JP4848094B2 - 自走式クレーンのラフィングジブ装置 - Google Patents

自走式クレーンのラフィングジブ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自走式クレーンのラフィングジブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、伸縮ブームを有する自走式クレーンでは、必要に応じて、トラス構造のジブセクションを継ぎ足して成る起伏自在なラフィングジブ装置を伸縮ブームの先端部に取り付け、高揚程および広範囲のクレーン作業に対処するようにしている。
【0003】
この種のラフィングジブ装置の従来例が図11に示されている。図中、1は車両2上に旋回自在に搭載された旋回台、3は旋回台1に起伏可能に取り付けられた伸縮ブームである。30はラフィングジブ装置であり、このラフィングジブ装置30は、ジブ本体10と、ジブ本体に取り付けられたマスト11と、マスト11を介してジブ本体10を起伏させる起伏装置18とを備えている。
【0004】
伸縮ブーム3の先端部4には、連結手段5を介して、ジブ取付ブラケット6が着脱自在に連結されている。このジブ取付ブラケット6の先端部には、ジブ本体10が起伏自在に取り付けられている。ジブ本体10は、ジブ取付ブラケット6に枢着された基端側ジブセクション7と中間ジブセクション8と先端側ジブセクション9とから成る。また、基端側ジブセクション7の基端部上面にはマスト11が起伏自在に枢着されている。マスト11は、基端側ジブセクション7の基端部にその一端が枢着されたフロントマスト11aおよびリヤマスト11bと、これらのマスト11a,11bの他端部同士を連結する折り畳み自在なステー11cとから成る。フロントマスト11aの他端部にはシーブ22が配設されるとともに、リヤマスト11bの他端部には複数のシーブを有するシーブブロック23が配設されている。また、マスト11の先端部は、テンションワイヤ12によって、ジブ本体10の先端側ジブセクション9の先端部に連結されている。
【0005】
起伏装置18は、伸縮ブーム3に取り付けられたシーブブロック15と、このシーブブロック15とリヤマスト11bのシーブブロック23との間に巻回され且つ旋回台1に設けられたウインチ16により巻き取り繰り出し操作されるジブ起伏用ワイヤロープ17とを備えて成る。
【0006】
図中、19は、ジブ本体10の先端にワイヤロープ20を介して吊下されたフックブロックである。ワイヤロープ20は、フックブロック19から、ジブ本体10の先端滑車21とマスト11の滑車22,23とを経て、旋回台1上に配されたウインチ24に巻き取られている。
【0007】
したがって、このような構成では、ウインチ16によってジブ起伏用ワイヤロープ17を巻き取り繰り出し操作して、起伏装置18を動作させれば、ラフィングジブ装置30を伸縮ブーム3の先端部上で起伏させることができるとともに、フックブロック19を巻き上げ巻き下げ駆動させれば、ラフィングジブ装置30によるクレーン作業を行なうことができる。
【0008】
図12には、伸縮ブーム3のシーブブロック15とリヤマスト11bのシーブブロック23との間でジブ起伏用ワイヤロープ17を掛け回す手順が示されている。図示のように、リヤマスト11bのシーブブロック23は、例えば3つのシーブ23a,23b,23cを有している。また、伸縮ブーム3のシーブブロック15は、伸縮ブーム3上で互いに上下に配置された一対のシーブ15a,15bと、これらのシーブ15a,15bから水平に所定距離離間して配置された1つのシーブ15cとを有している。
【0009】
このような複数のシーブ間で起伏用ワイヤロープ17を掛け回す場合には、まず、図12の(a)に示されるように、リヤマスト11bを倒伏させた状態で、その他端側がウインチ16に巻き取られたワイヤロープ17の一端側を、各シーブブロック15,23とは別体の移動可能なローラブロック27と、シーブブロック15の水平に離間する2つのシーブ15a,15cとに掛け回して、シーブブロック15のロープソケット28に固定する。そして、ローラブロック27に接続された誘導ロープ25をパイロットウインチ29によって巻き取りながらローラブロック27を移動させて、ワイヤロープ17をリヤマスト11bのシーブブロック23の2つのシーブ23a,23cに順次に掛け渡していく。その状態が図12の(b)に示されている。
【0010】
ワイヤロープ17をリヤマスト11bのシーブブロック23の2つのシーブ23a,23cに掛け渡したら、図12の(c)に示されるように、ローラブロック27に掛け回されていたワイヤロープ17の巻回部分をローラブロック15の残りのシーブ15bに掛け回す。その後、図12の(d)に示されるように、リヤマスト11bを起伏させ、その起伏状態で、シーブブロック23とシーブブロック15との間を2本のリヤペンダントロープ26で接続するとともに、図12の(e)に示されるように各ロープを所定量巻き取るなどして張り、リヤマスト11bを所定の起伏角度に維持する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来の構成では、作業の度に、伸縮ブーム3のシーブブロック15とリヤマスト11bのシーブブロック23との間の長い距離にわたってワイヤロープ17を掛け回さなければならない。したがって、ワイヤロープ17の取り付け作業が非常に煩雑で労力を要するとともに、取り付け作業時間も長くかかっていた。また、シーブブロック15,23間でワイヤロープ17を掛け回してリヤマスト11bを起伏させた後、リヤペンダント26をシーブブロック15,23に接続しなければならない。すなわち、ブーム3上で重いロープを取り回さなければならず、作業に危険を伴っていた。
【0012】
そのため、定長ワイヤロープを介してシーブブロック23をリヤマスト11bに接続し、定長ワイヤロープの長さ分だけワイヤロープ17の掛け回し距離を少なくすることも考えられる。しかしながら、ワイヤロープは、多数の単線がグリースを介して撚り合わされて構成されているため、負荷がかかると、撚りが戻ってしまい、シーブブロック23の向きが安定しなくなるばかりか、ワイヤーロープが痛んでくる場合も生じ得る。
【0013】
また、前述したラフィングジブ装置を伸縮ブーム3の先端部4から取り外す場合には、伸縮ブーム3を収縮させて倒伏させ、ジブ本体10を地上もしくは地上に配置した適当な基台上に略水平状態で載置した上で、ジブ本体10を各ジブセクション7,8,9にそれぞれ分離した後、ジブ取付ブラケット6を伸縮ブーム3の先端部4から外す。この場合、取り外し作業を容易にするために、マスト11は、基端側ジブセクション7の上面上に倒伏されて基端側ジブセクション7と一体的に取り外される。例えば、実公平4−55027号公報では、基端側ジブセクション7とマスト11とジブ取付ブラケット6とを一体的に取り外せるようにしている。
【0014】
しかしながら、実公平4−55027号公報では、リヤマスト11bに定長ワイヤロープを介して接続されたシーブブロック23を、ブーム3の先端部4に取り付けられたジブ取付ブラケット6上に格納するようにしているため、ジブ取付ブラケット6に枢着されたジブ本体10を地上もしくは地上に配置した適当な基台上に略水平状態で載置しなければ、リヤマスト11b側のシーブブロック23をジブ取付ブラケット6上に格納できない場合がある。また、ワイヤロープ17をシーブブロック23に掛け回す際には、シーブブロック23をジブ取付ブラケット6上の格納位置から移動させなければならない。
【0015】
本発明は前記事情に着目してなされてものであり、その目的とするところは、ブーム側のシーブブロックとマスト側のシーブブロックとの間で掛け回されるワイヤロープの掛け回し距離を短くしながら、十分な強度をもってジブを安定して起伏させることができるとともに、ジブの任意の倒伏角度でマスト側のシーブブロックを格納してジブと一体でブームから取り外せ、また、格納されたシーブブロックを移動させることなくワイヤロープの掛け回しが行なえる自走式クレーンのラフィングジブ装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、走行車体上に搭載された伸縮ブームの先端に起伏可能に取り付けられる自走式クレーンのラフィングジブ装置において、前記伸縮ブームの先端に回動可能に張り出されるジブ本体と、前記ジブ本体の基端部にその一端が枢着されるフロントマスト部およびリヤマスト部と、これらのマスト部の他端部同士を連結する連結部とから成るマストと、前記マスト側に設けられた少なくとも1つの第1のシーブと、前記伸縮ブーム側に設けられた少なくとも1つの第2のシーブと、これらのシーブ間に掛け回されるワイヤロープと、ワイヤロープを巻き取るウインチとを有し、ワイヤロープをウインチによって巻き取り或いは繰り出すことにより、前記マストを介して前記ジブ本体を前記伸縮ブームに対して起伏させる起伏手段と、前記第1のシーブと前記リヤマスト部との間を連結するテンションロッドと、クレーン作業時に垂直方向から所定量傾けた所定の傾き角度で前記第1のシーブを保持し、クレーン作業以外の時に前記垂直方向に方向付けることが可能な状態に前記第1のシーブの傾き角度を変化させる傾き角調整手段と、を具備することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。なお、以下においては、図11および図12と同一もしくは対応する構成部分については、同一符号もしくは同一符号の後に「A」を付して、その詳細な説明を省略する。
【0018】
図1には、本発明の一実施形態に係る自走式クレーンのラフィングジブ装置30Aにおいて、マスト11を基端側ジブセクション7の上面上に倒伏させた状態が示されている。また、図9には、マスト11を介してジブ本体10を伸縮ブーム3の前方に張り出した作業状態が示されている。これらの図に示されるように、本実施形態のラフィングジブ装置30Aでは、リヤマスト11bとシーブブロック23Aとが単一の剛体である2本のテンションロッド50によって連結されている。すなわち、3つのシーブ(第1のシーブ)23a,23b,23cを有するシーブブロック23Aは、リヤマスト11bから延びるテンションロッド50の端部に連結されている。したがって、ジブ起伏用ワイヤロープ17は、テンションロッド50の一端に取り付けられたシーブブロック23Aと伸縮ブーム3上のシーブブロック15Aとの間で掛け回されている。なお、リヤマスト11bの端部には、ワイヤロープ20が掛け渡されるシーブ59が設けられている。
【0019】
テンションロッド50は、図1に示されるように、ヒンジ13を介してステー(連結部)11cをマスト11の内側に折り畳んでマスト11を基端側ジブセクション7上に倒伏させた状態で、リヤマスト11b上に載置できるようになっており、その状態で、リヤマスト11bの長さの範囲内に納まる長さに設定されている。また、テンションロッド50は、任意の断面形状を有しており、中実構造もしくは中空構造を成している。しかしながら、軽量化を図るため、テンションロッド50を中空に形成することが望ましい。
【0020】
また、基端側ジブセクション7に連結されるリヤマスト11bの端部には、テンションロッド50もしくはテンションロッド50に連結されたシーブブロック23Aを取り付けるための取り付けブラケット(支持手段)40が設置されている。本実施形態では、図3および図5に示されるように、シーブブロック23Aの各シーブ23a,23b,23cを支持する支軸47が、取り付けブラケット40上で支持されるようになっている。具体的には、図3および図4に示されるように、シーブブロック23Aは、3つの各シーブ23a,23b,23cを支持する支軸47と、テンションロッド50が連結されるピン41とを有する本体61を備えている。また、図5に示されるように、取り付けブラケット40は、リヤマスト11bの上面に立設され、支軸47を受ける受け溝40aを有している。この溝40aは、例えば図5に示されるように、取り付けブラケット40の上部を、伸縮ブーム3側(基端側ジブセクション7に連結されるリヤマスト11bの端部の側)に開放するL字形に形成することにより設けられる。なお、リヤマスト11b上には、取り付けブラケット40から所定距離離間して、テンションロッド50を下側から支持可能な支柱70が設けられている。
【0021】
図7には、伸縮ブーム3のシーブブロック15Aとテンションロッド50のシーブブロック23Aとの間でジブ起伏用ワイヤロープ17を掛け回す手順が示されている。なお、伸縮ブーム3のシーブブロック15Aは、図2に詳しく示されるように、伸縮ブーム3に固定された支軸57に回動可能に取り付けられた本体90と、この本体90に支持された2つのシーブ(第2のシーブ)15a,15bとを備えている。2つのシーブ15a,15bは、同一平面内で左右に並設されており、図11および図12に示された従来例のように上下に配置されていない。
【0022】
シーブブロック15A,23A間で起伏用ワイヤロープ17を掛け回す場合には、まず、図7の(a)に示されるように、リヤマスト11bを倒伏させた状態で、その他端側がウインチ16に巻き取られたワイヤロープ17の一端側を、各シーブブロック15A,23Aとは別体の移動可能なローラブロック27と、シーブブロック15Aの一方のシーブ15aとに掛け回し、ロープソケット28を介してローラブロック27に取り付ける。そして、ローラブロック27に接続された誘導ロープ25をパイロットウインチ29によって巻き取りながらローラブロック27を移動させて、ワイヤロープ17をテンションロッド50のシーブブロック23Aの3つのシーブ23a,23b,23cに順次に掛け渡していく。その状態が図7の(b)に示されている。
【0023】
ワイヤロープ17をテンションロッド50のシーブブロック23Aの全てのシーブ23a,23b,23cに掛け渡したら、図7の(c)に示されるように、ローラブロック27に掛け回されていたワイヤロープ17の巻回部分をシーブブロック15Aの他方のシーブ15bに掛け回すとともに、ロープソケット28をローラブロック27から取り外してシーブブロック15Aに固定する。その後、ワイヤロープ17を所定量巻き取って、リヤマスト11bを所定の起伏角度まで起伏させる。
【0024】
ところで、このようなワイヤロープ17の掛け回し作業においては、図7に示されるように、シーブブロック23Aの各シーブ23a,23b,23cが垂直に方向付けられていると、ロープの掛け回しが容易である。しかしながら、各シーブ23a,23b,23cが垂直に方向付けられた状態でマスト11を起伏させてクレーン作業を行なうと、シーブブロック15Aの各シーブ15a,15bが水平に方向付けられていることから、シーブブロック15Aとシーブブロック23Aとの間でワイヤロープ17が垂直方向から水平方向へとその張り方向が変化するように捻られ、シーブブロック15A,23A間を結ぶ軸線に対してワイヤロープ17が角度をもって張られるようになる。そのため、ワイヤロープ17が各シーブから外れる方向に力を受けるとともに、シーブブロック23Aにも捻れ方向の力が作用し、しかも、その捻れ方向および捻れ力は、ワイヤロープ17の張力および張り角によって常に変動する。
【0025】
そのため、本実施形態では、シーブブロック23Aの各シーブ23a,23b,23cを、クレーン作業時には垂直方向から所定量傾けた状態に保持できる(すなわち、シーブブロック23Aおよびワイヤロープ17に作用する捻れ方向の力を緩和できる)とともに、クレーン作業以外の時には垂直に方向付けることができるようになっている。
【0026】
具体的には、図3および図4に示されるように、テンションロッド50が連結されるシーブブロック23Aのピン41の中心軸O1が、各シーブ23a,23b,23cを支持する支軸47の中心軸O2に対して角度を成している(ピン41と支軸47とが互いにねじれの位置にある)。また、図6に示されるように、シーブブロック23Aのピン41が挿通されるテンションロッド50のピン穴52は、その内径がピン41の外径よりも大きい大径孔52aと、その内径がピン41の外径と略同じ小径孔52bとから成る。なお、図6中、51は、リヤマスト11bとテンションロッド50とを連結するためのピンが挿通されるピン穴である。
【0027】
このような構成では、シーブブロック23Aのピン41がテンションロッド50のピン穴52の大径孔52aに位置していれば、ピン41と大径孔52aとの間に形成される隙間の範囲内(ピン41の遊びの範囲内)で、シーブブロック23Aがテンションロッド50に対して傾くことができ、シーブブロック23Aの各シーブ23a,23b,23cを垂直方向に方向付けることもできる。一方、シーブブロック23Aのピン41がテンションロッド50のピン穴52の小径孔52bに位置すると、ピン41が小径孔52bに嵌まり込んで、テンションロッド50に対するシーブブロック23Aの傾き角度は、ピン41の中心軸O1と支軸47の中心軸O2との成す角度によって規定される所定の設定角度に固定される。このような設定角度(結果的に、各シーブ23a,23b,23cの垂直方向からの傾き角度)は、シーブブロック15A,23A間を結ぶ軸線に対するワイヤロープ17の張り角度を小さくしてシーブブロック23Aおよびワイヤロープ17に作用する捻れ方向の力を緩和できる角度、好ましくは、シーブブロック23Aが捻れ方向の力を受けないでバランスする角度に決められる。
【0028】
次に、上記構成のラフィングジブ装置30Aの作用について説明する。
【0029】
図1に示されるように、ジブ取付ブラケット6を介して基端側ジブセクション7をブーム3の先端部4に取り付けた状態では、マスト11が折り畳まれた状態で基端側ジブセクション7上に倒伏され、また、リヤマスト11b上にテンションロッド50が載置されて支持された状態にある。この場合、リヤマスト11b上に設けられた取り付けブラケット40によって、テンションロッド50の基端側に連結されたシーブブロック23Aが支持されている。具体的には、図5に示されるように、L字形の溝40aを形成する取り付けブラケット40の上部の壁部に対してシーブブロック23Aの支軸47が当て付けられ(何らかの固定手段によって固定されていても良い)るとともに、リヤマスト11b上に立設された支柱70によってテンションロッド50が下側から支持されている。また、この状態では、シーブブロック23Aのピン41がテンションロッド50のピン穴52の大径孔52aに位置しており、シーブブロック23Aの各シーブ23a,23b,23cが垂直に方向付けられている。
【0030】
次に、この状態で、図7に示したように、ワイヤロープ17をシーブブロック15A,23A間で掛け回す。この場合、シーブブロック23Aがリヤマスト11bに取り付けられているため、基端側ジブセクション7が水平に保持されていなくても、また、シーブブロック23Aを取り付けブラケット40から移動させなくても、ワイヤロープ17をシーブブロック23Aの各シーブ23a,23b,23cに掛け回すことができる。また、各シーブ23a,23b,23cが垂直に方向付けられているとともに、シーブブロック15A,23A間で掛け回されるワイヤロープ17の掛け回し距離がテンションロッド50の長さ分だけ従来よりも短くなっているため、ワイヤロープ17の掛け回し作業を簡単且つ短時間で行なうことができる。
【0031】
以上の作業が完了したら、先端側ジブセクション9を基端側ジブセクション7の先端に連結し、その後、ワイヤロープ17を所定量巻き取って、図8に示されるようにリヤマスト11bを起上させる。これにより、シーブブロック15A,23A間を結ぶ軸線に対するワイヤロープ17の張り角度に起因して、シーブブロック23Aがテンションロッド50に対して徐々に傾くとともに、シーブブロック23Aがワイヤロープ17側に引張られ、図10に示されるように、シーブブロック23Aのピン41がテンションロッド50のピン穴52の小径孔52bに嵌まり込む。その結果、テンションロッド50に対するシーブブロック23Aの傾き角度(各シーブ23a,23b,23cの垂直方向からの傾き角度)は、ピン41の中心軸O1と支軸47の中心軸O2との成す角度によって規定される所定の設定角度、例えばシーブブロック23Aが捻れ方向の力を受けないでバランスする角度に固定される。そして、この状態で、更にワイヤロープ17を巻き取っていくと、図9に示されるように、マスト11全体が起上され、ジブ本体10を所定の角度で伸縮ブーム3の先端に張り出すことができる。また、このジブ張出状態でのクレーン作業時において、ラフィングジブ装置30Aに捻れ方向の負荷が作用しても、ラフィングジブ装置30Aは、単一の剛体であるテンションロッド50によってこの負荷に耐えることができるため、十分な強度をもってクレーン作業を安定して行なうことができる。
【0032】
なお、ラフィングジブ装置30Aを伸縮ブーム3から取り外す場合には、前述した動作と逆の動作を行なえば良い。この場合、テンションロッド50及びそのシーブブロック23Aはリヤマスト11b側に支持されて取り付けられるようになっているため、基端側ジブセクション7の任意の倒伏角度で、シーブブロック23Aをリヤマスト11b上の取り付けブラケット40に取り付けてテンションロッド50をリヤマスト11b上に格納することができ、マスト50およびテンションロッド50を基端側ジブセクション7と一体でブーム3側から取り外すことができる。
【0033】
以上説明したように、本実施形態のラフィングジブ装置30Aでは、リヤマスト11bとシーブブロック23Aとが単一の剛体である2本のテンションロッド50によって連結され、テンションロッド50のシーブブロック23Aと伸縮ブーム3のシーブブロック15Aとの間でジブ起伏用ワイヤロープ17が掛け回されている。したがって、シーブブロック15A,23A間で掛け回されるワイヤロープ17の掛け回し距離がテンションロッド50の長さ分だけ従来よりも短くなるため、ワイヤロープ17の掛け回し作業を簡単且つ短時間で行なうことができるとともに、単一の剛体であるテンションロッド50によって捻れ方向の負荷に耐えることができるため、十分な強度をもってクレーン作業を安定して行なうことができる。
【0034】
また、本実施形態のラフィングジブ装置30Aでは、テンションロッド50及びそのシーブブロック23Aがリヤマスト11b側に支持されて取り付けられるようになっている(格納状態で支持されるようになっている)ため、シーブブロック23Aをリヤマスト11b上で移動させなくても、ワイヤロープ17をシーブブロック23Aの各シーブ23a,23b,23cに掛け回すことができるとともに、基端側ジブセクション7の任意の倒伏角度で、シーブブロック23Aをリヤマスト11b上の取り付けブラケット40に取り付けてテンションロッド50をリヤマスト11b上に格納することができ、マスト50およびテンションロッド50を基端側ジブセクション7と一体でブーム3側から取り外すことができる。
【0035】
また、本実施形態のラフィングジブ装置30Aでは、シーブブロック23Aの各シーブ23a,23b,23cを、クレーン作業時には垂直方向から所定量傾けた状態に保持できるとともに、クレーン作業以外の時には垂直に方向付けることができるようになっている。そのため、ワイヤロープ17の掛け回し作業を容易に行なうことができ、また、作業時には、シーブブロック23Aおよびワイヤロープ17に作用する捻れ方向の力を緩和できるとともに、テンションロッド50やワイヤロープ17の角度を規制でき(ワイヤロープ17の張力によるシーブブロック23Aの傾き角の変化を規制でき)、シーブからのワイヤロープ17の外れも防止できる。
【0036】
また、本実施形態において、伸縮ブーム3側のシーブブロック15Aの2つのシーブ15a,15bは、同一平面内で左右に並設されており、上下に配置されていない。そのため、シーブブロック15Aが装着された伸縮ブーム3の全高を低く抑えることができ、高さ制限(トンネル、ゲート等)のある場所でも支障なく走行することができる。
【0037】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは言うまでもない。例えば、前述した実施形態では、テンションロッド50のピン穴52の形状と、シーブブロック23Aのピン41および支軸47のねじれ位置関係とによって、シーブブロック23Aの各シーブ23a,23b,23cを垂直方向から所定量傾けられるようになっているが、テンションロッド50とシーブブロック23Aとを例えばスイベル継手によって連結して、シーブブロック23Aをテンションロッド50に対して回転できるようにしても良い。また、ステー11cはワイヤロープであっても良く、また、テンションロッド50は関節式のものであっても良い。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の自走式クレーンのラフィングジブ装置によれば、ブーム側のシーブブロックとマスト側のシーブブロックとの間で掛け回されるワイヤロープの掛け回し距離を短くしながら、十分な強度をもってジブを安定して起伏させることができるとともに、ジブの任意の倒伏角度でマスト側のシーブブロックを格納してジブと一体でブームから取り外せ、また、格納されたシーブブロックを移動させることなくワイヤロープの掛け回しが行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るラフィングジブ装置をブーム先端に格納支持状態で取り付けた様子を示す概略側面図である。
【図2】図1のA方向矢視図である。
【図3】図1のB方向矢視図である。
【図4】図1のC方向矢視図である。
【図5】リヤマストに設けられた取り付けブラケットにテンションロッドのシーブブロックを格納状態で支持させた状態を示す要部拡大図である。
【図6】テンションロッドの平面図である。
【図7】伸縮ブームのシーブブロックとテンションロッドのシーブブロックとの間でジブ起伏用ワイヤロープを掛け回す手順を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るラフィングジブ装置のリヤマストを起上させた状態を示す概略側面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るラフィングジブ装置のマストを完全に起上させて、ジブ本体をブームの先端に所定の角度で張り出した状態を示す概略側面図である。
【図10】テンションロッドのピン穴の小径孔にシーブブロックのピンが嵌まり込んだ状態を示す図である。
【図11】従来のラフィングジブ装置の全体図である。
【図12】図11のラフィングジブ装置において、伸縮ブームのシーブブロックとリヤマストのシーブブロックとの間でジブ起伏用ワイヤロープを掛け回す手順を示す図である。
【符号の説明】
3…伸縮ブーム
10…ジブ本体
11…マスト
11b…リヤマスト
15A,23A…シーブブロック
15a,15b,23a,23b,23c…シーブ
17…ワイヤロープ
30A…ラフィングジブ装置
40…取り付けブラケット(支持手段)
50…テンションロッド

Claims (2)

  1. 走行車体上に搭載された伸縮ブームの先端に起伏可能に取り付けられる自走式クレーンのラフィングジブ装置において、
    前記伸縮ブームの先端に回動可能に張り出されるジブ本体と、
    前記ジブ本体の基端部にその一端が枢着されるフロントマスト部およびリヤマスト部と、これらのマスト部の他端部同士を連結する連結部とから成るマストと、
    前記マスト側に設けられた少なくとも1つの第1のシーブと、前記伸縮ブーム側に設けられた少なくとも1つの第2のシーブと、これらのシーブ間に掛け回されるワイヤロープと、ワイヤロープを巻き取るウインチとを有し、ワイヤロープをウインチによって巻き取り或いは繰り出すことにより、前記マストを介して前記ジブ本体を前記伸縮ブームに対して起伏させる起伏手段と、
    前記第1のシーブと前記リヤマスト部との間を連結するテンションロッドと、
    クレーン作業時に垂直方向から所定量傾けた所定の傾き角度で前記第1のシーブを保持し、クレーン作業以外の時に前記垂直方向に方向付けることが可能な状態に前記第1のシーブの傾き角度を変化させる傾き角調整手段と、
    を具備することを特徴とする自走式クレーンのラフィングジブ装置。
  2. 前記マストは、前記リヤマスト部に設けられ、前記第1のシーブもしくは前記テンションロッドを格納状態で支持する支持手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の自走式クレーンのラフィングジブ装置。
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