JP4020468B2 - 基板サポートピンの配設方法およびその配設装置 - Google Patents
基板サポートピンの配設方法およびその配設装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品実装システムにおいて、電子部品を実装する回路基板を上方からの圧力によって撓まないように下方から支持するための基板サポートピンを、サポートプレートにおける好適なセット位置に正確、且つ迅速に配設することのできる基板サポートピンの配設方法およびその配設装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品実装システムでは、図3(a)に示すように、サポートプレート1に立設した長さの等しい複数本の基板サポートピン2の各先端をプリント回路基板3の下面に当接させることにより、プリント回路基板3を上方からの圧力に抗して下方から支持して水平に保持するようにしている。このように基板サポートピン2によりプリント回路基板3を水平に支持するのは、種々の電子部品4のプリント回路基板3への実装や、プリント回路基板3への電子部品固定用接着剤の塗布またはクリームはんだの印刷などに際して、プリント回路基板3が撓んだりして作業に支障をきたすのを防止するためである。
【0003】
ここで、図示のようにプリント回路基板3の下面に電子部品4が既に実装されている場合には、基板サポートピン2を電子部品4に当接しない位置を選択してサポートプレート1に配置する必要がある。そのため、サポートプレート1には基板サポートピン2を嵌め込ませて鉛直状態に保持するための多数のピン支持孔8が一定ピッチで配設されており、これらピン支持孔8のうちから電子部品4に当たらないもの(図ではA〜Fの各位置のうちのA,E,F)を選択して、その選択したピン支持孔8に基板サポートピン2が立設される。
【0004】
ところで、プリント回路基板3を電子部品実装システムにセットしてしまうと、プリント回路基板3における基板サポートピン2を当接させる下面は目視で判別しにくい状態となるので、サポートプレート1上に立設した基板サポートピン2が電子部品4に当接するか否かは容易に確認できなくなる。そこで、従来では以下のような方法によって基板サポートピン2の配設を行っている。
【0005】
すなわち、作業者は、プリント回路基板3の下面における電子部品4の実装位置を目視で確認しながらサポートプレート1における電子部品4に当接しないと想定できる概略のピン支持孔8を選択して、このピン支持孔8に基板サポートピン2を立設する。つぎに、プリント回路基板3を所定の部品実装位置に位置決めしたのちに、サポートプレート1を上昇させて各基板サポートピン2の先端をプリント回路基板3の下面に当接させる。このとき、基板サポートピン2が電子部品4に当接すると、プリント回路基板3におけるその部分が基板サポートピン2により押し上げられてプリント回路基板3に上反りが発生する。そこで、作業者は、プリント回路基板3に上反りが発生しているか否かを目視で確認して、上反りが発生している場合にはその箇所の基板サポートピン2の配設位置を変更したのちに、再び基板サポートピン2をプリント回路基板3の下面に当接させて上反りの発生がないか否かの再確認を行って、プリント回路基板3が水平状態に保持されて各基板サポートピン2が好適な配置であると確認できるまで同様の作業を繰り返す。
【0006】
上記のサポートプレート1への基板サポートピン2の配設作業は、生産工程のプリント回路基板3の品種が変わる毎に行われるが、同一種のプリント回路基板3の生産が後日繰り返し行われることが多い。そこで、作業者が試行錯誤のすえに設定した好適な基板サポートピン2の配置データは、記録に残して次回以降の同一種のプリント回路基板3の生産時にも使用できるようにする必要がある。従来では、サポートプレート1に立設の各基板サポートピン2の上に透明なガラス板を載置して、そのガラス板に基板サポートピン2の配設位置をマーキングして配設目印とするデータ記録手段が主に採用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、新たな品種のプリント回路基板3に部品を実装する場合、上述のような基板サポートピン2の配設方法では、全て作業者の目視による判断に依存しているので、基板サポートピン2を好適な配置に配設するまでに試行錯誤を繰り返して工数のロスが大きい。そのため、基板サポートピン2の配設に時間がかかり過ぎてプリント回路基板3の生産段取り替えを能率的に行えないことから、新たなプリント回路基板3のセットアップを迅速に行うことができず、特に、プリント回路基板3の生産形態が多品種少量である場合には電子部品実装ラインの相当な稼働率の低下を招くことになる。
【0008】
一方、従来の基板サポートピン2の配置データの記録方法では、プリント回路基板3の種類の数だけ記録用のガラス板を必要とし、破損し易い多数のガラス板の管理が煩雑となるだけでなく、それらガラス板にマーキングする作成工数が多くかかる問題がある。
【0009】
また、記録済みのガラス板への記録データに基づいて基板サポートピン2を配設する場合には、ガラス板をサポートプレート1上にセットすると、ガラス板とサポートプレート1との間に手が入らないことから基板サポートピン2をサポートプレート1上に立設する作業を行えない。そこで、先ず、作業者は、ガラス板の目印を見ながらサポートプレート1上に基板サポートピン2を立設したのちに、その立設した各基板サポートピン2上にガラス板をセットして、基板サポートピン2とガラス板の配設目印とが一致しているか否かを判別し、一致していない基板サポートピン2は抜脱して配設目印に合致するように位置を修正したのちに、再度ガラス板をセットしてガラス板の配設目印と基板サポートピン2との位置が一致しているか否かの再確認を、全て一致するまで繰り返す。したがって、ガラス板による基板サポートピン2の配設データの記録手段では、基板サポートピン2の配置データが作成済みであるプリント回路基板3であっても、基板サポートピン2の配設に時間がかかる問題を解消できない。
【0010】
そこで、本発明は、上記従来の問題点を解消し、生産するプリント回路基板に対応する好適な基板サポートピンの配設位置を容易、且つ迅速に設定して管理の容易な記録手段で記録できるとともに、その配設位置データに基づいて基板サポートピンを容易、且つ迅速に配設することができる基板サポートピンの配設方法およびその配設装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、回路基板の一面に電子部品を実装するに際して、前記回路基板をこれの他面に各々の先端頂部を下方から当接させて支持するための複数の基板サポートピンを、サポートプレートに多数設けられたピン支持孔の位置のうちから選択した所要のセット位置に立設する基板サポートピンの配設方法において、 前記回路基板を、その他面が上面となる配置で前記サポートプレートに対しその上方において所定の相対位置で相対向させ、この回路基板の他面における前記サポートプレートの前記ピン支持孔の位置に対応する各箇所を、位置表示手段により視覚的に順次表示するとともに、その各表示位置に対する実装済みの電子部品の有無を入力手段により設定する第1の工程と、前記各表示位置の位置座標のデータとその位置に対する実装済みの電子部品の有無のデータとに基づき演算して前記基板サポートピンを配置すべき前記サポートプレートの各セット位置を示すマスターデータを算出し、そのマスターデータをデータ記憶手段に登録記憶させる第2の工程と、前記回路基板を前記サポートプレートの上方から除外した状態において、前記マスターデータに基づき前記サポートプレートにおける前記基板サポートピンを配設すべき各セット位置を前記位置表示手段により視覚的に順次表示しながら表示した当該セット位置に前記基板サポートピンを配設する第3の工程とを有している。
【0012】
この基板サポートピンの配設方法では、第1の工程において、回路基板の他面におけるサポートプレートのピン支持孔の位置に対応する各箇所を、位置表示手段により視覚的に順次表示するとともに、前記位置表示手段と一体的に移動する部品検出手段によって前記各表示位置に実装された電子部品の存在の有無を検出し、各表示位置に対する前記基板サポートピンの当接の有無を、前記部品検出手段の検出結果に基づき自動的に判別して設定するので、基板サポートピンの配設位置を極めて容易な操作で迅速、且つ正確に設定することができる。
【0013】
また、第2の工程において、第1の工程での作業者による入力データを回路基板を上下反転させた状態でのデータに変換する演算を行ってマスターデータを算出するので、回路基板における部品実装時に下面となる他面を上方に向けた配置で基板サポートピンの配設位置を設定したにも拘わらず、基板サポートピンの配設位置を正確に設定したマスターデータを得られる。しかも、その設定したマスターデータを、記憶容量が大きいデータ記憶装置に登録して容易、且つ確実に管理できる。
【0014】
さらに、第3の工程において、マスターデータにおいて基板サポートピンの配設位置と登録されたサポートプレートの各セット位置を位置決め手段により視覚的に表示しながら、作業者がその表示位置にのみ基板サポートピンを順次嵌め込む簡単な操作を行えばよく、マスターデータに基づく基板サポートピンの配設を、容易、且つ確実に行えることから極めて短時間で終了することができる。
【0015】
上記発明における第1の工程において、回路基板の他面におけるサポートプレートの各セット位置に対応する各箇所を、位置表示手段により視覚的に順次表示するとともに、前記位置表示手段と一体的に移動する部品検出手段によって前記各表示位置に実装された電子部品の存在の有無を検出し、各表示位置に対する前記基板サポートピンの当接の有無を、前記部品検出手段の検出結果に基づき自動的に判別して設定することが好ましい。
【0016】
これにより、基板サポートピンの配設位置を自動的に判別しながら設定するとともに、その設定したピン配設位置のデータをマスターデータに変換したのちにデータ記憶装置に自動的に登録記憶できるので、作業者の判断によるピン配設位置の設定および作業者が入力手段を操作することによるサポートプレートの配設位置データの入力の各人的作業を共に解消することができる。
【0017】
また、上記発明における第3の工程において、サポートプレートにおけるマスターデータにおいて基板サポートピンの配設位置と設定された各セット位置に、位置表示手段と一体的に移動するピン自動配設手段によって前記基板サポートピンを自動的に配設することが好ましい。これにより、基板サポートピンの配設作業をも人的操作に頼らずに自動的に行うことができる。
【0018】
また、本発明の基板サポートピン配設装置は、回路基板の一面に電子部品を実装するに際して、前記回路基板をこれの他面に各々の先端頂部を下方から当接させて支持するための複数の基板サポートピンを、サポートプレートに多数設けられたピン支持孔の位置のうちから選択した所要のセット位置に立設する基板サポートピン配設装置において、前記基板サポートピンを立設するための複数個のピン支持孔が所定の配置で設けられたサポートプレートと、任意の位置をスポット光の照射によって表示する位置表示手段と、前記サポートプレートの上方において他面が上面となる配置で位置固定された前記回路基板における前記ピン支持孔の位置に対応する各箇所を前記スポット光によって順次表示するように前記位置表示手段と前記サポートプレートとの相対位置を可変制御する位置決め手段と、前記位置表示手段による表示位置に対する実装済みの電子部品の有無を入力する入力手段と、前記ピン支持孔の位置にそれぞれ関連付けて各々の位置を示す座標値と前記基板サポートピンの配設の有無とを設定したマスターデータが登録記憶されたデータ記憶手段と、前記入力手段による入力データと前記位置表示手段による表示位置の座標値とに基づく演算により前記マスターデータを算出して前記データ記憶手段に登録記憶させるとともに、そのマスターデータに基づいて前記基板サポートピンを配設すべき前記各セット位置のみを前記スポット光で表示するよう前記位置決め手段を制御する制御手段とを備えている。
【0019】
この基板サポートピン配設装置は、本発明の基板サポートピンの配設方法を簡単な構成によって実用化することができる。
【0020】
上記発明において、位置表示手段と一体的に設けられてスポット光による表示位置における実装された電子部品の存在の有無を検出する部品検出手段を設け、制御手段は、回路基板における前記スポット光による前記各表示位置への基板サポートピンの当接の有無を、前記部品検出手段の検出結果に基づき自動的に判別するとともに、その有無のデータを前記スポット光による表示位置の座標値と関連付けて設定する入力機能を備えている構成とすることが好ましい。これにより、作業者の判断によるピン配設位置の設定および作業者が入力手段を操作することによる基板サポートピンの配設位置データの入力の各人的作業の解消手段の具体的な構成を実現することができる。
【0021】
また、上記発明において、基板サポートピンを把持してサポートプレートのセット位置に自動的に配設可能なチャックユニットが、位置表示手段と一体的に移動するよう設けられ、制御装置は、前記マスターデータにおいて前記基板サポートピンの配設位置と設定された前記各セット位置に前記チャックユニットを移動させるよう構成することが好ましい。これにより、基板サポートピンの配設作業をも人的操作に頼らずに自動化する具体的な構成を実現することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る基板サポートピン2の配設方法に用いる装置を示す構成図である。同図において、プリント回路基板3は、その対向する両側端部を一対のガイドレール7,7によって水平状態を保持しながら移動可能に支持されており、図示しない搬送手段によりガイドレール7,7に摺動しながら移送されて部品実装位置に位置決め静止される。この部品実装位置におけるプリント回路基板3の下方には、多数のピン支持孔8が一定ピッチで形成されたサポートプレート1がプリント回路基板3に平行に、つまり水平に設置されている。ピン支持孔8には基板サポートピン2が嵌め込み固定されて鉛直に立設される。
【0023】
サポートプレート1は、図示しない昇降装置により水平状態を保持しながら上下の所定距離間を昇降されるようになっており、プリント回路基板3がガイドレール7に沿って部品実装位置に搬入または部品実装位置から搬出される際には、サポートプレート1が下方に位置して基板サポートピン2がプリント回路基板3から退避しているとともに、プリント回路基板3が部品実装位置に位置決めされた時点でサポートプレート1が上限位置まで上昇して各基板サポートピン2の先端頂部がプリント回路基板3の下面に当接し、プリント回路基板3が下方に撓まないよう支持される。
【0024】
一方、部品実装位置のプリント回路基板3の上方には、鉛直下方に向かってスポット光Lを投射する投光装置9が配置されており、この投光装置9は位置表示手段として機能する。投光装置9は、X方向移動用モータ10およびY方向移動用モータ11によって水平面内で直交する図のX方向とY方向に沿ってそれぞれ移動可能に設けられている。
【0025】
すなわち、投光装置9は、X方向移動用モータ10の駆動により回転されるX方向ボールねじ12に螺合するナット部材13に固着されて、X方向移動用モータ10の正,逆回転によりX方向ボールねじ12に沿ってX方向に移動される。
【0026】
また、X方向ボールねじ12およびX方向移動用モータ10が装着された保持ケース14は、Y方向移動用モータ11の駆動により回転されるY方向ボールねじ17に螺合するナット部材(図示せず)に固着されて、Y方向移動用モータ11の正,逆回転によりY方向ボールねじ17に沿ってY方向に移動される。投光装置9は、上記両モータ10,11の正,逆回転の制御によってプリント回路基板3上の任意の位置にスポット光Lを照射可能になっているとともに、部品実装位置にプリント回路基板3がセットされていない場合にサポートプレート1上の任意の位置にスポット光Lを照射可能になっている。
【0027】
上記の両モータ10,11は、マイクロコンピュータを備えた制御装置18から出力される指令信号によりモータドライバ19を介し制御されて、投光装置9を指令位置に位置決めするよう回転する。また、基板サポートピン2を配設するに際して、制御装置18は、マスターデータ記憶装置20に登録記憶されている後述の基板サポートピン2の位置情報や基板サポートピン2の有無情報などのマスターデータを読み出すとともに、その読み出したマスターデータに基づき指令信号をモータドライバ19に対し出力して、投光装置9を移動させて指令位置に位置決めするよう制御する。すなわち、両モータ10,11、制御装置18およびモータドライバ19は投光装置9の位置決め手段として機能する。
【0028】
なお、マスターデータ記憶装置20の記録媒体としては、磁気ディスク装置または半導体メモリなどが用いられる。マスターデータの詳細については後述する。また、制御装置18は、マスターデータ記憶装置20に対するマスターデータの登録手段としても機能し、入力手段としてのキーボード21の操作により入力された基板サポートピン有無情報をマスターデータ記憶装置20に登録記憶または更新記憶させる。
【0029】
図2(a)は上記マスターデータ記憶装置20におけるマスターデータMDの登録形式を示す説明図、同図(b)は上記データの内容の説明図である。このマスターデータ記憶装置20には、以下の4種類のデータが登録記憶されている。
【0030】
すなわち、第1のデータは、サポートプレート1における各ピン支持孔8の位置を示すセット位置データD1であり、(a)に示すマスターデータMD中のステップ0のX,Y座標(X0 ,Y0 )からステップ13のX,Y座標(X13,Y13)がその位置を示している。このセット位置データD1は、ステップ0のX,Y座標(X0 ,Y0 )を位置座標の原点(0,0)となる基準点として表されている。
【0031】
第2のデータは、位置表示手段としての投光装置9のスポット光Lの照射位置を示す表示位置データD2であり、位置決め手段である両モータ10,11を原点復帰させた状態での(b)に示すスポット光Lの照射位置22の座標(XT ,YT )が登録されている。これにより、任意の位置(XN ,YN )を投光装置9でスポット照射するためには、X方向移動用モータ10を投光装置9がX方向に式(1)のΔXN だけ移動するよう回転制御するとともに、Y方向移動用モータ10を投光装置9がY方向に式(2)のΔYN だけ移動するよう回転制御すればよいことになる。
【0032】
ΔXN =XN −XT ……(1)
ΔYN =YN −YT ……(2)
第3のデータは、プリント回路基板3のサポートプレート1に対する相対位置を示す基板位置データD3であり、この実施の形態では、(b)に示すプリント回路基板3の左端面のX座標XL と右端面のX座標XR が登録されている。これらのデータは後述するプリント回路基板3を上下反転させると仮定したときの座標変換の演算を行う場合に使用される。
【0033】
第4のデータは、サポートプレート1の各ピン支持孔8に基板サポートピン2を配設するか否かを示すピン有無データD4であり、第1のデータであるセット位置データD1のステップ0からステップ13における基板サポートピン2の有無の記録エリアに、基板サポートピン2を配設する場合に「1」、配設しない場合に「0」がそれぞれ登録される。
【0034】
つぎに、本発明の一実施の形態に係る基板サポートピン2の配設方法について、図3および図4を参照しながら説明する。図3(a)に示すように、部品実装位置にセットされたプリント回路基板3の下面に既に電子部品4が実装されている場合には、上述のように基板サポートピン2を電子部品4に当接しない位置に配設する必要があるが、プリント回路基板3の下面は目視で確認し難いので、サポートプレート1上に立設した基板サポートピン2が電子部品4に当接するか否かを容易に確認できない。
【0035】
そこで、この実施の形態では、図3(b)に示すように、プリント回路基板3を、その電子部品4が実装されている面を上方に向けた状態でサポートプレート1との相対位置が同図(a)と同一になるように設定して位置規制装置23で固定し、この状態で基板サポートピン2の配設位置を設定する。なお、同図では、等間隔に設けられたピン支持孔8の位置をA〜Fと仮定する。
【0036】
先ず、制御装置18は、図3(b)に示すように、鉛直下方にスポット光Lを照射するように保持された投光装置9を、ピン支持孔8の間隔に相当するピッチで矢印方向に間欠移動させて、プリント回路基板3における各位置F〜Aのピン支持孔8に対し真上で対向する各位置f〜aにスポット光Lを照射させる。この投光装置9の位置決め移動は制御装置18が両モータ10,11を回転制御することにより行われる。作業者は、投光装置9が位置決めされる毎に、プリント回路基板3におけるスポット光Lの照射位置に電子部品4が存在するか否かを目視で容易、且つ確実に即断できるので、その電子部品4の有無を制御装置18にそのキーボート21の操作により入力する。例えば、作業者は、スポット光Lの照射位置に電子部品4が存在する場合にキーボード21における「0」のテンキーを、存在しない場合に「1」のテンキーをそれぞれ押圧して、電子部品4の有無を入力する。
【0037】
制御装置18は、両モータ10,11を制御するために出力する指令信号によってスポット光Lの照射位置の座標値を判別するとともに、キーボード21の操作により入力される電子部品4の有無データに基づき上記照射位置に基板サポートピン2を立設する否かを判別する。ここで、プリント回路基板3は電子部品4の実装面を上方に向けた状態になっているので、作業者は、電子部品4の有無を容易、且つ確実に判別できるとともに、キーボード21における2種のテンキーの何れかを押圧するだけの極めて簡単な操作を行うのみであるから、迅速、且つ確実にデータ入力できる。なお、キーボード21の操作による電子部品4の有無データの入力は、投光装置9が位置決めされる毎に行う他に、各位置a〜fにおける電子部品4の有無を一旦記録しておき、投光装置9の移動終了後に一括して入力することもできる。
【0038】
ここで、投光装置9からスポット光Lを順次照射するプリント回路基板3における各位置a〜fは、プリント回路基板3を図3(a)に示すように電子部品4の実装面を下面とする状態に配置したときのプリント回路基板3における各ピン支持孔A〜Fに対向する部位に相当する。換言すると、作業者により入力される各位置a〜fにおける電子部品4の有無データは、プリント回路基板3をその電子部品4の実装面が下面となる状態に配置してサポートプレート1に対向させたときのサポートプレート1の各位置A〜Fのピン支持孔8の上方に電子部品4が存在するか否かの情報、つまり基板サポートピン2の立設が可能なピン支持孔8を選択した情報となる。
【0039】
上記の作業者による電子部品4の有無データを基板サポートピン2の配設位置データとするには、プリント回路基板3を図3(b)の状態から上下反転させた状態でのデータに変換する必要がある。そのデータを変換する3つの例を図4(a)〜(c)に示す。図4(a)は、図3(b)の場合と同様に、プリント回路基板3を図の左右対称に上下反転させる場合を示しており、プリント回路基板3はその四辺を位置規制装置23により固定されている。プリント回路基板3を上記状態で左右方向の中間軸G回りに180 °回転させて上下反転させると仮定すると、上記中間軸GのX座標は、プリント回路基板3の左端位置XL と右端位置XR との中間であって、次の式(3)で表される。
【0040】
X=(XL +XR )/2 ……(3)
したがって、作業者により電子部品4無し、つまり基板サポートピン2有りと入力された投光装置9のスポット光Lの照射位置の座標が、例えば左方に図示の(XN ,YN )である場合は、左右対称に上下反転したのちのプリント回路基板3における右方に図示の基板サポートピン2の当接部位の座標、換言するとサポートプレート1における基板サポートピン2を配設するピン支持孔8の座標(Xn ,Yn )は、次の式(4)および(5)で表される。
【0041】
Xn =〔(XL +XR )/2−XN 〕+(XL +XR )/2 ……(4)
Yn =YN ……(5)
このように、プリント回路基板3の左右の中間軸GのX座標と作業者により電子部品4の有無データを入力された位置とが定まれば、制御装置18が上記の式(4)および(5)に基づいて変換のための演算を行い、プリント回路基板3を上下反転させたときの基板サポートピン2の配設位置の座標値を容易に算出することができる。
【0042】
図4(b)は、プリント回路基板3を図の前後対称に上下反転させる場合を示しており、プリント回路基板3はその四辺を位置規制装置23により固定されている。プリント回路基板3を上記状態で前後方向の中間軸H回りに180 °回転させて上下反転させると仮定すると、上記中間軸HのY座標は、プリント回路基板3の前端位置YB と後端位置YU との中間であって、次の式(6)から求められる。
【0043】
Y=(YB +YU )/2 ……(6)
したがって、作業者により基板サポートピン2有りと入力された投光装置9のスポット光Lの照射位置の座標値が、例えば後方に図示の(XN ,YN )である場合は、前後対称に上下反転したのちのプリント回路基板3における基板サポートピン2の当接部位の座標、つまりサポートプレート1における基板サポートピン2を配設するための前方に図示のピン支持孔8の座標(Xn ,Yn )は、次の式(7)および(8)で表され、制御装置18がこの式(7)および(8)に基づいて変換のための演算を行って、プリント回路基板3を上下反転させたときの基板サポートピン2の配設位置の座標を容易に算出することができる。
【0044】
Xn =XN ……(7)
Yn =〔(YB +YU )/2−YN 〕+YB +YU )/2 ……(8)
図4(c)は、プリント回路基板3の前端近傍における右方へ偏った2箇所を規制ピン24,24で固定して、この2箇所の中間軸J回りにプリント回路基板3を180 °回転させて上下反転させると仮定した場合を示してあり、破線は上下反転させた後のプリント回路基板3を示す。この例では、図に明示するように、反転後のプリント回路基板3の位置が反転前の位置と一致しないが、規制ピン24,24による固定点のX座標をXL ,XR とすれば、それらの中間軸JのX座標は式(9)を、サポートプレート1における基板サポートピン2を配設するためのピン支持孔8の座標(Xn ,Yn )は式(10),(11)を、それぞれ演算することにより算出できる。
【0045】
Y=(XL +XR )/2 ……(9)
Xn =〔(XL +XR )/2−XN 〕+(XL +XR )/2
=XL +XR −XN ……(10)
Yn =YN ……(11)
制御装置18は、上記のようにして算出した基板サポートピン2の配設位置をマスターデータ記憶装置20におけるセット位置データD1およびピン有無データD4に、プリント回路基板3の位置を基板位置データD3にそれぞれ登録記憶する。したがって、この基板サポートピン2の配設方法では、プリント回路基板3における電子部品4の実装面を上向きとした状態で基板サポートピン2の配設位置を目視で正確に且つ即座に判別して設定でき、その設定位置の座標はスポット光Lの照射位置により既知であるから、基板サポートピン2の配設位置を極めて容易な操作で迅速に設定することができるとともに、その設定した基板サポートピン2の配設位置データを、記憶容量が大きいマスターデータ記憶装置20に登録して容易、且つ確実に管理できる。この基板サポートピン2の配設位置データを登録した後は、同一種のプリント回路基板3の生産に際して、キーボード21によりプリント回路基板3の品種を指定入力してマスターデータ記憶装置20から対応するデータを読み出し、そのデータに基づいて基板サポートピン2のサポートプレート1への配設が行われる。
【0046】
すなわち、図3(c)に示すように、サポートプレート1の上方からプリント回路基板3を取り除いた状態において、制御装置18は、生産すべきプリント回路基板3に対応するマスターデータをマスターデータ記憶装置20から読み出して、投光装置9を矢印方向に移動させながら読み出したマスターデータに基づいて基板サポートピン2の配設位置と登録されたピン支持孔8に到達する毎に、そのピン支持孔8にスポット光Lを照射するよう位置決め制御する。これにより、作業者は、スポット光Lが照射されるピン支持孔8にのみ基板サポートピン2を順次嵌め込む簡単な操作を行えばよく、マスターデータMDに基づく基板サポートピン2の配設を、容易、且つ確実に行えることから、極めて短時間で終了することができる。
【0047】
図5は本発明の他の実施の形態に係る基板サポートピン配設装置を示す斜視図であり、同図において図1と同一若しくは同等のものには同一の符号を付してその説明を省略し、以下に、相違する構成について説明する。なお、この基板サポートピン配設装置には、図1に示したものと同一のY方向移動用モータ11、モータドライバ19、制御装置18およびマスターデータ記憶装置20をそれぞれ同一形態で備えているが、同図にはそれらの図示を省略してある。
【0048】
図1のナット部材13に固着されてX方向移動用モータ10の回転によりX方向に移動される取付板27には、電子部品4の検出手段としてのレーザ測長器28が位置表示手段としての投光装置9と並んで取り付けられており、さらに、取付板27には、ミラー29およびハーフミラー30が、レーザ測長器28のレーザ光を投光装置9のスポット光Lの照射位置に導く光路を形成する配置で取り付けられている。それにより、レーザ測長器28は、プリント回路基板3上の投光装置9によるスポット光Lの照射位置の高さを測定できるようになっており、そのスポット光Lの照射位置に電子部品4が存在する場合には測定値が変化する。
【0049】
図1に示した制御装置18は、レーザ測長器28の測定値の変化によって電子部品4の存在を検出する。また、レーザ測長器28の測定値により電子部品4を検出すると、その時点での投光装置9によるスポット光Lの照射位置が電子部品4の検出位置となる。なお、電子部品の検出手段としては、CCDカメラなどによる部品形状認識装置などを用いることもできる。
【0050】
上記のような配置のミラー29およびハーフミラー30からなる光学系を備えた構成としたことにより、サポートプレート1の上方にプリント回路基板3が存在しない場合、サポートプレート1と投光装置9との位置関係およびサポートプレート1とレーザ測長器28との位置関係は同一のものとして扱える。
【0051】
また、上記取付板27の左方下端にはケース33が取り付けられており、このケース33には、その上面にZ方向移動用モータ31が設置されているとともに内部に上記モータ31により回転駆動されるZ方向ボールねじ32が回転自在に支持されている。基板サポートピン2の自動配設手段であるチャックユニット34は、Z方向ボールねじ32に螺合されたナット部材(図示せず)に固定されて、Z方向移動用モータ32の正,逆回転によりZ方向ボールねじ32に沿ってZ方向、つまり上下方向に移動自在に設けられている。チャックユニット34は、制御装置18の作動制御による一対のチャック34a,34bの開閉動作により基板サポートピン2を把持できる機構になっている。
【0052】
つぎに、上記基板サポートピン配設装置による基板サポートピン2の配設について説明する。新たなプリント回路基板3の生産に際しては、先ず、そのプリント回路基板3の一面に電子部品4を実装したのちに、このプリント回路基板3を、その電子部品4の実装面が上向きとなる配置でサポートプレート1に対し所定の相対位置に位置決めして固定する。続いて、制御装置18は、XおよびY方向移動用モータ10,11の回転を制御して取付板27を介し投光装置9の移動を制御し、スポット光Lをプリント回路基板3におけるサポートプレート1の各ピン支持孔8にそれぞれ対向する各位置に順次照射させるとともに、その照射位置での電子部品4の存在の有無をレーザ測長器28からの測定値に基づき自動的に検出し、その検出結果に基づいて基板サポートピン2を配設すべきピン支持孔8の位置を判別する。
【0053】
すなわち、レーザ測長器28は、実装されている電子部品4を含むプリント回路基板3の上面までの距離、つまりの高さを測定するものであり、水平に保持されているプリント回路基板3の上面の測定値が常に一定であるのに対し、電子部品4が存在すると、その電子部品4の上面の高さを測定することから測定値が小さくなるよう変化する。制御装置18は、レーザ測長器28から取り込んだ測定値が一定量以上変化した場合に電子部品4の検出であると判別するとともに、そのときの投光装置9によるスポット光Lの照射位置の座標値を電子部品4の検出位置として取り込む。一方、制御装置18は、電子部品4の存在しない位置座標を基板サポートピン2の配設位置として自動的に設定していく。
【0054】
続いて、制御装置18は、その設定したピン配設位置データを、一実施の形態で説明したと同様の演算処理を行うことにより、プリント回路基板3を上下反転させて電子部品4の実装面が下方を向いた状態での位置座標に変換したのちに、マスターデータ記憶装置20に登録記憶する。このように、この基板サポートピン配設装置では、制御装置18が基板サポートピン2の配設位置を自動的に判別しながら設定するとともに、その設定したピン配設位置のデータをマスターデータ記憶装置20に自動的に登録記憶するよう処理するので、一実施の形態における作業者の判断によるピン配設位置の設定および作業者がキーボード21を操作することによるサポートピン2の配設位置データの入力の両人的作業を共に解消することができる。
【0055】
つぎに、制御装置18は、生産すべきプリント回路基板3に対応するマスターデータをマスターデータ記憶装置20から読み出し、そのデータに基づき基板サポートピン2をサポートプレート1上に自動的に配設するよう制御する。この基板サポートピン2の自動配設は制御装置18が各機構を制御することによって行われる。すなわち、制御装置18は、XおよびY方向移動用モータ10,11の回転を制御してチャックユニット34をサポートプレート1における各ピン支持孔8の真上に順次位置決めしていく。このチャックユニット34の位置決めは、チャックユニット34が位置表示手段である投光装置9と共に取付板27に一体に固定されているから、チャックユニット34と投光装置9との距離に相当する一定量だけオフセットさせてXおよびY方向移動用モータ10,11を回転制御することにより行われる。
【0056】
ここで、その位置決めしたピン支持孔8がマスターデータにおいて基板サポートピン2の配設位置に設定されている場合には、両モータ10,11の回転を制御してチャックユニット34を基板サポートピン保管位置(図示せず)上まで移動させたのちに、Z方向移動用モータ31を正方向に回転制御してチャックユニット34を下降させ、続いて、チャックユニット34をそれの一対のチャック34a,34bが開閉動作するよう制御して、一対のチャック34a,34b間に基板サポートピン2を把持させる。そののちに、制御装置18はZ方向移動用モータ31を逆方向に回転制御して基板サポートピン2を把持しているチャックユニット34を所定位置まで上昇させる。
【0057】
つぎに、制御装置18は、マスターデータに基づきX方向移動用モータ10およびY方向移動用モータ11を回転制御して、チャックユニット34をマスターデータにおいて基板サポートピン2の配設位置と設定されたピン支持孔8の真上まで搬送して位置決めする。さらに、制御装置18は、チャックユニット34を下降させて基板サポートピン2をピン支持孔8に嵌め込ませ、そののちに一対のチャック34a,34bを開かせた状態でチャックユニット34を所定位置まで上昇させる。制御装置18は、上述の基板サポートピン2の自動配設動作を、マスターデータにおいて基板サポートピン2の配設位置と設定された全てのピン支持孔8に基板サポートピン2を配設したと判別するまで継続する。
【0058】
ところで、上記基板サポートピン配設装置は、位置表示手段としての投光装置9と、電子部品4の存在の有無の検出手段としてのレーザ測長器28と、基板サポートピン2の自動配設手段としてのチャックユニット34とを、X,Y,Zの三方向の任意位置に一体的に移動させることが可能になっているので、下記の二通りの基板サポートピン2の配設手段の何れをも採用することができる。すなわち、第1の配設手段は、生産するプリント回路基板3の交換に伴う段取り替えに際して、サポートプレート1上の全ての基板サポートピン2を一旦取り外したのちに、マスターデータにおいて配設位置と設定された各ピン支持孔8に基板サポートピン2を順次配設する。第2の配設手段は、前回のプリント回路基板3の支持用としてサポートプレート1上に残存する各基板サポートピン2のうちの今回のプリント回路基板3には不要となる基板サポートピン2のみを抜脱して基板サポートピン保管位置まで運搬するとともに、今回のピン配設位置と設定され、且つ前回において基板サポートピン2が配設されていなかった各ピン支持孔8にのみ基板サポートピン2を配設する。
【0059】
また、図5の各機構のうちのチャックユニット34等からなる基板サポートピン2の自動配設機構のみを除外した装置を構成し、この装置を用いて基板サポートピン2を配設するようにしてもよい。この基板サポートピンの配設方法では、基板サポートピン2の配設位置の設定およびその設定に基づき作成されるマスターデータの登録記憶が人的判断や人的作業を伴うことなく自動的に行われ、基板サポートピン2のサポートプレート1への配設のみが作業者の手作業で行われる。この配設作業は、マスターデータMDに基づいて投光装置9のスポット光Lが照射されるピン支持孔8に基板サポートピン2を嵌め込むだけの簡単な操作を行うだけである。また、基板サポートピン2がピン支持孔8に配設されると、これをレーザ測長器28の測定値に基づき検出されて、スポット光Lの照射が次の所要のピン支持孔8に移動するので、基板サポートピン2の配設を容易な作業で迅速、且つ確実に行うことができる。
【0060】
ところで、上記サポートプレート1および基板サポートピン2は、主として電子部品実装機においてプリント回路基板3を固定するために使用されるものであるから、本発明における上述の各構成要素も電子部品実装機に組み込んで使用されるのが一般的な用途となる。但し、電子部品実装機のサポートプレート1が着脱式である場合には、電子部品実装機に兼用できる共通のサポートプレート1を別途用意して、このサポートプレート1を用いて図1または図5の装置を構成することが好ましい。これにより、前回のプリント回路基板3の生産が終了する以前に、電子部品実装機の外部において、次回のプリント回路基板3に対応して基板サポートピン2を配設したサポートプレート1を予め作っておき、このサポートプレート1を電子部品実装機のサポートプレート1と交換して組み込むことができる。このようにサポートプレート1を電子部品実装機の外部で段取り替えすることにより、新たなプリント回路基板3のセットアップを効率的に行うことができるから、電子部品実装システムの稼働率を一層高めることができ、特に、プリント回路基板3の生産形態が多品種少量である場合に有効である。
【0061】
また、図1および図5の装置は、サポートプレート1を固定して投光装置9側を移動させる構成となっているので、XYロボット方式の電子部品実装機に適用することができる。これとは別に、投光装置9側とサポートプレート1との相対位置を、投光装置9側を固定してサポートプレート1を移動させることにより可変する構成とすることもでき、このような構成とすれば、サポートプレート1側に位置決め手段を有するロータリヘッド方式の電子部品実装機に適用することが可能となる。
【0062】
【発明の効果】
以上のように、本発明の基板サポートピンの配設方法によれば、回路基板における部品実装時に下面となって基板サポートピンが当接される他面を上方に向けた配置として、この他面におけるサポートプレートの各セット位置に対応する各箇所を位置表示手段で視覚的に順次表示しながら、その表示位置に基板サポートピンの当接が可能か否かを知るため、前記他面における電子部品の有無を作業者が目視で判別して、前記電子部品の有無を入力手段により設定するので、基板サポートピンの配設位置を極めて容易な操作で迅速、且つ正確に設定することができる。
【0063】
また、作業者の操作による入力データを回路基板を上下反転させた状態でのデータに変換する演算を行ってマスターデータを算出するので、基板サポートピンの配設位置を正確に設定したマスターデータを得られ、その設定したマスターデータを、記憶容量が大きいデータ記憶装置に登録して容易、且つ確実に管理できる。
【0064】
さらに、マスターデータにおいて基板サポートピンの配設位置と登録されたサポートプレートの各セット位置を位置表示手段により視覚的に表示しながら、作業者がその表示位置にのみ基板サポートピンを順次嵌め込む簡単な操作を行えばよいので、マスターデータに基づく基板サポートピンの配設を、容易、且つ確実に行えることから極めて短時間で終了することができる。
【0065】
また、本発明の基板サポートピン配設装置によれば、本発明の基板サポートピンの配設方法を簡単な構成によって実用化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る基板サポートピンの配設方法に用いる装置を示す構成図。
【図2】(a)は同上装置のマスターデータ記憶装置におけるデータの登録形式を示す説明図、(b)はそのデータの内容の説明図。
【図3】(a)はプリント回路基板が部品実装位置に固定された状態の側面部、(b)は基板サポートピンの配設位置の設定状態を示す側面図、(c)は基板サポートピンの配設状態を示す側面図。
【図4】(a)〜(c)は何れも本発明におけるプリント回路基板とサポートピンの配設位置との位置関係の例を示す説明図。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る基板サポートピン配設装置を示す要部の斜視図。
【符号の説明】
1 サポートプレート
2 基板サポートピン
3 プリント回路基板(回路基板)
4 電子部品
8 ピン支持孔(セット位置)
9 投光装置(位置表示手段)
10,11 モータ(位置決め手段)
18 制御装置(制御手段,登録手段)
19 モータドライバ(位置決め手段)
20 マスターデータ記憶装置(データ記憶手段)
21 キーボード(入力手段)
28 レーザ測長器(部品検出手段)
34 チャックユニット(ピン自動配設手段)
MD マスターデータ
Claims (4)
- 回路基板の一面に電子部品を実装するに際して、前記回路基板をこれの他面に各々の先端頂部を下方から当接させて支持するための複数の基板サポートピンを、サポートプレートに多数設けられたピン支持孔の位置のうちから選択した所要のセット位置に立設する基板サポートピンの配設方法において、
前記回路基板を、その他面が上面となる配置で前記サポートプレートに対しその上方において所定の相対位置で相対向させ、この回路基板の他面における前記サポートプレートの前記ピン支持孔の位置に対応する各箇所を、位置表示手段により視覚的に順次表示するとともに、その各表示位置に対する実装済みの電子部品の有無を入力手段により設定する第1の工程と、
前記各表示位置の位置座標のデータとその位置に対する実装済みの電子部品の有無のデータとに基づき演算して前記基板サポートピンを配置すべき前記サポートプレートの各セット位置を示すマスターデータを算出し、そのマスターデータをデータ記憶手段に登録記憶させる第2の工程と、
前記回路基板を前記サポートプレートの上方から除外した状態において、前記マスターデータに基づき前記サポートプレートにおける前記基板サポートピンを配設すべき各セット位置を前記位置表示手段により視覚的に順次表示しながら表示した当該セット位置に前記基板サポートピンを配設する第3の工程と
を有することを特徴とする基板サポートプレートの配設方法。 - 第1の工程において、回路基板の他面におけるサポートプレートのピン支持孔の位置に対応する各箇所を、位置表示手段により視覚的に順次表示するとともに、前記位置表示手段と一体的に移動する部品検出手段によって前記各表示位置に実装された電子部品の存在の有無を検出し、各表示位置に対する前記基板サポートピンの当接の有無を、前記部品検出手段の検出結果に基づき自動的に判別して設定するようにした請求項1に記載の基板サポートピンの配設方法。
- 第3の工程において、サポートプレートにおけるマスターデータにおいて基板サポートピンの配設位置と設定された各セット位置に、位置表示手段と一体的に移動するピン自動配設手段によって前記基板サポートピンを自動的に配設するようにした請求項1または2に記載の基板サポートピンの配設方法。
- 回路基板の一面に電子部品を実装するに際して、前記回路基板をこれの他面に各々の先端頂部を下方から当接させて支持するための複数の基板サポートピンを、サポートプレートに多数設けられたピン支持孔の位置のうちから選択した所要のセット位置に立設する基板サポートピン配設装置において、
前記基板サポートピンを立設するための複数個のピン支持孔が所定の配置で設けられたサポートプレートと、
任意の位置をスポット光の照射によって表示する位置表示手段と、
前記サポートプレートの上方において他面が上面となる配置で位置固定された前記回路基板における前記ピン支持孔の位置に対応する各箇所を前記スポット光によって順次表示するように前記位置表示手段と前記サポートプレートとの相対位置を可変制御する位置決め手段と、
前記位置表示手段による表示位置に対する実装済みの電子部品の有無を入力する入力手段と、
前記ピン支持孔の位置にそれぞれ関連付けて各々の位置を示す座標値と前記基板サポートピンの配設の有無とを設定したマスターデータが登録記憶されたデータ記憶手段と、
前記入力手段による入力データと前記位置表示手段による表示位置の座標値とに基づく演算により前記マスターデータを算出して前記データ記憶手段に登録記憶させるとともに、そのマスターデータに基づいて前記基板サポートピンを配設すべき前記各セット位置のみを前記スポット光で表示するよう前記位置決め手段を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする基板サポートピン配設装置。
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