JP6432421B2 - 排水からの石膏回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、排水からの石膏回収方法に関し、特に各種の排水中に含まれる硫酸イオンとカルシウムイオンとを有効利用して排水から石膏を得る、排水の石膏回収方法である。
一般に、セメント凝結調整に用いられる石膏としては,石炭火力発電所の排ガス処理により得られる排脱二水石膏や、硫酸と石灰を混合・反応させて調製される化学石膏、チタンを精練する工程から排出するチタン石膏等がある。
石膏を回収する方法として、特開平11−207146号公報(特許文献1)には、石炭火力発電所から排出される排煙をスート混合排煙脱硫装置で処理して得られる排煙脱硫排水を蒸発濃縮した後に固液分離し、固体側で石膏を回収する方法が記載されている。
また、特開2001−145818号公報(特許文献2)には、高硫黄含有燃料ボイラで燃焼した際に発生する排ガスを、脱硝装置で窒素酸化物を除去した後、電気集塵機で排ガス中のダストを除去し、脱硫装置で排ガス中の硫黄化合物をスラリ状のアルカリ中和剤で中和し、更に石膏回収装置で石膏として分離回収する方法が記載されている。
一方、各種排水は、環境基準に合致するように排水処理、例えば水処理が行われて放流されているのが実情であるが、排水中に含まれる無機塩については特段厳しい排水処理による濃度規制がなく、高塩濃度で放流されている。
例えば、廃硫酸は、産業廃棄物処理業者で、アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、廃棄物のアルカリ等)によるアルカリ処理が施されて中和処理が行われ、浮遊物質が存在する場合にはフィルタープレス等で固液分離がなされ、また、有機物が存在する場合には生物処理等が行われて、無機イオンを含む形で排水されている。
またセメント会社等においては、セメント製造の原料とするため焼却灰や飛灰等を受け入れて用いているが、該焼却灰や飛灰に含有される塩素はセメント製造プロセス上およびセメント規格上問題となるため、受け入れた焼却灰や飛灰を水洗処理している。飛灰を水洗処理した後の排水には、無機イオンが多く含まれており、これらの無機イオンが含まれた状態で放流されている。
これまでの従来の石膏の回収方法は、いずれも廃棄処理される排水から石膏を調製する方法ではない。
また、無機イオンが多く含まれている排水が有効にリサイクルされることなく廃棄されている状況に鑑み、これらの排水を有効利用することが期待されている。
特開平11−207146号公報 特開2001−145818号公報
従って、本発明の目的は、上記問題を解決し、各種排水に含まれる無機イオンを有効利用し、特に、硫酸イオンが含まれる排水及びカルシウムイオンが含まれる排水を利用して、石膏を効率よく調製して回収することができる、排水からの石膏回収方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の排水からの石膏回収方法は、以下のような技術的特徴を備えている。
即ち、請求項1記載の排水からの石膏回収方法は、カルシウムイオンを含む排水Aと、硫酸イオンを含む排水Bとを混合することで石膏を生成し、生成した石膏を回収することを特徴とする、排水からの石膏回収方法である。
また、請求項2記載の排水からの石膏回収方法は、請求項1記載の排水からの石膏回収方法において、カルシウムイオンを含む排水Aはカルシウムイオン濃度が5000ppm以上であり、硫酸イオンを含む排水Bは硫酸イオン濃度が5000ppm以上であることを特徴とする、排水からの石膏回収方法である。
また、上記請求項記載の排水からの石膏回収方法は、排水Aと排水Bとの混合割合は、電気伝導度C1(μS/cm)の排水A及び電気伝導度C2(μS/cm)の排水Bを混合割合xで混合した混合液の計算上の電気伝導度Ccxを、以下の式1より求め、
Ccx(μS/cm)=C1×(1−x)+C2×x・・・(式1)
(但し、式1中、混合割合(混合率)xは、x=排水Bの体積(cm)/(排水Aの体積(cm)+排水Bの体積(cm))、Ccx(μS/cm)は混合割合x時の計算上の電気伝導度を示す)、
混合割合x時の混合液の実測の電気伝導度Crx(μS/cm)を測定し、前記計算上の電気伝導度Ccxと前記実測の電気伝導度との差(Ccx−Crx)が最大となる混合割合で排水Aと排水Bとを混合することを特徴とする、排水からの石膏回収方法である。
請求項4記載の排水からの石膏回収方法は、請求項1〜3いずれかの項記載の排水からの石膏回収法において、排水は蒸発濃縮又は膜濃縮によりカルシウムイオン濃度及び/又は硫酸イオン濃度を高めてから混合し、また回収した石膏はセメント製造に用いることを特徴とする、排水からの石膏回収方法である。
本発明の排水からの石膏回収方法は、これまで放流廃棄されていた排水を有効に利用することができるとともに、該排水より石膏を効率良く調製して回収することが可能となる。
特に、回収された石膏を、セメント製造用の石膏として有効利用することで、セメント製造工程において使用料の多い石膏の供給資源としての有効利用の拡大を図ることができる。
本発明の一例の、カルシウムイオンを含む排水及び硫酸イオンを含む排水の混合率と二水石膏生成量との関係、及び、カルシウムイオンを含む排水及び硫酸イオンを含む排水の混合率と電気伝導度の差(計算上の電気伝導度Ccxと実測の電気伝導度Crxとの差(Ccx−Crx))との関係を示す図である。 本発明の他の例の、カルシウムイオンを含む排水及び硫酸イオンを含む排水の混合率と二水石膏生成量との関係、及び、カルシウムイオンを含む排水及び硫酸イオンを含む排水の混合率と電気伝導度の差(計算上の電気伝導度Ccxと実測の電気伝導度Crxとの差(Ccx−Crx))との関係を示す図である。 本発明の他の例の、カルシウムイオンを含む排水及び硫酸イオンを含む排水の混合率と二水石膏生成量との関係、及び、カルシウムイオンを含む排水及び硫酸イオンを含む排水の混合率と電気伝導度の差(計算上の電気伝導度Ccxと実測の電気伝導度Crxとの差(Ccx−Crx))との関係を示す図である。 本発明の他の例の、カルシウムイオンを含む排水及び硫酸イオンを含む排水の混合率と二水石膏生成量との関係、及び、カルシウムイオンを含む排水及び硫酸イオンを含む排水の混合率と電気伝導度の差(計算上の電気伝導度Ccxと実測の電気伝導度Crxとの差(Ccx−Crx))との関係を示す図である。 本発明の他の例の、カルシウムイオンを含む排水及び硫酸イオンを含む排水の混合率と二水石膏生成量との関係、及び、カルシウムイオンを含む排水及び硫酸イオンを含む排水の混合率と電気伝導度の差(計算上の電気伝導度Ccxと実測の電気伝導度Crxとの差(Ccx−Crx))との関係を示す図である。 本発明の他の例の、カルシウムイオンを含む排水及び硫酸イオンを含む排水の混合率と二水石膏生成量との関係、及び、カルシウムイオンを含む排水及び硫酸イオンを含む排水の混合率と電気伝導度の差(計算上の電気伝導度Ccxと実測の電気伝導度Crxとの差(Ccx−Crx))との関係を示す図である。 排水より回収された沈殿物を同定した粉末X線回析チャート図である。
本発明を、以下の実施形態により説明する。
本発明の排水からの石膏回収方法は、カルシウムイオンを含む排水Aと、硫酸イオンを含む排水Bとを混合することで石膏を生成し、生成した石膏を回収する、排水からの石膏回収方法である。
本発明の排水は、無機イオン、具体的には硫酸イオンを含む排水及びカルシウムイオンを含む排水であれば、特に限定されず、各種工場、各種工程から排出される排水を使用することができる。
例えば、産業廃棄物回収業者は、上記したように廃棄物をアルカリで中和処理するが、その結果として、硫酸ナトリウムや硫酸カリウムを含む排水、即ち硫酸イオンを含む排水が発生する。また焼却灰や飛灰洗浄業者からは、塩化カルシウムを含む排水、即ちカルシウムイオンを含む排水が発生する。
本発明においては、これらのカルシウムイオンを含む排水や硫酸イオンを含む排水を好適に用いることができ、これにより、これまで廃棄処理されていた排水の有効利用を図ることが可能となる。
上記無機イオンを含む排水に規制物質が含まれている場合には、排水に水処理等の規制物質を除去する処理を行った後の排水を用いることができるが、排水から石膏を回収した後に水処理等の規制物質を除去する処理を行ってもよい。
特に規制物質が重金属等であった場合には、本発明の方法により回収された石膏を用いて製造するセメントの品質に影響を及ぼすため、なるべく排水から重金属等の規制物質を除去する処理を行なった後の排水を用いることが望ましい。
次いで、カルシウムイオンを含む排水Aと、硫酸イオンを含む排水Bとを混合することで石膏を生成させる。
該混合により生成される石膏の生成効率を向上させるため、カルシウムイオンを含む排水Aはカルシウムイオン濃度が5000ppm以上であり、硫酸イオンを含む排水Bは硫酸イオン濃度が5000ppm以上であることが、排水からの石膏を効率良く回収できる点から望ましい。
カルシウムイオンを含む排水Aのカルシウムイオン濃度を5000ppm以上とし、硫酸イオンを含む排水Bの硫酸イオン濃度の5000ppm以上とするために、排水A及び排水Bは、蒸発濃縮又は膜濃縮により排水中のカルシウムイオン濃度や硫酸イオン濃度を高めて用いることが望ましい。
上記排水に含まれるカルシウムイオン濃度や硫酸イオン濃度により、石膏を調製するための排水Aと排水Bの混合割合は変化するため、含有される各種イオン濃度を予め分析し、生成される沈殿物である石膏が最も効率的に行える混合割合で、排水Aと排水Bとを混合することが好ましい。
かかる最適混合の制御方法としては、電気伝導度を用いることが可能である。
排水Aと排水Bのそれぞれの排水に含まれるカルシウム濃度や硫酸イオン濃度は一定ではなく変化する。そのため電気伝導度の測定を行い、石膏沈殿が最も効率的に行える混合割合を決定することが望ましい。
具体的には、排水Aと排水Bの電気伝導度C1、C2をそれぞれ測定する。この2つの測定値から、排水Aと排水Bとの混合割合x時の電気伝導度を下記式1により求める。
Ccx=C1×(1−x)+C2×x・・・式1
但し、上記式中において、
混合割合x=排水Bの体積/(排水Aの体積+排水Bの体積)
混合割合xの時の計算上の電気伝導度:Ccx
混合割合xの時の実測の電気伝導度:Crx
を示す。
次いで、排水Aと排水Bとを混合した後の混合液の実際の電気伝導度をCrxとして測定し、上記計算上の電気伝導度Ccxと実測した混合液の電気伝導度Crxより(Ccx−Crx)を算出し、該算出値が最大となるように、排水Aと排水Bとの混合割合を制御することで、生成される石膏沈殿物の量を最大となるように制御することが可能となる。
排水Aと排水Bとを混合させて石膏を生成させるための混合後の反応時間については、特に限定されず、上記した電気伝導度を継続的に測定し、電気伝導度がある値で安定となった時を反応終了の目安とすることができる。これは、生成される石膏沈殿に伴い混合液の電気伝導度は小さくなるが、生成する石膏結晶成長が終了すると電気伝導度もある値で安定するからであり、この安定値を反応終了の目安とすることが可能となる。
また、反応時間については、排水Aと排水Bの2つの液を混合してから、石膏の析出が完了するまでに要する時間は例えば数分から数時間である。石膏の析出量が少ない場合には、より長い時間を要する傾向にある。かかる反応時間は短いほうが処理能力的に有利となり、該反応時間を短くする方法としては、種結晶を排水混合液に入れる方法があげられる。
また、混合方式は、バッチ処理でも連続処理でもどちらでも構わない。
排水Aと排水Bとを混合して石膏を生成する反応時のpH、温度、種晶反応時のpHについては特に制限されるものではないが、排水A及び排水Bはともに放流されるものであることから、排水基準内であり、pH5.0〜9.0とすることが望ましい。
反応温度についても特に制限するものではないが,反応温度を56℃以上とすると、回収される石膏の形態が、二水石膏から無水石膏に変化することとなる。
回収される石膏が二水石膏でも無水石膏であっても、セメント用石膏として何ら問題なく利用できるが、設備的・熱エネルギー的に常温で反応させることが好ましい。
このようにして排水混合液中に沈殿物として生成された石膏の回収のため、固液分離操作を実施する。
その際には、石膏の粒子径が大きいほど濾過性能が高く生産性が高いため、石膏の粒子径については30μm以上、より好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上とすることが望ましい。
固液分離操作は、公知の任意の方法を適用することができる。
例えば、遠心分離装置、フィルタープレス、ベルトプレス等の手段を用いて固液分離することができ、特に含水率の調整が行いやすい、遠心分離装置を好適に適用することができる。
また、得られた石膏沈殿物を脱水したものは、ケーキ内部に含まれる濾液をなくすために、水による洗浄を行うことが好ましい。
回収する石膏の含水率に関しては、特に限定されない。例えば、遠心分離装置を適用した場合には、遠心力・時間により含水率の調整が可能であるが、5質量%未満となると、屋外にストックした場合、風などにより粉塵が舞う恐れがあるため、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上のものを回収することが望ましい。また、20質量%を超えると、回収した石膏がべたべたとするようになりハンドリングが悪くなる場合があるので、20質量%以下、望ましくは15質量%以下とすることが好ましい。
このようにして回収された石膏は、セメント製造用に有効に用いることができる。本発明により回収された石膏を用いて製造されたセメントモルタルやコンクリートは、従来の一般に用いられる石膏を用いて製造されたセメントモルタルやコンクリートと比較して、凝結性の劣化や強度の低下を招くものではなく、セメント製造用石膏として良好に用いることが可能である。
以下、本発明を実施例により説明する。
飛灰洗浄水を水処理して得られた飛灰洗浄処理排水を排水A(溶液1〜3)とし、産業廃棄物処理業者が産業廃棄物にアルカリ処理を施して中和した中和処理排水を排水B(溶液4〜5)として、各溶液1〜5に含まれる無機イオンの量を測定した。
その結果をそれぞれ表1及び表2に示す。
Figure 0006432421
Figure 0006432421
排水A(各溶液1〜3)それぞれと、排水B(溶液4)とを種々の混合率で混合し、生成した沈殿物を回収して、生成量を計量した。
なお、排水Aの溶液1と排水Bの溶液4との混合を実験1、排水Aの溶液2と排水Bの溶液4との混合を実験2、排水Aの溶液3と排水Bの溶液4との混合を実験3とした。
その結果を図1〜図3に示す。
また、排水A(各溶液1〜3)それぞれと、排水B(溶液5)とを種々の混合率で混合し、生成した沈殿物を回収して、生成量を計量した。
なお、排水Aの溶液1と排水Bの溶液5との混合を実験4、排水Aの溶液2と排水Bの溶液5との混合を実験5、排水Aの溶液3と排水Bの溶液5との混合を実験6とした。
その結果を図4〜図6に示す。
なお、表1に示す排水Aの溶液1と排水Bの溶液4とを混合することにより得られた生成沈殿物を40℃で乾燥した後、粉末X線回析(ブルカー社製、D8 ADVANCE)により解析して該乾燥沈殿物の同定を行った。
その結果を図7に示す。
図7のチャートより、得られた沈殿物は二水石膏であることが明らかとなった。
また、同様に排水Aの溶液2又は3と排水Bの溶液4との混合から得られた各沈殿物、また排水Aの各溶液1〜3と排水Bの溶液5との混合から得られた各沈殿物も、上記と同様にして粉末X線回析(ブルカー社製、D8 ADVANCE)により解析して該乾燥沈殿物の同定を行ったところ、二水石膏であることが明らかとなった。
従って、各排水Aと各排水Bとをそれぞれ混合することにより、二水石膏が得られることがわかった。
また、各排水に含まれるカルシウム濃度、硫酸イオン濃度により、各排水の混合割合は変化するため、該排水に含まれる各種イオン濃度を分析測定しておき、生成する石膏が最も効率的に生成する混合割合で混合することが望ましく、その最適混合の制御方法として、電気伝導度を用いた。
排水Aの溶液1と排水Bの溶液4とを混合する場合を代表例として、以下に具体的に説明する。
排水Aの溶液1の電気伝導度を、TOADKK社製のポータブル電気伝導度計(CM−31P)を用いて測定し、その値をC1とする。一方の排水Bの溶液4の電気伝導度を、同様にして測定し、その値をC2とする。なお、溶液1のC1は、76100μS/cmであり、溶液4のC2は、105300μS/cmであった。
得られた排水Aの溶液1の電気伝導度C1(μS/cm)と、排水Bの溶液4の電気伝導度C2(μS/cm)との2つの測定値から、溶液1と溶液4とを混合割合xで混合した混合液の電気伝導度Ccxを、以下の式1より求めた。
Ccx(μS/cm)=C1×(1−x)+C2×x・・・(式1)
但し、式1中、
混合割合(混合率)x=排水Bの溶液4の体積(cm)/(排水Aの溶液1の体積(cm)+排水Bの溶液4の体積(cm))
Ccx(μS/cm):混合割合x時の計算上の電気伝導度
を示す。
次いで、種々の混合割合x時の混合液の実測の電気伝導度Crx(μS/cm)を測定し、次いで、電気伝導度の差(Ccx−Crx)を求めた。
その結果を図1に示す。
同様にして、排水Aの溶液2〜溶液3と排水Bの溶液4とを混合した場合の電気伝導度の差:(Ccx−Crx)をそれぞれ図2〜3に、また排水Aの溶液1〜3と排水Bの溶液5とを混合した場合の電気伝導度の差(Ccx−Crx)をそれぞれ図4〜6に示す。
なお、溶液2のC1は77700μS/cm、溶液3のC1は61500μS/cm、溶液5のC2は70100μS/cmであった。
図1〜6より、電気伝導度の差:(Ccx−Crx)と石膏の生成量とは相関関係があることがわかる。従って、排水Aと排水Bとから石膏を効率よく回収するためには、かかる電気伝導度の差(Ccx−Crx)が最大になるような混合比で配合すれば、排液からの石膏の回収が極めて有効に実施することが可能となる。
また、排水Aの溶液2と排水Bの溶液4(実験例2)、排水Aの溶液3と排水Bの溶液4(実験例3)とを、それぞれ体積混合比6:4(x=0.4)でバッチ混合し、生成沈殿した石膏を固液分離により回収した。
上記回収した石膏を用いて試製セメント(実施例1及び実施例2)を製造した。
具体的には、まずセメントクリンカとして、住友大阪セメント株式会社製の普通ポルトランドセメントクリンカを用い、得られるセメント中のSO量が2質量%となるように、回収した石膏を添加して、次いでボールミルにてブレーン比表面積が3400cm/gとなるように調整して試製セメント(実施例1及び実施例2)を製造した。
なお、比較例のために、石炭火力発電所の排脱無水石膏を用いて、上記と同様にしてセメント(比較例1)を調製した。
得られた各セメントに、JIS R 5205に準じて、各材齢3日、7日、28日における圧縮強さ試験と、凝結試験を実施した。
その結果を表3に示す。
Figure 0006432421
上記表3の結果から、本発明により回収した石膏を用いて製造したセメントモルタルは、比較例と同等の圧縮強度及び凝結時間を有しており、得られるモルタルの強度や凝結時間には、特に影響を与えておらす、セメントの製造に有効に用いることができることが確認された。
本発明の排水からの石膏回収方法は、カルシウムイオンを含む排水と硫酸イオンを含む排水とを有効利用することに適用できるとともに、得られた石膏をセメント製造に有効に利用することが可能である。

Claims (3)

  1. カルシウムイオンを含む排水Aと、硫酸イオンを含む排水Bとを混合することで石膏を生成し、生成した石膏を回収する排水からの石膏回収方法であって、排水Aと排水Bとの混合割合は、電気伝導度C1(μS/cm)の排水A及び電気伝導度C2(μS/cm)の排水Bを混合割合xで混合した混合液の計算上の電気伝導度Ccxを、以下の式1より求め、
    Ccx(μS/cm)=C1×(1−x)+C2×x・・・(式1)
    (但し、式1中、混合割合(混合率)xはx=排水Bの体積(cm )/(排水Aの体積(cm )+排水Bの体積(cm ))、Ccx(μS/cm)は混合割合x時の計算上の電気伝導度を示す)、
    混合割合x時の混合液の実測の電気伝導度Crx(μS/cm)を測定し、前記計算上の電気伝導度Ccxと前記実測の電気伝導度Crxとの差(Ccx−Crx)が最大となる混合割合で排水Aと排水Bとを混合することを特徴とする、排水からの石膏回収方法。
  2. 請求項1記載の排水からの石膏回収方法において、カルシウムイオンを含む排水Aはカルシウムイオン濃度が5000ppm以上であり、硫酸イオンを含む排水Bは硫酸イオン濃度が5000ppm以上であることを特徴とする、排水からの石膏回収方法。
  3. 請求項1又は2記載の排水からの石膏回収法において、排水は蒸発濃縮又は膜濃縮によりカルシウムイオン濃度及び/又は硫酸イオン濃度を高めてから混合し、また回収した石膏はセメント製造に用いることを特徴とする、排水からの石膏回収方法。
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