JP3727097B2 - 超音波流量計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は超音波流量計の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5において、静止流体中の音速をC、流体の流れの速さをVとすると、音波の伝搬方向が流れに沿った方向(以下順方向と言う)と一致すればその伝搬速度は(C+V)となり、流れに逆らった方向(以下逆方向と言う)の場合には(C−V)となる。
【0003】
距離Lを隔てて1組の送受波器2,3を流管1の上流と下流に離して配設し、送波器2から順方向に超音波を送信したとき、受波器3に超音波が到達するに要する時間をt、送波器3から逆方向に超音波を送信したときに、受波器2に超音波が到達するに要する時間をt′とすれば、
t =L/(C+V) ・・・(1)
t′=L/(C−V) ・・・(2)
となる。
【0004】
順方向と逆方向の超音波の上記伝搬時間t,t′を測定し、これから流速Vを算出して、さらに流量や積算流量(体積)を求めていた。
流速Vは上記(1),(2)式から
V=L〔(1/t)−(1/t′)〕/2 ・・・(3)
として求めていた。
【0005】
なお、実際には、伝搬時間計測の分解能を上げるために、順方向又は逆方向の伝搬時間を計測するのに、1回の送受信ではなく、受信と同時に次の送信を行い、同一方向の送受信を複数回(n回)連続して繰り返し、第1回目の送信から第n回目の受信までの時間を、順方向と逆方向についてそれぞれ求め、それらの複数回毎の各伝搬時間の総和に基づいて流速や流量又は積算流量を求めていた。
【0006】
伝搬時間t,t′等を測定するには、図6に示すように、送波器を励振する発信駆動信号P1 から受信器に受信波が到達するまでの時間tを計測すればよいのであるが、現実にはこれができない。
【0007】
というのは、受信波は図7に示すように、次第に振幅が増大して、その後に減衰する。図6では振幅が増大する間の一部の期間の受信波形しか描いてないが、超音波の到達時期である受信波の先頭「イ」を検知することは不可能である。
【0008】
受信波は必ずしも図6のような奇麗な波形とはならなく、常に一定のレベルのノイズが乗っている。そこで、常時乗っている程度のノイズレベルを考慮したうえで、一定のしきい値VTHを定めておき、このしきい値のレベルに最初に達した波がゼロレベルを通る点、即ち図6のゼロクロスポイント「ハ」を検知する方法がある。
【0009】
図6では、しきい値VTHに符号「ロ」で示す時点で受信波の第3波が最初に達しており、この第3波のゼロクロスポイント「ハ」を検知し、発信駆動信号P1 から受信波の第3波のゼロクロスポイント「ハ」までの時間を計測し、この計測値から、点「イ」から「ハ」までの時間τを減算することで到達時間tを求めている。
【0010】
点「イ」から「ハ」までの時間τは超音波の周期のほぼ1.5倍であり、この値τは予め実験的に求めて記憶しておいた値を活用している。
なお、図6では超音波の到達時間を計測するのに受信波の第3波のゼロクロスポイント「ハ」を計測しているが、第3波に限ることはなく、例えば第5波のゼロクロスポイントを計測するようにシステムを構成することもある。
【0011】
ところで、受信波には前述のように常に一定レベルのノイズが乗っているため、このノイズを考慮して受波器の受信信号を増幅する増幅部の利得やしきい値VTHを決めている。
【0012】
しかし、予想以上のノイズや流路の振動等によって受信波が大きく歪み、狙った波、例えば図5の第3波ではなく、その前(の第1波)或いは後の(第5)波のゼロクロスポイントを間違って検知してしまうことがある。
【0013】
こうなると、超音波の伝搬時間は超音波の1周期分の時間だけ間違った値となり、この測定値を使用して流速や流量を求めると、誤った流速や流量を導くことになり、大きな測定誤差の要因となる。
【0014】
そのため、間違った波のゼロクロスポイントを検知した時や、そのような虞れのあるときには、エラーとして検出し、そのときの測定値を採用しないようにする必要があり、次のような方法があった。
【0015】
(1).図6のように第3波を検知すべきところ、受信波が異常に大きくなれば第1波を検知してしまうかも知れないし、受信波が異常に小さくなれば第5波を検知する可能性もあるという考えから、図7に示すような受信波のピーク値を監視し、ピーク値が矢印で示す一定範囲を外れた場合には、受信波のレベルが何らかのトラブルで通常と異なる異常値であると見做してエラーを検出する。
【0016】
(2).順方向と逆方向の伝搬時間に基づいて演算した流速が、あり得ない値となったり、前回の流速値と大きく異なる値となった場合にはエラーとする。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、(1)については、先ず、受信波が常に相似形とは考えにくく、ピーク値が所定の一定範囲内に入っているからといっても、狙った波が検知できているとは限らないし、また、ピーク値をホールドしたり、比較するためにアナログ回路が大きくなって消費電流が増大するという問題点がある。
【0018】
(2)の方式は、シングアラウンド方式では実現が困難である。例えばn=100とすると、100回のうち1回が狙った波を検知できないでエラーだった場合、全体の時間ntでは、1回のエラーによる誤差が平均化されてしまって、大きな流速の変化として検出されなくなってしまう。しかし、1回のエラーのための測定誤差は歴然として存在する。このように、エラーの検出が難しいという問題点があった。
【0019】
従ってシングアラウンド方式の超音波流量計では、エラー検出が難しく、誤った計測値を出力する危険性があるという問題点があった。
更にまた、流量計を長期間に亘って使用する場合、超音波を送信したり受信したりする送受波器が経年的に劣化して送信信号や受信信号が経年的に次第に小さくなる。
【0020】
そこで、できるだけ経年変化が少ない送受波器を使用すると共に、送受波器の経年変化の量を数値的に予想し、その分を見込んで増幅器の利得や、しきい値VTHを決めている。
【0021】
しかし、これは受信信号を大きくして余裕度を大きくすることであり、そのためには、送信側では大きな電圧、電力で駆動し、受信側では低ノイズで利得の大きい増幅器を用いる必要がある。
【0022】
その結果、大きな電源電圧が必要になり、また消費電流の大きな高性能の増幅器も必要となり、低電圧化、低消費電流化には大きな障害になるばかりでなく、コストも高くなるという問題点もあった。
【0023】
そこで、本発明はこれらの問題点を解消できる超音波流量計を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、
流体の流れの中を流れと同方向あるいは斜め方向に超音波の送受をする一対の超音波送受波器(2)(3)と、
受信側の送受波器(3又は2)が接続され、受信波を検知すると受信波検知信号を出力する受信波検知部(4)と、
測定オン・オフ信号がオフ側からオン側になる毎に送信側の送受波器(2又は3)を駆動し、その後は受信波検知信号毎に送信側の送受波器(2又は3)を駆動し、第n受信波検知信号が入力されるか測定オン・オフ信号がオフ側になると駆動を停止する送波器駆動部(6)と、
受信波検知部(4)よりの受信波検知信号が入力されていて、測定オン・オフ信号がオン側になる毎に零から計数を開始し、n番目の受信波検知信号を検知して第n受信波検知信号を出力する第1のカウンタ(8)と、
測定オン・オフ信号がオン側になってから、第n受信波検知信号までの時間を測定する第2のカウンタ(9)と、
一定のタイミングで順方向計測と逆方向計測の切替えを行い、その都度測定オン・オフ信号をオフ側からオン側にし、第n波検知信号を受けると第2のカウンタ(9)の測定値を読み取って流速・流量等の演算を行うコントロール部(7)と、
測定オン・オフ信号がオン側となると、その時から第1の受信波検知信号までの時間を、その後は受信波検知信号から次の受信波検知信号までの時間をその都度測定して出力する第3のカウンタ(11)とを具備し、
前記コントロール部(7)は、受信波検知信号が入力される毎に第3のカウンタ(11)の測定値を読み取り、連続して読み取った二つの隣接する測定値の差が決められた値より大きいことがあれば、測定オン・オフ信号のオンから始まったその回の測定は不成功として第2のカウンタ(9)の測定値を放棄するようにしたことを特徴とする超音波流量計である。
【0025】
請求項2の発明は、請求項1の超音波流量計において、
コントロール部(7)は測定が不成功と判断すると、測定オン・オフ信号を一旦オフ側にして測定を中止し、超音波の向きはそのままで測定オン・オフ信号をオン側にして測定を再開することを特徴とするものである。
【0026】
請求項3の発明は、流体の流れの中を流れと同方向あるいは斜め方向に超音波の送受をする一対の超音波送受波器(2)(3)と、
受信側の送受波器(3又は2)が接続され、受信波を検知すると受信波検知信号を出力する受信波検知部(4)と、
測定オン・オフ信号がオフ側からオン側になる毎に送信側の送受波器(2又は3)を駆動し、その後は受信波検知信号毎に送信側の送受波器(2又は3)を駆動し、第n受信波検知信号が入力されるか測定オン・オフ信号がオフ側になると駆動を停止する送波器駆動部(6)と、
受信波検知部(4)よりの受信波検知信号が入力されていて、測定オン・オフ信号がオン側になる毎に零から計数を開始し、n番目の受信波検知信号を検知して第n受信波検知信号を出力する第1のカウンタ(8)と、
測定オン・オフ信号がオン側になってから、第n受信波検知信号までの時間を測定する第2のカウンタ(9)と、
第n波検知信号を受けると第2のカウンタ(9)の測定値を読み取って流速・流量等の演算を行うコントロール部(7)と、
測定オン・オフ信号がオン側となると、その時から第1の受信波検知信号までの時間を、その後は受信波検知信号から次の受信波検知信号までの時間をその都度測定して出力する第3のカウンタ(11)とを具備し、
一定のタイミングで順方向計測と逆方向計測の切替えを行い、その都度測定オン・オフ信号をオフ側からオン側にし、受信波検知毎に第3のカウンタ(11)の測定値を読み取り、連続して読み取った二つの隣接する測定値の差が決められた値より大きいことがあれば、測定オン・オフ信号のオンから始まったその回の測定は不成功として第2のカウンタ(9)の測定値を放棄するようにしたことを特徴とする超音波流量計である
請求項4記載の発明は、請求項3の超音波流量計において、測定が不成功と判断すると、測定オン・オフ信号を一旦オフ側にして測定を中止し、超音波の向きはそのままで測定オン・オフ信号をオン側にして測定を再開することを特徴とするものである。
請求項の発明は、請求項1,2,3又は4の超音波流量計において、
測定不成功の割合が一定値を越えるとアラーム表示をすることを特徴とするものである。
【0027】
請求項の発明は、請求項1,2,3,4又は5の超音波流量計において、
コントロール部(7)は、最初にしきい値(VTH)に達した波のゼロクロスポイントを検知する受信波検知部(4)のしきい値(VTH)を制御或いは選択できるように構成し、測定の不成功の割合が一定値を越えると受信波検知部(4)のしきい値(VTH)を変化させるようにしたことを特徴とするものである。
【0028】
請求項の発明は、請求項の超音波流量計において、
受信波検知部(4)のしきい値(VTH)を変化させるに当り、しきい値(VTH)を一定量小さくするようにしたことを特徴とするものである。
【0029】
そして、請求項の発明は、請求項1,2,3,4又は5の超音波流量計において、
測定が不成功と判断した場合、コントロール部(7)は前回の同方向の時間測定値(T)を使用して流速、流量又は積算流量を演算することを特徴とするものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の好ましい実施の形態で、図2はそのタイムチャートである。図1において、2,3は1対の超音波送受波器で、従来技術と同様に、流体の流れ中を流れと同方向あるいは斜め方向に超音波の送受をする。
【0031】
4は受信波検知部で、信号切替器5によって選択された受信側の送受波器3又は2がその入力に接続され、受信波を検知すると受信波検知信号(図2参照)を出力する。図2では第1,第2,第3,…,第n-1 及び第nの各受信波検知信号にそれぞれ1,2,3,…,n−1及びnの各符号を付けている。
【0032】
6は後述するコントロール部7からの測定オン・オフ信号がオン側になる毎に送信側の送受波器2又は3を駆動し、その後は受信波検知部4からの受信波検知信号毎に送信側の送受波器2又は3を駆動し、第n受信波検知信号が入力されるか測定オン・オフ信号がオフ側になると駆動を停止する送波器駆動部である。
【0033】
8は受信波検知部4よりの受信波検知信号が入力されていて、測定オン・オフ信号がオン側になる毎に零から受信波検知信号の数を計数し、順方向測定時と逆方向測定時のそれぞれの間において、n番目の受信波検知信号を検知して第n受信波検知信号を出力する第1のカウンタである。
【0034】
9は順方向測定時と逆方向測定時のそれぞれのときに、測定オン・オフ信号がオン側になってから第n受信波検知信号までの時間Τを測定する(図2参照)。
7はコントロール部で、信号切替器5と切替スイッチ10を同期して切り替えることで一定のタイミングで順方向計測と逆方向計測の切り替えを行送受切替信号を出力すると共に、その都度オン・オフ信号をオフ側からオン側にすることで順方向計測と逆方向計測の第1回の超音波の送信を指令する。そして、第1のカウンタ8からの第n受信波検知信号を受けると第2のカウンタ9の測定値Τを読み取って流速・流量及び積算流量の演算を行う。
【0035】
11は第3のカウンタで、コントロール部7からの測定オン・オフ信号がオン側となると、その時から第1の受信波検知信号までの時間t1 を、その後は受信波検知信号からの次の受信波検知信号までの時間t2 ,t3 ,…,tnをその都度測定して出力する。
【0036】
コントロール部7は測定オン・オフ信号をオン側にすると、受信波検知部4からの受信波検知信号が入力される毎に、第3のカウンタ11の測定値t1 ,t2 ,t3 ,…,tnを読み取り、連続して読み取った二つの隣接する測定値の差が予め決められた一定値より大きいことがあれば、その回の測定は不成功(エラー)として第2のカウンタ9の測定値を放棄する。
【0037】
これらの動作で、受信波検知部4は、決められた波、例えば第3波の後のゼロクロスポイントを検知するように作用し、また1組のn回の超音波の送受は連続して短時間のうちに行われる。
【0038】
よって、第3のカウンタ11で測定した時間t1 ,t2 ,t3 ,…tnはそれぞれが殆ど同じ値となる。特に隣接する二つの測定値同士は同じ値といっても良い程数値が似ている。
【0039】
ところが、予期せぬ異常なノイズ等で決められた第3波ゼロクロスポイントを検知できずに、その前或いは後の波のゼロクロスポイントを検知した場合、第3のカウンタ11から読み取った測定値は直前の測定値と比べて超音波の1周期分或いはその整数倍異なった値となる。
【0040】
なお第3のカウンタ11の時間計測の分解能は超音波の1周期分の時間が識別できれば良い。
従って、前述のように、第3のカウンタ11の計測値の隣接する値同士の差が一定値、例えば超音波の1/2周期分の時間より大きい場合には、そのまま順方向又は逆方向の測定を継続しても正しい時間T(≒nt)を得られないと判断できるので、この段階でコントロール部7は今回の測定が不成功(つまりエラー)と判断して、測定オン・オフ信号をオフ側として、一旦測定を中止したあと再びオン側としてそれまでと同じ超音波の向きで再測定を行う(請求項2)。
【0041】
こうすることで、第3のカウンタ11に異常値が出たときに、その回の測定を以後あきらめてしまう場合に比べて測定精度が良くなる。
図3は第3のカウンタ11の電気回路の具体例で、ORゲート12と、リセット可能なカウンタ13と、カウンタ13のクロック入力CKにクロック信号を入力する一定周波数のクロック発振器14とカウンタ13の時間計数値を一時的に記憶してコントロール部7へ出力するラッチ回路15が図示のように接続されている。受信波検知信号がラッチ回路15のラッチ入力に入力されてカウンタ13の時間計数値を先ずラッチ記憶してからORゲート12を介して受信波検知信号がカウンタ13の時間計数値をリセットするようにタイミングが定めてある。
【0042】
なお、図3では、クロック発振器14を特別に設けているが、図1の第2のカウンタ9を構成する基準クロック発生器を用い、その基準クロックを図3のカウンタ13のクロック入力CKに入力しても良い。
【0043】
上述のように正しい時間T(≒nt)が得られなかった場合、コントロール部7が前回の同方向の測定値を使用して流速・流量等を算出するか、或いは流速の計算は行わず、前回の計算した流速と同じ流速が継続していると見做して流量積算等を行うことで、積算流量への悪影響を小さくすることができる(請求項)。
【0044】
また、超音波の送受波器2,3は経年劣化する傾向があるため、受信波が経年的に小さくなることがある。
従って、図4に実線で示した受信波の第3波ゼロクロスポイントまでの時間(t+τ)を計測するようにしきい値VTHを定めていたとしても、経年変化(エージング)で受信波が破線のように小さくなると第3波のクロスポイントが検知できず、第5波のゼロクロスポイントを間違って検知し、時間(t″+τ)を計測してしまうという誤りを生じる。つまり、超音波の1周期分の時間だけ計測値が異常に大きくなる。
【0045】
この現象は、ある時から急に全ての計測値が第3波から第5波に変わってしまうわけではない。受信信号には常にノイズが乗っている。ノイズの極性は正負両方であり、振幅が小さいもの程数が多く、振幅が大きいもの程数が少ないと一般的に言える。
【0046】
従ってしきい値VTHに第3波がとらえられない不具合現象は先ず第3波のピーク付近に負の振幅の大きいノイズが乗った時に起こるようになる。このような頻度はかなり小さい。
【0047】
更に経年変化が進んで、受信信号が小さくなると、小さな振幅のノイズが乗るだけでも、このような不具合現象が頻繁に起きるようになり、測定の不成功(エラー)発生の割合が次第に高くなっていく。
【0048】
そこでエラー発生の割合が一定値を越えるとアラーム表示をして流量計の保守や交換等の時期を知らせることができる(請求項)。
請求項の発明のように、エラーの割合が一定値を越えると、しきい値VTHを変えることによって、エラーの発生を少なくするもので、しきい値を複数用意しておき、測定不具合(エラー)が起きる割合の小さいものを選択して使うようにすることもできる。
【0049】
しきい値をどれだけ変えるかは、受信信号に乗るノイズの大きさ、初期の受信信号の大きさ、測定不具合(エラー)の起こる割合等から決めることができるが、送受波器の経年劣化(エージング)によるエラーの場合には、請求項のように、しきい値を一定量小さくするのが効果的である。
【0050】
【発明の効果】
本発明の超音波流量計は上述のように構成されているので、狙った波を検知できなかったことが確実に判り、間違った測定値を採用しないため、流量計の計測精度が向上する。
【0051】
また狙った波が検知できなかった場合、その場でそのことが判り、その後の無駄な測定を自動的に中止できる。
そして、受信波検知部に消費電流の大きなアナログ回路を必要としないし、経年劣化分を必要以上に大きく見越して大きな駆動電力で送波器を励振するとか、受信信号の増幅器にローノイズ化による高性能増幅器を必要とする等の要求がなくなるため、低消費電力で低電圧駆動の超音波流量計が実現できる。
【0052】
更にまた、送受波器の経年変化を検知して表示したり、経年変化に対応してしきい値(VTH)を変更することにより、送受波器としてのトランスデューサの交換時期(寿命)がわかるとか、寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態のブロック図である。
【図2】図1の実施形態のタイムチャートである。
【図3】図1の実施形態の第3カウンタ11の具体的回路の実施例である。
【図4】送受波器の経年変化による受信波検知部の動作の変化を説明する図である。
【図5】従来技術の原理を説明する略図である。
【図6】従来技術の受信波検知部の動作を説明するための電気信号波形を示す線図である。
【図7】従来技術の受信波形のピーク値検知動作を説明する図である。
【符号の説明】
2,3 超音波送受波器
4 受信波検知部
6 送波器駆動部
7 コントロール部
8 第1のカウンタ
9 第2のカウンタ
11 第3のカウンタ
T 時間測定値
TH しきい値

Claims (8)

  1. 流体の流れの中を流れと同方向あるいは斜め方向に超音波の送受をする一対の超音波送受波器(2)(3)と、
    受信側の送受波器(3又は2)が接続され、受信波を検知すると受信波検知信号を出力する受信波検知部(4)と、
    測定オン・オフ信号がオフ側からオン側になる毎に送信側の送受波器(2又は3)を駆動し、その後は受信波検知信号毎に送信側の送受波器(2又は3)を駆動し、第n受信波検知信号が入力されるか測定オン・オフ信号がオフ側になると駆動を停止する送波器駆動部(6)と、
    受信波検知部(4)よりの受信波検知信号が入力されていて、測定オン・オフ信号がオン側になる毎に零から計数を開始し、n番目の受信波検知信号を検知して第n受信波検知信号を出力する第1のカウンタ(8)と、
    測定オン・オフ信号がオン側になってから、第n受信波検知信号までの時間を測定する第2のカウンタ(9)と、
    一定のタイミングで順方向計測と逆方向計測の切替えを行い、その都度測定オン・オフ信号をオフ側からオン側にし、第n波検知信号を受けると第2のカウンタ(9)の測定値を読み取って流速・流量等の演算を行うコントロール部(7)と、
    測定オン・オフ信号がオン側となると、その時から第1の受信波検知信号までの時間を、その後は受信波検知信号から次の受信波検知信号までの時間をその都度測定して出力する第3のカウンタ(11)とを具備し、
    前記コントロール部(7)は、受信波検知信号が入力される毎に第3のカウンタ(11)の測定値を読み取り、連続して読み取った二つの隣接する測定値の差が決められた値より大きいことがあれば、測定オン・オフ信号のオンから始まったその回の測定は不成功として第2のカウンタ(9)の測定値を放棄するようにしたことを特徴とする超音波流量計。
  2. コントロール部(7)は測定が不成功と判断すると、測定オン・オフ信号を一旦オフ側にして測定を中止し、超音波の向きはそのままで測定オン・オフ信号をオン側にして測定を再開することを特徴とする請求項1記載の超音波流量計。
  3. 流体の流れの中を流れと同方向あるいは斜め方向に超音波の送受をする一対の超音波送受波器(2)(3)と、
    受信側の送受波器(3又は2)が接続され、受信波を検知すると受信波検知信号を出力する受信波検知部(4)と、
    測定オン・オフ信号がオフ側からオン側になる毎に送信側の送受波器(2又は3)を駆動し、その後は受信波検知信号毎に送信側の送受波器(2又は3)を駆動し、第n受信波検知信号が入力されるか測定オン・オフ信号がオフ側になると駆動を停止する送波器駆動部(6)と、
    受信波検知部(4)よりの受信波検知信号が入力されていて、測定オン・オフ信号がオン側になる毎に零から計数を開始し、n番目の受信波検知信号を検知して第n受信波検知信号を出力する第1のカウンタ(8)と、
    測定オン・オフ信号がオン側になってから、第n受信波検知信号までの時間を測定する第2のカウンタ(9)と、
    第n波検知信号を受けると第2のカウンタ(9)の測定値を読み取って流速・流量等の演算を行うコントロール部(7)と、
    測定オン・オフ信号がオン側となると、その時から第1の受信波検知信号までの時間を、その後は受信波検知信号から次の受信波検知信号までの時間をその都度測定して出力する第3のカウンタ(11)とを具備し、
    一定のタイミングで順方向計測と逆方向計測の切替えを行い、その都度測定オン・オフ信号をオフ側からオン側にし、受信波検知毎に第3のカウンタ(11)の測定値を読み取り、連続して読み取った二つの隣接する測定値の差が決められた値より大きいことがあれば、測定オン・オフ信号のオンから始まったその回の測定は不成功として第2のカウンタ (9)の測定値を放棄するようにしたことを特徴とする超音波流量計。
  4. 測定が不成功と判断すると、測定オン・オフ信号を一旦オフ側にして測定を中止し、超音波の向きはそのままで測定オン・オフ信号をオン側にして測定を再開することを特徴とする請求項3記載の超音波流量計。
  5. 測定不成功の割合が一定値を越えるとアラーム表示をすることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の超音波流量計。
  6. コントロール部(7)は、最初にしきい値(VTH)に達した波のゼロクロスポイントを検知する受信波検知部(4)のしきい値(VTH)を制御或いは選択できるように構成し、測定の不成功の割合が一定値を越えると受信波検知部(4)のしきい値(VTH)を変化させるようにしたことを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の超音波流量計。
  7. 受信波検知部(4)のしきい値(VTH)を変化させるに当り、しきい値(VTH)を一定量小さくするようにしたことを特徴とする請求項記載の超音波流量計。
  8. 測定が不成功と判断した場合、コントロール部(7)は前回の同方向の時間測定値(T)を使用して流速、流量又は積算流量を演算することを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の超音波流量計。
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