JP4006589B2 - Gm−95物質の製法 - Google Patents

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Description

技 術 分 野
本発明は制癌活性を有するGM−95物質の製法及びその製造中間体に関する。
背 景 技 術
制癌活性を有するGM−95物質については、国際公開WO00/24747号公報に、培養物から単離したことが記載されている。その構造は連続した7個のオキサゾール環とチアゾリン環から成る大環状化合物であるが、これまでのところGM−95物質を含め、連続したヘテロ5員環から成る大環状化合物に関する化学的な製造方法は知られていない。
発 明 の 開 示
本発明の目的は、GM−95物質の製法及びその製造中間体を提供することにある。
即ち、本発明は、(a)下記一般式[II]で表わされる環状化合物
Figure 0004006589
(式中、Rは同一または相異なって低級アルキル基を示し、Rはチオール基の保護基を示す。)
のアセタール保護基(R)を脱保護して生成せしめたホルミル基とアミド基を分子内閉環反応によりオキサゾール環を形成させ、
(b)得られる下記一般式[III]
Figure 0004006589
(式中、Rは前記に同じ。)
で表される環状化合物のチオールの保護基(R)を脱保護して生成せしめたチオール基とアミド基との分子内閉環反応によりチアゾリン環を形成せしめることを特徴とする一般式[I]
Figure 0004006589
で表わされるGM−95物質の製法に係る。更に、GM−95物質の製造中間体として有用な、上記一般式[II]及び[III]で表される環状化合物に係る。
具体的には、本発明は以下の発明を提供する。
項1: 一般式[III]で表される環状化合物のチオールの保護基(R)を脱保護して生成せしめたチオール基とアミド基との分子内閉環反応によりチアゾリン環を形成せしめることを特徴とする一般式[I]で表わされるGM−95物質の製法。
項2: (a)一般式[II]で表わされる環状化合物のアセタール保護基(R)を脱保護して生成せしめたホルミル基とアミド基を分子内閉環反応によりオキサゾール環を形成させ、
(b)得られる一般式[III]で表される環状化合物のチオールの保護基(R)を脱保護して生成せしめたチオール基とアミド基との分子内閉環反応によりチアゾリン環を形成せしめることを特徴とする一般式[I]で表わされるGM−95物質の製法。
項3: 一般式[II]で表わされる環状化合物。
項4: 一般式[III]で表される環状化合物。
項5: (a)一般式[IV−a]で表わされるアセタール誘導体
Figure 0004006589
(式中、Rは前記に同じ。Rはカルボキシル基の保護基を示す。)
と、一般式[V−a]で表わされるチオール誘導体
Figure 0004006589
(式中、Rは前記に同じ。Rはアミノ基の保護基を示す。)
とを脱水縮合させ、
(b)得られる一般式[VI]
Figure 0004006589
(式中、R、R、R及びRは前記に同じ。)
で表されるアミド誘導体のアミノ基の保護基(R)及びカルボキシル基の保護基(R)を脱保護させた後、分子内で環化せしめることを特徴とする一般式[II]で表わされる環状化合物の製法。
項6: 一般式[IV−b]で表わされるアセタール誘導体
Figure 0004006589
(式中、Rは前記に同じ。Rはアミノ基の保護基を示す。)
と、一般式[V−b]で表わされるチオール誘導体
Figure 0004006589
(式中、Rは前記に同じ。Rはカルボキシル基の保護基を示す。)
とを脱水縮合させ、
(b)得られる一般式[VII]
Figure 0004006589
(式中、R、R、R及びRは前記に同じ。)
で表されるアミド誘導体のアミノ基の保護基(R)及びカルボキシル基の保護基(R)を脱保護させた後、分子内で環化せしめることを特徴とする一般式[II]で表わされる環状化合物の製法。
本発明に係るGM−95の製造方法のスキームを下記に示す。
Figure 0004006589
本発明において、Rで表される低級アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、s−ブチル基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝状の低級アルキル基が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基であり、より好ましくはメチル基である。
で表されるチオール基の保護基としては、グリーン(Greene)著「プロテクティブ グループス イン オルガニック シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、1981年発行」記載の保護基が挙げられ、例えば、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、4−メチルベンジル基、3,4−ジメチルベンジル基、p−ヒドロキシベンジル基、p−アセトキシベンジル基、p−ニトロベンジル基等の無置換又は置換ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリチル基、t−ブチル基、アセチル基、ベンゾイル基等が挙げられ、好ましくはベンジル基、p−メトキシベンジル基、4−メチルベンジル基、3,4−ジメチルベンジル基、p−ヒドロキシベンジル基、p−アセトキシベンジル基、p−ニトロベンジル基等の無置換又は置換ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリチル基、t−ブチル基であり、より好ましくはベンジル基、トリチル基、t−ブチル基である。
本発明において、RまたはRで表されるカルボキシル基の保護基としては、上記グリーン著「プロテクティブ グループス イン オルガニック シンセシス」記載の保護基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状の低級アルキル基、アリル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基等が挙げられ、好ましくはRまたはR共にメチル基、エチル基である。
またはRで表されるアミノ基の保護基としても、上記グリーン著「プロテクティブ グループス イン オルガニック シンセシス」記載の保護基が挙げられ、例えば、メトキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、シクロプロピルメトキシカルボニル基、ジイソプロピルメトキシカルボニル基、2−フラニルメトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ホルミル基等が挙げられ、好ましくはRまたはR共にt−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基である。
化合物[II]から化合物[I](GM−95物質)の製造工程
(a)化合物[II]から化合物[III]の製造
本工程は、一般式[II]で表わされる環状化合物のアセタール保護基(R)を脱保護し、生成したホルミル基とアミド基を分子内閉環反応によりオキサゾール環を形成させる工程である。
i)上記反応中、アセタール保護基(R)の脱保護に際しては、適当な溶媒中、酸の存在下で行われる。溶媒としては、反応に関与しないものであれば何れでもよく、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル等が挙げられる。これら溶媒は、単一または混合溶媒でもよい。使用する酸としては、例えば、トリフルオロ酢酸、蟻酸等の有機酸、または塩化水素、硫酸等の鉱酸が挙げられる。また、使用される酸を溶媒としてそのまま使用することも可能である。酸の使用量は、一般式[II]で表される化合物1モルに対し、100〜2000モル量であり、好ましくは、500〜1000モル量である。反応温度は、室温〜100℃程度であり、好ましくは40〜80℃程度である。反応時間は、1〜48時間程度であり、好ましくは10〜30時間程度である。
ii)次に、上記脱保護で生成せしめたホルミル基とアミド基を分子内閉環反応によりオキサゾール環を形成せしめるには、適当な溶媒中、ホルミル基とアミド基の間で脱水反応させる必要がある。使用される溶媒としては、反応に関与しないものであれば何れでもよく、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。これら溶媒は、単一または混合溶媒でもよい。脱水反応に使用される脱水剤としては、例えば3価のリン/ハロゲン/有機3級アミンの組み合わせが挙げられ、好ましくはトリフェニルホスフィン/ヨウ素/トリエチルアミンの組み合わせである。それらの使用割合は、一般式[II]の化合物のアセタール保護基を脱保護した化合物1モルに対して、3価のリンを1〜5モル量、ハロゲンを1〜5モル量、有機3級アミンを2〜10モル量使用する。具体的には、一般式[II]の化合物のアセタール保護基を脱保護した化合物1モルに対して、トリフェニルホスフィンを1〜5モル量、ヨウ素を1〜5モル量、トリエチルアミンを2〜10モル量使用する。
添加する順序としては、3価のリンとハロゲンの混合物に一般式[II]の化合物のアセタール保護基を脱保護した化合物と有機3級アミンを添加するのが好ましい。反応温度は、0〜100℃程度、好ましくは20〜50℃程度である。反応時間は、1〜36時間程度であり、好ましくは12〜24時間程度である。
本反応によって得られる一般式[III]で表される化合物は、単離又は単離されることなく次の反応工程に使用することができる。単離する場合は、通常の精製手段、例えば、抽出、濃縮、結晶化、カラムクロマト等の操作で精製することができる。
(b)化合物[III]から化合物[I]の製造
本工程は、一般式[III]で表される環状化合物のチオールの保護基(R)を脱保護して生成せしめたチオール基とアミド基との分子内閉環反応によりチアゾリン環を形成せしめる工程である。
(a)で得られた一般式[III]で表される環状化合物を用いて、適当な溶媒中、強酸性条件下で反応を行うことにより、チオール基の保護基(R)の脱保護と分子内閉環反応が同時に進行し、一般式[I]で表されるGM−95物質が生成される。溶媒としては、反応に関与しないものであれば何れでもよく、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等が挙げられ、好ましくはジクロロメタンである。これら溶媒は、単一または混合溶媒でもよい。強酸性条件の設定において使用される酸としては、例えば、四塩化チタン、トリフルオロ酢酸/アニソール、フッ化水素酸/アニソール、塩化水素/酢酸、HF等が挙げられ、好ましくは四塩化チタンである。酸の使用量は、一般式[III]で表される化合物1モルに対し、1〜100モル量であり、好ましくは、30〜60モル量である。反応温度は、0〜100℃程度であり、好ましくは20〜40℃である。反応時間は、1〜5日間であり、好ましくは2〜4日間である。
本反応によって得られる一般式[I]で表されるGM−95物質は、通常の精製手段、例えば、抽出、濃縮、結晶化、カラムクロマト等の操作で精製することができる。
化合物[IV−a]と化合物[V−a]からの化合物[II]の製造工程
(a)化合物[IV−a]と化合物[V−a]からの化合物[VI]の製造
本工程は、一般式[IV−a]で表わされるアセタール誘導体と、一般式[V−a]で表わされるチオール誘導体とを、適当な溶媒中、分子間で脱水縮合させる工程である。
上記分子間で脱水縮合反応に用いる溶媒としては、反応に関与しないものであれば何れでもよく、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等が挙げられ、好ましくはジメチルホルムアミドである。これら溶媒は単独或いは混合溶媒として使用することができる。使用する脱水縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、水溶性カルボジイミド、シアノ燐酸ジエチル、ジフェニル燐酸アジド、トリフェニルホスフィン/ジエチルアゾジカルボキシレート等が挙げられ、好ましくは水溶性カルボジイミドである。水溶性カルボジイミドとしては、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩が好ましい。反応に際しては、一般式[IV−a]で表される化合物1モルに対し、一般式[V−a]で表される化合物を0.8〜1.2モル量、脱水縮合剤を1〜2モル量、好ましくは1.0〜1.3モル量使用することができる。更に、反応促進と副反応の抑制のため、1−ヒドロキシベンズトリアゾール1水和物を加えるのが好ましく、その使用割合は一般式[IV−a]で表される化合物1モルに対し1〜1.5モル量程度である。反応温度は、0℃〜100℃程度であり、好ましくは10〜30℃程度である。反応時間は、6〜30時間程度であり、好ましくは8〜24時間程度である。
本反応によって得られる一般式[VI]で表される化合物は、単離又は単離されることなく次の反応工程に使用することができる。単離する場合は、通常の精製手段、例えば、抽出、濃縮、結晶化、カラムクロマト等の操作で精製することができる。
(b)化合物[VI]から化合物[II]の製法
本工程は、化合物[VI]のアミド誘導体のカルボキシル基及びアミノ基の保護基(R及びR)を脱保護させた後、アミノ基とカルボキシル基との分子内脱水縮合により分子内で環化せしめる工程である。
i)上記反応中、一般式[VI]で表されるアミド誘導体のカルボキシル基の保護基(R)又はアミノ基の保護基(R)の脱保護は、以下の通り行われる。
一般式[VI]で表されるアミド誘導体のアミノ基の保護基(R)の脱保護に際しては、適当な溶媒中、酸の存在下で行われる。溶媒としては、反応に関与しなければ何れでもよく、例えば、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等が挙げられ、好ましくはジクロロメタン、メタノールである。これらは単独でも混合溶媒でもよい。使用する酸としては、例えば塩化水素、硫酸等の鉱酸、トリフルオロ酢酸、蟻酸等の有機酸が挙げられ、好ましくは塩化水素である。
該工程においては、RとR間において、Rが選択的に脱保護されるように各基を選択することが望ましい。RとRの好ましい組み合わせとしては、Rがt−ブトキシカルボニル基であってRがメチル基である。
本工程においては、Rの脱保護を防ぐために、無水下で行う。酸の使用量は、基質1モルに対し、1〜10モル量であり、好ましくは4〜6モル量である。反応温度は、0〜80℃程度であり、好ましくは20〜50℃程度である。反応時間は、1〜24時間程度であり、好ましくは8〜18時間程度である。
一般式[VI]で表されるアミド誘導体のカルボキシル基の保護基(R)の脱保護に際しては、適当な溶媒中、塩基の存在下で行われる。溶媒としては、反応に関与しなければ何れでもよく、例えば、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等が挙げられ、好ましくはメタノールである。これら溶媒は、単独でも混合溶媒でもよい。使用する塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。塩基の使用量は、基質1モルに対し、1〜10モル量であり、好ましくは2〜6モル量である。反応温度は、0〜80℃程度であり、好ましくは20〜50℃程度である。反応時間は、1〜24時間程度であり、好ましくは4〜18時間程度である。
該工程においては、RとR間において、Rが選択的に脱保護されるように各基を選択することが望ましい。RとRの好ましい組み合わせとしては、Rがトリチル基でRがメチル基またはエチル基がよい。
上記酸処理及び塩基処理の順序は、いずれが先でもよいが、好ましくは、酸処理した後塩基処理を行うのがよい。
ii)上記脱保護後、適当な溶媒中、分子内脱水縮合反応することにより、一般式[II]で表される環状化合物を得ることができる。溶媒としては、反応に関与しないものであれば何れでもよく、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等を挙げられ、好ましくはジメチルホルムアミドであり、該溶媒は単独又は混合溶媒として使用することができる。脱水縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、水溶性カルボジイミド、シアノ燐酸ジエチル、ジフェニル燐酸アジド、トリフェニルホスフィン/ジエチルアゾジカルボキシレート等が挙げられ、好ましくはジフェニル燐酸アジドである。この際、分子間での反応を抑えるため、化合物[VI]のカルボキシル基及びアミノ基の保護基を脱保護した化合物の濃度を高度希釈して反応する方が好ましい。化合物[VI]のカルボキシル基及びアミノ基の保護基を脱保護した化合物の反応濃度としては1〜100mMで、好ましくは2〜20mMである。また、化合物[VI]のカルボキシ基及びアミノ基の保護基を脱保護した化合物1モルに対し、脱水縮合剤を0.8〜3モル量、好ましくは1〜2モル量使用することができる。
反応促進と副反応の抑制のために、1−ヒドロキシベンズトリアゾール1水和物、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミンを共存させることが好ましい。その使用割合としては、化合物[VI]のカルボキシル基及びアミノ基の保護基を脱保護した化合物1モルに対し、1−ヒドロキシベンズトリアゾール1水和物を1〜1.5モル量、4−ジメチルアミノピリジンを1〜1.5モル量、トリエチルアミンを1〜2モル量である。反応温度は、10〜60℃程度であり、好ましくは25〜35℃程度である。反応時間は、1〜6日間程度であり、好ましくは2〜4日間程度である。
本反応によって得られる一般式[II]で表される環状化合物は、必要であれば、通常の精製手段、例えば、抽出、濃縮、結晶化、カラムクロマト等の操作で精製することができる。
化合物[IV−b]と化合物[V−b]からの化合物[II]の製造工程
(a)化合物[IV−b]と化合物[V−b]からの化合物[VII]の製造
本工程は、一般式[IV−b]で表わされるアセタール誘導体と、一般式[V−b]で表わされるチオール誘導体とを、適当な溶媒中、分子間で脱水縮合させる工程である。
上記分子間で脱水縮合反応に用いる溶媒としては、反応に関与しないものであれば何れでもよく、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等が挙げられ、好ましくはジメチルホルムアミドであり、これら溶媒は単独或いは混合溶媒として使用することができる。使用する脱水縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、水溶性カルボジイミド、シアノ燐酸ジエチル、ジフェニル燐酸アジド、トリフェニルホスフィン/ジエチルアゾジカルボキシレート等が挙げられ、好ましくは水溶性カルボジイミドである。水溶性カルボジイミドとしては、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩が好ましい。反応に際しては、一般式[IV−b]で表される化合物1モルに対し、一般式[V−b]で表される化合物を0.8〜1.2モル量、脱水縮合剤を1〜2モル量、好ましくは1.0〜1.3モル量使用することができる。反応促進と副反応の抑制のため、1−ヒドロキシベンズトリアゾール1水和物を加えるのが好ましく、その使用割合は一般式[IV−b]で表される化合物1モルに対し1〜1.5モル量程度である。反応温度は、0〜100℃程度であり、好ましくは10〜30℃程度である。反応時間は、4〜30時間程度であり、好ましくは8〜24時間程度である。
本反応によって得られる一般式[VII]で表される化合物は、単離又は単離されることなく次の反応工程に使用することができる。単離する場合は、通常の精製手段、例えば、抽出、濃縮、結晶化、カラムクロマト等の操作で精製することができる。
(b)化合物[VII]から化合物[II]の製法
本工程は、一般式[VII]のアミド誘導体のアミノ基及びカルボキシル基の保護基(R及びR)を脱保護させた後、アミノ基とカルボキシル基との分子内脱水縮合により分子内で環化せしめる工程である。
i)上記反応中、一般式[VII]で表されるアミド誘導体のカルボキシル基及びアミノ基の保護基(R及びR)を脱保護に際しては、一般式[VI]で表されるアミド誘導体のカルボキシル基の保護基(R)又はアミノ基の保護基(R)の脱保護と同様に行うことができる。
具体的には、一般式[VII]で表されるアミド誘導体のアミノ基の保護基(R)の脱保護に際しては、適当な溶媒中、酸の存在下で行われる。溶媒としては、反応に関与しなければ何れでもよく、例えば、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等が挙げられ、好ましくはジクロロメタン、メタノールである。これらは単独でも混合溶媒でもよい。使用する酸としては、例えば塩化水素、硫酸等の鉱酸、トリフルオロ酢酸、蟻酸等の有機酸が挙げられ、好ましくは塩化水素である。
該工程においては、RとR間において、Rが選択的に脱保護されるように各基を選択することが望ましい。RとRの好ましい組み合わせとしては、Rがt−ブトキシカルボニル基であってRがメチル基である。
本工程においては、Rの脱保護を防ぐために、無水下で行う。
酸の使用量は、基質1モルに対し、1〜10モル量であり、好ましくは4〜6モル量である。反応温度は、0〜80℃程度であり、好ましくは20〜50℃程度である。反応時間は、1〜24時間程度であり、好ましくは8〜18時間程度である。
一般式[VII]で表されるアミド誘導体のカルボキシル基の保護基(R)の脱保護に際しては、適当な溶媒中、塩基の存在下で行われる。溶媒としては、反応に関与しなければ何れでもよく、例えば、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等が挙げられ、好ましくはメタノールである。これら溶媒は、単独でも混合溶媒でもよい。使用する塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。塩基の使用量は、基質1モルに対し、1〜10モル量であり、好ましくは2〜6モル量である。反応温度は、0〜80℃程度であり、好ましくは20〜50℃程度である。反応時間は、1〜24時間程度であり、好ましくは4〜20時間程度である。
該工程においては、RとR間において、Rが選択的に脱保護されるように各基を選択することが望ましい。RとRの好ましい組み合わせとしては、Rがトリチル基でRがメチル基またはエチル基がよい。
上記酸処理及び塩基処理の順序は、いずれが先でもよいが、好ましくは、酸処理した後塩基処理を行うのがよい。
ii)上記脱保護後、適当な溶媒中、分子内で脱水縮合反応することにより、一般式[II]で表される環状化合物を得ることができる。分子内での脱水縮合反応は上述の反応([VI]から[II]の製造)を利用することができる。
具体的には、溶媒としては、反応に関与しないものであれば何れでもよく、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等を挙げられ、好ましくはジメチルホルムアミドであり、該溶媒は単独又は混合溶媒として使用することができる。脱水縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、水溶性カルボジイミド、シアノ燐酸ジエチル、ジフェニル燐酸アジド、トリフェニルホスフィン/ジエチルアゾジカルボキシレート等が挙げられ、好ましくはジフェニル燐酸アジドである。この際、分子間での反応を抑えるため、化合物[VII]のカルボキシル基及びアミノ基の保護基を脱保護した化合物の濃度を高度希釈して反応する方が好ましい。化合物[VII]のカルボキシル基及びアミノ基の保護基を脱保護した化合物の反応濃度としては1〜100mMで、好ましくは2〜20mMである。また、化合物[VII]のカルボキシ基及びアミノ基の保護基を脱保護した化合物1モルに対し、脱水縮合剤を0.8〜3モル量、好ましくは1〜2モル量使用することができる。
反応促進と副反応の抑制のために、1−ヒドロキシベンズトリアゾール1水和物、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミンを共存させることが好ましい。その使用割合としては、化合物[VII]のカルボキシ基及びアミノ基の保護基を脱保護した化合物1モルに対し、1−ヒドロキシベンズトリアゾール1水和物を1〜1.5モル量、4−ジメチルアミノピリジンを1〜1.5モル量、トリエチルアミンを1〜2モル量である。
反応温度は、10〜60℃程度であり、好ましくは25〜35℃程度である。反応時間は、1〜6日間程度であり、好ましくは2〜4日間程度である。
本反応によって得られる一般式[II]で表される環状化合物は、必要であれば、通常の精製手段、例えば、抽出、濃縮、結晶化、カラムクロマト等の操作で精製することができる。
原料である一般式[IV−a]、[IV−b]、[V−a]または[V−b]で表わされるトリオキサゾール誘導体の合成は、公知化合物であるか、例えば、J.Org.Chem.,58,1575(1993)、同誌,58,3604(1993)、Tetrahedron Lett.,33,6267(1992)、Tetrahedron Lett.,35,2477(1994)、Tetrahedron,51,7321(1995)、J.Am.Chem.Soc.,115,8449(1993)、Tetrahedron Lett.27,163(1986)、J.Org.Chem.,43,1624(1978)、Tetrahedron Lett.,38,331(1997)等の文献記載の方法に準じて合成することができる。
更に、本発明においては、原料として使用する化合物の不斉炭素により、反応工程毎に光学異性体又はジアステレオ異性体が存在する場合があるが、それらの何れにおいても、更にはそれらの混合物の形でも本発明に包含され、本発明反応工程に使用することができる。
例えば、本発明のスキームにおいて化合物[V−a]または[V−b]中の*で示される不斉炭素の立体配置がR型であれば、化合物[I]中のチアゾリン環中の*で示される不斉炭素のそれもR型であり、化合物[V−a]または[V−b]中の*で示される不斉炭素の立体配置がS型であれば、化合物[I]中のチアゾリン環中の*で示される不斉炭素のそれもS型である。また、化合物[V−a]または[V−b]中の*で示される不斉炭素の立体配置がRS型であれば、化合物[I]中のチアゾリン環中の*で示される不斉炭素のそれもRS型であり、必要であれば、光学分割することができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明をより詳しく説明するため実施例を挙げるが、本発明は之等に限定されない。
以下、本発明を参考例、実施例を挙げて更に詳細に説明するが、これら実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
参考例1 2−{2−[2−(1−アミノ−2,2−ジメトキシエチル)−1,3−オキサゾール−4−イル]−1,3−オキサゾール−4−イル}−1,3−オキサゾール−4−カルボン酸メチル(化合物1)の合成([IV−a])
Figure 0004006589
J.Org.Chem.,58,1575(1993)、同誌,58,3604(1993)、Tetrahedron Lett.,33,6267(1992)、Tetrahedron Lett.,35,2477(1994)、Tetrahedron,51,7321(1995)、J.Am.Chem.Soc.,115,8449(1993)、Tetrahedron Lett.27,163(1986)、J.Org.Chem.,43,1624(1978)、Tetrahedron Lett.,38,331(1997)等の文献記載の方法に準じて合成し、標記化合物を白色固体として3.90g(収率:92.0%)得た。物性値を下記に示す。
mp;186〜188℃
H−NMR(CDCl);δ 8.43(s,1H),8.34(s,1H),8.32(s,1H),4.62(d,J=5.7Hz,1H),4.29(d,J=5.7Hz,1H),3.95(s,3H),3.48(s,3H),3.43(s,3H),1.72(brs,2H)
positive ion FAB−MS m/z=365[M+H]
参考例2 2−{2−[2−(1−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−トリフェニルメチルチオエチル)−5−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル]−5−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル}−1,3−オキサゾール−4−カルボン酸(化合物2)の合成([V−a])
Figure 0004006589
J.Org.Chem.,58,1575(1993)、同誌,58,3604(1993)、Tetrahedron Lett.,33,6267(1992)、Tetrahedron Lett.,35,2477(1994)、Tetrahedron,51,7321(1995)、J.Am.Chem.Soc.,115,8449(1993)、Tetrahedron Lett.27,163(1986)、J.Org.Chem.,43,1624(1978)、Tetrahedron Lett.,38,331(1997)等の文献記載の方法に準じて合成し、標記化合物を得た。物性値を下記に示す。
H−NMR(CDCl);δ 9.45−8.75(brs,1H),8.37(s,1H),7.48−7.15(m,15H),5.43−5.25(m,1H),4.95−4.77(m,1H),2.79(s,3H),2.88−2.60(m,2H),2.68(s,3H),1.43(s,9H)
positive ion FAB−MS m/z=715[M+Na]
実施例1 下記化合物3の合成
Figure 0004006589
参考例2で得られた化合物2の2.5g(3.5mmol)を脱水ジメチルホルムアミド30mlに溶解し、氷冷下1−ヒドロキシベンズトリアゾール1水和物590mg(3.85mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩800mg(4.17mmol)、参考例1で得られた化合物1の1.34g(3.68mmol)の脱水ジメチルホルムアミド溶液40mlを加え、室温下15時間撹拌した。反応液を減圧下溶媒留去して得られた残留物を酢酸エチルで希釈し、有機層を1規定塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾去し、減圧下溶媒留去して得られた残留物にエーテルを加え析出した固体を濾取し、標記化合物を白色固体として3.44g(収率:94.6%)得た。
mp;142〜143℃
H−NMR(CDCl);δ 8.42(s,1H),8.35(s,1H),8.32(s,1H),8.28(s,1H),7.77(d,J=8.9Hz,1H),7.43−7.17(m,15H),5.69(dd,J=8.9,4.6Hz,1H),5.30−5.10,(m,1H),4.90(d,J=4.6Hz,1H),4.93−4.75(m,1H),3.95(s,3H),3.49,3.49(s,s,each 3H),2.80(s,3H),2.85−2.65(m,2H),2.71(s,3H),1.43(s,9H)
positive ion FAB−MS m/z=1061[M+Na]
実施例2 下記化合物4の合成
Figure 0004006589
実施例1で得られた化合物3の3.33g(3.2mmol)を脱水ジクロロメタン20ml、脱水メタノール20mlに溶解し、氷冷下4規定塩化水素−酢酸エチル溶液4.0ml(16.0mmol)を加え、室温下14時間、35℃にて2時間撹拌した。減圧下溶媒留去して得られた残留物にエーテルを加え析出した固体を濾取し、標記化合物を白色固体として3.01g(収率:96.4%)得た。
mp;163〜165℃
H−NMR(DMSO−d);δ 9.09(s,1H),9.03(s,1H),9.01(s,1H),8.84(s,1H),9.15−8.75(m,4H),7.45−7.15(m,15H),5.55−4.37(m,1H),5.11(d,J=6.6Hz,1H),4.23−4.08,(m,1H),3.85(s,3H),3.39,3.38(s,s,each 3H),2.82(s,3H),3.0−2.60(m,2H),2.72(s,3H)
positive ion FAB−MS m/z=939[M+H]
実施例3 下記化合物5の合成
Figure 0004006589
実施例2で得られた化合物4の2.93g(3.0mmol)をメタノール40mlに溶解し、氷冷下1規定水酸化ナトリウム水溶液9.0ml(9.0mmol)を加え、室温下3時間、45℃にて2時間、60℃にて1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、減圧下溶媒留去して得られた残留物に水50ml及び1規定塩酸9.0mlを加えて析出した固体を濾取し、水、エーテルで洗浄し減圧下乾燥することで標記化合物を白色固体として2.04g(収率:73.5%)得た。
mp;171〜174℃
H−NMR(DMSO−d);δ 9.05(s,1H),9.02(s,1H),8.86(s,1H),8.82(s,1H),8.95−8.80(m,1H),7.45−7.15(m,15H),5.47(dd,J=8.6,6.9Hz,1H),5.12(d,J=6.9Hz,1H),3.78−3.65,(m,1H),3.39,3.38(s,s,each 3H),2.80(s,3H),2.90−2.50(m,2H),2.66(s,3H)
negative ion FAB−MS m/z=923[M−H]
実施例4 下記化合物6の合成([II])
Figure 0004006589
1−ヒドロキシベンズトリアゾール1水和物354mg(2.31mmol)を脱水ジメチルホルムアミド600mlに溶解し、氷冷下、ジフェニル燐酸アジド636mg(2.31mmol)の脱水ジメチルホルムアミド溶液10ml、4−ジメチルアミノピリジン308mg(2.52mmol)、トリエチルアミン319mg(3.15mmol)の脱水ジメチルホルムアミド溶液10mlを加え、同温にて実施例3で得られた化合物5の1.94g(2.10mmol)の脱水ジメチルホルムアミド溶液50mlを15時間かけて滴下した。得られた反応液(化合物5の濃度:3.1mM)を室温にて更に3日間撹拌した後、減圧下溶媒留去し、得られた残留物をクロロホルムで希釈し、1規定塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾去し、減圧下溶媒留去して得られた残留物を中圧シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール:クロロホルム=1:50〜1:20)にて精製し、標記化合物を2種のジアステレオマーの混合物として白色固体1.56g(収率:81.9%)を得た。
mp;253〜256℃(decomposed)
H−NMR(DMSO−d);δ 9.14,9.13,9.10,9.07,9.02,8.97,8.94,8.91(s,total 4H),8.46−8.18(m,2H),7.42−7.13(m,15H),5.60−5.40(m,2H),4.80−4.70(m,1H),3.46,3.44,3.36,3.30(s,total 6H),2.77,2.76,2.73,2.71(s,total 6H),2.88−2.50(m,2H)
positive ion FAB−MS m/z=907[M+H]
実施例5 下記化合物7の合成([III])
Figure 0004006589
実施例4で得られた化合物6の907mg(1.0mmol)を蟻酸50mlに溶解し、50℃にて20時間、60℃にて6時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、減圧下溶媒留去して得られた残留物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水を加えて析出した固体を濾取し水、エーテルで洗浄し減圧下乾燥することで白色固体760mg(収率:88.3%)を得た。次に、トリフェニルホスフィン923mg(3.52mmol)の脱水ジクロロメタン60ml溶液に室温下、よう素893mg(3.52mmol)を加え15分間撹拌した後、該溶液に上述の白色固体760mg(0.88mmol)とトリエチルアミン720mg(7.12mmol)の脱水塩化メチレン溶液70mlを滴下し、同温にて20時間撹拌した。得られた反応液をクロロホルムで希釈し、1規定塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾去し、減圧下溶媒留去して得られた残留物を中圧シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール:クロロホルム=1:20〜1:3)にて精製し、標記化合物を白色固体として234mg(収率:31.5%)得た。
mp;246〜248℃
H−NMR(DMSO−d);δ 9.11(s,1H),9.05(s,1H),8.98(s,1H),8.96(s,1H),8.96(s,1H),8.32−8.15(m,1H),7.40−7.12(m,15H),5.55−5.42(m,1H),3.05−2.88(m,1H),2.73(s,3H),2.70−2.40(m,3H),2.68(s,3H)
positive ion FAB−MS m/z=865[M+Na]
実施例6 下記化合物8の合成([I]GM−95物質)
Figure 0004006589
実施例5で得られた化合物7の42mg(0.050mmol)を脱水ジクロロメタン25mlに溶解し、室温にて四塩化チタン474mg(2.50mmol)を加え、同温にて3日間撹拌した。反応液を減圧下溶媒留去して得られた残留物を中圧シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール:クロロホルム=1:10〜1:4)にて精製し、標記化合物を白色固体として10mg(収率:34.3%)得た。
mp;257〜260℃(decomposed)
H−NMR(DMSO−d);δ 9.05(s,1H),9.04(s,1H),9.00(s,2H),8.91(s,1H),6.11−5.98(m,1H),4.23−4.10(m,1H),3.72−3.58(m,1H),2.74(s,3H),2.69(s,3H)
positive ion FAB−MS m/z=605[M+Na]
参考例3 化合物8の構造決定
(1)GM−95物質結晶の単離、精製
国際公開WO00/24747号記載のGM−95物質生産菌を用いて、同様の培養条件にて培養して得たGM−95物質を含むメタノール抽出物約100gを、内径60mm×500mmのカラム管に充填したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、メタノール:塩化メチレン=1:9の移動相を40ml/分の速度で流した。GM−95物質を含むフラクションは国際公開WO00/24747号記載の方法で検出した。この操作を4回実施して得たフラクション濃縮残さを酢酸エチルで処理することにより不溶物759mgを得た。得られた不溶物を内径50mm×500mmのカラム管に充填したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、メタノール:塩化メチレン=1:9〜1:5の移動相を40ml/分の速度で流した。上述の検出条件でGM−95物質の単一フラクションを集めて濃縮し、得られた残さを酢酸エチルで処理し、粉末状のGM−95物質の結晶として117mg得た。得られたGM−95物質結晶の物理化学的性質は、融点を除き、国際公開WO00/24747号に記載されたGM−95蒸発乾固物の物理化学的性質に一致した。本精製条件で得られたGM−95物質結晶の融点は235℃以上(分解)であった。
上記精製により得られたGM−95物質結晶を標品として、本発明により得られた化合物8の同定に利用した。
(2)化合物8の構造決定
実施例6で得られた化合物8と上記(1)で得られたGM−95物質結晶のH−NMR(DMSO−d)を比較した(図1参照)。更に、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による保持時間(Rt)及びUVスペクトル分析の比較を行った(図2及び図3参照)。HPLCの分析条件は、国際公開WO00/24747号記載の方法に準じて設定した。即ち、
カラム:PEGASIL ODS(内径4.6mm×250mm(株)センシュー科学製)
移動相:アセトニトリル/トリフルオロ酢酸/水(70:0.1:30 v/v/v)
流速:1ml/分
検出:254nm
として測定した。
これらの結果(紫外吸収スペクトルの一致、核磁気共鳴スペクトルの一致、高速液体クロマトグラフィーにおける保持時間の一致)及び実施例6に示したMassスペクトルの結果より、化合物8がGM−95物質と同一の構造を有することが判明した。
産業上の利用の可能性
本発明の製法によれば、制癌活性を有するGM−95物質を化学的に合成することができる。
また、一般式[II]及び[III]で表される化合物は、制癌活性を有するGM−95物質を化学的に合成するための製造中間体として有用である。
【図面の簡単な説明】
図1は、参考例3に記載の国際公開WO00/24747号記載のGM−95物質生産菌を用いて得られたGM−95(天然品)と本発明の実施例6で得られたGM−95(合成品)のH−NMRスペクトル図である。
図2は、参考例3に記載の国際公開WO00/24747号記載のGM−95物質生産菌を用いて得られたGM−95(天然品)と本発明の実施例6で得られたGM−95(合成品)の紫外吸収スペクトル図である。
図3は、参考例3に記載の国際公開WO00/24747号記載のGM−95物質生産菌を用いて得られたGM−95(天然品)と本発明の実施例6で得られたGM−95(合成品)のHPLCスペクトル図である。

Claims (6)

  1. 下記一般式[III]
    Figure 0004006589
    (式中、Rはチオール基の保護基を示す。)
    で表される環状化合物のチオールの保護基(R)を脱保護して生成せしめたチオール基とアミド基との分子内閉環反応によりチアゾリン環を形成せしめることを特徴とする一般式[I]
    Figure 0004006589
    で表わされるGM−95物質の製法。
  2. (a)下記一般式[II]で表わされる環状化合物
    Figure 0004006589
    (式中、Rは同一または相異なって低級アルキル基を示し、Rはチオール基の保護基を示す。)
    のアセタール保護基(R)を脱保護して生成せしめたホルミル基とアミド基を分子内閉環反応によりオキサゾール環を形成させ、
    (b)得られる下記一般式[III]
    Figure 0004006589
    (式中、Rは前記に同じ。)
    で表される環状化合物のチオールの保護基(R)を脱保護して生成せしめたチオール基とアミド基との分子内閉環反応によりチアゾリン環を形成せしめることを特徴とする一般式[I]
    Figure 0004006589
    で表わされるGM−95物質の製法。
  3. 一般式[II]
    Figure 0004006589
    (式中、 は同一または相異なって低級アルキル基を示し、R はチオール基の保護基を示す。
    で表わされる環状化合物。
  4. 一般式[III]
    Figure 0004006589
    (式中、 はチオール基の保護基を示す。
    で表される環状化合物。
  5. (a)下記一般式[IV−a]で表わされるアセタール誘導体
    Figure 0004006589
    (式中、 は同一または相異なって低級アルキル基を示す。はカルボキシル基の保護基を示す。)
    と、一般式[V−a]で表わされるチオール誘導体
    Figure 0004006589
    (式中、 はチオール基の保護基を示す。はアミノ基の保護基を示す。)
    とを脱水縮合させ、
    (b)得られる下記一般式[VI]
    Figure 0004006589
    (式中、R、R、R及びRは前記に同じ。)
    で表されるアミド誘導体のアミノ基の保護基(R)及びカルボキシル基の保護基(R)を脱保護させた後、分子内で環化せしめることを特徴とする一般式[II]
    Figure 0004006589
    (式中、R及びRは前記に同じ。)
    で表わされる環状化合物の製法。
  6. 一般式[IV−b]で表わされるアセタール誘導体
    Figure 0004006589
    (式中、 は同一または相異なって低級アルキル基を示す。はアミノ基の保護基を示す。)
    と、一般式[V−b]で表わされるチオール誘導体
    Figure 0004006589
    (式中、 はチオール基の保護基を示す。はカルボキシル基の保護基を示す。)
    とを脱水縮合させ、
    (b)得られる下記一般式[VII]
    Figure 0004006589
    (式中、R、R、R及びRは前記に同じ。)
    で表されるアミド誘導体のアミノ基の保護基(R)及びカルボキシル基の保護基(R)を脱保護させた後、分子内で環化せしめることを特徴とする一般式[II]
    Figure 0004006589
    (式中、R及びRは前記に同じ。)
    で表わされる環状化合物の製法。
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