JP4020455B2 - 超音波流量計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は流体中の超音波の伝播方向を、上流から下流(順方向)と下流から上流(逆方向)の両方について測定して流速を算出し、さらに流量を求め積算する超音波流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】
測定原理の一例として、図13に示すように、流体中に距離Lを離して流管3の上流と下流に配置した1組の超音波送受波器の一方の送受波器1から他方の送受波器2への順方向伝播時間t1 は、静止流体中の超音波の音速をC、流体の流れの速さをVとすると、
t1 =L/(C+V)
となる。
【0003】
また、送受波器2から送受波器1への逆方向伝播時間t2 は、
t2 =L/(C−V)
となる。
【0004】
伝播時間t1 とt2 とから流速Vを、
V=(L/2){(1/t1 )−(1/t2 )}
として求めていた。
【0005】
上述の測定原理において、超音波が受信側の送受波器に到達する時期、つまり到達ポイントを特定する受信検知の方法として、特定波のゼロクロス点を検知するようにしたものがある。
【0006】
図14は発信のタイミングを示す発信駆動信号と受信波を示している。実際の受信波は非常に小さく、先ず増幅される。同図の受信波は増幅後の波形を示している。
【0007】
aが到達点で、徐々に振幅が大きくなる。その後最大振幅となり徐々に小さくなる。
ところが到達点aはノイズに隠れて検知できない。そこで、次のような方法が行われている。
【0008】
ノイズより十分大きな基準電圧レベルとしてのしきい値VTHを決め、このレベルに最初に達した波、例えば同図の第3波がb点でしきい値に達した後ゼロレベルを通るゼロクロスポイントcを検知して受信検知とする方法である。
【0009】
しきい値VTHは常に何番目かのある特定の波(例えば第3波)のゼロクロスポイントを検知するように定めてあり、実際の到達時間tは、a点からc点までの時間τを予め求めて記憶しておき、測定した時間t+τに相当する値から時間τを減算することにより求めている。
【0010】
ところが、受信波の大きさは測定する気体の圧力や、或いは超音波送受波器を構成する振動子の個々の特性によって異なる。その結果、個々のしきい値VTHの調整はもちろん、場合によっては設置場所毎に現地でしきい値VTHや、受信側の送受波器で得た信号を増幅する増幅器の増幅率の調整が必要となる。
【0011】
そこで、自動的に最適なしきい値VTHにできるいくつかの方法が模索されている。
その一つは、ピーク値ホールド回路やオートゲインコントロール回路を用いて受信波のピーク値が常に一定の大きさになるよう増幅器のゲイン(前記増幅率)を調整して、狙った波をしきい値VTHで捉えるようにすることで、受信波の方をしきい値VTHに合わせる方法である。
【0012】
もう一つは、直前の受信波のピーク値をホールドし、そのピーク値の電圧に一定値を掛けた値をしきい値VTHとして使う方法である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
これらの方法は、消費電流の大きいアナログ回路部が大きくなってコスト高になる。また、ある特定電圧を一定時間ホールドしている必要があるとか、或いはしきい値VTHを決めるために、測定とは別の超音波の送受を行う必要があるため、低消費電流にすることが難しいなどの問題点があった。
【0014】
そこで、本発明はこれらの問題点を解消できる超音波流量計を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、
送信側にも受信側にもはたらく少なくとも1対の超音波送受波器を設け、流体の流れの中を上流から下流及び下流から上流に超音波の送受を行い、その各向きの到達時間より流量を求める超音波流量計であって、
一方が他方の一定倍の関係を持つ基準電圧レベルのペアが異なる電圧で複数組用意されていて、ある基準レベルに対し最初にそのレベルを越えた波がその基準レベルとペアになるもう一つの基準レベルも一気に越えるペアが存在したときその波のゼロクロスポイントを到達ポイントとすることを特徴とする超音波流量計である。
【0016】
受信波はその先頭から第1波、第2波、第3波、第4波、第5波、第6波、第7波と次第にそのピークが大きくなる。このピークの電圧の大きくなる度合いは最初ほど大きくだんだん小さくなる傾向がある。つまり、ピークの大きさを比較すると、第1波側なら、第3波/第1波が最大で第5波/第3波、第7波/第3波と段々小さくなる。第2波側なら第4波/第2波が最大で第6波/第尾4波、第8波/第6波と小さくなる。
【0017】
なお、第3波/第1波と表現した比率は厳密には第3波のピーク値と第1波のピーク値との比率である(第3波のピーク/第1波のピーク)を簡略化して表現したもので、他の比率についても同様に簡略化した表現で示している。
【0018】
上記各比率は流体の圧力等で全体の振幅が変化してもほとんど変化しないことが実験等で確認されている。特に第3波/第1波および第4波/第2波は他の比率に比べ十分大きいため区別が容易である。
【0019】
図1で説明する。この図は大中小の3つの振幅の事例の場合を第5波まで重ねて表示している。それぞれ第3波は第1波の3倍、第5波は第3波の2倍の大きさである。
【0020】
仮に、基準電圧レベルVTHを指数関数的に、下から100mV、126mV、159mV、200mV、251mV、316mV、398mV、500mV、629mV、791mV、994mV、1250mVのように約1.26倍ずつ大きくなるようVTH1からVTH12まで決めると、VTH1に対しVTH5のように4つ上のレベルがそのレベルの2.5倍の電圧となり、ペアとしている。
【0021】
振幅小の場合、ある波が(第3波と最初は分かっていない)VTH2を初めて越える(第1波はVTH1を越えただけである)。その波は一気にV TH 6まで越えている。つまり、VTH2のペアのVTH6も越えている。よって、この波のピークは前の波のピークの2.5倍以上あることがわかる。この条件を満たすのは第3波だけである。よって、その時点でそれが第3波と検知でき、そのゼロクロス点を受信検知点とする。
【0022】
振幅大と中の場合でもそれぞれVTH5とVTH9、VTH7とVTH11の各ペアを一気に越えるのでその波が第3波と判断可能である。このように、振幅が流体圧力等の違いにより異なっても、どれかのペアが第3波を捉えることができ、VTHの調整をすることなく第3波を捉えることができる。
【0023】
この例では第1波側を正とし正側に基準電圧レベルを設置して第3波を捉えるようにしたが、負側に基準レベルを設置して第4波を捉えるようにすることもできるし、受信波の極性を逆にして正側で第4波あるいは負側で第3波を捉えるようにしてもよい。
【0024】
この発明では、アナログ回路部は増幅部の他に各基準電圧との比較部のみで構成でき、しかも受信時に一瞬機能させるだけでよく、ピーク値ホールドのようにある特定の電圧を一定時間保持するような必要がないため低消費電力化が容易である。
【0025】
請求項2の発明は、
送信側にも受信側にもはたらく少なくとも1対の超音波送受波器を設け、流体の流れの中を上流から下流及び下流から上流に超音波の送受を行い、その各向きの到達時間より流量を求める超音波流量計であって、
まず送信側の送受波器を発信させ、受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると、再び送信側の送受波器を発信させるようにし、これを一定回数繰り返すよう構成し、最初の送信から一定回数目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求めるようにしたもので、前記受信波検知部は、一方が他方の一定倍の関係を持つ基準電圧レベルのペアが異なる電圧で複数組用意されていて、ある基準レベルに対し最初にそのレベルを越えた波がその基準レベルとペアになるもう一つの基準レベルも一気に越えるペアが存在したときその波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとすることを特徴とする超音波流量計である。
【0026】
この発明では伝播時間計測の分解能を上げるために、単純に送信から受信までの時間tを測るのではなく、受信と同時に次の送信を行うことを複数回(n回)繰り返すことにより、伝播時間tをn回連続させ、最初(第1回目)の送信から最後(第n回目)の受信までの時間ntを測定する。
【0027】
この場合、特にピーク値等のホールド回路は低消費電力化の妨げとなる。
それは伝播時間測定に時間が掛かるためである。tという時間はL=200mm程度の流量計では、1msec以内の値であるが、nが50とか100いう値となるとntはかなり長い時間となり、この間ずっとある一定の電圧をホールドすることは大きな電力消費となるからである。
【0028】
この発明では、受信時に一瞬機能させればよい比較回路のみで要部を構成できるため低消費電流化が容易である。
請求項3の発明は、送信側にも受信側にもはたらく少なくとも1対の超音波送受波器を設け、流体の流れの中を上流から下流及び下流から上流に超音波の送受を行い、その各向きの到達時間より流量を求める超音波流量計であって、
まず送信側の送受波器を発信させ、受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると、再び送信側の送受波器を発信させるようにし、これを一定回数繰り返すよう構成し、最初の送信から一定回数目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求めるようにしたもので、
前記受信波検知部は、一方が他方の一定倍の電圧である関係を持つ基準電圧レベルのペアが異なる電圧で複数組用意されていて、第1回目の受信は、ある基準レベルに対し最初にそのレベルを越えた波がその基準レベルとペアになるもう一つの基準レベルも一気に越えるペアが存在したときその波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、第2回目以降の受信は各基準レベルとの比較は行わず、ゼロクロスのみ検知できるようにし、前回の送信から受信検知までの時間から一定時間を減じた時間がその回の送信から経過した時以降の最初のゼロクロスポイントを受信検知ポイントとしたことを特徴とする超音波流量計である。
【0029】
この発明も、伝播時間計測の分解能を上げるために、単純に送信から受信までの時間tを測るのではなく、受信と同時に次の送信を行うことを複数回(n回)繰り返すことにより、伝播時間tをn回連続させ、最初(第1回目)の送信から最後(第n回目)の受信までの時間ntを測定するようにしている。
【0030】
前述のように、1回の送受の到達時間tはきわめて短い時間である。したがって、連続した送受の到達時間の差はほとんどないと考えられる。よって、第1の送信からその受信までの時間がt11であった場合、第2の受信波が到達するのは第1の受信とともに行われる第2の送信後、およそt11たったところである。したがって、その点に最も近いゼロクロスポイントを受信検知点とする。
【0031】
第3の送受に関しても同様で、第2の送受の到達時間t12を用いて第3の受信点を予想する。以下同じである(図2参照)。
これによれば、第2の受信以降はゼロレベルとの比較のみで複数の基準レベルとの比較は行わない。よって、基準レベルとの比較部を機能させる必要がないためさらに低消費電力化が可能である。
【0032】
請求項4の発明は、送信側にも受信側にもはたらく少なくとも1対の超音波送受波器を設け、流体の流れの中を上流から下流及び下流から上流に超音波の送受を行い、その各向きの到達時間より流量を求める超音波流量計であって、
まず送信側の送受波器を発信させ、受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると、再び送信側の送受波器を発信させるようにし、これを繰り返すよう構成し、第1の送信から一定回数目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求めるようにしたもので、
前記受信波検知部は、一方が他方の一定倍の電圧である関係を持つ基準電圧レベルのペアが異なる電圧で複数組用意されていて、
最初は、ある基準レベルに対し最初にそのレベルを越えた波がその基準レベルとペアになるもう一つの基準レベルも一気に越えるペアが存在したときその波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
各送信から受信を検知した点までの到達時間を監視していて、連続する到達時間の差より、特定の波を捉えたと判断したときに狙った波を捉えたとし、
それ以降は各基準電圧レベルとの比較は行わず、ゼロクロスのみ検知できるようにし、前回の送信から受信検知までの時間から一定時間を減じた時間がその回の送信からたった以降の最初のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
狙った波を捉えたと判定した送受あるいはその後の送受の送信を第1の送信とみなすようにしたことを特徴とする超音波流量計である。
【0033】
請求項5の発明は、送信側にも受信側にもはたらく少なくとも1対の超音波送受波器を設け、流体の流れの中を上流から下流及び下流から上流に超音波の送受を行い、その各向きの到達時間より流量を求める超音波流量計であって、
まず送信側の送受波器を発信させ、受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると、再び送信側の送受波器を発信させるようにし、これを繰り返すよう構成し、第1の送信から一定回数目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求めるようにしたもので、
前記受信波検知部は、一方が他方の一定倍の電圧である関係を持つ基準電圧レベルのペアが異なる電圧で複数組用意されていて、
最初は、ある基準レベルに対し最初にそのレベルを越えた波がその基準レベルとペアになるもう一つの基準レベルも一気に越えるペアが存在したときその波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
各送信から受信を検知した点までの到達時間を監視していて、連続する到達時間の差より、特定の波を決められた回数連続して捉えたと判断したとき、あるいは特定の波を一定頻度以上で捉えたと判断したときに狙った波を捉えたとし、
それ以降は各基準電圧レベルとの比較は行わず、ゼロクロスのみ検知できるようにし、前回の送信から受信検知までの時間から一定時間を減じた時間がその回の送信からたった以降の最初のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
狙った波を捉えたと判定した送受あるいはその後の送受の送信を第1の送信とみなすようにしたことを特徴とする超音波流量計である。
この発明ではノイズ等で、第3波/第1波等各波の比率が一時的に乱れても確実にねらった波を捉えられるようにするもので、確実にねらった波、例えば第3波を捉えたと判断したとき、その到達時間を基準に以後の測定をおこなう。
【0034】
前述のように、特定の波を捉えている限り、連続する送受の到達時間の差はほとんどない。ある瞬間、別の波を捉えた場合、1波長分大きくなったり小さくなったりする。
【0035】
通常のノイズでは問題なくねらった波を捉えることができるよう設計されているので、ねらった波を捉える確率が最も高い。したがって、特定の波を連続して捉えていると判断できた場合、あるいは、特定の波を一定頻度以上で捉えたと判断できたとき、その波がねらった波と判定できる。
【0036】
また、ノイズにより、どの基準電圧のペアもねらった波を検知できないこともあり得るが、その場合、一定時間経過しても受信検知できない。このときは再び送信側の送受波器を発信させることにより復帰できる。
【0037】
一旦、ねらった波を捉えたと判断した後は、請求項3の発明の第2の受信以降と同様であり、確実にねらった波を捉えることができ、低消費電力化が可能となる。
【0038】
αは半波長に相当する時間程度に決めることができる(図3参照)。
請求項6の発明は、送信側にも受信側にもはたらく少なくとも1対の超音波送受波器を設け、流体の流れの中を上流から下流及び下流から上流に超音波の送受を行い、その各向きの到達時間より流量を求める超音波流量計であって、
まず送信側の送受波器を発信させ、受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると、再び送信側の送受波器を発信させるようにし、これを繰り返すよう構成し、第1の送信から一定回数目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求めるようにしたもので、
前記受信波検知部は、一方が他方の一定倍の電圧である関係を持つ基準電圧レベルのペアが異なる電圧で複数組用意されていて、
最初は、ある基準レベルに対し最初にそのレベルを越えた波がその基準レベルとペアになるもう一つの基準レベルも一気に越えるペアが存在したときその波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
各送信から受信を検知した点までの到達時間を監視していて、前後する到達時間の差が一定値より小さいことが、連続して一定回数起こったときに狙った波を捉えたとし、
それ以降は各基準電圧レベルとの比較は行わず、ゼロクロスのみ検知できるようにし、前回の送信から受信検知までの時間から一定時間を減じた時間がその回の送信からたった以降の最初のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
狙った波を捉えたと判定した送受あるいはその後の送受の送信を第1の送信とみなすようにしたことを特徴とする超音波流量計である。
請求項7の発明は、送信側にも受信側にもはたらく少なくとも1対の超音波送受波器を設け、流体の流れの中を上流から下流及び下流から上流に超音波の送受を行い、その各向きの到達時間より流量を求める超音波流量計であって、
まず送信側の送受波器を発信させ、受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると、再び送信側の送受波器を発信させるようにし、これを繰り返すよう構成し、第1の送信から一定回数目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求めるようにしたもので、
前記受信波検知部は、一方が他方の一定倍の電圧である関係を持つ基準電圧レベルのペアが異なる電圧で複数組用意されていて、
最初は、ある基準レベルに対し最初にそのレベルを越えた波がその基準レベルとペアになるもう一つの基準レベルも一気に越えるペアが存在したときその波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
各送信から受信を検知した点までの到達時間を監視していて、前後する到達時間の差が一定値より小さいことが起こったときに狙った波を捉えたとし、
それ以降は各基準電圧レベルとの比較は行わず、ゼロクロスのみ検知できるようにし、前回の送信から受信検知までの時間から一定時間を減じた時間がその回の送信からたった以降の最初のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
狙った波を捉えたと判定した送受あるいはその後の送受の送信を第1の送信とみなすようにしたことを特徴とする超音波流量計である。
請求項8の発明は、請求項4,5,6又は7の超音波流量計において、各送信から受信を検知した点までの到達時間を監視していて、一定時間経過しても受信を検知しないときは再度送信側の送受波器を発信するようにしたことを特徴とするものである。
請求項9の発明は、請求項6又は7の超音波流量計において、一定値を超音波の半周期としたことを特徴とするものである。
そして、請求項10の発明は、請求項3〜9の何れかの超音波流量計において、受信波検知部が、一方が他方の一定倍の電圧である関係をもつペアの基準電圧レベルが入力されている複数の比較部を備えており、
受信波検知部が狙った波を捉えたら、前記比較部への電源供給を止めることを特徴とするものである。
【0039】
【発明の実施の形態】
次に本発明の好ましい実施の形態をいくつかの実施例に基づいて説明する。
〔実施例1〕
請求項2の発明に対する実施例1を図4〜図6に従って説明する。
【0040】
図4は全体のブロック図、図5は図4の受信波検知部の要部電気回路図、図6は受信波検知部のタイミング図である。
送受波器1と2はそれぞれ超音波振動子で構成されていて、送信にも受信にも使用できる。
【0041】
両送受波器は流体中を上流から下流及び下流から上流への超音波の送受を行う。受信波検知部4は受信側の送受波器が接続され受信波を検知すると受信波検知信号を出力する。送受波器駆動部5はコントロール部6より第1送信指令信号を受けると送信側の送受波器をまず駆動し、その後は受信波検知部4より受信波検知信号を受ける度に駆動する。ただし第1のカウンタ7より第n受信波検知信号を受けると、それ以後は新たに第1送信指令信号を受けるまでは駆動を停止する。
【0042】
本実施例では無意味なn+1回目の駆動を行ってしまうようになっているが、受信側で無視するので問題はない。
カウンタ7は受信検知部4からの受信波検知信号をカウントしn番目の受信波検知信号を出力する。このカウンタ7はコントロール部6よりの第1送信指令信号でリセットされるようになっている。
【0043】
第2のカウンタ8は第1送信指令信号から第n受信波検知信号までの時間を測定する。その時間(カウント値)はコントロール部6が読み取る。この例では第1送信指令信号でカウント値がゼロクリアされ、カウントを開始するように構成されている。
【0044】
コントロール部6は一定間隔で送受切替信号を反転させて2つの送受波器1,2の役割の切り替えを行う。
各切り替え後、毎回切り替えによるノイズ等がおさまる時間をおいて、第1送信指令信号を出力する。そして、第n受信波検知信号を入力すると、カウンタ8の測定(カウント値)を読み取り、直前に行った逆向きでの測定値とを用いて、その間の流速流量を演算する。
【0045】
図5は、受信波検知部4の、接続された送受波器からの信号を増幅後の構成である。各比較部11〜18にはペアとなる2つの基準電圧レベル、即ち前述の図1のVTH1〜VTH12までの電圧よりペアになる2電圧が選ばれて入力されている。
【0046】
比較部は図5の四角で囲まれた構成で、タイミングは図6のようになる。本タイミングは第3波を捉えた時の波形である。
比較部のどれかが第3波を捉えてOR回路19の出力が“High”になると、RSFF20の出力Qは一旦“Low”になり、S入力であるゼロクロス検知用比較器21の出力が受信波のゼロクロス点を検知し、“High”となるとともに出力Qは再び“High”になる。
【0047】
その立上りエッジを検知した信号が受信波検知信号となっている。
VB より第1波が大きかった場合、比較部のカウンタの値が“2”となり、つまりQ1が“Low”となり出力信号はでない(“High”とならない)。また、第3波がVA より小さい場合も出力は出ないように構成されている。
【0048】
各比較部が異なる基準電圧レベルで動作するため、圧力変動等で受信波の振幅が変動しても8個の比較部のうちどれかが第3波を捉えるようになっている。
また、比較部のカウンタは受信波検知信号でリセットされ次の受信に備えるようになっている。
【0049】
〔実施例2〕
請求項3の発明に対応する実施例2を図7と図8に従って説明する。
図7の全体の構成は図4とほぼ同じであるが、第1送信指令信号が受信波検知部4に入力される点が異なる。
【0050】
受信波検知部4の構成を図8に示す。図5と同様に接続された送受波器からの受信波を増幅後の構成である。
各比較部11〜18は図5と同様である。どれかの比較部が第3波を捉えるとOR回路19の出力が“High”となる。
【0051】
第1送信指令信号が入力されると、RSFF22はリセットされてそのQ出力は“Low”となり、スイッチSWはOR回路19の出力を選択する。
OR回路19の出力が“High”となると、この出力信号はスイッチSWを介してRSFF23のR入力に入力されてRSFF23の出力Qが“Low”となる。
【0052】
さらに受信波がゼロクロスしたところでゼロクロス検知用比較器21より出力される信号がRSFF23のS入力に入力され出力Qは“High”となり、立上りエッジ検知され受信波検知信号として出力される。
【0053】
この信号はRSFF22のS入力となっていてRSFF22の出力Qは“High”となり、スイッチSWは切り替わり、RSFF23のR入力へのデジタル比較器24のA=B出力が入力されるようになる。
【0054】
また前記受信波検知信号は記憶器25のラッチ入力となっていて、この瞬間のカウンタ値t11を記憶する。さらに、受信検知信号はORゲート26を介してカウンタ27をリセットするよう構成されていて(ラッチ後リセットする)、到達時間を記憶器25が記憶するとリセットされ次の到達時間の測定に移るようになっている。
【0055】
減算器28は記憶器で記憶された値(カウント値)がC入力として入力されていて、もう一方にαが入力されている。そして、C−α(t11−α)がデジタル比較部24のB入力に出力されている。
【0056】
またカウンタ27の出力がA入力としてデジタル比較部24に入力されていて、そのABの入力が等しくなると、A=B出力が“High”となる。
カウント27のカウントが進み、t11−αと等しくなると、A=B出力が“High”となりRSFF23の出力Qは“Low”となり次のゼロクロスを待つ状態になる。
【0057】
そして実際にゼロクロスするとき、ゼロクロス検知用比較器21の出力によりRSFF23の出力Qが“High”となり再び受信波検知信号が出力される。
ここで、再びt12が記憶される。以下は同じである。
【0058】
αは超音波の約半周期分の時間とした。
発信器29はこの半周期分を検知できる周波数でよく、また精度もそれほど要求されない。また、カウンタ8用の基準クロックあるいはその分周したものも使用可能である。
【0059】
また、RSFF22の出力Qは比較部OFF信号として使われていて、8つの比較部11〜18は、RSFF22の出力Qが“High”となりスイッチSWが図示の状態から切り替わり非選択状態になると電源供給が止められ機能を停止して電力消費を押さえるよう構成されている。
【0060】
〔実施例3〕
次に請求項4の発明に対応する実施例3を図9〜図12に従って説明する。
本実施例では到達時間が連続してほぼ同じ値になればねらった波を捉えたとしている。カウンタ7はコントロール部6よりの再スタート信号でリセットされるようになっていて、その後のn+1番目の受信波検知信号を検知して第n受信波検知信号を出力する。
【0061】
カウンタ8は再スタート信号入力後の受信波検知信号から第n受信波検知信号までの時間を測定してコントロール部6へ出力するようになっている。
受信波検知部4は図10のように構成されていて、記憶器25の出力がコントロール部に入力されている。
【0062】
RSFF22のR入力には第1送信指令信号と再スタート信号のOR信号が入力されている。また、このOR信号は比較部11〜18のカウンタのリセット信号となっている。
【0063】
本実施例ではコントロール部6としてマイクロコンピュータを使用している。マイクロコンピュータは、まず送受の向きをセットすると、その切り替え時のノイズが十分小さくなる時間後に第1送信指令信号を出力する。このとき少し遅れて再スタート信号も出力する。
【0064】
受信波検知信号は割り込みとしてコントロール部6へ入力される。そのときの動きを図11にフローチャートで示す。また、図12にタイミングチャートを示す。
【0065】
βは超音波の半周期程度に相当するカウント値である。この実施例ではm=1とした。つまり、1回でも差がβ以下になればねらった波を捉えたとした。
最初の本割り込みではt′11が読み取れる。前回値としてはゼロがセットされるようになっているため差はβより大きくなる。よって、連続数はクリアされゼロとなり、コントロール部6は再スタート信号を出力する。
【0066】
よって、受信波検知部のスイッチSWは一旦OR回路19の出力を選択する側に切り替えるが、またゼロクロス検知用比較器21の出力選択に戻される。
受信波検知信号を受けてカウントを開始したカウンタ8は、またもとの待機状態(カウントスタートの信号となる受信波検知信号を待つ状態)となる。
【0067】
また前回値としてt′11が記憶される。
次の割り込み時はt′12を読み取る。ここではねらった波を捉えていないとする。よって、t′11−t′12はβより大きくなる。よって前回同様に連続数はゼロクリアされ再スタート信号が出力される。また、t′12が前回値として記憶される。
【0068】
次の割り込みでも差がβより大きいため同様である。ここではt′13が記憶される。
その次の割り込みにおいてt′14が読み取られ|t′13−t′14|がβより小さくなる。本実施例ではm=1としたため連続数が+1され1になった時点でねらった波が捉えられたと判定される。mがもっと大きな値にセットされた場合は連続数がmとならないうちは再スタート信号が出力される。
【0069】
ねらった波が捉えられたと判定されると、本割り込みすなわち受信波検知信号割り込みはマスクされ不許可となり、以後許可されるまでは受信波検知信号が入力されてもこの動きはしない。
【0070】
実際の測定はt′14の受信時スタートしたことになる。
以後は実施例2と同じである。t11はt′14の受信時(次の送信時)よりt′14−α経過後の最初のゼロクロス点となる。
【0071】
カウンタ7は実質測定スタート時点の受信波検知信号を1と数えるためn+1回目が前記解決手段で述べた請求項3の発明におけるn番目に相当する。
なお、mを2以上に限るなら連続数がm−1となった時、再スタート信号を出力しないようにすることで、正しく波を捉えたと判断できた送受を第1の送受とすることが可能である。
【0072】
【発明の効果】
本発明の超音波流量計は上述のように構成されているので、特別の調整をしなくても流体の圧力変動等による受信波振幅の変動に対応できる。
【0073】
また、ノイズ等で受信波が一時的に歪んでも、間違った波を捉えてしまう虞れがなく、確実な測定ができる。
さらにまた、アナログ回路部が増幅と比較のみで構成でき、しかも受信時のみ機能させればよい。従来技術のように、ピーク値をホールドしてその値より基準電圧レベルとしてのしきい値VTHを発生させるやりかたでは前回の受信のピーク値を今回の受信時までホールドするために比較的長時間にわたりアナログ回路部を動作させる必要があったが、本発明ではこのような必要がない。従って低消費電流(電力)化が可能で、電池が小さくても良いことになり、低コストにできる。
【0074】
その結果、電池駆動が可能となると共に、信号に対しある程度のノイズを許容できる点から流量計の信頼性を向上できる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波流量計の作用を説明するための、受信波の波形と基準電圧レベルとしてのしきい値VTHとの関係を示す線図である。
【図2】本発明の作用を説明する信号波形図である。
【図3】本発明の作用を説明する受信波形図である。
【図4】本発明の実施例1のブロック図である。
【図5】図4の実施例1の受信波検知部の要部電気回路図である。
【図6】図5の電気回路のタイミング図である。
【図7】本発明の実施例2のブロック図である。
【図8】図7の実施例2の受信波検知部の要部電気回路図である。
【図9】本発明の実施例3のブロック図である。
【図10】図9の実施例3の受信波検知部の要部電気回路図である。
【図11】図9の実施例3の動きを説明するフローチャートである。
【図12】図9の実施例3の作用を説明するタイミング図である。
【図13】超音波流量計の原理を説明する略図である。
【図14】従来の超音波流量計の受信波検知部の動作を説明する電気信号波形を示す線図である。
【符号の説明】
1,2 超音波送受波器
3 流管
4 受信波検知部
5 送波器駆動部
6 コントロール部
7 第1のカウンタ
8 第2のカウンタ
c 受信波検知ポイント
Claims (10)
- 送信側にも受信側にもはたらく少なくとも1対の超音波送受波器を設け、流体の流れの中を上流から下流及び下流から上流に超音波の送受を行い、その各向きの到達時間より流量を求める超音波流量計であって、
一方が他方の一定倍の関係を持つ基準電圧レベルのペアが異なる電圧で複数組用意されていて、ある基準レベルに対し最初にそのレベルを越えた波がその基準レベルとペアになるもう一つの基準レベルも一気に越えるペアが存在したときその波のゼロクロスポイントを到達ポイントとすることを特徴とする超音波流量計。 - 送信側にも受信側にもはたらく少なくとも1対の超音波送受波器を設け、流体の流れの中を上流から下流及び下流から上流に超音波の送受を行い、その各向きの到達時間より流量を求める超音波流量計であって、
まず送信側の送受波器を発信させ、受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると、再び送信側の送受波器を発信させるようにし、これを一定回数繰り返すよう構成し、最初の送信から一定回数目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求めるようにしたもので、
前記受信波検知部は、一方が他方の一定倍の関係を持つ基準電圧レベルのペアが異なる電圧で複数組用意されていて、ある基準レベルに対し最初にそのレベルを越えた波がその基準レベルとペアになるもう一つの基準レベルも一気に越えるペアが存在したときその波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとすることを特徴とする超音波流量計。 - 送信側にも受信側にもはたらく少なくとも1対の超音波送受波器を設け、流体の流れの中を上流から下流及び下流から上流に超音波の送受を行い、その各向きの到達時間より流量を求める超音波流量計であって、
まず送信側の送受波器を発信させ、受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると、再び送信側の送受波器を発信させるようにし、これを一定回数繰り返すよう構成し、最初の送信から一定回数目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求めるようにしたもので、
前記受信波検知部は、一方が他方の一定倍の電圧である関係を持つ基準電圧レベルのペアが異なる電圧で複数組用意されていて、第1回目の受信は、ある基準レベルに対し最初にそのレベルを越えた波がその基準レベルとペアになるもう一つの基準レベルも一気に越えるペアが存在したときその波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
第2回目以降の受信は各基準レベルとの比較は行わず、ゼロクロスのみ検知できるようにし、前回の送信から受信検知までの時間から一定時間を減じた時間がその回の送信から経過した時以降の最初のゼロクロスポイントを受信検知ポイントとしたことを特徴とする超音波流量計。 - 送信側にも受信側にもはたらく少なくとも1対の超音波送受波器を設け、流体の流れの中を上流から下流及び下流から上流に超音波の送受を行い、その各向きの到達時間より流量を求める超音波流量計であって、
まず送信側の送受波器を発信させ、受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると、再び送信側の送受波器を発信させるようにし、これを繰り返すよう構成し、第1の送信から一定回数目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求めるようにしたもので、
前記受信波検知部は、一方が他方の一定倍の電圧である関係を持つ基準電圧レベルのペアが異なる電圧で複数組用意されていて、
最初は、ある基準レベルに対し最初にそのレベルを越えた波がその基準レベルとペアになるもう一つの基準レベルも一気に越えるペアが存在したときその波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
各送信から受信を検知した点までの到達時間を監視していて、連続する到達時間の差より、特定の波を捉えたと判断したときに狙った波を捉えたとし、
それ以降は各基準電圧レベルとの比較は行わず、ゼロクロスのみ検知できるようにし、前回の送信から受信検知までの時間から一定時間を減じた時間がその回の送信からたった以降の最初のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
狙った波を捉えたと判定した送受あるいはその後の送受の送信を第1の送信とみなすようにしたことを特徴とする超音波流量計。 - 送信側にも受信側にもはたらく少なくとも1対の超音波送受波器を設け、流体の流れの中を上流から下流及び下流から上流に超音波の送受を行い、その各向きの到達時間より流量を求める超音波流量計であって、
まず送信側の送受波器を発信させ、受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると、再び送信側の送受波器を発信させるようにし、これを繰り返すよう構成し、第1の送信から一定回数目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求めるようにしたもので、
前記受信波検知部は、一方が他方の一定倍の電圧である関係を持つ基準電圧レベルのペアが異なる電圧で複数組用意されていて、
最初は、ある基準レベルに対し最初にそのレベルを越えた波がその基準レベルとペアになるもう一つの基準レベルも一気に越えるペアが存在したときその波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
各送信から受信を検知した点までの到達時間を監視していて、連続する到達時間の差より、特定の波を決められた回数連続して捉えたと判断したとき、あるいは特定の波を一定頻度以上で捉えたと判断したときに狙った波を捉えたとし、
それ以降は各基準電圧レベルとの比較は行わず、ゼロクロスのみ検知できるようにし、前回の送信から受信検知までの時間から一定時間を減じた時間がその回の送信からたった以降の最初のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
狙った波を捉えたと判定した送受あるいはその後の送受の送信を第1の送信とみなすようにしたことを特徴とする超音波流量計。 - 送信側にも受信側にもはたらく少なくとも1対の超音波送受波器を設け、流体の流れの中を上流から下流及び下流から上流に超音波の送受を行い、その各向きの到達時間より流量を求める超音波流量計であって、
まず送信側の送受波器を発信させ、受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると、再び送信側の送受波器を発信させるようにし、これを繰り返すよう構成し、第1の送信から一定回数目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求めるようにしたもので、
前記受信波検知部は、一方が他方の一定倍の電圧である関係を持つ基準電圧レベルのペアが異なる電圧で複数組用意されていて、
最初は、ある基準レベルに対し最初にそのレベルを越えた波がその基準レベルとペアになるもう一つの基準レベルも一気に越えるペアが存在したときその波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
各送信から受信を検知した点までの到達時間を監視していて、前後する到達時間の差が一定値より小さいことが、連続して一定回数起こったときに狙った波を捉えたとし、
それ以降は各基準電圧レベルとの比較は行わず、ゼロクロスのみ検知できるようにし、前回の送信から受信検知までの時間から一定時間を減じた時間がその回の送信からたった以降の最初のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
狙った波を捉えたと判定した送受あるいはその後の送受の送信を第1の送信とみなすようにしたことを特徴とする超音波流量計。 - 送信側にも受信側にもはたらく少なくとも1対の超音波送受波器を設け、流体の流れの中を上流から下流及び下流から上流に超音波の送受を行い、その各向きの到達時間より流量を求める超音波流量計であって、
まず送信側の送受波器を発信させ、受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると、再び送信側の送受波器を発信させるようにし、これを繰り返すよう構成し、第1の送信から一定回数目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求めるようにしたもので、
前記受信波検知部は、一方が他方の一定倍の電圧である関係を持つ基準電圧レベルのペアが異なる電圧で複数組用意されていて、
最初は、ある基準レベルに対し最初にそのレベルを越えた波がその基準レベルとペアになるもう一つの基準レベルも一気に越えるペアが存在したときその波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
各送信から受信を検知した点までの到達時間を監視していて、前後する到達時間の差が一定値より小さいことが起こったときに狙った波を捉えたとし、
それ以降は各基準電圧レベルとの比較は行わず、ゼロクロスのみ検知できるようにし、前回の送信から受信検知までの時間から一定時間を減じた時間がその回の送信からたった以降の最初のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
狙った波を捉えたと判定した送受あるいはその後の送受の送信を第1の送信とみなすようにしたことを特徴とする超音波流量計。 - 各送信から受信を検知した点までの到達時間を監視していて、一定時間経過しても受信を検知しないときは再度送信側の送受波器を発信するようにしたことを特徴とする請求項4,5,6又は7記載の超音波流量計。
- 一定値を超音波の半周期としたことを特徴とする請求項6又は7記載の超音波流量計。
- 受信波検知部が、一方が他方の一定倍の電圧である関係をもつペアの基準電圧レベルが入力されている複数の比較部を備えており、
受信波検知部が狙った波を捉えたら、前記比較部への電源供給を止めることを特徴とする請求項3〜9の何れか1つに記載の超音波流量計。
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