JP4011659B2 - ラフィングジブのバックテンション装置におけるバックテンションワイヤロープの掛け回し方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本願発明は、伸縮ブームを備えたクレーンの該伸縮ブームの先端に装着されるラフィングジブのバックテンション装置におけるバックテンションワイヤロープの掛け回し方法に関するものである。
【従来の技術】
【0003】
ラフィングジブは、主として高所で且つ比較的大きな作業半径でのクレーン作業が要求されるような場合に使用されるものであって、通常、伸縮ブームの先端に起伏自在に装着され、且つバックテンション装置によりその起伏角度が調整されるとともに所要の起伏角度位置において姿勢保持されるようになっている。そして、伸縮ブームを支持する旋回台側に配置したウィンチから延びる吊荷用ワイヤロープをラフィングジブの先端に設けたトップシーブから垂下し、この吊荷用ワイヤロープを使用して所要のクレーン作業を行う。
【0004】
また、上記バックテンション装置は、一般に、上記ラフィングジブの基端部に立設されたポストを介して該ラフィングジブの先端部から伸縮ブーム側に引き出されたジブ支持部材と、該ジブ支持部材に接続され且つ旋回台側に配置されたウィンチにより巻き込み・巻き戻しされるバックテンションワイヤロープとで構成され、該バックテンションワイヤロープの巻き込み・巻き戻しにより上記ジブ支持部材を介して上記ラフィングジブの起伏角度の調整と所定の起伏角度での姿勢保持とを行うようになっている。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、通常、上記バックテンションワイヤロープは、ロープ張力軽減のため、多段掛け状態で使用される。かかるバックテンションワイヤロープの多段掛けの方法として、例えば上記伸縮ブームの基端部と上記ポストとにそれぞれ複数のシーブを配置し、これら伸縮ブーム側のシーブとポスト側のシーブとの間に跨がって上記バックテンションワイヤロープを多段掛けするものが知られている。そして、この場合、バックテンションワイヤロープを直接作業者がポスト側のシーブまで運んでこれに掛け廻すことは該バックテンションワイヤロープが大径であり作業者によるその取り扱いが容易でないことから、通常、バックテンションワイヤロープ掛け廻し作業専用の小型ウィンチを備え、該小型ウィンチの比較的小径の作業用ワイヤロープを作業者がポスト側シーブまで運んでこれに掛け回した後、これを伸縮ブーム基端部側まで戻し、さらにこの作業用ワイヤロープに、上記バックテンションワイヤロープの中間部分を支持したロープ支持ブロックを接続し、しかる後、上記小型ウィンチを巻き込み操作することで上記バックテンションワイヤロープを上記ポスト側シーブまで運んでこれに掛け回した後、上記伸縮ブーム側シーブまで引き戻し、これを該伸縮ブーム側シーブに掛け廻すことで該バックテンションワイヤロープの多段掛けを実現するようにしていた。
【0006】
ところが、かかる従来の方法を採用した場合には、バックテンションワイヤロープの張設に際して、作業者は伸縮ブームの基端部、即ち、ベースブームの基端部からその先端部まで上記作業用ワイヤロープを運び、さらに該ベースブームの先端部からラフィングジブ側に倒伏状態で格納されている上記ポストの上端に設けた上記ポスト側シーブまで作業用ワイヤロープを運んでこれに掛け回し、さらにこの作業用ワイヤロープをベースブームの基端部側まで引き戻すことが必要であることから、このバックテンションワイヤロープの張設作業に伴う作業者の移動距離が長く、しかも足場状態がベースブーム上面に比して比較的悪いラフィングジブの上面側を通って移動しなければならないので、バックテンションワイヤロープ張設作業に時間がかかるという問題があった。
【0007】
そこで本願発明では、バックテンションワイヤロープの張設作業を簡易且つ迅速に行い得るようにしたラフィングジブのバックテンション装置におけるバックテンションワイヤロープの掛け回し方法を提案せんとしてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段としてつぎのような構成を採用している。
【0009】
本願の第1の発明では、添付の図面に例示するように、旋回台2に対してそのベースブーム31の基端部31aが起伏自在に取り付けられた伸縮ブーム3の先端部3bに、該伸縮ブーム3の起伏面に沿う方向に起伏自在にラフィングジブ10を装着し、且つ該ラフィングジブ10の先端部10bにその一端が接続されたジブ支持部材21を該ラフィングジブ10の基端部10aに立設されたマスト15,16を介して上記伸縮ブーム3側に引き出すとともに、該ジブ支持部材21を上記旋回台2側に配置した第1ウインチ6から繰り出されるバックテンションワイヤロープ17に接続し、該バックテンションワイヤロープ17を上記第1ウィンチ6により巻き込み・巻き戻しすることで上記ラフィングジブ10を起伏させ且つ所定の起伏位置で姿勢保持し得るようにしたラフィングジブのバックテンション装置において、上記バックテンションワイヤロープ17が掛け回されるシーブ46,46,・・と所定長さのパイロットワイヤロープ20が掛け回される補助シーブ59とを備え上記ベースブーム31の基端部31a側に揺動可能に連結される第1シーブブロック41と、上記バックテンションワイヤロープ17が掛け回されるシーブ47,47,・・を備え上記第1シーブブロック41に対して連結・離脱自在とされた第2シーブブロック42とからなるシーブブロックアセンブリ40と、上記ベースブーム31の先端部31bに固定配置された第3シーブブロック43と、上記ベースブーム31の基端部31aの近傍に配置されて作業用ワイヤロープ19の巻き込み・巻き戻しを行う第2ウィンチ8とを備えるとともに、上記第1シーブブロック41と第2シーブブロック42との連結状態においては上記パイロットワイヤロープ20の一端20aを上記第1シーブブロック41側に掛止するとともにその他端20b側を上記第1シーブブロック41の各シーブ46,46,・・と第2シーブブロック42の各シーブ47,47,・・との間に多段掛け状に掛け回しさらに上記補助シーブ59に掛け回したのち上記他端20bを上記第2シーブブロック42側に掛止する一方、上記第1シーブブロック41と第2シーブブロック42とを切り離し且つ上記パイロットワイヤロープ20の上記一端20aを上記第1シーブブロック41から取り外してこれを上記バックテンションワイヤロープ17の先端17aに接続するとともに上記作業用ワイヤロープ19を上記第3シーブブロック43を介して上記第2シーブブロック42に連結した状態においては、上記第1ウィンチ6を巻き戻しながら上記第2ウィンチ8を巻き込むことにより上記第2シーブブロック42をベースブーム31の基端部31a側から先端部31b側に移動させる如くしたことを特徴としている。
【0010】
本願の第2の発明では、添付の図面に例示するように、旋回台2に対してそのベースブーム31の基端部31aが起伏自在に取り付けられた伸縮ブーム3の先端部3bに、該伸縮ブーム3の起伏面に沿う方向に起伏自在にラフィングジブ10を装着し、且つ該ラフィングジブ10の先端部10bにその一端が接続されたジブ支持部材21を該ラフィングジブ10の基端部10aに立設されたマスト15,16を介して上記伸縮ブーム3側に引き出すとともに、該ジブ支持部材21を上記旋回台2側に配置した第1ウインチ6から繰り出されるバックテンションワイヤロープ17に接続し、該バックテンションワイヤロープ17を上記第1ウィンチ6により巻き込み・巻き戻しすることで上記ラフィングジブ10を起伏させ且つ所定の起伏位置で姿勢保持し得るようにしたラフィングジブのバックテンション装置において、上記バックテンションワイヤロープ17が掛け回されるシーブ46,46,・・と所定長さのパイロットワイヤロープ20が掛け回される補助シーブ59とを備え上記ベースブーム31の基端部31a側に揺動可能に連結される第1シーブブロック41と、上記バックテンションワイヤロープ17が掛け回されるシーブ47,47,・・と上記パイロットワイヤロープ20が掛け回される補助シーブ60とを備え上記第1シーブブロック41に対して連結・離脱自在とされた第2シーブブロック42とからなるシーブブロックアセンブリ40と、上記ベースブーム31の先端部31bに固定配置された第3シーブブロック43と、上記ベースブーム31の基端部31aの近傍に配置されて作業用ワイヤロープ19の巻き込み・巻き戻しを行う第2ウィンチ8とを備えるとともに、上記第1シーブブロック41と第2シーブブロック42との連結状態においては上記パイロットワイヤロープ20の一端20aを上記第1シーブブロック41側に掛止するとともにその他端20b側を上記第1シーブブロック41の各シーブ46,46,・・と第2シーブブロック42の各シーブ47,47,・・との間に多段掛け状に掛け回しさらに上記第1シーブブロック41側の上記補助シーブ59及び上記第2シーブブロック42側の上記補助シーブ60とに掛け回したのち上記他端20bを上記第1シーブブロック41側に掛止する一方、上記第1シーブブロック41と第2シーブブロック42とを切り離し且つ上記パイロットワイヤロープ20の上記一端20aを上記第1シーブブロック41から取り外してこれを上記バックテンションワイヤロープ17の先端17aに接続するとともに上記作業用ワイヤロープ19を上記第3シーブブロック43を介して上記第2シーブブロック42に連結した状態においては、上記第1ウィンチ6を巻き戻しながら上記第2ウィンチ8を巻き込むことにより上記第2シーブブロック42をベースブーム31の基端部31a側から先端部31b側に移動させる如くしたことを特徴としている。
【0011】
本願の第3の発明では、上記第1又は第2の発明にかかるラフィングジブのバックテンション装置におけるバックテンションワイヤロープの掛け回し方法において、上記第2シーブブロック42の上記ベースブーム31の先端部31b側への移動を、上記バックテンションワイヤロープ17の先端17aが該バックテンションワイヤロープ17の掛け回し方向において最上段に位置する上記補助シーブ59の近傍に達した時点で停止させるようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。
本願の第1の発明にかかるラフィングジブのバックテンション装置におけるバックテンションワイヤロープの掛け回し方法によれば、上記シーブブロックアセンブリ40の上記第1シーブブロック41を上記ベースブーム31の基端部31a側に揺動可能に連結した状態で該第1シーブブロック41と上記第2シーブブロック42との連結状態を解除してこの両者を切り離すとともに、上記パイロットワイヤロープ20の一端20aに上記バックテンションワイヤロープ17の先端17aを接続する。しかる後、上記作業用ワイヤロープ19を上記第3シーブブロック43を介して上記第2シーブブロック42に連結し、上記第1ウィンチ6を巻き戻しながら上記第2ウィンチ8を巻き込むと、上記第2シーブブロック42は、上記第2ウィンチ8による上記作業用ワイヤロープ19の巻き込みに伴って次第に上記ベースブーム31の基端部31a側から先端部31b側に移動される。
【0013】
この第2シーブブロック42の移動により該第2シーブブロック42と上記第1シーブブロック41との間隔が拡大し、該第1シーブブロック41の各シーブ46,46と上記第2シーブブロック42の各シーブ47,47,47との間、さらに上記第1シーブブロック41側に設けた上記補助シーブ59に巻掛けられるワイヤロープの必要長さが増加し、それに伴って上記パイロットワイヤロープ20が上記バックテンションワイヤロープ17の先端17aを先導しながら上記各シーブ46,46及び同47,47,47側から上記補助シーブ59を介して上記第2シーブブロック42側に引き出され、上記バックテンションワイヤロープ17は上記パイロットワイヤロープ20に代わって上記各シーブ46,46と同47,47,47との間に次第に巻掛けられる。
【0014】
この場合、本願の第3の発明の如く、上記第2シーブブロック42の上記ベースブーム31の先端部31b側への移動を、上記バックテンションワイヤロープ17の先端17aが上記補助シーブ59の近傍に達した時点で停止させると、上記バックテンションワイヤロープ17は上記第1シーブブロック41側の各シーブ46,46と上記第2シーブブロック42側の各シーブ47,47,47とに掛け回され且つその先端17aが上記補助シーブ59の近傍に位置することになる。従って、このバックテンションワイヤロープ17の先端17aを上記パイロットワイヤロープ20の一端20aから外してこれを上記第1シーブブロック41側へ容易に固定することができる。これで、上記バックテンションワイヤロープ17の張設作業が完了し、上記ジブ支持部材21は、上記第1シーブブロック41の各シーブ46,46と上記第2シーブブロック42の各シーブ47,47,47の間に多段掛けされたバックテンションワイヤロープ17によって引き込みあるいは送り出しされ得る状態となる。
【0015】
本願の第2の発明にかかるラフィングジブのバックテンション装置によれば、上記シーブブロックアセンブリ40の上記第1シーブブロック41を上記ベースブーム31の基端部31a側に揺動可能に連結した状態で該第1シーブブロック41と上記第2シーブブロック42との連結状態を解除してこの両者を切り離すとともに、上記パイロットワイヤロープ20の一端20aに上記バックテンションワイヤロープ17を接続する。しかる後、上記作業用ワイヤロープ19を上記第3シーブブロック43を介して上記第2シーブブロック42に連結し、上記第1ウィンチ6を巻き戻しながら上記第2ウィンチ8を巻き込むと、上記第2シーブブロック42は、上記第2ウィンチ8による上記作業用ワイヤロープ19の巻き込みに伴って次第に上記ベースブーム31の基端部31a側から先端部31b側に移動される。
【0016】
この第2シーブブロック42の移動により該第2シーブブロック42と上記第1シーブブロック41との間隔が拡大し、該第1シーブブロック41の各シーブ46,46と上記第2シーブブロック42の各シーブ47,47,47との間、さらに上記第1シーブブロック41側に設けた上記補助シーブ59及び上記第2シーブブロック42に設けた上記補助シーブ60に巻掛けられるワイヤロープの必要長さが増加し、それに伴って上記パイロットワイヤロープ20が上記バックテンションワイヤロープ17の先端17aを先導しながら上記各シーブ46,46及び同47,47,47側から上記補助シーブ59及び補助シーブ60を介して上記第1シーブブロック41側に引き出され、上記バックテンションワイヤロープ17は上記パイロットワイヤロープ20に代わって上記各シーブ46,46と同47,47,47との間に次第に巻掛けられる。
【0017】
この場合、本願の第3の発明の如く、上記第2シーブブロック42の上記ベースブーム31の先端部31b側への移動を、上記バックテンションワイヤロープ17の先端17aが該バックテンションワイヤロープ17の掛け回し方向において最上段に位置する補助シーブ、即ち、上記第1シーブブロック41側に設けられた上記補助シーブ59の近傍に達した時点で停止させると、上記バックテンションワイヤロープ17は上記第1シーブブロック41側の各シーブ46,46と上記第2シーブブロック42側の各シーブ47,47,47とに掛け回され且つその先端17aが上記補助シーブ59の近傍に位置することになる。従って、このバックテンションワイヤロープ17の先端17aを上記パイロットワイヤロープ20の一端20aから外してこれを上記第1シーブブロック41側へ容易に固定することができる。これで、上記バックテンションワイヤロープ17の張設作業が完了し、上記ジブ支持部材21は、上記第1シーブブロック41の各シーブ46,46と上記第2シーブブロック42の各シーブ47,47,47の間に多段掛けされたバックテンションワイヤロープ17によって引き込みあるいは送り出しされ得る状態となる。
【0018】
このように、本願発明にかかるラフィングジブのバックテンション装置におけるバックテンションワイヤロープの掛け回し方法によれば、予め第1シーブブロック41と第2シーブブロック42の間、及び補助シーブ59,60に掛け回されていたパイロットワイヤロープ20の一端20aにバックテンションワイヤロープ17の先端17aを接続し、この状態で上記第2シーブブロック42をベースブーム31の先端部31b側に移動させることで上記バックテンションワイヤロープ17の多段掛けが容易に実現され、作業者はこのバックテンションワイヤロープ17の張設作業の全てを足場状態の良いベースブーム31側のみにおいてしかも短い移動距離で行えることから、例えば従来のように作業者がベースブーム上のみならず、該ベースブームからさらにその先端側のラフィングジブ上に該ラフィングジブの先端部側へ倒伏した状態で格納されているポストの先端部までしかもベースブーム上に比して足場条件の悪い部分を通って移動してワイヤ掛け作業を行う必要がある場合に比して、バックテンションワイヤロープ張設作業をより安全にしかも簡易且つ迅速に行うことができるものである。
【0019】
また、上記バックテンションワイヤロープ17は、上記第2シーブブロック42の移動に伴って、その先端17aに接続された上記パイロットワイヤロープ20によって該先端17a側から上記各シーブ46,シーブ46,・・、同47,47,・・に引き出されて掛け回される。従って、上記バックテンションワイヤロープ17の先端17aには、上記パイロットワイヤロープ20との接続用の金具が必要であり、且つこの金具は上記バックテンションワイヤロープ17のロープ径程度の大きさに抑える必要があり、通常は該金具をバックテンションワイヤロープ17の先端17aにロウ付けにて固定する。かかるロウ付け固定は、その接合強度が比較的低いため、この接合部に大きな張力がかかることは避けなければならない。この場合、本願発明においては、上記第2シーブブロック42を移動させる上記作業用ワイヤロープ19の張力がそのまま上記接合部にかかるのではなく、該張力を上記パイロットワイヤロープ20の掛け数で除した値の張力のみが上記接合部にかかる構成であるので、該接合部における強度上の信頼性が確保されるものである。
【0020】
さらに、特に請求項2に記載の発明においては、上記パイロットワイヤロープ20が掛け回される補助シーブ59,60が上記第1シーブブロック41と第2シーブブロック42の双方に設けられているので、請求項1に記載の発明のように第1シーブブロック41側のみに補助シーブ59を配置した構成に比して、上記パイロットワイヤロープ20の掛け数が多くなる。この結果、パイロットワイヤロープ20の掛け数が多い分だけ、上記第2シーブブロック42を移動させて上記バックテンションワイヤロープ17を上記各シーブ46,46,・・、及び上記各シーブ47,47,・・に掛け回わす場合、これを上記第2シーブブロック42の短い移動量で達成することができ、その作業性が一段と向上するものである。
【発明の実施の形態】
【0021】
以下、本願発明を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
第1の実施形態
図1には、本願発明の第1の実施形態のためのバックテンション装置を備えたラフィングジブ付き移動式クレーンZを示しており、同図において符号1は走行基台としての車両、2は該車両1上に旋回自在に搭載された旋回台、3は該旋回台2にその基端部3a(即ち、ベースブーム31の基端部31a)が上下方向に起伏自在に連結されるとともにその先端部3b(即ち、トップブーム33の先端部33a)にブームヘッド4を備えた伸縮ブームであり、該伸縮ブーム3は起伏用油圧シリンダ5により起伏駆動される。
【0022】
さらに、符号10は、上記伸縮ブーム3のブームヘッド4部分に後述のジブ取付基台9を介して起伏自在に装着された次述のラフィングジブである。
【0023】
ラフィングジブ10は、図1に示すように、後述のジブサポート9を介してその基端部11aが上記ブームヘッド4の前面側に起伏自在に連結されて該ラフィングジブ10の基端部分を構成するベースジブ11と、該ベースジブ11の先端側に連結されたミドルジブ12と、該ミドルジブ12の先端側に連結されて上記ラフィングジブ10の先端部分を構成するとともにその先端にクレーン作業用のトップシーブ30を備えたトップジブ13とで構成されている。
【0024】
尚、この実施形態においては、上記のようにラフィングジブ10をベースジブ11とミドルジブ12とトップジブ13とで構成しているが、該ラフィングジブ10の構成はこれに限定されるものではなく、少なくとも上記ベースジブ11とトップジブ13とを備えることでラフィングジブ10として成立するものであり、後は、作業上要求される作業半径あるいは作業揚程等の条件に応じて、上記ベースジブ11とトップジブ13の間に上記ミドルジブ12を1個あるいは複数個連結すれば良い。
【0025】
かかる構成のラフィングジブ10は、図1に実線図示するように、後述のジブ取付基台9を介して上記伸縮ブーム3のブームヘッド4に起伏自在に装着される。また、このラフィングジブ10の先端部10b(即ち、トップジブ13の先端部)にその一端が連結されたジブ支持部材21は、該ラフィングジブ10の基端部10aに立設配置した第1マスト15と第2マスト16とを介して上記伸縮ブーム3の上面側に引き出されている。このジブ支持部材21は、上記第1マスト15の先端部と第2マスト16の先端部とを連結する折曲式のテンションロッド24と、上記第1マスト15の先端部に連結されたテンションロッド23と、該テンションロッド23に接続されたテンションロープ22と、上記第2マスト16の先端部に連結されたテンションロープ25と、上記ミドルジブ12に対応して設けられてテンションロープ25に接続されたテンションロッド26と、上記トップジブ13に対応して設けられ該トップジブ13の先端部と上記テンションロッド26とを接続するテンションロッド27とで構成されている。尚、このジブ支持部材21は、ジブ幅方向に所定間隔をもって一対配置されている。
【0026】
さらに、上記一対のジブ支持部材21,21の各テンションロープ22,22の先端には、後述する第2シーブブロック42が連結されるとともに、該第2シーブブロック42と上記ベースブーム31の基端部31aに固定された後述の第1シーブブロック41との間には、上記旋回台2側に配置した主巻ウィンチ6(特許請求の範囲中の「第1ウィンチ」に該当する)から延びる主巻ワイヤロープ17(特許請求の範囲中の「バックテンションワイヤロープ」に該当する)が多段掛けされている。この主巻ワイヤロープ17と上記ジブ支持部材21とでバックテンション装置が構成され、上記主巻ウィンチ6の巻き込み・巻き戻しにより上記ラフィングジブ10が適宜に起伏駆動されるとともに、該主巻ウィンチ6を停止保持することで上記ラフィングジブ10が所要の起伏角度位置において姿勢保持される。尚、このバックテンション装置の一部を構成する上記主巻ワイヤロープ17の接続構造及びそれに付帯する種々の構成部材等については後に詳述する。
【0027】
また、上記第1マスト15と第2マスト16の先端にはそれぞれポスト用シーブ28,29が設けられており、上記ラフィングジブ10を使用してのクレーン作業時には、上記旋回台2側に配置した補巻ウィンチ7から伸びる補巻ワイヤロープ18を上記各ポスト用シーブ28,29を介して上記ラフィングジブ10の先端の上記トップシーブ30を通して垂下させ、該補巻ワイヤロープ18の先端に設けた吊フック35を使用して所要のクレーン作業を行う。
【0028】
一方、上記ラフィングジブ10を上記伸縮ブーム3の先端部3bに装着する場合には、図1に鎖線図示するように、上記伸縮ブーム3を全縮させ且つこれを略水平に倒伏させた状態で、先ず上記ベースジブ11を装着し、しかる後、このベースジブ11の先端に、予め一体的に接続された上記ミドルジブ12とトップジブ13とを接続して行われる。そして、上記ベースジブ11を上記伸縮ブーム3側に装着した時点で、上記主巻ワイヤロープ17を上記第1シーブブロック41と第2シーブブロック42の間に多段掛けするとともに、該第2シーブブロック42に上記一対のジブ支持部材21,21の各テンションロープ22,22を連結し、この状態で上記伸縮ブーム3のセカンドブーム32を適度に伸長させて上記第1マスト15と第2マスト16を引き起こす。この第1マスト15と第2マスト16の引き起こし状態において存在する上記ジブ支持部材21の構成部材としては、テンションロープ22とテンションロッド23とテンションロッド24とテンションロープ25の四つであり、その他の構成部材、即ち、上記テンションロッド26とテンションロッド27は、上記ミドルジブ12とトップジブ13の接続時に張設される。
【0029】
そして、最初に上記伸縮ブーム3側に装着される上記ベースジブ11は、図2に示すように、上記二本のマスト15,16と、上記ジブ支持部材21の一部の構成部材である上記テンションロープ22とテンションロッド23とテンションロッド24とテンションロープ25とともに、ジブアセンブリ14を構成し、該ジブアセンブリ14として一体的に上記伸縮ブーム3に対して着脱される。尚、図2は、ジブアセンブリ14の格納状態を示しており、この格納状態においては、上記二本のマスト15,16は上記ラフィングジブ10の基端部11a側を支点にして該ベースジブ11の先端部11b側に倒伏格納され、上記テンションロッド24は二つ折り状に折曲格納され、上記テンションロッド23とテンションロープ22とは共に上記第1マスト15に沿って格納され、さらに上記テンションロープ25は上記ベースジブ11に沿って格納されている。
【0030】
ここで、上記ジブアセンブリ14の一部を構成する上記ジブ取付基台9の構造と、該ジブ取付基台9と上記ベースジブ11との連結部分の構造等を、図3及び図4を参照して説明する。
【0031】
ジブ取付基台9は、図3及び図4に示すように、所定高さの枠体で構成され、上記ブームヘッド4に対向する背面の上部に設けた上側ブーム連結部74と下部に設けた下側ブーム連結部75とを介して該ブームヘッド4の前面に着脱自在に装着される。また、このジブ取付基台9の前面下部には、ジブ連結ピン61を介して上記ベースジブ11の基端部11aが起伏自在に連結されている。さらに、このジブ取付基台9の前面上部には、バックストップ用油圧シリンダ62の一端が連結ピン73により連結されている。
【0032】
一方、上記ベースジブ11の基端部11aの上面側には、上記第1マスト15と第2マスト16がそれぞれ連結ピン76,77を介して揺動自在に連結されている。さらに、上記ベースジブ11の基端部11aの上面側には、第1揺動アーム63と第2揺動アーム64がそれぞれ連結ピン78及び同79を介して揺動自在に連結されている。そして、この一対の揺動アーム63,64のうち、上記ジブ取付基台9寄りに位置する第1揺動アーム63の上端には、上記バックストップ用油圧シリンダ62の他端が連結ピン72を介して連結されているとともに、ピン穴71が形成されている。従って、第1揺動アーム63は、上記バックストップ用油圧シリンダ62の伸縮作動により上記連結ピン78を中心としてジブ前後方向へ揺動せしめられ、それに伴って上記ピン穴71は上記ベースジブ11に対する相対位置が移動することになる。
【0033】
これに対して、上記第2揺動アーム64の上端には、後述するストッパー部材65の一端が中空ピン68を介して連結されるとともに、図4に示すように、上記バックストップ用油圧シリンダ62が適宜伸長して上記ピン穴71が上記中空ピン68の内穴で構成されるピン穴70と合致した状態において、該ピン穴71とピン穴70に跨がって連結ピン69を嵌挿することで、上記第1揺動アーム63と第2揺動アーム64とが一体的に連結される。また、この第1揺動アーム63と第2揺動アーム64との連結状態においては、上記連結ピン72に軸支されたスペーサ80と上記ストッパー部材65の端部とが近接対向している。従って、上記連結ピン69を取り外した状態(即ち、図3に示すクレーン作業状態)においては、上記バックストップ用油圧シリンダ62を適宜伸長させることで上記スペーサが上記ストッパー部材65の端部に当接して該ストッパー部材65を介して上記ベースジブ11(即ち、ラフィングジブ10)に所定の押圧力をかけて該ラフィングジブ10の安定化を図ることができる。
【0034】
尚、上記ストッパー部材65は、コイルスプリング66により常時突出方向に付勢された伸縮ロッド67を備え、該コイルスプリング66によって上記スペーサ80との当接時におけるショックの緩和を図るとともに、該伸縮ロッド67の伸長方向と縮小方向の両方向において最大移動位置が規制されるように構成されている。従って、特に図4に示す如く上記連結ピン69により上記第1揺動アーム63と第2揺動アーム64とが連結された状態においては、上記バックストップ用油圧シリンダ62と上記ストッパー部材65とによって上記ラフィングジブ10を所要の起伏角度位置で姿勢保持することができるものであり、かかる機能は上記ラフィングジブ10を上記ブームヘッド4に着脱する場合に利用される(図5〜図10参照)。
【0035】
続いて、本願発明の要旨をなす上記主巻ワイヤロープ17をバックテンションワイヤロープとして利用する場合のワイヤ接続構造及びそのための付帯構造等について説明する。
【0036】
上記主巻ワイヤロープ17は、上記旋回台2側に配置された主巻ウィンチ6により巻き込み・巻き戻しされるものであって、図11〜図13に示すように、次述のシーブブロックアセンブリ40に多段掛けされるが、かかる主巻ワイヤロープ17のシーブブロックアセンブリ40への多段掛け作業に際しては、後述する第3シーブブロック43と、図14に示すように上記旋回台2の側部に配置された補助ウィンチ8(特許請求の範囲中の「第2ウィンチ」に該当する)により巻き込み・巻き戻しされる補助ワイヤロープ19(特許請求の範囲中の「作業用ワイヤロープ」に該当する)とが使用される。
【0037】
上記シーブブロックアセンブリ40は、図14及び図15に示すように、相互に連結・分離可能とされた次述の第1シーブブロック41と第2シーブブロック42とを備え、上記ベースブーム31の上面側に配置される。
【0038】
上記第1シーブブロック41は、左右一対の連結アーム50,50を介して上記ベースブーム31の基端部31aに対して上下方向に揺動自在に連結された略三角形状の平面形態を有するシーブブラケット48を備えている。そして、このシーブブラケット48の上記連結アーム50の反対側に位置する端部48aは、これを次述する第2シーブブロック42との連結部としている。また、上記シーブブラケット48には、大ロープ径をもつ上記主巻ワイヤロープ17が掛け回される大溝幅の2枚のシーブ46,46が上下方向に同軸上に装着されるとともに、上下方向において上記端部48aに対応し且つ上記各シーブ46,46より下側に位置する部位には、小ロープ径をもつ後述のパイロットワイヤロープ20が掛け回される小溝幅の補助シーブ59が装着されている。さらに、上記シーブブラケット48は、その幅方向の一端にロープ掛止部54を備えるとともに、幅方向の他端には連結ピン58を介して張力検出器52をブーム幅方向に揺動自在に連結せしめている。
【0039】
上記第2シーブブロック42は、シーブブラケット49に上記第1シーブブロック41側のシーブ46と同よう構造をもつ三枚のシーブ47,47,47を上下方向に同軸上に装着するとともに、該各シーブ47,47,47の下方で且つ上記シーブブラケット49の幅方向中央から適宜離間した位置にロープ掛止部53を備えて構成される。また、このシーブブラケット49は、その一端49aを上記第1シーブブロック41との連結部とする一方、他端49b側には、上記補助ワイヤロープ19の一端が掛止されるロープ掛止部55と、上記一対のテンションロープ22,22が掛止される一対のロープ掛止部56,56とをそれぞれ設けている。
【0040】
上記シーブブロックアセンブリ40を構成する上記第1シーブブロック41と第2シーブブロック42とは、該第1シーブブロック41の連結部と第2シーブブロック42の連結部とを連結ピン51,51により連結することで一体化され、この一体化状態のままベースブーム31に対して着脱されるが、この一体化状態においては上記第1シーブブロック41の各シーブ46,46と第2シーブブロック42の各シーブ47,47,47の間、及び上記補助シーブ59に所定長さのパイロットワイヤロープ20が巻掛けられている。
【0041】
即ち、上記パイロットワイヤロープ20は、図14、図15及び図17に示すように、その一端20aを上記第1シーブブロック41側の上記ロープ掛止部54に掛止せしめた状態で、上記第1シーブブロック41と第2シーブブロック42の各シーブ46,46及び同47,47,47の間に多段掛け(6本掛け)された後、さらに上記補助シーブ59に掛け回され、最終的にその他端20bは上記第2シーブブロック42側の上記ロープ掛止部53に掛止されている。
【0042】
尚、このパイロットワイヤロープ20は、上述のように、上記第1シーブブロック41と第2シーブブロック42との連結状態においては該第1シーブブロック41の各シーブ46,46と第2シーブブロック42の各シーブ47,47,47、及び上記補助シーブ59の間に多段掛けされる一方、後述の如く上記第2シーブブロック42が上記ベースブーム31の先端部31bに移動せしめられた状態(図12参照)においてはその他端20bが上記第2シーブブロック42側のロープ掛止部53に掛止されたまま、その一端20aは上記補助シーブ59への掛け回し方向の直前に位置するようにそのロープ長さが予め設定されている。
【0043】
また、上記第2シーブブロック42は、後述するように、上記パイロットワイヤロープ20の一端20aを上記ロープ掛止部54から外してこれを上記主巻ワイヤロープ17の先端17aに接続するとともに、後述する第3シーブブロック43を介して上記ロープ掛止部55に上記補助ワイヤロープ19を掛止し、かかる状態で、上記連結ピン51,51を取り外し、上記主巻ウィンチ6を巻き戻しながら上記補助ウィンチ8を巻き込むことで、図12に図示するように、上記第1シーブブロック41から離脱して上記ベースブーム31の先端部31b側に引き寄せられるようになっている。
【0044】
上記第3シーブブロック43は、図16に示すように、上記ベースブーム31の先端部31bの上面側に固定配置されるものであって、シーブブラケット57に左右一対のシーブ45,45を配置して構成される。そして、この第3シーブブロック43の各シーブ45,45には、上記補助ウィンチ8からの補助ワイヤロープ19が掛け回される。
【0045】
続いて、上記ラフィングジブ10を伸縮ブーム3の先端部3bに装着してジブ作業を行う場合における準備段階としての作業、即ち、上記ジブアセンブリ14の装着作業と上記主巻ワイヤロープ17をバックテンションワイヤロープとして利用しこれを上記シーブブロックアセンブリ40に多段掛けするワイヤ張設作業のそれぞれについて、その作業手順等を図5〜図18を参照して説明する。
【0046】
先ず、図5に示すように、略水平に倒伏保持された上記伸縮ブーム3の先端部3bに位置するブームヘッド4に対して上記ジブアセンブリ14を装着する。即ち、上記ジブアセンブリ14を別クレーン(図示省略)により吊り下げて、上記ジブ取付基台9を上記ブームヘッド4の前面側に連結固定し、さらに上記バックストップ用油圧シリンダ62により上記ジブアセンブリ14を支持した状態で、上記別クレーンの吊り下げ状態を解除する。このジブアセンブリ14の装着状態においては、上記各マスト15,16はベースジブ11の基端部11aから先端部側へ倒伏格納されるとともに、上記テンションロープ22,22は該各マスト15,16の上側に載置され、さらに上記テンションロープ25は垂れ下がり状態とされている。
【0047】
次に、図6に示すように、上記別クレーンを使用して、上記テンションロープ22,22の先端側を吊り下げ、これを上記ベースブーム31の先端部31b側に移動させてここに載置する。
【0048】
次に、図7に示すように、上記別クレーンを使用して、別輸送された上記シーブブロックアセンブリ40を一体化状態のまま上記ベースブーム31の基端部31a側に運び込み、上記第1シーブブロック41の各連結アーム50,50を該ベースブーム31の基端部31aへ揺動可能に連結する。このシーブブロックアセンブリ40をベースブーム基端部31aへ連結した状態が、図14及び図15に示す状態である。
【0049】
次に、主巻ワイヤロープ17の張設作業に移る。先ず、図11に示すように、上記パイロットワイヤロープ20の一端20aをロープ掛止部54から外してこれを上記主巻ワイヤロープ17の先端17aに設けた先端金具36(図14を参照)に接続する。さらに、上記補助ウィンチ8の補助ワイヤロープ19を巻き戻しながら作業者が該補助ワイヤロープ19の先端部分をロープガイド44を介して上記第3シーブブロック43側に運び、該第3シーブブロック43の各シーブ45,45に掛け回した後、さらにこれをベースブーム基端部31a側へ引き戻し、その先端を上記第2シーブブロック42のロープ掛止部55に掛止する。この状態で、上記シーブブロックアセンブリ40の上記第1シーブブロック41と第2シーブブロック42との連結状態を解除してこの両者を切り離し、しかる後、上記主巻ウィンチ6を巻き戻しながら上記補助ウィンチ8を巻き込む。
【0050】
すると、図12に示すように、上記第2シーブブロック42は、上記補助ウィンチ8による上記補助ワイヤロープ19の巻き込みに伴って、次第に上記ベースブーム31の基端部31a側から先端部31b側に移動せしめられる。この第2シーブブロック42の移動により、該第2シーブブロック42と上記第1シーブブロック41との間隔が拡大し、該第1シーブブロック41の各シーブ46,46及び上記第2シーブブロック42の各シーブ47,47,47からさらに上記補助シーブ59に巻掛けられるワイヤロープの必要長さが増加する。この必要長さの増加に伴って、上記パイロットワイヤロープ20は上記主巻ワイヤロープ17を先導しながら上記第1シーブブロック41側の各シーブ46,46及び上記第2シーブブロック42側の各シーブ47,47,47を通って上記補助シーブ59側に引き出され、このパイロットワイヤロープ20の引き出しに伴って上記主巻ワイヤロープ17は順次上記各シーブ46,46及び各シーブ47,47,47に多段掛けに掛け回される。そして、上記第2シーブブロック42は、これが上記第3シーブブロック43に接近した時点(具体的には、上記テンションロープ22,22とロープ掛止部56,56とを連結できる位置まで上記第2シーブブロック42が移動した時点)でその移動が停止される(即ち、上記補助ウィンチ8の巻き込み動作が停止される)が、この停止状態においては、上記パイロットワイヤロープ20の一端20aと上記主巻ワイヤロープ17の先端17aとの接続部は上記補助シーブ59に掛け回される直前の位置にある。
【0051】
次に、図13に示すように、上記パイロットワイヤロープ20の一端20aと上記主巻ワイヤロープ17の先端17aとの接続を解除し、該主巻ワイヤロープ17の先端17aはこれに連結ブラケット37を装着し、該連結ブラケット37を介して上記張力検出器52に接続する。また、上記パイロットワイヤロープ20は上記第1シーブブロック41側から取り外して所定位置に格納する。さらに、上記第2シーブブロック42から上記補助ワイヤロープ19を切り離し、該第2シーブブロック42の各ロープ掛止部56,56に上記ジブ支持部材21,21の一端に位置する上記テンションロープ22,22を連結する。
【0052】
以上で上記主巻ワイヤロープ17をバックテンションワイヤロープとして利用する場合におけるワイヤ張設作業が完了する。この場合における上記主巻ワイヤロープ17と補巻ワイヤロープ18の巻掛け状態は、図18に示す通りである。
【0053】
次に、図9に示すように、上記補巻ウィンチ7から補巻ワイヤロープ18を巻き戻してこれを上記ベースブーム31の上面を通って上記ベースジブ11側に引き出す。そして、これを倒伏格納状態にある上記マスト15,16の各ポスト用シーブ28,29に掛け回した後、さらに前方へ所定量だけ引き出しておく。尚、この場合、上記補巻ワイヤロープ18の上記各ポスト用シーブ28,29への掛け回し作業、及び後工程のジブ接続作業における作業性を考慮して、上記バックストップ用油圧シリンダ62を適度に伸長させて上記ベースジブ11を前方へ倒伏状態に保持しておく。
【0054】
しかる後、図10に示すように、上記伸縮ブーム3のセカンドブーム32を適度に伸長させる。すると、このセカンドブーム32の伸長に伴って上記各マスト15,16が適度に引き起こされ、上記主巻ワイヤロープ17にてラフィングジブ10を支持するための準備が完了する。従って、この後は、上記ベースジブ11の先端部に、一体化された上記ミドルジブ12とトップジブ13とを接続し、さらに上記テンションロッド26の先端を上記テンションロッド27(図1参照)に接続する。そして、上記主巻ワイヤロープ17を適度に巻き込んで該主巻ワイヤロープ17によってラフィングジブ10を支持した状態で、上記ベースジブ11の基端部11aの上記第1揺動アーム63と第2揺動アーム64との連結を解除(図3参照)することで、図1に実線図示する如きラフィングジブ10を使用したクレーン作業が可能な状態とされる。
【0055】
以上のように、この実施形態のバックテンション装置によれば、予め第1シーブブロック41と第2シーブブロック42の間、及び上記補助シーブ59に掛け回されていたパイロットワイヤロープ20の一端20aに主巻ワイヤロープ17の先端17aを接続し、この状態で上記第2シーブブロック42をベースブーム31の先端部31b側に移動させることで上記主巻ワイヤロープ17の多段掛けが実現され、作業者はこの主巻ワイヤロープ17の張設作業の全てを足場状態の良いベースブーム31側のみにおいて、しかも短い移動距離で行えることから、例えば従来のように作業者がベースブーム上のみならず、該ベースブームからさらにその先端側のラフィングジブ上に該ラフィングジブの先端部側へ倒伏した状態で格納されているポストの先端部までしかもベースブーム上に比して足場条件の悪い部分を通って移動してワイヤ掛け作業を行う必要がある場合に比して、主巻ワイヤロープ17、即ち、バックテンションワイヤロープの張設作業をより安全にしかも簡易且つ迅速に行うことができるものである。
【0056】
また、ジブアセンブリ14側のテンションロープ22,22と第2シーブブロック42との接続作業に際しては、該ジブアセンブリ14側に格納されている上記テンションロープ22,22を別クレーンによりベースブーム31の先端部31b側に移動させることで、作業者はこのテンションロープ22,22と第2シーブブロック42との接続作業を足場状態の良いベースブーム31の上面側において行うことができ、さらなる作業性の向上が期待できるものである。
【0057】
さらに、上記主巻ワイヤロープ17は、上記第2シーブブロック42の移動に伴って、その先端17aに接続された上記パイロットワイヤロープ20によって該先端17a側から上記各シーブ46,シーブ46,・・、同47,47,・・に引き出されて掛け回される。従って、上記バックテンションワイヤロープ17の先端17aには、上記パイロットワイヤロープ20との接続用の先端金具36が必要であり、且つこの先端金具36は上記主巻ワイヤロープ17のロープ径程度の大きさに抑える必要があり、通常は該先端金具36をバックテンションワイヤロープ17の先端17aにロウ付けにて固定する。しかし、かかるロウ付け固定は、その接合強度が比較的低いため、この接合部に大きな張力がかかることは避けなければならない。この場合、この実施形態のものにおいては、上記第2シーブブロック42を移動させる上記作業用ワイヤロープ19の張力がそのまま上記接合部にかかるのではなく、該張力を上記パイロットワイヤロープ20の掛け数で除した値の張力のみが上記接合部にかかる構成であるので、該接合部における強度上の信頼性が確保されるものである。
【0058】
以上が、上記ラフィングジブ10を伸縮ブーム3の先端部3bに装着してジブ作業を行う場合における準備段階としての作業手順であるが、これとは逆にジブ作業の終了後における作業、即ち、バックテンションワイヤロープとして上記シーブブロックアセンブリ40に多段掛けされた上記主巻ワイヤロープ17を該シーブブロックアセンブリ40から取り外すとともに、該シーブブロックアセンブリ40を作業前状態に格納し且つこれを伸縮ブーム3側から取り外す場合の作業は、上記の準備段階での作業手順と逆の手順で行われる。以下、これを略述する。
【0059】
ジブ作業が終了すると、伸縮ブーム3を縮小させるとともにこれを倒伏させ、ラフィングジブ10のミドルジブ12とトップジブ13とを取り外し、図10に示す如き状態とする。この状態において、セカンドブーム32を全縮させ上記各マスト15,16をベースジブ11側に倒して格納し、これを該ベースジブ11とともにジブアセンブリ14として一体的に伸縮ブーム3側から取り外す。
【0060】
一方、上記セカンドブーム32の縮小により上記テンションロープ22,22が弛むので、これを上記伸縮ブーム3の先端部3b側に位置している上記第2シーブブロック42側から切り離す。そして、このテンションロープ22,22から切り離された上記第2シーブブロック42を、上記補助ウィンチ8から繰り出され且つ上記第3シーブブロック43に掛け回された補助ワイヤロープ19の先端に連結する。また、上記パイロットワイヤロープ20を上記第2シーブブロック42側のロープ掛止部53と上記第1シーブブロック41側の上記補助シーブ59との間に張設するとともに、上記主巻ワイヤロープ17の先端17aを張力検出器52から切り離し、該先端17aを上記パイロットワイヤロープ20の一端20aに連結する(この状態が図12に示す状態である)。
【0061】
次に、上記補助ウィンチ8から補助ワイヤロープ19を巻き戻しながら、上記主巻ウィンチ6を巻き込む。すると、上記第2シーブブロック42は、主巻ワイヤロープ17の巻き込みに伴って次第に伸縮ブーム3の先端部3b側から基端部3a側に引き寄せられ、最終的には図11に示すように、第1シーブブロック41との連結位置まで到達する。ここで、該第1シーブブロック41と第2シーブブロック42とを連結ピン51,51により連結してこれをシーブブロックアセンブリ40とする。以上で、ジブ作業終了後におけるジブ格納作業等が全て完了する。
【0062】
第2の実施形態
図19及び図20には、本願発明の第2の実施形態のためのバックテンション装置の要部を示している。この実施形態のものは、その基本構成を上記第1の実施形態のものと同様とするものであって、これと異なる点は上記パイロットワイヤロープ20の掛け回し構造である。即ち、上記第1の実施形態においては補助シーブ59を上記第1シーブブロック41側に1個だけ設け、その一端20aが上記第1シーブブロック41側の上記ロープ掛止部54に掛止され且つ上記各シーブブロック41,42の各シーブ46,46及び同47,47,47に順次掛け回された上記パイロットワイヤロープ20の他端20bを該補助シーブ59に掛け回した後、上記第2シーブブロック42側に設けたロープ掛止部53に掛止するようにしていたのに対して、この実施形態のものにおいては、上記第1シーブブロック41側に補助シーブ59を設けるとともに、上記第2シーブブロック42側にも同様構造の補助シーブ60を設け、その一端20aが上記第1シーブブロック41側の上記ロープ掛止部54に掛止され且つ上記各シーブブロック41,42の各シーブ46,46及び同47,47,47に順次掛け回された上記パイロットワイヤロープ20をさらに上記補助シーブ59から補助シーブ60に掛け回してその他端20bを上記第1シーブブロック41側のロープ掛止部53に掛止するようにしている。
【0063】
かかる構造とすることで、上記第1の実施形態の場合と同様の作用効果が得られるのに加えて、次のような特有の作用効果も得られるものである。
【0064】
即ち、上記第1シーブブロック41と第2シーブブロック42のそれぞれに補助シーブ59,60を設けることで上記シーブブロックアセンブリ40における上記パイロットワイヤロープ20の掛け数が増加している。このパイロットワイヤロープ20の掛け数の増加により、第1に、上記パイロットワイヤロープ20の長さを上記第1の実施形態の場合と同じに設定した場合には、該パイロットワイヤロープ20を図12に示す状態と同様の状態(即ち、パイロットワイヤロープ20の掛け回し方向の最上段の補助シーブ、換言すれば上記各シーブ46,47側から引き出された上記パイロットワイヤロープ20が最初に掛け回される補助シーブであり、この実施形態においては上記補助シーブ59がこれに該当する)とするに必要な上記第2シーブブロック42の移動距離が短くなり、それだけワイヤ掛け作業が容易となりその作業性が向上するものである。
【0065】
第2に、上記パイロットワイヤロープ20の掛け数が増加する分だけ、該パイロットワイヤロープ20の一端20aに上記主巻ワイヤロープ17の先端17aを接続してこれをシーブブロックアセンブリ40側に掛け回す場合において該主巻ワイヤロープ17の先端17aの先端金具36にかかる張力が減少し、それだけ該先端金具36の強度上の信頼性がさらに高まるものである。
【0066】
尚、この第2の実施形態においては、上記第1シーブブロック41側と第2シーブブロック42側とにそれぞれ1個づつ補助シーブ59,60を設けているが、本願発明はかかる配置個数に限定されるものではなく、必要に応じてその配置個数を適宜増加することができるものであり、この補助シーブの配置個数が多くなる程上記パイロットワイヤロープ20の掛け数が増加するので、上記第1及び第2の作用効果がさらに顕著となる。また、上記パイロットワイヤロープ20の他端20bを掛止する上記ロープ掛止部53は、補助シーブの配置個数によって上記第1シーブブロック41側、あるいは上記第2シーブブロック42側にそれぞれ設定されることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の第1の実施形態のためのラフィングジブのバックテンション装置を備えた移動式クレーンの全体図である。
【図2】 図1に示したベースジブを含むジブアセンブリの格納状態図である。
【図3】 図1のIII部の拡大図である。
【図4】 図1に示したIV部の拡大図である。
【図5】 バックテンションワイヤロープの接続手順を示す側面図である。
【図6】 バックテンションワイヤロープの接続手順を示す側面図である。
【図7】 バックテンションワイヤロープの接続手順を示す側面図である。
【図8】 バックテンションワイヤロープの接続手順を示す側面図である。
【図9】 バックテンションワイヤロープの接続手順を示す側面図である。
【図10】 バックテンションワイヤロープの接続手順を示す側面図である。
【図11】 バックテンションワイヤロープの接続手順を示す平面図である。
【図12】 バックテンションワイヤロープの接続手順を示す平面図である。
【図13】 バックテンションワイヤロープの接続手順を示す平面図である。
【図14】 図11に示したシーブブロックアセンブリの拡大平面図である。
【図15】 図14のXV-XV矢視図である。
【図16】 図11に示した張設作業用シーブブロックの拡大平面図である。
【図17】 図14に示したシーブブロックアセンブリにおけるワイヤロープ掛け廻し図である。
【図18】 図10に示した状態におけるワイヤロープ掛け廻し図である。
【図19】 本願発明の第2の実施形態のためのラフィングジブのバックテンション装置の要部平面図である。
【図20】 図19のXX-XX矢視図である。
【符号の説明】
1は車両、2は旋回台、3は伸縮ブーム、4はブームヘッド、5は起伏用油圧シリンダ、6は主巻ウィンチ(第1ウィンチ)、7は補巻ウィンチ、8は補助ウィンチ(第2ウィンチ)、9はジブ取付基台、10はラフィングジブ、11はベースジブ、12はミドルジブ、13はトップジブ、14はジブアセンブリ、15は第1マスト、16は第2マスト、17は主巻ワイヤロープ(バックテンションワイヤロープ)、18は補巻ワイヤロープ、19は補助ワイヤロープ、20はパイロットワイヤロープ、21はジブ支持部材、22はテンションロープ、23及び24はテンションロッド、25はテンションロープ、26及び27はテンションロッド、28及び29はポスト用シーブ、30はトップシーブ、31はベースブーム、32はセカンドブーム、33はトップブーム、35は吊フック、36は先端金具、37は連結ブラケット、40はシーブブロックアセンブリ、41は第1シーブブロック、42は第2シーブブロック、43は第3シーブブロック、44はロープガイド、45〜47はシーブ、48及び49はシーブブラケット、50は連結アーム、51は連結ピン、52は張力検出器、53〜56はロープ掛止部、57はシーブブラケット、58は連結ピン、59及び60は補助シーブ、61はジブ連結ピン、62はバックストップ用油圧シリンダ、63は第1揺動アーム、64は第2揺動アーム、65はストッパー部材、66はコイルスプリング、67は伸縮ロッド、68は中空ピン、69は連結ピン、70及び71はピン穴、72及び73は連結ピン、74は上側ブーム連結部、75は下側ブーム連結部、76〜79は連結ピン、Zはラフィングジブ付き移動式クレーンである。
Claims (3)
- 旋回台(2)に対してそのベースブーム(31)の基端部(31a)が起伏自在に取り付けられた伸縮ブーム(3)の先端部(3b)に、該伸縮ブーム(3)の起伏面に沿う方向に起伏自在にラフィングジブ(10)を装着し、且つ該ラフィングジブ(10)の先端部(10b)にその一端が接続されたジブ支持部材(21)を該ラフィングジブ(10)の基端部(10a)に立設されたマスト(15),(16)を介して上記伸縮ブーム(3)側に引き出すとともに、該ジブ支持部材(21)を上記旋回台(2)側に配置した第1ウインチ(6)から繰り出されるバックテンションワイヤロープ(17)に接続し、該バックテンションワイヤロープ(17)を上記第1ウィンチ(6)により巻き込み・巻き戻しすることで上記ラフィングジブ(10)を起伏させ且つ所定の起伏位置で姿勢保持し得るようにしたラフィングジブのバックテンション装置において、
上記バックテンションワイヤロープ(17)が掛け回されるシーブ(46),(46),・・と所定長さのパイロットワイヤロープ(20)が掛け回される補助シーブ(59)とを備え上記ベースブーム(31)の基端部(31a)側に揺動可能に連結される第1シーブブロック(41)と、上記バックテンションワイヤロープ(17)が掛け回されるシーブ(47),(47),・・を備え上記第1シーブブロック(41)に対して連結・離脱自在とされた第2シーブブロック(42)とからなるシーブブロックアセンブリ(40)と、
上記ベースブーム(31)の先端部(31b)に固定配置された第3シーブブロック(43)と、
上記ベースブーム(31)の基端部(31a)の近傍に配置されて作業用ワイヤロープ(19)の巻き込み・巻き戻しを行う第2ウィンチ(8)とを備えるとともに、
上記第1シーブブロック(41)と第2シーブブロック(42)との連結状態においては上記パイロットワイヤロープ(20)の一端(20a)を上記第1シーブブロック(41)側に掛止するとともにその他端(20b)側を上記第1シーブブロック(41)の各シーブ(46),(46),・・と第2シーブブロック(42)の各シーブ(47),(47),・・との間に多段掛け状に掛け回しさらに上記補助シーブ(59)に掛け回したのち上記他端(20b)を上記第2シーブブロック(42)側に掛止する一方、
上記第1シーブブロック(41)と第2シーブブロック(42)とを切り離し且つ上記パイロットワイヤロープ(20)の上記一端(20a)を上記第1シーブブロック(41)から取り外してこれを上記バックテンションワイヤロープ(17)の先端(17a)に接続するとともに上記作業用ワイヤロープ(19)を上記第3シーブブロック(43)を介して上記第2シーブブロック(42)に連結した状態においては、上記第1ウィンチ(6)を巻き戻しながら上記第2ウィンチ(8)を巻き込むことにより上記第2シーブブロック(42)をベースブーム(31)の基端部(31a)側から先端部(31b)側に移動させる如くしたことを特徴とするラフィングジブのバックテンション装置におけるバックテンションワイヤロープの掛け回し方法。 - 旋回台(2)に対してそのベースブーム(31)の基端部(31a)が起伏自在に取り付けられた伸縮ブーム(3)の先端部(3b)に、該伸縮ブーム(3)の起伏面に沿う方向に起伏自在にラフィングジブ(10)を装着し、且つ該ラフィングジブ(10)の先端部(10b)にその一端が接続されたジブ支持部材(21)を該ラフィングジブ(10)の基端部(10a)に立設されたマスト(15),(16)を介して上記伸縮ブーム(3)側に引き出すとともに、該ジブ支持部材(21)を上記旋回台(2)側に配置した第1ウインチ(6)から繰り出されるバックテンションワイヤロープ(17)に接続し、該バックテンションワイヤロープ(17)を上記第1ウィンチ(6)により巻き込み・巻き戻しすることで上記ラフィングジブ(10)を起伏させ且つ所定の起伏位置で姿勢保持し得るようにしたラフィングジブのバックテンション装置において、
上記バックテンションワイヤロープ(17)が掛け回されるシーブ(46),(46),・・と所定長さのパイロットワイヤロープ(20)が掛け回される補助シーブ(59)とを備え上記ベースブーム(31)の基端部(31a)側に揺動可能に連結される第1シーブブロック(41)と、上記バックテンションワイヤロープ(17)が掛け回されるシーブ(47),(47),・・と上記パイロットワイヤロープ(20)が掛け回される補助シーブ(60)とを備え上記第1シーブブロック(41)に対して連結・離脱自在とされた第2シーブブロック(42)とからなるシーブブロックアセンブリ(40)と、
上記ベースブーム(31)の先端部(31b)に固定配置された第3シーブブロック(43)と、
上記ベースブーム(31)の基端部(31a)の近傍に配置されて作業用ワイヤロープ(19)の巻き込み・巻き戻しを行う第2ウィンチ(8)とを備えるとともに、
上記第1シーブブロック(41)と第2シーブブロック(42)との連結状態においては上記パイロットワイヤロープ(20)の一端(20a)を上記第1シーブブロック(41)側に掛止するとともにその他端(20b)側を上記第1シーブブロック(41)の各シーブ(46),(46),・・と第2シーブブロック(42)の各シーブ(47),(47),・・との間に多段掛け状に掛け回しさらに上記第1シーブブロック(41)側の上記補助シーブ(59)及び上記第2シーブブロック(42)側の上記補助シーブ(60)とに掛け回したのち上記他端(20b)を上記第1シーブブロック(41)側に掛止する一方、
上記第1シーブブロック(41)と第2シーブブロック(42)とを切り離し且つ上記パイロットワイヤロープ(20)の上記一端(20a)を上記第1シーブブロック(41)から取り外してこれを上記バックテンションワイヤロープ(17)の先端(17a)に接続するとともに上記作業用ワイヤロープ(19)を上記第3シーブブロック(43)を介して上記第2シーブブロック(42)に連結した状態においては、上記第1ウィンチ(6)を巻き戻しながら上記第2ウィンチ(8)を巻き込むことにより上記第2シーブブロック(42)をベースブーム(31)の基端部(31a)側から先端部(31b)側に移動させる如くしたことを特徴とするラフィングジブのバックテンション装置におけるバックテンションワイヤロープの掛け回し方法。 - 上記第2シーブブロック(42)の上記ベースブーム(31)の先端部(31b)側への移動を、上記バックテンションワイヤロープ(17)の先端(17a)が該バックテンションワイヤロープ(17)の掛け回し方向において最上段に位置する上記補助シーブ(59)の近傍に達した時点で停止させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載のラフィングジブのバックテンション装置におけるバックテンションワイヤロープの掛け回し方法。
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