JP4112948B2 - 超音波流量計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は流体中の超音波の伝播時間を、上流から下流(順方向)と下流から上流(逆方向)の両方について測定して流速を算出し、さらに流量を求める超音波流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】
測定原理の一例として、図16に示すように、流体中に距離Lを離して流管3の上流と下流に配置した1組の超音波送受波器の一方の送受波器1から他方の送受波器2への順方向伝播時間t1 は、静止流体中の超音波の音速をC、流体の流れの速さをVとすると、
1 =L/(C+V)
となる。
【0003】
また、送受波器2から送受波器1への逆方向伝播時間t2 は、
2 =L/(C−V)
となる。伝播時間t1 とt2 とから流速Vを、
V=(L/2){(1/t1 )−(1/t2 )}
として求めていた。
【0004】
上述の測定原理において、超音波が受信側の送受波器に到達する時期、つまり到達時点を特定する受信検知の方法として、特定波のゼロクロスポイントを検知するようにしたものがある。図17は発信のタイミングを示す発信駆動信号と受信波を示している。実際の受信波は非常に小さく、先ず増幅される。同図の受信波は増幅後の波形を示している。
【0005】
aが到達時点で、徐々に振幅が大きくなる。その後最大振幅となり徐々に小さくなる。ところが到達時点aはノイズに隠れて検知できない。そこで、次のような方法が行われている。
【0006】
ノイズより十分大きな基準電圧レベルとしてのしきい値VTHを決め、このレベルに最初に達した波、例えば同図の第3波がb点でしきい値に達した後ゼロレベルを通るゼロクロスポイントcを検知して受信検知とする方法である。
【0007】
しきい値VTHは常に何番目かのある特定の波(例えば第3波)のゼロクロスポイントを検知するように定めてあり、実際の伝播時間tは、a点からc点までの時間τを予め求めて記憶しておき、測定した到達時間t+τから時間τを減算することにより求めている。
【0008】
送信から受信までの順方向伝播時間や逆方向伝播時間を求めるのに、単純に測定した到達時間t+τから時間τを減ずるのではなく、伝播時間計測の精度を向上するために、受信すると同時に次の送信を同じ方向に行うことを複数回(n−1回)繰り返すことにより、一方向、例えば順方向の送受信をn回連続して繰り返して、最初(第1回目)の順方向送信から最後(第n回目)の受信までの時間n(t1 +τ)を測定し、次に他方向、例えば逆方向への送受信を同様にしてn回連続して繰り返して、最初の逆方向送信から最後の受信までの時間n(t2 +τ)を測定し、これらの各方向の複数回の送受信で得た測定値からnτを減じ、各方向の伝播時間t1 とt2 とを計算して流速更に流量を求める超音波流量計も公知である。
【0009】
ところが、受信波の大きさは測定する気体の圧力や、或いは超音波送受波器を構成する振動子の個々の特性によって異なる。その結果、個々のしきい値VTHの調整はもちろん、場合によっては流量計の設置場所毎に現地でしきい値VTHや、受信側の送受波器で得た信号を増幅する増幅器の増幅率の調整が必要となる。
【0010】
そこで、自動的に最適なしきい値VTHにできるいくつかの方法が模索されている。その1つは、ピーク値ホールド回路やオートマチックゲインコントロール回路(AGC)を用いて受信波のピーク値が常に一定の大きさになるよう増幅器のゲイン(前記増幅率)を調整して、狙った波をしきい値VTHで捉えるようにすることで、受信波の方をしきい値VTHに合わせる方法である。もう1つは、直前の受信波のピーク値をホールドし、そのピーク値の電圧に一定値を掛けた値をしきい値VTHとして使う方法である。
【0011】
これらの方法は、消費電流の大きいアナログ回路部が大掛かりになってコスト高になる。また、ある特定電圧を一定時間ホールドしている必要があるとか、或いはしきい値VTHを決めるために、測定とは別の超音波の送受信を行う必要があるため、低消費電流にすることが難しいなどの問題点があった。
【0012】
特にピーク値等のホールド回路は低消費電力化の妨げとなる。1対の送受波器間の距離が200mm程度の気体流量計では伝播時間tが0.5ms程度であるが、繰り返し送受信を行う複数回(n回)が100回程度になるとntが50msにもなり、この長い時間の間、一定の電圧をホールドするのに大きな電力を消費するからである。
【0013】
そこで、本願の発明者は、アナログ回路による消費電流の問題点に対応しようとして、ピーク値ホールド等の回路を無くした超音波流量計を先に提案した。この超音波流量計は受信波検知回路に指数関数的な複数の基準電圧を備え、決められた複数段の基準電圧を一気に越える波を狙った波と見なし、その波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとするものである(特許文献1参照)。
【0014】
受信波は図17に示すように、その先頭から第1波、第2波、第3波、第4波、第5波、第6波、第7波と次第にそのピークが大きくなる。このピークの電圧の大きくなる度合いは最初ほど大きく、だんだん小さくなる傾向がある。つまり、ピークの大きさを比較すると、第1波側なら第3波/第1波が最大で、第5波/第3波、第7波/第3波とだんだん小さくなる。なお、第3波/第1波と表現した比率は第3波のピーク値と第1波のピーク値との比率を簡略化して表現したもので、他の比率についても同様である。
【0015】
このピーク値の傾向に注目して、特許文献1では、狙った波、例えば第3波のゼロクロスポイントを検知して受信波検知ポイントとしている。
【0016】
ところが、この超音波流量計は多数の比較回路を必要とするため、コスト高になるという問題点があることに気付き、この問題点に対応する超音波流量計を特願2001−175735で提案した。このものは本願の出願時で未公開である。
【0017】
この特願2001−175735の超音波流量計は前記しきい値VTHとしての固定の基準電圧に対し、狙った波、例えば第3波の検知に失敗したときは、増幅器の増幅度を変更して再度送受信を行い、受信波検知に再トライするものである。
【0018】
受信波は、流体の圧力等で全体の振幅が変化しても前記比率はほとんど変化しない。ただし、流量の変化に対しては、流量が大きくなるにつれて徐々に受信波は小さくなり、前記比率も一様に小さくなる傾向がある。測定可能流量範囲を一定範囲に限定することで前記比率は一定範囲では無視できる程度の小さな変化しかしないが、計測範囲の大きな流量計を実現するには無視できない。
【0019】
【特許文献1】
特開平10−332452号公報([0015]〜[0024]、図1、図14)
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1の超音波流量計は、多数の比較回路を必要とするため、コスト高になるという問題点があった。また、未公開である特願2001−175735の超音波流量計は、基準電圧は固定のままで、増幅器の増幅度を変え、狙った波(例えば第3波)のゼロクロスポイントの検知に再トライする方式のため、流量変化による前記比率、例えば第3波/第1波の変化には対応できないという問題点が残されていることに本願発明者は気付いた。
【0021】
上記に鑑み、本発明は受信波検知部に必要とするデジタル比較器(比較回路)の数を最少にすることでコスト高を抑え、かつ低消費電流で、流量の変化により、受信波の大きさ(振幅)が変化したり、前記比率、例えば第3波/第1波が変化しても確実に狙った波、例えば第3波を捉えることができる超音波流量計を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、送信側としても受信側としても働く超音波送受波器を少なくとも1対設け、流体の流れの中を上流から下流の順方向及び下流から上流の逆方向に超音波の送受信を行い、その各方向の到達時間より流量を求める超音波流量計で、かつ、各方向毎に先ず一方の送受波器を送信側として送信し、他方の受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると再び送信側送受波器を駆動して送信し、これを複数回繰り返すように構成し、各方向毎に第1回目の送信から複数回目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求める超音波流量計において、
前記受信波検知部は、電圧が異なる2つの基準電圧を1グループとする基準電圧グループが複数用意されていて、そのうちの1グループを選択して使用するようにして、
各方向毎に繰り返す超音波の送受信において、
最初の受信は、上記選択した基準電圧グループの2つの基準電圧のうち一方の基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
次の2回目の受信は、上記選択した基準電圧グループの2つの基準電圧のうち他方の基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
最初の送信から受信までの時間と、次の2回目の送信から受信までの時間の差が一定以下の時にねらった波を捉えたとし、
その後は、前回の送信から受信検知までの時間から一定時間を減じた時間がその回の送信から経った時以降の最初のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
最初の送信、最初の受信時に行う2回目の送信、或いは2回目の受信時に行う3回目の送信を第1回目の送信とみなすようにしたもので、
前記最初の送信から受信までの時間と、2回目の送信から受信までの時間の差が一定以上の時はねらった波を捉えられなかったとして送受信を中断し、一定時間後選択する基準電圧グループを変え最初から送受信をやり直すようにした超音波流量計である。
【0023】
〔作用〕
1つの発信による増幅後の一群の受信波は、その先頭から第1波、第2波、第3波、第4波、第5波、第6波、第7波と次第にそのピークが大きくなる。このピークの電圧の大きくなる度合いは最初ほど大きくだんだん小さくなる傾向がある。つまり、ピークの大きさを比較すると、第1波側なら、第3波/第1波が最大で第5波/第3波、第7波/第5波と段々小さくなる。第2波側なら第4波/第2波が最大で第6波/第4波、第8波/第6波と小さくなる。
【0024】
なお、第3波/第1波と表現した比率は厳密には第3波のピーク値と第1波のピーク値との比率である(第3波のピーク/第1波のピーク)を簡略化して表現したもので、他の比率についても同様に簡略化した表現で示している。
【0025】
流量が大きくなる程受信波の大きさが小さくなり、同時に上記比率が小さくなるが、上記のピークの大きさの傾向は同じであることが実験等で確認されていて、第3波/第1波および第4波/第2波は他の比率に比べ十分に大きいため区別が容易である。
【0026】
また、受信波を検知すると直ちに次の送信を行うことを連続して繰り返し、複数回(n回)の超音波到達時間をまとめて測定する方法では、隣合う受信波同士、例えばm回目の受信波とm+1回目の受信波同士では、気体(流体)の速さがほとんど変化していなくてほぼ同じであるため、振幅の比率だけでなく絶対的な大きさもほとんど同じである。
【0027】
また、同様の理由で隣合う送受信の到達時間は、同じ波を捉えている限りほとんど同じになるはずである。逆に言えば、隣合う到達時間がほとんど等しいときは、同じ波を捉えていると見なすことができる。
【0028】
図6で説明する。図6は選択した基準電圧グループが200mVと500mVの2つの基準電圧を有している場合である。
【0029】
仮に、第3波/第1波が3以上あり、その他の比率は2以下の場合で最初に選択した基準電圧グループの2つの基準電圧を200mVと500mVとし、この基準電圧を1つの比較器に切り替えて入力できるようにし、最初の受信波が200mVを初めて越えたとき、そのゼロクロスポイントを受信点(受信波検知ポイント)として検出し、再び第2回目の受信において今度は基準電圧を切り替えて500mVを初めて越えた波のゼロクロスポイントを受信点としたとき、これら2つの到達時間がほとんど等しいときは、どちらも同じ波であり、しかもその波は、初めて200mVを越え、かつ500mVも越えることから直前の波の2.5倍以上の大きさがあると見なすことができる。この条件を満たすのは第3波だけであるため、その時点でそれが第3波と検知できる。即ち狙った第3波を捉えたとすることができる。
【0030】
また、2つの到達時間が異なるときは別の波を捉えたことになり、超音波の送受信の繰り返しを中断し、200mV/500mVと違う2つの基準電圧を有する別の基準電圧グループに変えて最初からやり直すことにより、間違うことなく狙った第3波の検知が可能となる。
【0031】
上述のように、第3波検知(狙った波の検知)に失敗したときに、基準電圧グループを変更するが、各基準電圧グループを構成する基準電圧同士の電圧比率をグループ毎に別々に決めることで、受信波の実体にあった第3波検知が可能になる(もっとも、各基準電圧グループ毎の前記電圧比率は同じにしてもよい)。
【0032】
第3波を捉える場合、受信波が小さくなったときは、第3波の第1波に対する比率も小さくなることが分かっていれば、その比率に合わせ受信波が小さくなった時用の基準電圧グループを構成する基準電圧の電圧比率を小さく設定しておくことで、より確実な第3波検知が可能となる。
【0033】
基準電圧レベル自体が大きく、かつ前記電圧比率が大きい第1の基準電圧グループと、基準電圧レベル自体が小さく、かつ電圧比率が小さい第2の基準電圧グループとを設け、狙った波を最初に検知すべく送受信を行うときは先ず電圧も電圧比率も大きい第1の基準電圧グループを選択して狙った波の検知にトライし、狙った波を捉えることができないで検知に失敗したら、使用する基準電圧グループを第2の基準電圧グループに変更して再トライするとよい。
【0034】
受信波の大きさが変化する要因は気体の圧力、ガス種、流量等の変化であり、それらが変化しない限り基本的には大きさの変化はほとんどないといってよい。したがって、一旦第3波を捉えることのできる基準電圧グループが求まれば、その基準電圧を使い続けることが可能でやり直しは少ない。2回の送受信で成功か不成功か判断でき、やり直しによる電力消費の無駄を最小限に抑えることができる。
【0035】
前述のように、1回の送受信の到達時間t1,t2は極めて短い時間である。したがって、連続した送受信の到達時間の差はほとんどないと考えてよい。よって、一旦第3波を捉えたら、その送信から第3波を捉えた受信までの時間がt1であった場合、次の受信波が到達するのは送信後、およそt1たったところである。したがって、その点に最も近いゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとして良い。
【0036】
つまり、連続する送受信に対し、前回の送受信の到達時間を用いて次回の受信点を予想すればよい。以下同じである。一旦ねらった波を捉えた後は、前回の送受信から受信波検知までの時間から一定時間(超音波の半周期程度がよい)を減じた時間がその回の送信から経った時以降の最初のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとすることにより、第3波を捉えた受信波はゼロレベルとの比較のみで基準レベルとの比較は行うことなく第3波を捉え続けることができる。
【0037】
具体的には図1のように、ある送受信の到達時間がt1mであったとすると、次回の受信は前回の受信と同時に行われている送信からt1m−α経過以降の最初のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとする。ここでαは超音波の半周期程度の時間である。
【0038】
上記の作用説明では第1波側を正とし、正側に基準電圧レベルを設置して第3波を捉えるようにしたが、負側に基準電圧レベルを設置して第4波を捉えるようにすることもできるし、受信波の極性を逆にして正側で第4波或いは負側で第3波を捉えるようにしてもよい。
【0039】
請求項2の発明は、送信側としても受信側としても働く超音波送受波器を少なくとも1対設け、流体の流れの中を上流から下流の順方向及び下流から上流の逆方向に超音波の送受信を行い、その各方向の到達時間より流量を求める超音波流量計で、かつ、各方向毎に先ず一方の送受波器を送信側として送信し、他方の受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると再び送信側送受波器を駆動して送信し、これを複数回繰り返すように構成し、各方向毎に第1回目の送信から複数回目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求める超音波流量計において、
前記受信波検知部は、電圧が異なる2つの基準電圧を1グループとする基準電圧グループが複数用意されていて、そのうちの1グループを選択して使用するようにして、
各方向毎に繰り返す超音波の送受信において、
最初の受信は、上記選択した基準電圧グループの2つの基準電圧のうち一方の基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
次の2回目の受信は、上記選択した基準電圧グループの2つの基準電圧のうち他方の基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
最初の送信から受信までの時間と、次の2回目の送信から受信までの時間の差が一定以下の時にねらった波を捉えたとし、
その後は、前回の送信から受信検知までの時間から一定時間を減じた時間がその回の送信から経った時以降の最初のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
最初の送信、最初の受信時に行う2回目の送信、或いは2回目の受信時に行う3回目の送信を第1回目の送信とみなすようにしたもので、
前記最初の送信から受信までの時間と、次の送信から受信までの時間の差が一定以上の時はねらった波を捉えられなかったとして選択する基準電圧グループを変え、前記3回目の送信を最初の送信としてやり直すようにした超音波流量計である。
【0040】
この発明は、請求項1の発明と比較して第3波を検知するまで測定を中断することがないため、超音波の到達時間を測定するのに要する測定時間が短くなり、消費電流を少なくできる。
【0041】
請求項3の発明は、送信側としても受信側としても働く超音波送受波器を少なくとも1対設け、流体の流れの中を上流から下流の順方向及び下流から上流の逆方向に超音波の送受信を行い、その各方向の到達時間より流量を求める超音波流量計で、かつ、各方向毎に先ず一方の送受波器を送信側として送信し、他方の受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると再び送信側送受波器を駆動して送信し、これを複数回繰り返すように構成し、各方向毎に第1回目の送信から複数回目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求める超音波流量計において、
前記受信波検知部は、電圧が異なる3つの基準電圧として電圧の低い方より第1〜第3基準電圧を1グループとする基準電圧グループが複数用意されていて、そのうちの1グループを選択して使用するようにして、
各方向毎に繰り返す超音波の送受信において、
最初の受信は、選択した基準電圧グループの第1基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
次の2回目の受信は、上記選択した基準電圧グループの第2基準電圧或いは第3基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
その次の3回目の受信は、第2の受信が、第2基準電圧の時は第3基準電圧、第3基準電圧の時は第2基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
最初の送信から受信までの時間と、2回目の送信から受信までの時間の差が一定以上で、2回目の送信から受信までの時間と3回目の送信から受信までの時間の差が一定以下の時、前記3回目の受信はねらった波を捉えたとし、
その後は、前回の送信から受信検知までの時間から一定時間を減じた時間がその回の送信から経った時以降の最初のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
最初の受信時に行う2回目の送信、2回目の受信時に行う3回目の送信或いは3回目の受信時に行う4回目の送信を第1回目の送信とみなすようにしたもので、
前記最初の送信から受信までの時間と、2回目の送信から受信までの時間の差が一定以下か、2回目の送信から受信までの時間と3回目の送信から受信までの時間の差が一定以上の時は、ねらった波を捉えられなかったとして送受信を中断し、一定時間後選択する基準電圧グループを変え最初からの送受信をやり直すようにした超音波流量計である。
【0042】
この発明は、請求項1の発明に、第1波或いは第2波の存在を確認するための段階を直前に付加したもので、更に確実に第3波或いは第4波の検知が可能となる。
【0043】
選択した基準電圧グループの3つの基準電圧を100mV、200mV、500mVとすると、最初の100mVの受信の到達時間と2回目の200mVによる受信の到達時間が異なり、その2回目の到達時間と500mVによる3回目の到達時間が等しいときは、2回目と3回目で受信した波は第3波で、最初に受信した波は第3波ではない、つまり第1波であると確認できる。
【0044】
請求項1,2の発明のように、受信波を、選択した基準電圧グループの2つの基準電圧だけと比較する流量計では、圧力が高い場合等、何らかの理由で第1波が大きくなったとき誤って第1波を第3波としてしまう可能性があったが、請求項3の発明ではその虞れはない。
【0045】
請求項4の発明は、送信側としても受信側としても働く超音波送受波器を少なくとも1対設け、流体の流れの中を上流から下流の順方向及び下流から上流の逆方向に超音波の送受信を行い、その各方向の到達時間より流量を求める超音波流量計で、かつ、各方向毎に先ず一方の送受波器を送信側として送信し、他方の受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると再び送信側送受波器を駆動して送信し、これを複数回繰り返すように構成し、各方向毎に第1回目の送信から複数回目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求める超音波流量計において、
前記受信波検知部は、電圧が異なる3つの基準電圧として電圧の低い方より第1〜第3基準電圧を1グループとする基準電圧グループが複数用意されていて、そのうちの1グループを選択して使用するようにして、
各方向毎に繰り返す超音波の送受信において、
最初の受信は、選択した基準電圧グループの第1基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
次の2回目の受信は、上記選択した基準電圧グループの第2基準電圧或いは第3基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
その次の3回目の受信は、第2の受信が、第2基準電圧の時は第3基準電圧、第3基準電圧の時は第2基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
最初の送信から受信までの時間と、2回目の送信から受信までの時間の差が一定以上で、2回目の送信から受信までの時間と3回目の送信から受信までの時間の差が一定以下の時、前記3回目の受信はねらった波を捉えたとし、
その後は、前回の送信から受信検知までの時間から一定時間を減じた時間がその回の送信から経った時以降の最初のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
最初の受信時に行う2回目の送信、2回目の受信時に行う3回目の送信或いは3回目の受信時に行う4回目の送信を第1回目の送信とみなすようにしたもので、
前記最初の送信から受信までの時間と、2回目の送信から受信までの時間の差が一定以か、2回目の送信から受信までの時間と3回目の送信から受信までの時間の差が一定以上の時は、ねらった波を捉えられなかったとして選択する基準電圧グループを変え、ねらった波を捉えられなかったとした受信時に行う送信を最初の送信としてやり直すようにした超音波流量計である。
【0046】
この発明では、請求項3の発明に比較して、第3波を検知するまで測定を中断することがないため、超音波の到達時間を測定するのに要する測定時間が短くなり、消費電流を少なくできる。
【0047】
請求項5の発明は、送信側としても受信側としても働く超音波送受波器を少なくとも1対設け、流体の流れの中を上流から下流の順方向及び下流から上流の逆方向に超音波の送受信を行い、その各方向の到達時間より流量を求める超音波流量計で、かつ、各方向毎に先ず一方の送受波器を送信側として送信し、他方の受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると再び送信側送受波器を駆動して送信し、これを複数回繰り返すように構成し、各方向毎に第1回目の送信から複数回目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求める超音波流量計において、
前記受信波検知部は、電圧が異なる3つの基準電圧を1グループとする基準電圧グループが複数用意されていて、そのうちの1グループを選択して使用するようにして、
各方向毎に繰り返す超音波の送受信において、
最初の受信は、上記選択した基準電圧グループの3つの基準電圧のうち最も低い電圧或いは最も高い電圧の基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
次の受信は、上記選択した基準電圧グループの3つの基準電圧のうち最初の受信が最も高い電圧の基準電圧だった時は最も低い電圧の基準電圧、最初の受信が最も低い電圧の基準電圧だった時は最も高い電圧の基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
最初の送信から受信までの時間と、次の2回目の送信から受信までの時間の差が一定以下の時はねらった波を捉えたとし、
その後は、上記選択した基準電圧グループの中間の電圧の基準電圧を最初に越える波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
最初の送信、最初の受信時に行う2回目の送信、或いは2回目の受信時に行う3回目の送信を第1回目の送信とみなすようにしたもので、
前記最初の送信から受信までの時間と、2回目の送信から受信までの時間の差が一定以上の時は、ねらった波を捉えられなかったとして送受信を中断し、一定時間後選択する基準電圧グループを変えて最初から送受信をやり直すようにした超音波流量計である。
【0048】
請求項6の発明は、送信側としても受信側としても働く超音波送受波器を少なくとも1対設け、流体の流れの中を上流から下流の順方向及び下流から上流の逆方向に超音波の送受信を行い、その各方向の到達時間より流量を求める超音波流量計で、かつ、各方向毎に先ず一方の送受波器を送信側として送信し、他方の受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると再び送信側送受波器を駆動して送信し、これを複数回繰り返すように構成し、各方向毎に第1回目の送信から複数回目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求める超音波流量計において、
前記受信波検知部は、電圧が異なる3つの基準電圧を1グループとする基準電圧グループが複数用意されていて、そのうちの1グループを選択して使用するようにして、
各方向毎に繰り返す超音波の送受信において、
最初の受信は、上記選択した基準電圧グループの3つの基準電圧のうち最も低い電圧或いは最も高い電圧の基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
次の受信は、上記選択した基準電圧グループの3つの基準電圧のうち最初の受信が最も高い電圧の基準電圧だった時は最も低い電圧の基準電圧、最初の受信が最も低い電圧の基準電圧だった時は最も高い電圧の基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
最初の送信から受信までの時間と、次の2回目の送信から受信までの時間の差が一定以下の時はねらった波を捉えたとし、
その後は上記選択した基準電圧グループの中間の電圧の基準電圧を最初に越える波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
最初の送信、最初の受信時に行う2回目の送信、或いは2回目の受信時に行う3回目の送信を第1回目の送信とみなすようにしたもので、
前記最初の送信から受信までの時間と、次の送信から受信までの時間の差が一定以上の時は、ねらった波を捉えられなかったとして選択する基準電圧グループを変え、前記3回目の送信を最初の送信としてやり直すようにした超音波流量計である。
【0049】
請求項7の発明は、送信側としても受信側としても働く超音波送受波器を少なくとも1対設け、流体の流れの中を上流から下流の順方向及び下流から上流の逆方向に超音波の送受信を行い、その各方向の到達時間より流量を求める超音波流量計で、かつ、各方向毎に先ず一方の送受波器を送信側として送信し、他方の受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると再び送信側送受波器を駆動して送信し、これを複数回繰り返すように構成し、各方向毎に第1回目の送信から複数回目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求める超音波流量計において、
前記受信波検知部は、電圧が異なる4つの基準電圧として電圧の低い方より第1〜第4基準電圧を1グループとする基準電圧グループが複数用意されていて、そのうちの1グループを選択して使用するようにして、
各方向毎に繰り返す超音波の送受信において、
最初の受信は、上記選択した基準電圧グループの第1基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
次の2回目の受信は、上記選択した基準電圧グループの第2基準電圧或いは第4基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
その次の3回目の受信は、2回目の受信が、第2基準電圧の時は第4基準電圧、第4基準電圧の時は第2基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
最初の送信から受信までの時間と、2回目の送信から受信までの時間の差が一定以上で、2回目の送信から受信までの時間と3回目の送信から受信までの時間の差が一定以下の時は、前記2回目、3回目の受信はねらった波を捉えたとし、その後は、上記選択した基準電圧グループの第3基準電圧を最初に越える波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
2回目の送信、2回目の受信時に行う3回目の送信、或いは3回目の受信時に行う4回目の送信を第1回目の送信とみなすようにしたもので、
前記最初の送信から受信までの時間と、2回目の送信から受信までの時間の差が一定以下か、2回目の送信から受信までの時間と3回目の送信から受信までの時間の差が一定以上の時は、ねらった波を捉えられなかったとして送受を中断し、一定時間後選択する基準電圧グループを変え最初から送受信をやり直すようにした超音波流量計である。
【0050】
請求項8の発明は、送信側としても受信側としても働く超音波送受波器を少なくとも1対設け、流体の流れの中を上流から下流の順方向及び下流から上流の逆方向に超音波の送受信を行い、その各方向の到達時間より流量を求める超音波流量計で、かつ、各方向毎に先ず一方の送受波器を送信側として送信し、他方の受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると再び送信側送受波器を駆動して送信し、これを複数回繰り返すように構成し、各方向毎に第1回目の送信から複数回目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求める超音波流量計において、
前記受信波検知部は、電圧が異なる4つの基準電圧として電圧の低い方より第1〜第4基準電圧を1グループとする基準電圧グループが複数用意されていて、そのうちの1グループを選択して使用するようにして、
各方向毎に繰り返す超音波の送受信において、
最初の受信は、上記選択した基準電圧グループの第1基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
次の2回目の受信は、上記選択した基準電圧グループの第2基準電圧或いは第4基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
その次の3回目の受信は、2回目の受信が、第2基準電圧の時は第4基準電圧、第4基準電圧の時は第2基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
最初の送信から受信までの時間と、2回目の送信から受信までの時間の差が一定以上で、2回目の送信から受信までの時間と3回目の送信から受信までの時間の差が一定以下の時は、前記2回目、3回目の受信はねらった波を捉えたとし、その後は、上記選択した基準電圧グループの第3基準電圧を最初に越える波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
2回目の送信、2回目の受信時に行う3回目の送信、或いは3回目の受信時に行う4回目の送信を第1回目の送信とみなすようにしたもので、
前記最初の送信から受信までの時間と、2回目の送信から受信までの時間の差が一定以下か、2回目の送信から受信までの時間と3回目の送信から受信までの時間の差が一定以上の時は、ねらった波を捉えられなかったとして選択する基準電圧グループを変え、ねらった波を捉えられなかったとした受信時に行う送信を最初の送信としてやり直すようにした超音波流量計である。
【0051】
〔請求項5〜8の発明の作用〕
狙った波、例えば第3波を捉えたとするまでは、それぞれ請求項1,2,3,4の発明と同じである。前述の基準電圧を例に上げると、最初に選択した基準電圧グループを使用して、狙った第3波を捉えた時、第1波は200mVより小さく、第3波は500mVより大きいとできる。よって、それ以降、200mVと500mVの中間である350mVを初めて越える波のゼロクロスポイントを受信波検知点とすることで第3波を捉え続けることが可能である。350mVは第1波、第3波の大きさがノイズ等で多少変動しても確実に第3波を捉えられるように200mVと500mVの中間(中央)に決めた値である。これら請求項5〜8の発明では、デジタル回路で構成される比較器とか減算器が必要なくなり、受信波検知部のデジタル回路の規模を小さくできる。
【0052】
【発明の実施の形態】
次に本発明の好ましい実施の形態を図面の実施例に基づいて説明する。図2のブロック図に示す実施例は、請求項2の発明に対応する。なお、受信波検知部は別の図面で詳しく説明する。
【0053】
図2で、送受波器1,2は超音波振動子で、送信にも受信にも使用できる。両送受波器は流体中を上流から下流又は下流から上流への超音波の送受信を行う。受信波検知部4は受信側の送受波器、例えば2が接続され、受信波を検知すると受信波検知信号を出力する。送受波器駆動部5はコントロール部6からの測定ON・OFF信号が“High”から“Low”になると送信側の送受波器、例えば1を先ず駆動し、その後は受信波検知部から受信波検知信号を受ける都度、送信側の送受波器を駆動する。但し、第1のカウンタ7より第n受信波検知信号を受けると、それ以後は新たに測定ON・OFF信号が“High”から“Low”になるまでは駆動を停止する。本実施例では無意味なn+1回目の駆動を行ってしまうようになっているが、受信側で無視するので問題はない。
【0054】
コントロール部6からの測定ON・OFF信号は受信波検知部4にも入力される。測定ON・OFF信号を“High”にすることで測定を中断することができる。再測定は、再び“Low”にすることで行う。
【0055】
第1のカウンタ7はコントロール部6よりの再スタート信号でリセットされるようになっていて、その後のn+1回目の受信波検知信号を検知して第n受信波検知信号を出力する。第2のカウンタ8は再スタート信号入力後の受信波検知信号から第n受信波検知信号までの時間を測定して、カウント値をコントロール部6へ出力するようになっている。
【0056】
コントロール部6は一定間隔で送受切替信号を反転させることにより2つの送受波器の役割の切り替えを行う。各切り替え後、毎回、切り替えによるノイズ等がおさまる時間をおいて、測定ON・OFF信号を“High”から“Low”にする。このとき少し遅れて再スタート信号も出力する。そして、第n受信波検知信号を入力すると、第2のカウンタ8の測定値(カウント値)を読み取り、直前に行った反対向きでの測定値とを用いて、その間の流速流量を演算する。
【0057】
図3は、前記受信波検知部4の電気回路の一部を構成する増幅部11で、図2の受信側の送受波器、例えば2から入力される信号Vinは増幅部11で増幅される。オペアンプ12に接続されたフィードバック抵抗R2と抵抗R1の比率で増幅度が決められる。前記信号Vinは増幅部11で増幅されてVoutとなる。このVoutが増幅後の受信波である。
【0058】
図4は前記受信波検知部4の電気回路の主要部で、前記図3の増幅部11の後段に接続される。比較器14の+入力には受信波Voutが入力され、−入力には前記コントロール部6からの基準電圧グループ選択信号で操作されるスイッチSW1で選択された第1の基準電圧グループG1を構成する2つの基準電圧200mV/500mVのうちの1つ200mVが選択入力される。この選択はバイナリカウンタ15の出力(Q1とQ2が出力で、Q1=2、Q2=2を示している)で決まり、最初は再スタート信号でバイナリカウンタ15がリセットされるため、出力Q1で操作されるスイッチSW11によって200mVが選択される。バイナリカウンタ15はカウント“2”で停止し、それ以上カウントアップしない構成になっている。
【0059】
図4では、第2の基準電圧グループG2を構成する2つの基準電圧の140mVと315mV、第3の基準電圧グループG3を構成する2つの基準電圧の100mVと200mVは、前記第1の基準電圧グループG1の2つの基準電圧200mVと500mVが、バイナリカウンタ15のQ1出力でコントロール(制御)されるスイッチSW11で選択されるのと同じように、同じQ1出力でコントロールされるスイッチSW12とSW13でそれぞれ選択される。そして、G1,G2,G3のどの基準電圧グループを使用するかは、コントロール部6からの基準電圧グループ選択信号で切替操作されるスイッチSW1で選択される。
【0060】
なお,各基準電圧グループG1,G2,G3の、それぞれの2つの基準電圧250mVと500mV、140mvと315mv、100mVと200mvの比率は1:2.5、1:2.25、1:2としてある。これは、流量が大きくなると、受信波が小さくなり、第3波のピークと第1波のピークとの比率第3波/第1波も小さくなるので、その大きさと比率の関係から決めたものである。こうすることで、大流量になるほど第3波の振幅(電圧)が小さくなり、かつ前記比率の第3波/第1波が小さくなっても、第5波/第3波の比率も第3波/第1波の比率に合わせ小さくなることが分かっているため、電圧同士の比率を小さくすることで第5波を第3波と間違えることはなく、狙った第3波を確実に検知することが可能となる。
【0061】
なお、実施例では比率が大きい(電圧も大きい)第1の基準電圧グループから順に選択使用するようにしている。
【0062】
比較器14が200mVを越える波を捉えて、その出力が“High”になるとRSFF16の出力Qは一旦“Low”になり、RSFF16のS入力であるゼロクロス検知用比較器17の出力が受信波のゼロクロスを検知し、“High”となるとともに再び“High”になる。その立上がりエッジを立上りエッジ検知器18で検知した信号が受信波検知信号となっている。
【0063】
この信号はカウンタ15のCK入力となっていてバイナリカウンタ15はこれをカウントするようになっている。
【0064】
なお、切り替えスイッチSW11は、選択スイッチSW1が図示の位置にあって第1の基準電圧グループG1を選択していて、バイナリカウンタ15のカウント値が“0”の時に基準電圧200mVを、“1”のとき500mVを選択する。また切り替えスイッチSW2はバイナリカウンタ15のカウント値が“2”でA=B側に切り替わる。
【0065】
これにより、基準電圧グループ選択信号で操作される選択スイッチSW1が図示の位置にあって、第1の基準電圧グループG1が選択されていると、最初の受信は、最初に200mVを越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイント、次は、最初に500mVを越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイント、以降はA=B出力が“High”になった以降のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとするように動く。
【0066】
また前記受信波検知信号は記憶器20のラッチ入力となっていて、この瞬間のカウンタ22のカウント値t11を記憶する。更に、受信波検知信号はラッチ後にORゲート21を介してカウンタ22をリセットするように構成されていて、到達時間を記憶器20が記憶するとその直後にカウンタ22がリセットされ、次の到達時間の測定に移るようになっている。
【0067】
減算器23は記憶器20で記憶された値(カウント記憶値)がC入力として入力されていて、もう一方にαが入力されている。そして、C−α(t11−α)がデジタル比較器19のB入力に出力されている。
【0068】
またカウンタ22の出力がA入力としてデジタル比較器19に入力されていて、そのABの入力が等しくなると、A=B出力が“High”となる。
【0069】
カウンタ22のカウントが進み、t11−αと等しくなると、A=B出力が“High”となりRSFF16の出力Qは“Low”となり次のゼロクロスを待つ状態になる。そして実際にゼロクロスするときに、ゼロクロス検知用比較器の出力によりRSFF16の出力Qが“High”となり再び受信波検知信号が出力される。ここで、再びt12が記憶される。以下は同じである。αは超音波の約半周期分の時間とした。
【0070】
発信器24はこの半周期分を検知できる周波数でよく、また精度もそれほど要求されない。また、第2のカウンタ8用の基準クロック或いはその分周したものも使用可能である。
【0071】
記憶器20の出力であるカウント記憶値がコントロール部6に入力されていて、バイナリカウンタ15のR入力には測定ON・OFF信号と再スタート信号のOR信号が入力されている。また、測定ON・OFF信号はORゲート21を介しカウンタ22のR入力となっていて、カウンタ22は、測定ON・OFF信号がONつまり“Low”になるとカウントを開始する。
【0072】
本実施例ではコントロール部6としてマイクロコンピュータを使用している。マイクロコンピュータは、先ず送信の向きをセットすると、その切り替え時のノイズが十分小さくなる時間後、測定ON・OFF信号を“High”から“Low”にする。このとき少し遅れて再スタート信号も出力する。
【0073】
受信波検知信号は割り込みとしてコントロール部6へ入力される。コントロール部6の動作を図5にフローチャートで示す。
【0074】
βは超音波の半周期程度に相当するカウント値である。1回目の割り込みではtaを読み取り前回値として記憶する(図6参照)。
【0075】
次の割込みはtbを読み取る。ここでtaと前回値tbの差がβより大きければ、選択して使用した基準電圧グループG1の基準電圧200mV/500mVが合致していなくて狙った波を捉えられなかったとして選択する基準電圧グループを変更して再スタート信号が出力される。その場合はバイナリカウンタ15はリセットされ、基準電圧は新しく選択された第2の基準電圧グループG2の低い方の基準電圧140mVとなる。よって次の受信が最初の受信と見なされることになる。前回値との差がβ以下の場合は狙った波、例えば第3波が捉えられたと判定され、本割り込み、すなわち受信波検知信号割込はマスクされ、不許可となり、以後許可されるまでは受信波検知信号が入力されてもこの動きはしない。
【0076】
前述のように、3回目と見なされた以降の受信は、送信より前回の到達時間−α経過後の最初のゼロクロスポイントとなる。
【0077】
実際の測定はtaを読み取った受信時(最初の受信時)にスタートしたことになる。
【0078】
第1のカウンタ7は実質測定スタート時点の受信波検知信号を1と数えるため、n+1回目がn番目に相当する。なお、図6はtaとtbの差がβ以下だった時の波形図で、請求項1と2に対応する。
【0079】
図6では、2回目の受信波検知信号が、2回目の受信波検知割込となる。ここで読み取ったカウント記憶値は、前回値(1回目の受信時にかかる1回目の割込時、読み取り“前回値”として記憶したもの)と比較、差がβ以下なら以後の受信波検知割込をマスクする。
【0080】
前述のように、総到達時間をカウントするカウンタ8は、再スタート信号後の受信波検知信号からカウントを始める。よって、測定のスタートは最初の受信時(2回目の発信時)である。
【0081】
図7は、最初選択した基準電圧グループG1の基準電圧が大きすぎた場合を示し、請求項2で基準電圧グループを1回変更した場合に対応する。
【0082】
図6同様、先ずは2回目の受信波検知信号が2回目の受信波検知割込となる。ここで読み取ったカウント記憶値tb′は、前回値ta′(1回目の受信時にかかる1回目の割込時、読み取り“前回値”として記憶したもの)と比較、最初、差がβより大きいため、選択した基準電圧グループが不適当で、狙った波が捉えられていないとし、選択する基準電圧グループを変更して基準電圧を小さくして、再スタート信号を出力する。次に、基準電圧レベルは140mVにされ、割込数はリセットされるため、次の割込が1回目の割込と見なされる。こうして、結局4回目の受信波検知信号が、2回目の受信波検知割込と見なされる。
【0083】
ここで読み取ったカウント記憶値は、前回値(1回目の受信時にかかる1回目の割込時、読み取り“前回値”として記憶したもの)と比較、差がβ以下なら、以後の受信波検知割込をマスクする。前述のように、送到達時間をカウントするカウンタ8は、再スタート信号後の受信波検知信号からカウントを始める。よって、この場合には、測定のスタートは3回目の受信時(4回目の発信時)である。
【0084】
図8の実施例は請求項4に対応し、図4の場合と比較して各基準電圧グループ毎に3つずつの基準電圧が用意されている点などが異なるが、同じ構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。カウンタ15Aはカウント値が“3”で停止し、それ以上カウントアップしない構成である。切替スイッチSW11はカウンタ15Aのカウント値が0で100mV、1で200mV、2で500mVの基準電圧を選択する。切替スイッチSW2はカウンタ15Aのカウント値が3でA=B側に切り替わる。図9はこの実施例のコントロール部の動作のフローチャートである。図10は第3波のゼロクロスポイントを捉えるのに成功した時の波形図で、請求項3と4に対応する。
【0085】
図11の実施例は請求項6に対応する。この図の受信波検知部の主要部の電気回路図である。カウンタ15Bが受信波検知信号をカウントし、その結果により切替スイッチSW11〜SW13が切り替えられる。最初の受信時はコントロール部6の基準電圧グループ選択信号で操作される選択スイッチSW1が図示の位置にあり、かつカウンタ15Bのカウント値はゼロのため比較器14の−入力に接続される基準電圧は200mV、最初の受信後はカウント値が1となるため500mVに接続され、次の受信時にはカウント値が2となって350mVに接続され、その状態が維持される。各送受信の到達時間はカウンタ22がカウント受信毎にその値は記録器20にラッチされる。この値はカウント記憶値としてコントロール部6が読み取って使用する。
【0086】
図12は図11の実施例の最初のトライで成功した時の波形図であるが、請求項5の発明の成功時にも対応している。この波形図は成功時を示す。同じ波が200mVも500mVも越え、しかもその前には200mVに達する波が無い。その波は直前の波の2.5倍以上ある。また、コントロール部の動作のフローは図5と同じである。
【0087】
図13の実施例は請求項8に対応し、受信波検知部の主要部の電気回路図である。切替スイッチSW11は、カウンタ15Aのカウント値が0で100mV、1で200mV、2で500mV、3で350mVに切り替わる。図14は図13の実施例の波形で、成功時を示すが、請求項7の発明の成功時にも対応している。また、コントロール部6の動作のフローは図9と同じである。
【0088】
上述のように、各実施例では、基準電圧との比較を1つの比較器で実現でき、コストが下がる。
【0089】
なお、上記実施例では、基準電圧との比較に1つの比較器を使用し、そのほかにゼロレベルとの比較にもう1つの計2個の比較器で構成しているが、基準レベルとゼロレベルの比較は同時ではないため、それらの比較を1つの比較器で行うことも可能である。図15に、そのときの、波形を示す。(実施例に取り上げての説明は省く)請求項1,2に対応する。受信波と比較する電圧入力を、1つの基準レベルを越えた時点で基準レベルをゼロレベルに変更し、ゼロレベルとの比較を行い、ゼロクロスを検知すると、もう1つの基準レベルに変更し、基準レベルとの比較を行い、その後はゼロレベルに戻し、ゼロクロス検知用比較器として動作する。そうすると、実施例より、コスト的に更に有効である。
【0090】
【発明の効果】
本発明の超音波流量計は上述のように構成されているので、受信波検知部にピーク値ホールド等の消費電流の大きいアナログ回路を用いてなく、しかも比較器の数を最小限にできるため、低消費電流化に寄与し、電池駆動の流量計の実現に役立つ。コスト低減にも役立つ。
【0091】
また、調整なしで流体の圧力変動等による受信波の大きさの変動に追従して対応ができる。狙った波、例えば第3波検知の確度が上がり、失敗が少ないため、やり直しが少ない。
【0092】
アナログ回路が増幅回路と比較器のみで構成でき、しかも受信時のみ機能させれば良い。従来の、ピーク値をホールドして、その値からしきい値VTHを発生させるものでは、前回の受信のピーク値を今回の受信時までホールドする必要があり、その分長時間アナログ回路を作動させるため、消費電流が大きい。
【0093】
更にまた本発明では、ノイズ等で受信波が一時的に歪んでも、間違った波を捉えてしまう虞れがなく、確実な測定ができる。
【0094】
そしてまた、信号に対してある程度のノイズを許容できる。低電圧駆動が可能で電池駆動の実現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用を説明する受信波形図。
【図2】本発明の実施例の全体を示すブロック図。
【図3】本発明の実施例の受信波検知部に用いる増幅部の電気回路図。
【図4】本発明の実施例の要部の電気回路図。
【図5】本発明の実施例のフローチャート。
【図6】本発明の実施例の信号波形図。
【図7】本発明の実施例の信号波形図。
【図8】本発明の実施例の要部の電気回路図。
【図9】本発明の実施例のフローチャート。
【図10】本発明の実施例の信号波形図。
【図11】本発明の実施例の要部の電気回路図。
【図12】本発明の実施例の信号波形図。
【図13】本発明の実施例の要部の電気回路図。
【図14】本発明の実施例の信号波形図。
【図15】本発明の信号波形図。
【図16】超音波流量計の原理を説明する略図。
【図17】従来の超音波流量計の動作を説明する信号波形図。
【符号の説明】
1,2 送受波器
4 受信波検知部
5 送波器駆動部
6 コントロール部
11 増幅部
G1,G2,G3 基準電圧グループ
SW1 選択スイッチ
SW11,SW12,SW13 スイッチ

Claims (8)

  1. 送信側としても受信側としても働く超音波送受波器を少なくとも1対設け、流体の流れの中を上流から下流の順方向及び下流から上流の逆方向に超音波の送受信を行い、その各方向の到達時間より流量を求める超音波流量計で、かつ、各方向毎に先ず一方の送受波器を送信側として送信し、他方の受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると再び送信側送受波器を駆動して送信し、これを複数回繰り返すように構成し、各方向毎に第1回目の送信から複数回目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求める超音波流量計において、
    前記受信波検知部は、電圧が異なる2つの基準電圧を1グループとする基準電圧グループが複数用意されていて、そのうちの1グループを選択して使用するようにして、
    各方向毎に繰り返す超音波の送受信において、
    最初の受信は、上記選択した基準電圧グループの2つの基準電圧のうち一方の基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    次の2回目の受信は、上記選択した基準電圧グループの2つの基準電圧のうち他方の基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    最初の送信から受信までの時間と、次の2回目の送信から受信までの時間の差が一定以下の時にねらった波を捉えたとし、
    その後は、前回の送信から受信検知までの時間から一定時間を減じた時間がその回の送信から経った時以降の最初のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    最初の送信、最初の受信時に行う2回目の送信、或いは2回目の受信時に行う3回目の送信を第1回目の送信とみなすようにしたもので、
    前記最初の送信から受信までの時間と、2回目の送信から受信までの時間の差が一定以上の時はねらった波を捉えられなかったとして送受信を中断し、一定時間後選択する基準電圧グループを変え最初から送受信をやり直すようにした超音波流量計。
  2. 送信側としても受信側としても働く超音波送受波器を少なくとも1対設け、流体の流れの中を上流から下流の順方向及び下流から上流の逆方向に超音波の送受信を行い、その各方向の到達時間より流量を求める超音波流量計で、かつ、各方向毎に先ず一方の送受波器を送信側として送信し、他方の受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると再び送信側送受波器を駆動して送信し、これを複数回繰り返すように構成し、各方向毎に第1回目の送信から複数回目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求める超音波流量計において、
    前記受信波検知部は、電圧が異なる2つの基準電圧を1グループとする基準電圧グループが複数用意されていて、そのうちの1グループを選択して使用するようにして、
    各方向毎に繰り返す超音波の送受信において、
    最初の受信は、上記選択した基準電圧グループの2つの基準電圧のうち一方の基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    次の2回目の受信は、上記選択した基準電圧グループの2つの基準電圧のうち他方の基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    最初の送信から受信までの時間と、次の2回目の送信から受信までの時間の差が一定以下の時にねらった波を捉えたとし、
    その後は、前回の送信から受信検知までの時間から一定時間を減じた時間がその回の送信から経った時以降の最初のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    最初の送信、最初の受信時に行う2回目の送信、或いは2回目の受信時に行う3回目の送信を第1回目の送信とみなすようにしたもので、
    前記最初の送信から受信までの時間と、次の送信から受信までの時間の差が一定以上の時はねらった波を捉えられなかったとして選択する基準電圧グループを変え、前記3回目の送信を最初の送信としてやり直すようにした超音波流量計。
  3. 送信側としても受信側としても働く超音波送受波器を少なくとも1対設け、流体の流れの中を上流から下流の順方向及び下流から上流の逆方向に超音波の送受信を行い、その各方向の到達時間より流量を求める超音波流量計で、かつ、各方向毎に先ず一方の送受波器を送信側として送信し、他方の受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると再び送信側送受波器を駆動して送信し、これを複数回繰り返すように構成し、各方向毎に第1回目の送信から複数回目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求める超音波流量計において、
    前記受信波検知部は、電圧が異なる3つの基準電圧として電圧の低い方より第1〜第3基準電圧を1グループとする基準電圧グループが複数用意されていて、そのうちの1グループを選択して使用するようにして、
    各方向毎に繰り返す超音波の送受信において、
    最初の受信は、選択した基準電圧グループの第1基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    次の2回目の受信は、上記選択した基準電圧グループの第2基準電圧或いは第3基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    その次の3回目の受信は、第2の受信が、第2基準電圧の時は第3基準電圧、第3基準電圧の時は第2基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    最初の送信から受信までの時間と、2回目の送信から受信までの時間の差が一定以上で、2回目の送信から受信までの時間と3回目の送信から受信までの時間の差が一定以下の時、前記3回目の受信はねらった波を捉えたとし、
    その後は、前回の送信から受信検知までの時間から一定時間を減じた時間がその回の送信から経った時以降の最初のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    最初の受信時に行う2回目の送信、2回目の受信時に行う3回目の送信或いは3回目の受信時に行う4回目の送信を第1回目の送信とみなすようにしたもので、
    前記最初の送信から受信までの時間と、2回目の送信から受信までの時間の差が一定以下か、2回目の送信から受信までの時間と3回目の送信から受信までの時間の差が一定以上の時は、ねらった波を捉えられなかったとして送受信を中断し、一定時間後選択する基準電圧グループを変え最初からの送受信をやり直すようにした超音波流量計。
  4. 送信側としても受信側としても働く超音波送受波器を少なくとも1対設け、流体の流れの中を上流から下流の順方向及び下流から上流の逆方向に超音波の送受信を行い、その各方向の到達時間より流量を求める超音波流量計で、かつ、各方向毎に先ず一方の送受波器を送信側として送信し、他方の受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると再び送信側送受波器を駆動して送信し、これを複数回繰り返すように構成し、各方向毎に第1回目の送信から複数回目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求める超音波流量計において、
    前記受信波検知部は、電圧が異なる3つの基準電圧として電圧の低い方より第1〜第3基準電圧を1グループとする基準電圧グループが複数用意されていて、そのうちの1グループを選択して使用するようにして、
    各方向毎に繰り返す超音波の送受信において、
    最初の受信は、選択した基準電圧グループの第1基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    次の2回目の受信は、上記選択した基準電圧グループの第2基準電圧或いは第3基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    その次の3回目の受信は、第2の受信が、第2基準電圧の時は第3基準電圧、第3基準電圧の時は第2基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    最初の送信から受信までの時間と、2回目の送信から受信までの時間の差が一定以上で、2回目の送信から受信までの時間と3回目の送信から受信までの時間の差が一定以下の時、前記3回目の受信はねらった波を捉えたとし、
    その後は、前回の送信から受信検知までの時間から一定時間を減じた時間がその回の送信から経った時以降の最初のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    最初の受信時に行う2回目の送信、2回目の受信時に行う3回目の送信或いは3回目の受信時に行う4回目の送信を第1回目の送信とみなすようにしたもので、
    前記最初の送信から受信までの時間と、2回目の送信から受信までの時間の差が一定以か、2回目の送信から受信までの時間と3回目の送信から受信までの時間の差が一定以上の時は、ねらった波を捉えられなかったとして選択する基準電圧グループを変え、ねらった波を捉えられなかったとした受信時に行う送信を最初の送信としてやり直すようにした超音波流量計。
  5. 送信側としても受信側としても働く超音波送受波器を少なくとも1対設け、流体の流れの中を上流から下流の順方向及び下流から上流の逆方向に超音波の送受信を行い、その各方向の到達時間より流量を求める超音波流量計で、かつ、各方向毎に先ず一方の送受波器を送信側として送信し、他方の受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると再び送信側送受波器を駆動して送信し、これを複数回繰り返すように構成し、各方向毎に第1回目の送信から複数回目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求める超音波流量計において、
    前記受信波検知部は、電圧が異なる3つの基準電圧を1グループとする基準電圧グループが複数用意されていて、そのうちの1グループを選択して使用するようにして、
    各方向毎に繰り返す超音波の送受信において、
    最初の受信は、上記選択した基準電圧グループの3つの基準電圧のうち最も低い電圧或いは最も高い電圧の基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    次の受信は、上記選択した基準電圧グループの3つの基準電圧のうち最初の受信が最も高い電圧の基準電圧だった時は最も低い電圧の基準電圧、最初の受信が最も低い電圧の基準電圧だった時は最も高い電圧の基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    最初の送信から受信までの時間と、次の2回目の送信から受信までの時間の差が一定以下の時はねらった波を捉えたとし、
    その後は、上記選択した基準電圧グループの中間の電圧の基準電圧を最初に越える波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    最初の送信、最初の受信時に行う2回目の送信、或いは2回目の受信時に行う3回目の送信を第1回目の送信とみなすようにしたもので、
    前記最初の送信から受信までの時間と、2回目の送信から受信までの時間の差が一定以上の時は、ねらった波を捉えられなかったとして送受信を中断し、一定時間後選択する基準電圧グループを変えて最初から送受信をやり直すようにした超音波流量計。
  6. 送信側としても受信側としても働く超音波送受波器を少なくとも1対設け、流体の流れの中を上流から下流の順方向及び下流から上流の逆方向に超音波の送受信を行い、その各方向の到達時間より流量を求める超音波流量計で、かつ、各方向毎に先ず一方の送受波器を送信側として送信し、他方の受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると再び送信側送受波器を駆動して送信し、これを複数回繰り返すように構成し、各方向毎に第1回目の送信から複数回目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求める超音波流量計において、
    前記受信波検知部は、電圧が異なる3つの基準電圧を1グループとする基準電圧グループが複数用意されていて、そのうちの1グループを選択して使用するようにして、
    各方向毎に繰り返す超音波の送受信において、
    最初の受信は、上記選択した基準電圧グループの3つの基準電圧のうち最も低い電圧或いは最も高い電圧の基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    次の受信は、上記選択した基準電圧グループの3つの基準電圧のうち最初の受信が最も高い電圧の基準電圧だった時は最も低い電圧の基準電圧、最初の受信が最も低い電圧の基準電圧だった時は最も高い電圧の基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    最初の送信から受信までの時間と、次の2回目の送信から受信までの時間の差が一定以下の時はねらった波を捉えたとし、
    その後は上記選択した基準電圧グループの中間の電圧の基準電圧を最初に越える波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    最初の送信、最初の受信時に行う2回目の送信、或いは2回目の受信時に行う3回目の送信を第1回目の送信とみなすようにしたもので、
    前記最初の送信から受信までの時間と、次の送信から受信までの時間の差が一定以上の時は、ねらった波を捉えられなかったとして選択する基準電圧グループを変え、前記3回目の送信を最初の送信としてやり直すようにした超音波流量計。
  7. 送信側としても受信側としても働く超音波送受波器を少なくとも1対設け、流体の流れの中を上流から下流の順方向及び下流から上流の逆方向に超音波の送受信を行い、その各方向の到達時間より流量を求める超音波流量計で、かつ、各方向毎に先ず一方の送受波器を送信側として送信し、他方の受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると再び送信側送受波器を駆動して送信し、これを複数回繰り返すように構成し、各方向毎に第1回目の送信から複数回目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求める超音波流量計において、
    前記受信波検知部は、電圧が異なる4つの基準電圧として電圧の低い方より第1〜第4基準電圧を1グループとする基準電圧グループが複数用意されていて、そのうちの1グループを選択して使用するようにして、
    各方向毎に繰り返す超音波の送受信において、
    最初の受信は、上記選択した基準電圧グループの第1基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    次の2回目の受信は、上記選択した基準電圧グループの第2基準電圧或いは第4基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    その次の3回目の受信は、2回目の受信が、第2基準電圧の時は第4基準電圧、第4基準電圧の時は第2基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    最初の送信から受信までの時間と、2回目の送信から受信までの時間の差が一定以上で、2回目の送信から受信までの時間と3回目の送信から受信までの時間の差が一定以下の時は、前記2回目、3回目の受信はねらった波を捉えたとし、
    その後は、上記選択した基準電圧グループの第3基準電圧を最初に越える波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    2回目の送信、2回目の受信時に行う3回目の送信、或いは3回目の受信時に行う4回目の送信を第1回目の送信とみなすようにしたもので、
    前記最初の送信から受信までの時間と、2回目の送信から受信までの時間の差が一定以下か、2回目の送信から受信までの時間と3回目の送信から受信までの時間の差が一定以上の時は、ねらった波を捉えられなかったとして送受を中断し、一定時間後選択する基準電圧グループを変え最初から送受信をやり直すようにした超音波流量計。
  8. 送信側としても受信側としても働く超音波送受波器を少なくとも1対設け、流体の流れの中を上流から下流の順方向及び下流から上流の逆方向に超音波の送受信を行い、その各方向の到達時間より流量を求める超音波流量計で、かつ、各方向毎に先ず一方の送受波器を送信側として送信し、他方の受信側送受波器の信号を入力とする受信波検知部が受信波を検知すると再び送信側送受波器を駆動して送信し、これを複数回繰り返すように構成し、各方向毎に第1回目の送信から複数回目の受信までの時間を測定し、その結果から到達時間を求める超音波流量計において、
    前記受信波検知部は、電圧が異なる4つの基準電圧として電圧の低い方より第1〜第4基準電圧を1グループとする基準電圧グループが複数用意されていて、そのうちの1グループを選択して使用するようにして、
    各方向毎に繰り返す超音波の送受信において、
    最初の受信は、上記選択した基準電圧グループの第1基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    次の2回目の受信は、上記選択した基準電圧グループの第2基準電圧或いは第4基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    その次の3回目の受信は、2回目の受信が、第2基準電圧の時は第4基準電圧、第4基準電圧の時は第2基準電圧に対し最初にその電圧を越えた波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    最初の送信から受信までの時間と、2回目の送信から受信までの時間の差が一定以上で、2回目の送信から受信までの時間と3回目の送信から受信までの時間の差が一定以下の時は、前記2回目、3回目の受信はねらった波を捉えたとし、
    その後は、上記選択した基準電圧グループの第3基準電圧を最初に越える波のゼロクロスポイントを受信波検知ポイントとし、
    2回目の送信、2回目の受信時に行う3回目の送信、或いは3回目の受信時に行う4回目の送信を第1回目の送信とみなすようにしたもので、
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