JPH06234181A - ポリオレフィン製多孔積層体 - Google Patents

ポリオレフィン製多孔積層体

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JPH06234181A
JPH06234181A JP2285093A JP2285093A JPH06234181A JP H06234181 A JPH06234181 A JP H06234181A JP 2285093 A JP2285093 A JP 2285093A JP 2285093 A JP2285093 A JP 2285093A JP H06234181 A JPH06234181 A JP H06234181A
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polyolefin
porous
film
polyethylene
molecular weight
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JP2285093A
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Yasuo Kaminami
康夫 神波
Keishin Handa
敬信 半田
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Mitsubishi Kasei Corp
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Mitsubishi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 気体、液体およびイオン透過性に優れ、高温
での膜形状維持性が優れている超精密濾過膜および電池
セパレター用膜に適したポリオレフィン製多孔積層体を
提供する。 【構成】 特定の物性値を満足する超高分子量ポリエチ
レンからなる多孔膜とポリオレフィン系不織布とを熱ラ
ミネートにより積層してなるポリオレフィン製多孔積層
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィン製多孔積
層体に関する、詳しくは、気体、液体およびイオン透過
性に優れ、高温での膜形状維持性が優れている超精密濾
過膜および電池セパレター用膜に適したポリオレフィン
製多孔積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯用小型機器の発達にともない小型で
高性能な電池が求められるようになってきた。リチウム
電池は最も卑な金属であるリチウムを使うことにより発
生起電圧が高く小型高性能電池用電極材としては非常に
有用である。しかしリチウムは反応性が高く取扱を間違
えると大きな事故となる。リチウム電池においても過去
に発火事故などの事例が発生しており安全性確保は重要
課題である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】セパレーターに高温膜
形状維持特性及び高温での孔の熱閉塞性が不足している
と、短絡事故などで短時間に大電流が流れ、リチウム電
池は発熱し、熱によるセパレーター破損での内部短絡に
よる爆発、発火事故などが発生する危険性がある。セパ
レーターには電池内部温度が上昇した時、セパレーター
の孔が熱により自動的に閉塞する性質(自己閉塞性)と
高温になっても膜形状を維持し電極を隔てておく性質
(高温膜形状維持特性)が必要とされる。
【0004】ポリプロピレン製セパレーター膜は高温で
の形状維持性に優れているが、特にリチウム電池セパレ
ーターとして使用する際、自己閉塞性を発現する温度が
約175℃でありリチウムの発火温度180℃と接近し
ており、安全性を確実に確保することが難しい。また、
セパレーター膜においては通常強度向上のために延伸を
行うが、延伸した膜は高温膜形状維持特性が低くポリエ
チレン製では150〜160℃、ポリプロピレン製では
180℃近辺で破断し、電極の隔離性に問題を生じる。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで発明者らはかかる
問題点を解決すべく鋭意検討を行った結果、特殊な多孔
膜と不織布とを積層した積層体により、低温閉塞性が高
く、高温膜形状維持特性を有する、セパレーターとして
極めて満足し得る膜を発明するに至った。本発明の要旨
は、粘度平均分子量(Mv)500,000以上の超高
分子量ポリエチレンからなる多孔膜で(a)厚さ10〜
50μm、(b)透気度20〜3000秒/100c
c、(c)空孔率25〜80%、(d)破断点強度が縦
方向、横方向とも100Kg/cm2以上、(e)バブ
ルポイント(BP値)、2〜5Kg/cm2、(f)透
水量100リットル/hr・m2・atm以上、(g)
0.091μmのスチレンラテックス粒子を50%以上
阻止するポリエチレン多孔膜とポリオレフィン系不織布
とを熱ラミネートにより積層してなるポリエチレン製多
孔積層体である。
【0006】以下本発明を詳細に説明する。本発明の積
層体を構成するポリエチレン多孔膜(多孔シート)の厚
さは10〜50μmであり、更に好ましくは 15〜3
0μmである。10μmより薄い膜は絶対強度が小さ
く、製膜時や積層加工時に破断したり、電池加工後の膜
破れなどが発生しやすく好ましくない。また、50μm
を超えた膜厚では透水量が小さくなったり、電池内に占
めるセパレーターの割合が大きくなり電池の容量低下を
起こすなど問題がある。透気度は20〜1000秒/1
00ccであり好ましくは50〜300秒/100cc
である。透気度が20秒/100cc未満だと膜表面積
に占める孔の割合(開孔率)が大きくなり膜の強度が低
下する。1000秒/100ccより大きいとイオンの
透過抵抗が大きくなりセパレーターとして使用できなく
なる。
【0007】本発明の多孔膜は130〜145℃で孔が
閉塞し、イオン電流を遮断する。しかし、不織布と積層
しているので200℃程度の温度まで昇温しても膜形状
を保つ。従って、電池が短絡事故など発熱しても安全に
電極反応を止めることが出来る。透気度が3000秒/
100ccより大きくなることは濾過膜としては濾過抵
抗が大きくなりすぎ実用的でない。
【0008】空孔率は25〜80%である。空孔率が2
5%未満だと孔構造が緻密すぎて濾過やイオン透過に不
都合を生じる。80%より大きいと単位体積中に占める
ポリエチレンの量が小さくなりすぎ強度が低下して好ま
しくない。破断点強度は縦、横どちらの方向にも100
kg/cm2以上が必要である。これ未満だと膜製造時
や濾過膜をカートリッジ加工する際などに破断しやす
く、作業性が悪くなる。バブルポイントは2〜5kg/
cm2以上である。バブルポイントが2kg/cm2未満
だと孔構造が疎となり実用的でない。また5kg/cm
2より大きいと孔構造が緻密すぎて濾過やイオン透過の
抵抗となり好ましくない。
【0009】透水量は100〜1500リットル/hr
・m2・atmである。透水量が100リットル/hr
・m2・atm未満だと濾過速度が遅く実用的でない。
1500リットル/hr・m2・atmより大きいと孔
構造が疎となり電池セパレーターとして使用したとき電
極同志が接触する危険がある。0.091μmのスチレ
ンラテックス粒子は50%以上を阻止する必要がある。
50%未満だと濾過性能の点で十分に不要粒子を濾過で
きない。
【0010】本発明の積層体に用いる多孔膜を得るのに
好ましい方法としては、超高分子量ポリエチレンと可塑
剤からなる組成物を溶融押出してシートを得、ついて該
シートから可塑剤を除去してして得られる多孔シートで
ある。また熱処理には加熱ロール法、またはテンター方
式等を用いることができる。このようにして得られた多
孔膜の構造はフィブリルからなる網目状構造を有してい
るのが特徴である。
【0011】多孔膜に使用されるポリエチレンは重量平
均分子量が500,000以上であるいわゆる超高分子
量ポリエチレンであり、特に粘度平均分子量が1×10
6〜3.0×106のものが好ましい。また該ポリエチレ
ンを50%以上含み分子量5×105〜2×106の他の
ポリオレフィン、変性ポリオレフィンを含んでもよい。
【0012】分子量が低すぎると可塑剤と均一混練する
ことが困難で微細孔構造を有する多孔膜を得ることがで
きない。また安定したシート成形が不可能となる。次に
多孔膜の製造に用いられる可塑剤としては超高分子量ポ
リエチレンとの相溶性がよく、沸点が該超高分子量ポリ
エチレンの溶融成形温度(〜250℃)以上でしかもシ
ート成形中に蒸散が起こりにくい様、蒸気圧が低いこと
が必要条件である。
【0013】さらに、多孔膜の製造途中段階で得られる
超高分子量ポリエチレンと可塑剤からなるシートの安定
性、取扱の容易さを考慮すると具体的には流動パラフィ
ン、固形パラフィン、ステアリルアルコール、セチルア
ルコール等が望ましい。特に常温で固体であるものは取
扱上非常に有用である。これら可塑剤と超高分子量ポリ
エチレンとは通常のミキサーで混合された後、一旦溶融
混練により均一混練、ペレット化した後シート成形に供
されるが、特にステアリルアルコールは細かい顆粒状の
製品を使用することができ、粉末状である超高分子量ポ
リエチレンと機械的なブレンドをすることが容易であ
り、このまま押出機供給部に供給することにより安定し
た押出成形が可能である。さらに本組成に熱安定剤、酸
化防止剤、着色剤などを添加しても構わない。
【0014】超高分子量ポリエチレンと可塑剤との混合
の比率は通常、重量比で超高分子量ポリエチレン/可塑
剤=10/90〜40/60であり、好ましくは15/
85〜35/65の範囲である。ポリエチレンの比率が
低すぎると、押出機における押出状態が不安定となり良
好なシートを得ることができない。またポリエチレンの
比率が高すぎると粘度が大きくなり過ぎ、ダイス部分で
の流れが不安定となり安定したシートを得ることが不可
能となる。これら組成物を一旦溶融混練してペレット化
したものはシート成形時に該ポリエチレンと可塑剤の分
離を防止することができ成形安定性の向上につながる。
【0015】シートの成形はポリエチレンと可塑剤を溶
融混練したペレットまたはポリエチレンと可塑剤を機械
的にブレンドした混合物を押出機に供給し、次に均一な
溶融状態とし、適宜選択されたダイスからシート状に押
し出すことによって行う。通常Tダイ成形品シートの厚
みは0.03〜0.5mmでり、好ましくは0.03〜
0.08mmである。
【0016】この際、シートに延伸を加えず、分子配向
をなるべく起こさないように成形する事が望ましい。次
に行う可塑剤の除去(抽出)は可塑剤の溶解度が高く、
易揮発性溶剤による抽出法が望ましい。易揮発性溶剤と
してはペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系、
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、三フッ化エ
タン等のハロゲン化炭化水素系、メタノール、エタノー
ル、プロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテ
ル、ジオキサン等のエーテル類等が挙げられ、全量可塑
剤を除去し、その後乾燥により揮発性溶剤を除去するこ
とにより多孔性のシートを得る。この多孔性シートに残
存する可塑剤含有率は1重量%未満にするのが好まし
い。可塑剤の除去は除去効率をよくするため常温以上で
行うのが望ましい。
【0017】上記多孔シートは充分な強度、耐熱性を有
しているが、電池用セパレーターとして更に安全性を高
めるため、ポリオレフィン不織布と積層する。多孔シー
トは可塑剤を除去したものをそのまま用いて積層体とし
ても良いが、温度による収縮を防止するために熱処理し
た後、積層に供することが好ましい。熱処理は、工業的
には加熱ロール法、テンター法等があり、熱処理温度は
高温の方が望ましいが、該ポリエチレンの融点以上にな
ると孔が閉塞して透気度が大幅に上昇して好ましくな
い。加熱ロール法の場合、融点以下、好ましくは130
℃以下で熱処理を行うのが好ましい。
【0018】次に、上記多孔シートと積層体を形成する
ポリオレフィン系不織布について説明する。不織布は、
ポリエチレン多孔シートと接着剤を用いることなく、低
温熱溶融接着(熱ラミネート)が可能な不織布が用いら
れる。ポリオレフィン系不織布は、ポリエチレンやポリ
プロピレン等の繊維から形成することが出来る。ポリエ
チレン系不織布としては、ポリエステル樹脂の心材をポ
リエチレンで被覆した構造の繊維、ポリエチレンとポリ
プロピレンの複合繊維等が好ましい。不織布の製造方法
としては、湿式法、乾式法、スパンボンド法、ニードル
パンチ法などが挙げられる。繊維を固定するのに接着剤
を用いないスパンボンド法による不織布が好ましい。ま
た、不織布としては、目付けが10〜50g/m2 、好
ましくは15〜25g/m2 程度のものが好ましい。
【0019】次に、本発明の積層体の製造方法の一例に
ついて説明する。積層体の製造方法は、例えば、表面平
滑な加熱ロールや表面が凹凸とされたエンボス熱ロール
によって予熱されたポリオレフィン系不織布と上記のよ
うにして得られた多孔シートとを圧着ロール間に送給し
て熱ラミネートし、得られた積層体を製品巻き取りロー
ルに巻き取る等の方法による。
【0020】積層に当たっては、加熱ロールやエンボス
熱ロールを使用することにより、多孔シートとポリオレ
フィン系不織布との熱ラミネートを均一に行う。表面平
滑な加熱ロールを用いれば全面均一にヒートシールされ
る。この場合、加熱ロールによりポリオレフィン系不織
布の表面が溶融状態とされるものであるから不織布を構
成する繊維が多孔シートの表面に融着した状態となる。
従って、多孔シートの通気性等が大きく変化することは
ない。エンボス熱ロールを使用する場合は、例えば、点
状、線状、格子状のエンボス熱ロールでヒートシール部
分を形成し、全面的に見た場合は均一に、部分的に見た
場合はヒートシール部分が点在しているようなラミネー
ト溶着構造を言う。斯かる部分的なラミネート構造とす
れば、多孔シートの部分的な変形に対する自由度が確保
され、応力がかかっても多孔シートが伸びて緩衝力が作
用して破損が防止される。熱ラミネートの面積(不織布
を構成する繊維が多孔シートの表面に融着している面
積)は、全体の面積の1〜50%、好ましくは5〜20
%の範囲とするのがよい。
【0021】そして、本発明においては、熱ラミネート
に必要な予熱をポリオレフィン系不織布について行うこ
とが特に重要である。すなわち、エンボス熱ロールを使
用して予熱を行う場合、多孔シートについて行うと熱に
より多孔シートの孔が熱により閉塞する恐れがある。こ
れに対し、ポリオレフィン系不織布は、繊維が絡み合っ
た構造であるため、上記のような孔の閉塞は生じない。
【0022】熱ロールとしては、通常、ゴム巻きロール
が使用される。加熱方式は、心材としての金属製ロール
の内部に熱媒体を循環する間接加熱または金属製ロール
の内部にヒータを設ける直接加熱のいずれでもよい。エ
ンボス熱ロールを用いる場合のロール表面のエンボスの
形状は、特に制限されず、点状、線状、格子状などの任
意の形状を採用することが出来る。
【0023】熱ロールの表面温度は、ポリオレフィン系
不織布に使用したポリオレフインの融点以上の範囲から
適宜選択されるが、ポリエチレン系不織布の場合は、通
常120〜140℃、好ましくは130〜135℃の範
囲である。また、ライン速度は、通常10〜100m/
分、好ましくは40〜60m/分の範囲である。多孔シ
ートとポリオレフィン系不織布との積層体としての厚さ
は10〜200μ、好ましくは50〜150μ程度であ
る。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り下記の実施例に
限定されるものではない。実施例における試験方法は次
の通りである。 1.透気度(単位;秒/100cc) JIS P81
17 2.空孔率(%)=空孔容積/多孔膜容積×100% 3.破断強度(単位;Kg/cm2) JIS K67
81 4.バブルポイント(BP) JIS K3832 5.透水量(単位;リットル/hr・m2・atm)
アミコン社製 8010型セルを使用し、差圧1kg/c
2温度23℃にて測定 6.孔径測定(スチレンラテックス阻止率) ダウ社製
重量平均粒径0.091μm、0.212μmのスチ
レンラテックス粒子を水に分散させ、アミコン社製80
10型セルをしようして差圧1Kg/cm2にて透過試
験を実施しその前後のスチレンラテックス濃度をUV計
で測定してその阻止率を次の式で求めた。
【0025】
【数1】阻止率(%)=(透過前の濃度−透過後の濃
度)/( 透過前の濃度)×100
【0026】実施例1 粘度平均分子量2×106のポリエチレンパウダー(融
点135℃)20重量部と粒状のステアリルアルコール
80重量部のドライブレンド物を押出機に供給して24
0℃で混練しながら連続的に幅550mm、ダイクリア
ランス0.2mmのTダイより押し出して厚さ0.07
mmのシートを得た。
【0027】このシートを60℃のイソプロピルアルコ
ール浴でステアリルアルコールを抽出し、ポリエチレン
製多孔膜を得た。この膜の物性は (a)膜厚 47μm (b)透気度 105秒/100cc (c)空孔率 67% (d)破断点強度 170Kg/cm2(縦方向)、1
20Kg/cm2(横方向) (e)バブルポイント 3.4Kg/cm2 (f)透水量 400リットル/hr・m2・atm (g)スチレンラテックス阻止率(SR阻止率) 98
%以上 であった。
【0028】この膜を熱風循環オーブン中150℃で1
分間加熱したものの透気度は測定不能(1200秒/1
00cc以上)であった。さらにこの膜を175℃で1
分間加熱処理しても膜形状は保持されたままだった。上
記で得たポリエチレン製多孔膜とポリエチレン系スパン
ボンド不織布(心材ポリエステル)(目付け:15g/
2 、点密度:80ケ/cm2 )との熱ラミネートを行
った。
【0029】すなわち、表面温度が130℃に設定され
たエンボス熱ロールによって不織布を予熱し、ポリエチ
レン製多孔膜と共にエンボス熱ロールの約1m後に配置
された圧着ロールの間に50m/分のライン速度で送給
してラミネートを行った。得られた積層体(長さ:約1
000m)は、製品巻き取りロールによって巻き取っ
た。積層体の厚さは平均65μであった。熱融着部の面
積は全体の10%であった。
【0030】得られた積層体についてピンホールの有無
と耐水圧の測定(JIS L 1092に準拠)を行っ
た結果、ピンホールの発生は認められず、また、耐水圧
は3Kg/cm2 以上であった。得られた積層体の引張
強度は3100g/cmと多孔シート単体と比べ2.5
倍の強度が得られた。また、電気伝導度は多孔シート単
体の2.3ms/cmsと変わらなかった。リチウム電
池のセパレーターとして良好に用いうるものであった。
電気伝導度は電極として2cm2の白金板を用い電極間
を6cmとし、電解液はプロピレンカーボネートとジエ
トキシカーボネートとの1:1溶液を、電解質はLiP
6を1mole/lの濃度で用いた。
【0031】実施例2 実施例1で得られた膜厚47μmのポリエチレン製多孔
膜を表面温度120℃の加熱ピンチロールを用いて30
秒間熱処理して33μmの膜を作成し、多孔膜を得た。
この膜を実施例1と同様にしてポリエチレン系不織布
(ポリエチレンとポリプロピレンとの複合繊維)(目付
け:15g/m2 、点密度:80ケ/cm 2 )との熱ラ
ミネートを行った。
【0032】得られた積層体についてピンホールの有無
と耐水圧の測定(JIS L 1092に準拠)を行っ
た結果、ピンホールの発生は認められず、また、耐水圧
は2.5Kg/cm2 以上であった。得られた積層体を
130℃から5℃刻みで各温度に5分間放置し、通気性
の変化を測定、熱による破膜の有無を確認した。この結
果、140℃で通気度はガーレー方で1万秒以上とな
り、また、200℃まで破膜は認められなかった。リチ
ウム電池のセパレーターとして良好に用いうるものであ
った。
【0033】比較例1 実施例1で得られた多孔シートを単独で用いた。この膜
を実施例2と同様にして130℃から5℃刻みで各温度
に5分間放置し、通気性の変化を測定、熱による破膜の
有無を確認した。この結果、140℃で通気度はガーレ
ー方で1万秒以上となったが190℃で破膜した。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば低温閉塞性に優れ、しか
も高温まで膜形状を保持した多孔性の積層体からなる膜
を作成することが出来る。この膜により安全性に優れた
電池用セパレーターを供することが出来る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘度平均分子量(Mv)500,000
    以上の超高分子量ポリエチレンからなる多孔膜で(a)
    厚さ10〜50μm、(b)透気度20〜3000秒/
    100cc、(c)空孔率25〜80%、(d)破断点
    強度が縦方向、横方向とも100Kg/cm2以上、
    (e)バブルポイント(BP値)2〜5Kg/cm2
    (f)透水量100リットル/hr・m2・atm以
    上、(g)0.091μmのスチレンラテックス粒子を
    50%以上阻止するポリエチレン多孔膜とポリオレフィ
    ン系不織布とを熱ラミネートにより積層してなるポリオ
    レフィン製多孔積層体
  2. 【請求項2】 130〜145℃で多孔膜の孔が熱閉塞
    することを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン
    製多孔積層体
  3. 【請求項3】 濾過膜として使用することを特徴とする
    請求項1に記載のポリオレフィン製多孔積層体
  4. 【請求項4】 電池セパレーターとして使用することを
    特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン製多孔積層
JP2285093A 1993-02-10 1993-02-10 ポリオレフィン製多孔積層体 Pending JPH06234181A (ja)

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