JP4008340B2 - 融着トレイ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバの融着部を収納するための融着トレイの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の融着トレイは、光ファイバ心線の融着部を融着トレイの中央に配設した固定部材に保持し、光ファイバ心線の余長はループ状にして融着トレイの周壁の内周に収納していた。また、光ファイバ心線を数本束ねた光ファイバコードの余長は融着トレイの近傍に設けられた余長収納部にループ状にまとめて保持していた。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開2000−193843号公報(第2頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の技術では光ファイバ心線の余長収納スペースと、光ファイバコードの余長収納スペースを必要とするため、光成端箱が大型化するという欠点があった。
【0005】
そこで上記問題点に鑑み、本発明の目的は、光ファイバ心線と光ファイバコードとの余長収納スペースを小さくすることができる融着トレイを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明によれば、光ファイバの融着部を収納するための融着トレイにおいて、融着トレイの周壁の内周に光ファイバ心線を収納可能にすると共に、融着トレイの周壁の外周に光ファイバコードを収納可能にしたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の融着トレイにおいて、融着トレイの周壁の高さ方向を2分割して一方を凹ませ、光ファイバコードの収納部としたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の融着トレイにおいて、光ファイバコードの収納部を融着トレイの上面開口側の周壁に形成し、光ファイバ心線の収納部を融着トレイの底面側の周壁に形成したことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の融着トレイにおいて、融着トレイの周壁の外面端部に光ファイバコードの脱落を防止するための脱落防止手段を設けたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明によれば、光ファイバの融着部を収納するための融着トレイにおいて、融着トレイの周壁の内周に光ファイバ心線を収納可能にすると共に、融着トレイの周壁の外周に光ファイバコードを収納可能にしたことにより、光ファイバ心線と光ファイバコードとの余長収納スペースを小さくすることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の融着トレイにおいて、融着トレイの周壁の高さ方向を2分割して一方を凹ませ、光ファイバコードの収納部としたことにより、融着トレイの外形を小さくすることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の融着トレイにおいて、光ファイバコードの収納部を融着トレイの上面開口側の周壁に形成し、光ファイバ心線の収納部を融着トレイの底面側の周壁に形成したことにより、光ファイバ心線が融着トレイから外に飛び出すのを防ぐことができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の融着トレイにおいて、融着トレイの周壁の外面端部に光ファイバコードの脱落を防止するための脱落防止手段を設けたことにより、融着トレイから光ファイバコードが飛び出さず、外観を損なわない。
【0014】
【実施例】
本発明に係る融着トレイの第1実施例を図1〜図3の添付図面に基づいて説明する。
【0015】
融着トレイ1は、長円形の底板1aの全周に周壁1bが立ち上げ形成され、周壁1bの内周に光ファイバ心線2を収納し、周壁1bの外周に光ファイバコード3を収納するようになっており、上面は開口1cとなっている。
【0016】
周壁1bは高さ方向が2分割されて一方が凹まされ、光ファイバコード3の収納部1dとなっており、他方が光ファイバ心線2の収納部1eとなっている。また、周壁1bには適宜間隔で光ファイバを入出線できるように入出線部1fを切り欠いている。
【0017】
2本の光ファイバ心線2の接続は融着トレイ1の外で融着して行われ、融着部は融着トレイ1の略中央の左右両側に配設した融着ホルダ4に保持される。ここで発生した光ファイバ心線2の余長はループ状にして融着トレイ1の周壁1bの内周に収納される。
【0018】
尚、光ファイバコード3の収納部1dを融着トレイ1の開口1c側の周壁1bに形成し、光ファイバ心線2の収納部1eを融着トレイ1の底板1a側の周壁1bに形成することで、光ファイバコード3の収納部1dが融着トレイ1の内側に突出するので光ファイバ心線2が融着トレイ1から外に飛び出すのを防ぐことができる。
【0019】
それから、光ファイバ心線2は融着トレイ1の入出線部1fから融着トレイ1の外側に出線され、数本の光ファイバ心線2を束ねた光ファイバコード3を融着トレイ1の周壁1bの外周の収納部1dに巻回して保持させる。
【0020】
融着トレイ1は複数段に積層して設置することができ、最下段の融着トレイ1は光成端箱の背板6と樹脂で一体成型される。二段目以降の融着トレイ1は底板1aの端部に下方向に突出した係合爪1gが形成され、下段の融着トレイ1の上端に係止可能になっている。最上段の融着トレイ1の上面開口1cは蓋(図示せず)等により施蓋する。
【0021】
尚、融着トレイ1は光成端箱の背板6に設けられ、縦にした状態で使用されるため、光ファイバーコード3は自重によって融着トレイ1の周壁1bに係止して保持されるが、図4に示すように、融着トレイ1の周壁1bの外面端部に光ファイバコード3の脱落を防止するための脱落防止手段5を設けても良い。これにより融着トレイ1から光ファイバコード3が飛び出さず、また、外観を損なわない。
【0022】
また、融着トレイ1の周壁1bは、例えば、図5に示すように断面略T字状に形成しても良いし、図6に示すように周壁が二重に形成された形状でも良く、融着トレイの周壁の構造について限定はなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0023】
また、融着トレイ1を光成端箱の背板6と一体に形成したが、レイアウト変更ができるように一体に形成しなくても良いし、融着トレイ1を積層するための構造についても限定はない。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、光ファイバの融着部を収納するための融着トレイにおいて、融着トレイの周壁の内周に光ファイバ心線を収納可能にすると共に、融着トレイの周壁の外周に光ファイバコードを収納可能にしたことにより、光ファイバ心線と光ファイバコードとを同一箇所に収納できるので光成端箱内の余長収納スペースを小さくすることができ、よって光成端箱を小型化することができるという効果がある。
【0025】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の融着トレイにおいて、融着トレイの周壁の高さ方向を2分割して一方を凹ませ、光ファイバコードの収納部としたことにより、光ファイバコードの収納部が外側に張り出さないので融着トレイの外形を小さくすることができるという効果がある。
【0026】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の融着トレイにおいて、光ファイバコードの収納部を融着トレイの上面開口側の周壁に形成し、光ファイバ心線の収納部を融着トレイの底面側の周壁に形成したことにより、光ファイバ心線が融着トレイから外に飛び出すのを防ぐことができるという効果がある。
【0027】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の融着トレイにおいて、融着トレイの周壁の外面端部に光ファイバコードの脱落を防止するための脱落防止手段を設けたことにより、融着トレイから光ファイバコードが飛び出さず、外観を損なわないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る融着トレイの平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】融着トレイの変形実施例を示す断面図である。
【図5】融着トレイの変形実施例を示す断面図である。
【図6】融着トレイの変形実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…融着トレイ
1b…周壁
1d…光ファイバコードの収納部
1e…光ファイバ接続部の収納部
2…光ファイバ心線
3…光ファイバコード
Claims (4)
- 光ファイバの融着部を収納するための融着トレイにおいて、該融着トレイの周壁の内周に光ファイバ心線を収納可能にすると共に、前記融着トレイの周壁の外周に光ファイバコードを収納可能にしたことを特徴とする融着トレイ。
- 前記融着トレイの周壁の高さ方向を2分割して一方を凹ませ、前記光ファイバコードの収納部としたことを特徴とする請求項1に記載の融着トレイ。
- 前記光ファイバコードの収納部を前記融着トレイの上面開口側の周壁に形成し、前記光ファイバ心線の収納部を前記融着トレイの底面側の周壁に形成したことを特徴とする請求項2に記載の融着トレイ。
- 前記融着トレイの周壁の外面端部に前記光ファイバコードの脱落を防止するための脱落防止手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の融着トレイ。
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