JP3759989B2 - 超音波流量計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はシングアラウンド方式の超音波流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8において、静止流体中の音速をC、流体の流れの速さをVとすると、音波の伝搬方向が流れに沿った方向(以下順方向と言う)と一致すればその伝搬速度は(C+V)となり、流れに逆らった方向(以下逆方向と言う)の場合には(C−V)となる。
【0003】
距離Lを隔てて一対の超音波送受波器2,3を流管1の上流側と下流側に離して配設し、上流側の超音波送受波器2から順方向に超音波パルスを送信したとき、下流側の超音波送受波器3に超音波が到達するに要する時間をt1 、下流側の超音波送受波器3から逆方向に超音波パルスを送信したときに、上流側の超音波送受波器2に超音波が到達するに要する時間をt2 とすれば、
t1 =L/(C+V) … (1)
t2 =L/(C−V) …(2)
となる。
【0004】
順方向と逆方向の超音波の上記伝搬時間t1 ,t2 を測定し、これらから流体の流速Vを算出して、さらに流量や積算流量(体積)を求めていた。
流体の流速Vは上記(1),(2)式から音速Cに無関係に
V=(L/2)・{(1/t1 )−(1/t2 )} …(3)
として求められる。
【0005】
なお、実際には、伝搬時間測定の分解能を上げるため、順方向や逆方向の伝搬時間を測定するのに、1回ずつの超音波の送受信ではなく、受信と同時に次の送信を行い、同一方向の送受信を複数回(n回)連続して繰り返し、最初の第1回目の送信から最後の第n回目の受信までの時間を、順方向と逆方向についてそれぞれ求め、それらの値nt1 ,nt2 より1回の送信から受信までの伝搬時間t1 ,t2 を求めるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近時、消費電力量が小さく、かつ計測精度が高い超音波流量計が求められている。
【0007】
ところが、前記従来の前者の技術では、流速や流量の計測精度を高めるためには、先ず伝搬時間測定の分解能を上げる必要があり、伝搬時間測定用の基準クロックの周波数を高くしていた。
【0008】
しかし、基準クロックの周波数を高くすると、消費電流ひいては消費電力や消費電力量も大きくなってしまう。また、そもそも、低電力量、低価格での高周波数化に限界がある。
【0009】
そこで、順方向と逆方向について、それぞれ複数回(n回)の送受信を連続して繰り返すことで、伝搬時間のnt1 やnt2 を測定して分解能を上げる方向にある(前記従来技術の後者)。
【0010】
しかし、消費電力を低減しようとして基準クロックの周波数を低くすると計測精度が落ちるため、それをカバーする意味で送受信の繰り返し回数nを大きくする必要がある。すると、そうすることにより、測定に時間がかかることになって平均的な消費電力即ち消費電力量が大きくなってしまう。
【0011】
従って、低消費電力量化方策としての別の対策、例えば、測定中のみ基準クロックを発振させたり、大電流を消費し易いアナログ部の給電を測定中のみに限定する等の対策の効果が十分に発揮されないというジレンマがあった。
【0012】
本発明の発明者は、かかるジレンマを解決すべく、鋭意研究を重ねたところ、流量計としての計測精度を向上するのに必要な分解能は流体の流速Vによって異なり、流速が大きい時は分解能は低くしても良いことに気付いた。つまり同比率とするなら、音速Cより流速Vが非常に小さければ、必要な分解能は流速Vに反比例すると言える。
【0013】
ところが、前記従来技術の後者では、繰り返し回数nが固定のため、流速Vが大きい時は不必要に高分解能の測定を行っていた。基準クロックの周波数偏差や、流速分布等による誤差があるため、流速測定のみの分解能を上げても無意味である。
【0014】
つまり、このため不必要な電力を消費していた。
そこで、本発明はこのような視点から、前記従来の技術を改良して、実用的に要求される分解能を流体の流速Vの小さいところから大きいところまでの広い範囲で発揮でき、かつ低消費電力量化を実現できる超音波流量計を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、
次の1)〜9)の要件を具備したことを特徴とする超音波流量計である。
【0016】
1).流体の流れの中を流れと同方向あるいは斜め方向に超音波の送受をする送信側にも受信側にも働く一対の超音波送受波器(2)(3)。
2).コントロール部(4)よりの送受切替え信号が順方向を示す時は下流側の送受波器(3)が、逆方向を示す時は上流側の送受波器(2)が接続されて受信波を検知する受信波検知部(5)。
【0017】
3).コントロール部(4)よりの送受切替え信号が順方向を示す時は上流側の送受波器(2)を、逆方向を示す時は下流側の送受波器(3)を駆動するように構成され、第1送信指令信号を入力した時に第1の駆動を行い、その後は受信波検知部(5)よりの受信波検知信号が入力されるごとに第n受信波検知信号が入力されるまで送信側の送受波器(2又は3)を駆動する送波器駆動部(6)。
【0018】
4).受信波検知部(5)よりの受信波検知信号を受け、n番目の受信波検知信号を検知して第n受信波検知信号を出力する第1のカウンタ(10)。
5).第1送信指令信号から第n受信波検知信号までの時間を測定する第2のカウンタ(11)。
【0019】
6).一定の測定間隔(T)で交互に送受切替え信号を順方向と逆方向に切替え、その度に、第1送信指令信号を出力し、第n受信波検知信号を受けると第2のカウンタ(11)の測定値を読取り、流速、流量等の演算を行うコントロール部(4)。
【0020】
7).第2のカウンタ(11)は基準クロック発振器を有し、該発振器の出力である基準クロックを計数することで第1送信指令信号から第n受信波検知信号までの時間を測定すると共に、この時間を測定中以外は基準クロックの発振を止めるように構成され、
8).受信波検知部(5)は測定中以外は電源をOFFするようにし、
9).コントロール部(4)より第1のカウンタの前記nを設定できるように構成すると共に、検知した流速が比較的大きかった時は、次はnを比較的小さく設定し、流速が比較的小さかった時は、次はnを比較的大きく設定して、測定を開始すべく第1送信指令信号を出力するようにコントロール部(4)を構成する。
【0021】
この発明では、順方向測定時と逆方向測定時に、それぞれ送受信をn回ずつ連続して繰り返して、まとめて伝搬時間のnt1 やnt2 を測定することにより、前記従来技術の後者のように、前記従来技術の前者に比較して、分解能をn倍にしている。
【0022】
また、流速が大きいときは繰り返し回数nを小さくするので、基準クロックの発振時間が短くなり低消費電力量となる。更にまた、消費電流の大きいアナログ回路で構成される受信波検知部(5)の電源を測定中以外はOFFにするため、電源ON時間が短くなり、この面からも低消費電力量となる。
【0023】
そして、流速が小さい時は、分解能を上げるために、nを大きくしている。そのため、このことによっては測定時間nt1 やnt2 が長くなって消費電力量が大きくなる傾向となる。
【0024】
請求項2の発明は、請求項1の超音波流量計において、
流速が比較的小さかった時は、次は測定間隔(T)を比較的大きく設定するようにしたことを特徴とするものである。
【0025】
請求項1の発明で、流速が小さい時に分解能を上げるために、nを大きくすると、このことによっては測定時間のnt1 やnt2 が長くなって消費電力量が大きくなる傾向となる。
【0026】
一般に、積算流量表示をもつ積算流量計の場合、流速が小さい時は積算が遅くなるため、積算のスピードも遅くなる。そして、測定の何回か分でやっと積算値の最下位桁が1だけ上がる程流速が小さい場合には、頻繁に測定を行うのは不合理である。
【0027】
そこでこの請求項2の発明では、nを大きくして分解能を上げるが、測定間隔(T)は長くして、平均的に消費電流が大きくなるのを防止する。
請求項3の発明は、請求項1の超音波流量計において、
流速が比較的小さかった時は、次は測定間隔を比較的大きくして測定を行い、測定間隔ごとに流速、流量等を演算し、
さらに間隔を短くして、かつ比較的小さいnでの測定を行い、順方向と逆方向での第2のカウンタ(11)の読み値の差が一定値以上となると、その二つの読み値を用いて流速、流量等の演算を行い、その次からは測定間隔を比較的小さな値とし、かつnを流速に見合った比較的小さな値に設定して測定するようにしたことを特徴とするものである。
【0028】
測定間隔(T)を大きくすると、急な流速変化に追従できなくなる可能性が生じて問題が残る。
そこで、この発明では、単に流速変化のみを監視するために、それが検知できる小さなnでの測定を(Tより)短い間隔で行う。
【0029】
そして、請求項4の発明は、請求項1の超音波流量計において、
流速が零又は零に近い一定値以下と判断した時は、nを比較的小さく設定して測定することを特徴とするものである。
【0030】
この発明では、さらに、流体が流れていない時に小さいnで測定する。流量計の使用方法にもよるが、流れてない時間が最も長いことが多い。従って、こうすることで消費電力量が小さくて済む。流体が流れていない時に、流れている時と同様に電力を消費するのは不合理である。
【0031】
また、流量が零付近では、零と見倣して測定値を捨てるローレベルカットを働かせるのが普通であり、大きなnで測定を行っても無駄になる。
ローレベルカット領域を超えて一定以上の流速・流量で流れている時はnを大きくする。ローレベルカット領域内の流速・流量では、分解能は余り必要なく、ローレベルカット領域内にあるかどうかを判断できれば良いからである。
【0032】
【発明の実施の形態】
次に図1〜図7に従って本発明の好ましい実施の形態を説明する。
2,3は一対の超音波送受波器で、従来技術と同様に流体の流れ中を流れと同方向、あるいは斜め方向に超音波の送受をする。
【0033】
4はコントロール部、5は受信波検知部、6は送波器駆動部、7は第1の切替器、8は第2の切替器で両切替器7,8で切替部9を構成する。
コントロール部4はマイクロコンピュータで構成され、流量計全体の制御と、流速・流量や積算流量等の演算処理を行う。
【0034】
コントロール部4から出力される送受切替え信号は切替部9を構成する第1の切替器7と第2の切替器8を操作して順方向の測定と逆方向の測定を交互に行うように指示する。
【0035】
送受切替え信号が順方向を示す時は上流側の送受波器2が図1のように第1の切替器7によって送波器駆動部6に接続され、下流側の送受波器3が図1のように第2の切替器8によって受信波検知部5に接続される。
【0036】
また、送受切替え信号が逆方向を示す時は第1の切替器7と第2の切替器8が図1の状態から切替えられて、下流側の送受波器3が第1の切替器7を介して送波器駆動部6に接続され、上流側の送受波器2が第2の切替器8を介して受信波検知部5に接続される。
【0037】
コントロール部4は一定の測定間隔Tで送受切替え信号を交互に順方向と逆方向に切替え、その都度、送波器駆動部6へ第1送信指令信号を出力する。
送波器駆動部6はコントロール部4からの第1送信指令信号が入力された時に、第1の切替器7を介して接続されている送信側の送受波器2又は3を駆動励振し、その後は受信波検知部5よりの受信波検知信号が入力されるごとに、後述する第n受信波検知信号が入力されるまで送信側の送受波器2又は3を駆動する。
【0038】
10は第1のカウンタで、受信波検知部5よりの受信波検知信号を受け、n番目の受信波検知信号を検知して第n受信波検知信号を出力する。そして、この第1のカウンタ10のリセット端子Rにはコントロール部4からの第1送信指令信号が入力されていて、該第1送信指令信号によりその計数値を零にリセットする。
【0039】
この第1のカウンタ10は、コントロール部4よりのn選択信号によりnの値を変更できるように構成されている。
図2は第1のカウンタ10の電気回路の具体例で、10aは受信波検知部5からの受信波検知信号を計数して10,20,40及び80の計数値を出力するカウンタで、コントロール部4よりの第1送信指令信号を受ける都度その内容が零にリセットされる。
【0040】
10b,10c,10dはn選択スイッチで、コントロール部4よりのn選択信号によって操作される。例えば、n選択信号によって操作されたn選択スイッチ10b,10c,10dが、共に図2に示すように”0”位置にあると、カウンタ10aの出力端子10が選択されるので、第1のカウンタ10は10番目の受信波検知信号を検知して第10受信波検知信号を出力する。
【0041】
n選択スイッチ10b,10c,10dをコントロール部よりのn選択信号により適宜切替えることで、カウンタ10aの四つの出力10,20,40又は80の内の一つを第n受信波検知信号として選ぶようになっている。
【0042】
n選択信号は、二つの信号…一つはn選択スイッチ10bを操作し、もう一つはn選択スイッチ10cと10dを操作する…で構成されている。
なお、n選択スイッチ10b,10c,10dはANDゲートを組合せて容易に実現することができる。
【0043】
このように、図2の具体例では、n選択信号でnとして、10,20,40,80のどれか一つを選択できる。
11は第2のカウンタで、順方向測定と逆方向測定の都度、第1送信指令信号から第n受信波検知信号までの時間を測定する。この第2のカウンタ11のリセット端子Rには、コントロール部4からの第1送信指令信号が入力されていて、該第1送信指令信号によりその計数値を零にリセットする。
【0044】
また第2のカウンタ11は、図示されてない基準クロック発振器を内蔵していて、この基準クロック発振器からの基準クロックを計数することで第1送信指令信号から第n受信波検知信号までの時間をカウント値として測定する。
【0045】
なお、第2のカウンタ11の図示されてない前記基準クロック発振器は、コントロール部4からの発振ON・OFF信号によって制御され、発振ON・OFF信号がONのときに発振し、OFFのときには発振を停止するように構成されている。
【0046】
図3は第2のカウンタ11の電気回路の具体例で、11aはカウンタでコントロール部4よりの第1送信指令信号を受けてその内容が零にリセットされて計数を開始する。
【0047】
11bは基準クロック発振器でコントロール部4よりの発振ON・OFF信号を受けて、該信号が”H”レベルで発信し、”L”レベルで発振を停止する。
基準クロック発振器11bの基準クロックは、ゲート11cを介してカウンタ11aに入力されて計数される。そして、第n受信波検知信号が入力されるとゲート11cは閉となりカウンタ11aはカウントを停止する。
【0048】
こうして、カウンタ11aは順方向計測と逆方向計測ごとに、第1送信指令信号から第n受信波検知信号までの時間を基準クロック発振器11bの基準クロックの計数値として計測し、その後、そのカウント値を時間測定値としてコントロール部4が読出す。
【0049】
この時間を測定中以外は、コントロール部4よりの発振ON・OFF信号によって制御されて、基準クロック発振器11bは発振を停止するように構成されている。
【0050】
コントロール部4は一定の測定間隔Tで送受切替え信号を交互に順方向と逆方向に切替え、その度に、第1送信指令信号を出力し、第n受信波検知信号を受けると第2のカウンタ11の測定値(カウント値)を読取り、流速・流量・積算流量等の演算を行う。
【0051】
前記受信波検知部5はアナログ回路で構成されていて、その作動電力の給電がコントロール部4によって制御されて、測定中は給電され、測定していない間は給電が停止される。コントロール部4によるこの制御は、例えば図1に示すように発振ON・OFF信号を受信波検知部5に入力し、該信号が”H”レベルのときに受信波検知部5の作動電力を給電し、”L”レベルのときに給電を停止するようにすることで実現できる。
【0052】
そして、コントロール部4は、検知した流速が比較的大きかった時は、次にnを比較的小さく設定し、流速が比較的小さかった時は、次にnを比較的大きく設定して、測定を開始すべく第1送信指令信号を出力するように構成されている。
【0053】
次に、上記実施の形態におけるコントロール部の作用を主として、図4〜図7も用いて、より詳しく説明する。
例として、1秒毎に順方向、続いて逆方向の測定を行うものについて説明する。
【0054】
コントロール部4はマイクロコンピュータ(マイコン)で構成されている。
マイコン4の内部のタイマにより1秒毎にインターバル割込みがかかるようになっている(図4)。
【0055】
1秒毎のインターバル割込みがかかると、マイコン4は先ず送受切替え信号を順方向とし、
基準クロック発振器11bの発振をONとすると共に、アナログ回路で構成された受信波検知部5の電源をONする。なお、この例では、基準クロックの発振のON・OFF制御と、受信波検知部5の電源のON・OFFを共にマイコン4の出力ポートで行うように構成してある。
【0056】
そして、第1送信指令信号をマイコン4が出力する。nは何れかに設定ずみである。
これで順方向の測定がスタートし、マイコン4は、その終了信号である第n受信波検知信号が割込みとしてかかるのを待つことになる。
【0057】
連続したn回の超音波の送受が終わる(図5)と、第n受信波検知信号による割込みがかかる(図6)。
ここでマイコン4は第2のカウンタ11の測定値(カウント値)を読取る。
【0058】
この値は順方向測定の測定値nt1 として先ず記憶され、
こんどは、送受切替え信号を逆方向とし、再び第1送信指令信号を出力し、逆方向の測定を開始する。
【0059】
そして、またマイコン4は第n受信波検知信号が割込みとしてかかるのを待つ。
逆方向の測定が終了すると第n受信波検知信号が第1のカウンタ10からマイコン4に割込みとして入力され割込みがかかる。
【0060】
マイコン4は第2のカウンタ11のカウント値を読取り、基準クロック11bの発振と受信波検知部5の電源をOFFする。
ローレベルカット中でなければ、
Δf={1/(nt1 −τ)}−{1/(nt2 −τ)} …(4)
の演算を行う。ここで、nt2 は逆方向の測定値としての第2のカウンタ11のカウント値、τは受信波の検知(例えばゼロクロスポイントの検知)に必要な時間等の遅れを合計したもので、予め実験等で求め決めておいた値であり、nを考慮して計算される。
【0061】
(4)式で求めた値Δfはほぼ流速に比例していると言って良い。
ここで、決められたα1 ,α2 ,α3 ,α4 とΔfを比較することにより、現在の流速が比較的大きいのか、小さいのかを判定できる。但し、
α1 <α2 <α3 <α4
である。
【0062】
この比較結果により、nを第2のカウンタ11に設定する。次の測定はこうして新しく設定したnで行われる。
Δf<α1 の時は、殆ど流速が零の時で、ローレベルカット領域として流速を零と見倣し、流量の積算は行わない。
【0063】
また、もともとローレベルカット中の場合は、先ず一定値βに対し、
nt2 −nt1 <β
かどうかをチェックし、
nt2 −nt1 ≧β
なら、流速がローレベルカット領域から出たと判断して、(4)式のΔfの計算に行くが、
nt2 −nt1 <β
の場合は未だローレベルカット領域内であると判断して、Δfの(4)式の計算はせずに、流速零と見倣して流量の積算を行わない。
【0064】
図6の例では、ローレベルカット中ではn=20を第2のカウンタ11に設定(セット)しているが、流速が仕様で決めたローレベルカット領域を出た時に確実にそれを検知できる値で、できるだけ小さい値とするのが効果的である。
【0065】
一定値βも同様に決める。
この方法によれば、分解能がそれ程必要でない流速が大きい時は、nの値は比較的小さく、逆に分解能が要求される流速の小さい時はnを大きくして測定するため合理的で、消費電流を小さくできる。
【0066】
また、ローレベルカットが働く、流速が零近辺の時は、ローレベルカットの流速域を出たかどうかの判断ができる小さなnで測定を行うので無駄がない低消費電流化が実現できる。
【0067】
【実施例】
図7は、請求項3に対応する実施例の動作を説明する図で、この実施例では、流量計全体のブロック図は図1〜図3と同じで、コントロール部4を構成するマイコンのソフトだけが異なる。
【0068】
請求項2の発明で流速が小さい場合にnを大きくして分解能を上げ、測定間隔Tを長くして、平均的に消費電流が大きくなるのを防止しているが、このようにして測定間隔Tを大きくすると、急な流速変化に対応できなくなる。
【0069】
そこで、実施例では単に流速変化のみを監視するために、それが検知できる小さなnでの測定を短い間隔で行う。
図7は横軸が経過時間で、○印は大きいnでの測定と演算を行う時期を示し、間隔Tである。△印は小さいnでの測定時期を示し、流速が大きくなったと判断した時は演算すると共に間隔を1/4のT/4にする。
【0070】
小さいnでの測定で、流速が大となったことを検知すると、その時点でその測定値を使って演算し、その次から流速に見合った間隔Tと、nで測定する。
【0071】
【発明の効果】
本発明の超音波流量計は上述のように構成されているので、流体の流速の小さいところから大きいところまでの広い範囲にわたり、実用的に要求される分解能を発揮でき、かつ低消費電力量化を実現できる。
【0072】
請求項2の発明では、さらに、流速が小さい場合に頻繁に測定を行う不合理を避けて、測定間隔(T)を長くして、平均的に消費電流を小さくし、この面からもより低消費電力量化を図ることができる。
【0073】
請求項3の発明では、さらに、急な流速変化にも追従・対応ができる。
そして、請求項4の発明では、ローレベルカット領域でより低消費電力量化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のブロック図である。
【図2】図1の実施の形態における、第1のカウンタの具体例の電気回路図である。
【図3】図1の実施の形態における、第2のカウンタの具体例の電気回路図である。
【図4】図1の実施の形態のコントロール部の作用を説明するフローチャートである。
【図5】図1の実施の形態における、主にコントロール部のフローチャートである。
【図6】図1の実施の形態における、主にコントロール部のフローチャートである。
【図7】本発明の実施例の測定間隔を説明する図である。
【図8】従来技術の原理を説明する略図である。
【符号の説明】
2,3…超音波送受波器
4…コントロール部(マイコン)
5…受信波検知部
6…送波器駆動部
10…第1のカウンタ
10a…カウンタ
10b,10c,10d…n選択スイッチ
11…第2のカウンタ
11a…カウンタ
11b…基準クロック発振器
11c…ゲート
T…測定間隔
Claims (4)
- 次の1)〜9)の要件を具備したことを特徴とする超音波流量計。
1).流体の流れの中を流れと同方向あるいは斜め方向に超音波の送受をする送信側にも受信側にも働く一対の超音波送受波器(2)(3)。
2).コントロール部(4)よりの送受切替え信号が順方向を示す時は下流側の送受波器(3)が、逆方向を示す時は上流側の送受波器(2)が接続されて受信波を検知する受信波検知部(5)。
3).コントロール部(4)よりの送受切替え信号が順方向を示す時は上流側の送受波器(2)を、逆方向を示す時は下流側の送受波器(3)を駆動するように構成され、第1送信指令信号を入力した時に第1の駆動を行い、その後は受信波検知部(5)よりの受信波検知信号が入力されるごとに第n受信波検知信号が入力されるまで送信側の送受波器(2又は3)を駆動する送波器駆動部(6)。
4).受信波検知部(5)よりの受信波検知信号を受け、n番目の受信波検知信号を検知して第n受信波検知信号を出力する第1のカウンタ(10)。
5).第1送信指令信号から第n受信波検知信号までの時間を測定する第2のカウンタ(11)。
6).一定の測定間隔(T)で交互に送受切替え信号を順方向と逆方向に切替え、その度に、第1送信指令信号を出力し、第n受信波検知信号を受けると第2のカウンタ(11)の測定値を読取り、流速、流量等の演算を行うコントロール部(4)。
7).第2のカウンタ(11)は基準クロック発振器を有し、該発振器の出力である基準クロックを計数することで第1送信指令信号から第n受信波検知信号までの時間を測定すると共に、この時間を測定中以外は基準クロックの発振を止めるように構成され、
8).受信波検知部(5)は測定中以外は電源をOFFするようにし、
9).コントロール部(4)より第1のカウンタの前記nを設定できるように構成すると共に、検知した流速が比較的大きかった時は、次はnを比較的小さく設定し、流速が比較的小さかった時は、次はnを比較的大きく設定して、測定を開始すべく第1送信指令信号を出力するようにコントロール部(4)を構成する。 - 流速が比較的小さかった時は、次は測定間隔(T)を比較的大きく設定するようにしたことを特徴とする請求項1記載の超音波流量計。
- 流速が比較的小さかった時は、次は測定間隔を比較的大きくして測定を行い、測定間隔ごとに流速、流量等を演算し、
さらに間隔を短くして、かつ比較的小さいnでの測定を行い、順方向と逆方向での第2のカウンタ(11)の読み値の差が一定値以上となると、その二つの読み値を用いて流速、流量等の演算を行い、その次からは測定間隔を比較的小さな値とし、かつnを流速に見合った比較的小さな値に設定して測定するようにしたことを特徴とする請求項1記載の超音波流量計。 - 流速が零又は零に近い一定値以下と判断した時は、nを比較的小さく設定して測定することを特徴とする請求項1記載の超音波流量計。
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JP06632496A JP3759989B2 (ja) | 1996-03-22 | 1996-03-22 | 超音波流量計 |
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JP06632496A JP3759989B2 (ja) | 1996-03-22 | 1996-03-22 | 超音波流量計 |
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