線固定工程)。これにより、平坦部23を構成する素線同士が一体化されるので、当該平坦部23の表面を平滑化でき、続く接続工程において、平坦部23をフラット導体7に対してファイバーレーザで均一に溶接できる。
また上記のように、素線固定工程を行うことにより、平坦部23の素線同士を固定しているので、接続工程で溶接を行う際に、素線がバラけてしまうことがない。また、素線同士が溶着されているので、平坦部23において厚み方向に熱が伝わり易くなっている。これにより、平坦部23(導体5)をフラット導体7に対して確実に溶接でき、接続部12の信頼性を向上させることができる。
以上で説明したように、第1実施形態の電線接続構造1の製造方法は、平坦部形成工程と、接続工程と、を含んでいる。平坦部形成工程においては、撚線3の導体5を、当該撚線3の径方向で潰して平坦部23を形成する。接続工程においては、平坦部23と、フレキシブルフラットケーブル2のフラット導体7と、を厚み方向に重ねて溶接して接続部12を形成する。
このように、撚線3の導体5と、フレキシブルフラットケーブルのフラット導体と、を溶接によって接続するので、従来の接続端子のようにフラット導体にピアスで孔を開ける必要がない。これにより、フラット導体に無理な力がかかることを防止できる。また、溶接であるため、電気的接続の信頼性にも優れる。従って、本願発明の製造方法によって電線接続構造を製造することにより、撚線とフレキシブルフラットケーブルとの接続部分の信頼性を向上させることができる。そして、上記製造方法では、撚線の導体を径方向に潰して薄くしているので、当該導体と、フラット導体と、を溶接し易くなる。これにより、接続部の信頼性を一層向上させることができる。
また、上記第1実施形態の電線接続構造1の製造方法は、撚線3の導体5の素線を互いに固定する素線固定工程を含んでいる。そして、接続工程においては、素線が互いに固定された導体5と、フレキシブルフラットケーブル2のフラット導体7と、を溶接する。
このように、素線同士を固定することで、接続工程において素線がバラけてしまうことを防止できる。また、素線同士を固定することで、熱が伝わり易くなり、溶接の確実性が向上する。これにより、接続工程で形成される接続部12の信頼性を、一層向上させることができる。
次に、本願発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態の電線接続構造11の側面断面図を、図6に示す。なお、本実施形態の説明においては、前述の第1実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
この第2実施形態の電線接続構造11は、第1実施形態の電線接続構造1が備えていた防水部4に代えて、保護ケース9を設けたものである。保護ケース9の素材は特に限定されないが、十分な剛性を備え、かつ絶縁性と耐水性を有するものであることが好ましい。本実施形態の保護ケース9は、合成樹脂製である。
保護ケース9は、収容部25と、蓋部24を備えている。
収容部25は、底壁26と、当該底壁26の周囲から略垂直方向に立ち上がった周壁27と、を有する略箱状の部材である。また収容部25は、底壁26に対向する部分が開放された形状となっている。この開放された部分を、開放部28と呼ぶ(図7参照)。蓋部24は、収容部25の前記開放部28を塞ぐことができるように構成されている。蓋部24によって開放部28を塞ぐことにより、蓋部24と収容部25の間に収容空間30が形成される。
図6に示すように、保護ケース9は、フレキシブルフラットケーブル2を挿通させることが可能なフレキシブルフラットケーブル挿通部31と、撚線3を挿通させることが可能な撚線挿通部32と、を有している。挿通部31,32は、それぞれ、保護ケース9の外部と、収容空間30と、を連通するように形成されている。
本実施形態の電線接続構造11は、フレキシブルフラットケーブル2及び撚線3を接続した接続部12を、収容空間30内に配置している。接続部12に接続されている前記フレキシブルフラットケーブル2は、前記フレキシブルフラットケーブル挿通部31に挿通されて、保護ケース9の外に通じている。また、接続部12に接続されている前記撚線3は、撚線挿通部32に挿通されて、保護ケース9の外に通じている(図6の状態)。
以上のように、本実施形態では、保護ケース9の収容空間30内に、接続部12を収容している。この構成によれば、保護ケース9によって接続部12を保護できるので、当該接続部12の信頼性を向上させることができる。
また、本実施形態では、保護ケース9は、接続部12だけでなく、第1導体露出部21と第2導体露出部22を全て収容するように構成されている。つまり、導体5及びフラット導体7が、保護ケース9の外に露出しないように構成されている。
この保護ケース9は、止水性を有していると好適である。即ち、収容部25と、蓋部24と、のあいだの隙間は、適宜の方法によってシールされていることが好ましい。また、フレキシブルフラットケーブル挿通部31において、保護ケース9と、フレキシブルフラットケーブル2の絶縁体8と、の間が適宜の方法によってシールされていることが好ましい。同様に、撚線挿通部32において、保護ケース9と、撚線3の絶縁被覆6と、の間が適宜の方法よってシールされていることが好ましい。
以上のように、保護ケース9を、防水(水密)状態とすることで、収容空間30内に水が進入することを防ぐことができる。これにより、接続部12に水が付着することを防ぎ、電食の発生を防止できる。この場合、保護ケース9は、防水部としての機能を有していると言うことができる。あるいは、収容空間30内に、適宜の止水剤を充填しても良い。
また、図6に示すように、本実施形態の保護ケース9の収容空間30内において、撚線3とフレキシブルフラットケーブル2は、それぞれ屈曲した状態で収容されている。具体的には、収容空間30内において、撚線3は、クランク状に折り曲げられており、略直角に曲げられた2箇所の屈曲部33,34を有している。また、収容空間30内において、フレキシブルフラットケーブル2は、クランク状に折り曲げられており、略直角に曲げられた2箇所の屈曲部35,36を有している。
このように、撚線3及びフレキシブルフラットケーブル2を曲げた状態で保護ケース9に収容しているので、仮に、保護ケース9の外で撚線3又はフレキシブルフラットケーブル2に対して引っ張る力が加わったとしても、保護ケース9内の接続部12まで伝わりにくくなっている。これにより、接続部12の耐久性が向上する。
また、本実施形態では、図6に示すように、収容部25及び蓋部24の内側面は、屈曲した状態で収容空間30に収容される撚線3及びフレキシブルフラットケーブル2に沿って形成されている。
より具体的には、図7に示すように、収容部25の内側面には、撚線3の屈曲部33の内側(劣角側)に沿って形成された凸部40、屈曲部34の外側(優角側)に沿って形成された凹部41が形成されている。また、収容部25の内側面には、フレキシブルフラットケーブル2の屈曲部35の外側に沿って形成された凹部42、屈曲部36の内側に沿って形成された凸部43が形成されている。同様に、蓋部24の内側面には、撚線3の屈曲部33の外側に沿って形成された凹部44、屈曲部34の内側に沿って形成された凸部45が形成されている。また、蓋部24の内側面には、フレキシブルフラットケーブル2の屈曲部35の内側に沿って形成された凸部46、屈曲部36の外側に沿って形成された凹部47が形成されている。
以上のように構成された保護ケース9の収容空間30内においては、撚線3の屈曲部33,34と、フレキシブルフラットケーブル2の屈曲部35,36が、収容部25と蓋部24の内側面に形成された凹部及び凸部によって挟み込まれた状態となっている。このように、撚線3及びフレキシブルフラットケーブル2の屈曲部を、収容部25と蓋部24によって挟み込んでいるので、保護ケース9の外で撚線3又はフレキシブルフラットケーブル2に対して引っ張る力が加わったときに、当該撚線3又はフレキシブルフラットケーブル2が保護ケース9から抜けにくくなっている。従って、保護ケース9の外で撚線3又はフレキシブルフラットケーブル2に引っ張る力が加わったとしても、接続部12に力が加わることを防止できる。これにより、接続部12の耐久性が更に向上している。
以上で説明したように、第2実施形態の電線接続構造11は、収容部25と、蓋部24と、を有する保護ケース9を備えている。収容部25と蓋部24との間に収容空間30が形成されている。そして、収容空間30には、接続部12が収容されている。
このように保護ケース9を設けることで、接続部12を保護することができる。
また、上記の第2実施形態の電線接続構造11では、前記保護ケース9の収容空間30内において、撚線3には、屈曲部33,34が形成されている。また、収容空間30内において、フレキシブルフラットケーブル2には、屈曲部35,36が形成されている。そして、当該屈曲部35,36,37,38を、蓋部24及び収容部25によって挟み込んでいる。
このように、保護ケース9内で撚線3及びフレキシブルフラットケーブル2に屈曲部を形成し、かつ当該屈曲部をケースで挟み込むことにより、撚線3又はフレキシブルフラットケーブル2に対して引っ張り方向に力が加わったときに、当該力が接続部12に伝わりにくくなる。これにより、引っ張りに対する接続部12の耐久性が向上するので、当該接続部12の信頼性を向上させることができる。
続いて、上記第2実施形態の電線接続構造11の製造方法について説明する。
この製造方法において、第1導体露出工程、第2導体露出工程、平坦部形成工程、素線固定工程、及び接続工程を、上記第1実施形態と同様に行う。これにより、撚線3とフレキシブルフラットケーブル2を接続する接続部12が形成される。そして、本実施形態では、接続部12を保護ケース9に収容する収容工程を行う。
この収容工程においては、図7に示すように、接続部12を厚み方向で挟むように、収容部25と蓋部24を配置する。この状態から、蓋部24によって収容部25の開放部28を塞ぐ。これにより、収容部25と蓋部24の間に収容空間30が形成されるとともに、当該収容空間30内に、接続部12と、当該接続部12によって接続されている撚線3及びフレキシブルフラットケーブル2の一部が収容される(図6の状態)。
前記収容工程において、接続部12によって接続されている撚線3及びフレキシブルフラットケーブル2は、収容部25及び蓋部24によって挟み込まされた状態となる。そして前述のように、収容部25の内側面には、凸部40、凹部41、凹部42、凸部43が形成されている。また、蓋部24の内側面には、凹部44、凸部45、凸部46、凹部47が形成されている。このため、収容部25及び蓋部24によって挟み込まれた撚線3及びフレキシブルフラットケーブル2は、上記凹凸に押し付けられ、当該凹凸に沿って屈曲する。これにより、撚線3に屈曲部33,34が形成され、フレキシブルフラットケーブル2に屈曲部35,36が形成される。
以上で説明したように、第2実施形態の電線接続構造11の製造方法は、収容工程を含む。この収容工程においては、接続部12によって接続された撚線3及び前記フレキシブルフラットケーブル2を、収容部25と蓋部24によって挟み込むことにより、撚線3及びフレキシブルフラットケーブル2を、蓋部24及び収容部25に形成された凹部又は凸部に押し付けて屈曲部33,34,35,36を形成しつつ、接続部12を収容空間30内に収容する。
このように、本実施形態の製造方法によれば、収容部25と蓋部24によって押さえ付けることにより、撚線3及びフレキシブルフラットケーブル2に屈曲部を形成できるので、撚線3やフレキシブルフラットケーブル2を事前に曲げておく手間を省くことができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
接続部12の形成(撚線3とフラット導体7との溶接)は、抵抗溶接で行うこともできる。抵抗溶接を行う場合は、導体5とフラット導体7を厚み方向でプローブによって挟み込んだうえ、当該厚み方向に電流を流して溶接を行う。なお、このように抵抗溶接を行う場合は、原理上、フラット導体7の厚み方向に電流を流す必要がある。そこで、抵抗溶接を行う場合は、フラット導体7を露出させる際に、フレキシブルフラットケーブル2の両面の絶縁体8を除去する。
図5では、フレキシブルフラットケーブル2の絶縁体8の先端部分を全体的に除去してフラット導体7を露出させているが、絶縁体8を除去する形態はこれに限定されず、フラット導体7を露出させることができれば良い。例えば図8(a)に示すように、フラット導体7ごとに、絶縁体8をコ字状(又はU字状)に除去しても良い。また、例えば図8(b)に示すように、絶縁体8に窓状の開口部を形成することで、フラット導体7を露出させても良い。ただし、図8(b)の場合、フラット導体7の先端が完全には露出していないので、当該フラット導体7と導体5を重ね合わせたときに、絶縁体8が邪魔になって、フラット導体7と導体5の間に絶縁体8の厚み分の隙間が生じる場合がある。従って、このような場合に溶接を行うためには、フラット導体7と導体5を密着させるように厚み方向の力を加えたり、溶接機の出力を上げるなど、何らかの工夫が必要である。
上記実施形態では、第1導体露出部21において露出している導体5を潰して平坦部23を形成している。しかしながら、撚線3の導体5の径L1が十分に小さい場合(導体5が十分に薄い場合)は、平坦部23を形成さなくても(導体5を潰して薄くしなくても)、当該導体5をそのままフラット導体7にファイバーレーザ溶接で溶接できる場合がある。従って、この場合は、平坦部23の形成を省略しても良い。また、ファイバーレーザ溶接以外の手段(例えば抵抗溶接)で接続部12を形成する場合は、平坦部23を予め形成しておく必要性に乏しい場合もある。この場合も、平坦部23の形成を省略することができる。
上記実施形態の素線固定工程においては、導体5をレーザであぶって素線同士を溶着させている。しかし、素線同士を固定する方法はこれに限らず、適宜の方法を利用できる。例えば、導体5の素線を、熱圧着によって互いに溶着させることができる。また例えば、ハンダなどの低融点金属を熱で融かして素線の間に含浸させた後、凝固させることで、素線同士を固定しても良い。
素線固定工程は、省略しても良い。例えば、平坦部形成工程において導体5を潰したときに、素線がバラけることがないようであれば、素線固定工程を省略できる。また、ファイバーレーザ溶接以外の手段(例えば抵抗溶接)で接続部12を形成する場合は、素線同士を予め固定しておく必要性に乏しい場合もある。この場合も、素線固定工程を省略することができる。
上記の説明では、素線固定工程の前に、平坦部形成工程を行っている。即ち、導体5の素線同士を固定していない状態で、当該導体5を潰して平坦部23を形成する。この場合、導体5を潰すときに素線同士が相対移動できるので、平坦部23を形成し易いというメリットがある。ただし、これに限定されるわけでもなく、素線固定工程の後で(素線同士を固定した後で)、平坦部形成工程を行っても良い。
上記第2実施形態では、撚線3とフレキシブルフラットケーブル2の両方に屈曲部を形成しているが、撚線3又はフレキシブルフラットケーブル2の何れか一方にのみ屈曲部を形成しても良い。また、屈曲部の形成は省略しても良い(つまり、撚線3及びフレキシブルフラットケーブル2は、保護ケース9の収容空間30内でまっすぐ(曲がっていない状態)であっても良い)。
また、上記実施形態では、撚線3とフレキシブルフラットケーブル2にそれぞれ2箇所の屈曲部を設け、クランク状に折り曲げているが、必ずしもこれに限定されない。撚線3とフレキシブルフラットケーブル2の折り曲げ形状は、適宜変更できる。また、これに応じて、保護ケース9の形状も適宜変更可能である。
1 電線接続構造
2 フレキシブルフラットケーブル
3 撚線
5 導体
7 フラット導体
4 防水部
9 保護ケース
12 接続部
23 平坦部
25 収容部
26 蓋部

Claims (7)

  1. 撚線と、
    絶縁体がフラット導体を厚み方向の両側から挟み込むように形成されたフレキシブルフラットケーブルと、
    前記撚線の導体、及び前記フレキシブルフラットケーブルのフラット導体がレーザ溶接によって接続された接続部と、
    を有し、
    前記フラット導体は、その幅方向で複数並べて配置されており、
    前記接続部において、
    前記撚線の前記導体は、当該撚線の径方向に潰されて平坦部が形成されており、
    当該潰された前記導体に対してレーザを照射することにより、当該導体の素線同士を溶着させており、
    当該潰された前記導体と、前記フレキシブルフラットケーブルの、前記フラット導体を挟み込む前記絶縁体のうち一面側のみを除去して露出され、他面側に残しておいた前記絶縁体によってサポートされた前記フラット導体と、が厚み方向に重ねられてレーザ溶接されている(潰された前記導体と、前記導体を圧入孔に圧入して保持するか一体成形により保持したハウジングに形成される端子支持部と、の隙間に、前記露出されたフラット導体が挿入されて溶接される場合を除く。)ことを特徴とする電線接続構造。
  2. 請求項1に記載の電線接続構造であって、
    少なくとも前記接続部を覆う防水部を備えることを特徴とする電線接続構造。
  3. 請求項1又は2に記載の電線接続構造であって、
    収容部と、
    蓋部と、
    を有する保護ケースを備え、
    前記収容部と前記蓋部との間に収容空間が形成されており、
    前記収容空間には、少なくとも前記接続部が収容されていることを特徴とする電線接続構造。
  4. 請求項3に記載の電線接続構造であって、
    前記保護ケースの前記収容空間内において、前記撚線又は前記フレキシブルフラットケーブルの少なくとも一方には屈曲部が形成されていることを特徴とする、電線接続構造。
  5. 請求項4に記載の電線接続構造であって、
    前記屈曲部を、前記蓋部及び収容部によって挟み込んでいることを特徴とする電線接続構造。
  6. 撚線と、
    絶縁体がフラット導体を厚み方向の両側から挟み込むように形成されたフレキシブルフラットケーブルと、
    を有し、前記フラット導体は、その幅方向で複数並べて配置されている電線接続構造の製造方法であって、
    前記撚線の導体を、当該撚線の径方向で潰して平坦部を形成する平坦部形成工程と、
    前記撚線の前記導体に対してレーザを照射することにより、当該導体の素線同士を溶着させ、互いに固定する素線固定工程と、
    前記平坦部と、前記フレキシブルフラットケーブルの、前記フラット導体を挟み込む前記絶縁体のうち一面側のみを除去して露出され、他面側に残しておいた前記絶縁体によってサポートされた前記フラット導体と、を厚み方向に重ねてレーザ溶接して接続部を形成する接続工程(潰された前記導体と、前記導体を圧入孔に圧入して保持するか一体成形により保持したハウジングに形成される端子支持部と、の隙間に、前記露出されたフラット導体が挿入されて溶接される場合を除く。)と、
    を含むことを特徴とする、電線接続構造の製造方法。
  7. 請求項6に記載の電線接続構造の製造方法であって、
    当該電線接続構造は、収容部と蓋部を有し、当該収容部及び蓋部の間に収容空間を形成する保護ケースを備え、
    前記接続部によって接続された前記撚線及び前記フレキシブルフラットケーブルを、前記収容部と前記蓋部によって挟み込むことにより、前記撚線及び前記フレキシブルフラットケーブルの少なくとも一方を、前記蓋部又は前記収容部に形成された凹部又は凸部に押し付けて屈曲部を形成しつつ、少なくとも前記接続部を前記収容空間内に収容する収容工程を含むことを特徴とする、電線接続構造の製造方法。
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