JP4008516B2 - ポリオレフィン多孔膜、その製造方法及びそれを用いた電池用セパレーター - Google Patents

ポリオレフィン多孔膜、その製造方法及びそれを用いた電池用セパレーター Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン多孔膜、その製造方法及びそれを用いた電池用セパレーターに関し、より詳しくは、内部孔径が小さくかつ表面粗構造を有するポリオレフィン多孔膜、その製造方法及びそれを用いた電池用セパレーターに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフィン微多孔膜は、各種の分離膜や、電池用セパレーター、電解コンデンサー用セパレーター等に使用されている。特にリチウム電池においては、リチウム金属、リチウムイオンが用いられているために非プロトン性極性有機溶媒が電解液溶媒として用いられ、また、電解質としては、リチウム塩を用いている。したがって正極と負極との間に設置するセパレーターには、有機溶媒に不溶でありかつ電解質や電極活物質に対して安定なポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系材料を微多孔膜や不織布に加工したものをセパレーターとして用いている。
【0003】
リチウム二次電池は起電力が2.5〜4Vと高く、活性質の主成分をなすリチウムの分子量が小さいために、最もエネルギー密度の高い二次電池の一つとして期待されている。コイン型や単3サイズの小容量リチウム二次電池は、メモリーバックアップ用電池や携帯電話などで用いられている。しかし、電気自動車や小規模負荷調整には数10kWh程度の容量が必要とされており、大容量化と高出力化が課題である。リチウム二次電池は、起電力が高いなどのため水溶液系の電解液が利用できず、有機溶媒の電解液を用いるために、それらの導電率が低いので電流密度が小さい。このため大容量高出力の大形電池では、電極面積の増大が必要である。
【0004】
これらの電池で用いられるセパレーターとしては、適度に小さい孔径が望まれているが電極とセパレーターの接点によって電極の有効断面積を減少させない様にセパレーター表面が粗く孔径が大きいことが必要である。また安全性を考えた場合、両極間の距離を適切に取るために適度に厚い膜厚が必要である。さらに、電池特性である放電特性及びサイクル特性を良好とするため電解液保持量の大きい膜が必要である。
【0005】
超高分子量ポリオレフィンを用いた高強度の微多孔膜の製造法が種々提案されている。例えば、特開昭60−242035号、特開昭61−195132号、特開昭61−195133号、特開昭63−39602号、特開昭63−273651号等には、超高分子量ポリオレフィンを含むポリオレフィン組成物を溶媒に加熱溶解した溶液からゲル状シートを成形し、前記ゲル状シートを加熱延伸、溶媒の抽出除去による微多孔膜が開発されている。これらのポリオレフィン微多孔膜は孔径が小さく電池用セパレーターとして良好な物性を有しているが、前記の二次電池用のセパレーターとしてのより高容量化や大出力化には、必ずしも十分対応が出来ていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の第一及び第二の課題は、表面が粗な構造を有し、かつ内部に小さな孔径を有するポリオレフィン多孔膜及びその製造方法を提供することにある。さらに、本発明の他の課題は、前記多孔膜を用いた透気度、保液率、巻姿等が改善された高容量化に対応できる電池用セパレーターを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を達成するために提案されたものであって、ポリオレフィンまたはその組成物からなる特定の空孔率、透気度、平均貫通孔径かつ表面開口度を有するポリオレフィン多孔膜が電池用セパレーターとして優れていることを見出し、本発明に想到した。
【0008】
すなわち、本発明のポリオレフィン多孔膜は、重量平均分子量が5×10 以上のポリオレフィンまたはそのポリオレフィン組成物からなり、空孔率が30〜50%、透気度が100〜2000秒/100cc、平均貫通孔径が0.001〜0.5μmであるポリオレフィン微多孔膜に、厚さが30〜100μm、目付けが5〜50g/cm のポリオレフィン不織布を積層した複合膜であって、当該ポリオレフィン不織布が50〜100℃で予熱または予熱圧縮したものであることを特徴とするものである。
【0009】
また、上記ポリオレフィン多孔膜の製造方法は、重量平均分子量が5×10以上のポリオレフィンまたはそのポリオレフィン組成物からなり、空孔率が30〜50%、透気度が100〜2000秒/100cc、平均貫通孔径が0.001〜0.5μmであるポリオレフィン微多孔膜に、厚さが30〜100μm、目付けが5〜50g/mのポリオレフィン不織布を積層するに際して、前記不織布を50〜100℃の予備圧縮加熱ロールで予熱または予熱圧縮した後、前記ポリオレフィン微多孔膜を積層し、ロール圧力5〜30kg/cm、50〜140℃の加熱圧縮ロールで積層する、膜厚が25〜200μm、透気度が100〜2000秒/100cc、かつ少なくとも一方の表面の開口度が50〜90%とすることである。
【0010】
さらに、本発明の電池用セパレーターは、上記ポリオレフィン多孔膜からなるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のポリオレフィン多孔膜について詳細を説明する。
【0012】
(1)ポリオレフィン多孔膜
本発明のポリオレフィン多孔膜は、重量平均分子量が5×10 以上のポリオレフィンまたはそのポリオレフィン組成物からなり、空孔率が30〜50%、透気度が100〜2000秒/100cc、平均貫通孔径が0.001〜0.5μmであるポリオレフィン微多孔膜に、厚さが30〜100μm、目付けが5〜50g/m のポリオレフィン不織布を積層した複合膜であって、当該ポリオレフィン不織布が50〜100℃で予熱または予熱圧縮したものであることを特徴とするものである。
【0013】
本発明のポリオレフィン多孔膜の空孔率は、30〜50%である。空孔率が30%未満では、電池用セパレーターとして用いた場合に、電解液の空孔内への充填量が小さくなり好ましくない。一方、50%を超えると、膜の機械的強度が小さくなり実用性に劣る。
【0014】
また、透気度は、100〜2000秒/100cc、好ましくは200〜1500秒/100ccである。透気度が、100秒/100cc未満では、電池セパレーターとして用いた場合に、安全性確保が困難である。一方、2000秒/100ccを超えると電池特性が悪化する。
【0015】
ポリオレフィン多孔膜の平均貫通孔径は、0.001〜0.5μm、好ましくは0.005〜0.1μm。平均貫通孔径が0.001μm未満であると、電池セパレーターとして用いた場合に、電解液の空孔内への充填が物理的に困難となるとともに、イオンの通過に支障をきたす。一方、0.5μmを超える場合は、活物質や反応生成物の拡散を防止することが困難となる。
【0016】
さらに、ポリオレフィン多孔膜の少なくとも一方の表面の開口度が50%未満では、電池セパレーターとして用いる場合に、電極有効断面積を向上できず、また電解液保持量を増加させることができないために、電池の容量及び特性を改良することができない。また、副生成物の捕捉効果も発揮されない。一方、90%を超えると、膜強度が低下するために好ましくない。
【0017】
このような、本発明のポリオレフィン多孔膜をリチウム電池セパレーターとして用いた場合は、リチウム金属のリサイクルによるデンドライトの成長を防ぎつつイオン導電性の優れたセパレーターとすることができる。
【0018】
次に、この複合膜からなるポリオレフィン多孔膜について詳細に説明する。
【0019】
本発明のポリオレフィン多孔膜に用いるポリオレフィン微多孔膜のポリオレフィンは、重量平均分子量が5×105 以上、好ましくは1×106 〜15×106 のものである。重量平均分子量が5×105 未満では、微多孔膜の製造時の延伸工程において最大延伸倍率が低く、目的の微多孔膜が得られない。一方、上限は特に限定的ではないが15×106 を超えるものは、微多孔膜の製造時のゲル状成形物の形成において成形性に劣る。
【0020】
また、本発明においては、後述のポリオレフィン溶液の高濃度化と微多孔膜の強度の向上を図るために、重量平均分子量1×106 以上の超高分子量ポリオレフィンと重量平均分子量1×105 以上1×106 未満のポリオレフィンとの組成物を用いることができる。超高分子量ポリオレフィンのポリオレフィン組成物中の含有量は、ポリオレフィン組成物全体を100重量%として1重量%以上が好ましくは、より好ましくは10〜70重量%である。
【0021】
上記ポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−ペンテン−1、1−ヘキセンなどを重合した結晶性の単独重合体、2段重合体、または共重合体及びこれらのブレンド物等が挙げられる。これらのうちでは、ポリプロピレン、ポリエチレン(特に高密度ポリエチレン)及びこれらの組成物等が好ましい。
【0022】
また、ポリオレフィンまたはそのポリオレフィン組成物には、ポリオレフィン多孔膜をリチウム電池等のセパレーターとして用いた場合に、電極が短絡して電池内部の温度が上昇した時、低温でシャットダウンする機能を付与する物質である低密度ポリエチレンや低分子量ポリエチレン等を加えることができる。
【0023】
本発明で用いるポリオレフィン微多孔膜は、ポリオレフィンまたはポリオレフィン組成物に、必要に応じて低温シャットダウン効果を付与する物質を加えた樹脂成分に有機液状体または固体を混合し、溶融混練後押出成形し、抽出、延伸を施すことにより得られる。また、樹脂成分および有機液状体または固体の混合物に無機微粉体を添加しても何等差し支えない。本発明で用いるポリオレフィン微多孔膜を得る好ましい方法としては、ポリオレフィン組成物にポリオレフィンの良溶媒を供給しポリオレフィン組成物の溶液を調製して、この溶液を押出機のダイよりシート状に押し出した後、冷却してゲル状組成物を形成して、このゲル状組成物を加熱延伸し、しかる後残存する溶媒を除去する方法である。
【0024】
本発明で用いるポリオレフィン微多孔膜の製造において、原料となるポリオレフィンまたはそのポリオレフィン組成物の溶液は、上述のポリオレフィンまたはそのポリオレフィン組成物(以下、ポリオレフィンともいう)を、溶媒に加熱溶解することにより調製する。この溶媒としては、ポリオレフィンを十分に溶解できるものであれば特に限定されない。例えば、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、流動パラフィンなどの脂肪族または環式の炭化水素、あるいは沸点がこれらに対応する鉱油留分などがあげられるが、溶媒含有量が安定なゲル状成形物を得るためには流動パラフィンのような不揮発性の溶媒が好ましい。加熱溶解は、ポリオレフィンが完全に溶解する温度で強力に攪拌または押出機で混練しながら行う。その温度は、例えば140〜250℃の範囲が好ましい。またポリオレフィン溶液の濃度は、10〜80重量%好ましくは10〜50重量%である。濃度が10重量%未満では、使用する溶媒量が多く経済的でないばかりか、シート状に成形する際に、ダイス出口でスウェルやネックインが大きくシートの成形が困難となる。なお、加熱溶解にあたってはポリオレフィンの酸化を防止するために酸化防止剤を添加するのが好ましい。
【0025】
次に、このポリオレフィンの加熱溶液を好ましくはダイスから押し出して成形する。ダイスは、通常長方形の口金形状をしたシートダイスが用いられるが、2重円筒状のインフレーションダイスなども用いることができる。シートダイスを用いた場合のダイスギャップは、通常、0.1〜5mmであり、押し出し成形温度は140〜250℃である。
【0026】
このようにしてダイスから押し出された溶液は、冷却することによりゲル状組成物に成形される。冷却方法としては、冷風、冷却水、その他の冷却媒体に直接接触させる方法、冷媒で冷却したロールに接触させる方法などを用いることができる。なお、ダイスから押し出された溶液は、冷却前あるいは冷却中に好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5の引き取り比で引取ってもよい。
【0027】
次に、このゲル状成形物に延伸を行う。延伸はゲル状成形物を加熱し、通常のテンター法、ロール法、インフレーション法、圧延法もしくはこれらの方法の組み合わせによって所定の倍率で行う。延伸は一軸延伸でも二軸延伸でもよいが、二軸延伸が好ましい。また、二軸延伸の場合は、縦横同時延伸または逐次延伸のいずれでもよい。延伸温度はポリオレフィンの融点+10℃以下、好ましくはポリオレフィンの結晶分散温度から結晶融点未満の範囲である。また延伸倍率は原反の厚さによって異なるが、一軸延伸では2倍以上が好ましく、より好ましくは3〜30倍である。二軸延伸では面倍率で10倍以上が好ましく、より好ましくは15〜400倍である。面倍率が10倍未満では、延伸が不十分で高弾性、高強度の微多孔膜が得られない。一方、面倍率が400倍を超えると、延伸操作などで制約が生じる。
【0028】
得られた延伸成形物は、溶剤で洗浄し残留する溶媒を除去する。洗浄溶剤としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素、塩化メチレン、四塩炭素などの塩素化炭化水素、三フッ化エタンなどのフッ化炭化水素、ジエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類などの易揮発性のものを用いることができる。これらの溶剤は、ポリオレフィンの溶解に用いた溶媒に応じて適宜選択し、単独もしくは混合して用いる。洗浄方法は、溶剤に浸漬し抽出する方法、溶剤をシャワーする方法、またはこれらの組合せによる方法などにより行うことができる。
【0029】
上述のような洗浄は、延伸成形物中の残留溶媒が1重量%未満になるまで行う。その後洗浄溶剤を乾燥するが、洗浄溶剤の乾燥方法は加熱乾燥、風乾などの方法で行うことができる。乾燥した延伸成形物は、ポリオレフィンの結晶分散温度〜融点の温度範囲で熱固定することが望ましい。
【0030】
複合膜であるポリオレフィン多孔膜に用いるポリオレフィン不織布は、厚さが30〜100μm、目付けが5〜50g/m2 である。また、繊維径が0.1〜5μm及び透気度が0.1〜100秒/100ccのものが好ましい。
【0031】
ポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−ペンテン−1、1−ヘキセンなどを重合した結晶性の単独重合体、2段重合体、または共重合体及びこれらのブレンド物等が挙げられる。これらの中では、ポリプロピレン、ポリエチレン等が好ましい。
【0032】
(2)ポリオレフィン多孔膜の製造方法
前記製法によって得られるポリオレフィン微多孔膜は、微細な変形が容易に起き、適度な温度範囲の処理においては、微多孔膜の孔径、空孔率、透過性を変化させることなく、また膜表面の存在する孔をつぶすことなく、積層の相手側の多孔性膜の繊維に応じた微妙な凹凸を生じせしめることのできる特徴を有している。このため、本発明のポリオレフィン多孔膜は、前記ポリオレフィン微多孔膜とポリオレフィン不織布を特定条件下の加熱積層処理することにより得ることができる。
【0033】
積層処理は、カレンダー処理により行う。あらかじめ不織布を予備圧縮加熱ロール等で予熱または膜厚を調整するために50〜100℃で予熱または予熱圧縮し、また必要に応じてポリオレフィン微多孔膜を50〜100℃で予熱処理する。その後、予熱処理した不織布とポリオレフィン微多孔膜を積層し積層加熱圧縮ロールで50〜140℃、好ましくは90〜120℃で、ロール圧力は5〜30kg/cm、好ましくは5〜20kg/cmで積層体とする。予備圧縮加熱ロール温度が50℃未満では予熱圧縮が不十分であり、一方100℃を超えると不織布表面の開口度を悪化させるために好ましくない。また、ロール圧が5kg/cm未満では、積層圧着が不十分となり、一方30kg/cmを超えると複合膜の表面開口度を悪化させるために好ましくない。加熱圧縮ロールの温度は140℃を超えると微多孔膜の透過性が損なわれ好ましくなく、50℃未満では適度な圧着強度が得られない。
【0034】
積層は、微多孔膜/不織布の2層、不織布/微多孔膜/不織布の3層のように微多孔膜の片側または両側に不織布を積層してもよい。
【0035】
【実施例】
以下に本発明について実施例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に特に限定されるものではない。なお、実施例における試験方法は次の通りである。
(1)膜厚:断面を走査型電子顕微鏡により測定。
(2)平均貫通孔径:オムニソープ360[日機装(株)]によって測定。
)透気度:JIS P8117に準拠して測定。
)空孔率:重量法により測定。
)表面開口度:電子顕微鏡写真により測定。
)保液率:γ−ブチロラクトンの含液量を測定。
)巻姿・たるみ値:長さ1.5m、幅0.4mのサンプルを巻物から切り出し、1m間隔の水平のロールにのせて、その余りの一端を固定し、残りの片方に0.4kgの荷重を均等にかける。その時の多孔膜または微多孔膜の中央部のたるみを測定器で測定し、最大値を表示した。
【0036】
実施例1
重量平均分子量が2.5×106 の超高分子量ポリエチレン6重量部と重量平均分子量が3.5×105 の高密度ポリエチレン24重量部のポリエチレン組成物100重量部に酸化防止剤0.375重量部を加えたポリエチレン組成物を得た。このポリエチレン組成物30重量部を二軸押出機(58mmφ、L/D=42、強混練タイプ)に投入した。またこの二軸押出機のサイドフィーダーから流動パラフィン70重量部を供給し、溶融混練して、押出機中にてポリエチレン溶液を調製した。
【0037】
続いて、この押出機の先端に設置されたTダイから190℃で押し出し、冷却ロールで引き取りながらゲル状シートを成形した。続いてこのゲル状シートを、115℃で5×5に同時2軸延伸を行い、延伸膜を得た。得られた延伸膜を塩化メチレンで洗浄して残留する流動パラフィンを抽出除去した後、乾燥および熱処理を行い厚さ25μm、空孔率40%、透気度590秒/100cc及び平均貫通孔径0.03μmのポリエチレン(PE)微多孔膜を得た。
【0038】
ポリプロピレン(PP)製不織布(繊維径:4μm、目付け:7g/m2 、厚さ:50μm、透気度:1秒/100cc以下)を80℃の予熱圧縮ロールで処理した後、上記PE微多孔膜を供給し、予備圧縮加熱ロール温度80℃で予熱後、積層加熱圧縮ロール温度110℃、16kg/cm2 、速度20m/分でカレンダー積層して複合膜からなるポリオレフィン多孔膜を得た。このポリオレフィン多孔膜の物性を表1に示す。
【0039】
実施例2
実施例1において、PE微多孔膜とPP不織布とを積層加熱圧縮ロール温度を100℃及びロール圧10kg/cm2 で積層した以外は同様にして複合膜からなるポリオレフィン多孔膜を得た。このポリオレフィン多孔膜の物性を表1に示す。
【0040】
実施例3
実施例1において、PE微多孔膜の厚さを15μm及び透気度が200秒/100ccのものと、PP不織布の厚さを30μm及びその目付けを6g/m2 で積層した以外は同様にして複合膜からなるポリオレフィン多孔膜を得た。このポリオレフィン多孔膜の物性を表1に示す。
【0041】
実施例4
実施例1において、PE微多孔膜の厚さを15μm及び透気度が200秒/100ccのものと、PP不織布の厚さを30μm、その目付けを6g/m2 及び積層加熱圧縮ロール温度115℃でPP不織布/PE微多孔膜/PP不織布の3層に積層した以外は同様にして複合膜からなるポリオレフィン多孔膜を得た。このポリオレフィン多孔膜の物性を表1に示す。
【0042】
実施例5
実施例1において、PE微多孔膜の透気度が560秒/100ccのものと、PP不織布に代り厚さ100μm、目付け41g/m2 、透気度100秒/100ccのPE不織布[イー・アイ・デュポン社製、タイベック(商品名)]を用いて積層加熱圧縮ロール温度110℃、ロール圧5kg/cm2 及び速度3m/分で積層した以外は同様にして複合膜からなるポリオレフィン多孔膜を得た。このポリオレフィン多孔膜の物性を表1に示す。
【0043】
実施例6
実施例5において、積層加熱圧縮ロール温度を105℃とした以外は同様にして複合膜からなるポリオレフィン多孔膜を得た。このポリオレフィン多孔膜の物性を表1に示す。
【0044】
比較例1
実施例1において得られたPE微多孔膜のみの物性を表1に示す。
【0045】
比較例2
実施例1において、PE微多孔膜とPP不織布との積層加熱圧縮ロール温度を145℃で積層した以外は同様にして複合膜からなるポリオレフィン多孔膜を得た。このポリオレフィン多孔膜の物性を表1に示す。
【0046】
比較例3
実施例1において、PE微多孔膜を透気度が2119秒/100cc、空孔率27%及び平均貫通孔径0.03μmのものを用いた以外は同様にして複合膜からなるポリオレフィン多孔膜を得た。このポリオレフィン多孔膜の物性を表1に示す。
【0047】
比較例4
実施例1において、PP不織布の厚さが100μm及び目付けが55g/m2 のものを用いて積層加熱圧縮ロール温度を120℃とした以外は同様にして積層を行ったが、圧着できず複合膜からなるポリオレフィン多孔膜が得られなかった。
【0048】
Figure 0004008516
【0049】
Figure 0004008516
【0050】
表1から明らかなように、本発明による複合膜からなるポリオレフィン多孔膜は、透気度及び表面の開口度に優れ、内部孔径が小さく、かつ表面粗構造を有する。また、電池用セパレーターとして要求される保液率及び巻姿たるみ値についてもPE微多孔膜単独に比べて優れていることがわかる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、内部孔径が小さく、かつ表面粗構造を有するポリオレフィン多孔膜が提供され、これによって得られたポリオレフィン多孔膜は透気度及び表面開口度に、電池用セパレーターとして、高容量化に要求される透気度、保液率、巻姿等の改善された性能を有し、特にリチウム電池用セパレーターとして好適である。

Claims (6)

  1. 重量平均分子量が5×105 以上のポリオレフィンまたはそのポリオレフィン組成物からなり、空孔率が30〜50%、透気度が100〜2000秒/100cc、平均貫通孔径が0.001〜0.5μmであるポリオレフィン微多孔膜に、厚さが30〜100μm、目付けが5〜50g/m2 のポリオレフィン不織布を積層した複合膜であって、該複合膜の膜厚が25〜200μm、透気度が100〜2000秒/100cc、かつ少なくとも一方の表面の開口度が50〜90%であり、前記ポリオレフィン不織布が50〜100℃で予熱または予熱圧縮後、前記ポリオレフィン微多孔膜との前記積層処理が加熱圧縮ロールにより、90〜120℃の温度および5〜30kg/cm2 のロール圧力で行なわれたものであることを特徴とするポリオレフィン多孔膜。
  2. 前記ポリオレフィン微多孔膜が50〜100℃で予熱処理されたものである請求項1に記載のポリオレフィン多孔膜。
  3. 重量平均分子量が5×105 以上のポリオレフィンまたはそのポリオレフィン組成物からなり、空孔率が30〜50%、透気度が100〜2000秒/100cc、平均貫通孔径が0.001〜0.5μmであるポリオレフィン微多孔膜に、厚さが30〜100μm、目付けが5〜50g/m2 のポリオレフィン不織布を積層するに際して、前記不織布を50〜100℃の予備圧縮加熱ロールで予熱または予熱圧縮した後、前記ポリオレフィン微多孔膜と積層し、ロール圧力5〜30kg/cm2 、50〜140℃の加熱圧縮ロールで積層体とする、膜厚が25〜200μm、透気度が100〜2000秒/100cc、かつ少なくとも一方の表面の開口度が50〜90%であるポリオレフィン多孔膜の製造方法。
  4. 前記ポリオレフィン微多孔膜が50〜100℃で予熱処理されたものである請求項3に記載のポリオレフィン多孔膜の製造方法。
  5. 前記加熱圧縮ロールの温度が90〜120℃である請求項3または4に記載のポリオレフィン多孔膜の製造方法。
  6. 請求項1または2に記載のポリオレフィン多孔膜からなる電池用セパレーター。
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