JP4017456B2 - 水溶液からの塩化物の回収方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、飛灰等を水洗処理した後の濾液から、石膏を含む固形分と、塩化ナトリウム等の塩化物とを分別して回収するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、飛灰や焼却灰(以下、「飛灰等」と略す。)を再資源化する技術が、種々開発されている。例えば、飛灰等に含まれているアルカリ金属及び塩素分は、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の塩化物として回収すれば、工業原料や化学肥料の原料等として使用することができる。また、飛灰等に含まれている鉛等の重金属は、他の成分(カルシウム分等)と分別して回収すれば、非鉄精錬原料として使用することができる。さらに、飛灰等から塩素分や重金属を除去したものは、一般に、カルシウム分を多く含むため、セメント原料等として使用することができる。
【0003】
これらの技術の具体例として、例えば、特開平11−47716号公報には、ごみ焼却炉で排ガス中から捕集された飛灰を水抽出して濾過ケーキと濾過液とに分離し、次いで得られた濾過ケーキをセメント製造原料の一部として利用するとともに、濾過液を化学処理して残渣重金属と濾過液とに分離することにより、飛灰に含まれる重金属を回収することを特徴とするごみ焼却飛灰の処理方法が、記載されている。
【0004】
また、特開2000−281398号公報には、都市ゴミ焼却灰等の廃棄物を硫酸浸出して、該廃棄物に含まれる銅および亜鉛を液中に溶出させて分離するとともに、この硫酸浸出残渣をpH13.5以上でアルカリ浸出することによって、残渣中の鉛を液中に溶出させて分離し、かつ、残渣中の石膏を水酸化カルシウムに転じてセメント原料化する廃棄物処理方法が、記載されている。
さらに、特開2001−17939号公報には、セメントキルン排ガスダストを水洗処理し、得られた洗浄水をpH7〜10に調整した後、硫化剤を添加して、鉛等の重金属を回収することを含む第一段階等からなるセメントキルン排ガスダストの処理方法が、記載されており、また、当該第一段階において、重金属を除去した後の液体成分を加熱濃縮した後、冷却して塩化カリウムを析出させて回収することが、記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
飛灰等を含むスラリーから重金属を除去した後の水溶液(濾液)は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、塩素、硫酸等の各種イオンを含んでいる。
この濾液から晶析法によって塩化ナトリウム及び塩化カリウムを回収するには、カルシウムイオンや硫酸イオンを予め除去しておく必要がある。このうち、カルシウムイオンの除去方法としては、例えば、アルカリ金属の炭酸塩(具体的には、炭酸ナトリウムや炭酸カリウム)を添加して、液中のカルシウムイオンを炭酸カルシウムとして沈澱させる方法が考えられる。また、硫酸イオンの除去方法としては、例えば、塩化バリウムを添加して、液中の硫酸イオンを硫酸バリウムとして沈澱させる方法が考えられる。
【0006】
しかしながら、アルカリ金属の炭酸塩や、塩化バリウムを添加する方法は、これらの薬剤自体のコストによって、飛灰等の処理のコストを増大させるという問題がある。
そこで、本発明は、飛灰等のスラリーから重金属を除去した後の水溶液(濾液)を処理するに際し、炭酸ナトリウムや塩化バリウム等の薬剤を用いずに、カルシウムイオン及び硫酸イオンを固形分として回収するとともに、不純物の含有率の少ない塩化ナトリウム等のアルカリ金属の塩化物を回収することのできる方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、カルシウムイオン、ナトリウム、カリウム、硫酸イオン、塩化物イオン等を含む水溶液から、アルカリ金属の塩化物を回収するに際し、比較的高い温度に液温を調整して、石膏(硫酸カルシウム)等を固形分として析出させ、この固形分を除去した後、液温を低下させて、アルカリ金属の塩化物を固形分として析出させ、回収するようにすれば、カルシウムイオンや硫酸イオンを除去するための薬剤を用いることなく、不純物の含有率の低いアルカリ金属の塩化物を得ることができることに想到し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明(請求項1)の水溶液(例えば、飛灰等のスラリーの濾液)からの塩化物の回収方法は、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、硫酸イオン及び塩化物イオンを少なくとも含む水溶液からの塩化物の回収方法であって、(A)上記水溶液の温度を50℃以上に調整した後、固液分離して、石膏(硫酸カルシウム)を含む固形分と、ナトリウムイオン及び塩化物イオンを含む液分とを得る第一工程と、(B)該第一工程で得られた液分の温度を80℃以下であって、上記第一工程における上記水溶液の温度よりも5℃以上低い温度に調整した後、固液分離して、塩化ナトリウムを含む固形分と、液分とを得る第二工程とを含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の方法によれば、カルシウムイオンや硫酸イオンを固形分として回収するための薬剤を用いることなく、水溶液の温度の調整を行なうだけで、カルシウムイオン及び硫酸イオンを含む石膏等の固体分と、塩化ナトリウム等のアルカリ金属の塩化物とを分別して回収することができる。また、簡易な設備で処理することができるので、処理に要する費用を削減することができる。さらに、処理設備の液体槽や管路の内壁面に付着するスケールになり得る石膏(硫酸カルシウム)を連続的に回収する工程を有するものであるため、スケールの発生を未然に防止することができ、処理設備のメンテナンスの費用を削減することができる。
【0010】
上記塩化物の回収方法において、上記第二工程における上記液分の温度を、上記第一工程における上記水溶液の温度よりも10℃以上低い温度に調整されることが好ましい(請求項2)。
上記塩化物の回収方法は、上記(A)第一工程において、上記水溶液の温度を80〜90℃に調整し、上記(B)第二工程において、上記第一工程で得られた液分の温度を55〜75℃に調整することが好ましい(請求項3)。
上記塩化物の回収方法は、上記水溶液が、カリウムイオンを含み、上記(A)第一工程において、上記水溶液の温度を60〜90℃に調整し、上記(B)第二工程において、上記第一工程で得られた液分の温度を50〜70℃に調整した後、固液分離して、塩化ナトリウムを含む固形分と、液分とを得て、さらに、上記(B)第二工程が、塩化ナトリウムを含む固形分と固液分離して得られた上記液分の温度を40℃以下に調整して、塩化カリウムを析出させることを含むことが好ましい(請求項4)。
上記塩化物の回収方法における処理対象物である水溶液の具体例としては、例えば、飛灰及び/又は焼却灰をスラリー化した後に得られる濾液が挙げられる(請求項)。
これらの濾液は、ナトリウムイオン等の陽イオンや、塩化物イオン等の陰イオンを高い含有率で含んでおり、本発明の方法の対象物として好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の塩化物の回収方法における処理対象物は、カルシウムイオン、アルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン)、硫酸イオン及び塩化物イオンを少なくとも含む水溶液である。
このような水溶液の具体例として、例えば、飛灰及び/又は焼却灰をスラリー化した後に得られる濾液が挙げられる。
本明細書中において、「飛灰」の語は、ゴミや下水汚泥等の焼却設備から排出される焼却飛灰や、焼却灰等の溶融設備から排出される溶融飛灰や、セメント製造工程から抽気される塩素バイパスダストや、エコセメント製造におけるバグフィルターダスト等を包含するものとして用いられる。
【0012】
飛灰に含まれる各種元素の組成割合は、飛灰の種類によって異なる。例えば、溶融飛灰の平均的な成分組成は、カルシウム30重量%、ナトリウム9重量%、カリウム10重量%、鉛1.6重量%、亜鉛5.4重量%、塩素24重量%(ただし、塩素を除き、酸化物換算での重量割合を示す。)である。
焼却飛灰の平均的な成分組成は、カルシウム36重量%、ナトリウム5重量%、カリウム6重量%、鉛0.3重量%、亜鉛1.4重量%、塩素18重量%(ただし、塩素を除き、酸化物換算での重量割合を示す。)である。
【0013】
飛灰等のスラリー化は、飛灰等と水とを混合することによって行なわれる。飛灰等と水との固液比(スラリー1リットル中の飛灰等の質量)は、飛灰中の水溶性成分の溶出率を高める観点から、好ましくは、600g/リットル以下である。
飛灰等をスラリー化した後、重金属を回収するための処理を行なうことができる。
【0014】
重金属回収処理の一例としては、スラリーに硫酸を加えて、スラリーのpHを2.0〜4.0に調整し、重金属を液中に溶出させた後、水酸化ナトリウム等のアルカリ化剤を用いて、スラリーのpHを6.5〜8.0に調整し、次いで、硫化剤(例えば、水硫化ソーダ、硫化ソーダ等)を加えて、固形分である硫化鉛、硫化亜鉛、硫化銅等を生じさせ、この固形分を濾過して回収する方法が挙げられる。この方法を用いた場合、重金属を除去した後の濾液は、硫酸イオンを多く含むことになる。
【0015】
重金属回収処理の他の例としては、スラリーに塩酸を加えて、スラリーのpHを2.0〜4.0に調整し、重金属及びカルシウム分を液中に溶出させた後、水酸化ナトリウム等を用いて、スラリーのpHを6.5〜8.0に調整し、次いで、硫化剤(例えば、水硫化ソーダ、硫化ソーダ等)を加えて、固形分である硫化鉛、硫化亜鉛、硫化銅等を生じさせ、この固形分を濾過して回収する方法が挙げられる。
【0016】
以上の処理によって得られた濾液(飛灰等を含むスラリーから重金属を除去した後の水溶液)は、鉛、亜鉛、銅等の重金属を含まず、かつ、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、硫酸イオン、塩化物イオン等を含むものであり、本発明の方法の処理対象物として好適である。
【0017】
本発明の方法は、上述の濾液の如きカルシウムイオン、アルカリ金属イオン、硫酸イオン及び塩化物イオンを少なくとも含む水溶液(本明細書中において、「各種イオンを含む水溶液」ともいう。)を対象とするものであって、(A)該水溶液の温度を50℃以上に調整した後、固液分離して、石膏を含む固形分と、アルカリ金属イオン及び塩化物イオンを含む液分とを得る第一工程と、(B)第一工程で得られた液分の温度を80℃以下(ただし、第一工程で調整される温度よりも低い温度である。)に調整した後、固液分離して、アルカリ金属の塩化物を含む固形分と、液分とを得る第二工程とからなるものである。
【0018】
以下、第一工程(A)と第二工程(B)を分けて説明する。
[A.第一工程]
本工程では、まず、必要に応じて、各種イオンを含む水溶液を、膜処理や蒸発によって、石膏の析出可能な濃度に濃縮する。
次に、各種イオンを含む水溶液を減圧条件下で加熱し、液温を50℃以上、好ましくは50〜100℃、より好ましくは60〜90℃に調整する。該温度が50℃未満では、石膏と共に塩化ナトリウム等の塩化物が析出し、本発明の目的である石膏等と塩化ナトリウム等の分別回収を実現することができなくなる。
この温度下において、水溶液を撹拌しながら、減圧条件下での濃縮(水分の蒸発)を更に進めていき、石膏等を析出させる。
析出する固体は、半水石膏(CaSO4・1/2H2O)、シンジェナイト(K2SO4・CaSO4・H2O)等を含むものである。
石膏等を析出させた後、水溶液を濾過等によって固液分離すれば、石膏等からなる固形分と、ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩化物イオンを含む液分とを得ることができる。
【0019】
[第二工程]
まず、必要に応じて、第一工程で得られた液分を、膜処理や蒸発によって、アルカリ金属の塩化物の析出可能な濃度に濃縮する。
次に、液分を減圧条件下で加熱し、液分の温度を80℃以下(ただし、第一工程の設定温度よりも低い温度である。)、好ましくは30〜80℃、より好ましくは40〜70℃に調整する。
ここで、第二工程の液分の温度は、第一工程の液温よりも、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上低くなるように調整される。該温度差が5℃以上になるように調整することによって、石膏等と、アルカリ金属の塩化物とを回収する際に、相互に混入する割合(不純物の含有率)を少なくすることができる。この温度下において、液分を撹拌しながら、減圧条件下での濃縮(水分の蒸発)を更に進めていき、アルカリ金属の塩化物を析出させる。その後、液分を濾過すれば、アルカリ金属の塩化物を含む固形分と、液分とを得ることができる。
【0020】
アルカリ金属の塩化物は、液分の温度の調整を複数の段階に分けて行なうことによって、塩化ナトリウム等の化合物毎に分別して回収することができる。
例えば、塩化ナトリウムと塩化カリウムを分別して回収するには、まず、第一工程で得られた液分の温度を50〜70℃にして、塩化ナトリウムを析出させて、これを濾別し回収した後、得られた濾液の温度を40℃以下(好ましくは35℃以下)に冷却して、塩化カリウムを析出させて、これを濾別し回収すればよい。
なお、塩化カリウムは、液分の加熱濃縮及び冷却の一連の操作を複数回(例えば、2〜3回)繰り返し行なって回収してもよい。このように複数回操作を行なうことによって、塩化カリウムの回収率を高めることができる。
回収された塩化ナトリウムは、ソーダ原料等として用いることができる。塩化カリウムは、化学肥料の原料等として用いることができる。
【0021】
次に、本発明の方法の一例を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の塩化物の回収方法の一例を示すフロー図である。
まず、飛灰と水を混合槽内に投入してスラリーとした後、撹拌しながら硫酸を加えて、スラリーのpHを2.0〜4.0に調整し、飛灰に含まれている鉛等の重金属を液中に溶出させる。その後、水酸化ナトリウム等のアルカリ化剤を用いて、スラリーのpHを6.5〜8.0に調整し、次いで、硫化剤(例えば、水硫化ソーダ、硫化ソーダ等)を加えて、固形分である重金属の硫化物(例えば、硫化鉛、硫化亜鉛、硫化銅等)を生じさせ、この固形分を濾過して回収する。
【0022】
次に、重金属を除去した後の液分を、減圧条件下で加熱し蒸発させながら、例えば80〜90℃(図1中の高温晶析)の液温になるように調整する。この温度下で蒸発を進めると、石膏等の固形分が析出する。この固形分は、濾過して回収する。なお、この操作によって、1バッチでは、液分中の硫酸成分の70〜80%程度を回収することができる。
回収された固形分(石膏等)は、例えば、水中に投入し、水酸化ナトリウム等のアルカリ化剤でpHを13.0以上(好ましくは13.5以上)にすることによって、水酸化カルシウムに変化させ、セメント原料とすることができる。
【0023】
一方、固形分(石膏等)を濾別した後の濾液は、減圧条件下で蒸発させながら、その液温を例えば55〜75℃(図1中の中温晶析)に調整する。この温度下で蒸発を進めると、塩化ナトリウム(NaCl)が析出する。塩化ナトリウムを濾別した後の濾液の一部は、上述の重金属を除去した後の液分に戻し、該液分と共に80〜90℃に加熱する。それによって、戻した濾液中の硫酸成分は、重金属を除去した後の新しい液分中の硫酸成分と共に析出させて回収することができる。これらの操作を繰り返すことによって、硫酸成分の95%以上を回収することができる。
塩化ナトリウムを濾別した後の濾液は、減圧条件下で蒸発させながら、その液温を例えば15〜35℃(図1中の低温晶析)に調整する。この温度下で蒸発を進めると、塩化カリウム(KCl)が析出する。
【0024】
【実施例】
以下、実験例に基づいて本発明を説明する。
まず、溶融飛灰と水を、固液比が400g/リットルとなるように混合槽内に投入してスラリーとした後、撹拌しながら5Nの硫酸溶液を加えて、スラリーのpHを3.0程度に調整し、飛灰に含まれている重金属を液中に溶出させた。その後、5Nの水酸化ナトリウム溶液を用いて、スラリーのpHを7.5程度に調整し、次いで、水硫化ソーダを加えて、重金属の硫化物を生じさせ、この固形分を濾過して回収した。
【0025】
次に、重金属を除去した後の液分を、減圧条件下で加熱し蒸発させながら、85℃の液温になるように調整した。この温度下で蒸発を進めると、石膏を含む固形分が析出した。この固形分は、濾過して回収した。
濾液を、減圧条件下で蒸発させながら、60℃の液温になるように調整し、この温度下で蒸発を進めると、塩化ナトリウムが析出した。
塩化ナトリウムを濾過して回収した後、濾液の一部を、上述の85℃の液分に戻した。濾液の残部を30℃の液温になるように調整して冷却すると、塩化カリウムが析出した。
【0026】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、カルシウムイオンや硫酸イオンを固形分として回収するための薬剤を用いることなく、水溶液の温度の調整を行なうだけで、カルシウムイオン及び硫酸イオンを含む石膏等の固体分と、塩化ナトリウム等のアルカリ金属の塩化物とを分別して回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塩化物の回収方法の一例を示すフロー図である。

Claims (5)

  1. カルシウムイオン、ナトリウムイオン、硫酸イオン及び塩化物イオンを少なくとも含む水溶液からの塩化物の回収方法であって、
    (A)上記水溶液の温度を50℃以上に調整した後、固液分離して、石膏を含む固形分と、ナトリウムイオン及び塩化物イオンを含む液分とを得る第一工程と、
    (B)該第一工程で得られた液分の温度を80℃以下であって、上記第一工程における上記水溶液の温度よりも5℃以上低い温度に調整した後、固液分離して、塩化ナトリウムを含む固形分と、液分とを得る第二工程と
    を含むことを特徴とする水溶液からの塩化物の回収方法。
  2. 上記第二工程における上記液分の温度を、上記第一工程における上記水溶液の温度よりも10℃以上低い温度に調整する請求項1に記載の水溶液からの塩化物の回収方法。
  3. 上記(A)第一工程において、上記水溶液の温度を80〜90℃に調整し、上記(B)第二工程において、上記第一工程で得られた液分の温度を55〜75℃に調整する請求項1又は2記載の水溶液からの塩化物の回収方法。
  4. 上記水溶液が、カリウムイオンを含み、上記(A)第一工程において、上記水溶液の温度を60〜90℃に調整し、上記(B)第二工程において、上記第一工程で得られた液分の温度を50〜70℃に調整した後、固液分離して、塩化ナトリウムを含む固形分と、液分とを得て、さらに、上記(B)第二工程が、塩化ナトリウムを含む固形分と固液分離して得られた上記液分の温度を40℃以下に調整して、塩化カリウムを析出させることを含む請求項1又は2に記載の水溶液からの塩化物の回収方法。
  5. 上記水溶液が、飛灰及び/又は焼却灰をスラリー化した後に得られる濾液である請求項1〜4のいずれかに記載の水溶液からの塩化物の回収方法。
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